JP6488988B2 - 乗員保護補助装置 - Google Patents

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Description

本発明は、乗員保護補助装置に関する。
乗員を保護する装置として、特許文献1には、車両用シートに着座した乗員の肩部から腰部にかけて斜めに配置されるショルダベルトに、インフレータからのガスによって膨張展開されるエアバッグ袋体が設けられた乗員保護装置が開示されている。また、他の乗員保護装置として、前面衝突時に乗員よりシート前方側で膨張展開される前面衝突用エアバッグや、側面衝突時に乗員の頭部側方で膨張展開される側面衝突用エアバッグなどが知られている。
特開2000−142303号公報
しかしながら、衝突直前のハンドル操作によって乗員の頭部に遠心力が働いている場合や乗員が眠っている場合、乗員の頭部が車両用シートの幅方向に傾く(倒れる)ことがある。このため、車両の衝突前に乗員の頭部をエアバッグなどの乗員保護装置の保護範囲内に位置させる観点から改善の余地がある。
本発明は上記事実を考慮し、車両の衝突前に乗員の頭部を乗員保護装置の保護範囲に位置させることができる乗員保護補助装置を得ることを目的とする。
請求項1に記載の本発明に係る乗員保護補助装置は、車両用シートに着座した乗員のシート前方側を肩部から腰部にかけて斜めに配置されるショルダベルトにおける乗員の肩部に位置する部位に設けられ、前記ショルダベルトを覆うと共に、膨張収縮可能な弾性体を含んで構成された中空円環状の膨張収縮部材と、前記膨張収縮部材に接続され、車両の衝突が不可避であると判断された際及び車両の横滑りが検知された際の少なくとも一方の際に、前記膨張収縮部材へ空気を供給して前記膨張収縮部材を膨張させる空気供給手段と、を有する。
請求項1に記載の本発明に係る乗員保護補助装置では、ショルダベルトにおける乗員の肩部に位置する部位に中空円環状の膨張収縮部材が設けられており、この膨張収縮部材によってショルダベルトが覆われている。また、膨張収縮部材には空気供給手段が接続されており、車両の衝突が不可避であると判断された際及び車両の横滑りが検知された際の少なくとも一方の際に、空気供給手段から膨張収縮部材へ空気を供給して膨張収縮部材を膨張させる。これにより、乗員の頭部がショルダベルト側へ傾いてエアバッグなどの乗員保護装置の保護範囲から外れている場合であっても、膨張収縮部材が膨張して乗員の頭部を持ち上げることにより、車両の衝突前に乗員の頭部を保護範囲内に移動させることができる。
また、膨張収縮部材によって乗員の頭部側方を支持することで、衝突直前のハンドル操作によって乗員の頭部がショルダベルト側へ傾くのを抑制することができる。さらに、空気供給手段から膨張収縮部材への空気の供給を停止すれば、膨張収縮部材の内圧が低下して膨張収縮部材が収縮する。これにより、車両の衝突が回避された際には、膨張収縮部材が収縮して車両の走行を継続することができる。すなわち、乗員保護補助装置を繰り返し使用することができる。
請求項2に記載の本発明に係る乗員保護補助装置は、請求項1の構成において、車両の衝突が不可避であると判断された際及び車両の横滑りが検知された際の少なくとも一方の際に膨張される前記膨張収縮部材の内圧よりも低い圧力で前記膨張収縮部材を膨張させる低圧モードを備えている。
請求項2に記載の本発明に係る乗員保護補助装置では、車両の通常走行時に低圧モードで膨張収縮部材を膨張させることにより、乗員の頭部を支持するクッションとして機能させることができる。
請求項3に記載の本発明に係る乗員保護補助装置は、請求項1又は2の構成において、前記膨張収縮部材は、前記空気供給手段からの空気が供給される中空円環状の前記弾性体と、前記弾性体の内周面に設けられ、前記ショルダベルトとの摩擦係数が前記弾性体よりも小さい樹脂部材と、前記弾性体の外周面に伸縮可能に設けられ、表面が起毛された高触感布と、を含んで構成されている。
