JP6489496B2 - 密封装置 - Google Patents

密封装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6489496B2
JP6489496B2 JP2014232356A JP2014232356A JP6489496B2 JP 6489496 B2 JP6489496 B2 JP 6489496B2 JP 2014232356 A JP2014232356 A JP 2014232356A JP 2014232356 A JP2014232356 A JP 2014232356A JP 6489496 B2 JP6489496 B2 JP 6489496B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sealing device
groove
members
peripheral surface
inner peripheral
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014232356A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016095006A (ja
Inventor
亮 守尾
亮 守尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nok Corp
Original Assignee
Nok Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nok Corp filed Critical Nok Corp
Priority to JP2014232356A priority Critical patent/JP6489496B2/ja
Publication of JP2016095006A publication Critical patent/JP2016095006A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6489496B2 publication Critical patent/JP6489496B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Sealing Devices (AREA)

Description

本発明は、密封装置に関し、特に、相対移動可能な2つの部材間の環状の間隙を封止するための密封装置に関する。
従来から、車両、例えば自動車のATやCVT等の自動変速機において、互いに相対移動可能なハウジングとこのハウジングに形成された軸孔に挿通される軸との間の環状の間隙を封止して作動油を密封するために環状の密封装置が使用されている。
図5は従来の密封装置の一例を示すための断面図である。従来の密封装置100は、図5に示すように、ゴム状弾性体から形成された環状の部材であり、軸110の外周に形成された環状の溝111内に収容されている。密封装置100は、断面形状が略矩形若しくはD字形状であり、外周面に、外周側に凸の環状の凸部101を備える。凸部101は、ハウジング112の軸孔113の内周面114に当接し、軸110と軸孔113との間の環状の間隙115を封止する(例えば、特許文献1,2参照)。
このような従来の密封装置100は、使用状態において、摺動面である軸孔113の内周面114と溝111の底面との間に挟まれて圧縮されて間隙115を封止しているため、凸部101と内周面114との間に発生する摺動抵抗の更なる低減が求められていた。
これに対し、摺動抵抗を低減させるために樹脂を材料とする密封装置が従来から知られている。図6は、従来の密封装置の他の例を示すための図であり、図6(a)は断面図であり、図6(b)は平面図である。図6(a),(b)に示すように、従来の樹脂製の密封装置120は、断面が略矩形の環状の部材であり、上記密封装置100と同様に、軸110の溝111内に収容されている。使用状態において、密封装置120は、加圧側の面に掛かる作動油の油圧によって、溝111の非加圧側の側面111aと軸孔113の内周面114に押し付けられて、間隙115を封止する。密封装置120は、所謂セルフシールであり、この種の密封装置は、溝111の底面に接触しておらず、溝111及び内周面114に対して締め代を有していない。このため、摺動抵抗を低くすることができる。しかしながら、樹脂は延性を有しておらず、溝111への装着を可能にするために、密封装置120は有端であり、図6(b)に示すように、一部が切断されて合口部121が形成されている。このため、密封装置120は、合口部121から作動油が漏洩する可能性があり、シール性能が不安定となる課題を有していた(例えば、特許文献3参照)。
特開平9−222169号公報 特開2014−88905号公報 特開平10−318375号公報
