以下、実施形態に係る照明装置について図面を参照して説明する。なお、図面における各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
(実施形態)
まず、図1〜図3を用いて、照明装置1の構成の概要を説明する。図1および図2は、実施形態に係る照明装置を示す斜視図である。具体的には、図1は、照明装置1の光源部3(図2参照)の反対側から見た斜視図である。また、図2は、照明装置1の光源部3側から見た斜視図である。なお、図2では、光源部3の光源100を示すためレンズ(光学部材)の図示を省略する。また、図3は、実施形態に係る照明装置を示す側面図(一部透視図)である。具体的には、図3は、照明装置1の枠体10を透視した図である。
以下では、後述する第1回動部20の回動軸である第1の回動軸に沿う方向をY軸とする。X軸およびZ軸は、Y軸に直交する面内において直交する軸とする。例えば、X軸は、照明装置1の取付け時の位置(初期位置)における第2回動部30の回動軸である第2の回動軸に沿う方向である。なお、以下では、照明装置1の各構成について、照明装置1の傾斜等の向きの変更について言及している箇所以外は、照明装置1の初期位置の状態を基準に説明する。
照明装置1は、枠体10と、角度調整装置2と、光源部3と、複数個の固定具4と、カバー部としての一対のカバー5と、放熱部としてのヒートシンク60と、保持部70と、ケーブル8とを備える。また、照明装置1は、後述する電源9(図15参照)を備える。光源部3は、向きを変更させる操作対象である。光源部3は、例えばLED(Light Emitting Diode)等の光源100や、反射板101や、上述したレンズを保持する保持部材102等を有する。また、光源100は、チップオンボード(COB:Chip On Board)等であってもよい。光源部3は、角度調整装置2(より具体的には、角度調整装置2の後述する第2回動部30)に取り付けられて固定されるが詳細は後述する。
また、本実施形態においては、3個の固定具4−1、4−2、4−3が設けられる。なお、固定具4−1〜4−3を区別して説明しない場合、固定具4と記載する。固定具4は、枠体10を天井CL(図15参照)に固定させる部材である。固定具4は、例えば、導電性を有する金属により形成させる。すなわち、固定具4は、導電性を有する。このため、固定具4は、枠体10と電気的に接続されている。固定具4には、取付孔4aが形成されている。この取付孔4aには、照明装置1が落下することを防止するワイヤー(図示しない。以下、落下防止ワイヤー)が挿通され、落下防止ワイヤーの一端が固定具4に取り付けられ、他端が天井CLに取り付けられる。これにより、照明装置1が仮に天井CLから外れた場合であっても、落下防止ワイヤーを介して天井CLに接続されたままとなる。したがって、落下防止ワイヤーにより、照明装置1が床面(図示しない)に落下することを防止することができる。
まず、照明装置1の回動に関する構成である枠体10や角度調整装置2について説明する。図4は、実施形態に係る枠体を示す斜視図である。図4に示すように、枠体10は、円筒状(断面が円環状)に形成される。例えば、枠体10は、導電性を有する金属(例えば、マグネシウム合金ダイカスト)により形成される。すなわち、枠体10は、導電性を有する。枠体10は、例えば天井面(図15中の天井CL参照)等に設けられた埋込穴に埋設されるが、詳細は後述する。以下では、Y軸のプラス方向を上方向とし、Y軸のマイナス方向を下方向とし、Y軸に直交する方向を水平方向とする。この場合、例えば、Y軸のマイナス方向が重力方向となり、Y軸に直交する平面が水平面となる。
また、枠体10の内周面には、内歯11が形成される。具体的には、枠体10の軸方向の一端(以下、「上端」ともいう)には内周に沿って、内歯11が形成される。また、枠体10の内周面には、内フランジ部12が形成される。具体的には、枠体10の軸方向の他端(以下、「下端」ともいう)には内周面から中心に向かって延びる内フランジ部12が形成される。内フランジ部12には、上端側へ突出する、一対の突出部121、122が形成される。枠体10の突出部121、122と後述するリミットスイッチ22とにより、枠体10の軸を中心とする回動が規制されるが、詳細は後述する。なお、図4中にはリミットスイッチ22を図示するが、リミットスイッチ22は、後述する第1回動部20に取り付けられる。
