JP6368926B2 - 光触媒コーティング組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、可視光の照射による変色が抑制された、耐光性、抗ウイルス性及び抗菌性を有する光触媒塗装体を形成可能な光触媒コーティング組成物に関する。
酸化チタン(TiO)を用いた光触媒は、安価で化学的安定性に優れ、高い光触媒活性(有機化合物分解性、抗菌性等)を有し、人体に無害であること等により、広く用いられている。
この酸化チタンに金属銅又は銅化合物を担持させ又は混合したものは、優れた光触媒又は抗ウイルス剤となることが知られている。
例えば、特許文献1には、ウイルス伝染を減少させる及び/又は防止するための、一般式Mの化合物のナノ粒子の使用が記載されており、また、このナノ粒子として、TiO、CuOの組合せが列挙されている。
上記のような酸化チタンと金属銅又は銅化合物との組合せにおいて、酸化チタンの結晶型に着目し、酸化チタンとしてアナターゼ型酸化チタンを用いることにより抗ウイルス性能を向上させることも行われている。
特許文献2には、CuO/TiO(質量%比)=1.0〜3.5の範囲で銅を含有するアナターゼ型酸化チタンからなるファージ・ウイルスの不活性化剤が記載されている。また、特許文献2には、銅を含むアナターゼ型酸化チタンが、紫外線照射下でファージ・ウイルスを不活化することを見出して発明を完成したと記載されている。
また、特定の結晶型(ルチル型)かつ特定の結晶性の酸化チタンを用いることにより、銅化合物として単独では抗ウイルス活性のない2価銅化合物を用いた場合も、暗所、可視光下において極めて高い抗ウイルス性能が発現することが見出されている。
特許文献3には、2価銅化合物と最も強い回折ピークの半値全幅が0.65度以下のルチル型酸化チタンの組み合わせにおいて、暗所、可視光下ともに優れた抗ウイルス性が発現することが記載されている。
特表2009−526828号公報 特開2006−232729号公報 特許第5343176号公報
特許文献1〜3の光触媒、抗ウイルス剤は、それぞれの条件下において高い抗ウイルス効果を示す。しかしながら、CuOをはじめとした2価銅化合物を光触媒(例えば、酸化チタン)に担持させた、これらの光触媒組成物又は抗ウイルス剤は、光を大気中で照射した場合、2価銅化合物が激しく変色してしまう現象が観察された。当該変色は、ブラックライトのような紫外線からなる光源下では、光触媒に担持された2価銅化合物が還元され金属銅又は1価銅化合物が生成することにより引き起こされ、黒色化傾向を示す。また、当該変色は、蛍光灯や太陽光のような波長400nm以上の可視光を含む光源下では、2価銅化合物の表面に水酸基が生成し、水酸基の数が増加することにより引き起こされ、白色化傾向を示す。これらの光触媒組成物又は抗ウイルス剤をコーティング組成物として使用する場合、紫外線からなる光源下で使用するケースは特異であり、蛍光灯やLEDのような照明の下、あるいは太陽光の下で使用することになる。それゆえ、発生する前記変色は白色化であり、実用化のために白色化を抑制する改善が望まれている。
本発明は、このような状況下になされたものであり、可視光を空気中で照射した場合の抗ウイルス性能及び抗菌性能に優れ、且つ、可視光の照射による変色が抑制された光触媒塗装体を形成可能な光触媒コーティング組成物の提供を目的とする。
本発明者らは、所定の2価銅化合物及び光触媒を含有する光触媒組成物が分散されてなる光触媒コーティング組成物が、これを基材に適用して得られる光触媒塗装体(以下、省略して「塗装体」と称する場合がある)において、優れた抗ウイルス活性及び抗菌活性を発現するとともに、可視光の照射による変色、とりわけ白色化が抑制可能であることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は次の[1]〜[11]の態様を提供するものである。
[1]光触媒組成物と、バインダーと、分散媒とを含有してなる光触媒コーティング組成物であって、前記光触媒組成物が、下記一般式(1)で表される少なくとも1種の2価銅化合物と、光触媒とを含有するものである、光触媒コーティング組成物。
Cu(OH)(SO (1)
(式中、x≠0、y≠0、z≠0であり、さらにx、y及びzは、2x=y+2zの関係を満たす、正の整数である。)
[2]一般式(1)で表される少なくとも1種の2価銅化合物が、x=3、y=4及びz=1であるもの、及び、x=4、y=6及びz=1であるものの少なくとも1種のものである、上記[1]に記載の光触媒コーティング組成物。
[3]前記光触媒が酸化チタン、バナジン酸ビスマス及び酸化タングステンからなる群から選択される少なくとも一種のものである、上記[1]又は[2]に記載の光触媒コーティング組成物。