上記従来の密封装置120の課題を解決するために、密封装置120をゴム状弾性体製とし、合口部121をなくし、無端状とすることが考えられる。しかしながら、ゴム状弾性体部材は溝111の側面111aに対して滑り性が悪く、ゴム状弾性体製の密封装置120が作動油の圧力により溝111の側面111aに押し付けられた際に、密封装置120の側面111aに対する摺動性は悪く、場合によっては固着状態となってしまう。このため、軸110が偏心等した場合に、密封装置120が溝111において径方向に移動することができず、ゴム状弾性体製の密封装置120は摺動面への追従性が悪かった。このため、密封装置120が内周面114へ片当たり状態となり、摺動抵抗が高くなり、また、シール性能も低下するという問題が発生していた。
このように、従来の密封装置は、摺動抵抗が高くなり、また、摺動部への追従性が悪くなるという問題があった。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、摺動抵抗が小さく、摺動部への追従性に優れた密封装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る密封装置は、互いに相対移動可能な2部材間の一方に形成された環状の溝に取り付けられて、前記2部材間に形成される環状の間隙を密封するための、ゴム状弾性体製の環状の密封装置であって、前記2部材の他方に向かって凸の環状の凸部を外周又は内周に複数備え、該凸部は前記間隙において前記2部材の他方に液密に当接し、第1の側面を備え、前記第1の側面は該第1の側面の一部分に該第1の側面の他の部分から環状に張り出した第1の張出部を備え、前記第1の側面に対向する第2の側面を備え、該第2の側面は該第2の側面の一部分に該第2の側面の他の部分から張り出した環状の第2の張出部を備えることを特徴とする。
本発明の一態様に係る密封装置において、前記凸部は曲面状の輪郭を有する。
本発明の一態様に係る密封装置において、前記第1の張出部は、前記外周又は前記内周から間隔を空けて配置されており、前記第2の張出部は、前記外周又は前記内周から間隔を空けて配置されている。
本発明の一態様に係る密封装置において、前記第1の張出部は前記第2の張出部に対向する。
本発明の一態様に係る密封装置において、前記2部材は、車両の自動変速機における部材であり、前記2部材の一方は軸であり、前記2部材の他方は前記軸が挿通される軸孔を備えるハウジングである。
本発明に係る密封装置によれば、外周方向に凸の環状の凸部を外周に複数備えるので、密封装置は、複数の凸部において、2部材の他方に当接する。このため、密封装置が2部材の他方に押圧された使用状態においても、複数の凸部において、2部材の他方からの反力を分散して受けることができる。また、反力が分散されるため、反力が密封装置の1点に集中することがなく、2部材間の相対移動による凸部の変形を緩和することができる。このため、凸部の変形によって摺動抵抗が発生することを抑制でき、摺動抵抗をより低減でき、2部材の相対移動をより滑らかにすることができる。
また、使用状態において、密封装置が非加圧側に押圧された場合、密封装置は、第1の側面の一部分である第1の張出部において溝の側面に押し付けられる。このため、第1の側面の他の部分は溝の側面との間に空間を有し、この空間に作動油が入り込むので、密封装置の押圧される受圧面を小さくすることができる。また、密封装置の溝の側面との接触面を小さくすることができる。このため、使用状態において、密封装置が溝の側面に固着状態となることを抑制することができ、密封装置の摺動部への追従性が損なわれることを抑制することができる。
このように、本発明に係る密封装置によれば、摺動抵抗を小さく、摺動部への追従性を優れたものにすることができる。
本発明の第1の実施の形態に係る密封装置の概略構成を示すための図であり、図1(a)は軸線に沿う断面における断面図であり、図1(b)は図1(a)における断面の部分拡大図であり、図1(c)は平面図である。 図1に示す密封装置の使用状態を示すための部分断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る密封装置の概略構成を示すための図であり、図3(a)は軸線に沿う断面における断面図であり、図3(b)は図3(a)における断面の部分拡大図である。 図3に示す密封装置の使用状態を示すための部分断面図である。 従来の密封装置の一例を示すための断面図である。 従来の密封装置の他の例を示すための図であり、図6(a)は断面図であり、図6(b)は平面図である。
以下、本発明に実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る密封装置の概略構成を示すための図であり、図1(a)は軸線に沿う断面における断面図であり、図1(b)は図1(a)における断面の部分拡大図であり、図1(c)は平面図である。以下、説明の便宜上、図1(a)において右側を右側、左側を左側という。
