JP2011256952A - ロッドシール構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】ロッドの往復作動の繰返しにてロッドと共に密封流体が滲み漏れすることを防ぐロッドシール構造を提供する。
【解決手段】往復作動するロッド3に摺接する弾性シール本体10が、断面が非対称形として、かつ、第1バックアップリング11と第2バックアップリング12にて、挟まれており、弾性シール本体10の内周面22が勾配面25に形成されている。
【選択図】図2
【解決手段】往復作動するロッド3に摺接する弾性シール本体10が、断面が非対称形として、かつ、第1バックアップリング11と第2バックアップリング12にて、挟まれており、弾性シール本体10の内周面22が勾配面25に形成されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、ロッドシール構造に関する。
一般に、油圧シリンダ等に用いられるロッドシールとしては、UパッキンやYパッキンのようなリップタイプのものが広く使用されている。高圧用途向けとしては、耐圧性を考慮してリップを厚くして、図13に示すように、断面L字形のはみ出し防止用のバックアップリング31と組み合わせている。この図13では、ロッド32に対し、弾性材から成るUパッキン33のリップ34が摺接して、密封作用をなすが、バックアップリング31の併用によって、上記のはみ出し防止と共に、摺動抵抗を低下させている(特許文献1参照)。
図13(及び参考文献1)に於て、ロッド32が矢印F方向に引込(短縮)作動する時には、密封空間側35の圧力がUパッキン33に作用し、リップ34が開脚方向へ変形して、自封効果を発揮できる。しかし、ロッド32が矢印G方向に伸長作動する時には、密封空間側35が低圧となっているため、自封効果が発揮されにくく、滲み漏れが発生する場合がある。特に低温時には、ゴム製のUパッキン33が硬くなっているため、リップ34の緊迫力のみでは、シール接触面圧が得難く、滲み漏れが発生しやすい。
低摺動抵抗材質(樹脂)のバックアップリング31の密封空間側端部31aがリップ34の近くまで延伸した形状では、リップ34がロッド32の外周面を押圧するシール接触面圧が十分得られず、滲み漏れが一層発生しやすい。
また、従来から、図14〜図16に示すようなスクイーズタイプのロッドシール構造40が使用される場合もある(特許文献2参照)。
また、従来から、図14〜図16に示すようなスクイーズタイプのロッドシール構造40が使用される場合もある(特許文献2参照)。
ところで、図14〜図16に示すロッドシール構造40は、横断面(倒立)T字型かつ左右対称形の弾性シール本体36を有し、密封空間側35の第1バックアップリング41と、大気側37の第2バックアップリング42は、ラジアル方向寸法H41,H42が、シール凹周溝38の深さ寸法H38よりも十分に小さく、各バックアップリング41,42が、弾性シール本体36の肩部39に乗った形状に、組み合わされて、シール凹周溝38に嵌着されている。
このように、横断面形状に於て、弾性シール本体36自身、及び、バックアップリング41, 42と組み合わされた全体が、対称形状であるので、矢印F,Gにて示すロッド32の往復作動時における油膜(オイルフィルム)による各漏れ量の差は、シール接触面圧の差のみに影響される。従って、図15に示すロッド引込(短縮)時、密封空間側35の圧力が同図(B)のように、高圧Ph となり、弾性シール本体36のシール接触面圧が高まって、一旦、ロッド32に付着して大気側37へ移っていた油膜が弾性シール本体36の内周面43を矢印F方向へ戻りにくく、しかも、図16に示したロッド押出(伸長)時には、密封空間側35の圧力が同図(B)のように低圧Pl となり、弾性シール本体36のシール接触面圧が低く、滲み漏れが増加するという問題があった。
このように、横断面形状に於て、弾性シール本体36自身、及び、バックアップリング41, 42と組み合わされた全体が、対称形状であるので、矢印F,Gにて示すロッド32の往復作動時における油膜(オイルフィルム)による各漏れ量の差は、シール接触面圧の差のみに影響される。従って、図15に示すロッド引込(短縮)時、密封空間側35の圧力が同図(B)のように、高圧Ph となり、弾性シール本体36のシール接触面圧が高まって、一旦、ロッド32に付着して大気側37へ移っていた油膜が弾性シール本体36の内周面43を矢印F方向へ戻りにくく、しかも、図16に示したロッド押出(伸長)時には、密封空間側35の圧力が同図(B)のように低圧Pl となり、弾性シール本体36のシール接触面圧が低く、滲み漏れが増加するという問題があった。
