JP2017005932A - 渦電流式発熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転軸の運動エネルギを熱エネルギに有効に変換して回収することができる渦電流式発熱装置を提供する。【解決手段】発熱装置1は、回転軸3と、発熱部材4と、複数の永久磁石5と、磁石保持部材6と、熱回収機構と、を備える。回転軸3は、鉛直方向に沿って起立し、非回転部である本体2に回転可能に支持される。発熱部材4は円筒状であり、回転軸3に固定される。磁石5は、発熱部材4の内周面に隙間を空けて対向し、互いに隣接するもの同士で磁極の配置が交互に異なる。磁石保持部材6は、磁石5を保持し、本体2に固定される。熱回収機構は、本体2に固定されて発熱部材4を包囲する密閉容器を含み、発熱部材4に生じた熱を回収する。【選択図】図1

Description

本発明は、回転軸の運動エネルギ(回転動力)を熱エネルギに変換して回収するための発熱装置に関する。特に、本発明は、永久磁石(以下、単に「磁石」ともいう)を用い、磁石からの磁界の作用によって生じる渦電流を利用した渦電流式発熱装置に関する。
近年、化石燃料の燃焼に伴う二酸化炭素の発生が問題視される。このため、太陽熱エネルギ、風力エネルギ、水力エネルギ等のような自然エネルギの活用が推進される。自然エネルギの中でも、風力エネルギ、水力エネルギ等は流体の運動エネルギである。従来、流体運動エネルギを活用して発電が行われる。
例えば、一般的な風力発電設備では、羽根車が風力を受けて回転する。羽根車の回転軸は発電機の入力軸に連結されており、羽根車の回転に伴って発電機の入力軸が回転する。これにより、発電機で電気が発生する。つまり、一般的な風力発電設備では、風力エネルギが羽根車の回転軸の運動エネルギに変換され、この回転軸の運動エネルギが電気エネルギに変換される。
特開2011−89492号公報(特許文献1)は、エネルギの利用効率の向上を図った風力発電設備を開示する。特許文献1の発電設備は渦電流式減速装置を備え、風力エネルギから電気エネルギへの変換過程で熱エネルギを発生する。
特許文献1の発電設備においては、風力エネルギが羽根車の回転軸の運動エネルギに変換され、この回転軸の運動エネルギが油圧ポンプの油圧エネルギに変換される。油圧エネルギによって油圧モータが回転する。油圧モータの主軸は渦電流式減速装置の回転軸に連結され、この減速装置の回転軸は発電機の入力軸に連結される。油圧モータの回転に伴って減速装置の回転軸が回転するとともに、発電機の入力軸が回転する。これにより、発電機で電気が発生する。
渦電流式減速装置は、永久磁石からの磁界の作用によって生じる渦電流を利用し、減速装置の回転軸の回転速度を減速する。これにより、油圧モータの主軸の回転速度が減速し、これに伴い油圧ポンプを介して羽根車の回転速度が調整される。
また、渦電流式減速装置においては、渦電流の発生により、回転軸の回転速度を減速させる制動力が発生すると同時に、熱が発生する。つまり、風力エネルギの一部が熱エネルギに変換される。その熱(熱エネルギ)が蓄熱装置に回収され、回収された熱エネルギによって原動機が駆動する。原動機の駆動によって発電機が駆動し、その結果として発電機で電気が発生する、と特許文献1には記載される。このことから、特許文献1の渦電流式減速装置は、羽根車の回転軸の運動エネルギを熱エネルギに変換して回収するための発熱装置ともいえる。
特開2011−89492号公報
特許文献1の風力発電設備は、回転軸である羽根車と渦電流式減速装置(発熱装置)との間に油圧ポンプ及び油圧モータを備える。このため、設備の構造が複雑になる。また、多段階のエネルギ変換が必要であるから、エネルギの変換ロスが著しい。これに伴って、発熱装置としての渦電流式減速装置で得られる熱エネルギも小さくなる。
