JP6491510B2 - パッケージ型自動消火設備システム - Google Patents
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Description
消火薬剤ユニットは、消火薬剤が充填された消火薬剤貯蔵容器と、充填された消火薬剤を放出させるための加圧ガス容器と、この加圧ガス容器から加圧ガスを放出させる起動装置とから構成される。
このような消火設備では、検出方式の異なる2種類の感知部を備えた火災感知器を防護区画内に設置し、片方の火災感知器が作動したときは警報を発し、2つとも作動したときは当該防護区画番号等を表示した後、消火薬剤ユニットを起動し、火災が発生した防護区画へ通じる配管経路に設けられた選択弁を開放して消火薬剤を当該区画の放出口から放出するようになっている。
このパッケージ型自動消火設備システムは、大別すると、n系列の消火薬剤ユニット(#1)101−1〜(#n)101−nと、受信装置103、消火薬剤ユニット別のメイン選択弁(MV#1−1)〜(MV#1−2)、(MV#2−1)〜(MV#2−2)、・・・・(MV#n−1)〜(MV#n−2)と、各防護区別の区画選択弁V1−1〜V1−m、V2−1〜V2−m・・・Vn−1〜Vn−mと、各防護区別の2種類の火災感知器(Sa)及び(Sb)とから構成されている。
例えば第1の系列の消火薬剤ユニット(#1)101−1から放出された消火薬剤は消火薬剤配管107を通り、メイン選択弁(MV#1−1)、(MV#1−2)を介して消火薬剤配管108a,108bへと導かれるようになっている。消火薬剤配管107を2つのメイン選択弁(MV#1−1),(MV#1−2)で図の左右方向に分岐しているのは、圧力損失の影響により配管長が制限されてしまうことを防ぎ、またユニット(MV#1)101−1から左右均等に配管を分岐することにより、ユニット1台で防護できる区画を増やすためである。
この動作は、いずれの防護区画において火災が感知された場合でも同様であり、火災を感知した火災感知器(Sa)及び(Sb)からの火災感知信号に基づき、火災発生箇所の防護区画を受信装置103が特定し、その特定した防護区画に通じる系列の消火薬剤ユニットから消火薬剤を放出させ、該当する防護区画の区画選択弁を開いて消火薬剤を放出させる。
受信装置103から起動装置113に対し起動信号を送ると、起動装置113が起動し、加圧用ガス容器112のガス放出口に設けられた封板を針で破り、加圧ガスを放出させる。放出された加圧ガスは導管114を介して消火薬剤貯蔵容器を充圧し、消火薬剤を消火薬剤配管107に放出させる。
表示部1032には、感知器が作動したことを表示するランプ1033と、区画選択弁が作動していることを示すランプ1034が配置されており、これらのランプ1033,1034によってそれぞれの防護区画における作動状態が分かるようになっている。
類似するこの種のパッケージ型自動消火設備システムの先行技術として下記の特許文献1に開示されたものがある。
図13は、区画No.1の防護区画201−1における薬剤放出を行う場合の受信装置103との間で送受する各種信号を示す図である。
火災感知器(Sa)及び(Sb)の出力信号は2本の信号線で出力される構成になっているため、1つの防護区画当たり4本の信号線を敷設することが必要になる。以下、本発明に添付する図面では、配線本数を表す表示形態として、図13の符号200で示すように、信号線に跨る斜めの実線の数で表すことにする。符号200の例では配線本数が2本であることを示している。
従って、防護区画数が例えば「50区画」であった場合には感知器の信号線だけでも「50×4=200」となる。
図13に示すように、各防護区画には区画選択弁V1−1を開くための弁開信号の信号線2本と弁が開いたことを示す受信装置103への応答信号の信号線1本が必要になり、合計3本の信号線が必要になる。結果的に、防護区画数が例えば「50区画」であった場合には、「50×7=350」本の信号線を敷設することが必要になる。
これらの信号線が敷設される場所は、通常、作業環境が劣悪な天井裏であることが多いため、敷設作業が困難を極め、しかも点検作業も困難となり、極めて非効率で工数が嵩むという問題があった。
また、火災が発生し、消火薬剤を放出する場合に、受信装置103の該当区画番号の表示部1032に、感知器が作動し、区画選択弁が作動していることをランプ表示しているが、区画番号と部屋番号が一致していない建物構造の場合、防護区画の位置を建物図面等で確認する必要があり、緊急時に迅速な対応が不可能になるという問題があった。
また、消火設備を起動する条件は2つの感知器が2つとも作動した場合であるので、感知器が作動する前に居住者が火事であることを確認して消火設備を起動することができないという問題があった。