[4]前記光触媒が酸化チタンである、上記[3]に記載の光触媒コーティング組成物。
[5]酸化チタン全量中におけるルチル型酸化チタンの含有量が15モル%以上である、上記[4]に記載の光触媒コーティング組成物。
[6]前記バインダーが、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、及びフッ素樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の樹脂である、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の光触媒コーティング組成物。
[7]前記バインダーが、前記樹脂の分散体の形態で組成物中に存在してなるものである、上記[6]に記載の光触媒コーティング組成物。
[8]前記分散媒が水性媒体である、上記[1]〜[7]のいずれかに記載の光触媒コーティング組成物。
[9]基材の表面に適用され、乾燥されて光触媒塗装体を形成するのに用いられる、上記[1]〜[8]のいずれかに記載の光触媒コーティング組成物。
[10]基材に、上記[1]〜[8]のいずれかに記載の光触媒コーティング組成物を適用し、乾燥することを少なくとも含んでなる、光触媒塗装体の製造方法。
[11]上記[10]に記載の方法によって得られた、光触媒塗装体。
本発明によれば、可視光を空気中で照射した場合の抗ウイルス性能及び抗菌性能に優れ、且つ、可視光の照射による変色が抑制された光触媒塗装体を形成可能な光触媒コーティング組成物を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は下記の実施形態に限定されるものではない。
[光触媒コーティング組成物]
本発明の光触媒コーティング組成物は、光触媒組成物と、バインダーと、分散媒とを含有してなり、前記光触媒組成物が、下記一般式(1)で表される少なくとも1種の2価銅化合物と、光触媒とを含有することを特徴とする。
Cux(OH)y(SO4)z (1)
(式中、x≠0、y≠0、z≠0であり、さらにx、y及びzは、2x=y+2zの関係を満たす、正の整数である。)
<2価銅化合物>
本発明で用いられる光触媒組成物は、上記一般式(1)で表される少なくとも1種の2価銅化合物を含む。
このような2価銅化合物を使用することにより、光触媒コーティング組成物は、これを基材に適用してなる塗装体に可視光が照射されても、2価銅化合物の表面に水酸基が生成され、その数が増加する現象を抑制することができる。その結果、塗装体の変色、とりわけ白色化を抑制することができる。上記一般式(1)で表わされる2価銅化合物は、無水物であっても水和物であってもよい。
光触媒作用による2価銅化合物の還元等をより大きく抑制できることから、より好ましい2価銅化合物は、上記一般式(1)で、x=3、y=2及びz=2であるもの、x=3、y=4及びz=1であるもの、x=4、y=6及びz=1であるもの、x=5、y=6及びz=2であるもの、並びにx=15、y=22及びz=4であるものの少なくとも1種の2価銅化合物であり、更に好ましい2価銅化合物は、上記一般式(1)で、x=3、y=4及びz=1であるもの、及び、x=4、y=6及びz=1であるものの少なくとも1種の2価銅化合物である。これらの2価銅化合物は、1種を単独で、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明において、2価銅化合物は、可視光の照射による塗装体の変色が少ない範囲で、上記一般式(1)で表される少なくとも1種の2価銅化合物のほかに、さらに、CuOを含有してもよい。これにより、塗装体は、更に優れた抗ウイルス活性を発現することができる。
光触媒100質量部に対する式(1)で表される2価銅化合物及びCuOの含有量は、銅元素として、好ましくは0.01〜20質量部であり、より好ましくは0.1〜20質量部であり、更に好ましくは0.1〜15質量部であり、特に好ましくは0.3〜15質量部である。光触媒100質量部に対する2価銅化合物の含有量が銅で0.01質量部以上であることにより、可視光下における抗ウイルス性能及び抗菌性能が十分に得られる。また、光触媒100質量部に対する2価銅化合物の含有量が銅で20質量部以下であることにより、光触媒の表面が2価銅化合物により被覆されてしまうことを抑制でき、光触媒組成物の光触媒活性を高くできる。
2価銅化合物中のCuOの含有量は、X線回折測定の強度比を用いて算出した相定量推定値として、好ましくは50質量部以下であり、より好ましくは30質量部以下であり、更に好ましくは20質量部以下であり、特に好ましくは15質量部以下である。2価銅化合物中のCuOの含有量が50質量部以下であると、光照射による白色化を抑制することができる。
