JP6485291B2 - 渦電流式発熱装置 - Google Patents

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Description

本発明は、回転軸の運動エネルギ(回転動力)を熱エネルギに変換して回収するための発熱装置に関する。特に、本発明は、永久磁石(以下、単に「磁石」ともいう)を用い、磁石からの磁界の作用によって生じる渦電流を利用した渦電流式発熱装置に関する。
近年、化石燃料の燃焼に伴う二酸化炭素の発生が問題視される。このため、太陽熱エネルギ、風力エネルギ、水力エネルギ等のような自然エネルギの活用が推進される。自然エネルギの中でも、風力エネルギ、水力エネルギ等は流体の運動エネルギである。従来、流体運動エネルギを活用して発電が行われる。
例えば、一般的な風力発電設備では、羽根車が風力を受けて回転する。羽根車の回転軸は発電機の入力軸に連結されており、羽根車の回転に伴って発電機の入力軸が回転する。これにより、発電機で電気が発生する。つまり、一般的な風力発電設備では、風力エネルギが羽根車の回転軸の運動エネルギに変換され、この回転軸の運動エネルギが電気エネルギに変換される。
特開2011−89492号公報(特許文献1)は、エネルギの利用効率の向上を図った風力発電設備を開示する。特許文献1の発電設備は渦電流式減速装置を備え、風力エネルギから電気エネルギへの変換過程で熱エネルギを発生する。
特許文献1の発電設備においては、風力エネルギが羽根車の回転軸の運動エネルギに変換され、この回転軸の運動エネルギが油圧ポンプの油圧エネルギに変換される。油圧エネルギによって油圧モータが回転する。油圧モータの主軸は渦電流式減速装置の回転軸に連結され、この減速装置の回転軸は発電機の入力軸に連結される。油圧モータの回転に伴って減速装置の回転軸が回転するとともに、発電機の入力軸が回転する。これにより、発電機で電気が発生する。
渦電流式減速装置は、永久磁石からの磁界の作用によって生じる渦電流を利用し、減速装置の回転軸の回転速度を減速する。これにより、油圧モータの主軸の回転速度が減速し、これに伴い油圧ポンプを介して羽根車の回転速度が調整される。
また、渦電流式減速装置においては、渦電流の発生により、回転軸の回転速度を減速させる制動力が発生すると同時に、熱が発生する。つまり、風力エネルギの一部が熱エネルギに変換される。その熱(熱エネルギ)が蓄熱装置に回収され、回収された熱エネルギによって原動機が駆動する。原動機の駆動によって発電機が駆動し、その結果として発電機で電気が発生する、と特許文献1には記載される。このことから、特許文献1の渦電流式減速装置は、羽根車の回転軸の運動エネルギを熱エネルギに変換して回収するための発熱装置ともいえる。
また、渦電流式減速装置は、トラック、バス等の車両に補助ブレーキとして搭載される場合がある。この場合の減速装置は、プロペラシャフト、ドライブシャフト等のような回転軸の回転速度を減速する。これにより、車両の走行速度が調整される。その際、回転軸の回転速度を減速させる制動力が発生すると同時に、熱が発生する。したがって、車両に搭載された渦電流式減速装置においても、回転軸の運動エネルギが熱エネルギに変換されることから、この熱エネルギを回収して活用することが望まれる。
特開2011−89492号公報
特許文献1の風力発電設備は、回転軸である羽根車と渦電流式減速装置(発熱装置)との間に油圧ポンプ及び油圧モータを備える。このため、設備の構造が複雑になる。また、多段階のエネルギ変換が必要であるから、エネルギの変換ロスが著しい。これに伴って、発熱装置としての渦電流式減速装置で得られる熱エネルギも小さくなる。
また、特許文献1の渦電流式減速装置の場合、複数の磁石が円筒状のロータの内周面に対向し、円周方向にわたり配列される。これらの磁石の磁極(N極、S極)の配置は、回転軸を中心とする周方向であって、円周方向に隣接する磁石同士で一律である。このため、磁石からの磁界が広がらず、ロータに到達する磁束密度が少ない。そうすると、実質的に、磁石からの磁界の作用によってロータに生じる渦電流が小さくなり、十分な発熱が得られない。
更に、特許文献1の渦電流式減速装置の場合、稼働中に磁石の温度が上昇することがある。磁石の温度上昇が著しくなると、磁力は低下する。以下、このような事態を減磁ともいう。磁力が低下すると、ロータに生じる渦電流が更に小さくなり、十分な発熱が得られない。
本発明は、上記の実情に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、磁石の温度上昇を抑制することができ、回転軸の運動エネルギ(回転動力)を熱エネルギに有効に変換して回収することができる渦電流式発熱装置を提供することである。
本発明の実施形態による渦電流式発熱装置は、下記(1)又は(2)の構成を備える。
(1)非回転部に回転可能に支持された回転軸と、
前記回転軸に固定された発熱部材と、
前記発熱部材に隙間を空けて対向し、互いに隣接するもの同士で磁極の配置が交互に異なる複数の永久磁石と、