また、特許文献1の渦電流式減速装置の場合、複数の磁石が円筒状のロータの内周面に対向し、円周方向にわたり配列される。これらの磁石の磁極(N極、S極)の配置は、回転軸を中心とする周方向であって、円周方向に隣接する磁石同士で一律である。このため、磁石からの磁界が広がらず、ロータに到達する磁束密度が少ない。そうすると、実質的に、磁石からの磁界の作用によってロータに生じる渦電流が小さくなり、十分な発熱が得られない。
本発明は、上記の実情に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、回転軸の運動エネルギ(回転動力)を熱エネルギに有効に変換して回収することができる渦電流式発熱装置を提供することである。
本発明の実施形態による渦電流式発熱装置は、下記(1)又は(2)の構成を備える。
(1)渦電流式発熱装置は、
鉛直方向に沿って起立し、非回転部に回転可能に支持された回転軸と、
前記回転軸に固定された発熱部材と、
前記発熱部材に隙間を空けて対向し、互いに隣接するもの同士で磁極の配置が交互に異なる複数の永久磁石と、
前記永久磁石を保持し、前記非回転部に固定された磁石保持部材と、
前記発熱部材に生じた熱を回収する熱回収機構と、を備える。
(2)渦電流式発熱装置は、
鉛直方向に沿って起立し、非回転部に回転可能に支持された回転軸と、
前記非回転部に固定された発熱部材と、
前記発熱部材に隙間を空けて対向し、互いに隣接するもの同士で磁極の配置が交互に異なる複数の永久磁石と、
前記永久磁石を保持し、前記回転軸に固定された磁石保持部材と、
前記発熱部材に生じた熱を回収する熱回収機構と、を備える。
上記(1)又は(2)の渦電流式発熱装置は、更に下記の構成を備える。
前記熱回収機構は、
前記非回転部に固定されて前記発熱部材を包囲する密閉容器であって、
前記密閉容器の内部空間に繋がる入口及び出口にそれぞれ接続された配管と、
前記各配管に接続された熱利用装置と、
前記密閉容器、前記配管、及び前記熱利用装置を循環する熱媒体と、を含む。
本発明の渦電流式発熱装置によれば、回転軸の運動エネルギを熱エネルギに有効に変換して回収することができる。
図1は、第1実施形態の発熱装置の要部を示す縦断面図である。 図2は、第1実施形態の発熱装置の要部を示す横断面図である。 図3は、水平軸型羽根車を用いた風力発電設備を模式的に示す図である。 図4は、第1実施形態の発熱装置の全体を模式的に示す図である。 図5は、第1実施形態の発熱装置における発熱部材の好適な態様の一例を示す横断面図である。 図6は、第2実施形態の発熱装置の他の態様を示す縦断面図である。 図7は、第3実施形態の発熱装置の要部を示す縦断面図である。 図8は、第3実施形態の発熱装置の要部を示す横断面図である。 図9は、板部の好適な態様を示す斜視図である。 図10は、第4実施形態の発熱装置の要部を示す縦断面図である。 図11は、第5実施形態の発熱装置の要部を示す縦断面図である。 図12は、第6実施形態の発熱装置の要部を示す縦断面図である。 図13は、第6実施形態の発熱装置の要部を示す横断面図である。 図14は、第7実施形態の発熱装置の要部を示す縦断面図である。
本発明の実施形態による渦電流式発熱装置は、回転軸と、発熱部材と、複数の永久磁石と、磁石保持部材と、熱回収機構と、を備える。回転軸は、鉛直方向に沿って起立し、非回転部に回転可能に支持される。発熱部材は、前記回転軸に固定される。複数の永久磁石は、前記発熱部材に隙間を空けて対向し、互いに隣接するもの同士で磁極の配置が交互に異なる。磁石保持部材は、前記永久磁石を保持し、前記非回転部に固定される。熱回収機構は、前記発熱部材に生じた熱を回収する。
前記熱回収機構は、密閉容器と、配管と、熱利用装置と、熱媒体と、を含む。密閉容器は、前記非回転部に固定されて前記発熱部材を包囲する。配管は、前記密閉容器の内部空間に繋がる入口及び出口にそれぞれ接続される。熱利用装置は、前記各配管に接続される。熱媒体は、前記密閉容器、前記配管、及び前記熱利用装置を循環する。
