JP6489183B2 - ステータ、その製造方法、そのステータを用いたモータ及び圧縮機 - Google Patents

ステータ、その製造方法、そのステータを用いたモータ及び圧縮機 Download PDF

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Description

本発明は、インシュレータがステータコアにインサート成形により一体成形されるステータに関し、さらにステータの製造方法、そのステータを用いたモータ及び圧縮機に関する。
モータのステータには、ステータコアとマグネットワイヤとを絶縁するためのインシュレータが必要であり、インシュレータの成形方法としては、ステータと一体に成形する方法が公知である。
例えば、特許文献1(特許第4936051号公報)では、インシュレータの射出成形金型で筒状のステータコアの端面を押さえ、当該端面とキャビティ(凹部)とで囲まれた空洞に溶融樹脂を流して、インシュレータを成形している。
しかしながら、ステータコアの端面間寸法は精度が出し難く、ステータコアの端面と金型との隙間が許容値を超えて拡大した場合、その隙間から溶融樹脂が漏れ出てステータコアの外周に付着する。圧縮機の場合、ステータコアは圧縮機の筒状胴部に焼嵌め又は溶接によって固定されるので、その際にステータコアの外周に付着していた樹脂が溶けてゴミとなり配管等を詰まらせる可能性もある。
本発明の課題は、外周にインシュレータ成形時の樹脂が漏れ出ることがないステータコアを用いたステータを提供することにある。
本発明の第1観点に係るステータは、ステータコアと、インシュレータとを備える。ステータコアは、環状の部材である。インシュレータは、ステータコアの軸方向の端面に配置された樹脂製の部材である。ステータコアは、最外周が内接する筒状の胴部の中に配置されている。ステータコアは、インシュレータが取り付けられる前から環状を成し、且つ、ステータコアの端面の外周には、軸方向と平行となるように構成された外周面を有している。外周面の少なくとも一部は、ステータコアの最外周よりも径方向で内側となる段部を形成している。インシュレータの外周は、胴部よりも径方向で内側となる。インシュレータは、環状部と、突出部と、壁部とを含んでいる。環状部は、円環形状を有し、ステータコアの上端面と接触する。突出部は、環状部の周方向に沿って配置され、環状部の内周面から径方向内側に向かって突出する。壁部は、突出部よりも径方向外側で且つ段部の外周面よりも径方向内側で、環状部の上端から鉛直方向上方に向かって突出する。
このステータでは、ステータコアの外周面の少なくとも一部に、ステータコアの最外周よりも径方向で内側となる段部を形成している。そのため、インシュレータがステータコアにインサート成形により一体成形される場合には、段部の外周でインシュレータ成形金型のキャビティ型とコア型との間を塞ぐ構成を採ることができる。
段部外周面の寸法精度は高いので、インシュレータ成形金型のキャビティ型と「段部」の外周面との隙間は、溶融樹脂が漏れ出ない程度に維持することは容易である。したがって、従来のインシュレータ成形金型でステータコア端面を押さえる方法に比べて、ステータコアの外周にインシュレータ成形時の樹脂が漏れ出ることが抑制される。
本発明の第2観点に係るステータは、第1観点に係るステータであって、段部の外周面とインシュレータの外周とは、平面視で同形状である。
仮に、段部の外周とインシュレータの外周とが平面視で同形状でなかった場合、インシュレータ成形型のキャビティ型において、段部外周が嵌まる部分と、インシュレータの樹脂が充填される空洞との間に段が必要となるので、金型製作時の加工工程が増し、型費の増大を招く。
このステータでは、段部の外周とインシュレータの外周とが平面視で同形状である場合、段部外周が嵌まる部分と、インシュレータの樹脂が充填される空洞とが一致し、当該部分が当該空洞に兼用されるので、加工工程は増加せず、型費の増大にはならない。
また、インシュレータ成形後に、ステータコアの段部外周面とインシュレータの外周面とが面一になるので仕上がりも良い。
本発明の第3観点に係るステータは、第1観点又は第2観点に係るステータであって、段部がステータコアの片側端部のみに形成されている。
このステータでは、段部が設けられている側の端面を金型で押さえることなく、段部の外周でインシュレータ成形金型のキャビティ型とコア型との間を塞ぐ構成を採ることができるのでステータコアの外周にインシュレータ成形時の樹脂が漏れ出ることが抑制される。さらに、ステータコアの一端面を金型で押さえても、他方の端面側に空間が存在するので、端面間寸法にバラツキがあっても型締めが妨げられない。
本発明の第4観点に係るステータは、第1観点から第3観点のいずれか1つに係るステータであって、ステータコアの外周面には、軸方向に沿って延びる切欠きである複数のコアカットが形成されている。コアカットの最深域は、インシュレータの外周面と平面視で一致する。
このステータでは、インシュレータの外周をコアカットの最深域まで拡張することによって、巻線空間を確保することができるというメリットがある。また、インシュレータ成形金型の型構造において、コアカットを形成する凸型を、段部が嵌まる凹型外縁の型面に突き合わせることができるので、樹脂射出成形後、インシュレータの外周面、ステータコアの段部外周面、及びコアカットの底面の稜線が一直線となり仕上がりがよい。