図1(a),(c)に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る密封装置1は、軸線xを中心とする環状の部材であり、ゴム状弾性体から形成されている。軸線xを含む断面(以下、単に断面ともいう。)における密封装置1の断面の形状は、図1(a),(b)に示すように、略矩形であり、左右両側に、軸線xに直交する方向(以下、径方向ともいう。)に広がる、中空円盤面状の側面2,3(第1の側面及び第2の側面)を備える(図1(c)参照)。側面2,3の間には、内周側に内周面4が広がり、外周側には外周面5が広がる。
密封装置1は、後述するように、互いに相対移動可能な2部材間の一方に形成された環状の溝に取り付けられて、2部材間に形成される環状の間隙を密封する。密封装置1は、所謂セルフシールタイプの密封装置であり、後述するように、溝に取り付けられた状態において、溝の側面との間に空間を有し、かつ溝の底面との間に空間を有するようなサイズ、形状となっている。
右側の側面2は、その一部分において、図1(a),(b)に示すように、軸線x方向に張り出した張出部21を備える。張出部21は、軸線xを中心とする環状の突条部であり、側面2において、内周面4と外周面5との間に配置されている。より具体的には、側面2において、張出部21が形成されている一部分以外の他の部分には、外周側の食出し逃げ面22と内周側の圧力相殺面23とが形成されている。食出し逃げ面22及び圧力相殺面23は、軸線xに直交する平面上に広がる中空円盤面となっている(図1(c)参照)。
張出部21は、食出し逃げ面22及び圧力相殺面23に平行な、つまり軸線xに直交する平面上に広がる中空円盤面である張出面24を備えている(図1(c)参照)。このように、側面2において張出部21は、図1(b)に示すように、張出面24が食出し逃げ面22及び圧力相殺面23から軸線x方向において外部側(右側)に間隔dだけ離れて位置するように、張り出している。
左側の側面3は、右側の側面2と同様に、その一部分において、図1(a),(b)に示すように、軸線x方向に張り出した張出部31を備える。張出部31は、軸線xを中心とする環状の突条部であり、側面3において、内周面4と外周面5との間に配置されている。より具体的には、側面3において、張出部31が形成されている一部分以外の他の部分には、外周側の食出し逃げ面32と内周側の圧力相殺面33とが形成されている。食出し逃げ面32及び圧力相殺面33は、軸線xに直交する平面上に広がる中空円盤面となっている(図1(c)参照)。
張出部31は、食出し逃げ面32及び圧力相殺面33に平行な、つまり軸線xに直交する平面上に広がる中空円盤面である張出面34を備えている(図1(c)参照)。このように、側面3において張出部31は、図1(b)に示すように、張出面34が食出し逃げ面32及び圧力相殺面33から軸線x方向において外部側(左側)に間隔dだけ離れて位置するように、張り出している。
張出部21と張出部31とは、軸線x方向において互いに対向する位置に配置されているものが好ましい。つまり、張出部21と張出部31とは、側面2,3において、軸線xから径方向に同一の距離の位置に夫々設けられている。
内周面4は、図1(a),(b)に示すように、内周側に凸であり、曲面状の輪郭を有している。つまり、内周面4は、断面において、内周側に突き出した曲線状の輪郭を有している。
外周面5は、図1(a),(b)に示すように、外周に凸の環状の凸部を複数有する。本実施の形態においては、外周面5は、凸部を2つ有する(凸部51,52)。凸部51は、外周面5において右側の端に配置されており、凸部52は、外周面5において左側の端に配置されている。凸部51と凸部52との間には、内周側に凹の環状の凹部53が形成されている。
凸部51及び凸部52は、同一の断面形状を有しており、同一の曲面状の輪郭を有している。つまり、凸部51及び凸部52は、図1(b)に示すように、断面において曲線状の輪郭を有している。凸部51,52は、後述するように、2部材の他方に当接する。
上述のように、密封装置1はゴム状弾性体から形成されており、ゴム状弾性体としては、例えば、ニトリルゴム(NBR)、水素添加ニトリルゴム(H−NBR),アクリルゴム(ACM)、フッ素ゴム(FKM)等の合成ゴムがある。
次いで、上記構成を有する密封装置の使用状態を説明する。図2は、密封装置1の使用状態を示すための部分断面図である。
本実施の形態に係る密封装置1は、車両、例えば自動車のATやCVT等の自動変速機において、互いに相対移動可能なハウジング(2部材の他方)とこのハウジングに形成された軸孔に挿通される軸(2部材の一方)との間の環状の間隙を封止して作動油を加圧側と非加圧側に分断して密封するために使用されるものとする。