角度調整装置2は、第1回動部20と、第1駆動部27(図9、10参照)と、第2回動部30と、第2駆動部32(図11参照)と、ばね部材40(図9、10参照)とを有する。
図5および図6は、実施形態に係る第1回動部を示す斜視図である。図5および図6に示すように、第1回動部20は、円筒状に形成される。また、図2に示すように、第1回動部20は、第1の回動軸に交差する一面201側に臨んで光源100が配置され、第1の回動軸を中心に光源100とともに回動する。なお、図5に示すように、外フランジ部23側の開口面を他面202とする。すなわち、図6に示すように、外フランジ部23と反対側の開口面が一面201となる。
例えば、第1回動部20は、樹脂等により形成される。第1回動部20は、基部21を有し、基部21の軸方向の一端(以下、「上端」ともいう)には外周面から外側へ延びる外フランジ部23が形成される。第1回動部20の外フランジ部23は、枠体10の上端面によって摺動可能に支持される。これにより、第1回動部20は、枠体10によって水平方向へ回動可能に支持される。なお、水平方向は、第1方向の一例である。また、第1回動部20の基部21の内周面には、第2回動部30を鉛直方向(上下方向、垂直方向)に回動可能に支持する軸受部24、25が設けられるが、詳細は後述する。
また、基部21の外周の一部に形成された凹部211にリミットスイッチ22が配置される。また、上述のように枠体10の内フランジ部12には、一対の突出部121、122が設けられる。ここに、第1回動部20は、内フランジ部12の突出部121、122により、後述する第1駆動部27による水平方向の回動が規制される。リミットスイッチ22には、レバー221が設けられる。すなわち、角度調整装置2は、基部21の凹部211に配置されたリミットスイッチ22と内フランジ部12の突出部121、122とにより、第1回動部20の水平方向への回動動作を電気的に検出する。
角度調整装置2は、内フランジ部12の突出部121、122のいずれか一方によってリミットスイッチ22のレバー221が回動されることにより、設定した回動角度のリミットを検出し、後述する第1モータ271の作動を停止するなど、モータ制御に利用する。本実施形態において、第1回動部20は、リミットスイッチ22と内フランジ部12の突出部121、122とにより、水平方向への回動角度を略360°の範囲にするものとする。
第2回動部30は、第1回動部20によって水平方向と交差(直交)する鉛直方向へ回動可能に支持されて光源100が固定される。なお、鉛直方向は、第2方向の一例である。また、第2回動部30は、第1の回動軸とは異なる第2の回動軸を中心に回動する。図7および図8に示すように、第2回動部30は、一面が開口した中空円柱状(断面が円環状)に形成される。図7は、実施形態に係る第2回動部を示す斜視図である。図8は、実施形態に係る照明装置を示す平面図である。具体的には、図8は、第2回動部30を示すために照明装置1のカバー5やヒートシンク60等を除いた平面図である。例えば、第2回動部30は、樹脂等により形成される。第2回動部30は、軸方向の一面に貫通孔311が形成される基部31を有する。基部31の貫通孔311には、ケーブル103等により電力が供給される光源100を保持する保持部材104が配置される。なお、ケーブル103は、例えばケーブル8に集約され、照明装置1外へ引き出される。また、基部31の外周面の一部には、後述する第2駆動部32を取り付ける取付孔312が設けられるが、詳細は後述する。
また、第2回動部30の外周面には、一対の軸支部33、34が設けられる。一対の軸支部33、34は、第2回動部30の軸線に直交する1つの直線上(同一直線上)に配置される。例えば、図8に示す照明装置1、すなわち初期位置の照明装置1においては、一対の軸支部33、34はX軸に沿う1つの直線上(同一直線上)に配置される。また、照明装置1においては、第1回動部20による回動により、軸支部33、34はXZ平面内において位置が変更される。