前記永久磁石を保持し、前記非回転部に固定された磁石保持部材と、
前記非回転部に固定されて前記発熱部材及び前記永久磁石を包囲する密閉容器と、
前記密閉容器内を、前記発熱部材が存在する第1空間と前記永久磁石が存在する第2空間とに仕切る非磁性の隔壁と、
前記発熱部材に生じた熱を回収する熱回収機構と、
前記永久磁石を冷却する冷却機構と、を備える。
(2)非回転部に回転可能に支持された回転軸と、
前記非回転部に固定された発熱部材と、
前記発熱部材に隙間を空けて対向し、互いに隣接するもの同士で磁極の配置が交互に異なる複数の永久磁石と、
前記永久磁石を保持し、前記回転軸に固定された磁石保持部材と、
前記非回転部に固定されて前記発熱部材及び前記永久磁石を包囲する密閉容器と、
前記密閉容器内を、前記発熱部材が存在する第1空間と前記永久磁石が存在する第2空間とに仕切る非磁性の隔壁と、
前記発熱部材に生じた熱を回収する熱回収機構と、
前記永久磁石を冷却する冷却機構と、を備える。
上記(1)又は(2)の渦電流式発熱装置は、更に下記の構成を備える。
前記熱回収機構は、
前記密閉容器の前記第1空間に繋がる入口及び出口にそれぞれ接続された第1配管と、
前記各第1配管に接続された蓄熱装置と、
前記第1空間、前記第1配管、及び前記蓄熱装置を循環する蓄熱用熱媒体と、を含む。
前記冷却機構は、
前記密閉容器の前記第2空間に繋がる吸入口及び排出口にそれぞれ接続された第2配管と、
前記各第1配管、及び前記各第2配管に接続された熱交換器と、
前記第2空間、前記第2配管、及び前記熱交換器を循環する磁石冷却用熱媒体と、を含む。
前記熱交換器は、
再生器と、凝縮器と、蒸発器と、吸収器と、冷却塔と、を備えるとともに、前記再生器、前記凝縮器、前記蒸発器、及び前記吸収器を循環する熱交換器用熱媒体を備える。
前記再生器は、前記第1配管からの前記蓄熱用熱媒体と液化した前記熱交換器用熱媒体との熱交換により、前記熱交換器用熱媒体を蒸発させる。
前記蒸発器は、前記第2配管からの前記磁石冷却用熱媒体と液化した前記熱交換器用熱媒体との熱交換により、前記熱交換器用熱媒体を蒸発させる。
本発明の渦電流式発熱装置によれば、磁石の温度上昇を抑制することができ、回転軸の運動エネルギを熱エネルギに有効に変換して回収することができる。
図1は、第1実施形態の発熱装置の縦断面図である。 図2は、第1実施形態の発熱装置の横断面図である。 図3は、第1実施形態の熱交換器を模式的に示す図である。 図4は、第1実施形態の発熱装置における発熱部材の好適な態様の一例を示す横断面図である。 図5は、第2実施形態の発熱装置の縦断面図である。 図6は、第3実施形態の発熱装置の縦断面図である。 図7は、第3実施形態の熱交換器を模式的に示す図である。
本発明の実施形態による渦電流式発熱装置は、回転軸と、発熱部材と、複数の永久磁石と、磁石保持部材と、密閉容器と、非磁性の隔壁と、熱回収機構と、冷却機構と、を備える。回転軸は、非回転部に回転可能に支持される。発熱部材は、前記回転軸に固定される。複数の永久磁石は、前記発熱部材に隙間を空けて対向し、互いに隣接するもの同士で磁極の配置が交互に異なる。磁石保持部材は、前記永久磁石を保持し、前記非回転部に固定される。密閉容器は、前記非回転部に固定されて前記発熱部材及び前記永久磁石を包囲する。非磁性の隔壁は、前記密閉容器内を、前記発熱部材が存在する第1空間と前記永久磁石が存在する第2空間とに仕切る。熱回収機構は、前記発熱部材に生じた熱を回収する。冷却機構は、前記永久磁石を冷却する。
また、本発明の他の実施形態による渦電流式発熱装置において、発熱部材は、非回転部に固定されても構わない。この場合、磁石保持部材は、回転軸に固定される。
前記熱回収機構は、第1配管と、蓄熱装置と、蓄熱用熱媒体と、を含む。第1配管は、前記密閉容器の前記第1空間に繋がる入口及び出口にそれぞれ接続される。蓄熱装置は、前記各第1配管に接続される。蓄熱用熱媒体は、前記第1空間、前記第1配管、及び前記蓄熱装置を循環する。
前記冷却機構は、第2配管と、熱交換器と、磁石冷却用熱媒体と、を含む。第2配管は、前記密閉容器の前記第2空間に繋がる吸入口及び排出口にそれぞれ接続される。熱交換器は、前記各第1配管、及び前記各第2配管に接続される。磁石冷却用熱媒体は、前記第2空間、前記第2配管、及び前記熱交換器を循環する。
前記熱交換器は、再生器と、凝縮器と、蒸発器と、吸収器と、冷却塔と、を備えるとともに、熱交換器用熱媒体を備える。熱交換器用熱媒体は、前記再生器、前記凝縮器、前記蒸発器、及び前記吸収器を循環する。前記再生器は、前記第1配管からの前記蓄熱用熱媒体と液化した前記熱交換器用熱媒体との熱交換により、前記熱交換器用熱媒体を蒸発させる。前記蒸発器は、前記第2配管からの前記磁石冷却用熱媒体と液化した前記熱交換器用熱媒体との熱交換により、前記熱交換器用熱媒体を蒸発させる。