図2に示すように、密封装置1は、自動変速機において、互いに相対移動可能な2部材としての軸6とハウジング7との間に使用される。軸6は、外周面から内周側に凹む環状の断面矩形の溝である溝61を備える。ハウジング7は軸6が挿通される軸孔である軸孔71を備える。軸6はハウジング7の軸孔71に挿通され、軸孔71において、軸6はハウジング7に対し軸線x方向(図1参照)に相対移動可能になっている。軸6の外周面である外周面65と、軸孔71の内周面である内周面72との間には環状の間隙である間隙8が形成されている。密封装置1は、軸6の溝61内に収容されて、間隙8を封止し、間隙8において作動油を加圧側と非加圧側とに分断して密封する(図2参照)。なお、軸6とハウジング7との間の相対移動により、密封装置1に油圧が作用する作動油側を加圧側と、密封装置1に油圧が作用しない作動油側を非加圧側とする。図2は、密封装置1の左側が加圧側に、右側が非加圧側になっている状態を示している。
図2に示すように、密封装置1は、使用状態において、外周面5の凸部51,52が軸孔71の内周面72に液密に当接するようになっている。また、溝61の右側の側面である側面62と左側の側面である側面63との間の間隔は、密封装置1が溝61内において軸線x方向に移動可能となるようになっている。また、密封装置1の内周面4と溝61の底面である底面64との間には空間が形成されるようになっている。
作動油の油圧により、右側の側面2の張出部21が張出面24において、溝61の右側の側面である側面62に液密に当接している。このように、密封装置1は、側面2の全体ではなく、張出部21の張出面24においてのみ溝61に接触しており、密封装置1の溝6との接触面は小さくなっている。
さらに、内周面4に作用する作動油の圧力(図2の矢印P2)により、密封装置1は外周側に押圧され、凸部51,52が軸孔71の内周面72に押圧され、凸部51,52がより液密に内周面72に当接している。
密封装置1の側面2は、張出部21の内周側において、張出面24よりも内部側(図2において左側)に間隔dだけ離れた圧力相殺面23を有しており、図2に示すように、圧力相殺面23と溝61の側面62との間には空間が形成されている。このため、作動油は圧力相殺面23と溝61の側面62との間にも入り込み、圧力相殺面23にも作動油の油圧が作用する。このため、左側の圧力相殺面33に作用する油圧は、右側の圧力相殺面23に作用する油圧により相殺される。従って、密封装置1を非加圧側に押圧する油圧(図2の矢印P1)が作用する面は、左側の側面3において食出し逃げ面32と張出部31の張出面34のみである。このため、密封装置1においては、密封装置1を非加圧側に押圧する圧力が作用する受圧面が小さくなっている。
また、密封装置1は、外周面5において、凸部51,52の2つの部分において軸孔71の内周面72に当接している。このため、密封装置1は、内周面72からの反力を凸部51,52の2箇所で分散して受けている。このため、内周面72からの反力が密封装置1の1つの部分に集中して作用することはなく、軸6の移動時に密封装置1が内周面72上を摺動する際に、密封装置1が安定した姿勢を維持することができる。
また、外周面5には凸部51,52の間に凹部53が形成されており、凹部53と軸孔71の内周面72との間には環状の空間73が形成されている。この空間73に作動油を貯留することができ、空間73は油溜りとして機能する。このため、空間73から、つまり、凸部51,52の内部側からも作動油を凸部51,52と内周面72との間の摺動部に供給することができ、凸部51,52の摺動性を良好にし、摺動抵抗を減らすことができると共に、摩耗を低減することが可能となる。
また、密封装置1の側面2は、張出部21の外周側において、張出面24よりも内部側(図2において左側)に間隔dだけ離れた食出し逃げ面22を有しており、図2に示すように、食出し逃げ面22と溝61の側面62との間には空間が形成されている。このように、密封装置1は食出し逃げ面22において溝61の側面62に当接しておらず、密封装置1が間隙8に食み出されてしまうことが抑制されている。
上記説明においては、左側の側面3側を加圧側であり、右側の側面2側が非加圧側である場合の作用を説明したが、右側の側面2側が加圧側であり、左側の側面3側が非加圧側である場合は、側面3の張出部31、食出し逃げ面32、圧力相殺面33、及び張出面34が、夫々側面2の張出部21、食出し逃げ面22、圧力相殺面23、及び張出面24の上記作用と同様に作用する。右側の側面2側が加圧側であり、左側の側面3側が非加圧側である場合の作用については詳細な説明を省略する。
上述のように、本発明の第1の実施の形態に係る密封装置1によれば、使用状態において、張出面24,34においてのみ溝61の側面62,63に夫々接触するので、密封装置1の溝6との接触面は小さくすることができる。これにより、密封装置1が溝61の面62,63に固着状態となること、又は側面62,63に対する摺動性が悪くなることを抑制することができる。このため、密封装置1の径方向の摺動性を良好にすることができ、軸6が偏心等した場合でも、密封装置1の軸孔71の内周面72への追従性の低下を抑制することができる。これにより、凸部51,52が内周面72に片当たり状態となることや、シール性能が低下することを抑制することができる。
