JP6485464B2 - 光触媒材料、光触媒材料の製造方法、抗ウイルス剤、抗菌剤、光触媒コーティング組成物、及び光触媒塗装体 - Google Patents

光触媒材料、光触媒材料の製造方法、抗ウイルス剤、抗菌剤、光触媒コーティング組成物、及び光触媒塗装体 Download PDF

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本発明は、光触媒材料、その光触媒材料の製造方法、その光触媒材料を含有する抗ウイルス剤及び抗菌剤、その光触媒材料を用いた光触媒コーティング組成物、並びにその光触媒コーティング組成物を用いた光触媒塗装体に関する。
酸化チタン(TiO)を用いた光触媒は、安価で化学的安定性に優れ、高い光触媒活性(有機化合物分解性及び抗菌性能等)を有し、人体に無害であること等により、広く用いられている。この酸化チタンに金属銅又は銅化合物を担持させ、又は混合したものは、優れた光触媒材料又は抗ウイルス剤となることが知られている。例えば、特許文献1には、ウイルス伝染を減少させる及び/又は防止するための、一般式Mの化合物のナノ粒子の使用が記載されており、また、このナノ粒子として、TiO及びCuOの組合せが列挙されている。また、特許文献1には、上記のような酸化チタンと金属銅又は銅化合物との組合せにおいて、酸化チタンの結晶型に着目し、酸化チタンとしてアナターゼ型酸化チタンを用いることにより抗ウイルス性能を向上させることが記載されている。
特許文献2には、CuO/TiO(質量%比)=1.0〜3.5の範囲で銅を含有するアナターゼ型酸化チタンからなるファージ・ウイルスの不活性化剤が記載されている。また、特許文献2には、銅を含むアナターゼ型酸化チタンが、紫外線照射下でファージ・ウイルスを不活化することを見出して発明を完成したと記載されている。
さらに、特許文献3には、特定の結晶型(ルチル型)かつ特定の結晶性の酸化チタンを用いることにより、銅化合物として単独では抗ウイルス活性のない2価銅化合物を用いた場合も、暗所、可視光下において極めて高い抗ウイルス性能が発現することが見出されている。また、特許文献3には、2価銅化合物と、最も強い回折ピークの半値全幅が0.65度以下のルチル型酸化チタンとの組み合わせにおいて、暗所、可視光下ともに優れた抗ウイルス性能が発現することが記載されている。
特許文献4には、下式(1)で表される少なくとも1種の2価胴化合物と光触媒とを含有する光触媒組成物において、暗所、可視光下ともに優れた抗ウイルス性能が発現し、かつ、光照射による変色が抑制可能であることが記載されている。
Cu(OH)(SO (x≠0、y≠0、z≠0) (1)
x、y、zは、2x=y+2zの関係を満たす、正の整数。
特表2009−526828号公報 特開2006−232729号公報 特許第5343176号公報 特開2015−205254号公報
特許文献1〜3に記載の光触媒材料及び抗ウイルス剤は、それぞれの条件下において高い抗ウイルス効果を示す。しかしながら、CuOをはじめとした2価銅化合物を光触媒材料(例えば、酸化チタン)に担持させた、これらの光触媒組成物又は抗ウイルス剤は、光を大気中で照射した場合、2価銅化合物が激しく変色してしまう現象が観察された。当該変色は、ブラックライトのような紫外線からなる光源下では、光触媒に担持された2価銅化合物が還元され金属銅又は1価銅化合物が生成することにより引き起こされ、黒色化傾向を示す。また、当該変色は、蛍光灯や太陽光のような波長400nm以上の可視光を含む光源下では、2価銅化合物の表面に水酸基が生成し、水酸基の数が増加することにより引き起こされ、白色化傾向を示す。実用化のために光照射下の変色を抑制する改善が望まれている。
また、特許文献4に記載の光触媒組成物においては、優れた抗菌性・抗ウイルス性を有し、光照射による変色、とりわけ、可視光下での白色化が抑制されることが開示されているが、使用環境における紫外線の影響で若干の黒色化を生じるため、変色抑制効果は十分ではなく、さらなる改善が望まれている。
本発明は、このような状況下になされたものであり、抗ウイルス性能及び抗菌性能に優れ、かつ、可視光の照射による変色が抑制された光触媒材料、その光触媒材料の製造方法、その光触媒材料を含有する抗ウイルス剤及び抗菌剤、その光触媒材料を用いた光触媒コーティング組成物、並びにその光触媒コーティング組成物を用いた光触媒塗装体の提供を目的とする。
鋭意検討の結果、本発明者らは、Cu元素、S元素、O元素を含んでなる異方性粒子と、光半導性の無機酸化物粒子とを含む光触媒材料が、優れた抗ウイルス活性及び抗菌活性を発現するとともに、光照射下での変色が抑制可能であることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]Cu元素、S元素、O元素を含んでなる異方性粒子と、光半導性の無機酸化物粒子とを含んでなり、前記異方性粒子は、複数の直線的な筋状の段差または溝が平行に並んでいる、光触媒材料。
[2]前記異方性粒子には、Cu元素が局所的に高濃度に分布している領域が複数存在する、上記[1]に記載の光触媒材料。
[3]結晶相としてCu(OH)SOを含んでなる、上記[1]または[2]に記載の光触媒材料。
[4]結晶相としてCuOをさらに含んでなる、上記[3]に記載の光触媒材料。
[5]光半導性の無機酸化物粒子が、酸化チタンである、上記[4]に記載の光触媒材料。
[6]酸化チタンがルチル型を含む、上記[5]に記載の光触媒材料。
[7]前記光触媒材料をX線回折測定したときの前記CuOの2θ=38.8°±1°における回折ピークのピーク強度に対する前記Cu(OH)SOの2θ=33.6°±1°における回折ピークのピーク強度の強度比が1.5〜200である上記[4]〜[6]のいずれか1つに記載の光触媒材料。
[8]前記光触媒材料をX線回折測定したときのルチル型酸化チタンの2θ=36.2°±1°における回折ピークのピーク強度に対する前記Cu(OH)SOの2θ=33.6°±1°における回折ピークのピーク強度の強度比が0.03〜2.00である上記[6]に記載の光触媒材料。
[9] 前記光触媒材料をX線回折測定したときのルチル型酸化チタンの2θ=36.2°±1°における回折ピークのピーク強度に対する前記CuOの2θ=38.8°±1°における回折ピークのピーク強度の強度比が0.008〜0.020である上記[6]に記載の光触媒材料。
[10]10質量%の濃度で水に分散させたときのスラリーのJIS Z8701におけるL表示系のL値が76〜95であり、a値が−13.0〜−2.0であり、b値が4.0〜11.0である上記[1]〜[9]のいずれか1つに記載の光触媒材料。