光触媒100質量部に対する2価銅化合物中の銅元質量は、後述するICP(誘導結合プラズマ)発光分光分析により光触媒組成物の各成分の含有量を測定することで定量することもできる。
本発明において、2価銅化合物は光触媒に担持されているのが好ましい。これにより、2価銅化合物の分散性を高めることができる。また、2価銅化合物は光触媒に担持されていなくてもよい。これにより、光触媒作用による塗装体の変色をより少なくすることができる。
<光触媒>
本発明で用いられる光触媒組成物は光触媒を含む。この光触媒は、光触媒反応によって有機物を分解する活性酸素種(・O 、・O、・OH、H及び・HO等)を生成するもの、又は、光励起によって価電子帯に生じる正孔(ホール)が有機物から電子を奪い取ることができるものであれば特に限定されない。このような光触媒には、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、バナジン酸ビスマス及び酸化タングステン等が挙げられる。優れた抗菌活性及び抗ウイルス活性を発現することから、より好ましい光触媒は酸化チタン、バナジン酸ビスマス及び酸化タングステンからなる群から選択される少なくとも一種のものであり、更に好ましい光触媒は酸化チタンである。好ましい酸化チタンは、アモルファス酸化チタン、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン及びブルッカイト型酸化チタンからなる群から選択される少なくとも一種のものであり、より好ましい酸化チタンは、アナターゼ型酸化チタン及びルチル型酸化チタンからなる群から選択される少なくとも一種のものであり、更に好ましくはルチル型酸化チタンである。
本発明で用いられる酸化チタンは、ルチル型酸化チタンの含有量(以下、「ルチル化率」ということもある)が15モル%以上である酸化チタンであることが好ましい。ルチル型酸化チタンの含有量が15モル%以上であると、塗装体の抗ウイルス性能や抗菌性能が向上し、特に可視光下での抗ウイルス性能や抗菌性能が向上する。酸化チタン全量中におけるルチル型酸化チタンの含有量は、上記観点から、好ましくは18モル%以上であり、より好ましくは50モル%以上、更に好ましくは70モル%以上、より更に好ましくは90モル%以上である。ここで、このルチル型酸化チタンの含有量は、以下に示すとおり、X線回折(XRD)によって測定した値である。
酸化チタン全量中におけるルチル型酸化チタンの含有量は、粉末X線回折法により測定することができる。すなわち、乾燥させた酸化チタン原料について、測定装置としてPANalytical社製「X’pertPRO」を用い、銅ターゲットを用い、Cu−Kα1線を用いて、管電圧45kV、管電流40mA、測定範囲2θ=20〜100deg、サンプリング幅0.0167deg、走査速度1.1deg/minの条件でX線回折測定を行う。ルチル型結晶に対応する最大ピークのピーク高さ(Hr)、ブルッカイト型結晶に対応する最大ピークのピーク高さ(Hb)、及びアナターゼ型結晶に対応する最大ピークのピーク高さ(Ha)を求め、以下の計算式により、酸化チタン中におけるルチル型酸化チタンの含有量(ルチル含有量)を求める。
ルチル含有量(モル%)={Hr/(Ha+Hb+Hr)}×100
酸化チタンは、四塩化チタンを原料として、気相法(四塩化チタンと酸素との気相反応により酸化チタンを得る方法)によって得られたものが好ましい。気相法で得られた酸化チタンは、粒径が均一であると同時に、製造時に高温プロセスを経由しているため、結晶性が高いものとなり、その結果、得られる組成物の光触媒活性が良好なものとなる。
酸化チタンとしては、市販されている酸化チタンをそのまま使用するほうが、触媒調製の工程を考えると有利である。市販されている酸化チタンには、液相法で製造されたものと気相法で製造されたものがあるが、液相法で製造されたものは、比表面積が大きくルチルの結晶性が低いため、焼成等を行って最適な比表面積及び結晶性を有する酸化チタンにしなければならない。このような焼成する工程を経ると、その分、余計な手間がかかり、コスト高の原因となる。また、焼成時に着色してしまうというトラブルも発生しかねない。このような観点からも、適度な結晶性と比表面積を有する、気相法で得られた酸化チタンの市販品(例えば、昭和電工セラミックス(株)製のルチル型酸化チタン)を、そのまま使用することが好ましい。
<バインダー>
本発明の光触媒コーティング組成物はバインダーを含む。バインダーにより、2価銅化合物及び光触媒を基材表面に固定化することができる。バインダーは、有機系バインダー及び無機系バインダーのいずれも用いることができる。無機系バインダーには、例えば、シリカ系等が挙げられる。これにより、光触媒が基材表面に付着される。有機系バインダーには、例えば、高分子バインダー等が挙げられる。高分子バインダーは重合及び溶媒揮発により薄膜を形成することができる。