本発明の第5観点に係るステータは、第1観点から第4観点のいずれか1つに係るステータであって、インシュレータが、ステータコアの端面のうち一方の端面に配置される第1のインシュレータと、他方の端面に配置される第2のインシュレータとを含んでいる。第1のインシュレータと第2のインシュレータとは、それぞれの最外周よりも内側で一体的に繋がっている。
このステータでは、第1のインシュレータと第2のインシュレータとがそれぞれの最外周よりも内側で一体的に繋がっているので、射出成形金型により一体成形することができる。
本発明の第6観点に係るステータは、第1観点から第5観点のいずれか1つに係るステータであって、ステータコアは、板状部材が積層されることによって形成されている。
このステータでは、例えば、ステータコアの端面から一又は複数の板状部材の外周のみを内側へ小さくして段部を形成することができる。そのため、インシュレータがステータコアにインサート成形により一体成形される場合には、段部の外周でインシュレータ成形金型のキャビティ型とコア型との間を塞ぐ構成を採ることができる。
本発明の第7観点に係るステータの製造方法は、第1観点から第6観点のいずれか1つに係るステータの製造方法であって、ステータコアのうち段部を除く胴部と同じ平面形状を有する第1の電磁鋼板を第1所定量だけ積層することによって胴部が形成される。また、段部と同じ平面形状を有する第2の電磁鋼板を第1所定量よりも少ない第2所定量だけ胴部上に積層することによって段部を形成される。これによってステータコアが形成される。
このステータの製造方法では、予め段部の平面形状を有する第2の電磁鋼板を積層するだけで段部を形成することができるので、製作が容易である。
本発明の第8観点に係るステータの製造方法は、第1観点から第7観点のいずれか1つに係るステータの製造方法であって、インシュレータを射出成形する金型内にステータコアを、段部と金型のキャビティ型とが嵌合するようにセットし、金型内に溶融樹脂を射出することによって、インシュレータが成形される。
段部の外周の寸法は、ステータコアの端面間寸法に比べて安定し精度も高いので、インシュレータ成形金型のキャビティ型と段部の外周面との隙間は、溶融樹脂が漏れ出ない程度に維持することは容易である。
したがって、このステータの製造方法では、従来のインシュレータ成形金型でステータコア端面を押さえる方法に比べて、ステータコアの外周にインシュレータ成形時の樹脂が漏れ出ることが抑制される。
本発明の第9観点に係るモータは、第1観点から第8観点のいずれか1つに係るステータと、ステータの内側に配置されるロータとを備える。
このモータでは、ステータコアの外周にインシュレータ成形時の樹脂が漏れ出ることが抑制される。
本発明の第10観点に係る圧縮機の製造方法は、第1観点から第9観点のいずれか1つに係るステータが、圧縮機の筒状の胴体に焼嵌め又は溶接によって固定されている。
この圧縮機の製造方法では、ステータコアの外周にインシュレータ成形時の樹脂が漏れ出ることが抑制される。その結果、ステータコアが圧縮機の筒状胴部に焼嵌め又は溶接によって固定される際に、「ステータコアの外周に付着していた樹脂が溶けてゴミとなり配管等を詰まらせる」ことが、未然に防止される。
本発明の第1観点に係るステータでは、ステータコアが、最外周が内接する筒状の胴部の中に配置され、ステータコアの端面の外周に、軸方向と平行となるように構成された外周面を有し、その外周面の少なくとも一部がステータコアの最外周よりも径方向で内側となる段部を形成しており、さらにインシュレータの外周が胴部よりも径方向で内側となっている。そのため、インシュレータがステータコアにインサート成形により一体成形される場合には、段部の外周でインシュレータ成形金型のキャビティ型とコア型との間を塞ぐ構成を採ることができる。
段部外周面の寸法精度は高いので、インシュレータ成形金型のキャビティ型と段部の外周面との隙間は、溶融樹脂が漏れ出ない程度に維持することは容易である。したがって、従来のインシュレータ成形金型でステータコア端面を押さえる方法に比べて、ステータコアの外周にインシュレータ成形時の樹脂が漏れ出ることが抑制される。
本発明の第2観点に係るステータでは、段部の外周とインシュレータの外周とが平面視で同形状である場合、キャビティ型において、段部外周が嵌まる部分と、インシュレータの樹脂が充填される空洞とが一致し、当該部分が当該空洞に兼用されるので、金型製作時の加工工程は増加せず、型費の増大にはならない。
また、インシュレータ成形後に、ステータコアの段部外周面とインシュレータの外周面とが面一になるので仕上がりも良い。
本発明の第3観点に係るステータでは、段部が設けられている側の端面を金型で押さえることなく、段部の外周でインシュレータ成形金型のキャビティ型とコア型との間を塞ぐ構成を採ることができるのでステータコアの外周にインシュレータ成形時の樹脂が漏れ出ることが抑制される。さらに、ステータコアの一端面を金型で押さえても、他方の端面側に空間が存在するので、端面間寸法にバラツキがあっても型締めが妨げられない。