本実施形態の渦電流式発熱装置によれば、発熱部材に対向する磁石の磁極の配置が、互いに隣接する磁石同士で交互に異なるため、磁石からの磁界が広がり、発熱部材に到達する磁束密度が多くなる。これにより、磁石からの磁界の作用によって発熱部材に生じる渦電流が大きくなり、十分な発熱が得られる。したがって、回転軸の運動エネルギを熱エネルギに有効に変換して回収することができる。しかも、回転軸が鉛直方向に沿って起立するため、発熱装置を熱利用装置の近くに配置することができ、効率的に熱利用装置に熱エネルギを伝えることができる。更に、本実施形態の発熱装置を風力発電設備に適用する場合、羽根車の回転による運動エネルギを効率的に発熱装置の回転軸に伝達できる。
上記の発熱装置において、前記発熱部材は円筒形状であり、前記永久磁石は、前記発熱部材の外周面又は内周面に対向する構成とすることができる。
上記の発熱装置において、前記永久磁石が前記発熱部材の前記内周面に対向し、前記発熱部材の前記外周面に、軸方向に対して傾斜する板部が設けられる構成とすることができる。また、上記の発熱装置において、前記永久磁石が前記発熱部材の前記外周面に対向し、前記発熱部材の前記内周面に、軸方向に対して傾斜する板部が設けられる構成とすることもできる。
上記の発熱装置において、前記板部は、前記発熱部材の軸方向に沿って螺旋状に延びることが好ましい。
上記の発熱装置において、前記発熱部材の内部に軸方向に対して傾斜しつつ、下端面から上端面まで貫通する貫通孔が設けられる構成とすることができる。
上記の発熱装置において、前記貫通孔は、前記発熱部材の軸方向に沿って螺旋状に延びる構成とすることができる。
上記の発熱装置において、前記密閉容器は、前記発熱部材と前記永久磁石との前記隙間に非磁性の隔壁を有することが好ましい。
また、本発明の他の実施形態による渦電流式発熱装置は、回転軸と、発熱部材と、複数の永久磁石と、磁石保持部材と、熱回収機構と、を備える。回転軸は、鉛直方向に沿って起立し、非回転部に回転可能に支持される。発熱部材は、前記非回転部に固定される。複数の永久磁石は、前記発熱部材に隙間を空けて対向し、互いに隣接するもの同士で磁極の配置が交互に異なる。磁石保持部材は、前記永久磁石を保持し、前記回転軸に固定される。熱回収機構は、前記発熱部材に生じた熱を回収する。
前記熱回収機構は、密閉容器と、配管と、熱利用装置と、熱媒体と、を含む。密閉容器は、前記非回転部に固定されて前記発熱部材を包囲する。配管は、前記密閉容器の内部空間に繋がる入口及び出口にそれぞれ接続される。熱利用装置は、前記各配管に接続される。熱媒体は、前記密閉容器、前記配管、及び前記熱利用装置を循環する。
上記の本発明の他の実施形態による渦電流式発熱装置において、前記発熱部材は円筒形状であり、前記永久磁石は、前記発熱部材の外周面又は内周面に対向する構成とすることができる。
上記の発熱装置において、前記密閉容器は、前記発熱部材と前記永久磁石との前記隙間に非磁性の隔壁を有することが好ましい。
上記の発熱装置は、風力発電設備、水力発電設備等のように流体運動エネルギを利用した発電設備に搭載することができる。発熱装置は回転軸の運動エネルギを熱エネルギに変換して回収する。回収した熱エネルギは、そのまま熱源として利用されたり、電気エネルギの生成に利用されたりする。
以下に、本発明の渦電流式発熱装置の実施形態について詳述する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の発熱装置の要部を示す縦断面図である。図2は、第1実施形態の発熱装置の要部を示す横断面図である。図1及び図2に示すように、第1実施形態の発熱装置1は、回転軸3と、発熱部材4と、複数の永久磁石5と、磁石保持部材6と、を備える。回転軸3は、鉛直方向に沿って起立し、非回転部である固定の本体2に対し、軸受7を介して回転可能に支持される。