なお、図13における符号115は、消火薬剤を防護区画に放出する放出口である。
また、火災発生位置を容易に確認することができるパッケージ型自動消火設備システムを提供することにある。
また、人間の操作により消火設備を起動することができるパッケージ型自動消火設備システムを提供することにある。
このように構成することにより、火災感知器と受信装置の間では、第1の省配線機器を介在する伝送線2本で火災感知信号を送受可能になり、接続配線の数が1区画当たり2本となり、大幅に減少するものとなる。
具体的には、防護区画が50区画の場合を想定した場合、従来は合計で350本であったものが、僅か4本で済み、大幅に配線数が減少し、敷設作業及び点検作業も極めて容易になり、短時間で終了することができる。
また、火災感知時に作動した火災感知器および全開させた区画選択弁が属する防護区画の位置を防護区画別に建物内の部屋または区画の地図と共に表示する表示手段を設けたことにより、火災が発生した場合でも火災発生位置や消火薬剤の放出が開始された防護区画の位置を容易に確認することができるようになる。
さらに、防護区画内または近傍に設けられた手動起動装置の手動操作により自己に割り当てられた機器アドレス情報を前記受信装置に伝送し、伝送された機器アドレス情報を前記火災感知器の火災感知信号に代わる火災感知信号として用いることにより、手動で消火薬剤の放出を指示することができる。
図1は、本発明に係るパッケージ型自動消火設備システムの実施形態を示すブロック図である。
図示するように、この実施形態のシステムは、従来と同様に、消火薬剤ユニットと、受信装置、メイン選択弁、消火薬剤配管、区画選択弁を備えたものである。
図1においては、図10で示したn系列の消火薬剤ユニットのうち、第1系列の消火薬剤ユニット101−1の系統の機器についてのみ詳細に示している。
従来と異なる点は、火災感知時に、受信装置103に対して伝送する火災感知信号を、火災感知信号自身と火災感知器に割り当てられた機器アドレスを示すアドレス情報とを共に伝送する火災感知器Sbを設けると共に、機器アドレス情報の出力機能を持たない火災感知器Saについては火災感知信号自身を新たに設けた省配線機器901−1〜901−mにおいて火災感知器Sa自身に割り当てた固有の機器アドレス情報に変換し、感知系伝送路960に送出するように構成したことである。
さらに、火災を感知した防護区画の区画選択弁V1−1〜V1−mを開弁状態に制御するための弁開信号と、当該区画選択弁V1−1〜V1−mに割り当てられた機器アドレスを示すアドレス情報とを受信装置103から受信し、受信した区画選択弁アドレス情報を当該区画選択弁V1-1〜V1−mの駆動信号に変換して該当する区画選択弁に入力する省配線機器群951−1〜951−kを設けたことである。この省配線機器群951−1〜951−kは、防護区画単位ではなく、例えば6区画単位に1個設けられる。この省配線機器群951-1〜951-kは、区画弁制御専用の機器である。
これらの情報は、各機器が属する区画No.部屋番号の情報と共に受信装置103内の記憶装置Memに登録されている。
同様に、火災感知器Sa,Sbおよび手動起動装置Scから出力される火災感知信号、手動操作信号をそれぞれ対応するアドレス情報に変換する信号変換テーブル972−mには火災感知器Sa,Sb及び手動起動装置Scに割り当てられた機器アドレスADR=50、ADR=100、ADR=150が設定されている。
信号変換器971−1〜971−mは、アドレス情報の伝送機能を持たない火災感知器Saからの火災感知信号を受信した場合、これらの信号変換テーブルの設定内容を参照して火災感知信号の発生元である火災感知器の機器アドレス情報に変換し、火災感知信号(火災感知ON)自身と共に受信装置103宛に送信する。この信号形態を図1の符号981で示している。
同様に、信号変換器971−1〜971−mは、アドレス情報の伝送機能を持たない手動操作装置Scからの手動操作信号を受信した場合、これらの信号変換テーブルの設定内容を参照して手動操作信号の発生元である手動操作装置Scの機器アドレス情報に変換し、手動操作信号(手動操作ON)自身と共に受信装置103宛に送信する。この信号形態を図1の符号983で示している。
これは、火災感知器Sa,Sbが火災を感知しなくなった場合でも、火災不感知信号(火災感知OFF)と共に、感知しなくなった火災感知器Sa,Sbの機器アドレス情報と共に受信装置103宛に送信する。この信号形態を図1の符号982で示している。
また、手動操作による火災報知が終了または中断した場合でも、手動操作が中断してOFFになったことを示す手動操作終了信号(手動操作OFF)と共に、手動操作装置Scの機器アドレス情報を受信装置103宛に送信する。この信号形態を図1の符号984で示している。