本発明の第4観点に係るステータでは、インシュレータ成形金型の型構造において、コアカットを形成する凸型を、段部が嵌まる凹型外縁の型面に突き合わせることができるので、樹脂射出成形後、インシュレータの外周面、ステータコアの段部外周面、及びコアカットの底面の稜線が一直線となり仕上がりがよい。
本発明の第5観点に係るステータでは、第1のインシュレータと第2のインシュレータとがそれぞれの最外周よりも内側で一体的に繋がっているので、射出成形金型により一体成形することができる。
本発明の第6観点に係るステータでは、例えば、ステータコアの端面から一又は複数の板状部材の外周のみを内側へ小さくして段部を形成することができる。そのため、インシュレータがステータコアにインサート成形により一体成形される場合には、段部の外周でインシュレータ成形金型のキャビティ型とコア型との間を塞ぐ構成を採ることができる。
本発明の第7観点に係るステータの製造方法では、予め段部の平面形状を有する第2の電磁鋼板を積層するだけで段部を形成することができるので、製作が容易である。
本発明の第8観点に係るステータの製造方法では、従来のインシュレータ成形金型でステータコア端面を押さえる方法に比べて、ステータコアの外周にインシュレータ成形時の樹脂が漏れ出ることが抑制される。
本発明の第9観点に係るモータでは、ステータコアの外周にインシュレータ成形時の樹脂が漏れ出ることが抑制される。
本発明の第10観点に係る圧縮機の製造方法では、ステータコアの外周にインシュレータ成形時の樹脂が漏れ出ることが抑制される。その結果、ステータコアが圧縮機の筒状胴部に焼嵌め又は溶接によって固定される際に、「ステータコアの外周に付着していた樹脂が溶けてゴミとなり配管等を詰まらせる」ことが、未然に防止される。
ロータリ圧縮機の縦断面図。 図1のA−A線におけるステータコアの断面図 ステータの上面図。 図3のB−B線におけるステータの断面図。 ステータコアの平面図。 ステータコアの側面図。 ステータコアとその上端面に取り付けられているインシュレータの斜視図。 ステータコアとその下端面に取り付けられているインシュレータの斜視図。 ステータコアをインシュレータの成形金型に設置した状態を示す概略断面図。 両端面側に段部を設けたステータコアをインシュレータの成形金型に設置した状態を示す概略断面図。 従来のステータコアをインシュレータの成形金型に設置した状態を示す概略断面図。 図9は、変形例に係るステータコアの平面図。
以下図面を参照しながら、本発明の実施形態であるステータ、それを用いたモータ、及びそのモータを備える圧縮機について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
本実施形態のステータが用いられるモータは、ロータリ圧縮機の駆動モータである。ロータリ圧縮機は、空気調和装置等の冷凍装置に備えられる冷媒回路に接続される。ロータリ圧縮機は、冷媒回路を流れる冷媒ガスを圧縮する機能を有している。
(1)ロータリ圧縮機101の構成
図1は、ロータリ圧縮機101の縦断面図である。図1において、ロータリ圧縮機101は、ケーシング10と、圧縮機構15と、モータ16と、クランクシャフト17と、吸入管19と、吐出管20とを備えている。ロータリ圧縮機101で圧縮される冷媒は、例えば、R410A、R22、R32および二酸化炭素である。以下、ロータリ圧縮機101の各構成要素について説明する。
(1−1)ケーシング10
ケーシング10は、円筒形の円筒胴部11と、ボウル形の頂部12と、ボウル形の底部13とで構成されている。頂部12は、円筒胴部11の上端部に連結されている。底部13は、円筒胴部11の下端部に連結されている。
ケーシング10は剛性部材で成形されているので、ケーシング10の内部空間および外部空間の圧力および温度の変化によって変形および破損が起こりにくい。ケーシング10は、円筒胴部11の円筒形の軸方向が鉛直方向に沿うように設置されている。
なお、本実施形態では、円筒胴部11は円筒形ではあるが、その筒状の胴体は円柱に限定されるものではなく、楕円柱、角柱など円柱以外の筒状構造であってもよい。
ケーシング10の内部空間の下部は、潤滑油が貯留される油貯留部10aを構成している。潤滑油は冷凍機油であり、ケーシング10の内部空間に存在する摺動部の潤滑性を向上させるために用いられる。
ケーシング10は、圧縮機構15と、モータ16と、クランクシャフト17とを収容している。圧縮機構15は、クランクシャフト17を介してモータ16と連結されている。吸入管19および吐出管20は、ケーシング10を貫通するように、ケーシング10と連結されている。
(1−2)圧縮機構15
圧縮機構15は、フロントヘッド23と、シリンダ24と、リアヘッド25と、ピストン21とで構成されている。フロントヘッド23、シリンダ24およびリアヘッド25は、レーザ溶接によって一体的に締結されている。
圧縮機構15は、低圧の冷媒ガスを吸引して圧縮し、高圧の冷媒ガスを吐出する。圧縮機構15の上方の空間は、圧縮機構15によって圧縮された冷媒が吐出される高圧空間S1である。圧縮機構15は、油貯留部10aに貯留されている潤滑油に浸かっている。潤滑油は、圧縮機構15の摺動部に供給される。
