JP5211927B2 - 密封装置 - Google Patents

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Description

本発明は、たとえば、油圧シリンダのピストン用シールやロッドシール等に用いられる密封装置に関する。
従来のこの種の油圧シリンダのピストン用シールとしては、たとえば、図5(A)に示すような、組合せシールが知られている。
図示例では、ピストン110外周に設けられた溝111の溝開放端側に装着される四フッ化エチレン樹脂等の樹脂製摺動リング101と、溝底側に圧縮状態で装着されるニトリルゴム等の架橋構造のゴム材料からなるゴム状弾性体リング102とを組合せた構成となっている。樹脂製摺動リング101を摺動相手部材であるシリンダチューブ120の内周面に摺接させ、樹脂製摺動リング101と溝111の溝底間を、ゴム状弾性体リング102によって密封するようになっている。図5(A)ではゴム状弾性体リング102は断面円形状であるが、図5(B)に示すように、断面矩形状のものも使用されている。
しかし、樹脂製摺動リング101は耐摩耗性に優れてはいるものの、摺動材として樹脂材を使用しており、リップパッキンのようなU溝への油圧導入によるリップ開きも無いために、ゴム状弾性体単体のリップパッキン、たとえば、架橋ゴム材料を用いたリップパッキン、機械的強度の高いウレタンゴム等の熱可塑性エラストマーを用いたリップパッキンに比較して偏心追随性に劣っている。また、四フッ化エチレン樹脂等の樹脂材は、表面が平滑で相手摺動面に対する密着性が悪いので、にじみ漏れが生じやすく、架橋ゴム材料や熱可塑性エラストマー対比で密封性に劣るシール材である。そのため、高いシール性が要求される用途では、このような組合せシールを適用することができない。
高いシール性が要求される場合には、その対策として、i)片側圧用リップパッキン二個使いへの変更(図5(C)参照)、ii)両圧用リップパッキンへの変更(図5(D)参照)、もしくは、iii)組合せシールの摺動リングを熱可塑性エラストマーに変更したシールへの変更(図5(E)参照)が効果的であるが、それぞれ以下のような問題点がある。
i)片側圧用リップパッキン
図5(C)には、片側圧用リップパッキンとして、2個のUパッキン201A,201Bを用いた例が示されている。Uパッキン201A、201Bはゴム状弾性体単体の成形体で、ヒール部から軸方向に二股に分かれて延びる一対のリップ部を備えた断面U字形状のパッキンである。
ピストン210の外周には、軸方向に離間して二箇所の溝211A、211Bが設けられ、各溝211A,211Bに、2個のUパッキン201A、201Bが、それぞれのリップ部を軸方向互いに反対側に向けた状態で装着されている。ピストン210に対して軸方向一方側の密封対象流体F1を一方のUパッキン201Aでシールし、他方側の密封対象流体F2を他方のUパッキン201Bにてシールするようになっている。
各Uパッキン201A、201Bの外側リップ部202A、202Bが摺動相手部材であるシリンダチューブ220のチューブ内周面に摺接しており、外側リップ部202A、202Bの背面には密封対象流体F1,F2の圧力が作用するので、密封対象流体F1、F2の圧力増大に応じて接触面圧を増大させることができ、シール性が高い。また、ピストン210が偏心しても、ピストン210の偏心に追随して外側リップ部202A、20
2Bが撓むので、偏心追随性に優れている。しかし、2つのUパッキン201A、201Bが必要となり、その溝211A、211Bのスペースの分だけピストン210が大型化してしまう。
ii)両圧用リップパッキン
図5(D)には、両圧用リップパッキン301が示されている。
この両圧用リップパッキン301もゴム状弾性体単体で構成されるもので、その断面形状は概略X字形状で、ピストン310の溝311の両隅角部に延びる一対の内側リップ301a、301bと、軸方向一方の密封対象流体F1側と、他方の密封対象流体F2に延びて相手摺動面であるシリンダチューブ320内周に摺動自在に接触する一対の外側リップ302a、302bとを備えた構成となっている。一方の密封対象流体F1を一方の外側リップ302aにてシールし、他方の密封対象流体F2を他方の外側リップ302bにてシールするようになっている。