また、密封装置1を非加圧側に押圧する圧力が作用する密封装置1の受圧面を小さくすることができ、密封装置1が溝61の面62,63に固着状態となること、又は側面62,63に対する摺動性が悪くなることを更に抑制することができる。このため、密封装置1の径方向の摺動性をより良好にすることができ、密封装置1の追従性の低下をより抑制することができる。
また、密封装置1は、凸部51,52の2つの部分において軸孔71の内周面72に当接しているので、軸6の相対移動時に密封装置1が内周面72上(摺動部)を摺動する際に、密封装置1が安定した姿勢を維持するようにできる。また、凸部51,52の変形を緩和することができ、凸部51,52の変形によって軸孔71に対する摺動抵抗が発生することを抑制でき、摺動抵抗をより低減でき、軸6の相対移動をより滑らかにすることができる。
また、凹部53が油溜りとして機能するので、凸部51,52の内周面72に対する摺動性を良好にし、摺動抵抗を減らすことができ、摩耗も抑制することができる。
また、食出し逃げ面22,32により、密封装置1が間隙8に食み出されてしまうことを抑制することができる。
このように、本発明の第1の実施の形態に係る密封装置1によれば、軸孔71の内周面72との間(摺動部)の摺動抵抗を小さくすることができ、軸孔71の内周面72への追従性を優れたものにすることができる。
次いで、本発明の第2の実施の形態に係る密封装置10について説明する。図3は、本発明の第2の実施の形態に係る密封装置10の概略構成を示すための図であり、図3(a)は軸線に沿う断面における断面図であり、図3(b)は図3(a)における断面の部分拡大図である。本発明の第2の実施の形態に係る密封装置10は、上記本発明の第1の実施の形態に係る密封装置1に対して、断面形状が異なり、密封装置10の断面は、密封装置1の断面が反転された形状を有している。以下、密封装置10について、上記密封装置1と同一の又は類似する構成については同一の符号を付してその説明を省略し、異なる構成についてのみ説明をする。
図3(a),(b)に示すように、密封装置10の断面の形状は、略矩形であり、左右両側に、軸線xに直交する方向に広がる、中空円盤面状の側面11,12(第1の側面及び第2の側面)を備える。側面11,12の間には、内周側に内周面13が広がり、外周側には外周面14が広がる。
右側の側面11は、上記密封装置1の左側の側面3と同様の形状を有しており、張出面34を有する張出部31と、食出し逃げ面32と、圧力相殺面33とを備える。側面11においては、張出部31に対して、食出し逃げ面32が内周側に、圧力相殺面33が外周側に設けられている。
左側の側面12は、上記密封装置1の右側の側面2と同様の形状を有しており、張出面24を有する張出部21と、食出し逃げ面22と、圧力相殺面23とを備える。側面12においては、張出部21に対して、食出し逃げ面22が内周側に、圧力相殺面23が外周側に設けられている。
内周面13は、上記密封装置1の外周面5と同様の形状を有している。つまり、内周面13は、図3(a),(b)に示すように、内周に凸の環状の凸部を複数有し、本実施の形態においては、内周面13は、凸部を2つ有する(凸部51,52)。内周面13においては、凸部51が左側の端に配置されており、凸部52が右側の端に配置されている。凸部51と凸部52との間には、外周側に凹の環状の凹部53が形成されている。
外周面14は、上記密封装置10の内周面4と同様の形状を有している。つまり、外周面14は、外周側に凸であり、曲面状の輪郭を有しており、外周面14は、断面において、外周側に突き出した曲線状の輪郭を有している。
次いで、上記構成を有する密封装置の使用状態を説明する。図4は、密封装置10の使用状態を示すための部分断面図である。
図4に示すように、密封装置10は、自動変速機において、互いに相対移動可能な2部材としての軸6´とハウジング7´との間に使用される。ハウジング7´は、軸6´が挿通される軸孔である軸孔75を備え、軸孔75の内周面である内周面76には、外周側に凹む環状の断面矩形の溝である溝77が形成されている。軸6´はハウジング7´の軸孔75に挿通され、軸孔75において、軸6´はハウジング7´に対し軸線x方向(図3参照)に相対移動可能になっている。軸6´の外周面である外周面66と、軸孔75の内周面76との間には環状の間隙である間隙8´が形成されている。密封装置10は、ハウジング7´の溝77内に収容されて、間隙8´を封止し、間隙8´において作動油を加圧側と非加圧側とに分断して密封する(図4参照)。図4は、密封装置10の左側が加圧側に、右側が非加圧側になっている状態を示している。
図4に示すように、密封装置10は、使用状態において、内周面13の凸部51,52が軸6´の外周面66に液密に当接するようになっている。また、溝77の右側の側面である側面78と左側の側面である側面79との間の間隔は、密封装置10が溝77内において軸線x方向に移動可能となるようになっている。また、密封装置10の外周面14と溝77の底面である底面80との間には空間が形成されるようになっている。
