JP6485903B2 - 芳香族ビニル化合物系重合体の製造用重合触媒及び芳香族ビニル化合物系重合体の製造方法 - Google Patents
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Description
メタロセン触媒においては、シクロペンタジエニル配位子の選択や置換基の導入等により、重合時におけるモノマーの中心金属に対する配位方向を制御することができ、当該触媒を用いることで特定の立体規則性(アイソタクチック性やシンジオタクチック性等)を有する重合体を製造することができる。
また、メタロセン錯体中の中心金属に関しては、従来はチタン、ジルコニウム、ハフニウム等の4族遷移金属がよく用いられていたが、近年、スカンジウム、イットリウム、ランタン等の3族遷移金属やランタノイド金属を用いるメタロセン錯体を用いた重合反応が報告されている。
例えば、特許文献1は、スカンジウム、イットリウム、ランタン又はランタニド金属を利用する有機金属錯体や、当該錯体を用いて極性若しくは非極性オレフィン性不飽和モノマー又はラクトンを(共)重合させて(共)重合体を製造する方法を開示する。
シンジオタクチックポリマーを製造する際の触媒に関しても、4族遷移金属以外の金属を利用するメタロセン触媒についての報告があり、例えば、特許文献2は、第3族金属原子またはランタノイド金属原子を含む有機金属錯体を含む重合触媒組成物およびそれを用いて得られるシンジオタクチシティーが高い重合体を開示する。
例えば、特許文献1の課題として、種々のモノマーを配位重合して均質で高純度の生成物を工業的規模で得ることができる安定な金属錯体を見出すことが挙げられているが、特許文献1には工業的規模で行う際の特有の問題について記載がなく、また実施例で開示する態様は実験室規模で実施したものである。ここで挙げられた実施例は極めて活性が低く,工業的規模で重合体を得るには特許文献1に記載の技術は十分ではない。
また、一般に、工業的規模でシンジオタクチックポリマーを製造する際には高い生産性が求められるが、触媒の重合活性改善による効果はこれに留まらず、使用触媒量が低減できるためコストダウンが可能となるとと共に、環境への負荷を低減でき、かつこれを用いて生産されるポリマー中の触媒残渣をも低減でき、品質の向上にも繋がる。
有機アルミニウム化合物を用いる場合、アルミニウム原子のベータ位に水素を有する炭化水素基をもつ有機アルミニウム化合物(以下、「ベータ水素を有する有機アルミニウム化合物」ともいう。)は、ベータ位の水素が脱離することにより生じるアルミニウム−水素結合を含む有機アルミニウム化合物と、同時に生成する炭素−炭素二重結合を含むアルケンとの平衡があるため、アルミニウム−水素結合を含む有機アルミニウム化合物が不純物として存在し、この化合物は次のように、メタロセン触媒系で失活種を形成して重合活性を低下させる。
多核のクラスター構造は、単核錯体と比べてモノマーの挿入速度が遅くなるため、重合活性が低い、もしくは重合活性を示さない。
したがって、ベータ水素を有する有機アルミニウム(R1 3Al)(以下、単に「有機アルミニウム」または「トリアルキルアルミニウム」ということがある。)中に、微量に存在するジアルキルアルミニウムヒドリド(R1 2AlH)の含量をできるだけ少なくすることが好ましい。
1.式(1)で示される有機アルミニウム化合物と式(2)で示される有機アルミニウム化合物と遷移金属錯体とを含む芳香族ビニル化合物系重合体の製造用重合触媒であって、式(2)で示される有機アルミニウム化合物が、式(1)で示される有機アルミニウム化合物に対し0.08モル%以下である有機アルミニウム組成物であり、前記遷移金属錯体が、式(4)で示される遷移金属錯体を含む、芳香族ビニル化合物系重合体の製造用重合触媒。
ここで各R1は、それぞれ独立に、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数7〜20のアリールアルキル基を示し、式(1)の三つのR1のうち少なくとも一つは、ベータ位に水素を有する炭素数2〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数8〜20のアリールアルキル基を示す。
MXaYb (4)
ここでMはスカンジウムを示し、Xはハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数1〜20のアミノ基、炭素数1〜20のシリル基、炭素数1〜20のホスフィド基、炭素数1〜20のスルフィド基、炭素数1〜20のアシル基、アリル基、トリアゼニル基、シクロプロペニル基、アミジネート基、以下の式(i)〜(v)のいずれかで表されるη5結合性環状配位子のいずれかを示し、Yはルイス塩基を示す。aは3を示し、bは0、1、2または3を示す。
ここでR 1 〜R 45 は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリーロキシ基、炭素数1〜20のチオアルコキシ基、炭素数6〜20のチオアリーロキシ基、アミノ基、アシロキシ基又はアルキルシリル基を示し、R 1 〜R 33 は互いに同一でも異なっていてもよく、c、d、e及びfは1以上の整数を示す。