圧縮機構15は、圧縮室40を有している。圧縮室40は、フロントヘッド23、シリンダ24およびリアヘッド25によって囲まれた空間である。圧縮室40は、ピストン21によって、吸入管19と連通する吸入室と、高圧空間S1と連通する吐出室とに区画される。
ピストン21は、クランクシャフト17の偏心軸部17aが嵌め込まれている。クランクシャフト17が回転すると、ピストン21は、クランクシャフト17の回転軸を中心とする公転運動を行う。ピストン21の公転運動によって、吸入室および吐出室の容積が変化する。
(1−3)モータ16
モータ16は、ブラシレスDCモータであり、圧縮機構15の上方に設置されている。モータ16は、ステータ51とロータ52とで構成されている。ステータ51は、円筒形の部材であり、ケーシング10の円筒胴部11の内周面に固定される。
ロータ52は、円柱形の部材であり、ステータ51の内側に設置される。ステータ51とロータ52との間には、わずかな隙間が形成されている。モータ16の構成の詳細については、後半で説明する。
(1−4)クランクシャフト17
クランクシャフト17は、その中心軸が鉛直方向に沿うように配置されている。クランクシャフト17は、偏心軸部17aを有している。クランクシャフト17の偏心軸部17aは、圧縮機構15のピストン21と連結されている。クランクシャフト17の鉛直方向上側の端部は、モータ16のロータ52と連結されている。クランクシャフト17は、フロントヘッド23およびリアヘッド25によって支持されている。
(1−5)吸入管19
吸入管19は、ケーシング10の円筒胴部11を貫通する管である。ケーシング10の内部空間において、吸入管19の端部は、圧縮機構15に嵌め込まれている。ケーシング10の外部空間において、吸入管19の端部は、冷媒回路に接続されている。吸入管19は、冷媒回路から圧縮機構15に冷媒を供給するための管である。
(1−6)吐出管20
吐出管20は、ケーシング10の頂部12を貫通する管である。ケーシング10の内部空間において、吐出管20の端部は、モータ16の上方に位置している。ケーシング10の外部空間において、吐出管20の端部は、冷媒回路に接続されている。吐出管20は、圧縮機構15によって圧縮された冷媒を冷媒回路に供給するための管である。
(2)モータ16の構成
図2は、図1のA−A線におけるステータコア60の断面図である。図3は、ステータ51の上面図である。図4は、図3のB−B線におけるステータ51の断面図である。
モータ16は、9個の集中巻きコイルを有する集中巻きモータである。モータ16は、インバータ制御によって駆動される可変速モータである。モータ16は、U相、V相およびW相を有する3相モータである。
(2−1)ステータ51
ステータ51は、ステータコア60と、インシュレータ71,72とを有している。図4に示されるように、ステータコア60の鉛直方向の上端面60aには、インシュレータ71が取り付けられ、ステータコア60の鉛直方向の下端面60bには、インシュレータ72が取り付けられている。
(2−1−1)ステータコア60
図5Aは、ステータコア60の平面図である。また、図5Bは、ステータコア60の側面図である。図5A及び図5Bにおいて、ステータコア60は、電磁鋼板からなる多数の環状プレートが鉛直方向に積層された筒形状の部材である。ステータコア60の筒形状の軸方向は鉛直方向である。
ステータコア60の上端面60aから軸方向に沿って所定区間Dは、ステータコア60の最外周よりも内側に小さく、段部611を形成している。
ステータコア60は、互いに形状の異なる第1電磁プレート601と第2電磁プレート602とで構成されている。第1電磁プレート601は、電磁鋼板を図5Aの平面形状と同じ形状と成るように打抜き加工によって成形されている。第2電磁プレート602は、外周が第1電磁プレート601の外周よりも内側で且つ円周形状となるように打抜き加工によって成形されている。
ステータコア60の段部611を除く胴部61は、第1電磁プレート601を第1所定枚数だけ積層することによって形成されている。また、段部611は、胴部61に第2電磁プレート602を第2所定枚数だけ積層することによって形成されている。第2所定枚数は、第1所定枚数より少なく、1枚〜5枚程度で足りる。
ステータコア60は、ロータリ圧縮機101のケーシング10に固定されている。ステータコア60とケーシング10とは、焼嵌めによって固定される。先ず、ケーシング10の円筒胴部11を400度程度に加熱し、円筒胴部11の内径を拡大させる。次に、内径が拡大した円筒胴部11内にステータコア60を挿入し、円筒胴部11を冷却する。そして、円筒胴部11の内径が収縮することによって、ステータコア60の外周が円筒胴部11の内周面によって締め付けられ、両者の固定が完了する。なお、ステータコア60は、圧入または溶接によって、ケーシング10に固定されてもよい。
ステータコア60は、図2に示されるように、胴部61と、9個の歯62とを有する。それぞれの歯62は、胴部61の内周面から、胴部61の径方向内側に向かって突出している。胴部61の径方向は、鉛直方向に直交する水平面内にある。9個の歯62は、胴部61の周方向に沿って、40度の角度間隔で等間隔に配置されている。
ステータコア60の胴部61の外周面には、図2に示すように、9個のコアカット61aが形成されている。それぞれのコアカット61aは、胴部61の上端面から下端面に亘り、胴部61の中心軸に沿って形成されている切欠きである。