請求項3に記載の本発明に係る乗員保護補助装置では、弾性体の内周面に樹脂部材を設けることにより、ショルダベルトと弾性体とが接触している構成と比較して、ショルダベルトが滑りやすくなる。この結果、ショルダベルトの着脱をスムーズに行うことができる。
また、弾性体の外周面に伸縮可能な高触感布が設けられており、この高触感布の表面が起毛されているため、弾性体が直接乗員の頭部に接触する構成と比較して、肌触りが良くなり、乗員の快適性を向上させることができる。
以上説明したように、請求項1に記載の本発明に係る乗員保護補助装置によれば、車両の衝突前に乗員の頭部を乗員保護装置の保護範囲に位置させることができるという優れた効果を奏する。
請求項2に記載の本発明に係る乗員保護補助装置によれば、乗員の頭部が保護範囲から外れるのを抑制しつつ、乗員の快適性を向上させることができるという優れた効果を奏する。
請求項3に記載の本発明に係る乗員保護補助装置によれば、ショルダベルトの着脱性及び乗員の快適性を向上させることができるという優れた効果を奏する。
第1実施形態に係る乗員保護補助装置が適用された車両用シートの上部を示す正面図である。 第1実施形態に係る乗員保護補助装置を一部破断して示す、車両用シートの側面図である。 図2の3−3線で切断した状態を拡大して示す断面図であり、(A)には膨張収縮部材が収縮している状態が示され、(B)には膨張収縮部材が膨張している状態が示されている。 膨張収縮部材が収縮している状態を説明するための車両用シートの上部を模式的に示す模式図である。 膨張収縮部材が膨張している状態を説明するための車両用シートの上部を模式的に示す模式図である。 低圧モードで膨張収縮部材が膨張している状態を説明するための車両用シートの上部を模式的に示す模式図である。 膨張収縮部材の内圧の経時変化を示すグラフであり、(A)には車両の衝突が不可避であると判断された際又は車両の横滑りが検知された際の前後における膨張収縮部材の内圧の変化が示され、(B)には低圧モードの設定前後及び解除前後における膨張収縮部材の内圧の変化が示され、(C)には低圧モードの状態から車両の衝突が不可避であると判断された際又は車両の横滑りが検知された際おける膨張収縮部材の内圧の変化が示されている。 第1実施形態に係る乗員保護補助装置が適用された車両用シートの変形例を示す、図2に対応する側面図である。 第2実施形態に係る乗員保護補助装置が適用された車両用シートの上部を示す、図1に対応する正面図である。
本発明の第1の実施形態に係る乗員保護補助装置10について、図1〜図7に基づいて説明する。なお、各図に適宜記す矢印FR、矢印UPは、車両用シート12の前方向、上方向をそれぞれ示している。以下、単に前後、上下、左右の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、シート前後方向の前後、シート上下方向の上下、シート前後方向の前方を向いた場合の左右を示すものとする。また、本実施形態の車両用シート12は、シート前後方向が車両の前後方向に一致され、シート上下方向が車両の上下方向に一致され、シート幅方向が車両幅方向に一致されている。そして、各図に適宜記す矢印OUTは、車両用シート12が搭載された車両における車両幅方向の外側を示している。
図1に示されるように、本実施形態の乗員保護補助装置10が適用された車両用シート12(以下、単に「シート12」を称する。)は、図示しない自動車の車体における車両幅方向中央に対し左右何れか(本実施形態では右側)にオフセットして配置されている。また、シート12は、シートバック14を備えており、このシートバック14の下端部は、図示しないシートクッションの後端部に回動可能に連結されている。また、シートバック14の上端部には、ヘッドレスト16が取り付けられている。
なお、各図では、保護すべき乗員のモデルとして衝突試験用のダミー(人形)がシート12に着座した状態を図示している。ダミーは、例えばWorldSID(国際統一側面衝突ダミー:World Side Impact Dummy)のAM50(米国人成人男性の50パーセンタイル)である。このダミーは、衝突試験法で定められた標準的な着座姿勢で着座しており、シート12は、当該着座姿勢に対応した基準設定位置に位置している。以下、説明を分かり易くするために、ダミーを「乗員D」と称する。