2.式(1)で示される有機アルミニウム化合物と式(2)で示される有機アルミニウム化合物を含む組成物に対して、式(3)で示される化合物を、式(2)で示される有機アルミニウム化合物に対してモル比で0.5倍以上10倍以下添加することにより得られる有機アルミニウム組成物を含む、上記1に記載の芳香族ビニル化合物系重合体の製造用重合触媒。
ここでR7とR8は、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアリールアルキル基あるいはR9 3Si基で示されるシリル基で、R7とR8の少なくとも一方はR9 3Si基で示されるシリル基であり、R9は、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数7〜20のアリールアルキル基のいずれかである。
3.式(1)で示される有機アルミニウム化合物と式(2)で示される有機アルミニウム化合物を含む組成物に対して、式(3)で示される化合物を、式(2)で示される有機アルミニウム化合物に対してモル比で1.0倍以上10倍以下添加することにより得られる有機アルミニウム組成物を含む、上記1に記載の芳香族ビニル化合物系重合体の製造用重合触媒。
ここでR 7とR8は、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアリールアルキル基あるいはR9 3Si基で示されるシリル基で、R7とR8の少なくとも一方はR9 3Si基で示されるシリル基であり、R9は、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数7〜20のアリールアルキル基のいずれかである。
4.遷移金属錯体が、ハーフメタロセン錯体とイオン性化合物の反応生成物である上記1〜3のいずれかに記載の芳香族ビニル化合物系重合体の製造用重合触媒。
5.上記1〜4のいずれかに記載の芳香族ビニル化合物系重合体の製造用重合触媒により芳香族ビニル化合物を含むモノマーを重合する芳香族ビニル化合物系重合体の製造方法。
6.芳香族ビニル化合物を単独重合する上記5に記載の芳香族ビニル化合物系重合体の製造方法。
7.前記モノマーがさらにオレフィン系モノマーを含む上記5に記載の芳香族ビニル化合物系重合体の製造方法。
8.オレフィンモノマーが、モノオレフィン誘導体又はジエン誘導体である上記7に記載の芳香族ビニル化合物系重合体の製造方法。
なお、シリルアセチレン誘導体は、R1 3Alとは反応せず、R1 2AlHとのみ反応する添加剤であり、シリルアセチレン誘導体そのもの及びR1 2AlHとの反応生成物は、重合阻害剤(失活剤)とはならない。
本発明の有機アルミニウム組成物は、式(1)で示される有機アルミニウム化合物(トリアルキルアルミニウム)と式(2)で示される有機アルミニウム化合物(ジアルキルアルミニウムヒドリド)を含む組成物であって、式(2)で示される有機アルミニウム化合物が、全有機アルミニウム化合物中0.08モル%以下である有機アルミニウム組成物である。
ここで各R1は、それぞれ独立に、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数7〜20のアリールアルキル基を示し、式(1)の三つのR1のうち少なくとも一つは、ベータ位に水素を有する炭素数2〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数8〜20のアリールアルキル基を示す。
本発明では、そのように式(2)のジアルキルアルミニウムヒドリドを含む有機アルミニウム化合物(トリアルキルアルミニウム)に、後述するシリルアセチレン誘導体(トリアルキルシリル基やトリアリールアルキルシリル基などのシリル基をもつ二置換アセチレン)を、式(2) のジアルキルアルミニウムヒドリドに対してモル比で1.0倍以上10倍以下添加することにより、式(2)のジアルキルアルミニウムヒドリドを全有機アルミニウム化合物中0.08モル%以下とした上記有機アルミニウム組成物を得るものである。
全有機アルミニウム化合物中のジアルキルアルミニウムヒドリド含量が主触媒である遷移金属に対し3倍(モル%)以上であれば、メタロセン触媒あるいはハーフメタロセン触媒等の均一系触媒による芳香族ビニル化合物の重合では、活性が低くなる。これは、アルミニウム‐水素結合が遷移金属錯体との反応で金属‐水素結合をつくりやすく、その結果として多核のクラスター構造を形成するために失活するからである。一方、有機アルミニウム(トリアルキルアルミニウム)はスカベンジャーとしても作用させる必要があり、通常は遷移金属に対して数十倍から数百倍モル入れる必要があるため、有機アルミニウム(トリアルキルアルミニウム)中の不純物である触媒成分中のジアルキルアルミニウムヒドリド含量が多くなることによる。従って、遷移金属錯体あたりの充分な活性を引出すためには、これを遷移金属錯体に対し3倍(モル%)以下にする必要があり、実質的には式(2) のジアルキルアルミニウムヒドリドに対してモル比で0.5倍以上10倍以下の化合物(3)を添加することで高活性化を達成できる。