それぞれのコアカット61aは、歯62から見て、胴部61の径方向外側に位置している。9個のコアカット61aは、胴部61の周方向に沿って、40度の角度間隔で等間隔に配置されている。コアカット61aは、ロータリ圧縮機101の円筒胴部11とステータ51との間を鉛直方向に延びる空間を形成する。
(2−1−2)巻線66
ステータコア60の各歯62は、図3および図4に示されるように、インシュレータ71,72を間に介在させた状態で、巻線66が巻き付けられている。ステータ51には、9個のコイルU1,U2,U3;V1,V2,V3;W1,W2,W3が形成されている。図3において、時計回りに、コイルU1,W3,V1,U2,W1,V2,U3,W2,V3が順に配置されている。
巻線66は、銅線等の電気伝導体である。巻線66は、9本の巻線66のそれぞれが、各歯62に独立して巻き付けられる、いわゆる、集中巻きコイルである。インシュレータ71,72は、ステータコア60と、巻線66とを絶縁している。巻線66は、図3に示される白抜きの矢印に沿って、時計回りの方向に巻き付けられている。
コイルU1,U2,U3は、ステータコア60の周方向に120度の角度間隔で配置されている歯62のそれぞれに巻線66が巻かれて形成されている。コイルU1,U2,U3は、並列または直列に結線され、モータ16のU相を形成している。
コイルV1,V2,V3は、ステータコア60の周方向に120度の角度間隔で配置されている歯62のそれぞれに巻線66が巻かれて形成されている。コイルV1,V2,V3は、並列または直列に結線され、モータ16のV相を形成している。
コイルW1,W2,W3は、ステータコア60の周方向に120度の角度間隔で配置されている歯62のそれぞれに巻線66が巻かれて形成されている。コイルW1,W2,W3は、並列または直列に結線され、モータ16のW相を形成している。
図3に示されるように、ステータコア60の周方向に沿って隣り合う2つのコイルU1,U2,U3;V1,V2,V3;W1,W2,W3の間には、コイル間の隙間であるスロットSL1〜SL9が形成されている。図3に示されるステータ51の上面図において、スロットSL1は、コイルU1とコイルW3との間の隙間であり、スロットSL2〜SL9は、スロットSL1から時計回りに配置されている。
(2−1−3)インシュレータ71,72
インシュレータ71,72は、それぞれ、ステータコア60の鉛直方向の両端面60a,60b(図4参照)に取り付けられる絶縁体である。インシュレータ71,72は、例えば、液晶ポリマー(LCP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリイミドおよびポリエステル等の高い耐熱性を有する樹脂から成形される。
図6は、ステータコア60の上端面60aに取り付けられているインシュレータ71の斜視図である。また、図7は、ステータコア60の下端面60bに取り付けられているインシュレータ72の斜視図である。
インシュレータ71は、環状部71aと、9個の突出部71bと、9個の壁部71cとから構成されている。
環状部71aは、円環形状を有している。環状部71aは、ステータコア60の胴部61の上端面と接触している。
突出部71bは、環状部71aの内周面から、環状部71aの径方向内側に向かって突出している。突出部71bは、環状部71aの周方向に沿って配置されている。突出部71bは、ステータコア60の歯62の上端面と接触している。突出部71bの数は、胴部61の歯62の数と同じである。突出部71bは、歯62と共に巻線66が巻かれる。
壁部71cは、環状部71aの端面から、鉛直方向上方に向かって突出している。壁部71cは、突出部71bよりも径方向外側で、且つ巻線66の径方向外側に形成されている。
壁部71cは、第1内面81aおよび第1外面81bを有する。第1内面81aは、壁部71cの径方向内側の面である。第1外面81bは、壁部71cの径方向外側の面である。第1内面81aは、巻線66と対向する。
同様に、インシュレータ72も環状部71aと、9個の突出部71bと、9個の壁部71cとから構成されている(図7参照)。
環状部72aは、円環形状を有している。環状部72aは、ステータコア60の胴部61の下端面と接触している。
突出部72bは、環状部72aの内周面から、環状部72aの径方向内側に向かって突出している。突出部72bは、環状部72aの周方向に沿って配置されている。突出部72bは、ステータコア60の歯62の下端面と接触している。突出部72bの数は、胴部61の歯62の数と同じである。突出部71bは、歯62と共に巻線66が巻かれている。
壁部72cは、環状部72aの端面から、鉛直方向に向かって突出している。壁部72cは、突出部72bよりもの径方向外側で、且つ巻線66の径方向外側に形成されている。
壁部72cは、第1内面82aおよび第1外面82bを有する。第1内面82aは、壁部72cの径方向内側の面である。第1外面82bは、壁部72cの径方向外側の面である。第1内面82aは、巻線66と対向する。
(2−2)ロータ52