発熱部材4は、回転軸3に固定される。発熱部材4は、回転軸3を軸心とする円筒部材4Aと、この円筒部材4Aと回転軸3を繋ぐ円板状の連結部材4Bと、を含む。連結部材4Bには、軽量化及び熱回収のために、複数の貫通穴4Cが設けられる。磁石保持部材6は、発熱部材4の内側に配置され、本体2に固定される。磁石保持部材6は、回転軸3を軸心とする円筒部材である。磁石保持部材6は、磁石5を保持する。
磁石5は、磁石保持部材6の外周面に固定され、発熱部材4(円筒部材4A)の内周面に対し隙間を空けて対向する。ここで、図2に示すように、磁石5は、円周方向にわたり配列される。これらの磁石5の磁極(N極、S極)の配置は、回転軸3を中心とする径方向であって、円周方向に隣接する磁石5同士で交互に異なる。第1実施形態の場合、磁石保持部材6の材質は、強磁性材料である。
発熱部材4の材質、特に磁石5と対向する円筒部材4Aの内周面の表層部の材質は、導電性材料である。導電性材料としては、強磁性金属材料(例:炭素鋼、鋳鉄等)、弱磁性金属材料(例:フェライト系ステンレス鋼等)、又は非磁性金属材料(例:アルミニウム合金、オーステナイト系ステンレス鋼、銅合金等)が挙げられる。
回転軸3が回転すると、発熱部材4が回転軸3と一体で回転する(図1中の白抜き矢印参照)。これにより、磁石5と発熱部材4との間に相対的な回転速度差が生じる。このとき、図2に示すように、発熱部材4(円筒部材4A)の内周面と対向する磁石5に関し、磁極(N極、S極)の配置は、回転軸3を中心とする径方向であって、円周方向に隣接する磁石5同士で交互に異なる。また、磁石保持部材6は強磁性体である。
このため、磁石5からの磁束(磁界)は、次のような状況になる。互いに隣接する磁石5のうちの一方の磁石5のN極から出た磁束は、この磁石5に対向する発熱部材4(円筒部材4A)に達する。発熱部材4に達した磁束は、他方の磁石5のS極に達する。他方の磁石5のN極から出た磁束は、磁石保持部材6を通じて一方の磁石5のS極に達する。つまり、円周方向に隣接する磁石5同士、磁石保持部材6、及び発熱部材4との間に、磁石5による磁気回路が形成される。このような磁気回路が、円周方向の全域にわたり、交互にその磁束の向きを逆向きにして形成される。そうすると、磁石5からの磁界が広がり、発熱部材4に到達する磁束密度が多くなる。
磁石5と発熱部材4との間に相対的な回転速度差が生じた状態において、磁石5から発熱部材4に磁界が作用すると、発熱部材4(円筒部材4A)の内周面に渦電流が発生する。この渦電流と、磁石5からの磁束密度との相互作用により、フレミングの左手の法則に従い、回転軸3と一体で回転する発熱部材4には回転方向と逆向きの制動力が発生する。
更に、渦電流の発生により、制動力が発生すると同時に、発熱部材4に熱が発生する。上記のとおり、発熱部材4に到達する磁束密度が多いので、磁石5からの磁界の作用によって発熱部材4に生じる渦電流が大きくなり、十分な発熱が得られる。
発熱装置1は、発熱部材4に生じた熱を回収して活用するために、熱回収機構を備える。第1実施形態では、熱回収機構として、本体2に、密閉容器の内部空間、すなわち発熱部材4が存在する空間(以下、「発熱部材存在空間」ともいう)に繋がる入口11及び出口12が設けられる。この発熱部材存在空間の入口11及び出口12のそれぞれには、図示しない入側配管及び出側配管(以下、「配管」ともいう)が接続される。入側配管及び出側配管は、図示しない熱利用装置に接続される。発熱部材存在空間(密閉容器の内部空間)、配管、及び熱利用装置は一連の経路を形成し、この経路中を熱媒体が流通して循環する(図1中の実線矢印参照)。
発熱部材4に生じた熱は、発熱部材存在空間を流通する熱媒体に伝達される。発熱部材存在空間内の熱媒体は、発熱部材存在空間の出口12から排出され、出側配管を通じて熱利用装置に導かれる。熱利用装置は、例えばロードヒーティング等の融雪装置、床暖房等の暖房装置、蓄熱装置等である。以下では、熱利用装置が蓄熱装置である場合について説明する。