高分子バインダーには、天然樹脂及び合成樹脂のいずれも使用することができる。合成樹脂には、例えば、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリロニトリル/スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合(ABS)樹脂、ポリエステル樹脂及びエポキシ樹脂等が挙げられる。さらに、これらの樹脂をシリコーン変性、あるいはハロゲン変性させた樹脂を用いることも、シリコーン樹脂を用いることもできる。これらのうち、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、及びフッ素樹脂より選択される少なくとも一種がバインダーとして好適に利用できる。本発明のより好ましい態様によれば、バインダーは、これらの樹脂をエマルション等の分散体の形態で配合され、光触媒コーティング組成物中に存在する。
バインダーの添加量は適宜決定されて良いが、光触媒コーティング組成物の固形分総量に対して10質量%以上65質量%以下程度が通常であり、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、また好ましくは55質量%以下、より好ましくは45質量%以下である。このような量とすることで、塗装体の機械的強度を保持しながら、適度に光触媒を露出させることが可能となり、明所及び暗所で優れた抗菌性、抗ウイルス性を発揮させることができる。
<分散媒>
本発明の光触媒コーティング組成物は分散媒を含む。分散媒としては、水性媒体を用いることが好ましい。このような水性媒体としては、水、水と混合可能な有機溶剤(例えば、アルコール)、又はそれらの混合溶媒が好適に用いられ、より好ましい水性媒体は、水である。分散媒の量は適宜決定されてよいが、光触媒コーティング組成物において、固形分濃度が30質量%以上80質量%以下となるように添加されることが好ましく、40質量%以上60質量%以下であることがより好ましい。固形分濃度がこの範囲にあることで、光触媒コーティング組成物としての安定性が得られ、場合によっては、塗装体の隠蔽性を確保できるとの利点も得られる。
<任意成分>
本発明の光触媒コーティング組成物は、本発明の目的を阻害しない範囲内において、上記以外に任意成分を含有してもよい。任意成分としては、着色顔料、体質顔料、艶消し材、防腐剤、消泡剤、分散剤、レベリング剤、増粘剤などが挙げられる。
[光触媒コーティング組成物の使用形態]
本発明の光触媒コーティング組成物は、所定の基材の表面に適用され、その後適宜乾燥して、塗装体を形成するために使用される。上記の基材には、例えば、繊維強化セメント板、石膏ボード、コンクリート部材、壁紙、繊維、金属、セラミック及びガラス等の一般的な部材からなる単一基材、並びに上述の部材の2種以上からなる複合基材が挙げられる。また、塗装体と基材との密着性を得るために、光触媒性コーティング組成物を適用する前に、上記基材にあらかじめ下塗材を適用しても良い。下塗材としては任意の材料を使用できる。
本発明の光触媒コーティング組成物の基材への適用は、刷毛、ローラー、スプレー等による塗布、ロールコーター、フローコーター、ディップコート、流し塗り等の塗布装置による塗布、スクリーン印刷等の印刷など一般に広く行なわれている方法を利用できる。光触媒コーティング組成物の基材への適用後は、常温乾燥させればよく、あるいは必要に応じて加熱乾燥してもよい。乾燥温度は5℃以上500℃以下であることが好ましい。バインダーとして高分子バインダーを用いる場合や基材の少なくとも一部が樹脂成分を含む場合は、これらの耐熱温度等を考慮し、5℃以上200℃以下で適宜設定すればよい。バインダーとして無機バインダーを用いる場合は、基材の耐熱温度を上限として、2価銅化合物の耐熱温度を考慮し、500℃以下で適宜設定すればよい。
本発明の光触媒コーティング組成物を適用して得られる塗装体を使用する場所は特に限定されない。例えば、光触媒活性が発現する任意の光線の存在下で、塗装体を使用することができる。塗装体は、水の存在下(例えば、水中及び海水中等)、乾燥状態(例えば、冬季等における低湿度の状態等)、高湿度の状態、又は有機物の共存下においても、高いウイルス不活化性能及び抗菌性能を有し、持続的にウイルスを不活化及び抗菌することができる。例えば、壁、床及び天井等に塗装体を設けることができる。また、光触媒活性が発現する任意の光線の存在下であれば、病院及び工場等の建築物、工作機械、測定装置類、電化製品の内部及び部品(例えば、冷蔵庫、洗濯機及び食器洗浄機等の内部、並びに空気洗浄機のフィルター等)等の任意の対象物に、本発明の光触媒コーティング組成物を適用できる。