[11]上記[1]〜[10]のいずれか1つに記載の光触媒材料の製造方法であって、2価銅化合物と光半導性の無機酸化物粒子とを含有する懸濁液を水熱処理する工程、及び前記水熱処理した懸濁液の固形分を焼成する工程を含む光触媒材料の製造方法。
[12]前記水熱処理する工程の前に、熟成処理する工程を含む請求項11に記載の製造方法。[13]上記[1]〜[10]のいずれか1つに記載の光触媒材料を含有する抗ウイルス剤。
[14]上記[1]〜[10]のいずれか1つに記載の光触媒材料を含有する抗菌剤。
[15]上記[1]〜[10]のいずれか1つに記載の光触媒材料と、バインダーと、分散媒とを含有してなる光触媒コーティング組成物。
[16]前記バインダーが、前記樹脂の分散体の形態で組成物中に存在してなるものである、上記[15]に記載の光触媒コーティング組成物。
[17]前記分散媒が水性媒体である、上記[15]または[16]に記載の光触媒コーティング組成物。
[18]上記[15]〜[17]のいずれか1つに記載の光触媒コーティング組成物の硬化体の光触媒塗装体。
本発明によれば、抗ウイルス性能及び抗菌性能に優れ、かつ、使用環境の光を浴びて生じる変色が抑制された光触媒材料、その光触媒材料の製造方法、その光触媒材料を含有する抗ウイルス剤及び抗菌剤、その光触媒材料を用いた光触媒コーティング組成物、及びその光触媒コーティング組成物を用いた光触媒塗装体を提供することができる。
図1は、実施例A3の光触媒材料の走査型電子顕微鏡写真である。 図2は、比較例A1の光触媒材料の走査型電子顕微鏡写真である。 図3は、実施例A3の光触媒材料の二次電子像である。 図4は、実施例A3の光触媒材料のCu元素のEDXマッピング像である。 図5は、実施例A3の光触媒材料のS元素のEDXマッピング像である。 図6は、実施例A3の光触媒材料のO元素のEDXマッピング像である。 図7は、実施例A3の光触媒材料のTi元素のEDXマッピング像である。 図8は、実施例A3の光触媒材料のCu元素、S元素及びTi元素のEDXマッピング像を重ねた像である。 図9は、実施例A3の光触媒材料のX線回折パターンを示す図である。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は下記の実施形態に限定されるものではない。
[光触媒材料]
以下、本発明の光触媒材料を説明する。
本発明の光触媒材料は、Cu元素、S元素、O元素を含んでなる異方性粒子と、光半導性の無機酸化物粒子とを含んでなる。異方性粒子は、複数の直線的な筋状の段差または溝が平行に並んでいる。異方性粒子には、Cu元素が局所的に高濃度に分布している領域が複数存在することが好ましい。本発明の光触媒材料は、結晶相として、Cu(OH)SOを含んでいることが好ましい。本発明の光触媒材料は、CuOをさらに含んでいることが好ましい。
(異方性粒子)
本発明の光触媒材料は、Cu元素、S元素、O元素を含んでなる異方性粒子を含む。異方性粒子とは、図1の走査型電子顕微鏡写真で矢印に示されるような形状の粒子である。具体的には、異方性粒子は板状、柱状、または扁平な形状を有しており、その表面には複数の直線的な筋状の段差または溝が平行に並んでいる。このような異方性粒子を形成することにより、光触媒材料に光が照射されたときの、変色が抑制され、その結果、本発明の光触媒材料を使用した作製したコーティング組成物を用いて形成した塗装体の変色をも抑制することができる。異方性粒子は、光半導性の無機酸化物粒子と組み合わせることにより、抗ウイルス性能及び抗菌性能が発現する。
(Cu(OH)SO
本発明の光触媒材料は、異方性粒子の中の結晶相として、Cu(OH)SOを含んでいることが好ましい。本発明の光触媒材料に使用されるCu(OH)SOは、2価銅の塩基性化合物である。Cu(OH)SOは単独では、抗ウイルス性能及び抗菌性能に可視光照射の効果は認められないが、光半導性の無機酸化物粒子、好ましくは酸化チタン、より好ましくはルチル型酸化チタンと組み合わせることにより、可視光照射下での抗ウイルス性能及び抗菌性能が、暗所の性能に対して飛躍的に増大する。
本発明の光触媒材料に使用するCu(OH)SOはX線回折測定により同定される。また、Cu(OH)SOの2θ=33.6°±1°における回折ピークのピーク強度はX線回折測定により得られる。光触媒材料の抗ウイルス性能及び抗菌性能を高めるという観点から、本発明の光触媒材料をX線回折測定したときのルチル型酸化チタンの2θ=36.2°±1°における回折ピークのピーク強度に対するCu(OH)SOの2θ=33.6°±1°における回折ピークのピーク強度の強度比は、好ましくは0.03〜2.00であり、より好ましくは0.04〜1.70であり、さらに好ましくは0.05〜1.60であり、さらに好ましくは0.06〜1.50であり、とくに好ましくは0.07〜1.40である。
(CuO)
本発明の光触媒材料は、異方性粒子の中にCuOをさらに含んでいることが好ましい。本発明の光触媒材料に使用されるCuOは単独では、抗ウイルス性能及び抗菌性能を示さない。しかし、光半導性の無機酸化物粒子、好ましくは酸化チタン、より好ましくはルチル型酸化チタンと組み合わせることにより、抗ウイルス性能及び抗菌性能が発現する。
本発明の光触媒材料に使用されるCuOはX線回折測定により同定される。また、CuOの2θ=38.8°±1°における回折ピークのピーク強度は、X線回折測定により得られる。光触媒材料の抗ウイルス性能及び抗菌性能を高めるという観点から、本発明の光触媒材料をX線回折測定したときのルチル型酸化チタンの2θ=36.2°±1°における回折ピークのピーク強度に対するCuOの2θ=38.8°±1°における回折ピークのピーク強度の強度比は、好ましくは0.008〜0.020であり、より好ましくは0.009〜0.020であり、さらに好ましくは0.01〜0.019であり、さらに好ましくは0.011〜0.019であり、とくに好ましくは0.012〜0.018である。
異方性粒子の粒子径は、好ましくは50nm〜5μmであり、より好ましくは100nm〜4.5μmであり、さらに好ましくは150nm〜4.0μmであり、さらに好ましくは200nm〜3.5μmである。異方性粒子の粒子径が50nm未満であると、変色を十分に抑制できない。異方性粒子の粒子径が5μmよりも大きいと、光触媒材料をコーティング組成物に使用した場合の光触媒材料の分散性が悪くなる。なお、異方性粒子の粒子径は以下のように測定することができる。