そこで、本発明は、上述した従来の問題点を解決して、ロッドの往復作動に伴う密封流体の滲み漏れを防止できるロッドシール構造の提供を目的とする。
そこで、本発明に係るロッドシール構造は、往復作動するロッドに摺接する弾性シール本体と、密封空間側の第1バックアップリングと、大気側の第2バックアップリングとを備えたロッドシール構造に於て;上記第2バックアップリングはシール凹周溝の溝底面から溝開口部にわたって配設され;上記弾性シール本体は、大気側の背面が上記第2バックアップリングに対応すると共に、上記ロッドに摺接する内周面が大気側から密封空間側へしだいに内径寸法が減少する勾配面に、自由状態で形成され、かつ、密封空間側の内径寄りには略矩形状切欠部が形成された横断面非対称形であり;上記第1バックアップリングは上記弾性シール本体の上記切欠部に嵌着されるように構成したものである。
また、上記第2バックアップリングの内周端縁には、密封空間側へ突出した横断面小三角形状の突条部を有し、上記弾性シール本体の大気側内周アール部又は大気側内周傾斜面部を、上記突条部にて受持するように構成した。
また、上記弾性シール本体は、上記シール凹周溝の溝底面に対応する外周面に、窪みを凹設してなる。
また、上記第2バックアップリングの内周端縁には、密封空間側へ突出した横断面小三角形状の突条部を有し、上記弾性シール本体の大気側内周アール部又は大気側内周傾斜面部を、上記突条部にて受持するように構成した。
また、上記弾性シール本体は、上記シール凹周溝の溝底面に対応する外周面に、窪みを凹設してなる。
本発明に係るロッドシール構造によれば、ロッドの往復作動時の密封流体の滲み漏れを防ぐことができる。
以下、図示の実施の形態に基づき本発明を詳説する。
本発明に係るロッドシール構造1は、例えば、図1に示すような油圧シリンダ2のロッド3と、シリンダチューブ4側のシリンダヘッド5の孔部5Aとの円筒状間隙部を密封するものであり、シリンダチューブ4内のピストン6によって、矢印F,Gのようにロッド3が往復作動する。
本発明に係るロッドシール構造1は、例えば、図1に示すような油圧シリンダ2のロッド3と、シリンダチューブ4側のシリンダヘッド5の孔部5Aとの円筒状間隙部を密封するものであり、シリンダチューブ4内のピストン6によって、矢印F,Gのようにロッド3が往復作動する。
図1〜図12に於て、このロッドシール構造1は、上記ロッド3(の外周面に)摺接する弾性シール本体10と、密封空間側35の第1バックアップリング11と、大気側37の第2バックアップリング12とを、具備する。
上記密封空間側35とは、図1に示したシリンダチューブ4内に於て、ピストン6によって区画されたロッド空間7が相当し、大気側37とは、シリンダチューブ4の外側が相当している。
上記密封空間側35とは、図1に示したシリンダチューブ4内に於て、ピストン6によって区画されたロッド空間7が相当し、大気側37とは、シリンダチューブ4の外側が相当している。
弾性シール本体10は、エチレンプロピレン系ゴム、フッ素系ゴム、ニトリル系ゴム等のゴム製であって、例えば、航空機用としては低温性に優れたショアA硬度80以上のものが好ましい。また、第1・第2バックアップリング11,12は、PTFE等のフッ素樹脂、ポリアセタール,ポリアミド,ポリカーボネート等のエンジニアリングプラスチック、超高分子量ポリエチレン等の合成樹脂が使用できる。具体的には、第1バックアップリング11としては、純PTFEとし、第2バックアップリング12としては、充填剤入りPTFEが好ましい。
第2バックアップリング12は、横断面矩形のシール凹周溝8の溝底面9から溝開口部13にわたって配設され、横断面略I字型ではあるが、その内周端縁14には、密封空間側35へ突出した横断面小三角形状の突条部15を有する。
第2バックアップリング12は、横断面矩形のシール凹周溝8の溝底面9から溝開口部13にわたって配設され、横断面略I字型ではあるが、その内周端縁14には、密封空間側35へ突出した横断面小三角形状の突条部15を有する。
具体的には、この突条部15の一辺は、前記内周端縁14と同一内径寸法をもって、連続状に形成され、他辺は、図3又は図5に2点鎖線にて示すように、ロッド3の軸心(孔部5Aの軸心)と直交する平面上に在り、残りの斜辺はラジアル外方向を向くように傾斜した傾斜押圧面16として、(後述するように)弾性シール本体10の大気側内周角(アール)部を押圧保持(受持)する。また、第2バックアップリング12は、シール凹周溝8の大気側37の溝側面17に当接している。