外側リップ302a、302bの背面には密封対象流体F1,F2の圧力が作用するので、密封対象流体F1、F2の圧力増大に応じて接触面圧を増大させることができる。また、ピストン310が偏心しても、ピストン310の偏心に追随して外側リップ302a、302bが撓むので、片側圧リップパッキンと同様に偏心追随性にも優れている。
この両圧用リップパッキン301によれば、一つのパッキンで軸方向両側の密封対象流体F1、F2に対応できるので、上記したUパッキン等の片側圧用リップパッキンに比べてスペース効率がよい。
しかし、パッキン材料として架橋ゴム材料を用いた場合には、材料的に耐摩耗性に乏しく、耐圧性も低い。耐圧性を高めるために、不図示のバックアップリングを併用することが考えられるが、バックアップリングの分だけ装着スペースが大きくなってしまう。
そこで、この両圧用リップパッキン301の材料を架橋ゴム材料から、機械的強度の高いウレタンゴム等の熱可塑性エラストマーに変更することが考えられる。しかし、熱可塑性エラストマーは通常の架橋ゴム材料よりも弾性に乏しいので、偏心追随性が通常の架橋ゴム材料よりも低くなってしまう。
なお、類似の技術としては、たとえば、特許文献1に記載されたようなものがある。
iii)組合せシールの摺動リングを熱可塑性エラストマーに変更したシール
図5(E)は、摺動リングを、樹脂材から熱可塑性エラストマーに変更した形態の組合せシールの一例を示している。この組合せシールは、ピストン410外周の溝411の溝開放端側に配設された熱可塑性エラストマー製の摺動リング401と、溝底側に圧縮状態で装着される架橋ゴム材料により成形されたゴム状弾性体リング402とを組合せた構成となっている。
このように摺動リング401として熱可塑性エラストマーを使用すれば、図5(A)に示したような樹脂製摺動リングを用いた組合せシールよりも偏心追随性が向上する。しかし、ii)で説明したような、架橋ゴム材料を用いた両圧用リップパッキン301に比べて偏心追随性が低い。
そこで、図5(F)に示すように、偏心追随性アップを目的として、ゴム状弾性体リング402にスリット403を追加し、摺動リング401の背面に油圧を導入することが考えられる。しかし、油圧導入用のスリット403を追加すると、図5(G)に示すように、ゴム状弾性体リング402と摺動リング401との接触面間に導入された油が入り込み、導入された油圧Pが高圧側Hから低圧側Lに吹き抜けてしまうという問題が生じる。
特公平8−6811号公報
本発明は、上記した従来技術の問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、耐摩耗性が高く、一つの装置で両側からの圧力に対応でき、しかも偏心追随性に優れた密封装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、互いに移動自在に組み付けられる二部材間の環状隙間をシールするもので、摺動リングとゴム状弾性体リングとを組合せた構成で、前記摺動リングは前記対ゴム状弾性体リング対比で耐圧性,耐摩耗性に優れた材料により構成し、摺動リングとゴム状弾性体リングが組み合わさった状態で一方の部材に設けられた環状の溝に装着される密封装置であって、
前記摺動リングは、前記溝内に収納されるリング本体部と、該リング本体部の溝開放端側の端部から軸方向両側に向かって延びる一対のリップ部と、を有する構成で、該リップ部は、摺動相手となる他方の部材の相手摺動面に摺動自在に接触すると共に、リップ先端部が溝内側面に軸方向に対向する構成となっており、
前記ゴム状弾性体リングは2つ設けられ、各ゴム状弾性体リングはリング本体部の軸方向互いに反対側の側面と軸方向に対向する溝内側面との間の2つの空間に装着される構成で、各ゴム状弾性体リングは、リップ部と溝底面との間で径方向に圧縮された状態で装着される構成となっていることを特徴とする。
本発明に係る密封装置によれば、相手摺動面に密封接触する2つのリップ部によって、密封装置に対して軸方向両側に存在する密封対象流体がシールされ、相手摺動面に対して軸方向いずれの方向に移動する場合でも、密封対象流体を密封することができる。