特に、本発明の光触媒コーティング組成物を適用してなる塗装体は、可視光の照射下において変色を抑制することができる点から、屋内外を問わず、長時間可視光照射下に曝される場所で用いられ、又はそのような場所に設置される任意の対象物に、好適に適用できる。
[光触媒コーティング組成物の抗ウイルス性能及び抗菌性能]
本発明の光触媒コーティング組成物を適用して得られる塗装体は、800ルクスの照度の可視光照射60分間で、好ましくは99.0%以上、より好ましくは99.9%以上の抗ウイルス性能及び抗菌性能を有する。ここで、抗ウイルス性能及び抗菌性能は、LOG(N/N)の式により算出できる。式中、Nは可視光照射前のファージ濃度又は菌濃度であり、Nは可視光照射後のファージ濃度又は菌濃度である。抗ウイルス性能及び抗菌性能は、後述の実施例において詳細に説明する。
また、本発明の光触媒コーティング組成物を適用して得られる塗装体は、照度7000ルクスの蛍光灯下で48時間保管後の色彩値の変化から算出される色差ΔE*abの値が3.0以下であることが好ましい。ここで、色差ΔE*abの値が小さいほど光照射による塗装体の変色が小さいことを意味する。ΔE*abの値は、より好ましくは2.5以下、更に好ましくは2.0以下である。ΔE*abの値は、後述の実施例において詳細に説明する方法で算出される。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
まず、2価銅化合物と光触媒とを含有してなる光触媒組成物1〜9を以下のようにして作製した。
<光触媒組成物1>
蒸留水250mLに15g(100質量部)のルチル型酸化チタン(昭和電工セラミックス(株)製、BET比表面積:12m/g)を懸濁させて懸濁液を作製し、5.8965gのCuSO・5HO(銅で10質量部)(関東化学(株)製)を懸濁液に添加した後、懸濁液を10分間攪拌した。水酸化ナトリウム(関東化学(株)製)を使用して作製した1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を、懸濁液のpHが10になるように、懸濁液に添加し、30分間攪拌混合を行ってスラリーを得た。このスラリーをろ過し、得られた粉体を純水で洗浄し、80℃で乾燥し、ミキサーで解砕した。この解砕粉末を大気中、350℃で3時間熱処理し、2価銅化合物がルチル型酸化チタンに担持されている光触媒組成物1を得た。
<光触媒組成物2>
350℃の熱処理温度を、450℃にしたこと以外は光触媒組成物1の作製と同様の操作を行って、2価銅化合物がルチル型酸化チタンに担持されている光触媒組成物2を得た。
<光触媒組成物3>
350℃の熱処理温度を、550℃にしたこと以外は光触媒組成物1の作製と同様の操作を行って、2価銅化合物がルチル型酸化チタンに担持されている光触媒組成物3を得た。
<光触媒組成物4>
蒸留水250mLに、5.8965gのCuSO・5HO(関東化学(株)製)を添加して、10分間攪拌した。pHが8.5になるように、1mol/Lの水酸化ナトリウム(関東化学(株)製)水溶液を添加し、30分間攪拌混合を行ってスラリーを得た。このスラリーをろ過し、得られた粉体を純水で洗浄し、80℃で乾燥し、ミキサーで解砕した。この解砕粉末を大気中、350℃で3時間熱処理し、Cu(OH)SO粉末を得た。
1.787gの得られたCu(OH)SO粉末と、10.00gのルチル型酸化チタン(昭和電工セラミックス(株)製、BET比表面積:12m/g)を100mLの蓋付きポリエステル容器に投入した。その後、水を28.00g、及び3φのジルコニアボールを100g投入し、70回転/分の速度で30分間、一軸回転させ、物理混合させた。このスラリーをろ過し、50℃で乾燥し、ミキサーで解砕し、2価銅化合物とルチル型酸化チタンとが混合された光触媒組成物4を得た。
<光触媒組成物5>
ルチル型酸化チタン(昭和電工セラミックス(株)製、BET比表面積:12m/g)を酸化タングステン粉末(アライドマテリアル社製、BET比表面積:8m/g)にしたこと以外は光触媒組成物1の作製と同様の操作を行って、2価銅化合物が酸化タングステンに担持されている光触媒組成物5を得た。
<光触媒組成物6>
蒸留水250mLに15g(100質量部)のルチル型酸化チタン(昭和電工セラミックス(株)製、BET比表面積:12m/g)を懸濁させて懸濁液を作製し、4.026gのCuCl・2HO(銅で10質量部)(関東化学(株)製)を懸濁液に添加した後、懸濁液を10分間攪拌した。水酸化ナトリウム(関東化学(株)製)を使用して作製した1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を、懸濁液のpHが10になるように、懸濁液に添加し、30分間攪拌混合を行ってスラリーを得た。このスラリーをろ過し、得られた粉体を純水で洗浄し、80℃で乾燥し、ミキサーで解砕し、光触媒組成物6を得た。
