JP6488162B2 - 潤滑油供給装置 - Google Patents

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Description

本発明は、潤滑油供給装置に関する。
従来、歯車や軸受等を有する機構に潤滑油を供給することにより潤滑性を保つ技術が知られている。例えば、特許文献1の旋回装置は、略円筒形状のハウジングの中心に、旋回モータの駆動力を出力する出力軸が挿通され、ハウジングの内面と出力軸の外面との間には軸受が介在されている。また、特許文献1の旋回装置のハウジングには、外部からハウジングの内部空間に潤滑油を供給するための供給管部が形成されているとともに、ハウジングの内部空間から外部へと潤滑油を排出するための排出管部が形成されている。
特許文献1の旋回装置においてハウジングの内部空間に潤滑油を補充する際には、旋回装置のオペレータは、供給管部を介してハウジングの内部空間に潤滑油を供給する。そして、ハウジングの内部空間において潤滑油の油面が排出管部に達すると、潤滑油が供給されるのにしたがってハウジングの排出管部を介して外部に潤滑油が排出される。したがって、ハウジングの排出管部から潤滑油が排出されることにより、オペレータは、ハウジングの内部空間に必要量の潤滑油が補充されたことを確認することができる。
特開2013−231465号公報
特許文献1の旋回装置は、駆動するのにともなって潤滑油が揮発したり漏れたりすることにより、ハウジングの内部空間に供給された潤滑油の量が減少する。しかし、特許文献1の旋回装置においては、潤滑油をハウジングの内部空間に補充する際に必要量の潤滑油を補充できたことを、オペレータが確認できるのみである。その一方で、特許文献1の旋回装置は、オペレータによる潤滑油の補充作業なくしては、ハウジングの内部空間に存在する潤滑油の量を必要量に維持しておくことはできない。したがって、特許文献1の旋回装置は、駆動するのにともなって潤滑状態が悪化してしまう可能性がある。
本発明は、このような従来技術の事情を鑑みてなされたものであり、潤滑対象機構の潤滑状態をより適切な状態で維持できるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の潤滑油供給装置は、潤滑対象機構の内部に潤滑油を供給する供給部と、前記潤滑対象機構の内部から潤滑油を排出する排出部と、前記潤滑対象機構の内部温度を検出する温度検出部と、前記潤滑対象機構を駆動する際の駆動トルクを示す駆動トルク信号が入力される制御部とを備え、前記制御部は、入力された駆動トルク信号が示す駆動トルクがしきい値以上であり、且つ、前記温度検出部が検出した内部温度が、潤滑油の昇温が必要な第1基準温度以上、当該第1基準温度よりも高い第2基準温度未満である場合には、前記潤滑対象機構の内部の潤滑油の量が減少するように、前記供給部又は前記排出部を制御することを特徴とする。

本発明によれば、潤滑対象機構の潤滑状態を適切な状態に維持できる。
多関節型ロボットの側面図及びロボット制御装置のブロック図。 多関節型ロボットにおける関節構造の断面図。 潤滑油供給装置における油圧回路を示す説明図。 潤滑油の供給制御を説明するフローチャート。
(ロボット制御システムの構成)
本発明の潤滑油供給装置50を、アーク溶接を行うロボット制御システムに適用した実施形態を説明する。先ず、多関節型ロボットR(以下、ロボットRと略記する。)の概略構成について説明する。
図1に示すように、ロボットRの基台C1の上部には、第1回転軸心J1を中心として旋回可能に旋回台C2が設けられている。旋回台C2の上部には、第2回転軸心J2を中心として旋回可能に第1アームC3が設けられている。第1アームC3の先端部には、第2回転軸心J2と直交する第3回転軸心J3を中心として旋回可能に第2アームC4が設けられている。第2アームC4の先端部には、第3回転軸心J3と直交する第4回転軸心J4を中心として旋回可能に第3アームC5が設けられている。
図1に示すように、第3アームC5の先端部には、第5回転軸心J5を中心として旋回可能に第4アームC6が設けられている。第4アームC6の先端部には、第5回転軸心J5と直交する第6回転軸心J6を中心として旋回可能に第5アームC7が設けられている。第5アームC7の先端には、第6回転軸心J6と直交する第7回転軸心J7を中心として旋回可能にツール固定部材C8が設けられている。ツール固定部材C8には、作業ツールとして溶接トーチC9が固定されており、この溶接トーチC9はツール固定部材C8と一体的に旋回する。なお、第4アームC6、第5アームC7及びツール固定部材C8は、これら全体で手首組立体と呼称されることもある。旋回台C2、第1アームC3〜第5アームC7及びツール固定部材C8は、それぞれロボット制御装置RCによって制御されるサーボモータを駆動源として旋回する。
次に、ロボットRにおける第1アームC3と第2アームC4との連結構造について説明する。なお、第1アームC3は、第2アームC4よりも固定側(基台C1)側であるため、第2アームC4との関係においては固定側部材に相当する。また、第2アームC4は、第1アームC3に対して旋回(回動)可能であるため、第1アームC3との関係においては可動部材に相当する。