そして、弾性シール本体10は、大気側37の背面18が、第2バックアップリング12に対応(当接)して、受持される。具体的には、図6に示す如く、自由状態下において、この弾性シール本体10の背面18は、軸心直交平面部18Aと(大気側内周)アール部18Bとから成り、又は、図6(B)に2点鎖線にて示すように、背面18が、軸心直交平面部18Aと大気側内周傾斜面部18Cとから成る。
弾性シール本体10のこのような形状の背面18が、大気側37から、第2バックアップリング12によって、受持される。特に、第2バックアップリング12の傾斜押圧面16が、弾性シール本体10の上記大気側内周アール部18B又は大気側内周傾斜面部18Cを、受持する。つまり、突条部15が、その傾斜押圧面16によって、弾性シール本体10のアール部18B又は傾斜面部18Cを押圧状として受持する。
弾性シール本体10のこのような形状の背面18が、大気側37から、第2バックアップリング12によって、受持される。特に、第2バックアップリング12の傾斜押圧面16が、弾性シール本体10の上記大気側内周アール部18B又は大気側内周傾斜面部18Cを、受持する。つまり、突条部15が、その傾斜押圧面16によって、弾性シール本体10のアール部18B又は傾斜面部18Cを押圧状として受持する。
次に、弾性シール本体10の断面形状について、さらに説明する。この弾性シール本体10は、シール凹周溝8に嵌着されると、その溝底面9に対応(接触)する外周面19は、図2,図3,図6(A),図9,図12に示す如く、ストレート状、又は、図4,図6(B)に示す如く、小さな窪み(小凹窪部)20が軸心方向中間部に凹設されて、残部がストレート状の横断面形状とする。
小さなアール状又は面取り状の角部21を介して、上記外周面19と、前述の背面18の軸心直交平面部18Aが連続し、さらに、アール部18B又は傾斜面部18Cに連続する内周面22は、使用状態下でロッド3に摺接自在に接触して弾性変形するが(図3,図5参照)、自由状態では、大気側37から密封空間側35へしだいに内径寸法D22が減少する勾配面25に形成されている。
小さなアール状又は面取り状の角部21を介して、上記外周面19と、前述の背面18の軸心直交平面部18Aが連続し、さらに、アール部18B又は傾斜面部18Cに連続する内周面22は、使用状態下でロッド3に摺接自在に接触して弾性変形するが(図3,図5参照)、自由状態では、大気側37から密封空間側35へしだいに内径寸法D22が減少する勾配面25に形成されている。
この勾配面25は、横断面形状が傾斜状ストレートである場合と、大きな曲率半径のアール線状である場合、及び、それらの組み合わせの場合と、折れ線状の場合と、相違する複数のアール線状を組み合わせた場合等を、選択自由である。
そして、上記勾配面25の密封空間側35の端部の角部23から、軸心直交面26を連続状として、略矩形状切欠部24が形成されている。つまり、弾性シール本体10は、密封空間側35の内径寄りに、略矩形状切欠部24が形成されている。
このように、弾性シール本体10は、本発明では、横断面非対称形であり、従来例の図14等とは相違している。
そして、上記勾配面25の密封空間側35の端部の角部23から、軸心直交面26を連続状として、略矩形状切欠部24が形成されている。つまり、弾性シール本体10は、密封空間側35の内径寄りに、略矩形状切欠部24が形成されている。
このように、弾性シール本体10は、本発明では、横断面非対称形であり、従来例の図14等とは相違している。
そして、第1バックアップリング11は、弾性シール本体10の上記切欠部24に嵌着(内嵌)される。この第1バックアップリング11の横断面形状は、D字形であり、密封空間側35はストレートの一辺27を有し、大気側37の他辺28は、短ストレート状として、外径側角部と内径側角部をアール面取りしたアール部29,30に連続している。特に、外径側アール部29の曲率半径R29を十分に大きく設定するのが好ましい。これに対応する切欠部24の隅アール部24Aの曲率半径R24も同等に設定し、応力集中による亀裂を防止するのが望ましい。