この発明では、摺動リングは前記対ゴム状弾性体リング対比で耐圧性,耐摩耗性に優れた材料により構成しているので、耐摩耗性に優れ、長寿命化を図ることができる。
また、リップ部の背面に密封対象流体の圧力が作用し、相手摺動面に対してリップ部が押し付けられるので、シール面圧が増大して高いシール性が確保される。二部材が相対的に偏心した場合にも、リップ部が偏心に対して追随して撓み、さらに偏心によるリップ部のシール面圧の低下は、ゴム状弾性体リングの弾性復元力によって補うことができるので、偏心追随性も確保することができる。
一方、密封対象流体の流体圧が高くなっても、ゴム状弾性体リングは摺動リングのリング本体部側面に軸方向に押し付けられて密接するので、摺動リングとゴム状弾性体リングとの接触部の吹き抜けが防止される。
また、摺動リングのリップ部とゴム状弾性体リングの接触部に、リップ部の相手摺動面とは反対側の面に密封対象流体の圧力を導入する圧力導入路を設ければ、圧力をスムースに導入することができる。これにより、リップ部の相手摺動面とのシール面圧を高めることができる。
圧力導入路を、摺動リングのリップ部と接触するゴム状弾性体リングの接触面に設けられたスリットによって構成すれば、成形が容易である。
また、摺動リングを熱可塑性エラストマー製とすれば、架橋ゴム材料を用いた場合に比べて耐摩耗性に優れ、長寿命化を図ることができる。一方、この熱可塑性エラストマーは樹脂材に比べて弾力性があるので、従来の樹脂製摺動リングに比較してシール性に優れる。
本発明に係る密封装置によれば、耐摩耗性が高く、一つの装置で両側からの圧力に対応
でき、しかも偏心追随性に優れた密封装置を実現できる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
図1(A)は本発明の実施の形態に係る密封装置をピストンに装着した状態の一例を示す部分破断半正面図、同図(B)は(A)の密封装置を取り出して示す部分破断斜視図、図2は図1の密封装置を示すもので、同図(A)は要部拡大断面図、同図(B)は同図(A)の密封装置を分解して示す要部断面図、同図(C)は同図(B)のゴム状弾性体リングのスリットを示す図である。
この密封装置1は、たとえば、図1(A)に示すように、油圧シリンダのピストンシールとして用いられるもので、互いに往復移動自在に組み付けられる二部材としてのシリンダチューブ50と、ピストン60間の環状隙間70をシールする。なお、図中、80はピストン60外周に装着されたウェアリングである。
<密封装置の構成>
密封装置1の構成は、図1(B)、図2(A)、(B)に詳細に示すように、摺動リング2と、ゴム状弾性体リング3とを組合せた構成で、摺動リング2とゴム状弾性体リング3が組み合わさった状態で、一方の部材としてのピストン60の外周に設けられた環状の溝61に装着される。
溝61は断面矩形状で、ピストン60の中心軸に対して直交する一対の溝内側面61a、61bと、ピストン60の中心軸と平行に延びる溝底面61cとを備えている。
摺動リング2は断面略T字形状で、溝61内に装着される径方向に延びるリング本体部21と、リング本体部21の溝61の開放端側の端部、図示例ではリング本体部21の外径端部から軸方向互いに反対側に延びる一対のリップ部22、23と、を有している。リップ部22、23は、他方の部材としてのシリンダチューブ50の相手摺動面であるチューブ内周面51に摺動自在に接触する。
摺動リング2のリング本体部21は、図2(B)にさらに詳細に示すように、断面矩形状で、軸方向に対して直交する一対の側面21a、21bを有し、その内周面21cは軸方向に延びる円筒面によって構成されている。リング本体部21の一対の側面21a、21bと各リップ部22、23との隅角部には円弧状のアール部27が形成されている。
各リップ部22、23の摺動面側の面である外周面には、チューブ内周面51側に突出するシール凸部22b、23bが全周にわたって設けられている。シール凸部22b、23bの形状は断面円弧形状で、各シール凸部22b、23bの間には円弧状に窪む凹部24が設けられている。