図2に示すように、第1アームC3の第1ハウジング11は、先端側(図2において上側)にパワーケーブルPC等を配線可能な中空部11aを有するように形成されている。第1ハウジング11の先端側の壁部には、円形状の貫通孔12が形成されている。貫通孔12の中心は第3回転軸心J3上に位置している。第1ハウジング11の壁部には開口部13が形成されているとともに、この開口部13には着脱可能に第1カバー14が取付けられている。
図2に示すように、第1アームC3における第1ハウジング11の先端側の壁部の上面には、減速機構40の本体部41がねじ等で固定されている。本体部41は、全体として略円筒状をなしていて、その中心軸線が第3回転軸心J3と一致している。本体部41の内径は、第1アームC3における第1ハウジング11の貫通孔12の内径と同一に形成されている。本体部41の先端面(図2において上側の面)には、開口を取り囲むように円環状の凸部42が突出されている。凸部42の先端面には、外周に複数の歯を有する略円盤状の第1歯車43がねじ等で固定されている。第1歯車43は、回転中心が第3回転軸心J3と一致するように、凸部42に固定されている。
図2に示すように、第1歯車43の径方向外側(図2において左右方向右側)には、外周に複数の歯を有する略円盤状の第2歯車44が配置されている。第2歯車44は、回転中心が第3回転軸心J3と平行となるように配置されているとともに、第3回転軸心J3の方向において第1歯車43と同一の位置に配置されている。第2歯車44の径は、第1歯車43の径よりも小さくなっている。そして、第2歯車44の外周の歯部が第1歯車43の外周の歯部と噛合している。本実施形態では、第1歯車43及び第2歯車44が減速歯車部を構成する。
図2に示すように、本体部41の先端面には、第1歯車43及び第2歯車44を径方向外側から覆う歯車ハウジング45が取付けられている。歯車ハウジング45は、図示しない軸受部材及びシール部材等を介して本体部41に取付けられており、第3回転軸心J3を回転中心として回転可能である。
図2に示すように、減速機構40における歯車ハウジング45の先端側(図2において上側)には、第2アームC4の第2ハウジング21がねじ等により固定されている。第2アームC4の第2ハウジング21は、基端側(図2において下側)にパワーケーブルPC等を配線可能な中空部21aを有するように形成されている。第2ハウジング21の基端側の壁部には、円形状の貫通孔22が形成されている。貫通孔22の中心は第3回転軸心J3上に位置している。貫通孔22には、円筒状の筒体25が挿通されている。筒体25の上端部は、第2ハウジング21の基端側の壁部における中空部21a側の面にねじ等で固定されている。筒体25は、減速機構40の本体部41及び第1アームC3の第1ハウジング11における貫通孔12に挿通されている。したがって、第1アームC3の中空部11aは、筒体25の内部を介して第2アームC4の中空部21aと連通している。第2ハウジング21の壁部には開口部23が形成されているとともに、開口部23には着脱可能に第2カバー24が取付けられている。
図2に示すように、第2ハウジング21の中空部21aと反対側の面には、板状をなすモータ載置部31が第3回転軸心J3と直交する方向に沿って延びるように固定されている。モータ載置部31は、減速機構40における歯車ハウジング45の先端側の面に至るように延設されており、歯車ハウジング45の先端側の面にもねじ等で固定されている。モータ載置部31には、円形状の貫通孔32が形成されている。モータ載置部31上には、サーボモータ33が搭載されている。サーボモータ33の出力軸34はモータ載置部31の貫通孔32に挿通されている。そして、サーボモータ33の出力軸34の先端部が、サーボモータ33が載置されている側から第1アームC3側へと突出している。この出力軸34の先端部は、減速機構40の歯車ハウジング45内において第2歯車44に固定されている。モータ載置部31のサーボモータ33が載置されている側には、サーボモータ33を覆うためのモータカバー35が脱着可能に取付けられている。
本実施形態において、サーボモータ33が駆動して出力軸34が回転すると、第2歯車44が回転しつつ第1歯車43の周りを転動する。このとき、減速機構40の歯車ハウジング45も第3回転軸心J3を中心として回転する。したがって、歯車ハウジング45に固定されている第2アームC4も第3回転軸心J3を中心として回転する。また、第2歯車44の径よりも第1歯車43の径の方が大きくなっているため、第2歯車44の回転数よりも、第2歯車44が第1歯車43の周りを転動する回転数の方が小さい、したがって、第2アームC4は、サーボモータ33の出力軸34の回転速度を、第1歯車43及び第2歯車44の径の比で減速した所定の回転速度でもって旋回する。