本実施形態の渦電流式発熱装置によれば、発熱部材に対向する磁石の磁極の配置が、互いに隣接する磁石同士で交互に異なるため、磁石からの磁界が広がり、発熱部材に到達する磁束密度が多くなる。これにより、磁石からの磁界の作用によって発熱部材に生じる渦電流が大きくなり、十分な発熱が得られる。しかも、磁石が、冷却機構により冷却される。この冷却により、磁石の温度上昇が抑制され、減磁が起こりにくい。したがって、回転軸の運動エネルギを熱エネルギに有効に変換して回収することができる。
上記の発熱装置は、以下の構成を採用できる。前記熱交換器には、前記各第1配管に代わって、外気に開放する一対の第3配管が接続される。前記再生器は、前記各第3配管からの前記外気と液化した前記熱交換器用熱媒体との熱交換により、前記熱交換器用熱媒体を蒸発させる。
上記の発熱装置は、風力発電設備、水力発電設備等のように流体運動エネルギを利用した発電設備に搭載することができる。また、上記の発熱装置は、車両に搭載することができる。いずれの場合でも、発熱装置は回転軸の運動エネルギを熱エネルギに変換して回収する。回収した熱エネルギは、例えば電気エネルギの生成に利用される。
以下に、本発明の渦電流式発熱装置の実施形態について詳述する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の発熱装置の縦断面図である。図2は、第1実施形態の発熱装置の横断面図である。図1及び図2には、風力発電設備に搭載した発熱装置1を例示する。図1に示すように、第1実施形態の発熱装置1は、回転軸3と、発熱部材4と、複数の永久磁石5と、磁石保持部材6と、密閉容器と、非磁性の隔壁15と、熱回収機構と、冷却機構と、を備える。回転軸3は、非回転部である固定の本体2に対し、軸受7を介して回転可能に支持される。
発熱部材4は、回転軸3に固定される。発熱部材4は、回転軸3を軸心とする円筒部材4Aと、この円筒部材4Aと回転軸3を繋ぐ円板状の連結部材4Bと、を含む。連結部材4Bには、軽量化及び熱回収のために、複数の貫通穴4Cが設けられる。磁石保持部材6は、発熱部材4の外側に配置され、本体2に固定される。磁石保持部材6は、回転軸3を軸心とする円筒部材6aを含む。円筒部材6aは磁石5を保持する。
磁石5は、円筒部材6aの内周面に固定され、発熱部材4(円筒部材4A)の外周面に対し隙間を空けて対向する。ここで、図2に示すように、磁石5は、円周方向にわたり配列される。これらの磁石5の磁極(N極、S極)の配置は、回転軸3を中心とする径方向であって、円周方向に隣接する磁石5同士で交互に異なる。第1実施形態の場合、磁石5を直接保持する円筒部材6aの材質は、強磁性材料である。
発熱部材4の材質、特に磁石5と対向する円筒部材4Aの外周面の表層部の材質は、導電性材料である。導電性材料としては、強磁性金属材料(例:炭素鋼、鋳鉄等)、弱磁性金属材料(例:フェライト系ステンレス鋼等)、又は非磁性金属材料(例:アルミニウム合金、オーステナイト系ステンレス鋼、銅合金等)が挙げられる。
第1実施形態では、密閉容器は、本体2と磁石保持部材6の円筒部材6aとで形成される。すなわち、密閉容器は、非回転部に固定される。密閉容器は、発熱部材4及び磁石5を包囲する。発熱部材4と磁石5との隙間には、円筒状の隔壁15が配置される。この隔壁15は本体2に固定される。隔壁15は、密閉容器内を第1空間S1と第2空間S2とに仕切る。第1空間S1内には、発熱部材4が存在する。第2空間S2内には、磁石5が存在する。隔壁15の材質は非磁性材料である。磁石5から発熱部材4への磁界に悪影響を及ぼさないようにするためである。第1実施形態では、第1空間S1に繋がる入口11及び出口12が設けられる。第2空間S2に繋がる吸入口13及び排出口14が設けられる。
回転軸3が回転すると、発熱部材4が回転軸3と一体で回転する(図1中の白抜き矢印参照)。これにより、磁石5と発熱部材4との間に相対的な回転速度差が生じる。このとき、図2に示すように、発熱部材4(円筒部材4A)の外周面と対向する磁石5に関し、磁極(N極、S極)の配置は、回転軸3を中心とする径方向であって、円周方向に隣接する磁石5同士で交互に異なる。また、磁石5を保持する円筒部材6aが強磁性体である。
このため、磁石5からの磁束(磁界)は、次のような状況になる。互いに隣接する磁石5のうちの一方の磁石5のN極から出た磁束は、この磁石5に対向する発熱部材4(円筒部材4A)に達する。発熱部材4に達した磁束は、他方の磁石5のS極に達する。他方の磁石5のN極から出た磁束は、円筒部材6aを通じて一方の磁石5のS極に達する。つまり、円周方向に隣接する磁石5同士、磁石5を保持する円筒部材6a、及び発熱部材4との間に、磁石5による磁気回路が形成される。このような磁気回路が、円周方向の全域にわたり、交互にその磁束の向きを逆向きにして形成される。そうすると、磁石5からの磁界が広がり、発熱部材4に到達する磁束密度が多くなる。
磁石5と発熱部材4との間に相対的な回転速度差が生じた状態において、磁石5から発熱部材4に磁界が作用すると、発熱部材4(円筒部材4A)の外周面に渦電流が発生する。この渦電流と、磁石5からの磁束密度との相互作用により、フレミングの左手の法則に従い、回転軸3と一体で回転する発熱部材4には回転方向と逆向きの制動力が発生する。