具体的には、図1の省配線機器群951−1は区画No.6までの区画選択弁V1−1〜V1−6の駆動信号を管轄するように設定されているため、信号変換器961−1には、V1−1〜V1−6の機器アドレス情報ADR=151〜156を受信した場合、それぞれ区画選択弁V1−1〜V1−6への駆動信号に変換させる情報が区画選択弁アドレス情報変換テーブル950−1〜950−kに設定されている。
受信装置103から省配線機器群951−1に属する区画選択弁V1−1を駆動する場合または駆動を停止させる場合、図9(b)に示すような信号形態の駆動信号を送信する。
すなわち、省配線機器群951−1に属する区画選択弁V1−1を全開するための弁開信号を送信する場合、図9(a)の符号985で示すように、区画選択弁全開操作情報と区画選択弁アドレス情報ADR(=151)とを送信する。逆に省配線機器群951−1に属する区画選択弁V1−1を全閉するための弁閉信号を送信する場合、図9(a)の符号986で示すように、区画選択弁全閉操作情報と区画選択弁アドレス情報ADR(=151)とを送信する。
これらの信号を送信することにより、省配線機器群951−1に属する区画選択弁V1−1を全開または全閉状態に駆動することができる。
以上で述べたアドレス情報等は、すべて2本の伝送線を介して時系列パルスによるシリアル形式の信号形態で受信装置103との間で送受される。
以下、このシーケンス図を参照し、手動起動装置Scを人手により押して消火薬剤ユニット1から消火薬剤を放出させる場合の各機器および装置の動作あるいは処理を説明する。
まず、手動起動装置Scを人手により押すと、当該手動起動装置Scから手動操作したことを示す手動操作ONという手動操作信号が出力され、当該手動起動装置Scに対応する区画の省配線機器901−1に入力される(ステップ701)。
省配線機器901−1では、入力信号が時系列パルス形式のアドレス情報でないため、手動起動装置Scが操作されたことを示す手動操作信号であると判定し、図3の信号変換テーブル972−1を参照し、当該手動起動装置Scに割り当てられたアドレス情報ADR=101に変換し(ステップ702)、受信装置103に向けて送信する(ステップ703)。
次に、開放すべき区画選択弁V1−1に割り当てられたアドレス情報ADR=151を省配線機器群951−1に送信する(ステップ706)。
省配線機器群951−1は、入力されたアドレス情報を解読し、開放すべき区画選択弁を特定する(ステップ707)。そして、手動起動操作が行われた区画No.1の区画選択弁V1−1への駆動信号を生成し(またはアドレス情報を駆動信号に変換し)、区画No.1の区画選択弁V1―1へ入力する(ステップ708)。
省配線機器群951−1では、返信された全開信号を区画選択弁V1−1のアドレス情報に変換し(ステップ712)、受信装置103に向けて送信する(ステップ713)。
受信装置103は、区画選択弁V1−1のアドレス情報を受信したならば当該区画選択弁V1−1が全開したものと判定し(ステップ714)、ステップ705で特定したメイン選択弁MV#1−1、MV#1−2を全開させるための全開駆動信号をメイン選択弁MV#1−1、MV#1−2に送信する(715,716)。
受信装置103では、返信信号によりメイン選択弁MV#1−1、MV#1−2が全開したことを判定し(ステップ720)、消火薬剤ユニット(#1)101の起動装置113に対して起動信号を送信し(ステップ721、722)、起動装置113を起動し(ステップ723)、消火薬剤ユニット101から消火薬剤を消火薬剤配管107に放出させる(ステップ724)。
以上の動作は他の手動起動装置が手動操作された場合でも同様に行われる。
そして、消火活動の過程では、受信装置103の表示部1032に、手動操作された手動起動装置Scや作動している区画選択弁が図6に例示するように、建物内の位置が分かるように表示される。
なお、図6においてR101〜R109は部屋番号を表している。そして、作動している区画選択弁は符号501で示すような記号で表示される。
以下、このシーケンス図を参照し、感知器SaまたはSbが火災を感知して消火薬剤ユニット1から消火薬剤を放出させる場合の各機器および装置の動作あるいは処理を説明する。
この場合、アドレス情報を送信可能な感知器Sbが火災を感知した時には、火災感知器Sbに割り当てられたアドレス情報ADRが省配線機器901−1を介さずに直接、感知系伝送路960に送出され、この感知系伝送路960を通じて受信装置103に入力される(ステップ804)。