蓄熱装置は、熱交換によって熱媒体から熱を受け取って回収し、その熱を蓄える。蓄熱装置を経た熱媒体は、入側配管を通じ、入口11から発熱部材存在空間に戻る。このようにして、発熱部材4に生じた熱が回収される。その後、蓄熱装置に蓄えられた熱は、発電装置に送られ、電気エネルギに変換される。
蓄熱装置から効率的に電気エネルギを得るためには、蓄熱装置に蓄えられる熱量が高いほうがよい。そのためには、蓄熱装置に導かれる熱媒体の温度が高いほうがよい。しかしながら、発熱部材4と蓄熱装置との距離が長いと、蓄熱装置に到達する前に、熱媒体の温度が低下する。熱媒体の温度が低下すると、蓄熱装置に蓄えられる熱量が減少し、電気エネルギが効率的に得られない。
図3は、水平軸型羽根車を用いた風力発電設備を模式的に示す図である。水平軸型羽根車では、羽根車20Aの回転軸21Aの軸線が水平方向に沿って配置される。熱媒体は、入側配管33から発熱部材存在空間に入り、出側配管34から出て地上の蓄熱装置40に導かれる。水平軸型羽根車を用いた風力発電設備では、発熱装置1Aはナセル60内に収容されることが多い。このような風力発電設備では、ナセル60は地上から100mを超える位置に配置されることがある。この場合、ナセル60内の発熱装置1Aによって暖められた熱媒体は、地上に設置された蓄熱装置40に送られるまでに長時間費やす。そのため、熱媒体の温度が低下する。低温の熱媒体が蓄熱装置40に送られると、電気エネルギが効率的に得られない。
また、発熱装置1Aがナセル60内に配置される場合、羽根車20Aの回転軸21Aと連結される発熱装置1Aの水平回転軸3Aの軸線も水平方向に沿う。設備の構造が簡素になるからである。このような構造の風力発電設備において、風向きの変化に合わせてナセル60が回転するとき、回転するナセル60とタワー61との間を通る配管33、34が、ナセル60の回転に応じて曲がる(又は回転する)必要がある。この場合、設備の構造が複雑になる。
この不都合を解決するために、発熱装置1Aを羽根車20Aの回転軸21Aから分離し、ナセル60の外に設置することが考えられる。発熱装置1Aの設置場所は例えば、地上である。発熱装置1Aを地上に設置した場合、発熱部材4と蓄熱装置40との距離は短くなるため、高温の熱媒体を蓄熱装置40に送ることができ、電気エネルギを効率的に得ることができる。更に、配管33、34がナセル60及びタワー61にまたがらないため、設備の構造が簡素になる。
しかしながら、上述のように水平軸型羽根車を用い発熱装置1Aを地上に設置した場合、別途の伝達機構により羽根車20Aの水平回転軸21Aの回転力を地上の発熱装置1Aまで伝達する必要がある。この方法としては例えば、タワー61の中を通した長い回転軸を介して歯車で回転力を伝達する方法が考えられる。その他にも、羽根車20Aの水平回転軸21Aの回転を一旦、油圧ポンプを用いて油圧力に変換し、地上で油圧モータにより回転力に再度変換し回転力を発熱装置へ伝達する方法がある。いずれの方法でも、水平回転軸の回転力を発熱装置まで伝達するまでのエネルギの損失が大きい。
この事態に対応するために、第1実施形態の発熱装置1においては、上記のとおり、発熱装置1の回転軸3は鉛直方向に沿って起立する。そして、羽根車には垂直軸型羽根車を用いる。これにより、発熱装置1を蓄熱装置40の近くに配置でき、更に設備の構成を簡素にできる。したがって、回転軸3の運動エネルギを熱エネルギに効率的に変換して回収できる。以下、この点について詳述する。