更に、渦電流の発生により、制動力が発生すると同時に、発熱部材4に熱が発生する。上記のとおり、発熱部材4に到達する磁束密度が多いので、磁石5からの磁界の作用によって発熱部材4に生じる渦電流が大きくなり、十分な発熱が得られる。
発熱装置1は、発熱部材4に生じた熱を回収して活用するために、熱回収機構を備える。熱回収機構は、第1配管と、蓄熱装置と、蓄熱用熱媒体と、を含む。
第1配管は、入側配管41及び出側配管42からなる。第1空間S1(発熱部材存在空間)の入口11及び出口12のそれぞれには、入側配管41及び出側配管42が接続される。また、入側配管41及び出側配管42は、蓄熱装置50に接続される。更に、第1配管は、熱交換器35にも接続される。具体的には、図1に示すように出側配管42は、分岐して蓄熱装置50と熱交換器35とに接続される。入側配管41も同様に、分岐して蓄熱装置50と熱交換器35とに接続される。より詳しくは、後述するように、入側配管41及び出側配管42は、熱交換器35の再生器35Aに接続される。第1空間S1、第1配管、及び蓄熱装置50、は一連の経路を形成し、この経路中を蓄熱用熱媒体が流通して循環する(図1中の実線矢印参照)。また、出側配管42内の蓄熱用熱媒体の一部は、上記経路から分岐して熱交換器35に導かれる。出側配管42の分岐点には弁39が配置される。弁39は、分岐させる蓄熱用熱媒体の流量を調整する。分岐した蓄熱用熱媒体は、熱交換器35を出ると、上記の経路に合流する。なお、この経路中には、蓄熱用熱媒体を送り出すポンプ36が設置される。
このような構成によれば、ポンプ36の駆動により、蓄熱用熱媒体が入口11から第1空間S1に導入される(図1中の実線矢印参照)。第1空間S1に導入された蓄熱用熱媒体は、発熱部材4の近傍領域を流通する。発熱部材4に生じた熱は、第1空間S1を流通する蓄熱用熱媒体に伝達される。第1空間S1内の蓄熱用熱媒体は、第1空間S1の出口12から排出され、出側配管42を通じて蓄熱装置50に導かれる。蓄熱装置50は、熱交換によって蓄熱用熱媒体から熱を受け取って回収し、その熱を蓄える。蓄熱装置50を経た蓄熱用熱媒体は、入側配管41を通じ、入口11から第1空間S1に戻る。このようにして、発熱部材4に生じた熱が回収される。熱交換器35に導かれる蓄熱用熱媒体は、後述するように、磁石冷却用熱媒体の冷却に活用される。
蓄熱用熱媒体は、例えば硝酸塩系の溶融塩(例:硝酸ナトリウム60%と硝酸カリウム40%との混合塩)である。蓄熱用熱媒体にはその他に、熱媒油、水(蒸気)、空気、超臨界CO2等を適用してもよい。
上述したように、渦電流式発熱装置では、磁石5の温度が上昇するため、磁石5の減磁が起こりやすい。そこで、発熱装置1は、磁石5を冷却するために、冷却機構を備える。冷却機構は、第2配管と、熱交換器35と、磁石冷却用熱媒体と、を含む。
第2配管は、吸入側配管31及び排出側配管32からなる。第2空間S2(磁石存在空間)の吸入口13及び排出口14のそれぞれには、吸入側配管31及び排出側配管32が接続される。吸入側配管31及び排出側配管32は、熱交換器35に接続される。より詳しくは、後述するように、吸入側配管31及び排出側配管32は、蒸発器35Cに接続される。第2空間S2、吸入側配管31、排出側配管32、及び熱交換器35は一連の経路を形成し、この経路中を磁石冷却用熱媒体が流通して循環する(図1中の点線矢印参照)。この経路中には、磁石冷却用熱媒体を送り出すポンプ38が設置される。
このような構成によれば、ポンプ38の駆動により、磁石冷却用熱媒体が吸入口13から第2空間S2に導入される(図1中の点線矢印参照)。第2空間S2に導入された磁石冷却用熱媒体は、磁石5の近傍領域を流通する。その際、磁石5が冷却される。磁石5を冷却した磁石冷却用熱媒体は、排出口14から排出側配管32に排出される(図1中の点線矢印参照)。排出側配管32に排出された磁石冷却用熱媒体は、熱交換器35で冷却され、吸入側配管31に送り出される。このようにして、磁石5を磁石冷却用熱媒体によって強制的に冷却し、磁石5の温度上昇を抑制することができる。磁石冷却用熱媒体は、例えば空気、水、熱媒油、CO2等である。なお、簡便のため、図1中の上部に示す入口11等に接続される配管等は省略する。
図3は、第1実施形態の熱交換器を模式的に示す図である。図1に示すように、熱交換器35は、再生器35Aと、凝縮器35Bと、蒸発器35Cと、吸収器35Dと、冷却塔36と、を備える。更に、熱交換器35は、熱交換器用熱媒体を備える。再生器35A、凝縮器35B、蒸発器35C、及び吸収器35Dは一連の経路を形成し、この経路中を熱交換器用熱媒体が流通して循環する。熱交換器用熱媒体は、例えば水、CO2、アンモニア、プロパン、イソブタン、フロン等である。