異方性粒子の粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定する。走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、試料を40000倍に拡大し、スケールバーが1μmのときに、異方性粒子を撮影する。撮影した写真における1μmのスケールバーの長さを定規で測り、数値をXとする。撮影した写真における異方性粒子の直線的な筋状の段差または溝が延びる方向の長さも、定規で測り、数値をYとする。下記の式により、異方性粒子の直線的な筋状の段差または溝が延びる方向の粒子径Zを算出する。そして、100個の異方性粒子の粒子径Zの平均値をその試料における異方性粒子における直線的な筋状の段差または溝が延びる方向の粒子径とする。
Z(μm)=Y÷X
(Cu(OH)SO及びCuOの回折ピークのピーク強度比)
CuOとともに、結晶性の高いCu(OH)SOを多く含むことにより、光触媒材料の抗ウイルス性能及び抗菌性能と変色を特製する性能を高度に両立できるという観点から、CuOの2θ=38.8°±1°における回折ピークのピーク強度に対するCu(OH)SOの2θ=33.6°±1°における回折ピークのピーク強度のピーク強度比(Cu(OH)SOのピーク強度/CuOのピーク強度)は、1.5〜200であり、好ましくは2.0〜180であり、より好ましくは2.6〜170であり、さらに好ましくは3.2〜160である。
Cu元素に換算した場合の光触媒材料中のCuの含有量は、TiOに換算した場合の光触媒材料中のTiの含有量100質量部に対して好ましくは0.01〜200質量部であり、より好ましくは0.1〜200質量部であり、さらに好ましくは0.1〜60質量部であり、特に好ましくは0.3〜30質量部である。Cuの含有量がこの範囲であると、可視光下において充分な抗ウイルス性能及び抗菌性能を得られる。また、光触媒材料100質量部に対する、銅元素に換算したCu(OH)SO及びCuOの含有量200質量部以下であると、光触媒材料の表面がCu(OH)SO及びCuOにより被覆されてしまうことを抑制でき、光触媒機能の設計が可能になる。なお、Cu含有量の測定は、後述するICP(誘導結合プラズマ)発光分光分析により光触媒材料の各成分の含有量を測定することで定量することができる。
(光半導性の無機酸化物粒子)
本発明の光触媒材料において、光半導性の無機酸化物粒子は、酸素軌道に由来する価電子帯を有する無機酸化物の粒子である。本発明の光触媒材料に用いられる無機酸化物は、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化タングステン、酸化インジウム、酸化バナジウム、酸化タンタル、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バナジウムからなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましい。なかでも酸化チタンは、化学的に安定であり、安全性も高く、安価であるため、好適に利用することができる。酸化チタンはアナターゼ、ルチル、ブルッカイトのいずれも用いることができるが、ルチルはガスの分解性能を発現させることができる点で好ましい。
光半導性の無機酸化物粒子及び異方性粒子は、可視光を吸収して、光半導性を示す酸化物材料の酸素の分子軌道に由来する価電子帯から、共に用いる異方性粒子を構成するCu(II)の酸化還元電位へ、電子が励起される。その結果、Cu(II)は、優れた抗微生物性能を有するCu(I)を形成し、酸化物材料の価電子帯に生成した正孔の酸化力とともに、菌やウイルスに作用して、その繁殖力や感染価を抑制するものと考えられる。このような機序により、本発明に係る光触媒材料においては、暗所に比べて可視光照射下で、より高度な抗菌性、抗ウイルス性を発揮するものと考えている。
(酸化チタン)
本発明の光触媒材料の光半導性の無機酸化物粒子として使用される酸化チタンは、四塩化チタンを原料として、気相法(四塩化チタンと酸素との気相反応により酸化チタンを得る方法)によって得られるものが好ましい。気相法で得られた酸化チタンは、粒径が均一であると同時に、製造時に高温プロセスを経由しているため、結晶性が高いものとなり、その結果、得られる組成物の光触媒活性が良好なものとなる。
本発明の光触媒材料の光半導性の無機酸化物粒子として使用される酸化チタンとして、市販されている酸化チタンをそのまま使用してもよい。市販されている酸化チタンを使用することは、触媒調製の工程を考えると有利である。市販されている酸化チタンには、液相法で製造されたものと気相法で製造されたものがある。しかし、液相法で製造されたものは、比表面積が大きく結晶性が低いため、そのまま使用することはできない。液相法で製造された酸化チタンを使用するためには、焼成等を行って最適な比表面積及び結晶性を有する酸化チタンにしなければならない。このような焼成する工程を経ると、その分、余計な手間がかかり、製造コスト高の原因となる。また、焼成時に着色してしまうというトラブルも発生しかねない。このような観点からも、適度な結晶性と比表面積とを有する、気相法で得られた酸化チタンの市販品(例えば、昭和電工セラミックス(株)製のルチル型酸化チタン)を、そのまま使用することが好ましい。
(光触媒材料のL表示系におけるL値、a値及びb値)
本発明の光触媒材料の10質量%の濃度で水に分散させたときのスラリーのJIS Z8701におけるL表示系のL値は、好ましくは76〜95であり、より好ましくは77.5〜94.5であり、さらに好ましくは78〜94である。また、本発明の光触媒材料のJIS Z8701におけるL表示系のa値は好ましくは−13.0〜−2.0であり、より好ましくは−12.0〜−2.5であり、さらに好ましくは−11.0〜−3.0である。さらに、本発明の光触媒材料のJIS Z8701におけるL表示系のb値は、好ましくは4.0〜11.0であり、より好ましくは4.5〜10.0であり、さらに好ましくは5.0〜9.0である。本発明の光触媒材料のJIS Z8701におけるL表示系のL値が76〜95であり、a値が−13.0〜−2.0であり、b値が4.0〜11.0であると、本発明の光触媒材料を使用したコーティング組成物を作製した場合、コーティング組成物の色調をコントロールが容易になる。また、コーティング組成物の外観を明るくすることができる。
[光触媒材料の製造方法]
本発明の光触媒材料の製造方法によって本発明の光触媒材料を製造することができる。本発明の光触媒材料の製造法方法は、2価銅化合物と光半導性の無機酸化物粒子とを含有する懸濁液を水熱処理する工程(A)、及び水熱処理した懸濁液の固形分を焼成する工程(B)を含む。これらの工程により、Cu元素、S元素、O元素を含んでなる異方性粒子と、光半導性の無機酸化物粒子とを含んでなり、前記異方性粒子は、複数の直線的な筋状の段差または溝が平行に並んでいる、光触媒材料を製造することができる。