図2に示すように、減速機構40は、本体部41、歯車ハウジング45、第2アームC4の第2ハウジング21及びモータ載置部31によって区画形成された内部空間40aを有する。なお、この内部空間40aは密閉された空間であることが好ましいが、潤滑油の過度な漏れ等が生じないのであれば必ずしも密閉された空間である必要はない。歯車ハウジング45には、内部空間40aに潤滑油を供給するための図示しない供給口、及び外部に潤滑油を排出するための図示しない排出口がそれぞれ設けられている。また、減速機構40の内部空間40aには、当該内部空間40aの内部温度Tを測定する温度検出部としての温度センサ46が設けられている。本実施形態では、温度センサ46は、モータ載置部31の第1アームC3側の面に固定されている。そして、モータ載置部31に形成された図示しない孔を介してモータ載置部31のサーボモータ33が搭載されている側に温度センサ46の信号線が引き出されている。温度センサ46は、測定した内部温度Tを示す温度検出信号S4を、当該信号線を介して出力する。なお、温度センサ46としては、例えば熱電対センサ等が採用できる。
次に、潤滑油供給装置50における油圧回路について説明する。
図3に示すように、減速機構40(歯車ハウジング45)には排出油路51の上流端が接続され、排出油路51の下流端には潤滑油タンク54が接続されている。排出油路51には、減速機構40の内部空間40aから排出される潤滑油の量を調整する排出弁52が設けられている。排出弁52は、開度を調整可能な流量制御弁である。排出油路51において排出弁52よりも下流側には、潤滑油中の異物・不純物を取り除くためのフィルタ53が設けられている。
図3に示すように、潤滑油タンク54には供給油路55の上流端が接続され、供給油路55の下流端には減速機構40が接続されている。供給油路55には、潤滑油タンク54に貯められた潤滑油を圧送するポンプ56が設けられている。ポンプ56は、電動モータ57と駆動連結されていて、電動モータ57が駆動するのにしたがって所定の油圧を発生する。本実施形態では、電動モータ57は、ポンプ56が一定の油圧を発生するように制御される。供給油路55においてポンプ56よりも下流側には、減速機構40の内部空間40aに供給される潤滑油の量を調整するための供給弁59が設けられている。供給弁59は、開度を調節可能な流量制御弁である。供給油路55において、ポンプ56よりも下流側で供給弁59よりも上流側には、電熱ヒータ60が隣接配置されている。電熱ヒータ60がオンされることにより、供給油路55内の潤滑油の温度が上昇する。そして、昇温された潤滑油が減速機構40の内部空間40aに供給されることで、当該内部空間40aに存在する潤滑油の温度も上昇する。したがって、電熱ヒータ60は、減速機構40の内部空間40aの潤滑油の温度を調整する調温部として機能する。
図3に示すように、減速機構40から排出された潤滑油は、排出油路51、潤滑油タンク54、供給油路55を経て、再び減速機構40に供給される。これら排出油路51から供給油路55へと至る一連の循環油路、電熱ヒータ60、及び減速機構40の内部空間40aに配置された温度センサ46は、潤滑油供給装置50を構成するものである。そして、排出油路51及び排出弁52が減速機構40の内部空間40aから潤滑油を排出する排出部に相当し、供給油路55、ポンプ56及び供給弁59が減速機構40の内部空間40aに潤滑油を供給する供給部に相当する。また、減速機構40は、潤滑油供給装置50によって潤滑される潤滑対象機構に相当する。
次に、ロボットRを制御するロボット制御装置RCについて説明する。なお、以下の説明では、第2アームC4の旋回動作の制御に関して説明する。旋回台C2、他のアーム、ツール固定部材C8の旋回動作の制御については、第2アームC4の旋回動作の制御と同様であるため、説明を省略する。
図1に示すように、ロボットRの基台C1には、通信ケーブル(図1では破線で図示)を介してロボット制御装置RCが接続されている。ロボット制御装置RCの主制御部71は、各種のプログラムを実行する中央演算装置72(CPU)、各プログラムの実行に際してデータが一時的に格納される揮発性のメモリ73、処理に必要なプログラムや各種のデータ等が格納される不揮発性の記憶部74などを有するコンピュータとして構成されている。
図1に示すように、ロボット制御装置RCには、ロボットRの第2アームC4のサーボモータ33に電力を供給するサーボアンプ75が内蔵されている。サーボアンプ75は、主制御部71が出力する姿勢制御信号S1に応じた電力を第2アームC4のサーボモータ33に供給する。また、サーボアンプ75は、第2アームC4を単位角度旋回動作させるのに要した電力量を、随時検出する。そして、サーボアンプ75は、電力量を検出する毎に、その最新の電力量を含む過去所定回数分の電力量の平均値を演算する。この電力量の平均値は、第2アームC4を一定角度旋回動作させた場合に、単位角度あたりに必要な駆動トルクの平均を表すものである。サーボアンプ75は、演算した電力量の平均値を、第2アームC4を駆動する際の駆動トルクを示す駆動トルク信号S2として、随時出力する。
図1に示すように、ロボット制御装置RCには、ロボットRのオペレータに対して注意を喚起するための警告灯76及びブザー77が搭載されている。警告灯76は、主制御部71が出力するエラー信号S3に応じて所定時間点灯する。ブザー77は、主制御部71が出力するエラー信号S3に応じて所定時間警告音を発する。