再生器35Aには、第1空間S1からの第1配管(入側配管41及び出側配管42)が接続される。再生器35A内には、液化した熱交換器用熱媒体が存在する。具体的には、第1空間S1を出た高温の蓄熱用熱媒体は、第1配管(出側配管42)を介して再生器35Aに入る。再生器35Aでは、高温の蓄熱用熱媒体と液化した熱交換器用熱媒体とが熱交換する。すなわち、蓄熱用熱媒体が熱交換器用熱媒体に熱エネルギを与える。熱交換後、蓄熱用熱媒体は、第1配管(入側配管41)を介して再生器35Aを出る。この熱交換により、熱交換器用熱媒体は蒸発する。気化した熱交換器用熱媒体は、凝縮器35Bに導かれる。
凝縮器35Bには、冷却塔36の冷却管37が接続される。冷却管37内は冷媒体が循環する。凝縮器35Bでは、冷却管37からの冷媒体と気化した熱交換器用熱媒体とが熱交換する。この熱交換により、熱交換器用熱媒体は液化する。液化した熱交換器用熱媒体は、蒸発器35Cに導かれる。
蒸発器35Cには、第2空間S2からの第2配管(吸入側配管31及び排出側配管32)が接続される。蒸発器35C内には、液化した熱交換器用熱媒体が存在する。具体的には、第2空間S2を出た高温の磁石冷却用熱媒体は、第2配管(排出側配管32)を介して蒸発器35Cに入る。蒸発器35Cでは、高温の磁石冷却用熱媒体と液化した熱交換器用熱媒体とが熱交換する。すなわち、磁石冷却用熱媒体は、熱交換器用熱媒体に熱エネルギを与える。熱交換後、磁石冷却用熱媒体は、第2配管(吸入側配管31)を介して蒸発器35Cを出る。この熱交換により、熱交換器用熱媒体は蒸発する。このとき、熱交換器用熱媒体は、磁石冷却用熱媒体から気化熱を奪う。したがって、磁石冷却用熱媒体は冷却される。冷却された磁石冷却用熱媒体は、第2配管(吸入側配管31)を通り、第2空間S2に戻る。これにより、磁石5が冷却される。また、気化した熱交換器用熱媒体は、吸収器35Dに導かれる。
吸収器35Dには、冷却塔36の冷却管37が接続される。吸収器35Dでは、冷却管37からの冷媒体と気化した熱交換器用熱媒体とが熱交換する。この熱交換により、熱交換器用熱媒体は液化する。液化した熱交換器用熱媒体は、再生器35Aに戻る。
第1実施形態の発熱装置1においては、上記のとおり、発熱部材4で十分な発熱が得られる。しかも、第1実施形態の発熱装置1では、蓄熱用熱媒体の一部が熱交換器35に導かれる。この蓄熱用熱媒体の熱を活用して磁石冷却熱媒体が冷却される。そして、冷却された磁石冷却用熱媒体によって、磁石5が冷却されるため、磁石5の温度上昇を抑制できる。その結果、発熱装置1が連続運転を行っても磁石5の減磁が起こりにくい。したがって、回転軸3の運動エネルギを熱エネルギに有効に変換して回収することができる。
第1実施形態の発熱装置1は、風力発電設備に搭載される。すなわち、図1に示すように、発熱装置1の回転軸3の延長線上に、風車である羽根車20が設けられる。羽根車20の回転軸21は、固定の本体2に対し、軸受25を介して回転可能に支持される。羽根車20の回転軸21は、クラッチ装置23及び増速装置24を介して、発熱装置1の回転軸3に連結される。羽根車20の回転軸21の回転に伴って発熱装置1の回転軸3が回転する。このとき、発熱装置1の回転軸3の回転速度は、増速装置24によって、羽根車20の回転軸21の回転速度よりも増加する。増速装置24には、例えば遊星歯車機構を適用できる。
このような風力発電設備では、羽根車20が風力を受けて回転する(図1の白抜き矢印参照)。羽根車20の回転に伴って発熱装置1の回転軸3が回転する。これにより、発熱部材4で熱が発生し、発生した熱は蓄熱装置に回収される。すなわち、羽根車20の回転に基づく発熱装置1の回転軸3の運動エネルギの一部が熱エネルギに変換されて回収される。その際、羽根車20と発熱装置1との間には、特許文献1の風力発電設備のような油圧ポンプ及び油圧モータが無いため、エネルギの変換ロスが少ない。蓄熱装置に回収された熱は、例えば、熱素子、スターリングエンジン等による発電に利用される。
更に、発熱装置1の回転軸3が回転することにより、発熱部材4が発熱すると同時に、回転軸3には、回転を減速させる制動力が発生する。これにより、増速装置24及びクラッチ装置23を介し羽根車20の回転速度が調整される。ここで、クラッチ装置23は以下の機能を有する。発熱装置1で発熱が必要な場合には、クラッチ装置23は、羽根車20の回転軸21と発熱装置1の回転軸3とを接続する。これにより、羽根車20の回転動力が発熱装置1に伝達される。蓄熱装置に蓄積された熱量が許容量に達し、発熱装置1で発熱の必要が無くなった場合、メンテナンスのために発熱装置1を停機する場合等には、クラッチ装置23は、羽根車20の回転軸21と発熱装置1の回転軸3との接続を切る。これにより、羽根車20の回転動力が発熱装置1に伝達されない。このときに羽根車20が風力で自由に回転することのないように、羽根車20とクラッチ装置23との間に、羽根車20の回転を止める摩擦式、電磁式等のブレーキ装置22を設置するのが好ましい。
上記のとおり、発熱部材4(円筒部材4A)に発生した渦電流により、発熱部材4が発熱する。このため、磁石5は発熱部材4からの輻射熱によって温度が上昇し、保有する磁力が低下するおそれがある。そこで、磁石5の温度上昇を抑制する工夫を施すことが望ましい。