(工程(A))
工程(A)では、2価銅化合物と光半導性の無機酸化物粒子とを含有する懸濁液を水熱処理する。
<2価銅化合物>
工程(A)で使用する2価銅化合物は、例えば、水溶性第二価銅塩及びアルカリ性物質を反応させることによって得られる。水溶性第二価銅塩は、例えば、硫酸銅、塩化銅、硝酸銅及び酢酸銅からなる群から選択される少なくとも1種である。水溶性第二価銅塩に(SO2−を含まない場合は、アルカリ性物質と反応させる際に、(SO2−を含有する物質を添加する必要がある。(SO2−を含有する物質は、例えば、硫酸、硫酸ナトリウム、硫酸カリウムからなる群から選択される少なくとも1種である。また、アルカリ性物質は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム及びアンモニア水からなる群から選択される少なくとも1種である。
<光半導性の無機酸化物粒子>
工程(A)で使用する光半導性の無機酸化物粒子は、本発明の光触媒材料に使用する光半導性の無機酸化物粒子と同様であるので、工程(A)で使用する光半導性の無機酸化物粒子の説明は省略する。
<懸濁液>
2価銅化合物と光半導性の無機酸化物粒子とを含有する懸濁液は、予め製造された2価銅化合物と光半導性の無機酸化物粒子とを混合することによって製造してもよいし、光半導性の無機酸化物粒子を含む溶液の中で2価銅化合物を製造することによって製造してもよい。なお、光半導性の無機酸化物粒子を含む溶液の中で2価銅化合物を製造することによって懸濁液を製造する場合、光半導性の無機酸化物粒子、水溶性第二銅塩、溶媒及びアルカリ物質の添加の順序にはとくに制限はない。懸濁液中に分散しやすいように、光半導性の無機酸化物粒子は溶媒100質量部に対して好ましくは100質量部以下であり、より好ましくは90質量部以下であり、さらに好ましくは80質量部以下であり、特に好ましくは70質量部以下である。例えば、まず、溶媒(例えば水)に光半導性の無機酸化物粒子を混合するとともに必要に応じて攪拌し、次いで、水溶性第二銅塩を混合し、これらを撹拌してもよい。また、まず、水に水溶性第二銅塩を混合するとともに必要に応じて攪拌し、次いで、光半導性の無機酸化物粒子を混合し、これらを撹拌してもよい。また、水に水溶性第二銅塩及び光半導性の無機酸化物粒子を同時に混合し、攪拌してもよい。なお、アルカリ性物質の添加により、半導性の無機酸化物粒子、水溶性第二銅塩、溶媒を含む懸濁液のpH値を調整する。好ましくはpH7.0〜11.0であり、より好ましくはpH7.5〜10.5であり、さらに好ましくはpH8.0〜10.5であり、特に好ましくはpH8.5〜10.0である。アルカリ性物質は、水に光半導性の無機酸化物粒子及び/又は水溶性第二銅塩を混合する前、途中、及び後の3つのタイミングのうち少なくとも1つのタイミングで添加すればよい。光半導性の無機酸化物粒子及び水溶性第二銅塩を水に混合して十分に攪拌した後にアルカリ性物質を添加することがより好ましい。
<水熱処理>
工程(A)における水熱処理は、懸濁液を高温高圧の状態にすることである。懸濁液を高温高圧の状態にすると、2価銅化合物を溶解するとともに、2価銅化合物と反応して、Cu(OH)SO及びCuOが光半導性の無機酸化物粒子の表面に析出する。反応速度を考慮すると、水熱温度は、好ましくは80℃以上であり、より好ましくは90℃以上であり、さらに好ましくは100℃以上である。消費エネルギーを考慮すると、水熱温度として、好ましくは150℃以下であり、より好ましくは140℃以下であり、さらに好ましくは130℃以下であり、とくに好ましくは125℃以下である。
水熱処理工程の前に、熟成処理工程があるのは望ましい。熟成処理の温度は好ましくは5℃以上であり、より好ましくは10℃以上であり、さらに好ましくは15℃以上であり、さらに好ましくは25℃以上である。消費エネルギーを考慮すると、熟成処理の温度は好ましくは80℃以下であり、より好ましくは70℃以下であり、さらに好ましくは60℃以下、さらに好ましくは50℃以下である。なお、熟成処理時間は好ましくは1時間以上であり、より好ましくは2時間以上であり、さらに好ましくは3時間以上であり、さらに好ましくは4時間以上である。消費エネルギーを考慮すると、熟成処理時間は好ましくは48時間以下であり、より好ましくは42時間以下であり、さらに好ましくは36時間以下であり、さらに好ましいのは30時間以下である。
(工程(B))
工程(B)では、水熱処理した懸濁液の固形分を焼成する。これにより、酸化チタンの表面に析出したCu(OH)SO及びCuOを光半導性の無機酸化物粒子に担持させることができる。
<固形分>
懸濁液の固形分は、懸濁液を固液分離することによって得られる。例えば、懸濁液をろ過することによって懸濁液の固形分を得ることができる。
<焼成>
懸濁液の固形分を焼成するときの雰囲気ガスは、空気であり、焼成温度は、好ましくは100℃以上であり、より好ましくは150℃以上であり、さらに好ましくは200℃以上であり、さらに好ましくは250℃以上である。消費エネルギーを考慮すると、焼成温度は、好ましくは550℃以下であり、より好ましくは500℃以下であり、さらに好ましくは450℃以下であり、さらに好ましくは400℃以下である。
[抗ウイルス剤及び抗菌剤]
本発明の抗ウイルス剤及び抗菌剤は、本発明の光触媒材料を含有する。これにより、本発明の抗ウイルス剤及び抗菌剤は、抗ウイルス性能及び抗菌性能に優れ、かつ、可視光の照射による変色、とりわけ白色化を抑制することができる。
[光触媒コーティング組成物]
本発明の光触媒コーティング組成物は、上述した光触媒材料と、バインダーと、分散媒とを含有してなる。
<バインダー>
本発明の光触媒コーティング組成物はバインダーを含む。バインダーにより、被膜を形成し、適用対象に対して密着力を発揮するため、本発明に係る光触媒材料を効果的に固定化し、被膜ないし表面に被膜を有する複合材として、実用可能な水準の化学的・機械的特性を設計することができる。バインダーは、有機系バインダー及び無機系バインダーのいずれも用いることができる。無機系バインダーには、例えば、コロイダルシリカ、アルカリシリケート、アルコキシシラン及びその加水分解物のようなシリカ系材料や、Ti、Al、Zrより選択される金属の、酸化物、水酸化物、過酸化物、もしくは有機化合物が挙げられる。有機系バインダーには、例えば、高分子バインダー等が挙げられる。