ここで、シート12には、乗員保護補助装置10が設けられている。乗員保護補助装置10は、膨張収縮部材18と、空気供給手段としてのエアポンプ36(図2参照)とを含んで構成されており、膨張収縮部材18は、シートバック14のシート右側の上部に設けられたベルト取出部20に取り付けられている。また、膨張収縮部材18は、ウェビング22のショルダベルト22Sを覆うように中空円環状に形成されており、このショルダベルト22Sにガイドされている。膨張収縮部材18の詳細については後述する。
本実施形態では、3点式のシートベルトとされており、ウェビング22の一端は、シート12の下部に設けられた図示しないリトラクタに引き出し可能に巻き取られている。そして、図2に示されるように、ウェビング22は、リトラクタからシートバック14の内部をシート上方へ延在されており、ベルト取出部20の内部に設けられたスリップジョイント24に巻き掛けられてシート前方へ延在されている。
図1に示されるように、ベルト取出部20からシート前方へ引き出されたウェビング22は、乗員Dのシート前方側を右側の肩部Sから左側の腰部にかけて斜めに配置されており、この部分がショルダベルト22Sとなっている。また、ウェビング22は、乗員Dの腰部のシート前方側でシート幅方向へ延在された図示しないラップベルトを含んで構成されており、ウェビング22の他端は、シート12の下部の図示しないアンカに固定されている。
ここで、ショルダベルト22Sにおける乗員Dの肩部Sに位置する部位に膨張収縮部材18が設けられている。図3(A)に示されるように、膨張収縮部材18は、弾性体26と、弾性体26の内周面に設けられた樹脂部材28と、弾性体26の外周面に設けられた高触感布30とを含んで構成されている。
弾性体26は、内側に配置された内側弾性膜26Aと外側に配置された外側弾性膜26Bとを含んで中空円環状に形成されており、弾性体26の両端部で内側弾性膜26Aと外側弾性膜26Bとの間の隙間が閉塞されて袋状に形成されている。このため、内側弾性膜26Aと外側弾性膜26Bとの間の空間32に空気が送り込まれる(供給される)ことで、図3(B)に示されるように、膨張収縮部材18が膨張される。また、弾性体26への空気の供給が停止されて空間32内の空気が弾性体26の外部へ排出されることで、外側弾性膜26Bが収縮され、図3(A)の状態に戻る。
内側弾性膜26Aの内周面には、樹脂部材28が設けられている。樹脂部材28は、断面が略長円状で両端が開口された筒状に形成されており、内側弾性膜26Aの内周面に接着剤などによって接合されている。そして、この樹脂部材28の内側にショルダベルト22Sが通されている。換言すれば、樹脂部材28によってショルダベルト22Sが覆われている。また、樹脂部材28は、ショルダベルト22Sと接触する内周面の摩擦係数が弾性体26の摩擦係数よりも小さく形成されており、ショルダベルト22Sが滑りやすいように構成されている。
外側弾性膜26Bの外周面には、伸縮可能な高触感布30が設けられている。高触感布30は、外側弾性膜26Bの外周面に接着剤などによって接合されており、この高触感布30の表面が起毛されている。なお、本実施形態では、高触感布30の一例として、ニット素材の基布にスエード加工を施したものを用いている。
膨張収縮部材18は、以上のように構成されており、図2に示されるように、膨張収縮部材18の後端部がベルト取出部20の内部に位置しており、図示しない固定手段によってベルト取出部20に固定されている。なお、図2では、説明の便宜上、膨張収縮部材18を構成する樹脂部材28及び高触感布30の図示を省略している。
ここで、膨張収縮部材18の後端部には、シート上下方向に延在されたチューブ34が接続されている。チューブ34の一端部は、膨張収縮部材18の内部の空間32と連通されており、この膨張収縮部材18からシートバック14に沿ってシート下方へ延在されている。そして、チューブ34の他端部は、シート12の下方に設けられたエアポンプ36に接続されている。このため、エアポンプ36からチューブ34を介して膨張収縮部材18へ空気を供給できるように構成されている。