有機アルミニウム組成物の調製は、触媒調製槽または後述する重合を行う重合反応器内において、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下、通常、1分〜60分程度、0〜50℃で撹拌操作を行う。
炭素数5〜20の環状飽和炭化水素溶媒の具体例としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン、デカリン等が挙げられ、炭素数5〜20の非環状飽和炭化水素溶媒の具体例としては、各種ヘキサン(直鎖あるいは分岐構造をもつC6H14の組成からなる化合物)、各種ヘプタン(直鎖あるいは分岐構造をもつC7H16の組成からなる化合物)、各種オクタン(直鎖あるいは分岐構造をもつC8H18の組成からなる化合物)等が挙げられ、芳香族炭化水素溶媒の具体例としては、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン類等が挙げられる。
好ましくは、シクロヘキサン、ノルマルヘキサン、ノルマルヘプタン、トルエンである。
前記式(1)のトリアルキルアルミニウムとしては、3つのR1が、それぞれ独立に炭素数3〜8のアルキル基であることが好ましい。アルキル基の炭素数が3〜8の範囲であれば十分な重合活性が得られる。炭素数3〜8のアルキル基としては、各種プロピル基、各種ブチル基、各種ペンチル基、各種オクチル基が挙げられる。
該トリアルキルアルミニウムの具体例としては、例えば、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−t−ブチルアルミニウム、トリ−n−ペンチルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウムが挙げられる。好ましくは、ノルマルブチル基、ノルマルヘキシル基、ノルマルオクチル基である。
本発明において、前記トリアルキルアルミニウムは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、前記の如く、トリアルキルアルミニウムには、不純物としてジアルキルアルミニウムヒドリドが通常0.1〜2モル%程度含有される。
トリアルキルアルミニウムから、不純物として含まれるジアルキルアルミニウムヒドリドを選択的に除くのは、甚だ困難であるが、本発明では、常温付近でアルミニウム−炭素結合とは反応せず、かつ、微量のアルミニウム−水素結合とは反応し、さらにその反応生成物が触媒の失活に影響しない試薬として、下記式(3)のシリルアセチレン誘導体(トリアルキルシリル基やトリアリールアルキルシリル基などのシリル基をもつ二置換アセチレン)を見出した。
一置換アセチレンであれば、水素(H−C≡)の酸性度が高いためにこれが酸として働き、また、トリアルキルアルミニウムとも反応する。また、ジアルキル型の二置換アセチレンであれば、立体障害が大きくなり、トリアルキルアルミニウムに不純物として含まれるジアルキルアルミニウムヒドリドによるアルミニウム−水素付加体を導くには高温が必要であるが、高温にすればトリアルキルアルミニウムのベータ水素脱離が促進されてしまい、高活性化には繋がらない。
しかし、トリアルキルシリル基は、炭素−ケイ素の結合距離が炭素−炭素結合距離に比べて長いため、大きな立体障害になりにくく、またアルファ炭素アニオンをπ-σ*(シグマスター)共役効果により安定化させる作用があるために反応を促進させる効果がある。
R7およびR8においてより好適なのは、アルキル基がメチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、ノルマルヘキシル基、ノルマルヘプチル基、ノルマルオクチル基、また、シリル基が、R9 3Si基として、より好適なのは、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、ターシャリーブチルジメチルシリル基である。
そして、R7およびR8のうち少なくとも一つはシリル基である。
本発明の重合触媒は、周期律表第3族またはランタノイド系列の遷移金属を含む有機金属錯体、上記の有機アルミニウム組成物、および非配位性アニオンとカチオンからなるイオン性化合物を接触させて得る遷移金属錯体触媒である。
ここで、触媒成分の一つとして重合系に水素を加えてもよい。水素は、失活した触媒を再活性化するとともに、連鎖移動剤としても作用し、分子量や分子量分布の調整にも役立つ。
重合触媒の調製は、触媒調製槽または後述する重合を行う重合反応器内において、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下、接触操作を行うことが望ましい。
重合触媒を保存する際の温度に関しては特に制限はない。例えば−40〜60℃が挙げられ、−20〜30℃が好ましく、−20℃〜0℃がより好ましい。