図1に示すように、主制御部71には、サーボアンプ75が出力した駆動トルク信号S2が入力される。主制御部71は、駆動トルク信号S2が示す電力量の平均値を、平均駆動トルクNavとしてメモリ73に記憶する。平均駆動トルクNavは、主制御部71に駆動トルク信号S2が入力される度に新たな値に更新される。図3に示すように、主制御部71には、減速機構40の内部空間40aに配置された温度センサ46から温度検出信号S4が入力される。図1に示すように、主制御部71は、温度検出信号S4が示す内部温度Tをメモリ73に記憶する。内部温度Tは、主制御部71に温度検出信号S4が入力される度に新たな値に更新される。
図1に示すように、主制御部71の記憶部74には、平均駆動トルクNavに関するしきい値Nxが記憶されている。しきい値Nxとしては、ロボットRの通常運転下において第2アームC4を単位角度旋回動作させた際、駆動トルクとして取り得る上限値が設定されている。なお、ロボットRの通常運転とは、例えば、減速機構40の内部空間40aに必要十分量の潤滑油が供給されており、且つ、その潤滑油の温度が適切に潤滑性を発揮できる許容温度範囲である状態である。また、記憶部74には、第1基準温度としての低温側基準温度TL、及び第2基準温度としての高温側基準温度THが記憶されている。低温側基準温度TLは、その温度未満では減速機構40の内部空間40aに供給される潤滑油の粘度が一定値以上となるために潤滑油の昇温が必要な温度(例えば0〜10℃)として定められている。高温側基準温度THは、減速機構40の第1歯車43及び第2歯車44等への潤滑油の供給が不足していて焼きつきが起こりつつある温度(例えば60〜80℃)として定められている。
図3に示すように、ロボット制御装置RCの主制御部71は、潤滑油供給装置50における供給弁59の開度を制御するための供給制御信号S5を生成し、供給弁59に出力する。また、主制御部71は、潤滑油供給装置50における排出弁52の開度を制御するための排出制御信号S6を生成し、排出弁52に出力する。すなわち、本実施形態では、ロボット制御装置RCの主制御部71が、潤滑油供給装置50の制御部としての機能も兼ねている。また、主制御部71は、電熱ヒータ60のオン・オフの切り換えを制御する。
(潤滑油供給装置50における潤滑油の供給制御)
潤滑油供給装置50における潤滑油の供給制御の処理について説明する。
ロボット制御装置RC及びロボットR等が起動されると、ロボット制御装置RCの主制御部71は、潤滑油供給装置50における供給弁59及び排出弁52の開度を初期状態の開度に設定する処理を行う。具体的には、主制御部71は、供給弁59の開度を零でない小さな値に設定する。したがって、減速機構40の内部空間40aには、一定量ずつ潤滑油が供給される。また、主制御部71は、排出弁52の開度を、供給される潤滑油と略同量の潤滑油が排出される開度に設定される。したがって、減速機構40の内部空間40aには、潤滑油の漏れや揮発分等を無視すれば一定量の潤滑油が存在することになる。このように供給弁59及び排出弁52の開度を初期状態の開度に設定した後、主制御部71の処理は、図4に示すステップST10に移行する。
ステップST10では、主制御部71は、平均駆動トルクNavとしきい値Nxとを比較して、平均駆動トルクNavがしきい値Nx以上であるか否かを判断する。平均駆動トルクNavがしきい値Nx未満である場合(ステップST10においてNO)、潤滑油の供給制御の処理が一旦終了し、再びステップST10の処理が実行される。したがって、この場合は、供給弁59及び排出弁52は、初期状態の開度が維持されることになる。一方、平均駆動トルクNavがしきい値Nx以上である場合(ステップST10においてYES)、主制御部71の処理は、ステップST11に移行する。
ステップST11では、主制御部71は、減速機構40の内部温度Tと高温側基準温度THとを比較して、内部温度Tが高温側基準温度TH以上であるか否かを判断する。内部温度Tが高温側基準温度TH以上である場合(ステップST11においてYES)、主制御部71の処理は、ステップST12に移行する。
ステップST12では、主制御部71は、減速機構40の内部空間40aに供給される潤滑油の供給量を増加させる制御を行う。具体的には、主制御部71は、潤滑油供給装置50における供給弁59に対して供給制御信号S5を一定時間出力する。このときの供給制御信号S5は、供給弁59の開度を初期状態の開度よりも大きく設定したものである。なお、このとき排出弁52の開度は初期状態の開度のままである。したがって、ステップST12の処理が実行されると、減速機構40の内部空間40aに存在する潤滑油の量は増加する。一定時間が経過して、供給弁59の開度が初期状態の開度に戻されると、主制御部71の処理は、ステップST13に移行する。
ステップST13では、主制御部71は、減速機構40の内部温度Tと高温側基準温度THとを比較して、内部温度Tが高温側基準温度TH未満であるか否かを判断する。内部温度Tが高温側基準温度TH未満である場合(ステップST13においてYES)、潤滑油の供給制御の処理が一旦終了し、再びステップST10の処理が実行される。一方、依然として、内部温度Tが高温側基準温度TH以上である場合(ステップST13においてNO)、主制御部71の処理は、ステップST14に移行する。