図1において、ロータ52は、ロータコア52aと、複数の磁石52bとを有する。ロータコア52aは、鉛直方向に積層された複数の金属板から構成される。磁石52bは、ロータコア52aに埋め込まれている。磁石52bは、ロータコア52aの周方向に沿って、等間隔に配置されている。
ロータ52は、クランクシャフト17に連結されている。クランクシャフト17は、ロータ52を鉛直方向に貫通する。ロータ52は、クランクシャフト17を介して、圧縮機構15と接続されている。
(3)インシュレータ71,72の製造方法
図8Aは、ステータコア60をインシュレータ71,72の成形金型に設置した状態を示す概略断面図である。図8Aにおいて、上型MDA及び下型MDBはステータコア60にインシュレータ71,72を射出成形するためのインサート成形金型である。
上型MDA及び下型MDBは、下型MDBにステータコア60がセットされたのちに型締めされる。
型締め後の上型MDAとステータコア60との間には、空洞SAが形成されている。溶融樹脂が、この空洞SAに充填されることによって、インシュレータ71が成形される。
また、型締め後の下型MDBとステータコア60との間には、空洞SBが形成されている。溶融樹脂が、この空洞SBに充填されることによって、インシュレータ72が成形される。なお、インシュレータ71とインシュレータ72とは、それぞれの最外周よりも内側で一体的に繋がっている。
(従来の工法)
ここで、従来工法との差異について説明する。図8Cは、従来のステータコアをインシュレータの成形金型に設置した状態を示す概略断面図である。図8Cにおいて、従来は、ステータコア160の端面160aを上型MDAで押さえ、空洞SA及び空洞SBに溶融樹脂を充填していた。
しかし、ステータコア160は、電磁鋼板の積層によって形成されているので高さ寸法Lは安定せず、型締め後の上型MDAとステータコア160の端面160aとの隙間CLが拡大した場合、そこから溶融樹脂が漏れ出し、ステータコア160の外周面上で固着する。
ステータコア160の外周面は、ロータリ圧縮機101のケーシング10内に焼嵌めされるので、そのような樹脂が付着していると配管詰りなどの不具合を引き起こす可能性がある。
(新たな工法)
本実施形態では、上記の樹脂漏れを防止するため、図5Bに示すように、ステータコア60の胴部61の上端面60a側に、胴部61の外周よりも小さい外周を有する段部611を設け、図8Aに示すように、上型MDAの空洞SAの内周面に段部611の外周を対峙させる工法を採用している。
ステータコア60は、電磁鋼板の積層であるため端面間寸法は安定しないが、段部の径方向寸法は打抜き加工により高い精度で寸法出しができるので、ロット間の寸法バラツキも極めて小さい。それゆえ、上型MDAの空洞SAの内周面と段部611の外周面611aとの隙間を許容範囲内に収めることができる。
その結果、溶融樹脂が当該隙間から漏れ出で、ステータコア60の胴部61の外周面に付着することが防止される。
(その他)
なお、本実施形態では、ステータコア60の下端面60bと下型MDBとの間に隙間が発生することはないので、下端面60b側に段部611を設けていないが、当然、下端面60b側に段部611を設けてもよい。
図8Bは、両端面側に段部611を設けたステータコア60をインシュレータ71,72の成形金型に設置した状態を示す概略断面図である。図8Bにおいて、溶融樹脂が漏れ出ない原理は、既に説明した図8Aの場合と同じであるので、説明は省略する。
一方、ステータコア60の両端面側に段部611を設けたことによるメリットとして、ステータコア60をロボットアームで下型MDBのセットする際に、ステータコア60をロボットアーム側に供給するコンベア上に、ステータコア60の上下を気にせずに配置でき、作業性が良いという点が挙げられる。
(4)圧縮機の動作
ロータリ圧縮機101の動作について、図1を参照しながら説明する。モータ16が始動すると、ロータ52に連結されているクランクシャフト17の偏心軸部17aは、クランクシャフト17の回転軸を中心に偏心回転する。
クランクシャフト17の回転により、偏心軸部17aに連結されているピストン21は、圧縮室40において、クランクシャフト17の回転軸を中心とする公転運動を行う。ピストン21の公転運動によって、圧縮室40の吸入室および吐出室の容積が変化する。
低圧のガス冷媒は、吸入管19から圧縮室40の吸入室に吸入される。吸入室の容積は、ピストン21の公転運動によって減少する。これにより、吸入室の冷媒が圧縮され、吸入室は、高圧のガス冷媒が満たされた吐出室となる。高圧のガス冷媒は、吐出室から高圧空間S1に吐出される。吐出された冷媒は、鉛直方向上方に向かって、ステータ51とロータ52との間の空間であるエアギャップを通過する。その後、冷媒は、吐出管20からケーシング10の外部に吐出される。
ケーシング10の油貯留部10aに貯留されている潤滑油は、主として、圧縮機構15の摺動部に供給される。圧縮機構15の摺動部に供給された潤滑油は、圧縮室40に流入する。圧縮室40において、潤滑油は、微小な油滴となって、冷媒ガスに混入する。そのため、圧縮機構15から吐出された圧縮冷媒は、潤滑油を含んでいる。圧縮冷媒に含まれる潤滑油の一部は、モータ16の上方の高圧空間S1において、冷媒の流れによる遠心力によって冷媒から分離され、ケーシング10の内周面に付着する。ケーシング10の内周面に付着した潤滑油は、ケーシング10の内周面を伝って落下して、モータ16のステータ51の上面の高さ位置に到達する。そして、潤滑油は、ステータコア60のコアカット61aを通過して落下する。コアカット61aを通過した潤滑油は、最終的に、油貯留部10aに戻る。