この点、第1実施形態の発熱装置1では、発熱部材4からの輻射熱が隔壁15によって遮断される。これにより、冷却機構による磁石5の冷却に加え、更に磁石5の温度上昇を防止することができる。また、この場合、磁石5と隔壁15との間に、断熱材が充填されたり、磁石5と隔壁15との間が真空状態にされたりすることが好ましい。発熱部材4からの輻射熱をより確実に遮断することができるからである。
図4は、第1実施形態の発熱装置における発熱部材の好適な態様の一例を示す横断面図である。図4では、磁石5と対向する発熱部材4(円筒部材4A)の外周面近傍を拡大して示す。図4に示すように、発熱部材4は、基材4aの外周面に、第1層4b、第2層4c及び酸化防止皮膜層4dが順に積層される。基材4aの材質は、熱伝導率の高い導電性金属材料(例:銅合金、アルミニウム合金等)である。第1層4bの材質は、強磁性金属材料(例:炭素鋼、鋳鉄等)である。第2層4cの材質は、非磁性金属材料又は弱磁性金属材料であり、特に第1層4bに比べて導電率の高い材料(例:アルミニウム合金、銅合金等)が望ましい。酸化防止皮膜層4dは、例えばNi(ニッケル)めっき層である。
基材4aと第1層4bとの間、第1層4bと第2層4cとの間、第2層4cと酸化防止皮膜層4dとの間には、それぞれ緩衝層4eが積層される。緩衝層4eの線膨張係数は、隣接する一方の材料の線膨張係数よりも大きく、他方の材料の線膨張係数よりも小さい。各層の剥離を防止するためである。緩衝層4eは、例えばNiP(ニッケル−リン)めっき層である。
このような積層構造によれば、磁石5からの磁界の作用によって発熱部材4に生じる渦電流がより大きくなり、高い制動力とより十分な発熱を得ることが可能になる。ただし、第2層4cは省いて構わないし、緩衝層4eも省いて構わない。
[第2実施形態]
図5は、第2実施形態の発熱装置の縦断面図である。図5に示す第2実施形態の発熱装置1は、前記第1実施形態の発熱装置1の構成を基本とする。第2実施形態の発熱装置1は、前記第1実施形態と比較し、主に発熱部材4が非回転部に固定され、磁石5が回転軸3に固定される点で相違する。
発熱部材4は、回転軸3を軸心とする円筒状であり、本体2(非回転部)に固定される。磁石保持部材6は、発熱部材4の内側に配置され、回転軸3に固定される。磁石保持部材6は、回転軸3を軸心とする円筒部材6aと、この円筒部材6aと回転軸3を繋ぐ円板状の連結部材6bと、を含む。円筒部材6aは磁石5を保持する。連結部材6bには、軽量化のために、複数の貫通穴6cが設けられる。
磁石5は、円筒部材6aの外周面に固定され、発熱部材4の内周面に対し隙間を空けて対向する。ここで、磁石5は、円周方向にわたり配列される。これらの磁石5の磁極(N極、S極)の配置は、回転軸3を中心とする径方向であって、円周方向に隣接する磁石5同士で交互に異なる。第2実施形態の場合、磁石5を直接保持する円筒部材6aの材質は、強磁性材料である。また、発熱部材4の外側には、全体を包囲するように円筒状のカバー8が配置される。このカバー8は、本体2に固定される。
第2実施形態では、密閉容器は、本体2とカバー8とで形成される。第1実施形態と同様に、発熱部材4と磁石5との隙間には、円筒状の隔壁15が配置される。この隔壁15は、密閉容器内を第1空間S1と第2空間S2とに仕切る。第1空間S1内には、発熱部材4が存在する。第2空間S2内には、磁石5が存在する。
要するに、第2実施形態では、固定の発熱部材4に対し、磁石5が回転する。これにより、磁石5と発熱部材4との間に相対的な回転速度差が生じる。したがって、第1実施形態と同様に、発熱部材4で十分な発熱が得られる。また、第1実施形態と同様に、第2実施形態の発熱装置1は冷却機構を備える。そのため、磁石5の温度上昇も抑制されるため、回転軸3の運動エネルギを熱エネルギに有効に変換して回収することができる。
[第3実施形態]
図6は、第3実施形態の発熱装置の縦断面図である。図6に示す第3実施形態の発熱装置1は、前記第1実施形態の発熱装置1の構成を基本とする。第3実施形態の発熱装置1は、前記第1実施形態と比較し、主に熱交換器35に、第1配管(入側配管41及び出側配管42)に代わって第3配管が接続される点で相違する。
第1配管は、入側配管41及び出側配管42からなる。第1空間S1の入口11及び出口12のそれぞれには、第1実施形態と同様に、入側配管41及び出側配管42が接続される。入側配管41及び出側配管42は、蓄熱装置50に接続される。第3実施形態では、入側配管41及び出側配管42は、熱交換器35に接続されない。
第3実施形態では、熱交換器35には、一対の第3配管が接続される。第3配管は、入側配管61及び出側配管62からなる。第3配管(入側配管61及び出側配管62)は、外気に開放される。すなわち、第3実施形態では、外気を活用して磁石冷却用熱媒体を冷却する。