シール凸部22b,23bの頂部の外径寸法はシリンダチューブ50の内径よりも大きく、シール凸部22b、23b間の凹部24の最小径はシリンダチューブ50の内径よりも小さい。リップ部22、23の外周は、シール凸部22b、23bの頂部から凹部24の最小径部に向けて徐々に小径となり、リング本体部21の側面の延長線付近でシリンダチューブ50の内径より小さくなる。
リップ部22、23の反摺動面側の面であるリップ部内周面22d、23dは円筒面形状となっている。一方、リップ部22,23の軸方向両端に位置する側面22a,23a
には、軸方向に突出する側面突出部28が設けられている。この側面突出部28は側面よりも径方向幅が若干狭い円環形状で、内径側と外径側を連通するスリット26が円周方向に複数設けられ、側面突出部28が複数の円弧状部分に分断されている。
このスリット26によって、側面突出部28が溝内側面61a、61bに当接した状態でも、密封対象流体の流体圧を導入可能としている。このスリット26については、リップ部22,23の側面突出部28に限らず、溝内側面61a、61b側に設けてもよい。
摺動リング22の材料としては、ゴム状弾性体リング23対比で、耐圧性、耐磨耗性が優れる材料が用いられている。これにより、密封機能が長期にわたり維持できる。特に、熱可塑性エラストマーを選択することが好適である。
ここで、熱可塑性エラストマーは、架橋ゴム材料と樹脂材料の中間的な弾性を有するもので、硬度にして、JIS A(デュロメータA)90〜96程度のものが好適である。
本実施例ではウレタン系(PU)のエラストマーを使用している。もっとも、これに限定されるものではなく、スチレン系(SBC)、オレフィン系(TPO)、塩ビ系(TPVC)、エステル系(TPEE)、アミド系(TPAE)等種々の材料が適用可能である。
一方、ゴム状弾性体リング3は、図2(B)に示すように、軸方向に延びる内周面3cおよび外周面3dと、軸方向と直交する一対の側面3a、3bを備えた断面矩形状で、外周側の一方の角部が、摺動リング2のリング本体部21と各リップ部22,23との隅角部のアール部27に倣ったアール部3eとなっている。
ゴム状弾性体リング3は、リップ部22,23に対応して2つ設けられ、リング本体部21の軸方向互いに反対側の側面21a、21bと、この側面21a、21bと軸方向に対向する一対の溝内側面61a、61bとの間の2つの空間に装着される。装着された状態では、ゴム状弾性体リング3は、リップ部22、23と溝底面61cとの間で径方向に圧縮された状態でとなる。また、この実施の形態では、リング本体部21の側面21a、21bと溝61の溝内側面61a、61bとの間で、軸方向にも圧縮されている。
この実施例では、ゴム状弾性体リング3の内径は、摺動リング2のリング本体部21の内径と等しく、リング本体部21の内周面とゴム状弾性体リング3、3の内周面が面一となるように設定されている。また、ゴム状弾性体リング3の外径は、各リップ部22,23の内径とほぼ等しい。また、ゴム状弾性体リング3の軸方向の長さはリップ部22a、23aの長さよりも長く、溝61内に装着した際に、軸方向に圧縮代を確保する寸法に設定されている。
ゴム状弾性体リング23は、摺動リング22対比で、耐圧縮永久ひずみ性、低温性が優れる材質を用いる。これにより、偏心追随性を確保できる。
また、ゴム状弾性体リング3の架橋ゴム材料としては、ニトリムゴム、シリコーンゴム、ふっ素ゴム等の、柔軟な架橋ゴム材料が好適であり、耐圧縮永久歪性・低温性(追随性)等を考慮して選定される。もっとも、架橋ゴム材料ではなく、熱可塑性エラストマーを利用してもよい。
また、ゴム状弾性体リング3と摺動リング2の各リップ部22、23との接触部、この例ではゴム状弾性体リング3の外周面にスリット25が設けられている。このスリット25は、図2(C)に示すように、周方向複数個所に設けられている。
スリット25は、中心軸を通る断面で見た場合に、各リップ部22,23の先端側から付け根にかけて徐々にスリット25の深さが浅くなるようなくさび形状となっており、ス
リット25の先端位置は角部のアール部3eの端部位置までとなっている。
なお、圧力導入用のスリット25については、摺動リング2のリップ部22、23の反摺動面側に圧力を導入できればよいので、摺動リング2のリップ部22,23側に設けてもよいし、摺動リング2のリップ部22,23とゴム状弾性体リング3の両方に設けてもよい。