しかし、アドレス情報を送信不可能な火災感知器Saが火災を感知した時には、時系列パルス形式のアドレス情報でないので、当該火災感知器Saに割り当てられたアドレス情報に変換し(ステップ805)、受信装置103に向けて送信する(ステップ806)。
受信装置103は、受信したアドレス情報に基づき火災感知器Saが作動した区画No.を判定し(ステップ807)、開放すべきメイン選択弁、区画選択弁を決定する(ステップ808)。
以後の動作は、図6における手動起動装置が手動操作された場合と同様である。
これにより、火災感知器SaまたはSbが火災を感知した場合でも対応する区画に消火薬剤が放出される。
この場合、受信装置103の表示部1032には、作動している区画選択弁が符号501で示すような記号で表示され、火災が発生した部屋番号が建物地図によって明瞭に視認できるように表示される。
なお、上記実施形態において、省配線機器を中継して火災感知器などのアドレス情報を伝送する場合、中継元または中継先の省配線機器のアドレス情報を付加して伝送するようにしてもよい。省配線機器のアドレス情報を付加した場合、省配線機器のアドレス情報によっていずれの防護区画からの情報であるか、いずれの防護区画への情報であるかを容易に識別することが可能になる。
また、省配線機器群は区画No単位で設けるようにしてもよい。
101−n 消火薬剤ユニット(#n)
103 受信装置
MV#1 メイン選択弁(#1)
MV#2 メイン選択弁(#2)
V1−1〜V1−m 区画選択弁
Sa 火災感知器
Sb 火災感知器
Sc 手動起動装置
107 消火薬剤配管
108a 消火薬剤配管
108b 消火薬剤配管
111 消火薬剤貯蔵容器
112 加圧用ガス容器
113 起動装置
115 放出口
951−1〜951−k 省配線機器群
901−1〜901−m 省配線機器
960 感知系伝送路
971−1〜971−m 信号変換器
972−1〜972−m 信号変換テーブル
Claims (4)
- 防護対象区画毎に設けた火災感知器及び区画選択弁を有し、前記火災感知器が感知した火災感知信号を受信して消火薬剤ユニットから消火薬剤を放出させると共に、前記火災感知信号を受信した防護区画に設けた前記区画選択弁に対して弁開信号を伝送し、当該区画選択弁を開弁状態に制御し、当該区画選択弁の下流側に設けた放出口から、前記消火薬剤ユニットから放出された消火薬剤を放出させる受信装置を備えたパッケージ型自動消火設備システムにおいて、
火災感知時に、防護対象区画毎に設けた火災感知器から出力された火災感知信号を当該火災感知器に割り当てられた機器アドレスを示すアドレス情報に変換し、前記火災感知信号と共に前記受信装置に対して伝送する第1の省配線機器と、火災を感知した防護区画の区画選択弁を開弁状態に制御するための弁開信号と当該区画選択弁に割り当てられた機器アドレスを示すアドレス情報とを前記受信装置から受信し、受信した区画選択弁へのアドレス情報を当該区画選択弁の駆動信号に変換して該当する区画選択弁を駆動する第2の省配線機器とを備え、
前記火災感知器が、火災感知信号を火災感知信号自身と火災感知器に割り当てられた機器アドレスを示すアドレス情報とを共に伝送する第1の火災感知器と、機器アドレス情報の出力機能を持たない第2の火災感知器とからなり、前記第2の火災感知器では、火災感知信号を前記第1の省配線機器により前記第2の火災感知器に割り当てた固有の機器アドレス情報と共に伝送することを特徴とするパッケージ型自動消火設備システム。 - 各防護区画内または近傍に設けられ、手動操作により自己に割り当てられた機器アドレス情報を前記受信装置に伝送し、前記火災感知器の火災感知信号に代わる火災感知信号として前記受信装置に入力する手動起動装置を備えることを特徴とする請求項1に記載のパッケージ型自動消火設備システム。
- 前記第1の省配線機器は、少なくとも前記第2の火災感知器に割り当てた固有の機器アドレス情報が設定された信号変換テーブルを持つ信号変換器を有し、前記信号変換器は、前記第2の火災感知器からの火災感知信号を受信した場合、前記信号変換テーブルの設定内容を参照して前記火災感知信号の発生元である前記第2の火災感知器の機器アドレス情報に変換し、前記火災感知信号自身と共に前記受信装置へ送信することを特徴とする請求項1に記載のパッケージ型自動消火設備システム。
- 火災感知時に作動した火災感知器および全開させた区画選択弁が属する防護区画の位置を防護区画別に建物内の部屋または区画の地図と共に表示する表示手段を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のパッケージ型自動消火設備システム。
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