高分子バインダーには、天然樹脂及び合成樹脂のいずれも使用することができる。合成樹脂には、例えば、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリロニトリル/スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合(ABS)樹脂、ポリエステル樹脂及びエポキシ樹脂等が挙げられる。さらに、これらの樹脂をシリコーン変性、あるいはハロゲン変性させた樹脂を用いることも、シリコーン樹脂を用いることもできる。これらのうち、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、及びフッ素樹脂より選択される少なくとも一種がバインダーとして好適に利用できる。本発明のより好ましい態様によれば、バインダーは、これらの樹脂をエマルション等の分散体の形態で配合され、光触媒コーティング組成物中に存在する。
バインダーの添加量は適宜決定されてよいが、光触媒コーティング組成物の固形分総量に対して10〜65質量%程度が通常であり、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、また好ましくは55質量%以下、より好ましくは45質量%以下である。このような量とすることで、塗装体の機械的強度を保持しながら、適度に光触媒材料を露出させることが可能となり、明所及び暗所で優れた抗菌性、抗ウイルス性を発揮させることができる。
<分散媒>
本発明の光触媒コーティング組成物は分散媒を含む。分散媒としては、水性媒体を用いることが好ましい。このような水性媒体としては、水、水と混合可能な有機溶剤(例えば、アルコール)、又はそれらの混合溶媒が好適に用いられ、より好ましい水性媒体は、水である。分散媒の量は適宜決定されてよいが、光触媒コーティング組成物において、固形分濃度が30〜80質量%となるように添加されることが好ましく、40〜60質量%であることがより好ましい。固形分濃度がこの範囲にあることで、光触媒コーティング組成物としての安定性が得られ、場合によっては、塗装体の隠蔽性を確保できるとの利点も得られる。
<任意成分>
本発明の光触媒コーティング組成物は、本発明の目的を阻害しない範囲内において、上記以外に任意成分を含有してもよい。任意成分としては、着色顔料、体質顔料、艶消し材、防腐剤、消泡剤、分散剤、レベリング剤、増粘剤等が挙げられる。
[光触媒コーティング組成物の使用形態]
本発明の光触媒コーティング組成物は、所定の基材の表面に適用され、その後適宜乾燥して、光触媒塗装体を形成するために使用される。すなわち、本発明の光触媒塗装体は、本発明の光触媒コーティング組成物の硬化体であるともいえる。上記の基材には、例えば、繊維強化セメント板、石膏ボード、コンクリート部材、壁紙、繊維、金属、セラミック及びガラス等の一般的な部材からなる単一基材、並びに上述の部材の2種以上からなる複合基材が挙げられる。また、光触媒塗装体と基材との間の密着性を得るために、光触媒性コーティング組成物を適用する前に、上記基材にあらかじめ下塗材を適用してもよい。下塗材としては任意の材料を使用できる。
本発明の光触媒コーティング組成物の基材への適用は、刷毛、ローラー、スプレー等による塗布、ロールコーター、フローコーター、ディップコート、流し塗り等の塗布装置による塗布、スクリーン印刷等の印刷等一般に広く行なわれている方法を利用できる。光触媒コーティング組成物の基材への適用後は、常温乾燥させればよく、あるいは必要に応じて加熱乾燥してもよい。乾燥温度は5〜500℃であることが好ましい。バインダーとして高分子バインダーを用いる場合や基材の少なくとも一部が樹脂成分を含む場合は、これらの耐熱温度等を考慮し、5〜200℃で適宜設定すればよい。バインダーとして無機バインダーを用いる場合は、基材の耐熱温度を上限として、2価銅化合物の耐熱温度を考慮し、500℃以下で適宜設定すればよい。
本発明の光触媒コーティング組成物を適用して得られる光触媒塗装体を使用する場所はとくに限定されない。例えば、光触媒活性が発現する任意の光線の存在下で、光触媒塗装体を使用することができる。光触媒塗装体は、水の存在下(例えば、水中及び海水中等)、乾燥状態(例えば、冬季等における低湿度の状態等)、高湿度の状態、又は有機物の共存下においても、高いウイルス不活化性能及び抗菌性能を有し、持続的にウイルスを不活化及び抗菌することができる。例えば、壁、床及び天井等に光触媒塗装体を設けることができる。また、光触媒活性が発現する任意の光線の存在下であれば、病院及び工場等の建築物、工作機械、測定装置類、電化製品の内部及び部品(例えば、冷蔵庫、洗濯機及び食器洗浄機等の内部、並びに空気洗浄機のフィルター等)等の任意の対象物に、本発明の光触媒コーティング組成物を適用できる。
とくに、本発明の光触媒コーティング組成物を適用してなる光触媒塗装体は、可視光の照射下において変色を抑制することができる点から、屋内外を問わず、長時間可視光照射下に曝される場所で用いられ、又はそのような場所に設置される任意の対象物に、好適に適用できる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されない。以下のようにして、実施例A1〜A6及び比較例A1〜A4の光触媒材料を作製した。
<実施例A1>
蒸留水6Lに1kg(100質量部)のルチル型酸化チタン(昭和電工セラミックス(株)製、BET比表面積:12m/g)を懸濁させて懸濁液を作製した。401.2gのCuSO・5HO(銅で10質量部)(三井化学(株)製)を酸化チタンの懸濁液に添加した後、懸濁液を10分間攪拌した。水酸化ナトリウム(関東化学(株)製)を使用して作製した1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液2.4kgを懸濁液に添加し、30分間攪拌混合を行ってスラリー(pH9〜10)を得た。このスラリーをろ過し、得られた粉体を純水で洗浄した。洗浄した粉体を3Lの蒸留水に懸濁させて懸濁液を作製し、その懸濁液を35℃で7時間熟成処理して、120℃の水熱温度で6時間水熱処理を行った。水熱処理を行った懸濁液をろ過し、得られた固形分を80℃で乾燥し、ミキサーで解砕した。そして、解砕した固形分を空気雰囲気で300℃の焼成温度で2時間焼成し、実施例A1の光触媒材料を得た。
<実施例A2>
35℃の熟成処理を7時間行う代わりに、35℃の熟成処理を12時間行った以外は実施例A1の光触媒材料の作製と同様の操作を行って、実施例A2の光触媒材料を得た。
<実施例A3>
35℃の熟成処理を7時間行う代わりに、35℃の熟成処理を24時間行った以外は実施例A1の光触媒材料の作製と同様の操作を行って、実施例A3の光触媒材料を得た。