図4は、第1実施形態の発熱装置の全体を模式的に示す図である。第1実施形態の発熱装置1は、風力発電設備に搭載される。すなわち、発熱装置1は羽根車20の下方に配置され、発熱装置1の回転軸3の延長線上に、風車である羽根車20が設けられる。このような構造の風力発電設備では、発熱装置1の要部を蓄熱装置40の近くに配置できる。これにより、発熱部材4と蓄熱装置40との距離が短くなり、高温の熱媒体を蓄熱装置40に送ることができる。また、垂直軸型羽根車でも、羽根車20の回転軸21及び発熱装置1の回転軸3は直接連結されるため、羽根車の回転力を発熱装置の回転軸に伝達する際のエネルギの損失を抑制できる。
羽根車20の回転軸21は、固定の本体2に対し、軸受25を介して回転可能に支持される。羽根車20の回転軸21は、図示しないクラッチ装置及び増速装置24を介して、発熱装置1の回転軸3に連結される。羽根車20の回転軸21の回転に伴って発熱装置1の回転軸3が回転する。このとき、発熱装置1の回転軸3の回転速度は、増速装置24によって、羽根車20の回転軸21の回転速度よりも増加する。増速装置24には、例えば遊星歯車機構を適用できる。
このような風力発電設備では、羽根車20が風力を受けて回転する(図1の白抜き矢印参照)。羽根車20の回転に伴って発熱装置1の回転軸3が回転する。これにより、発熱部材4で熱が発生し、発生した熱は蓄熱装置40に回収される。すなわち、羽根車20の回転に基づく発熱装置1の回転軸3の運動エネルギの一部が熱エネルギに変換されて回収される。その際、羽根車20と発熱装置1との間には、特許文献1の風力発電設備のような油圧ポンプ及び油圧モータが無いため、エネルギの変換ロスが少ない。蓄熱装置に回収された熱は、例えば、熱素子、スターリングエンジン等による発電に利用される。
更に、発熱装置1の回転軸3が回転することにより、発熱部材4が発熱すると同時に、回転軸3には、回転を減速させる制動力が発生する。これにより、増速装置24及びクラッチ装置を介し羽根車20の回転速度が調整される。ここで、クラッチ装置は以下の機能を有する。発熱装置1で発熱が必要な場合には、クラッチ装置は、羽根車20の回転軸21と発熱装置1の回転軸3とを接続する。これにより、羽根車20の回転動力が発熱装置1に伝達される。蓄熱装置に蓄積された熱量が許容量に達し、発熱装置1で発熱の必要が無くなった場合、メンテナンスのために発熱装置1を停機する場合等には、クラッチ装置は、羽根車20の回転軸21と発熱装置1の回転軸3との接続を切る。これにより、羽根車20の回転力が発熱装置1に伝達されない。このときに羽根車20が風力で自由に回転することのないように、羽根車20とクラッチ装置との間に、羽根車20の回転を止める摩擦式、電磁式等のブレーキ装置を設置するのが好ましい。
上記のとおり、発熱部材4(円筒部材4A)に発生した渦電流により、発熱部材4が発熱する。このため、磁石5は発熱部材4からの輻射熱によって温度が上昇し、保有する磁力が低下するおそれがある。そこで、磁石5の温度上昇を抑制する工夫を施すことが望ましい。
磁石5の温度上昇を抑制するには、例えば図1に示すように、発熱部材4と磁石5との隙間に円筒状の隔壁15を配置すればよい。この場合、この隔壁15は磁石5を包囲するケース16と一体化される。ケース16は本体2に固定される。隔壁15の材質は非磁性材料である。
隔壁15を配置すると、発熱部材4からの輻射熱が密閉容器の隔壁15によって遮断される。これにより、磁石5の温度上昇を防止することができる。また、この場合、磁石5と隔壁15との間に、断熱材が充填されたり、磁石5と隔壁15との間が真空状態にされたりすることが好ましい。発熱部材4からの輻射熱をより確実に遮断することができるからである。
磁石5が高い耐熱性を有する場合、隔壁15を配置する必要はない。磁石5を熱媒体の熱から保護する必要がないからである。また、隔壁15は、熱媒体の使用温度が制限される場合(例えば水の場合)、配置する必要はない。熱媒体が磁石5に悪影響を及ぼすほど高温にならないからである。