また、軸支部34の中央部には、挿通孔341が形成される。また、軸支部33の中央部には、軸支部34の挿通孔341と同様に、挿通孔(図示省略)が形成され、軸支部33の挿通孔には、軸部材35の一端が嵌合される。また、軸支部34の挿通孔341には、軸支部33の軸部材35と同様の軸部材35の一端が嵌合される。
軸支部33や軸支部34に嵌合された軸部材35の他端部は、軸受部24、25に挿通され、支持される。例えば、軸支部33に嵌合された軸部材35の他端部は、軸受部24の挿通孔241に挿通される。また、例えば、軸支部34に嵌合された軸部材35の他端部は、軸受部25の挿通孔251に挿通される。これにより、第2回動部30は、第1回動部20によって軸支部33、34の軸線を中心に鉛直方向へ回動可能に支持される。
なお、図8に示すように、第2回動部30の平面視において、軸支部33、34の軸線は、第2回動部30の基部31の中心以外を通る。具体的には、図8中では、第2回動部30の平面視において、軸支部33、34の軸線は、X軸に沿う方向に延び、第2回動部30の基部31の中心からZ軸のプラス方向にずれた(オフセットした)位置を通る。以下では、第2回動部30の軸支部33、34の軸線よりもZ軸のマイナス方向側が下方に回動する方向をプラス方向とし、第2回動部30の軸支部33、34の軸線よりもZ軸のプラス方向側が下方に回動する方向をマイナス方向とする。
次に、第1回動部20を水平方向へ回動駆動する第1駆動部27と、第2回動部30を鉛直方向へ回動駆動する第2駆動部32とについて説明する。
図9および図10に示すように、第1駆動部27は、駆動源としての第1モータ271を有する。図9および図10は、実施形態に係る第1駆動部を示す斜視図である。第1モータ271の出力回転軸272の先端部にはギア273が装着されている。第1モータ271は、第1回動部20に取り付けられたばね部材40の第1ブラケット部41に固定される。例えば、第1モータ271は、出力回転軸272を第1ブラケット部41の貫通孔411に挿通させ、ねじ等の取付機構により第1ブラケット部41に固定されることにより、出力回転軸272の向きが枠体10の開口面に沿うように配置される。例えば、第1モータ271の出力回転軸272の向きは、Y軸に直交する方向となる。例えば、第1モータ271にはステッピングモータが用いられる。第1モータ271から延びるリード線271a(図16参照)は、ケーブル8に集約され、電源9(図15、図16参照)に接続される。すなわち、第1モータ271は、電源9から電力の供給を受けて動作する。
出力回転軸272に装着されたギア273は、第1ギア部28の回転軸281の第1ブラケット部41の貫通孔412に挿通される側の端部に装着されたギア282と噛み合う。また、第1ギア部28の回転軸281の先端部にはウォーム283が装着されている。すなわち、ウォーム283は、ウォームギアにおけるウォームである。ウォーム283は、円筒状に形成されたねじ状の歯車である。
軸変換部29は、回転軸291とウォームホイール292とギア293とを有する。軸変換部29のウォームホイール292は、ウォーム283と噛み合う。すなわち、軸変換部29のウォームホイール292とウォーム283とによりウォームギアが形成される。また、軸変換部29のギア293が、枠体10の内周に沿って形成された内歯11に噛み合わされる。これにより、第1駆動部27の出力に応じて、第1回動部20が水平方向に回動する。また、図9では図示を省略するが、ばね部材40は、図10に示すように第1ギア部28や軸変換部29の周囲を囲う壁部413を有する。