図3(A)、(B)は図1の密封装置と溝の寸法関係を示している。
すなわち、ピストン60の溝61の溝幅をA、溝底面61cから相手摺動面となるシリンダチューブ50内周面までの径方向寸法をD、各ゴム状弾性体リング3の軸方向厚さをB、摺動リング2のリング本体部21の軸方向厚さをC、摺動リング2の各リップ部22、23のシール凸部22b、23bの頂部からリング本体部21の内径端までの径方向幅をEとすると、A<(B×2+C)で、かつ、D<Eを満足するように設定される。
図3(C)は、密封装置に対して溝を破線にして重ねた状態を示している。
図示するように、この密封装置1を、ピストン60の溝61に装着し、シリンダチューブ50に組み付けると、まず、溝61の溝内側面61a、61bと摺動リング2のリング本体部21の側面21a、21b間で、各ゴム状弾性体リング3,3が、軸方向に圧縮され、その分径方向に延びる。一方、各リップ部22、23のシール凸部22b、23bがチューブ内周面51によって径方向に圧縮されると共にリップ部22,23自体もいく分内径側に撓み、ゴム状弾性体リング3についても、径方向に圧縮され、これらの弾性復元力によってシール凸部22b、23bの摺動部の初期のシール面圧が設定される。
一方、ゴム状弾性体リング3は、軸方向および径方向に圧縮され、その弾性復元力によってリング本体部21と溝内側面61a、61b間との軸方向の静止側の初期のシール面圧が確保され、また、リップ部22,23内周面と溝底面61cとの間の径方向の初期のシール面圧が確保される。
<密封装置の作用>
次に本実施例の密封装置の作用について、図4を参照して説明する。
すなわち、シリンダチューブ50に対してピストン60が往復移動すると、シリンダチューブ50のチューブ内周面51に密封接触する2つのリップ部22、23によって、ピストン60の軸方向両側に存在する密封対象流体F1、F2がシールされる。密封対象流体F1、F2としては、ピストン60を挟んで一方が圧油、他方が大気の場合、両方に油圧が導入される場合等、特に限定されない。
ピストン60が往復運動する際、各リップ部22、23のシール凸部22b、23bがシリンダチューブ50のチューブ内周面5に対して、往動側および復動側のいずれにも適切な接触面圧分布を維持しながら摺動する。
そして、密封対象流体F、Fの流体圧が高くなっても、ゴム状弾性体リング3は摺動リング2のリング本体部21側面に軸方向に押し付けられて密接するので、摺動リング2とゴム状弾性体リング3との接触部の吹き抜けが防止される。
また、片側のリップ部23を例にとって説明すると、図4に示すように、リップ部23の側面突出部28に設けたスリット26、及びゴム状弾性体リング3に設けられたスリット25を通じてリップ部23の背面に、密封対象流体Fの圧力が導入され、相手摺動面であるシリンダチューブ50のチューブ内周面51に対してリップ部23が押し付けられるので、シール面圧が増大して高いシール性が確保される。他方のリップ部22についても全く同様である。
ピストン60がシリンダチューブ50に対して相対的に偏心した場合にも、リップ部2
2、23が偏心に対して追随して撓み、さらに偏心によるリップ部の局部的なシール面圧の低下は、ゴム状弾性体リング3、3の弾性復元力によって補うことができるので、偏心追随性も確保することができる。
また、本実施例では、摺動リング2がウレタンゴムによって構成されているので、ニトリルゴム等の通常の架橋ゴム材料を用いた場合に比べて耐摩耗性に優れ、長寿命化を図ることができる。一方、樹脂材に比べて弾力性があるので、従来の樹脂製摺動リングに比較してシール性に優れる。
上記実施例では、ピストンシールを例にとって、内側の部材に装着され外側の部材の内周に摺接する密封装置について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば、ピストンロッドとシリンダチューブ間のロッドシールのように、シリンダチューブ等の外側の部材に装着され内側の部材の外周に摺接するような密封装置にも適用可能である。この場合には、摺動リングのリップ部が内側に、ゴム状弾性体リングがリップ部の外側になるように組み付けられる。