作動油の油圧により、右側の側面11の張出部31が張出面34において、溝77の右側の側面である側面78に液密に当接しており、密封装置10は、側面11の全体ではなく、張出部31の張出面34においてのみ溝77に接触しており、密封装置10の溝77との接触面は小さくなっている。
さらに、外周面14に作用する作動油の圧力(図4の矢印P2´)により、密封装置10は内周側に押圧され、凸部51,52が軸6´の外周面66に押圧され、凸部51,52がより液密に外周面66に当接している。
溝77において、作動油は圧力相殺面33と溝77の側面78との間に入り込み、圧力相殺面33にも作動油の油圧が作用する。このため、左側の圧力相殺面23に作用する油圧は、右側の圧力相殺面33に作用する油圧により相殺される。従って、密封装置10を非加圧側に押圧する油圧(図4の矢印P1´)が作用する面は、左側の側面12において食出し逃げ面22と張出部21の張出面24のみである。このため、密封装置10においても、密封装置1と同様に、非加圧側に押圧する圧力が作用する受圧面が小さくなっている。
また、密封装置10は、内周面13において、凸部51,52の2つの部分において軸6´の外周面66に当接している。このため、密封装置10は、外周面66からの反力を凸部51,52の2箇所で分散して受けている。このため、外周面66からの反力が密封装置10の1つの部分に集中して作用することはなく、軸6´の移動時に密封装置10が外周面66上を摺動する際に、密封装置10が安定した姿勢を維持することができる。
また、内周面13には凸部51,52の間に凹部53が形成されており、凹部53と軸6´の外周面66との間には環状の空間81が形成されている。この空間81は、上記密封装置1の空間73と同様に作用し、凸部51,52の摺動性を良好にし、摺動抵抗を減らすことができると共に、摩耗を低減することが可能となる。
また、密封装置10の側面11は、張出部31の外周側において、張出面34よりも内部側(図4において左側)に間隔dだけ離れた食出し逃げ面32を有しており、図4に示すように、食出し逃げ面32と溝77の側面78との間には空間が形成されている。このように、密封装置10は食出し逃げ面32において溝77の側面78に当接しておらず、密封装置10が間隙8´に食み出されてしまうことが抑制されている。
上記説明においては、左側の側面12側を加圧側であり、右側の側面11側が非加圧側である場合の作用を説明したが、右側の側面11側が加圧側であり、左側の側面12側が非加圧側である場合も、上記密封装置1の場合と同様に、対応する部分が同様に作用する。
上述のように、本発明の第2の実施の形態に係る密封装置10によれば、上記本発明の第1の実施の形態に係る密封装置1と同様に作用し、軸6´の外周面66との間(摺動部)の摺動抵抗を小さくすることができ、軸6´の外周面66への追従性を優れたものにすることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、上記密封装置1,10は本発明の一例であり、本発明は上記本発明の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の概念及び特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。また、上述した課題及び効果の少なくとも一部を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせてもよい。例えば、上記実施の形態における、各構成要素の形状、材料、配置、サイズ等は、本発明の具体的使用態様によって適宜変更され得る。
例えば、側面2,11において、食出し逃げ面22と圧力相殺面23とは、張出面24から軸線x方向において夫々同一の所定の距離d離れているものとしたが、軸線x方向における食出し逃げ面22と張出面24との間の間隔は、軸線x方向における圧力相殺面23と張出面24との間の間隔と同一でなくてもよい。同様に、軸線x方向における食出し逃げ面32と張出面34との間の間隔は、軸線x方向における圧力相殺面33と張出面34との間の間隔と同一でなくてもよい。
また、密封装置1,10においては、外周面5又は内周面13に2つの凸部51,52が設けられているものとしたが、3つ以上の凸部が設けられていてもよい。
また、本発明の実施の形態に係る密封装置1,10は、車両の自動変速機における軸とハウジングとの間に使用されるものとしたが、本発明に係る密封装置の適用対象はこれに限られるものではなく、産業機械等、本発明の奏する効果を利用し得るすべての構成に対して、本発明は適用可能である。
1,10,100,120 密封装置
2,3,11,12 側面
4,13 内周面
5,14 外周面
6,6´,110 軸
7,7´,112 ハウジング
8,8´,115 間隙
21,31 張出部
22,32 食出し逃げ面
23,33 圧力相殺面
24,34 張出面
51,52 凸部
53 凹部
61,77,111 溝
62,63,78,79,111a 側面
64,80 底面
65,66 外周面
71,75,113 軸孔
72,76,114 内周面
73,81 空間
101 凸部
121 合口部