図7は、第3実施形態の熱交換器を模式的に示す図である。第3実施形態の熱交換器35は、第1実施形態の熱交換器の構成を基本とする。第3実施形態の熱交換器35は、前記第1実施形態と比較し、主に再生器35Aに、第3配管(入側配管61及び出側配管62)が接続される点で相違する。
再生器35Aには、第3配管(入側配管61及び出側配管62)が接続される。第3配管(入側配管61及び出側配管62)は外気に開放される。すなわち、再生器35Aには、入側配管61から外気が導かれる。再生器35Aでは、入側配管61からの外気と液化した熱交換器用熱媒体とが熱交換する。熱交換後、出側配管62内の外気は外気に開放される。この熱交換により、第1実施形態と同様に、再生器35A内の熱交換器用熱媒体は蒸発する。
外気により熱交換器用熱媒体を効率的に蒸発させるためには、第3配管(入側配管61)は、圧縮機63を備えるのが好ましい。この場合、再生器35Aに導かれる外気(熱媒体)は圧縮されることにより、温度が高くなる。そのため、再生器35A内の熱交換器用熱媒体が蒸発しやすい。すなわち、熱交換効率が高い。
凝縮器35B、蒸発器35C、及び吸収器35Dでは、第1実施形態と同様に、熱交換器用熱媒体が液化又は気化することで熱交換が行われる。これにより、上述したように蒸発器35C内で、磁石冷却用熱媒体が冷却される。
要するに、第3実施形態の発熱装置1では、外気を熱交換器35に導く。この外気の熱を活用して磁石冷却熱媒体を冷却する。そして、冷却された磁石冷却用熱媒体によって、磁石5が冷却される。したがって、第1実施形態と同様に、発熱部材4で十分な発熱が得られる。また、磁石5の温度上昇も抑制されるため、回転軸3の運動エネルギを熱エネルギに有効に変換して回収することができる。
このような磁石冷却機構は、前記第2実施形態の発熱装置1に適用することも可能である。
上記の実施形態では、いずれも磁石5は回転軸3を中心とする円周方向にわたり配列され、磁石5の磁極の配置は、回転軸3を中心とする径方向である。しかしながら、磁石5の配列及び磁極の配置は、上記実施形態の態様に限定されない。例えば、円周方向にわたり配列された磁石5の磁極の配置は、回転軸3を中心とする円周方向であってもよい。この場合であっても、磁極の配置は円周方向に隣接する磁石5同士で交互に異なる。また、磁石5の配置は、軸方向にわたり配列されてもよい。この場合、磁極の配置は、回転軸3に沿った軸方向である。この場合であっても、磁極の配置は軸方向に隣接する磁石5同士で異なる。
その他本発明は上記の実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。例えば、上記の実施形態では、発熱部材4が円筒状とされているが、これに代えて、回転軸3を軸心とする円板状とされても構わない。この場合、磁石保持部材6も回転軸3を軸心とする円板状とされる。この円板部材は、円板状の発熱部材の主面(軸方向の両面のうちの一方の面)と対向し、この主面と対向する面に磁石5を保持する。これにより、磁石は、発熱部材の主面に対し隙間を空けて対向する。この場合、磁石5の配列形態は、例えば、以下の3種類となる。
第1の配列態様では、磁石は、回転軸3を中心とする円周方向にわたり配列される。これらの磁石の磁極(N極、S極)の配置は、軸方向であって、円周方向に隣接する磁石同士で交互に異なる。この場合、磁石を直接保持する円板部材の材質は、強磁性材料である。
第2の配列態様では、磁石は、回転軸3を中心とする円周方向にわたり配列される。これらの磁石の磁極(N極、S極)の配置は、周方向であって、円周方向に隣接する磁石同士で交互に異なる。この場合、磁石を直接保持する円板部材の材質は、非磁性材料である。円周方向で隣接する磁石の間に強磁性体からなるポールピースが設けられる。
第3の配列態様では、磁石は、回転軸3を中心とする径方向にわたり同心円状に配列される。これらの磁石の磁極(N極、S極)の配置は、径方向であって、径方向に隣接する磁石同士で交互に異なる。この場合、磁石を直接保持する円板部材の材質は、非磁性材料である。径方向で隣接する磁石の間に強磁性体からなるポールピースが設けられる。更に、ポールピースは、径方向の両端に配置された磁石の端にも設けられる。
また、上記の発熱装置は、風力発電設備のみならず、水力発電設備等のように流体運動エネルギを利用した発電設備に搭載することができる。
更に、上記の発熱装置は、車両に搭載することができる。この場合、上記の発熱装置は、補助ブレーキとしての渦電流式減速装置とは別個に設けられてもよいし、補助ブレーキとして兼用されてもよい。補助ブレーキとして兼用される場合、制動と非制動を切り替えるスイッチ機構を設置すればよい。車両に搭載した発熱装置によって回収された熱は、例えば、車体内を暖めるための暖房機の熱源に利用されたり、コンテナ内を冷却するための冷凍機の熱源に利用されたりする。
本発明の渦電流式発熱装置は、風力発電設備、水力発電設備等のように流体運動エネルギを利用した発電設備、及びトラック、バス等の車両に有用である。
1:渦電流式発熱装置、 2:本体、 3:回転軸、