ステップST14では、主制御部71は、潤滑油の供給や排出を制御するのみでは減速機構40の内部温度Tを適切に低下させることができないと判断して、警告灯76及びブザー77にエラー信号S3を出力する。エラー信号S3を受けた警告灯76は所定期間点灯し、エラー信号S3を受けたブザー77は、所定期間警告音を発する。所定期間が経過した後、潤滑油の供給制御の処理が一旦終了し、再びステップST10の処理が実行される。
一方、ステップST11において、内部温度Tが高温側基準温度TH未満であると判断された場合(ステップST11においてNO)、主制御部71の処理は、ステップST21に移行する。ステップST21では、減速機構40の内部温度Tと低温側基準温度TLとを比較して、内部温度Tが低温側基準温度TL未満であるか否かを判断する。内部温度Tが低温側基準温度TL未満である場合(ステップST21においてYES)、主制御部71の処理は、ステップST22に移行する。
ステップST22では、主制御部71は、電熱ヒータ60をオンに切り換える。このとき、潤滑油供給装置50の供給弁59の開度は初期状態のままであり、減速機構40の内部空間40aには、一定量ずつの潤滑油が供給されている。したがって、電熱ヒータ60をオンにすることにより温められた潤滑油が減速機構40の内部空間40aに供給されるようになる。この処理の後、主制御部71の処理は、ステップST23に移行する。
ステップST23では、主制御部71は、減速機構40の内部温度Tが低温側基準温度TL以上になったか否かを判断する。減速機構40の内部温度Tが依然として低温側基準温度TL未満である場合(ステップST23においてNO)、主制御部71は、内部温度Tが低温側基準温度TL以上になるのを待機する。内部温度Tが低温側基準温度TL以上である場合(ステップST23においてYES)、主制御部71の処理はステップST24に移行し、主制御部71は、電熱ヒータ60をオフに切り換える。その後、潤滑油の供給制御の処理が一旦終了し、再びステップST10の処理が実行される。
一方、ステップST21において、内部温度Tが低温側基準温度TL以上であると判断された場合(ステップST21においてNO)、主制御部71の処理は、ステップST31に移行する。ステップST31では、主制御部71は、減速機構40の内部空間40aから排出される潤滑油の排出量を増加させる制御を行う。具体的には、主制御部71は、潤滑油供給装置50における排出弁52に対して排出制御信号S6を一定時間出力する。このときの排出制御信号S6は、排出弁52の開度を初期状態の開度よりも大きく設定したものである。なお、このとき、供給弁59の開度は初期状態の開度のままである。したがって、ステップST31の処理が実行されると、減速機構40の内部空間40aに存在する潤滑油の量は減少する。一定時間が経過して、排出弁52の開度が初期状態の開度に戻されると、主制御部71の処理は、ステップST32に移行する。
ステップST32では、平均駆動トルクNavとしきい値Nxとを比較して、平均駆動トルクNavがしきい値Nx未満になったか否かを判断する。平均駆動トルクNavがしきい値Nx未満である場合(ステップST32においてYES)、潤滑油の供給制御の処理が一旦終了し、再びステップST10の処理が実行される。一方、依然として、平均駆動トルクNavがしきい値Nx以上である場合(ステップST32においてNO)、主制御部71の処理は、ステップST33に移行する。
ステップST33では、主制御部71は、潤滑油の供給・排出や潤滑油の温度を制御するのみでは、第2アームC4の駆動トルクを低下させることができないと判断して、警告灯76及びブザー77にエラー信号S3を出力する。エラー信号S3を受けた警告灯76は所定期間点灯し、エラー信号S3を受けたブザー77は、所定期間警告音を発する。所定期間が経過した後、潤滑油の供給制御の処理が一旦終了し、再びステップST10の処理が実行される。
上記のとおり、ステップST10から始まる一連の処理は、ロボットRが稼働している間、繰り返し実行される(ループする)。したがって、ロボットRの稼働中における減速機構40の潤滑状況が、潤滑油供給装置50によって常時監視されている。そして、ロボットRが稼働停止されると、それに伴って上記潤滑油の供給制御の処理も終了する。
(実施形態の特徴)
以下、上記実施形態の特徴を、その作用とともに記載する。
(1)上記実施形態では、平均駆動トルクNavがしきい値Nx以上である場合には、減速機構40の内部温度Tと高温側基準温度TH及び低温側基準温度TLとの比較結果に応じて、潤滑油供給装置50における排出弁52又は供給弁59の開度が制御される。したがって、減速機構40の内部温度Tに応じた適切な潤滑油の給排が行われ、平均駆動トルクNavをしきい値Nx未満にすることができる。その結果、減速機構40の潤滑状態を、駆動トルクが小さくてエネルギー効率のよい適切な状態に維持できる。
(2)減速機構40の内部温度Tが高温になればなるほど、減速機構40の内部空間40aに存在する潤滑油の量が不足していて第1歯車43及び第2歯車44等において焼きつきが起こりつつある蓋然性が高まる。また、減速機構40の内部空間40aに存在する潤滑油の量が不足している場合、第1歯車43及び第2歯車44等における潤滑性が低下して減速機構40の平均駆動トルクNavも上昇する。