なお、このロータリ圧縮機101では、インシュレータ71の成形時に溶融樹脂がステータコア60の外周面に漏れ出ない新たな工法を用いているので、「ステータコア60をロータリ圧縮機101のケーシング10に焼嵌め又は溶接する際に、樹脂が離散してケーシング10内に残留し、冷媒及び潤滑油とともに流動して配管などを塞ぐ」などの事態が未然に防止されているので、信頼性が高い。
(5)特徴
(5−1)
ステータ51では、ステータコア60の端面60aから一又は複数の第2電磁プレート602の外周のみを内側へ小さくして段部611を形成している。そのため、インシュレータ71がステータコア60にインサート成形により一体成形される場合には、段部611の外周面611aでインシュレータ成形金型のキャビティ型とコア型との間を塞ぐ構成を採ることができる。
段部611の外周面611aの寸法精度は高いので、インシュレータ成形金型のキャビティ型と段部611の外周面611aとの隙間を、溶融樹脂が漏れ出ない程度に維持することは容易である。したがって、従来のインシュレータ成形金型でステータコア端面を押さえる方法に比べて、ステータコアの外周にインシュレータ成形時の樹脂が漏れ出ることが抑制される。
(5−2)
ステータ51では、段部611の外周とインシュレータの外周とが平面視で同形状である場合、キャビティ型において、段部611の外周面611aが嵌まる部分と、インシュレータの樹脂が充填される空洞とが一致し、当該部分が当該空洞に兼用されるので、金型製作時の加工工程は増加せず、型費の増大にはならない。
また、インシュレータ71の成形後に、ステータコア60の段部611の外周面611aとインシュレータ71の環状部71aの外周面とが面一になるので仕上がりも良い。
(5−3)
ステータ51では、段部611が設けられている側の端面を金型で押さえることなく、段部611の外周でインシュレータ成形金型のキャビティ型とコア型との間を塞ぐ構成を採ることができるので、ステータコアの外周にインシュレータ成形時の樹脂が漏れ出ることが抑制される。さらに、ステータ51では、ステータコア60の一端面を金型で押さえても、他方の端面側に空間が存在するので、端面間寸法にバラツキがあっても型締めが妨げられない。
(5−4)
ステータ51の製造方法では、予め段部611の平面形状を有する第2電磁プレート602を積層するだけで段部611を形成することができるので、製作が容易である。
(5−5)
ステータ51の製造方法では、ステータコア60の外周にインシュレータ成形時の樹脂が漏れ出ることが抑制されるので、ステータ51を用いたモータの信頼性が高い。
(5−6)
ロータリ圧縮機101の製造方法では、ステータコア60の外周にインシュレータ成形時の樹脂が漏れ出ることが抑制される。その結果、ステータコア60がロータリ圧縮機101の円筒胴部11に焼嵌め又は溶接によって固定される際に、「ステータコア60の外周に付着していた樹脂が溶けてゴミとなり配管等を詰まらせる」という事態が未然に防止される。
(6)変形例
本実施形態では、図5A及び図6に示すように、ステータコア60のコアカット61aの最深域と段部611の外周面611aとは平面視で一致していない。しかし、それに限定されるものではない。
図9は、変形例に係るステータコア60の平面図である。図9において、コアカット61aの底を深くして、コアカット61aの最深域と段部611の外周面611aとを平面視で一致させてもよい。
かかる場合、インシュレータ71及びインシュレータ72の外周をコアカット61aの最深域まで拡張することによって、巻線空間を確保することができるというメリットがある。
また、インシュレータ成形金型の型構造において、コアカット61aを形成する凸型を、段部611が嵌まる凹型外縁の型面に突き合わせることができるので、樹脂射出成形後、インシュレータ71の外周面、段部611の外周面、及びコアカット61aの底面側稜線が一直線となり仕上がりがよい。
(7)その他の構成
(7−1)
上記実施形態では、「ステータコア60の外周がインシュレータ71の外周よりも大きい」ことを前提に説明しているが、インシュレータ71が円筒胴部11に接しない内側になるのであれば、ステータコア60の外周よりもインシュレータ71の外周が大きくなる部分があってもよい。例えば、コアカット61aの切欠き部分にインシュレータ71があってもよい。
(7−2)
本実施形態では、ステータコア60は電磁鋼板を積層したものであり、端面から1又は複数の電磁鋼板の外周をインシュレータ71の外周と平面視で一致させることで段部611を構成している。
しかし、ステータコア60は電磁鋼板の積層によるものだけでなく、金属磁性粉末を樹脂で結合した圧粉磁性体に成形されたもの、いわゆる圧粉コアであってもよい。
この場合、ステータコア60のうち端面から軸方向に沿った所定区間は、外周が最外周よりもインシュレータ71に近づく方向に入り込むように段部611を形成すればよく、好ましくは、段部611の外周とインシュレータ71の外周とが平面視で同形状であればよい。