また、本発明は油空圧機器のシールに限定されるものではなく、その他往運動する摺動部のシールとして広く適用可能である。また、往復運動する場合ではなく、回転運動する部分のシールとしても適用可能であるし、回転と往復の複合運動する部分のシールとしても適用可能である。
尚、本発明の密封装置は、上記した実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
本発明に係る密封装置は、油圧シリンダのピストンシール、ロッドシール等の往復動用の密封装置等に利用可能である。
図1(A)は本発明の実施の形態に係る密封装置をピストンに装着した状態の一例を示す部分破断半正面図、同図(B)は(A)の密封装置を取り出して示す部分破断斜視図である。 図2は図1の密封装置を示すもので、同図(A)は要部拡大断面図、同図(B)は同図(A)の密封装置を分解して示す要部断面図、同図(C)は同図(B)のゴム状弾性体リングのスリットを示す図である。 図3(A)、(B)は図1の密封装置と溝の寸法関係を示す図、図3(C)はピストンに装着した場合の溝との寸法関係を示す図である。 図4は、図1の密封装置の作用を説明するための要部断面図である。 図5(A)は従来の組合せシールをピストンに装着した状態を示す一部破断正面図、同図(B)は他の従来の組合せシールの装着状態の要部断面図、同図(C)は従来の片側リップパッキン二個使いのシール構造を示す要部断面図、同図(D)は従来の両圧用リップパッキンの要部断面図、同図(E)は同図(B)の組合せシールの摺動リングにウレタンゴムを用いた例を示す要部断面図、同図(F)は同図(E)に圧力導入用のスリットを設けた例を示す要部断面図、同図(G)は同図(F)の圧力導入用スリットを通じて圧力が吹き抜けとなる状態を示す要部断面図である。
符号の説明
1 密封装置
2 摺動リング
21 リング本体部
21a 側面、21c 内周面
22,23 リップ部
22b,23b シール凸部
24 凹部
25 スリット
26 スリット
27 アール部
28 側面突出部
3 ゴム状弾性体リング
3a,3b 側面
3c 内周面
3d 外周面
3e アール部
50 シリンダチューブ
51 チューブ内周面
60 ピストン
61 溝
61a 溝内側面
61c 溝底面
70 環状隙間
80 ウェアリング
F1,F2 密封対象流体

Claims (4)

  1. 互いに移動自在に組み付けられる二部材間の環状隙間をシールするもので、摺動リングとゴム状弾性体リングとを組合せた構成で、
    前記摺動リングは、前記対ゴム状弾性体リング対比で耐圧性,耐摩耗性に優れた材料により構成し、
    摺動リングとゴム状弾性体リングが組み合わさった状態で一方の部材に設けられた環状の溝に装着される密封装置であって、
    前記摺動リングは、前記溝内に収納されるリング本体部と、該リング本体部の溝開放端側の端部から軸方向両側に向かって延びる一対のリップ部と、を有する構成で、該リップ部は、摺動相手となる他方の部材の相手摺動面に摺動自在に接触すると共に、リップ先端部が溝内側面に軸方向に対向する構成となっており、
    前記ゴム状弾性体リングは2つ設けられ、各ゴム状弾性体リングはリング本体部の軸方向互いに反対側の側面と軸方向に対向する溝内側面との間の2つの空間に、ゴム状弾性体リングリップ部と溝底面との間で径方向に圧縮された状態で装着される構成となっていることを特徴とする密封装置。
  2. 摺動リングのリップ部とゴム状弾性体リングの接触部に、リップ部の相手摺動面とは反対側の面に密封対象流体の圧力を導入する圧力導入路が設けられている請求項1に記載の密封装置。
  3. 摺動リングの各リップ部のリップ先端部と溝内側面間には、リップ先端部が溝内側面に当接した際に、溝内に密封対象流体の圧力を導入するための圧力導入路が設けられている請求項1または2に記載の密封装置。
  4. 摺動リングが熱可塑性エラストマー製である請求項1乃至3のいずれかの項に記載の密封装置。
JP2008206732A 2008-08-11 2008-08-11 密封装置 Expired - Fee Related JP5211927B2 (ja)

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