<光触媒組成物7>
光触媒組成物6を大気中、350℃で3時間熱処理し、2価銅化合物がルチル型酸化チタンに担持されている光触媒組成物7を得た。
<光触媒組成物8>
5.8965gのCuSO・5HOを、5.7055gのCu(NO)・3HO(銅で11.6質量部)(関東化学(株)製)としたこと以外は光触媒組成物1の作製と同様の操作を行って、2価銅化合物がルチル型酸化チタンに担持されている光触媒組成物8を得た。
<光触媒組成物9>
5.8965gのCuSO・5HOを、4.7150gのCu(CHCOO)・HO(銅で10質量部)(関東化学(株)製)としたこと以外は光触媒組成物1の作製と同様の操作を行って、2価銅化合物がルチル型酸化チタンに担持されている光触媒組成物9を得た。
<評価>
以上のように作製した光触媒組成物1〜9について、以下の評価を実施した。
(ICP発光分光分析)
ICP発光分光分析により光触媒組成物1〜9に含まれる銅元素量等を定量した。具体的には、光触媒組成物1〜9を、それぞれフッ酸溶液中で加熱し全溶解して溶解液を作製した。そして、ICP発光分析装置((株)島津製作所製、型番ICPS−7500)を使用して各溶解液から抽出した抽出液を分析し、光触媒組成物中の銅元素量等を定量した。その結果、各光触媒組成物において仕込み量通りの銅元素量が確認された。
(2価銅化合物の同定及び定量)
光触媒組成物1〜9について、混合又は担持されている2価銅化合物を粉末X線回折法により同定した。 測定装置としてPANalytical社製「X’pertPRO」を用い、銅ターゲットを用い、Cu−Kα1線を用いて、管電圧45kV、管電流40mA、測定範囲2θ=20〜100deg、サンプリング幅0.0167deg、走査速度3.3deg/minの条件でX線回折測定を行い、2価銅化合物の同定を行った。また、統合ソフトウエアHighScore(Plus)のリファレンス強度比法を使用して、相定量推定値も求めた。結果は以下の表1に示される通りであった。
次に、光触媒組成物1〜9を用いて光触媒コーティング組成物を以下のように作製した。
<実施例1>
100mLの蓋付きポリエステル容器に、光触媒組成物1を12g、水を28g、カオーセラ2000(花王(株)製、商品名、分散剤)を0.24g、及びφ3mmのジルコニアボールを50g投入した後、蓋付きポリエステル容器を70r/minの速度で30分間、一軸回転させ、スラリーを作製した。得られたスラリー1gとボンコート40−418E(DIC(株)製、商品名、アクリル系エマルジョン)4gとをガラス棒にて混合して、実施例1の光触媒コーティング組成物を作製した。
<実施例2〜5、比較例1〜4>
光触媒組成物1を用いる代わりに光触媒組成物2を用いる以外は実施例1と同様の操作を行なって、実施例2の光触媒コーティング組成物を作製した。また、同様に、各光触媒組成物3〜5を用いて実施例3〜5の各光触媒コーティング組成物を作製した。さらに、同様に、各光触媒組成物6〜9を用いて比較例1〜4の各光触媒コーティング組成物を作製した。
<評価>
(光照射による変色評価、色彩値変化及び色差の算出)
以下に示す手順で、実施例1〜5及び比較例1〜4の光触媒コーティング組成物を用いて塗装体を形成し、塗装体の色彩値(L、a、b)を測定した。まず、基材としてのガラス板(50mm×50mm×1mm)に、光触媒コーティング組成物を0.5g塗布し、均一に塗り広げた。このガラス板を暗所で一晩乾燥させ、塗装体が形成された色彩値測定用サンプルを得た。
色彩値測定用サンプルを2枚準備し、一方は暗所に48時間保管した。他方は、光源として15W白色蛍光灯(パナソニック(株)製、フルホワイト蛍光灯、FL15N)を用い、照度が7000ルクス(照度計:(株)トプコン製、IM−5にて測定)になる位置に置いて48時間保管した。
得られたサンプルの色彩値(明度;L、色相、彩度を表す色座標(色度);a、b)を、分光測色計「CM−3700d」(コニカミノルタ(株)製)を用いて、標準光源:D65、測定径:φ25.4mm、及びdi:8°の条件で測定した。暗所に保管していたサンプルの色彩値をL 、a 、b とし、白色蛍光灯下に保管していたサンプルの色彩値をL 、a 、b として、光照射前後における色彩値の変化ΔL、Δa、Δbを、それぞれ、ΔL=L −L 、Δa=a −a 、Δb=b −b として算出した。
また、上記のとおり算出したΔL、Δa、Δbから、色差ΔEabを、ΔEab=[(ΔL+(Δa+(Δb1/2として算出した。