Claims (5)

  1. 互いに相対移動可能な2部材間の一方に形成された環状の溝に取り付けられて、前記2部材間に形成される環状の間隙を密封するための、ゴム状弾性体製の環状の密封装置であって、
    前記2部材の他方に向かって凸の環状の凸部を外周又は内周に複数備え、該凸部は前記間隙において前記2部材の他方に液密に当接し、
    第1の側面を備え、前記第1の側面は該第1の側面の一部分に該第1の側面の他の部分から環状に張り出した第1の張出部を備え、
    前記第1の側面に対向する第2の側面を備え、該第2の側面は該第2の側面の一部分に該第2の側面の他の部分から張り出した環状の第2の張出部を備え
    前記第1の側面と前記第2の側面との距離は、溝に取り付けられた状態において、溝の側面との間に前記密封装置が移動可能な空間を有するように設定されていて、
    前記外周と前記内周との距離は、溝に取り付けられた状態において、溝の底面との間に前記密封装置が移動可能な空間を有するように設定されていることを特徴とする密封装置。
  2. 前記凸部は曲面状の輪郭を有することを特徴とする請求項1記載の密封装置。
  3. 前記第1の張出部は、前記外周又は前記内周から間隔を空けて配置されており、前記第2の張出部は、前記外周又は前記内周から間隔を空けて配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載の密封装置。
  4. 前記第1の張出部は前記第2の張出部に対向することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の密封装置。
  5. 前記2部材は、車両の自動変速機における部材であり、前記2部材の一方は軸であり、前記2部材の他方は前記軸が挿通される軸孔を備えるハウジングであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の密封装置。
JP2014232356A 2014-11-17 2014-11-17 密封装置 Active JP6489496B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014232356A JP6489496B2 (ja) 2014-11-17 2014-11-17 密封装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014232356A JP6489496B2 (ja) 2014-11-17 2014-11-17 密封装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016095006A JP2016095006A (ja) 2016-05-26
JP6489496B2 true JP6489496B2 (ja) 2019-03-27