ばね部材40は、ばね加工された付勢部42を有する。付勢部42は、第1ブラケット部41の下端に連続する。ばね部材40は、付勢部42によりY軸のマイナス方向へ第2回動部30を付勢する。具体的には、ばね部材40の付勢部42は、図8における第2回動部30の軸支部33、34の軸線よりもZ軸のプラス方向側を下方に付勢する。すなわち、ばね部材40の付勢部42は、第2回動部30をマイナス方向に付勢する。例えば、ばね部材40の付勢部42は、第2回動部30を鉛直方向の回動範囲全体に亘って付勢してもよい。また、ばね部材40は、第2回動部30とともに水平方向に回動する。なお、ばね部材40の付勢部42は、後述する第2ブラケット部322(図3参照)に設けられてもよい。第2ブラケット部322がばね部材であってもよい。
次に、図11を用いて、第2回動部30を回動させる第2駆動部32について説明する。図11は、実施形態に係る第2駆動部を示す斜視図である。図11に示すように、第2駆動部32は、駆動源としての第2モータ321や第2ブラケット部322(図3参照)や取付ギア323を有する。なお、図11は、第2駆動部32の構成を説明するために、第2ブラケット部322を除いた状態を示す。また、図11は、第2ブラケット部322により保持された第2駆動部32の構成を示す。
第2モータ321の出力回転軸324の先端部にはギア325が装着されている。図3に示すように、第2モータ321は、第1回動部20に取り付けられた第2ブラケット部322に固定される。例えば、第2モータ321は、ねじ等の取付機構によって第2ブラケット部322に固定されることにより、出力回転軸324の向きが枠体10の開口面に沿うように配置される。例えば、第2モータ321の出力回転軸324の向きは、Y軸に直交する方向となる。例えば、第2モータ321にはステッピングモータが用いられる。第2モータ321から延びるリード線321a(図16参照)は、ケーブル8に集約され、電源9(図15、図16参照)に接続される。すなわち、第2モータ321は、電源9から電力の供給を受けて動作する。
出力回転軸324に装着されたギア325は、段付ギア部36の回転軸361に装着された大径ギア362と噛み合う。また、段付ギア部36の回転軸361には、小径ギア363が装着されている。なお、段付ギア部36は、第2ブラケット部322に回転可能に支持される。
第1ギア部37の回転軸371に装着されたギア372は、段付ギア部36の小径ギア363と噛み合う。また、第1ギア部37の回転軸371の先端部にはウォーム373が装着されている。すなわち、ウォーム373は、ウォームギアにおけるウォームである。ウォーム373は、円筒状に形成されたねじ状の歯車である。なお、第1ギア部37は、第2ブラケット部322に回転可能に支持される。
取付ギア323は、第1ギア部37のウォーム373と噛み合う。すなわち、取付ギア323とウォーム373とによりウォームギアが形成される。例えば、取付ギア323は、第2回動部30の挿通孔341(図7参照)にねじ部材328が螺合されることにより第2回動部30に固定される。これにより、第2駆動部32の出力に応じて、第2回動部30が鉛直方向に回動する。
また、第2ブラケット部322には、リミットスイッチ38が配置される。また、取付ギア323のリミットスイッチ38と対向する面には、一対の突出部326、327が形成される。ここに、第2回動部30は、突出部326、327により、第2駆動部32による鉛直方向の回動が規制される。リミットスイッチ38には、リミットスイッチ22のレバー221と同様のレバー(図示省略)が設けられる。すなわち、角度調整装置2は、第2ブラケット部322に取り付けられたリミットスイッチ38と取付ギア323の突出部326、327とにより、第2回動部30の鉛直方向への回動動作を電気的に検出する。
角度調整装置2は、取付ギア323の突出部326、327のいずれか一方によってリミットスイッチ38のレバーが回動されることにより、設定した回動角度のリミットを検出し、第2モータ321の作動を停止するなど、モータ制御に利用する。本実施形態において、第2回動部30は、リミットスイッチ38と取付ギア323の突出部326、327とにより、鉛直方向への回動角度を−30°から+45°の範囲に制限するものとする。