上記実施形態では、高温側基準温度THは、減速機構40の第1歯車43及び第2歯車44等において焼きつきが起こりつつある温度として定められている。そして、平均駆動トルクNavがしきい値Nx以上であり、且つ減速機構40の内部温度Tが高温側基準温度TH以上である場合には、減速機構40の内部空間40aへの潤滑油の供給を増加させる。このように潤滑油の供給を増加させることにより、減速機構40の内部空間40aの潤滑油の不足を補って第1歯車43及び第2歯車44等における適切な潤滑性を確保できる。また、新たに供給した潤滑油によって、上昇した減速機構40の内部温度Tを低下させることができる。
(3)減速機構40の内部温度Tが低温であればあるほど、減速機構40の内部空間40aに存在する潤滑油が流動性を失って粘度が高くなる。そして、潤滑油の粘度が高くなると、減速機構40における第1歯車43や第2歯車44が回転する際に、潤滑油が抵抗となって減速機構40の平均駆動トルクNavが上昇する。
上記実施形態では、低温側基準温度TLは、その温度未満では潤滑油の粘度が一定値以上になる温度として定められている。そして、平均駆動トルクNavがしきい値Nx以上であり、且つ減速機構40の内部温度Tが低温側基準温度TL未満である場合には、電熱ヒータ60をオンに切り換える。したがって、減速機構40の内部空間40aにおける潤滑油の温度を上昇させて粘度を低下させることができる。その結果、平均駆動トルクNavがしきい値Nx未満でエネルギー効率のよい適切な潤滑性を確保できる。
(4)減速機構40の内部温度Tが、低温側基準温度TL以上、高温側基準温度TH未満である場合、減速機構40の内部温度Tは許容される範囲内にあると言える。それにも拘らず、平均駆動トルクNavがしきい値Nx以上である場合には、例えば、減速機構40の第1歯車43や第2歯車44が完全に潤滑油内に没していて、潤滑油による抵抗を受けやすい状況に置かれている可能性がある。
上記実施形態では、このような場合には、減速機構40の内部空間40aからの潤滑油の排出を増加させて、内部空間40aに存在する潤滑油の量を少なくする。その結果、減速機構40の第1歯車43や第2歯車44が潤滑油から受ける抵抗が小さくなって、平均駆動トルクNavをしきい値未満にできる。
(5)上記実施形態の減速機構40の内部空間40aは必ずしも密閉構造をなしている必要はないが、内部空間40aを密閉構造とした場合、減速機構40の内部空間40aに存在する潤滑油の量を直接的に確認することが難しくなる。また、密閉構造をなす減速機構40の内部空間40aに、上記潤滑油供給装置50に依らずに潤滑油を供給(補充)するには、減速機構40や各アームを分解するなどの大掛かりなメンテナンス作業が必要となることもあり得る。
この点、上記実施形態では、温度センサ46が測定する減速機構40の内部温度T、及び第2アームC4が旋回する際の平均駆動トルクNavに基づいて、潤滑油の供給が制御されることによって潤滑油量が自動的に調整される。すなわち、オペレータが減速機構40の内部空間40aに存在する潤滑油量の確認作業を行う必要がないため、密閉構造を採用したとしても問題はない。むしろ、温度センサ46が検出する温度が外気温に左右されることが少なくなるため、密閉構造を採用した方が好適である。また、上記実施形態では、潤滑油供給装置50の排出油路51や供給油路55を介して、減速機構40の内部空間40aに存在する潤滑油の量が制御される。したがって、減速機構40の潤滑性を維持するにあたって、上述したような大掛かりなメンテナンス作業は要しない。
(6)上記実施形態では、減速機構40から排出された潤滑油は、排出油路51、潤滑油タンク54、供給油路55を経て、再び減速機構40に供給される。すなわち、潤滑油供給装置50の油圧回路は、潤滑油が循環する循環油路である。したがって、排出する潤滑油を再利用して、潤滑油の消費量を最小限に抑えることができる。
(7)図4のフローチャートのステップST31〜ステップST33で示すように、潤滑油の排出量を増加させたにも拘らず、平均駆動トルクNavが依然としてしきい値Nx以上である場合、潤滑油の量や温度に問題があるのではなく、減速機構40の内部空間40aに異物が入り込むなどしている可能性がある。上記実施形態では、このような状況下において警告灯76及びブザー77を用いた警告が行われるので、ロボットRのオペレータに対してメンテナンス等の実行を促すことができる。
(変更例)
上記実施形態は、以下のように変更してもよい。また、各変更例を適宜組み合わせて適用してもよい。
・ 減速機構40の構成は上記実施形態の構成に限らない。例えば、第1アームC3及び第2アームC4の形状や求められる減速比等に応じて適宜変更すればよい。また、潤滑油供給装置50の潤滑対象機構は、第1アームC3と第2アームC4との間に介在される減速機構40に限らない。例えば、基台C1と旋回台C2との間に介在される減速機構、他のアームの間に介在される減速機構を潤滑対象機構としてもよい。
・ ロボットRの構成は上記実施形態の構成に限らない。例えば、8以上の自由度を有する多関節型のロボットRでも良いし、6以下の自由度を有する多関節型のロボットRであってもよい。また、アーク溶接を行うロボットに限らず、物品を把持して搬送する搬送ロボットやワークの所定箇所を撮影して検査する検査ロボットであってもよい。さらに、例えば、歯車機構、軸受機構などのように複数の部品が互いに摺動する構成を有していれば、ロボットRを構成する機構に限らず、いかなる装置の機構であっても潤滑対象機構として採用できる。