また、重合触媒を保存する際は、窒素ガス等の不活性ガスの存在下で保存することが好ましい。
水素を重合系中に加える場合、水素の圧力は任意であるが、通常は0.0001〜10MPa、好ましくは、0.001〜5MPaである。
有機金属錯体としては、例えば、以下の式(4)で表されるものが挙げられる。
MXaYb (4)
[式(4)中、Mは周期律表第3族またはランタノイド系列の遷移金属を示し、Xは、σ結合又はπ結合を介してMと結合するアニオン性配位子を示し、Yはルイス塩基を示す。aはMの価数、bは0、1、2または3を示す。]
前記Xで表されるπ結合を介してMと結合するアニオン性配位子としては、アリル基、トリアゼニル基、シクロプロペニル基、アミジネート基、以下の式(i)〜(v)のいずれかで表されるη5結合性環状配位子が挙げられる。
式(ii)のインデニルπ配位子の具体例としては、インデニル基、1,3−ジイソプロピルインデニル基、1,3−ジイソプロピル−2−メチルインデニル基、1,2,3−トリイソプロピルインデニル基、1,3−ジイソプロピル−2,4,7−トリメチルインデニル基、1,3−ジイソプロピル−2,4,5,6,7−ペンタメチルインデニル基等が挙げられる。
式(iii)の縮合多環式シクロペンタジエニルπ配位子の具体例としては、4,5,6,7−テトラヒドロインデニル基、1−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロインデニル基、1,2−ジメチル−4,5,6,7−テトラヒドロインデニル基、1,3−ジメチル−4,5,6,7−テトラヒドロインデニル基、1,2,3−トリメチル−4,5,6,7−テトラヒドロインデニル基、2―メチル−4,5,6,7−テトラヒドロインデニル基、1−エチル−4,5,6,7−テトラヒドロインデニル基、1−エチル−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロインデニル基、1−エチル−3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロインデニル基、1−エチル−2,3−ジメチル−4,5,6,7−テトラヒドロインデニル基、1,2−ジエチル−4,5,6,7−テトラヒドロインデニル基、1,2−ジエチル−3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロインデニル基、1,3−ジエチル−4、5、6、7−テトラヒドロインデニル基、1,3−ジエチル−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロインデニル基、1,2,3−トリエチル−4,5,6,7−テトラヒドロインデニル基、2−エチル−4,5,6,7−テトラヒドロインデニル基、1−メチル−2―エチル−4,5,6,7−テトラヒドロインデニル基、1,3−ジメチル−2―エチル−4,5,6,7−テトラヒドロインデニル基、テトラヒドロペンタレニル基、1−メチルテトラヒドロペンタレニル基、2−メチルテトラヒドロペンタレニル基、1,2−ジメチルテトラヒドロペンタレニル基、1,3−ジメチルテトラヒドロペンタレニル基、1,2,3−トリメチルテトラヒドロペンタレニル基、ヘキサヒドロアズレニル基、1−メチルヘキサヒドロアズレニル基、2−メチルヘキサヒドロアズレニル基、1,2−ジメチルヘキサヒドロアズレニル基、1,3−ジメチルヘキサヒドロアズレニル基、1,2,3−トリメチルヘキサヒドロアズレニル基等が挙げられる。
好ましくは、(1,2,3,4−テトラヒドロフルオレニル)スカンジウムジベンジル(THF)錯体(THF:テトラヒドロフラン)、(9−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロフルオレニル)スカンジウムジベンジル(THF)錯体、(9−エチル−1,2,3,4−テトラヒドロフルオレニル)スカンジウムジベンジル(THF)錯体、(9−nプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロフルオレニル)スカンジウムジベンジル(THF)錯体、(9−nプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロフルオレニル)スカンジウムジベンジル(THF)錯体、(9−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロフルオレニル)スカンジウムジベンジル(THF)錯体、9−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロフルオレニル)スカンジウムジベンジル(THF)錯体、である。
前記非配位性アニオンとカチオンからなるイオン性化合物としては、例えば、非配位性アニオンと置換又は無置換のトリアリールカルベニウムとからなるイオン性化合物や、非配位性アニオンと置換又は無置換のアニリニウムからなるイオン性化合物が挙げられる。
(BZ1Z2Z3Z4)− (5)