例えば、図12は、第2回動部30の軸支部33、34(図7参照)の軸線よりもZ軸のマイナス方向側が下方に回動する方向、すなわち第2回動部30がプラス方向へ傾いた状態を示す。図12は、実施形態に係る照明装置の傾斜を示す要部斜視図である。このように、第2回動部30は、鉛直方向に両方向に所定の角度まで回動することができる。
ここから、照明装置1における第1回動部20の他面202側(外フランジ部23の開口面側)の構造について、図13および図14を用いて説明する。図13は、実施形態に係る照明装置を示す斜視図である。図14は、実施形態に係る照明装置を示す背面図である。例えば、図13に示すように、照明装置1における第1回動部20の他面202側には、一対のカバー5や、ヒートシンク60や、保持部70が配置される。
ヒートシンク60は、例えば、導電性および良好な伝熱特性を有する金属により形成される。すなわち、ヒートシンク60は、導電性を有する。図13に示すように、ヒートシンク60は、第1回動部20の他面202側に立設される。具体的には、ヒートシンク60は、角度調整装置2の第2回動部30に取り付けられY軸のプラス方向へ突出する。ヒートシンク60は、複数の放熱フィン61が並べて設けられる。図13では、複数の放熱フィン61は、X軸方向に沿って並べて設けられる。また、図13に示すように、照明装置1は、各放熱フィン61の切欠部611により、ヒートシンク60によりプラス方向への回動が規制されることなく、所望の角度まで回動させることができる。
また、一対のカバー5は、第1回動部20の他面202側のヒートシンク60の立設部分以外の少なくとも一部に重なる。一対のカバー5は、複数の放熱フィン61の並ぶ方向にヒートシンク60を挟む位置に設けられる。図13では、一対のカバー5は、X軸方向に沿ってヒートシンク60を挟む位置に設けられる。また、一方のカバー5には、挿通孔51が設けられ、例えば光源100に電力を供給するケーブル8が照明装置1外へ引き出される。
保持部70は、第1回動部20の他面202側に配置され、第1回動部20とともに回動する。例えば、保持部70は、アルミニウム等の金属材料により形成される。なお、保持部70は、ケーブル8を所望の方向に保持することができれば、どのような材料により形成されてもよい。また、保持部70は、第1回動部20から他面202側に離れた位置においてケーブル8を第1の回動軸に沿わせて保持する。
保持部70は、一対の立設部71と、連結部72と、起立部721とを有する。一対の立設部71は、一対のカバー5に各々取り付けられ、第1回動部20の他面202から離れる方向(図13中ではY軸のプラス方向)に立設される。具体的には、一対の立設部71の各々の一端に設けられた延伸部711により、一対のカバー5に各々取り付けられる。例えば、立設部71の延伸部711は、ねじ止め機構等によりカバー5に取り付けられる。
図14に示すように、連結部72は、一対の立設部71に連続する。具体的には、連結部72の両端は、一対の立設部71の他端(Y軸のプラス方向側の端)に各々連続する。例えば、連結部72は、水平方向に沿って(図14中のX軸方向)延び、一対の立設部71の他端に各々に連続するように設けられる。
ここで、図14に示すように、保持部70の一対の立設部71間(図14中のX軸方向)の距離は、ヒートシンク60の幅よりも大きくあけられる。また、保持部70の連結部72は、ヒートシンク60の高さよりも高い位置に設けられる。具体的には、保持部70の連結部72は、第2回動部30による回動に応じたヒートシンク60の位置が最も高くなる位置よりも高い位置に設けられる。また、保持部70およびヒートシンク60は、第1回動部20とともに回動する。このように、保持部70は、第2回動部30による回動を妨げない位置に設けられる。
また、起立部721は、第1の回動軸に沿って起立し、ケーブル8が取り付けられる突起である。起立部721は、連結部72の中央部に設けられる。例えば、保持部70は、起立部721により、第1の回動軸に重なる位置において、第1回動部20の他面202側から離れる向きにケーブル8を起立させる。このように、照明装置1は、ケーブル8が第1の回動軸に重なる位置において第1の回動軸に沿って延びることにより、回動によるケーブルの絡まりを抑制することができる。