エアポンプ36は、制御部であるECU(Electronic Control Unit)38と電気的に接続されており、このECU38からの信号に基づいて作動又は停止の制御が行われる。
ECU38は、プリクラッシュセンサなどの衝突予知センサ40及び車両の横滑りを検知する横滑り検知センサ42と電気的に接続されている。そして、ECU38は、衝突予知センサ40の信号に基づいて車両の衝突が不可避であると判断した際及び横滑り検知センサ42によって車両の横滑りが検知された際の少なくとも一方の際に、エアポンプ36を作動させて膨張収縮部材18へ空気を送り込む(供給する)。
図5に示されるように、エアポンプ36から膨張収縮部材18へ空気が供給されることで、膨張収縮部材18が膨張して乗員Dの頭部Hを側方から支持する。このため、乗員Dの頭部Hがショルダベルト22S側へ傾いている場合でも、膨張収縮部材18によって頭部Hが持ち上げられる。
なお、衝突予知センサ40は、例えばウインドシールドガラスの上部における車幅方向中央付近に設けられた図示しないステレオカメラを含んで構成される。そして、このステレオカメラによって車両の前方側を撮影し、車両への衝突体を検出するようになっている。また、ステレオカメラによって検出された衝突体までの距離や車両と衝突体との相対速度などを測定し、測定データをECU38へ出力するようになっている。そして、ECU38は、ステレオカメラからの測定データに基づいて車両の衝突が不可避であるかどうかについて判断する。なお、衝突予知センサ40をミリ波レーダなどによって構成してもよい。
また、ECU38は、図示しない車両安定制御システム装置(以下、VSC(Vehicle Stability Control)装置という)と電気的に接続されている。そして、横滑り検知センサ42によって車両の横滑りが検知されると、VSC装置を作動させて、車両の姿勢を安定させる。
さらに、ECU38は、衝突センサ44からの信号に基づいて車両の衝突が検知された際(車両の衝突時)に、図示しないインフレータを作動させて、前面衝突用エアバッグや、カーテンエアバッグなどの乗員保護装置を膨張展開させる。ここで、衝突センサ44は、一例として、フロントサイドメンバに配置された加速度センサから成るフロントサテライトセンサと、センタコンソール下方のフロアに配設された加速度センサから成るフロアセンサとを含んで構成されている。
また、本実施形態の乗員保護補助装置10は、低圧モードに設定可能とされている。この低圧モードでは、衝突予知センサ40の信号に基づいて車両の衝突が不可避であると判断された際や、横滑り検知センサ42の信号に基づいて車両の横滑りが検知された際における膨張収縮部材18の内圧よりも低い圧力で膨張収縮部材18が膨張される。
図6に示されるように、低圧モードでは、膨張収縮部材18の内圧が低いため、乗員Dの頭部Hからの荷重により、膨張収縮部材18が変形される。このようにして、乗員Dの頭部Hの形状に追従するように膨張収縮部材18が変形しつつ頭部Hを支持しているため、膨張収縮部材18は、乗員Dの快適性を向上させるためのクッションとして機能している。なお、低圧モードは、乗員Dが任意のタイミングで図示しないスイッチを操作することで設定される構成としてもよい。また、着座センサやその他のセンサからの信号に基づいて、自動又は半自動で低圧モードに設定される構成としてもよい。
次に、図7を参照して、各状態における膨張収縮部材18の内圧の変化について説明する。初めに、図7(A)には、膨張収縮部材18が作動していない状態から、衝突予知センサ40の信号に基づいて車両の衝突が不可避であると判断された場合における膨張収縮部材18の内圧の変化が図示されている。