Family

ID=56070965

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014232356A Active JP6489496B2 (ja) 2014-11-17 2014-11-17 密封装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6489496B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102348130B1 (ko) * 2019-11-28 2022-01-06 평화오일씰공업 주식회사 자동 변속기용 씰 링

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58163761U (ja) * 1982-04-28 1983-10-31 エヌオーケー株式会社 パツキン
JPS62274164A (ja) * 1986-05-23 1987-11-28 Toyo Seal Kogyo Kk シ−ル装置
JPS6368571U (ja) * 1986-10-23 1988-05-09
JP5709485B2 (ja) * 2010-11-24 2015-04-30 株式会社ネリキ 機械器具用シール材

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016095006A (ja) 2016-05-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101478926B1 (ko) 유체압 실린더의 피스톤 베어링 구조
US20150362074A1 (en) Sealing device
JP2011231843A (ja) シールチェーン
KR20110127605A (ko) 유체압 기기
JP6489496B2 (ja) 密封装置
JP5447787B2 (ja) 往復動用密封装置
JP6076789B2 (ja) シール構造
JP2014214769A (ja) シール構造
CN111212995B (zh) 密封环和密封结构
US11221072B2 (en) Arrangement structure for seal member
US8579298B2 (en) Sealing device
JP2015194217A (ja) シールリング
JP2007092791A (ja) シールリング
JP5444841B2 (ja) 密封装置
JP5211927B2 (ja) 密封装置
JP2011256952A (ja) ロッドシール構造
KR20160078236A (ko) 밀봉장치
JP2006177501A (ja) 密封装置
JP2008256057A (ja) 自動変速機用ピストン
JP2021167648A (ja) 密封構造
JP2014190362A (ja) シール構造
JP2015025532A (ja) 密封装置
JP2010242795A (ja) 密封装置
KR101297542B1 (ko) 밀봉장치
JP2021127785A (ja) クラッチピストン機構

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171016

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180823

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180903

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181029

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190204

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6489496

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190217

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250