式(5)中、Z1〜Z4は、それぞれ独立に、水素原子、ジアルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基(ハロゲン置換アリール基を含む)、アルキルアリール基、アリールアルキル基、置換アルキル基、有機メタロイド基又はハロゲン原子を示す。
〔CR47R48R49〕+ (6)
式(6)中、R47、R48及びR49は、それぞれフェニル基,置換フェニル基,ナフチル基及びアントラセニル基等のアリール基であって、それらは互いに同一であっても、異なっていてもよい。
C6H5−kR50 k (7)
式(7)中、R50は、炭素数1〜10のヒドロカルビル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、チオアルコキシ基、チオアリーロキシ基、アミノ基、アシロキシ基、アミド基、カルボキシル基及びハロゲン原子を示し、kは1〜5の整数である。kが2以上の場合、複数のR50は同一であってもよく、異なっていてもよい。
また、置換又は無置換のアニリニウムの具体例としては例えば、N,N−ジメチルアニリニウムが挙げられる。
本発明において、前記イオン性化合物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組合わせて用いてもよい。
本発明の芳香族ビニル化合物系重合体の製造方法は、上記の有機金属錯体、有機アルミニウム組成物およびイオン性化合物を接触させて得た遷移金属錯体触媒を用いてモノマーの重合を行うものである。
なお、遷移金属錯体触媒調製時にモノマーを少量添加することで予備重合が起り、触媒系が高活性化する。
また、重合は、重合反応器内で窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下に行われる。
本発明の重合体の製造方法において用いられるモノマーとしては芳香族ビニル化合物や芳香族ビニル化合物との共重合に用いるオレフィン系モノマーが挙げられる。
芳香族ビニル化合物としては、各種のものがあるが、下記式(8)で表されるものが好ましい。
芳香族ビニル化合物およびオレフィン系モノマーを原料として共重合を行う場合、得られる共重合体中の芳香族ビニル化合物単位の含有量は、好ましくは5〜99モル%であり、より好ましくは40〜95モル%である。すなわち、オレフィン系モノマー単位の含有量は、好ましくは1〜95モル%であり、より好ましくは5〜60モル%である。
オレフィン系モノマー単位の含有量が、上記範囲内であることで、芳香族ビニル化合物単独重合体に対し、靱性や成形性を改良することができる。
本発明の芳香族ビニル化合物等の重合における転化率は、35%以上が好ましく、40%以上がより好ましく、45%以上がさらに好ましい。ここで、本発明の芳香族ビニル化合物等の重合における転化率は高いほど好ましいが、例えば、90%以下でもよく、80%以下でもよく、70%以下であってもよい。
本発明で得られる重合体が、芳香族ビニル化合物をモノマーとして用いて得られる芳香族ビニル化合物重合体(共重合体を含む。)である場合、シンジオタクチック構造を有することが好ましい。すなわち、該重合体に含まれる芳香族ビニル化合物から構成される繰り返し単位が連続している場合に、その繰り返し単位の芳香環が、高分子主鎖がつくる平面に対して、交互に配置している割合(シンジオタクチシティー)が高いことが好ましい。そして、シンジオタクチシティーは、芳香族ビニル化合物から構成される繰り返し単位連鎖の立体規則性[rrrr]で表すことができる。本発明の重合体において、立体規則性[rrrr]は、好ましくは80モル%以上、より好ましくは95モル%以上、さらに好ましくは98モル%以上である。80モル%未満であると、シンジオタクチック構造の特徴である耐熱性が低下する。
立体規則性[rrrr]とは、芳香族ビニル化合物重合体中のペンタッド(五連鎖)単位でのラセミ分率(モル%)であり、立体規則性分布を表す指標である。この立体規則性[rrrr]は、エイ・ザンベリ(A.Zambelli)等により「Macromolecules,6,925(1973)」で提案された方法に準拠し、13C−NMRスペクトルの測定によって算出することができる。具体的には、共重合体中のスチレン連鎖のフェニルC1炭素領域(146.3ppm〜144.5ppm)のうち、ノイズ(サテライトピークやスピニングサイドバンド)を除いたピークの分率で表される。
分子量分布は、ゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)法により測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)から与えられる。GPCの測定は、例えば、GPCカラムShodex UT806L(GLサイエンス社製)を用いて、温度145℃、溶媒1,2,4−トリクロロベンゼン、流速1.0ml/分の条件で行うことができる。
また、本発明の製造方法により得られる重合体の重量平均分子量は特に限定されないが、耐衝撃性の観点から、ポリスチレン換算の重量平均分子量で、通常、10,000〜3,000,000、好ましくは50,000〜900,000の範囲である。