ここで、ΔL、Δa、Δbの絶対値、並びにΔEabの値が小さいほど光照射による塗装体の変色が小さいことを意味する。
以上の評価結果を、以下の表1に示す。
Figure 0006368926
<実施例6>
総固形分量に対して、光触媒組成物1が5.0wt%、アクリル樹脂が32.5wt%、白色顔料が45.9wt%、任意成分として、つや消し材が10wt%とタルクが6.6wt%となるように、各材料をイオン交換水に分散して、実施例6の光触媒コーティング組成物を作製した。このコーティング組成物の固形分濃度は45.5wt%であった。
<実施例7及び8>
光触媒組成物1を用いる代わりに光触媒組成物2を用いる以外は実施例6と同様の操作を行なって、実施例7の光触媒コーティング組成物を作製した。また、同様に、光触媒組成物3を用いて実施例8の光触媒コーティング組成物を作製した。
<実施例9>
総固形分量に対して、光触媒組成物3が5.0wt%、シリコーン樹脂が32.1wt%、白色顔料が50.0wt%、任意成分として、つや消し材が5.6wt%と、タルクが7.3wt%となるように、各材料をイオン交換水に分散して、実施例9の光触媒コーティング組成物を作製した。このコーティング組成物の固形分濃度は45.5wt%であった。
<実施例10>
総固形分量に対して、光触媒組成物3が5.0wt%、シリコーン樹脂が19.3wt%、フッ素樹脂が12.8wt%、白色顔料が50.0wt%、任意成分として、つや消し材が5.6wt%とタルクが7.3wt%となるように、各材料をイオン交換水に分散して、実施例10の光触媒コーティング組成物を作製した。このコーティング組成物の固形分濃度は45.5wt%であった。
<比較例5>
光触媒組成物1を用いる代わりに光触媒組成物7を用いる以外は実施例6と同様の操作を行なって、比較例5の光触媒コーティング組成物を作製した。
耐光性評価用塗装体の作製
繊維強化セメント板(JIS A 5430/50mm×50mm×3mmT)の表面に、エポキシ変成アクリル樹脂エマルジョン塗料(下塗塗料)を、塗着量100g/mとなるように、ローラーを用いて塗装し、1日常温で養生した。次いで、実施例6〜10及び比較例5の各コーティング組成物を、塗着量を110g/m・回として、ローラーを用いて2回塗装した。その際の塗装間隔は4時間とし、2回目の塗装を終了した後に常温で1日養生した塗装体1〜6を後述する耐光性評価に用いた。
抗菌性評価用塗装体の作製
あらかじめ洗浄したソーダガラス板(50mm×50mm×2mmT)の表面に、実施例6〜10及び比較例5の各コーティング組成物を、塗着量220g/mとなるように、エアースプレーで塗装した。塗装後、常温で1週間以上養生した塗装体7〜12を後述する抗菌性評価に用いた。
抗ウイルス性評価用塗装体の作製
前記塗装体7〜12を後述する抗ウイルス性評価にも用いた。
<評価>
(耐光性評価)
気温30℃、相対湿度90%RHに制御した環境試験室内で、20Wの白色蛍光灯(東芝ライテック(株)製、「ネオライン」FL20S・W)を光源として、照度7000ルクスで10日間、光照射した。なお、照度は照度計:(株)トプコン製、IM−5を用いて測定した。光照射前後における塗装体1〜4の表面の外観変化を評価した。
外観変化はL表色系にて数値化して比較した。色差計は、MINOLTA SPECTROPGOTOMETER CM−3700dを用い、標準光源をD65、ターゲットマスク:MAV(8mm)、di:2°とし、正反射光を含むSCI方式で測定した。
光照射前の塗装体1〜4の表面の明度L と10日間光照射した後の塗装体1〜4の表面の明度L 値の差から、明度変化の絶対値|ΔL|を算出した。|ΔL|が大きいほど、光照射による明度変化が顕著であることを示している。
(抗菌性評価)
JIS R1752に準拠して、黄色ブドウ球菌を用いて抗菌試験を実施した。20Wの白色蛍光灯(東芝ライテック(株)製、「ネオライン」FL20S・W)を光源として用い、紫外線カットフィルター(日東樹脂工業(株)製、N−113)を通して、400nm以上の可視光を、照度1000ルクスで照射した。なお、照度は照度計:(株)トプコン製、IM−5を用いて測定した。可視光の照射時間を4時間として、明所の抗菌活性値RA−1000と光照射による効果ΔRを下式により算出した。
抗菌活性値 RA−1000 = Log10(UBA−1000/TBA−1000
TBA−1000:光照射後の塗装体5〜8あたりの生菌数(cfu)
UBA−1000:光照射後のコントロールあたりの生菌数(cfu)
コントロールは抗菌加工が成されていないソーダガラスとした
光照射による効果 ΔR = RA−1000 − Log10(UB/TB
TB:4時間暗所に保管後の塗装体5〜8あたりの生菌数(cfu)
UB:4時間暗所に保管後のコントロールあたりの生菌数(cfu)