4:発熱部材、 4A:円筒部材、 4B:連結部材、 4C:貫通穴、
5:永久磁石、 6:磁石保持部材、 6a:円筒部材、
7:軸受、 8:カバー、
11:入口、 12:出口、 13:吸入口、 14:排出口、
15:隔壁、 20:羽根車、 21:回転軸、 22:ブレーキ装置、
23:クラッチ装置、 24:増速装置、 25:軸受、
31:吸入側配管、 32:排出側配管、 35:蓄熱装置、
35A:再生器、 35B:凝縮器、 35C:蒸発器、 35D:吸収器、
41:入側配管(第1配管)、 42:出側配管(第1配管)、
50:熱交換器、 61:入側配管(第3配管)、
62:出側配管(第3配管)、 63:圧縮機、
S1:第1空間、 S2:第2空間

Claims (3)

  1. 非回転部に回転可能に支持された回転軸と、
    前記回転軸に固定された発熱部材と、
    前記発熱部材に隙間を空けて対向し、互いに隣接するもの同士で磁極の配置が交互に異なる複数の永久磁石と、
    前記永久磁石を保持し、前記非回転部に固定された磁石保持部材と、
    前記非回転部に固定されて前記発熱部材及び前記永久磁石を包囲する密閉容器と、
    前記密閉容器内を、前記発熱部材が存在する第1空間と前記永久磁石が存在する第2空間とに仕切る非磁性の隔壁と、
    前記発熱部材に生じた熱を回収する熱回収機構と、
    前記永久磁石を冷却する冷却機構と、を備え、
    前記熱回収機構は、
    前記密閉容器の前記第1空間に繋がる入口及び出口にそれぞれ接続された第1配管と、
    前記各第1配管に接続された蓄熱装置と、
    前記第1空間、前記第1配管、及び前記蓄熱装置を循環する蓄熱用熱媒体と、を含み、
    前記冷却機構は、
    前記密閉容器の前記第2空間に繋がる吸入口及び排出口にそれぞれ接続された第2配管と、
    前記各第1配管、及び前記各第2配管に接続された熱交換器と、
    前記第2空間、前記第2配管、及び前記熱交換器を循環する磁石冷却用熱媒体と、を含み、
    前記熱交換器は、
    再生器と、凝縮器と、蒸発器と、吸収器と、冷却塔と、を備えるとともに、前記再生器、前記凝縮器、前記蒸発器、及び前記吸収器を循環する熱交換器用熱媒体を備え、
    前記再生器は、前記第1配管からの前記蓄熱用熱媒体と液化した前記熱交換器用熱媒体との熱交換により、前記熱交換器用熱媒体を蒸発させ、
    前記蒸発器は、前記第2配管からの前記磁石冷却用熱媒体と液化した前記熱交換器用熱媒体との熱交換により、前記熱交換器用熱媒体を蒸発させる、渦電流式発熱装置。
  2. 非回転部に回転可能に支持された回転軸と、
    前記非回転部に固定された発熱部材と、
    前記発熱部材に隙間を空けて対向し、互いに隣接するもの同士で磁極の配置が交互に異なる複数の永久磁石と、
    前記永久磁石を保持し、前記回転軸に固定された磁石保持部材と、
    前記非回転部に固定されて前記発熱部材及び前記永久磁石を包囲する密閉容器と、
    前記密閉容器内を、前記発熱部材が存在する第1空間と前記永久磁石が存在する第2空間とに仕切る非磁性の隔壁と、
    前記発熱部材に生じた熱を回収する熱回収機構と、
    前記永久磁石を冷却する冷却機構と、を備え、
    前記熱回収機構は、
    前記密閉容器の前記第1空間に繋がる入口及び出口にそれぞれ接続された第1配管と、
    前記各第1配管に接続された蓄熱装置と、
    前記第1空間、前記第1配管、及び前記蓄熱装置を循環する蓄熱用熱媒体と、を含み、
    前記冷却機構は、
    前記密閉容器の前記第2空間に繋がる吸入口及び排出口にそれぞれ接続された第2配管と、
    前記各第1配管、及び前記各第2配管に接続された熱交換器と、
    前記第2空間、前記第2配管、及び前記熱交換器を循環する磁石冷却用熱媒体と、を含み、
    前記熱交換器は、
    再生器と、凝縮器と、蒸発器と、吸収器と、冷却塔と、を備えるとともに、前記再生器、前記凝縮器、前記蒸発器、及び前記吸収器を循環する熱交換器用熱媒体を備え、
    前記再生器は、前記第1配管からの前記蓄熱用熱媒体と液化した前記熱交換器用熱媒体との熱交換により、前記熱交換器用熱媒体を蒸発させ、
    前記蒸発器は、前記第2配管からの前記磁石冷却用熱媒体と液化した前記熱交換器用熱媒体との熱交換により、前記熱交換器用熱媒体を蒸発させる、渦電流式発熱装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の渦電流式発熱装置であって、
    前記熱交換器には、前記各第1配管に代わって、外気に開放する一対の第3配管が接続され、
    前記再生器は、前記各第3配管からの前記外気と液化した前記熱交換器用熱媒体との熱交換により、前記熱交換器用熱媒体を蒸発させる、渦電流式発熱装置。
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