ここで、弾性シール本体10,第1バックアップリング11,第2バックアップリング12,シール凹周溝8等の形状と寸法に関して、説明すると、弾性シール本体10は自由状態の横断面形状に於て、勾配面25の勾配角度θ1 を0°〜45°に設定する。角部23寄りを仮に0°とすれば、そこからなだらかに弯曲させて勾配面25の勾配角度θ1 を、角部23から大気側37にしだいに増大させるように形成する。また、切欠部24の隅アール部24Aの曲率半径R24は、切欠部24の幅寸法W24の25%〜50%とする。R29も同様であって、0.25・W24≦R29≦0.50・W24とする。また、全体幅寸法W10と切欠部幅寸法W24との関係は約(3:1)とする。
また、弾性シール本体10の全体高さ寸法(全体ラジアル方向寸法)T10と、切欠部24のラジアル方向寸法T24との関係は、約(3:2)とする。従って、軸心直交面26から密封空間側35へ突出状の小矩形状の突出部45の厚さ寸法T45と上記全体高さ寸法T10との関係は、T45≒(1/3)・T10となる。
また、弾性シール本体10の全体高さ寸法(全体ラジアル方向寸法)T10と、切欠部24のラジアル方向寸法T24との関係は、約(3:2)とする。従って、軸心直交面26から密封空間側35へ突出状の小矩形状の突出部45の厚さ寸法T45と上記全体高さ寸法T10との関係は、T45≒(1/3)・T10となる。
次に、第2バックアップリング12について説明すると、突条部15の傾斜角度θ15は、0°〜45°に設定する。好ましくは、10°〜40°である。なお、θ15=0°とは、突条部15を省略しても良いことを示している(従来公知のバックアップリングとしても良い)。
次に、図8と図11に示した第1バックアップリング11の幅寸法W11と、図6と図9に示した弾性シール本体10の切欠部24の幅寸法W24との間には、次式のような関係が成立している。
W11≒W24かつW11≦W24
そして、アール部29の曲率半径R29と、切欠部24の曲率半径R24との間には、R29≒R24の関係式が成立する。
なお、図10と図11に示すように、第2バックアップリング12と第1バックアップリング11に、バイアスカット46を形成して、一体型の凹周溝8への嵌装を可能とする。
W11≒W24かつW11≦W24
そして、アール部29の曲率半径R29と、切欠部24の曲率半径R24との間には、R29≒R24の関係式が成立する。
なお、図10と図11に示すように、第2バックアップリング12と第1バックアップリング11に、バイアスカット46を形成して、一体型の凹周溝8への嵌装を可能とする。
次に、本発明に係るロッドシール構造1の作用について述べる。弾性シール本体10の内周面22が、図2,図4,図6に示す勾配面25を有する傾斜丘陵型の自由状態から、図3,図5に示すようにロッド3の外周面に圧接して、ロッド3の往復作動に伴って摺接する“スクイーズ”タイプであるので、ゴム弾性反力が作用して、図1の矢印Gにて示す方向への作動時(ロッド押出時)における密封空間側35の低圧Pl 時(図16(B)参照)においても、一定の密封効果が得られ、滲み出しにくい。このことは、低温状態において顕著であり、従来の図13に示したようなリップ34の反力(緊迫力)のみでシールするUパッキンよりも、材料の弾性反力が得やすく、低温時のシール性能が優れる。
弾性シール本体10がロッド3に摺接する内周面22が勾配面25であり、かつ、全体に非対称形の横断面形状であることによって、図3と図5の面圧分布グラフ図に示す如く、密封空間側35の面圧Pが高く、大気側37が低いような、頂点Pmax が密封空間側35へ偏在する面圧分布となる。
図1に於ける矢印G方向へのロッド押出時には、急激に面圧Pが増加してピーク(頂点)Pmax に達するので、油が通過しにくく、オイルフィルム(油膜)としてロッド3と共に大気側37へ漏れない。このように滲み漏れが(従来の図16に比較して)著しく減少する。
図1に於ける矢印F方向へのロッド引込時には、緩やかに面圧Pが増加してピーク(頂点)Pmax を越すことで、大気側からロッド3と共に矢印F方向へ移動するオイルフィルム(油膜)は、スムースに(切れることなく)密封空間側へ戻る。このようにして、ロッド3の矢印G,F方向への往復作動に伴う流体の滲み漏れが改善できる。
なお、弾性シール本体10の潰し代は、全体高さ寸法(全体ラジアル方向寸法)T10の8%〜25%とするのが好ましい。
図1に於ける矢印F方向へのロッド引込時には、緩やかに面圧Pが増加してピーク(頂点)Pmax を越すことで、大気側からロッド3と共に矢印F方向へ移動するオイルフィルム(油膜)は、スムースに(切れることなく)密封空間側へ戻る。このようにして、ロッド3の矢印G,F方向への往復作動に伴う流体の滲み漏れが改善できる。