また、重量平均分子量は、分子量の指標である極限粘度[η]を測定することにより求めることができる。実施例において、極限粘度[η]は、(株)離合社製粘度計(VMR−053U−PC・F01)、ウベローデ型粘度管(測時球容積:2〜3ml、毛細管直径:0.44〜0.48mm)、溶媒として1,2,4−トリクロルベンゼンを用いて、0.02〜0.16g/dLの溶液を145℃にて測定した。本発明により得られる重合体を極限粘度[η]で表すと、通常、0.1〜16dl/g(重量平均分子量で10,000〜3,000,000)、好ましくは0.2〜5.0dl/g(重量平均分子量で50,000〜900,000)の範囲である。
分析例1
市販のトリ−n−ブチルアルミニウム(1.0M−トルエン溶液、ケムチュラ社製、ロット番号81908)の1H−NMRを測定した。
3.75ppmから3.84ppmにアルミニウムに結合した水素のピークが観測され、その面積とメチル基由来のピークの面積の比から、トリ−n−ブチルアルミニウム中に含まれるジ−n−ブチルアルミニウムヒドリド含量は、1.5モル%と算出した。
(1H−NMR測定)
装置:JEOL RESONANCE ECA500
共鳴周波数:500MHz
基準:2.10ppm(トルエン)
分析例1のトリ−n−ブチルアルミニウムに、含有されるジ−n−ブチルアルミニウムヒドリドに対してモル比で4倍量の1−トリメチルシリルヘキシンを添加した生成物の1H−NMRを同様に測定したところ、3.75ppmから3.84ppmに観測されるアルミニウムに結合した水素のピークは消滅しており、定量不能(定量可能限界値以下)であった。
定量不能であることは、トリ−n−ブチルアルミニウム中に含まれるジ−n−ブチルアルミニウムヒドリド含量は0.05モル%以下であることを意味する。
分析例3
分析例1のトリ−n−ブチルアルミニウムに、含有されるジ−n−ブチルアルミニウムヒドリドに対してモル比で6.7倍量の1−トリメチルシリルヘキシンを添加した生成物の1H−NMRを同様に測定したところ、3.75ppmから3.84ppmに観測されるアルミニウムに結合した水素のピークは消滅しており、定量不能(定量可能限界値以下)であった。
加熱乾燥した容器に対して、窒素雰囲気下、室温で、アルミニウムヒドリド化合物がジ−n−ブチルアルミニウムヒドリド(DNBAH)換算で1.5mol%含まれる1Mのトリ−n−ブチルアルミニウム(TNBA)のトルエン溶液を5.0mL添加した。これに対し、1−トリメチルシリル−1−ヘキシン(TMSH)を10μL添加し、30分以上撹拌することにより、TMSH1.0mol%含有TNBAトルエン溶液(1.0M)を調製した。
製造例2 有機アルミニウム組成物2(TMSH6.0mol%添加)溶液の調製
加熱乾燥した容器に対して、窒素雰囲気下、室温で、アルミニウムヒドリド化合物がジ−n−ブチルアルミニウムヒドリド(DNBAH)換算で1.5mol%含まれる1Mのトリ−n−ブチルアルミニウム(TNBA)のトルエン溶液を5.0mL添加した。これに対し、1−トリメチルシリル−1−ヘキシン(TMSH)を61μL添加し、30分以上撹拌することにより、TMSH6.0mol%含有TNBAトルエン溶液(1.0M)を調製した。
加熱乾燥した容器に対して、窒素雰囲気下、室温で、アルミニウムヒドリド化合物がジ−n−ブチルアルミニウムヒドリド(DNBAH)換算で1.5mol%含まれる1Mのトリ−n−ブチルアルミニウム(TNBA)のトルエン溶液を5.0mL添加した。これに対し、1−トリメチルシリル−1−ヘキシン(TMSH)を101μL添加し、30分以上撹拌することにより、TMSH10mol%含有TNBAトルエン溶液(1.0M)を調製した。
製造例4 有機アルミニウム組成物4(TMSP1.0mol%添加)溶液の調製
製造例1において、TMSHを1−トリメチルシリル−プロピン(TMSP)とし、その添加量を7.4μLとした。それ以外は同様の操作によりTMSP1.0mol%含有TNBAトルエン溶液(1.0M)を調製した。
製造例1において、TMSHをビス(トリメチルシリル)アセチレン(BTMSA)とし、その添加量を11μLとした。それ以外は同様の操作によりBTMSA1.0mol%含有TNBAトルエン溶液(1.0M)を調製した。
製造例6 有機アルミニウム組成物6(PhTMSA1.0mol%添加)溶液の調製
製造例1において、TMSHを1−フェニル−2−トリメチルシリルアセチレン(PhTMSA)とし、その添加量を10μLとした。それ以外は同様の操作によりPhTMSA1.0mol%含有TNBAトルエン溶液(1.0M)を調製した。