図5は、第1実施形態の発熱装置における発熱部材の好適な態様の一例を示す横断面図である。図5では、磁石5と対向する発熱部材4(円筒部材4A)の内周面近傍を拡大して示す。図5に示すように、発熱部材4は、基材4aの内周面に、第1層4b、第2層4c及び酸化防止皮膜層4dが順に積層される。基材4aの材質は、熱伝導率の高い導電性金属材料(例:銅合金、アルミニウム合金等)である。第1層4bの材質は、強磁性金属材料(例:炭素鋼、鋳鉄等)である。第2層4cの材質は、非磁性金属材料又は弱磁性金属材料であり、特に第1層4bに比べて導電率の高い材料(例:アルミニウム合金、銅合金等)が望ましい。酸化防止皮膜層4dは、例えばNi(ニッケル)めっき層である。
基材4aと第1層4bとの間、第1層4bと第2層4cとの間、第2層4cと酸化防止皮膜層4dとの間には、それぞれ緩衝層4eが積層される。緩衝層4eの線膨張係数は、隣接する一方の材料の線膨張係数よりも大きく、他方の材料の線膨張係数よりも小さい。各層の剥離を防止するためである。緩衝層4eは、例えばNiP(ニッケル−リン)めっき層である。
このような積層構造によれば、磁石5からの磁界の作用によって発熱部材4に生じる渦電流がより大きくなり、高い制動力とより十分な発熱を得ることが可能になる。ただし、第2層4cは省いて構わないし、緩衝層4eも省いて構わない。
[第2実施形態]
図6は、第2実施形態の発熱装置の要部を示す縦断面図である。第1実施形態では、発熱部材4の内側に磁石5を配置する。これとは逆に、第2実施形態の発熱装置1では発熱部材4の外側に磁石5を配置する。図6では、隔壁15(ケース16含む)が配置される場合を示す。上述したように、隔壁15は配置されなくてもよい。隔壁15が配置される場合、磁石5及び隔壁15は発熱部材4の外周面に対向し、本体2(非回転部)に固定される。
[第3実施形態]
図7は、第3実施形態の発熱装置の要部を示す縦断面図である。図8は、第3実施形態の発熱装置の要部を示す横断面図である。第3実施形態では、第1実施形態の発熱装置1に板部50が追加される。その他の構成は、第1実施形態の発熱装置1と同じである。なお、図7及び図8では、隔壁15(ケース16含む)が配置される場合を示す。
板部50は、発熱部材4(円筒部材4A)の外周面に固定される。板部50は、発熱部材4の軸方向の一部又は全域にわたり、発熱部材4の軸方向に沿って延びる。板部50は、円筒部材4Aの外周面から垂直に突出する。板部50の数は、1つでもよいし複数でもよい。板部50を複数設ける場合、各板部50は円筒部材4Aの周方向に等間隔に配置されるのが好ましい。板部50の高さは、特に制限は設けない。板部50の高さは、発熱装置の大きさ等を考慮し、密閉容器内の熱媒体が流動するように適宜設定される。なお、板部50を磁石5と発熱部材4(円筒部材4A)の間に設けた場合、磁石5による磁界が不均一になる可能性がある。したがって、板部50は磁石5と発熱部材4(円筒部材4A)との間に設けないのが好ましい。
発熱装置1で得られた熱エネルギを効率よく熱媒体に伝達し、蓄熱装置40に移送するには、熱媒体がある程度の速度で流れるのが好ましい。熱媒体に流れを与える方法は、例えばポンプによる熱媒体の移送がある。この方法では、ポンプを稼働するために電源が必要である。また、渦電流式発熱装置はその特性上、回転軸3の回転速度が上昇するほど発熱量が大きくなる。そのため、回転速度の上昇に合わせて熱媒体の移送速度を大きくしないと、発熱装置の温度が過剰に上昇する。そのため、熱媒体の温度を温度計で測定し、温度が許容温度を超えないようにポンプを制御し、熱媒体の移送速度を適宜制御する。
この点、第3実施形態の発熱装置1は、発熱部材4の外周面に板部50を有する。回転軸3が回転すると、発熱部材4が回転するため板部50も回転する。板部50が回転すると密閉容器内の熱媒体に駆動力が与えられ、熱媒体が流動する。これにより、ポンプを設けなくても熱媒体を移送できるため、ポンプ及びその電源が不要となりコストが削減できる。また、回転軸3の回転速度の増加に伴い、板部50の回転速度も増加する。すなわち、回転軸3の回転速度の増加に伴い、熱媒体の移送速度も増加する。したがって、熱媒体の温度に応じて移送速度を調整するような複雑な制御をする必要がない。