図7(A)では、時間Tまでは、乗員保護補助装置10が作動されていない。すなわち、エアポンプ36が作動されておらず、図4のように膨張収縮部材18が収縮された状態となっている。そして、時間Tで衝突予知センサ40からの信号に基づいてECU38が車両の衝突が不可避であると判断し、乗員保護補助装置10が作動されると、エアポンプ36から膨張収縮部材18へ空気が送り込まれて膨張収縮部材18の内圧が徐々に上昇する。そして、時間Tから所定時間経過後の時間Tの時に、膨張収縮部材18の内圧が所定の内圧Pに到達して図5の状態となる。膨張収縮部材18の膨張状態は、車両の衝突が回避された場合又は車両が衝突して前面衝突用エアバッグやカーテンエアバッグなどが膨張展開されるまで維持される。なお、時間Tは、衝突予知センサ40によって予知された車両の衝突までの時間よりも前の時間である。また、横滑り検知センサ42によって車両の横滑りが検知された際も同様に膨張収縮部材18が膨張される。
次に、図7(B)では、低圧モードに設定された場合における膨張収縮部材18の内圧の変化が図示されている。図7(B)に示されるように、時間Tまではエアポンプ36が作動されておらず、膨張収縮部材18が収縮された状態となっている。そして、乗員Dの操作などによって時間Tの時に低圧モードに設定されると、エアポンプ36から膨張収縮部材18へ空気が送り込まれて膨張収縮部材18の内圧が徐々に上昇する。そして、時間Tから所定時間経過後の時間Tの時に、膨張収縮部材18の内圧が内圧Pよりも低い所定の内圧P2に到達して図6の状態となる。
低圧モードに設定された状態で、時間Tの時に乗員Dの操作によって低圧モードが解除されると、エアポンプ36から膨張収縮部材18への空気の供給が停止され、膨張収縮部材18が徐々に収縮される。そして、時間Tから所定時間経過後の時間T6の時に膨張収縮部材18が完全に収縮される。
次に、図7(C)では、低圧モードの状態で衝突予知センサ40の信号に基づいて車両の衝突が不可避であると判断された場合における膨張収縮部材18の内圧の変化が図示されている。図7(C)に示されるように、時間Tまではエアポンプ36が作動されておらず、膨張収縮部材18が収縮された状態となっている。そして、乗員Dの操作などによって時間Tの時に低圧モードに設定されると、エアポンプ36から膨張収縮部材18へ空気が送り込まれて膨張収縮部材18の内圧が徐々に上昇する。そして、時間Tから所定時間経過後の時間Tの時に、膨張収縮部材18の内圧が所定の内圧P2に到達して図6の状態となる。
低圧モードに設定された状態で、時間Tの時に衝突予知センサ40からの信号に基づいてECU38が車両の衝突が不可避であると判断し、乗員保護補助装置10が作動されると、膨張収縮部材18の内圧P2がさらに上昇される。具体的には、低圧モード時における膨張収縮部材18の内圧P2からさらに内圧が上昇され、時間Tから所定時間経過後の時間T10の時に、膨張収縮部材18の内圧が所定の内圧Pに到達して図5の状態となる。膨張収縮部材18の膨張状態は、車両の衝突が回避された場合又は車両が衝突して前面衝突用エアバッグやカーテンエアバッグなどが膨張展開されるまで維持される。なお、時間T10は、衝突予知センサ40によって予知された車両の衝突までの時間よりも前の時間である。また、横滑り検知センサ42によって車両の横滑りが検知された際も同様に膨張収縮部材18が膨張される。
(作用並びに効果)
次に、本実施形態に係る乗員保護補助装置10の作用並びに効果について説明する。
本実施形態では、衝突予知センサ40からの信号に基づいて車両の衝突が不可避であると判断された際、又は横滑り検知センサ42からの信号に基づいて車両の横滑りが検知された際に、膨張収縮部材18が膨張される。これにより、乗員Dの頭部Hがショルダベルト22S側へ傾いてエアバッグなどの乗員保護装置の保護範囲から外れている場合であっても、図5に示されるように、膨張収縮部材18が膨張することで、車両の衝突前に乗員の頭部が持ち上げられる。この結果、車両の衝突前に衝突センサ44からの信号に基づいて前面衝突用エアバッグやカーテンエアバッグなどの乗員保護装置が膨張展開された際に、乗員Dの頭部Hを乗員保護装置の保護範囲に位置させることができる。