実施形態では、ロータリ圧縮機に用いられるモータのステータを用いて説明したが、本発明に係るステータは、ロータリ圧縮機に限らずスクロール圧縮機など他の圧縮機にも有用である。
11 胴部
16 モータ
51 ステータ
52 ロータ
60 ステータコア
60a 端面
61 胴部
61a コアカット
71,72 インシュレータ
101 圧縮機
601 第1電磁プレート(板状部材、第1の電磁鋼板)
602 第2電磁プレート(板状部材、第2の電磁鋼板)
611 段部
611a 外周面(外周)
特許第4936051号公報

Claims (10)

  1. 環状のステータコア(60)と、
    前記ステータコア(60)の軸方向の端面に配置された樹脂製のインシュレータ(71)と、
    を備え、
    前記ステータコア(60)は、最外周が内接する筒状の胴部の中に配置され、
    前記ステータコア(60)は、前記インシュレータ(71)が取り付けられる前から環状を成し、且つ、前記ステータコア(60)の前記端面の外周には、前記軸方向と平行となるように構成された外周面を有し、
    前記外周面の少なくとも一部は、前記ステータコア(60)の前記最外周よりも径方向で内側となる段部(611)を形成し、
    前記インシュレータ(71)の外周は、前記胴部よりも径方向で内側となっており
    前記インシュレータ(71)は、
    円環形状を有し、前記ステータコア(60)の上端面と接触する環状部(71a)と、
    前記環状部(71a)の周方向に沿って配置され、前記環状部(71a)の内周面から径方向内側に向かって突出する突出部(71b)と、
    前記突出部(71b)よりも径方向外側で且つ前記段部(611)の外周面よりも径方向内側で、前記環状部(71a)の上端から鉛直方向上方に向かって突出する壁部(71c)と、
    を含む、
    ステータ(51)。
  2. 前記段部(611)の前記外周面と前記インシュレータ(71)の外周とは、平面視で同形状である、
    請求項1に記載のステータ(51)。
  3. 前記段部(611)は、前記ステータコア(60)の片側端部のみに形成されている、
    請求項1又は請求項2に記載のステータ(51)。
  4. 前記ステータコア(60)の外周面には、前記軸方向に沿って延びる切欠きである複数のコアカット(61a)が形成されており、
    前記コアカット(61a)の最深域は、前記インシュレータ(71)の外周面と平面視で一致する、
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のステータ(51)。
  5. 前記インシュレータは、前記ステータコア(60)の前記端面のうち一方の前記端面に配置される第1のインシュレータ(71)と、他方の前記端面に配置される第2のインシュレータ(72)とを含み、
    前記第1のインシュレータ(71)と前記第2のインシュレータ(72)とは、それぞれの最外周よりも内側で一体的に繋がっている、
    請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のステータ(51)。
  6. 前記ステータコア(60)は、板状部材が積層されることによって形成されている、
    請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のステータ(51)。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のステータの製造方法であって、
    前記ステータコア(60)のうち前記段部(611)を除く胴部(61)と同じ平面形状を有する第1の電磁鋼板(601)を第1所定量だけ積層することによって前記胴部(61)を形成し、
    前記段部(611)と同じ平面形状を有する第2の電磁鋼板(602)を前記第1所定量よりも少ない第2所定量だけ前記胴部(61)上に積層することによって前記段部(611)を形成する、
    ことによって前記ステータコアが形成される、
    ステータの製造方法。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のステータの製造方法であって、
    前記インシュレータ(71)を射出成形する金型内に前記ステータコア(60)を、前記段部(611)と前記金型のキャビティ型とが嵌合するようにセットし、前記金型内に溶融樹脂を射出することによって、前記インシュレータ(71)が成形される、
    ステータの製造方法。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のステータ(51)と、
    前記ステータの内側に配置されるロータ(52)と、
    を備えるモータ(16)。
  10. 圧縮機の製造方法であって、
    請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のステータ(51)は、圧縮機の筒状の胴部(11)に焼嵌め又は溶接によって固定される、
    圧縮機の製造方法。
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