なお、弾性シール本体10の潰し代は、全体高さ寸法(全体ラジアル方向寸法)T10の8%〜25%とするのが好ましい。
そして、本発明に於ては、第1バックアップリング11及び第2バックアップリング12をもって弾性シール本体10を挟持する構成としたので、弾性シール本体10のゴム材のはみ出しが確実に防止され、かつ、低摺動性を持たせ得る。
また、図14〜図16に示した従来のロッドシール構造40では弾性シール本体36がTリングであって、第1・第2バックアップリング41,42が肩部39に乗るように内径側に入り込む構造となっているため、流体圧(高圧)Ph が作用した際、バックアップリング42の角部と弾性シール本体36の隅部36Aが強く干渉して、亀裂を生ずる虞があった。特に、高圧であるほど亀裂(割れ)が発生しやすい。これに対し、本発明のロッドシール構造1に於ては、第2バックアップリング12がシール凹周溝8の溝側面17の全体に当接する高さ寸法であるので、高圧の場合にも従来の上記亀裂(割れ)を発生しない。なお、第1バックアップリング11に関しては、突出部45に乗っている構造ではあるが、この第1バックアップリング11と弾性シール本体10との接触力(圧接力)は比較的低く、隅アール部24Aからの亀裂(割れ)の心配が殆んどない。
第2バックアップリング12は、基本的には突条部15を内周端角部に有し、傾斜押圧面16が、(図2と図4と図6に示すように)弾性シール本体10のアール部18B又は傾斜面部18Cに対応して、相互に密に接触しやすい組合せであって、図3と図5に示すように受圧(高圧)状態で、弾性シール本体10の姿勢を安定させる作用をなす。さらに、突条部15は、弾性シール本体10とロッド3との三角状間隙へ侵入状態となり、楔作用によって油膜掻き取り(滲み漏れ防止)の効果をも発揮する。
また、図4と図5と図6(B)に示すように外周面19に窪み20を周溝状に設ける(凹設する)ことによって、大気側37の面圧Pを低下させて、摺動抵抗を低減を図ると共に、第2バックアップリング12の突条部15による弾性シール本体10の損傷を防止している。
また、図4と図5と図6(B)に示すように外周面19に窪み20を周溝状に設ける(凹設する)ことによって、大気側37の面圧Pを低下させて、摺動抵抗を低減を図ると共に、第2バックアップリング12の突条部15による弾性シール本体10の損傷を防止している。
これに対し、図2と図3と図6(A)に示す実施の形態のように、(上述の突条部15を省略して、)外周面19を断面ストレート状とすれば、低温時における潰し反力の絶対値を増加でき、あるいは、高圧用として弾性シール本体10の強度を増加できる。
なお、シール凹周溝8の断面積をS8 とすれば、弾性シール本体10と第1・第2バックアップリング11,12の合計断面積は、0.70・S8 〜0.90・S8 とするのが好ましい。
なお、シール凹周溝8の断面積をS8 とすれば、弾性シール本体10と第1・第2バックアップリング11,12の合計断面積は、0.70・S8 〜0.90・S8 とするのが好ましい。
本発明は、上述したように、ロッド3からの滲み漏れを低減できるロッドシール構造であるので、極低温下で使用される高圧シリンダのロッド部位の密封に好適であり、航空機等に使用可能である。
以上のように、本発明は、往復作動するロッド3に摺接する弾性シール本体10と、密封空間側35の第1バックアップリング11と、大気側37の第2バックアップリング12とを備えたロッドシール構造に於て;上記第2バックアップリング12はシール凹周溝8の溝底面9から溝開口部13にわたって配設され;上記弾性シール本体10は、大気側37の背面18が上記第2バックアップリング12に対応すると共に、上記ロッド3に摺接する内周面22が大気側37から密封空間側35へしだいに内径寸法D22が減少する勾配面25に、自由状態で形成され、かつ、密封空間側35の内径寄りには略矩形状切欠部24が形成された横断面非対称形であり;上記第1バックアップリング11は上記弾性シール本体10の上記切欠部24に嵌着されるように構成されたので、図13〜図16で述べた従来の問題点を悉く解決して、ロッド3の往復作動に伴う密封流体の滲み漏れを著しく低減できる。