特に、カーテンエアバッグなど乗員Dの頭部Hの側方で膨張展開されるエアバッグを備えた車両において、乗員Dの頭部Hを良好に保護することができる。すなわち、衝突前の状態で乗員Dの頭部Hがシート右側(ショルダベルト22S側)に傾いている場合、このシート右側でカーテンエアバッグが膨張展開されると、展開途中のカーテンエアバッグが乗員Dの頭部Hに干渉する虞がある。また、乗員Dの頭部Hが展開途中のカーテンエアバッグに干渉しない場合でも、カーテンエアバッグの展開領域の近傍に頭部Hが位置していれば、カーテンエアバッグによる保護性能を十分に発揮できない可能性がある。これに対して、本実施形態では、車両の衝突前に膨張収縮部材18を膨張させて乗員Dの頭部Hを保護範囲に移動させることができるため、カーテンエアバッグによる保護性能を十分に発揮させることができ、乗員Dの頭部Hを良好に保護することができる。
また、車両の衝突が回避された場合には、エアポンプ36から膨張収縮部材18への空気の供給が停止され、膨張収縮部材18が収縮される。これにより、膨張収縮部材18が運転の妨げとならず、車両の走行を継続することができる。また、インフレータからガスを供給して膨張収縮部材18を膨張させる構成と比較して、繰り返し使用することができる。
さらに、本実施形態では、図6に示されるように、膨張収縮部材18によって乗員Dの頭部を支持する低圧モードが設定可能とされている。これにより、膨張収縮部材18を車両の通常走行時に乗員Dの頭部Hを支持するクッションとして機能させることができ、乗員の快適性を向上させることができる。
また、本実施形態では、図3に示されるように、膨張収縮部材18を構成する内側弾性膜26Aの内周面に樹脂部材28を設けている。これにより、ウェビング22の着脱時にショルダベルト22Sが内側弾性膜26Aに干渉することなく、ショルダベルト22Sの着脱をスムーズに行うことができる。換言すれば、ウェビング22の着脱性が悪化するのを抑制することができる。
さらに、本実施形態では、外側弾性膜26Bの外周面に表面が起毛された高触感布30を設けたことにより、外側弾性膜26Bが直接乗員Dの頭部Hに接触する構成と比較して、肌触りが良くなり、乗員Dの快適性を向上させることができる。
なお、本実施形態では、図2に示されるように、ウェビング22がシートバック14の内部を通って図示しないリトラクタに引き出し可能に巻き取られているが、これに限定されない。例えば、図8に示される変形例の構成を採用してもよい。
(変形例)
図8に示されるように、本変形例に係る乗員保護補助装置50では、ウェビング22の一端がベルト取出部52の内部に設けられた上下一対のガイドローラ54の間を通されて、ベルト取出部52からシート後方へ延在されている。そして、ウェビング22の一端は、図示しないセンタピラーや後方のアッパバックパネルに設けられた図示しないショルダアンカに巻き掛けられ、リトラクタに引き出し可能に巻き取られている。また、本実施形態の膨張収縮部材18は、第1実施形態と同様にベルト取出部52の内部に固定されている。
本変形例の構成では、ウェビング22がシートバック14の内部を通らないため、シートバック14内にチューブ34の配設スペースを確保し易い。
<第2実施形態>
次に、図9を参照して第2実施形態に係る乗員保護補助装置60について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、適宜説明を省略する。
図9に示されるように、本実施形態では、シートバック14のシート右側の上部に、ベルト取出部に代えてベルトガイド64が設けられている。
ベルトガイド64は、シート正面視でシート下方側が開放された扁平の略U字状に形成されており、シートバック14との間にウェビング22を通すための隙間が設けられている。そして、この隙間にウェビング22が通されており、ウェビング22の一端部は、センタピラーやアッパバックパネルに設けられた図示しないショルダアンカに巻き掛けられ、リトラクタに引き出し可能に巻き取られている。
本実施形態の膨張収縮部材62は、第1実施形態と同様の構成とされている。また、膨張収縮部材62の後端部は、ベルトガイド64に固定されている。
(作用並びに効果)
次に、本実施形態に係る乗員保護補助装置60の作用並びに効果について説明する。