<実施例A4>
401.2gのCuSO・5HO(銅で10質量部)(三井化学(株)製)を酸化チタンの懸濁液に添加したことを、1203.6g(銅で30質量部)のCuSO・5HO(関東化学(株)製)を懸濁液に添加したことにした以外は、実施例A1の光触媒材料と同様の操作を行って、実施例A4の光触媒材料を得た。
<実施例A5>
401.2gのCuSO・5HO(銅で10質量部)(三井化学(株)製)を酸化チタンの懸濁液に添加したことを、2006g(銅で50質量部)のCuSO・5HO(関東化学(株)製)を懸濁液に添加したことにした以外は、実施例A1の光触媒材料と同様の操作を行って、実施例A5の光触媒材料を得た。
<実施例A6>
401.2gのCuSO・5HO(銅で10質量部)(三井化学(株)製)を酸化チタンの懸濁液に添加したことを、6018g(銅で150質量部)のCuSO・5HO(関東化学(株)製)を懸濁液に添加したことにした以外は、実施例A1の光触媒材料と同様の操作を行って、実施例A6の光触媒材料を得た。
<比較例A1>
蒸留水250mLに15g(100質量部)のルチル型酸化チタン(昭和電工セラミックス(株)製、BET比表面積:12m/g)を懸濁させて懸濁液を作製した。5.8965g(銅で10質量部)のCuSO・5HO(関東化学(株)製)を懸濁液に添加した後、懸濁液を10分間攪拌した。水酸化ナトリウム(関東化学(株)製)を使用して作製した1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を懸濁液のpHが10になるように、懸濁液に添加し、30分間攪拌混合を行ってスラリーを得た。このスラリーをろ過し、得られた固形分を純水で洗浄し、80℃で乾燥し、ミキサーで解砕した。この解砕した固形分を大気中、350℃の焼成温度で3時間焼成し、比較例A1の光触媒材料を得た。
<比較例A2>
350℃の焼成温度を、450℃にしたこと以外は比較例A1の光触媒材料と同様の操作を行って、比較例A2の光触媒材料を得た。
<比較例A3>
350℃の焼成温度を、550℃にしたこと以外は比較例A1の光触媒材料と同様の操作を行って、比較例A3の光触媒材料を得た。
<比較例A4>
蒸留水250mLに15g(100質量部)のルチル型酸化チタン(昭和電工セラミックス(株)製、BET比表面積:12m/g)を懸濁させて懸濁液を作製した。5.8965g(銅で10質量部)のCuSO・5HO(関東化学(株)製)を懸濁液に添加した後、懸濁液を10分間攪拌した。水酸化ナトリウム(関東化学(株)製)を使用して作製した1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を銅イオンのモル数の2倍、懸濁液に添加し、90℃で1時間攪拌を行い、スラリーを作製した。スラリーをろ過し、得られた固形分を純水で洗浄し、80℃で乾燥し、ミキサーで解砕した。この解砕した固形分を大気中、400℃の焼成温度で3時間焼成し、比較例A4の光触媒材料を得た。
<評価>
以上のように作製した実施例A1〜A6及び比較例A1〜A4の光触媒材料について、以下の評価を実施した。
(異方性粒子結晶の有無及び異方性粒子結晶の直線的な筋状の段差または溝が延びる方向の粒子径)
実施例A1〜A6及び比較例A1〜A4の光触媒材料中の異方性粒子結晶の有無及び異方性粒子結晶の直線的な筋状の段差または溝が延びる方向の粒子径を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて調べた。光触媒材料を40000倍に拡大し、スケールバーが1μmのときに、異方性粒子結晶の粒子を撮影した。撮影した写真における1μmのスケールバーの長さを定規で測り、数値をXとした。撮影した写真における異方性粒子結晶の直線的な筋状の段差または溝が延びる方向の長さも、定規で測り、数値をYとした。下記の式により、異方性粒子結晶の直線的な筋状の段差または溝が延びる方向の粒子径Zを算出した。そして、100個の異方性粒子結晶の粒子径Zの平均値をその光触媒材料における異方性粒子結晶の直線的な筋状の段差または溝が延びる方向の粒子径とした。なお、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて撮影した写真の一例として、実施例A3の光触媒材料の走査型電子顕微鏡写真を図1に示し、比較例A1の光触媒材料の走査型電子顕微鏡写真を図2に示す。なお、図1の走査型電子顕微鏡写真で、矢印に示される結晶が異方性粒子結晶である。
Z(μm)=Y÷X
(異方性粒子の定性)
光触媒粒子をSEM試料台に貼ったカーボン導電性テープの上に乗せ、テープに固定されない粒子をカメラ用ブロアーで除去した。次いで、オスミウムコーター(メイワフォーシス製:Neoc−Pro)により、試料表面に、オスミウム金属のアモルファス導電皮膜を約2nmコーティングしたものを評価用の検体とした。
以下の設備で走査電子顕微鏡観察を行ない、異方性粒子を同定した。
装置:走査電子顕微鏡(SEM)
機種:SU8220(日立ハイテクノロジーズ製)
電子銃:コールドFE電子銃
異方性粒子の同定には、SEM観察における加速電圧、観察倍率、ワーキングディスタンス、検出器、観察信号の種類を任意に組合せて行なうことができる。
SEM観察により同定した異方性粒子について、以下の条件でEDX測定を行ない、マッピング分析により、構成元素の分布状態を定性した。
装置:EDX(エネルギー分散型X線分光装置)
機種:QUANTAX FlatQUAD(ブルカー・エイエックスエス製)
電子銃:コールドFE電子銃
ワーキングディスタンス:14.8mm
加速電圧:6KV
プローブ電流:High
コンデンサレンズ:7
パルスインプット:625kcps
画像ピクセル:512×380
分析面積:6.4×4.8μm〜3.2×2.4μm
一例として、図3〜図8に、SEMにより観察した、実施例A3の材料に含まれる異方性粒子の二次電子像(図3)と、Cu元素(図4)、S元素(図5)、O元素(図6)及びTi元素(図7)に係るEDXマッピング像と、二次電子像及びCu元素、S元素、並びにTi元素の各EDXマッピング像を重ねたもの(図8)と、を示す。
図3〜図8から、本発明の光触媒材料に係る異方性粒子は、構成元素が均質に分布しているのではなく、Cu元素が局所的に高濃度で分布している領域が複数存在していることが分かる。
その他の光触媒材料についても同様の評価を実施した。
(ICP発光分光分析)