コントロールは抗菌加工が成されていないソーダガラスとした
(抗ウイルス性評価)
JIS R 1756(2013)に従って、バクテリオファージQβを用いて、抗ウイルス試験を実施した。20Wの白色蛍光灯(東芝ライテック(株)製、「ネオライン」FL20S・W)を光源として用い、紫外線カットフィルター(日東樹脂工業(株)製、N−113)を通して、400nm以上の可視光を、照度1000ルクスで照射した。なお、照度は照度計:(株)トプコン製、IM−5を用いて測定した。可視光の照射時間を4時間として、明所の抗ウイルス活性値VA−1000と暗所の抗ウイルス活性値V、及び、光照射による効果ΔVを下式により算出した。
明所の抗ウイルス活性値VA−1000 = Log10(UVA−1000/TVA−1000
TVA−1000:光照射後の塗装体9〜12あたりのバクテリオファージ感染価(pfu)
UVA−1000:光照射後のコントロールあたりのバクテリオファージ感染価(pfu)
コントロールは抗ウイルス加工が成されていないソーダガラスとした
暗所の抗ウイルス活性値 V = Log10(UV/TV
TV:4時間暗所に保管後の塗装体9〜12あたりのバクテリオファージ感染価(pfu)
UV:4時間暗所に保管後のコントロールあたりのバクテリオファージ感染価(pfu)
コントロールは抗菌加工が成されていないソーダガラスとした
光照射による効果 ΔV = VA−1000 − V
なお、抗菌性あるいは抗ウイルス性を評価する前に、塗装体の表面及び裏面をそれぞれ、クリンベンチ内にて殺菌灯を照射して、滅菌処理した。殺菌灯は15Wの殺菌灯(波長254nm)がクリンベンチの側面に各1本、計2本設置され、塗装体から光源までの距離を30cm〜60cmとした。殺菌灯の照射時間は15分とした。
結果
上記の耐光性、抗菌性、及び抗ウイルス性の評価結果は表2および3に示される通りであった。
Figure 0006368926
Figure 0006368926

Claims (10)

  1. 光触媒組成物と、バインダーと、分散媒とを含有してなる光触媒コーティング組成物であって、前記光触媒組成物が、下記一般式(1)で表される少なくとも1種の2価銅化合物と、CuOと、光触媒とを含有してなり、前記一般式(1)で表される少なくとも1種の2価銅化合物と前記CuOとの含有量の合計を100重量部としたときの、X線回折測定の強度比を用いて算出される前記CuOの含有量が50質量部以下である、光触媒コーティング組成物。
    Cu(OH)(SO (1)
    (式中、x≠0、y≠0、z≠0であり、さらにx、y及びzは、2x=y+2zの関係を満たす、正の整数である。)
  2. 一般式(1)で表される少なくとも1種の2価銅化合物が、x=3、y=4及びz=1であるもの、及び、x=4、y=6及びz=1であるものの少なくとも1種のものである、請求項1に記載の光触媒コーティング組成物。
  3. 前記光触媒が酸化チタン、バナジン酸ビスマス、及び酸化タングステンからなる群から選択される少なくとも一種のものである、請求項1又は2に記載の光触媒コーティング組成物。
  4. 前記光触媒が酸化チタンである、請求項3に記載の光触媒コーティング組成物。
  5. 前記酸化チタンが、当該酸化チタン全量中におけるルチル型酸化チタンの含有量が15モル%以上のものである、請求項3又は4に記載の光触媒コーティング組成物。
  6. 前記バインダーが、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、及びフッ素樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の樹脂である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光触媒コーティング組成物。
  7. 前記バインダーが、前記樹脂の分散体の形態で組成物中に存在してなるものである、請求項6に記載の光触媒コーティング組成物。
  8. 前記分散媒が水性媒体である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の光触媒コーティング組成物。
  9. 基材の表面に適用され、乾燥されて光触媒塗装体を形成するのに用いられる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の光触媒コーティング組成物。
  10. 基材に、請求項1〜8のいずれか一項に記載の光触媒コーティング組成物を適用し、乾燥することを少なくとも含んでなる、光触媒塗装体の製造方法。
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