加熱乾燥した200mLの容器に対し、窒素雰囲気下で三塩化スカンジウムトリス(テトラヒドロフラン)付加体2.6gとヘキサン70mLを入れて撹拌し、白色スラリーを得た。この容器をドライアイス−エタノールバスに浸し、内温を−30℃に保った。この容器に対して、9−リチオ−(9−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロフルオレン)2gとヘキサン40mLからなる淡黄色スラリーを加え、強撹拌した。容器からドライアイス−エタノールバスを取り外し、室温で5時間撹拌を続けた。得られた淡黄色スラリーの溶媒を減圧留去して単黄色固体を得た。ヘキサンによりこの固体を洗浄した。得られた固体に対してトルエン40mLを加えて撹拌した。この容器を氷浴に浸し、内温を0℃に保った。この容器に対して、2Mのベンジルマグネシウムクロリドのテトラヒドロフラン溶液を12.5mL加えた。容器から氷浴を取り外し、室温で48時間撹拌を続けた。得られた淡緑白色スラリーの溶媒を減圧留去し、茶褐色の粘張な固体を得た。得られた固体に対してヘキサン80mLを入れて撹拌し、容器を65℃のオイルバスに浸して1時間撹拌を継続した。得られた茶褐色スラリーからヘキサン可溶成分を抽出した後、溶媒を減圧留去して茶褐色の粘張な固体を得た。−20℃において得られた固体をエーテルにより洗浄した。固体中に残留した溶媒を減圧留去することによって黄色パウダーとして(9−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロフルオレニル)ジベンジルスカンジウムテトラヒドロフラン付加体を1.9g得た。収率は54%であった。
加熱乾燥した30mLのワインボトル型バイアル瓶に、窒素雰囲気下、室温で、予めアルミナカラムにより精製したスチレン5mL、製造例1で得られた有機アルミニウム組成物1溶液(TMSH1.0mol%添加TNBAトルエン溶液(1.0M))を9.5μL加え、インナーキャップ及びアルミシールにより封印した。このワインボトル型バイアル瓶を60℃のウォーターバスに入れた。
別の加熱乾燥した容器に、窒素雰囲気下、室温で、トルエン7.6mL、製造例1で得られた有機アルミニウム組成物1溶液(TMSH1.0mol%添加TNBAトルエン溶液(1.0M))0.23mL、スチレンモノマー0.02mL、製造例7で得られた(9−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロフルオレニル)ジベンジルスカンジウムテトラヒドロフラン付加体のトルエン溶液0.13mL(80mM)、ジメチルアニリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレートのトルエン溶液12mL(1.0mM)をこの順で接触させ、触媒を調製した。当該触媒を25℃で1時間撹拌し、上記バイアル瓶にこの触媒を40μL加えて、重合反応を行った。30分後に反応系にメタノールを加えて重合を停止し、得られたポリマーを200℃、3時間で乾燥した。
転化率は57.9質量%であった。また、得られたポリスチレンの立体規則性〔rrrr〕は99%であった。
実施例1において、製造例1で得られた有機アルミニウム組成物1溶液(TMSH1.0mol%添加TNBAトルエン溶液(1.0M))を、製造例2で得られた有機アルミニウム組成物2溶液(TMSH6.0mol%添加TNBAトルエン溶液(1.0M))に変更した。それ以外は実施例1と同様の操作により行った。転化率は59.1%であった。また、得られたポリスチレンの立体規則性〔rrrr〕は99%であった。
実施例3
実施例1において、製造例1で得られた有機アルミニウム組成物1溶液(TMSH1.0mol%添加TNBAトルエン溶液(1.0M))を、製造例3で得られた有機アルミニウム組成物3溶液(TMSH10mol%添加TNBAトルエン溶液(1.0M))に変更した。それ以外は実施例1と同様の操作により行った。転化率は46.8%であった。また、得られたポリスチレンの立体規則性〔rrrr〕は99%であった。
実施例1において、製造例1で得られた有機アルミニウム組成物1溶液(TMSH1.0mol%添加TNBAトルエン溶液(1.0M))を、製造例4で得られた有機アルミニウム組成物4溶液(TMSP1.0mol%添加TNBAトルエン溶液(1.0M))に変更した。それ以外は実施例1と同様の操作により行った。転化率は41.3%であった。また、得られたポリスチレンの立体規則性〔rrrr〕は99%であった。
実施例5
実施例1において、製造例1で得られた有機アルミニウム組成物1溶液(TMSH1.0mol%添加TNBAトルエン溶液(1.0M))を、製造例5で得られた有機アルミニウム組成物5溶液(BTMSA1.0mol%添加TNBAトルエン溶液(1.0M))に変更した。それ以外は実施例1と同様の操作により行った。転化率は42.2%であった。また、得られたポリスチレンの立体規則性〔rrrr〕は99%であった。
実施例6
実施例1において、製造例1で得られた有機アルミニウム組成物1溶液(TMSH1.0mol%添加TNBAトルエン溶液(1.0M))を、製造例6で得られた有機アルミニウム組成物6溶液(PhTMSA1.0mol%添加TNBAトルエン溶液(1.0M))に変更した。それ以外は実施例1と同様の操作により行った。転化率は37.3%であった。また、得られたポリスチレンの立体規則性〔rrrr〕は99%であった。