・ 上記実施形態では、減速機構40の内部空間40aに温度センサ46を設けたが、その他の場所に温度センサ46を設けてもよい。例えば、歯車ハウジング45の外面、第1アームC3における第1ハウジング11内、第2アームC4における第2ハウジング21内は、減速機構40の内部空間40aの温度の影響を受ける。したがって、これらの箇所に温度センサ46を設けて温度を測定することにより、減速機構40の内部空間40aの温度を推測できる。なお、このような場合でも、温度センサ46は、減速機構40の内部空間40aの温度を間接的に測定していると言える。
・ 上記実施形態では、ロボット制御装置RCの主制御部71に、潤滑油供給装置50の制御部としての機能も担わせたが、ロボット制御装置RCとは別で潤滑油供給装置50の制御部を構成してもよい。
・ 潤滑油供給装置50において、油路が循環しなくてもよい。すなわち、減速機構40の内部空間40aから排出された潤滑油が潤滑油タンク54に貯められた後、そのまま廃棄されてもよい。
・ 潤滑油供給装置50において、開度が調整可能な流量制御弁ではなく、開度が零又は全開の2つの位置を取る開閉弁を排出弁52として採用してもよい。この場合、開閉弁の開時間を制御することにより、減速機構40の内部空間40aから排出される潤滑油の量が調整される。その他、減速機構40の内部空間40aから排出される潤滑油の量を調整できる弁であれば、どのような弁であっても排出弁52として採用できる。この点、供給弁59についても同様である。
・ 潤滑油供給装置50において、排出油路51に排出ポンプを設けて、その排出ポンプが発生する陰圧によって減速機構40の内部空間40aの潤滑油を排出するようにしてもよい。この場合、排出弁52を省略して、排出ポンプの駆動を制御することにより、減速機構40の内部空間40aから排出される潤滑油の量を調整することもできる。
・ 潤滑油供給装置50において供給弁59を省略することも可能である。この場合、電動モータ57の回転数等を制御してポンプ56が発生する油圧を制御することにより、減速機構40の内部空間40aに供給される潤滑油の量を調整できる。また、この場合は、供給油路55及びポンプ56が減速機構40の内部空間40aに潤滑油を供給する供給部として機能する。
・ 上記実施形態では、電熱ヒータ60を供給油路55に隣接配置したが、排出油路51、潤滑油タンク54に隣接配置してもよい。また、減速機構40の内部空間40aに電熱ヒータ60を配置してもよい。また、電熱ヒータ60に限らず、例えば、高温の熱媒体が流通される熱交換器を潤滑油の温度を調整する調温部として採用してもよい。
・ 上記実施形態では、ロボット制御装置RCのサーボアンプ75が平均駆動トルクNavを演算したが、主制御部71が平均駆動トルクNavを演算するようにしてもよい。この場合、サーボアンプ75は、第2アームC4を単位角度旋回動作させるのに要した電力量を駆動トルクとして主制御部71に出力し、主制御部71は、入力された複数の駆動トルクに基づいて平均駆動トルクNavを演算する。また、平均駆動トルクNavを演算せずに、第2アームC4を単位角度旋回動作させるのに要した駆動トルクとしきい値とを比較するようにしてもよい。
・ 低温側基準温度TL及び高温側基準温度THは、上記実施形態で例示した温度に限らない。これらの基準温度は、減速機構40の構成、第2アームC4の旋回速度として想定される速度、潤滑油の物性、ロボットRが設置される環境などを総合的に勘案して決定すればよい。
・ 減速機構40の内部温度Tが高温側基準温度TH以上である場合において、内部温度Tが高いほど、潤滑油供給装置50の供給弁59の開度が大きくなるように設定してもよい。この場合、内部温度Tが高いほど、供給された潤滑油によって減速機構40の内部温度Tを下げる効果が得られやすくなる。
・ 上記実施形態では、減速機構40の内部空間40aに供給する潤滑油の量を増加させる(図4に示すステップST12)にあたって、潤滑油供給装置50の供給弁59の開度を大きくしたが、この処理と同時に排出弁52を閉じるようにしてもよい。排出弁52を閉じることにより、減速機構40の内部空間40aに存在する潤滑油の量を、より速やかに増加できる。
・ 上記実施形態において、減速機構40の内部空間40aに供給する潤滑油の量を増加させる制御を複数回繰り返すようにしてもよい。具体的には、例えば、減速機構40の内部空間40aに供給する潤滑油の量を増加させた後、減速機構40の内部温度Tが高温側基準温度TH以上である場合に、再び、減速機構40の内部空間40aに供給する潤滑油の量を増加させる。そして、この潤滑油の量を増加させる制御を所定回数行っても依然として減速機構40の内部温度Tが高温側基準温度TH以上である場合に警告を行う(ステップST14)。