また、上記第2バックアップリング12の内周端縁14には、密封空間側35へ突出した横断面小三角形状の突条部15を有し、上記弾性シール本体10の大気側内周アール部18B又は大気側内周傾斜面部18Cを、上記突条部15にて受持するように構成したので、弾性シール本体10のシール凹周溝8内の姿勢を常に安定化できる。かつ、ロッド3の摺動抵抗を低減できる。また、突条部15は、弾性シール本体10の大気側37へのはみ出しを有効防止し、かつ、突条部15の楔効果によって油膜掻き取りを行われて、滲み漏れが一層確実に低減乃至防止できる。
また、上記弾性シール本体10は、上記シール凹周溝8の溝底面9に対応する外周面19に、窪み20を凹設してなるので、(図5の面圧分布グラフ図でも分かるように)大気側37の面圧Pを十分に低くすることが可能となり、ロッド摺動抵抗を低減でき、かつ、第2バックアップリング12の突条部15によって弾性シール本体10が部分的に損傷を受けることを防ぐこともできる。
1 ロッドシール構造
3 ロッド
8 シール凹周溝
9 溝底面
10 弾性シール本体
11 第1バックアップリング
12 第2バックアップリング
13 溝開口部
14 内周端縁
15 突条部
18 背面
18B アール部
18C 傾斜面部
19 外周面
20 窪み
22 内周面
24 切欠部
25 勾配面
35 密封空間側
37 大気側
D22 内径寸法
3 ロッド
8 シール凹周溝
9 溝底面
10 弾性シール本体
11 第1バックアップリング
12 第2バックアップリング
13 溝開口部
14 内周端縁
15 突条部
18 背面
18B アール部
18C 傾斜面部
19 外周面
20 窪み
22 内周面
24 切欠部
25 勾配面
35 密封空間側
37 大気側
D22 内径寸法
Claims (3)
- 往復作動するロッド(3)に摺接する弾性シール本体(10)と、密封空間側(35)の第1バックアップリング(11)と、大気側(37)の第2バックアップリング(12)とを備えたロッドシール構造に於て、
上記第2バックアップリング(12)はシール凹周溝(8)の溝底面(9)から溝開口部(13)にわたって配設され、
上記弾性シール本体(10)は、大気側(37)の背面(18)が上記第2バックアップリング(12)に対応すると共に、上記ロッド(3)に摺接する内周面(22)が大気側(37)から密封空間側(35)へしだいに内径寸法(D22)が減少する勾配面(25)に、自由状態で形成され、かつ、密封空間側(35)の内径寄りには略矩形状切欠部(24)が形成された横断面非対称形であり、
上記第1バックアップリング(11)は上記弾性シール本体(10)の上記切欠部(24)に嵌着されるように構成されたことを特徴とするロッドシール構造。 - 上記第2バックアップリング(12)の内周端縁(14)には、密封空間側(35)へ突出した横断面小三角形状の突条部(15)を有し、上記弾性シール本体(10)の大気側内周アール部(18B)又は大気側内周傾斜面部(18C)を、上記突条部(15)にて受持するように構成した請求項1記載のロッドシール構造。
- 上記弾性シール本体(10)は、上記シール凹周溝(8)の溝底面(9)に対応する外周面(19)に、窪み(20)を凹設してなる請求項1又は2記載のロッドシール構造。
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JP2010132693A JP2011256952A (ja) | 2010-06-10 | 2010-06-10 | ロッドシール構造 |
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JP2010132693A JP2011256952A (ja) | 2010-06-10 | 2010-06-10 | ロッドシール構造 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014214768A (ja) * | 2013-04-23 | 2014-11-17 | 日本バルカー工業株式会社 | シール構造 |
CN110997228A (zh) * | 2017-08-08 | 2020-04-10 | 阪东化学株式会社 | 工作机械用密封部材 |
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2010
- 2010-06-10 JP JP2010132693A patent/JP2011256952A/ja active Pending
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