次に、図15を用いて、照明装置1の具体的な設置について説明する。図15は、実施形態に係る照明装置の設置例を示す図である。図15に示すように、照明装置1は、枠体10が天井CLに設けられた埋込穴HLに嵌ることにより、天井CLに埋設される。図13に示すように、枠体10の外周には、固定具4が周方向へ沿って等間隔で取り付けられ、固定具4により埋込穴HLに固定される。すなわち、照明装置1は、枠体10の外周から外側へ向かって延びる固定具4により埋込穴HLに嵌り、天井CLに設置される。枠体10は埋込穴HLに嵌めた際に変形する等が無きよう、強度のある金属により形成される。
例えば、固定具4は、弾性材料等により形成されており、照明装置1の設置者は、固定具4を押し狭めた状態(図15においては固定具4を上方向に向けた状態)で枠体10を埋込穴HLに挿通する。枠体10が埋込穴HLに挿通された後、天井CL裏(天井CLの上側)において、固定具4が自身の付勢により元の状態に広がることにより、枠体10が埋込穴HLに嵌り、照明装置1が天井CLに設置される。
ここで、図15に示すように、照明装置1の電源9も天井CL裏(天井CLの上側)に設置される。そして、照明装置1の装置本体1aの外へ引き出されたケーブル8は、電源9に接続される。なお、装置本体1aは、照明装置1の電源9以外の部品から構成される。図15においては、装置本体1aと電源9とは、天井CL裏(天井CLの上側)において水平方向に並べて配置される。そのため、装置本体1aは電源9に対して回動し、ケーブル8が装置本体1aの外へ引き出されるカバー5の挿通孔51と電源9との間の距離が変動する。この場合、ケーブル8を保持部70により保持するのみでは、装置本体1aの回動によるケーブル8の絡まりを抑制することが難しい。そのため、図15に示す照明装置1では、複数の固定具4のうち、一の固定具4−3が、保持部70と電源9との間においてケーブル8を保持する。すなわち、照明装置1では、ケーブル8が装置本体1aの外へ引き出されるカバー5の挿通孔51と電源9との間に位置する固定具4−3にケーブル8を保持させる。具体的には、図15に示す例では、ケーブル8は、保持部70の起立部721および固定具4−3の各々に取付部材81により取り付けられることによって、保持部70の起立部721および固定具4−3の各々に保持される。これにより、図15に示すように装置本体1aと電源9とが並べて配置される場合であっても、装置本体1aの回動によるケーブル8の絡まりを抑制することができる。
次に、図16を用いて、電源9による第1モータ271、第2モータ321および光源100への電力の供給を説明する。図16は、電源による第1モータ、第2モータおよび光源への電力の供給を説明するための図である。
図16に示すように、照明装置1は、装置本体1aと、電源9とを備える。電源9は、ケース9a、AC−DC変換回路9b、光源駆動回路9cおよびモータ駆動回路9d、9eを有する。電源9は、光源100、第1駆動部27(第1駆動部27の第1モータ271)および第2駆動部32(第2駆動部32の第2モータ321)に電力を供給する。
電源9のケース9aは、導電性を有する金属により形成される。すなわち、ケース9aは、導電性を有する。ケース9aは、AC−DC変換回路9b、光源駆動回路9c、モータ駆動回路9d、9eを収納する。ケース9aは、グランドに接続されている。すなわち、ケース9aは、接地されている。
AC−DC変換回路9bは、交流電源200から印加された交流電圧を直流電圧に変換し、直流電圧を光源駆動回路9cおよびモータ駆動回路9d、9eに印加する。AC−DC変換回路9bは、接地されている。
光源駆動回路9cは、ケーブル103を介して、直流電圧を光源100に印加することにより、光源100に電力を供給し、光源100を点灯させる。
モータ駆動回路9dは、第1モータ271のリード線271aを介して、第1モータ271に直流電圧を印加することにより、第1モータ271に電力を供給し、第1モータ271を動作させる。