・ 減速機構40の内部空間40aに供給する潤滑油の量を増加させる(図4に示すステップST12)にあたって、供給弁59の開度を大きくしつつ、排出弁52の開度も同時に大きくしてもよい。供給弁59の開度を大きくしたことに伴う潤滑油の供給量の増加量が、排出弁52の開度を大きくしたことに伴う潤滑油の排出量の増加量を上回れば、減速機構40の内部空間40aに存在する潤滑油の量は増加していく。なお、この変更例の場合は、温度の上昇した潤滑油が速やかに減速機構40の内部空間40aから排出され、新たに多くの潤滑油が減速機構40の内部空間40aに供給されるため、減速機構40の内部温度Tをより速やかに下げることができる。
・ 上記実施形態では、減速機構40の内部空間40aから排出する潤滑油の量を減少させる(図4に示すステップST31)にあたって、潤滑油供給装置50の排出弁52の開度を大きくしたが、この処理と同時に供給弁59を閉じるようにしてもよい。供給弁59を閉じることにより、減速機構40の内部空間40aに存在する潤滑油の量を、より速やかに減少できる。
・ 上記実施形態において、減速機構40の内部空間40aに供給する潤滑油の量を減少させる制御を複数回繰り返すようにしてもよい。具体的には、例えば、減速機構40の内部空間40aに供給する潤滑油の量を減少させた後、平均駆動トルクNavがしきい値Nx以上である場合に、再び、減速機構40の内部空間40aに供給する潤滑油の量を減少させる。そして、この潤滑油の量を減少させる制御を所定回数行っても依然として平均駆動トルクNavがしきい値Nx以上である場合に警告を行う(ステップST33)。
・ 減速機構40の内部空間40aから排出する潤滑油の量を増加させる(図4に示すステップST31)にあたって、排出弁52の開度を大きくしつつ、供給弁59の開度も同時に大きくしてもよい。排出弁52の開度を大きくしたことに伴う潤滑油の排出量の増加量が、供給弁59の開度を大きくしたことに伴う潤滑油の供給量の増加量を上回れば、減速機構40の内部空間40aに存在する潤滑油の量は減少する。
・ 上記実施形態では、減速機構40の内部温度Tが低温側基準温度TL未満である場合に電熱ヒータ60をオンにするようにしたが(図4に示すステップST22)、この処理を省略してもよい。第2アームC4が旋回動作するのにともなって摩擦熱等によって減速機構40の内部温度Tは上昇する。したがって、電熱ヒータ60をオンにしなくとも、第2アームC4が旋回動作すれば、減速機構40の内部温度Tが低温側基準温度TL以上になり得る。ただし、内部温度Tが低温側基準温度TL以上になるまでの時間は、電熱ヒータ60をオフにしたままよりも電熱ヒータ60をオンにした方が早くなる。なお、電熱ヒータ60をオンにする処理を省略する場合、電熱ヒータ60そのものも省略できる。
・ 上記実施形態における減速機構40の内部温度Tが低温側基準温度TL以上高温側基準温度TH未満である場合の一連の処理(ステップST31〜ステップST33)は、潤滑対象機構の構成等によっては省略できる。例えば、歯車や軸受が潤滑油内に没することがあり得ない構成の潤滑対象機構なのであれば、上記実施形態のステップST32の処理によって駆動トルクが小さくなる可能性は低い。したがって、このような構成の潤滑対象機構の場合には、ステップST31〜ステップST33の一連の処理を行う必要性は低い。
R…ロボット、C1…基台、C2…旋回台、C3…第1アーム、C4…第2アーム、C5…第3アーム、C6…第4アーム、C7…第5アーム、C8…ツール固定部材、40…減速機構、40a…内部空間、43…第1歯車、44…第2歯車、45…歯車ハウジング、46…温度センサ、50…潤滑油供給装置、51…排出油路、52…排出弁、55…供給油路、56…ポンプ、59…供給弁、60…電熱ヒータ、RC…ロボット制御装置、71…主制御部。

Claims (3)

  1. 潤滑対象機構の内部に潤滑油を供給する供給部と、
    前記潤滑対象機構の内部から潤滑油を排出する排出部と、
    前記潤滑対象機構の内部温度を検出する温度検出部と、
    前記潤滑対象機構を駆動する際の駆動トルクを示す駆動トルク信号が入力される制御部とを備え、
    前記制御部は、入力された駆動トルク信号が示す駆動トルクがしきい値以上であり、且つ、前記温度検出部が検出した内部温度が、潤滑油の昇温が必要な第1基準温度以上、当該第1基準温度よりも高い第2基準温度未満である場合には、前記潤滑対象機構の内部の潤滑油の量が減少するように、前記供給部又は前記排出部を制御することを特徴とする潤滑油供給装置。
  2. 前記潤滑対象機構の内部の潤滑油の温度を調整する調温部を備え、
    前記制御部は、入力された駆動トルク信号が示す駆動トルクがしきい値以上であり、且つ前記温度検出部が検出した内部温度が前記第1基準温度未満である場合には、前記潤滑対象機構の内部に供給されている潤滑油の温度が上昇するように前記調温部を制御することを特徴とする請求項1に記載の潤滑油供給装置。
  3. 前記制御部は、入力された駆動トルク信号が示す駆動トルクがしきい値以上であり、且つ、前記温度検出部が検出した内部温度が、前記第2基準温度以上である場合には、前記潤滑対象機構の内部の潤滑油の量が増加するように前記供給部及び前記排出部の少なくとも一方を制御することを特徴とする請求項2に記載の潤滑油供給装置。
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