本実施形態では、ベルト取出部が設けられていないため、車両用シート12をシンプルな見栄えとすることができる。また、シートバックの内部にウェビング22の配設スペースを設ける必要がないため、シートバック14の内部にチューブ34の配設スペースを確保し易い。その他の作用については第1実施形態と同様である。
以上、本発明の第1実施形態及び第2実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において実施することが可能であることは勿論である。例えば、上記実施形態では、内側弾性膜26Aの内周面に樹脂部材28を設けたが、これに限定されない。内側弾性膜26Aの内周面を加工して摩擦係数を小さくすれば、ウェビング22の着脱性の低下を抑制することができる。
また、上記実施形態では、低圧モードに設定可能な構成について説明したが、これに限定されない。例えば、低圧モードを備えていない構成としてもよい。この場合、膨張収縮部材18は、車両の衝突が不可避であると判断された場合及び車両の横滑りが検知された場合にのみ膨張される。
さらに、上記実施形態では、シート12の下方にエアポンプ36を設け、このエアポンプ36と膨張収縮部材18とをシートバック14内に配設されたチューブ34によって連結したが、これに限定されない。例えば、エアポンプ36は、シート12から離れた位置に設けてもよく、車室外に設けてもよい。また、チューブ34をシート12の外側に配設してもよい。
さらにまた、上記実施形態では、3点式シートベルトに適用した構成について説明したが、これに限定されない。例えば、4点式シートベルトに適用してもよい。この場合、乗員Dの左右両方の肩部Sにそれぞれ膨張収縮部材18が設けられた構成とすれば、乗員Dの頭部Hが左右どちらに傾いた場合であっても、膨張収縮部材18によって頭部Hを支持することができる。
また、上記施形態では、空気供給手段としてエアポンプ36を用いた構成について説明したが、これに限定されず、他の空気供給手段を用いてもよく、例えば、圧縮空気が蓄えられた蓄圧タンクを空気供給手段として用いてもよい。この場合、膨張収縮部材と蓄圧タンクとの間の流路に切替バルブを設け、この切替バルブを操作することで蓄圧タンクから膨張収縮部材へ圧縮空気を供給することができる。また、切替バルブを操作して膨張収縮部材の内部の圧縮空気を排出すれば、膨張収縮部材を収縮させることができる。
10 乗員保護補助装置
12 車両用シート
18 膨張収縮部材
22S ショルダベルト
26 弾性体
28 樹脂部材
30 高触感布
36 エアポンプ(空気供給手段)
50 乗員保護補助装置
60 乗員保護補助装置
62 膨張収縮部材
D 乗員
S 肩部

Claims (3)

  1. 車両用シートに着座した乗員のシート前方側を肩部から腰部にかけて斜めに配置されるショルダベルトにおける乗員の肩部に位置する部位に設けられ、前記ショルダベルトを覆うと共に、膨張収縮可能な弾性体を含んで構成された中空円環状の膨張収縮部材と、
    前記膨張収縮部材に接続され、車両の衝突が不可避であると判断された際及び車両の横滑りが検知された際の少なくとも一方の際に、前記膨張収縮部材へ空気を供給して前記膨張収縮部材を膨張させる空気供給手段と、
    を有する乗員保護補助装置。
  2. 車両の衝突が不可避であると判断された際及び車両の横滑りが検知された際の少なくとも一方の際に膨張される前記膨張収縮部材の内圧よりも低い圧力で前記膨張収縮部材を膨張させる低圧モードを備えている請求項1に記載の乗員保護補助装置。
  3. 前記膨張収縮部材は、前記空気供給手段から空気が供給される中空円環状の前記弾性体と、
    前記弾性体の内周面に設けられ、前記ショルダベルトとの摩擦係数が前記弾性体よりも小さい樹脂部材と、
    前記弾性体の外周面に伸縮可能に設けられ、表面が起毛された高触感布と、
    を含んで構成されている請求項1又は2に記載の乗員保護補助装置。
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