ICP発光分光分析により実施例A1〜A6及び比較例A1〜A4の光触媒材料に含まれる銅元素量等を定量した。具体的には、実施例A1〜A6及び比較例A1〜A4の光触媒材料を、それぞれフッ酸溶液中で加熱し全溶解して溶解液を作製した。そして、ICP発光分析装置((株)島津製作所製、型番:ICPS−7500)を使用して各溶解液から抽出した抽出液を分析し、光触媒材料中の銅元素量及びチタン元素等を定量した。
その結果、各光触媒材料において仕込み量通りの銅元素量が確認された。
(Cu(OH)SOとCuOの結晶ピーク強度比)
実施例A1〜A6及び比較例A1〜A4の光触媒材料の結晶相を、粉末X線回折法により同定した。測定装置としてPANalytical社製「X’pertPRO」を用い、銅ターゲットを用い、Cu−Kα1線を用いて、管電圧45kV、管電流40mA、測定範囲2θ=30〜40deg、サンプリング幅0.0167deg、走査速度3.3deg/minの条件でX線回折測定を行った。Cu(OH)SOにおける33.6°付近の回折ピークのピーク強度aとルチル型酸化チタンにおける36.2°付近の回折ピークのピーク強度cの比をピーク強度比A(A=a/c)として算出した。CuOの38.8°付近の回折ピークのピーク強度bとルチル型酸化チタンにおける36.2°付近の回折ピークのピーク強度cの比をピーク強度比B(B=b/c)として算出した。さらに、Cu(OH)SOにおける33.6°付近の回折ピークのピーク強度aとCuOの38.8°付近の回折ピークのピーク強度bの比(a/b)を算出した。図4に実施例A3の光触媒材料のX線回折パターンを例示する。
(色彩値の測定)
以下の手順で、実施例A1〜A6及び比較例A1〜A4の光触媒材料のスラリーを作製し、スラリーの色彩値(L、a、b)を測定した。
100mLの蓋付きポリエステル容器に、光触媒材料粉末を2.5g、水を22.5g、カオーセラ2000(花王(株)製、商品名、分散剤)を0.05g、及びφ3mmのジルコニアボールを25g投入した後、蓋付きポリエステル容器を70r/minの速度で30分間、一軸回転させ、スラリーを作製した。
得られたスラリーをプラスチック製の両面透明セル(40×1×50mm)に入れて、色彩値(明度;L、色相、彩度を表す色座標(色度);a、b)を、分光測色計「CM−3700d」(コニカミノルタ(株)製)を用いて、標準光源:D65、測定径:φ25.4mm、及びdi:8°の条件で測定した。
以上の評価結果を、以下の表1に示す。
次に、実施例A1〜A6及び比較例A1、A4の光触媒材料を用いて光触媒コーティング組成物を以下のように作製した。
<実施例B1>
総固形分量に対して、実施例1の光触媒材料が5.0質量%、シリコーン樹脂が32.1質量%、顔料組成物が50.0質量%、任意成分として、つや消し材が5.6質量%と、タルクが7.3質量%となるように、各材料をイオン交換水に分散して、実施例B1の光触媒コーティング組成物を作製した。このコーティング組成物の固形分濃度は45.5質量%であった。
<実施例B2>
総固形分量に対して、実施例A2の光触媒材料が5.0質量%、シリコーン樹脂が19.3質量%、フッ素樹脂が12.8質量%、顔料組成物が50.0質量%、任意成分として、つや消し材が5.6質量%とタルクが7.3質量%となるように、各材料をイオン交換水に分散して、実施例B2の光触媒コーティング組成物を作製した。このコーティング組成物の固形分濃度は45.5質量%であった。
<実施例B3>
実施例A2の光触媒材料を用いる代わりに実施例A3の光触媒材料を用いる以外は実施例B2と同様の操作を行なって、実施例B3の光触媒コーティング組成物を作製した。
<実施例B4>
実施例A2の光触媒材料を用いる代わりに実施例A4の光触媒材料を用いる以外は実施例B2と同様の操作を行なって、実施例B4の光触媒コーティング組成物を作製した。
<実施例B5>
実施例A2の光触媒材料を用いる代わりに実施例A5の光触媒材料を用いる以外は実施例B2と同様の操作を行なって、実施例B5の光触媒コーティング組成物を作製した。
<実施例B6>
実施例A2の光触媒材料を用いる代わりに実施例A6の光触媒材料を用いる以外は実施例B2と同様の操作を行なって、実施例B6の光触媒コーティング組成物を作製した。
<比較例B1>
実施例A1の光触媒材料を用いる代わりに比較例A1の光触媒材料を用いる以外は実施例B1と同様の操作を行なって、比較例B1の光触媒コーティング組成物を作製した。
<比較例B2>
実施例A2の光触媒材料を用いる代わりに比較例A2の光触媒材料を用いる以外は実施例B2と同様の操作を行なって、比較例B2の光触媒コーティング組成物を作製した。
<比較例B3>
実施例A1の光触媒材料を用いる代わりに比較例A3の光触媒材料を用いる以外は実施例B1と同様の操作を行なって、比較例B3の光触媒コーティング組成物を作製した。
<比較例B4>
実施例A1の光触媒材料を用いる代わりに比較例A4の光触媒材料を用いる以外は実施例B1と同様の操作を行なって、比較例B4の光触媒コーティング組成物を作製した。
耐光性評価用塗装体の作製
石膏ボードGB−R(JIS A 6901/100mm×100mm×12.5mmT)の表面に、密着を得るために、水系下塗塗料を、塗着量100g/mとなるように、ローラーを用いて塗装し、1日常温で養生した。次いで、実施例B1〜B6並びに比較例B1〜B4の各コーティング組成物を、塗着量を110g/m・回として、ローラーを用いて2回塗装した。その際の塗装間隔は4時間とし、2回目の塗装を終了した後に常温で1日養生した光触媒塗装体1〜10を後述する耐光性評価に用いた。
抗菌性評価用光触媒塗装体の作製
あらかじめ洗浄したソーダガラス板(50mm×50mm×2mmT)の表面に、実施例B1〜B6及び比較例B1〜B4の各コーティング組成物を、塗着量220g/mとなるように、エアースプレーで塗装した。塗装後、常温で1週間以上養生した光触媒塗装体11〜20を後述する抗菌性評価に用いた。
抗ウイルス性評価用光触媒塗装体の作製
上記光触媒塗装体11〜20を後述する抗ウイルス性評価にも用いた。
<評価>
(耐光性評価)
気温30℃、相対湿度90%RHに制御した環境試験室内で、20Wの白色蛍光灯(東芝ライテック(株)製、「ネオライン」FL20S・W)を光源として、照度7000ルクスで10日間、光照射した。なお、照度は照度計:(株)トプコン製、IM−5を用いて測定した。光照射前後における光触媒塗装体1〜10の表面の外観変化を評価した。
外観変化はL表色系にて数値化して比較した。色差計は、MINOLTA SPECTROPGOTOMETER CM−3700dを用い、標準光源をD65、ターゲットマスク:MAV(8mm)、di:2°とし、正反射光を含むSCI方式で測定した。