モータ駆動回路9eは、第2モータ321のリード線321aを介して、第2モータ321に直流電圧を印加することにより、第2モータ321に電力を供給し、第2モータ321を動作させる。
ケーブル103およびリード線271a、321aは、上述したように、ケーブル8に集約されている。
ここで、図16および先の図15に示すように、枠体10は、ケーブル82を介して、ケース9aに電気的に接続されている。すなわち、ケース9aが接地されているため、枠体10は、接地される。
本実施形態において、枠体10が接地されている理由の1つについて説明する。例えば、第1モータ271および第2モータ321が動作し、第1モータ271および第2モータ321により電磁放射ノイズが発生すると、枠体10の周辺の磁場が変化する。仮に、枠体10が接地されていない(ケーブル82を介してケース9aに接続されていない)場合には、枠体10の周辺の磁場が変化すると、電磁誘導効果により、導電性である枠体10には渦電流が生じる。渦電流が生じると、枠体10から電磁放射ノイズが発生してしまう。
そこで、本実施形態では、枠体10を接地させる。これにより、枠体10からグランドに向かって電流が流れるため、渦電流の発生を抑制することができる。この結果、枠体10が発する電磁放射ノイズを抑えることができ、照明装置1全体の電磁放射ノイズを所望のレベル未満に抑えることができる。
以上、実施形態に係る照明装置1について説明した。照明装置1によれば、スペースを確保する必要がある金属製のケースであって、第1モータ271および第2モータ321を収納して電磁放射ノイズを遮断するケースを用いることなく、照明装置1から発生する電磁放射ノイズを抑えることができる。したがって、照明装置1によれば、電磁放射ノイズを抑えることができ、かつ、小型化することができる。また、照明装置1を軽量化することができる。
また、上記実施の形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、上述した実施形態に係る照明装置1では、枠体10が電源9のケース9aに電気的に接続されることで、枠体10が接地される場合について説明したが、枠体10が他の部品に電気的に接続されることで接地されてもよい。図17は、実施形態の変形例に係る照明装置を説明するための図である。例えば、図17に示すように、ケース9aが、上述したように導電性を有する固定具4にケーブル82を介して電気的に接続されてもよい。すなわち、枠体10は、固定具4を介して、ケース9aに電気的に接続されてもよい。これにより、固定具4と枠体10とは電気的に接続されているため、枠体10が接地される。
また、複数個の照明装置1を天井に設置して、各照明装置1を無線通信で接続することにより、1つのリモートコントローラで複数個の照明装置1を同時に遠隔操作するように制御部を構成することができる。また、制御部は、無線通信による遠隔操作に限定されるものではなく、例えば、オペレータによって操作される操作部と角度調整装置2とをバイワイヤで接続してもよい。
また、実施形態においては天井埋め込み型の照明装置1を例示したが、照明装置1にアーム等を接続し、天井面や壁面から吊り下げるタイプや、アームが接続された台座によって照明装置1を支持するタイプなどへの適応も可能である。第1モータ271や第2モータ321についてはステッピングモータに限らず、DCモータやDCブラシレスモータ、ACモータなどを適用することが可能である。この場合も第1回動部20の水平方向への回動角(角度変位量)と、第2回動部30の垂直方向への回動角(角度変位量)とが一致あるいは同等とすることで、制御部による電流制御を簡易化することができる。
また、実施形態においては、操作対象としての光源は、LEDに限定されるものではなく、例えば、クリプトン球等の他の光源であってもよい。また、駆動装置は、実施形態に係る照明装置1に示すような光源100に限らず、どのような操作対象の向きを変更するために用いられてもよい。例えば、操作対象は、監視カメラ等であってもよい。このように、操作対象は、所望の向きに変更することが望まれ、駆動装置が適用可能な操作対象であれば、どのような操作対象であってもよい。