実施例1において、製造例1で得られた有機アルミニウム組成物1溶液(TMSH1.0mol%添加TNBAトルエン溶液(1.0M))を、アルミニウムヒドリド化合物がジ−n−ブチルアルミニウムヒドリド(DNBAH)換算で1.5mol%含まれるTNBAトルエン溶液(1.0M)に変更した。それ以外は実施例1と同様の操作により行った。転化率は33.7%であった。また、得られたポリスチレンの立体規則性〔rrrr〕は99%であった。
Claims (8)
- 式(1)で示される有機アルミニウム化合物と式(2)で示される有機アルミニウム化合物を含む組成物と遷移金属錯体とを含む芳香族ビニル化合物系重合体の製造用重合触媒であって、式(2)で示される有機アルミニウム化合物が、全有機アルミニウム化合物中0.08モル%以下である有機アルミニウム組成物であり、前記遷移金属錯体が、式(4)で示される遷移金属錯体を含む、芳香族ビニル化合物系重合体の製造用重合触媒。
ここで各R1は、それぞれ独立に、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数7〜20のアリールアルキル基を示し、式(1)の三つのR1のうち少なくとも一つは、ベータ位に水素を有する炭素数2〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数8〜20のアリールアルキル基を示す。
MXaYb (4)
ここでMはスカンジウムを示し、Xはハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数1〜20のアミノ基、炭素数1〜20のシリル基、炭素数1〜20のホスフィド基、炭素数1〜20のスルフィド基、炭素数1〜20のアシル基、アリル基、トリアゼニル基、シクロプロペニル基、アミジネート基、以下の式(i)〜(v)のいずれかで表されるη5結合性環状配位子のいずれかを示し、Yはルイス塩基を示す。aは3を示し、bは0、1、2または3を示す。
ここでR 1 〜R 45 は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリーロキシ基、炭素数1〜20のチオアルコキシ基、炭素数6〜20のチオアリーロキシ基、アミノ基、アシロキシ基又はアルキルシリル基を示し、R 1 〜R 33 は互いに同一でも異なっていてもよく、c、d、e及びfは1以上の整数を示す。 - 式(1)で示される有機アルミニウム化合物と式(2)で示される有機アルミニウム化合物を含む組成物に対して、式(3)で示される化合物を、式(2)で示される有機アルミニウム化合物に対してモル比で0.5倍以上10倍以下添加することにより得られる有機アルミニウム組成物を含む、請求項1に記載の芳香族ビニル化合物系重合体の製造用重合触媒。
ここでR7とR8は、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアリールアルキル基あるいはR9 3Si基で示されるシリル基で、R7とR8の少なくとも一方はR9 3Si基で示されるシリル基であり、R9は、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数7〜20のアリールアルキル基のいずれかである。 - 式(1)で示される有機アルミニウム化合物と式(2)で示される有機アルミニウム化合物を含む組成物に対して、式(3)で示される化合物を、式(2)で示される有機アルミニウム化合物に対してモル比で1.0倍以上10倍以下添加することにより得られる有機アルミニウム組成物を含む、請求項1に記載の芳香族ビニル化合物系重合体の製造用重合触媒。
ここでR 7とR8は、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアリールアルキル基あるいはR9 3Si基で示されるシリル基で、R7とR8の少なくとも一方はR9 3Si基で示されるシリル基であり、R9は、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数7〜20のアリールアルキル基のいずれかである。 - 遷移金属錯体が、ハーフメタロセン錯体と、非配位性アニオンとカチオンからなるイオン性化合物の反応生成物である請求項1〜3のいずれかに記載の芳香族ビニル化合物系重合体の製造用重合触媒。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の芳香族ビニル化合物系重合体の製造用重合触媒により芳香族ビニル化合物を含むモノマーを重合する芳香族ビニル化合物系重合体の製造方法。
- 芳香族ビニル化合物を単独重合する請求項5に記載の芳香族ビニル化合物系重合体の製造方法。
- 前記モノマーがさらにオレフィン系モノマーを含む請求項5に記載の芳香族ビニル化合物系重合体の製造方法。
- オレフィンモノマーが、モノオレフィン誘導体又はジエン誘導体である請求項7に記載の芳香族ビニル化合物系重合体の製造方法。
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