光照射前の光触媒塗装体1〜10の表面の明度L と10日間光照射した後の光触媒塗装体1〜10の表面の明度L 値の差から、明度変化の絶対値|ΔL|を算出した。|ΔL|が大きいほど、光照射による明度変化が顕著であることを示している。
(抗菌性評価)
JIS R1752に準拠して、黄色ブドウ球菌を用いて抗菌試験を実施した。20Wの白色蛍光灯(東芝ライテック(株)製、「ネオライン」FL20S・W)を光源として用い、紫外線カットフィルター(日東樹脂工業(株)製、N−113)を通して、400nm以上の可視光を、照度1000ルクスで照射した。なお、照度は照度計:(株)トプコン製、IM−5を用いて測定した。可視光の照射時間を4時間として、明所の抗菌活性値RA−1000と光照射による効果ΔRを下式により算出した。
抗菌活性値 RA−1000 = Log10(UBA−1000/TBA−1000
TBA−1000:光照射後の塗装体11〜20あたりの生菌数(cfu)
UBA−1000:光照射後のコントロールあたりの生菌数(cfu)
コントロールは抗菌加工が成されていないソーダガラスとした
光照射による効果 ΔR = RA−1000 − Log10(UB/TB
TB:4時間暗所に保管後の塗装体11〜20あたりの生菌数(cfu)
UB:4時間暗所に保管後のコントロールあたりの生菌数(cfu)
コントロールは抗菌加工が成されていないソーダガラスとした。
(抗ウイルス性評価)
JIS R 1756(2013)に従って、バクテリオファージQβを用いて、抗ウイルス試験を実施した。20Wの白色蛍光灯(東芝ライテック(株)製、「ネオライン」FL20S・W)を光源として用い、紫外線カットフィルター(日東樹脂工業(株)製、N−113)を通して、400nm以上の可視光を、照度1000ルクスで照射した。なお、照度は照度計:(株)トプコン製、IM−5を用いて測定した。可視光の照射時間を4時間として、明所の抗ウイルス活性値VA−1000と暗所の抗ウイルス活性値V、及び、光照射による効果ΔVを下式により算出した。
明所の抗ウイルス活性値VA−1000 = Log10(UVA−1000/TVA−1000
TVA−1000:光照射後の塗装体11〜20あたりのバクテリオファージ感染価(pfu)
UVA−1000:光照射後のコントロールあたりのバクテリオファージ感染価(pfu)
コントロールは抗ウイルス加工が成されていないソーダガラスとした
暗所の抗ウイルス活性値 V = Log10(UV/TV
TV:4時間暗所に保管後の塗装体6〜10あたりのバクテリオファージ感染価(pfu)
UV:4時間暗所に保管後のコントロールあたりのバクテリオファージ感染価(pfu)
コントロールは抗菌加工が成されていないソーダガラスとした
光照射による効果 ΔV = VA−1000 − V
なお、抗菌性あるいは抗ウイルス性を評価する前に、光触媒塗装体の表面及び裏面をそれぞれ、クリンベンチ内にて殺菌灯を照射して、滅菌処理した。殺菌灯は15Wの殺菌灯(波長254nm)がクリンベンチの側面に各1本、計2本設置され、光触媒塗装体から光源までの距離を30cm〜60cmとした。殺菌灯の照射時間は15分とした。
結果
上記の耐光性、抗菌性、及び抗ウイルス性の評価結果は表2及び表3に示される通りであった。
(結果)
Cu元素、S元素、O元素を含んでなる異方性粒子と酸化チタンを含んでなる実施例A1〜A6の光触媒材料を用いて作製した光触媒コーティング組成物(塗装体:実施例B1〜B6)は、前記異方性粒子を含まない比較例A1〜A4の光触媒材料で作製した光触媒コーティング組成物(塗装体:比較例B1〜B4)と比較して、優れた耐光性を有していることがわかった。

Claims (17)

  1. Cu元素、S元素、O元素を含んでなる異方性粒子と、光半導性の無機酸化物粒子とを含んでなり、前記異方性粒子は、複数の直線的な筋状の段差または溝が平行に並んでおり結晶相としてCu (OH) SO を含んでなる、光触媒材料。
  2. 前記異方性粒子には、Cu元素が局所的に高濃度に分布している領域が複数存在する、請求項1に記載の光触媒材料
  3. 結晶相としてCuOをさらに含んでなる、請求項に記載の光触媒材料。
  4. 光半導性の無機酸化物粒子が、酸化チタンである、請求項に記載の光触媒材料。
  5. 酸化チタンがルチル型を含む、請求項に記載の光触媒材料。
  6. 前記光触媒材料をX線回折測定したときの前記CuOの2θ=38.8°±1°における回折ピークのピーク強度に対する前記Cu(OH)SOの2θ=33.6°±1°における回折ピークのピーク強度の強度比が1.5〜200である請求項のいずれか1項に記載の光触媒材料。
  7. 前記光触媒材料をX線回折測定したときのルチル型酸化チタンの2θ=36.2°±1°における回折ピークのピーク強度に対する前記Cu(OH)SOの2θ=33.6°±1°における回折ピークのピーク強度の強度比が0.03〜2.00である請求項に記載の光触媒材料。
  8. 前記光触媒材料をX線回折測定したときのルチル型酸化チタンの2θ=36.2°±1°における回折ピークのピーク強度に対する前記CuOの2θ=38.8°±1°における回折ピークのピーク強度の強度比が0.008〜0.020である請求項に記載の光触媒材料。
  9. 10質量%の濃度で水に分散させたときのスラリーのJIS Z8701におけるL表示系のL値が76〜95であり、a値が−13.0〜−2.0であり、b値が4.0〜11.0である請求項1〜のいずれか1項に記載の光触媒材料。
  10. 請求項1〜のいずれか1項に記載の光触媒材料の製造方法であって、
    2価銅化合物と光半導性の無機酸化物粒子とを含有する懸濁液を水熱処理する工程、及び
    前記水熱処理した懸濁液の固形分を焼成する工程を含む光触媒材料の製造方法。
  11. 前記水熱処理する工程の前に、熟成処理する工程を含む請求項10に記載の製造方法。
  12. 請求項1〜のいずれか1項に記載の光触媒材料を含有する抗ウイルス剤。
  13. 請求項1〜のいずれか1項に記載の光触媒材料を含有する抗菌剤。
  14. 請求項1〜のいずれか1項に記載の光触媒材料と、バインダーと、分散媒とを含有してなる、光触媒コーティング組成物。
  15. 前記バインダーが、樹脂の分散体の形態で組成物中に存在してなるものである、請求項14に記載の光触媒コーティング組成物。
  16. 前記分散媒が水性媒体である、請求項14または15に記載の光触媒コーティング組成物。
  17. 請求項1416のいずれか1項に記載の光触媒コーティング組成物の硬化体の光触媒塗装体。
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