図9は、板部の好適な態様を示す斜視図である。発熱部材4(円筒部材4A)の外周面に配置された板部50は、発熱部材4の軸方向に対して傾斜する。板部50が回転すると熱媒体は板部50の形状に沿って移送される。すなわち、板部50の回転により、密閉容器の入口11から出口12に向かう方向に熱媒体の流れが生じる。したがって、熱媒体をより効率的に蓄熱装置40に送ることができる。さらに好ましくは、板部50は発熱部材4の軸方向に沿って螺旋状に延びる。この場合、さらに熱媒体を出口12に送りやすい。このような板部50の態様は、前記第1及び第2実施形態の発熱装置1に適用することが可能である。
[第4実施形態]
図10は、第4実施形態の発熱装置の要部を示す縦断面図である。第4実施形態では、第3実施形態の発熱部材4と磁石5との位置関係が異なる。すなわち、第4実施形態では磁石5は発熱部材4の外周面に対向する。この場合、板部50は発熱部材4の内周面、すなわち円筒部材4Aの内周面に固定される。この場合も、上述したように、回転軸3の回転に伴い、板部50が回転するため、熱媒体に流れを発生させることができる。これにより、発熱部材4Aの内側に流入した熱媒体は、板部50によって図10の上方に向かって流れる。そして、熱媒体は、貫通穴4Cを通り出口12から流出する。なお、図10では、隔壁15(ケース16含む)が配置される場合を示す。
[第5実施形態]
図11は、第5実施形態の発熱装置の要部を示す縦断面図である。第5実施形態では、第1実施形態の発熱装置1に貫通孔51が追加される。その他の構成は、第1実施形態の発熱装置1と同じである。なお、図11では、隔壁15(ケース16含む)が配置される場合を示す。
貫通孔51は発熱部材4(円筒部材4A)の内部に設けられる。貫通孔51は、発熱部材4(円筒部材4A)の下端面から上端面まで貫通する。熱媒体は貫通孔51を流通することができる。貫通孔51を通る熱媒体は、発熱部材4に囲まれるため、発熱部材4から効率良く熱を吸収できる。また、貫通孔51は発熱部材4の軸方向に対して傾斜する。発熱部材4は回転軸3に固定されるため、回転軸3が回転すると、発熱部材4も回転する。これにより、発熱部材4の回転により貫通孔51内の熱媒体に入口11から出口12に向かう流れが生じ、ポンプを用いなくても熱媒体を移送できる。さらに好ましくは、貫通孔51は発熱部材4の軸方向に沿って螺旋状に延びる。これにより、発熱部材4の回転により熱媒体がさらに流れやすくなる。したがって、熱媒体をより効率的に蓄熱装置40に送ることができる。このような貫通孔51の態様は、前記第2〜第4実施形態の発熱装置1にも適用することが可能である。
[第6実施形態]
第6実施形態の発熱装置は、第1実施形態の発熱装置1と異なり、発熱部材4は固定であり、磁石5が回転軸3と一体で回転する。その他の構成は、第1実施形態の発熱装置1と同じである。
図12は、第6実施形態の発熱装置の縦断面図である。図13は、第6実施形態の発熱装置の横断面である。図12及び図13には、風力発電設備に搭載した発熱装置1を例示する。第6実施形態の発熱装置1は、第1実施形態の発熱装置1と同様に、回転軸3と、発熱部材4と、複数の永久磁石5と、磁石保持部材6と、を備える。回転軸3は、非回転部である固定の本体2に対し、軸受7を介して回転可能に支持される。なお、図12及び図13では、隔壁15(ケース16含む)が配置される場合を示す。
発熱部材4は、回転軸3を軸心とする円筒状であり、本体2に固定される。磁石保持部材6は、発熱部材4の内側に配置され、回転軸3に固定される。磁石保持部材6は、回転軸3を軸心とする円筒部材6aと、この円筒部材6aと回転軸3を繋ぐ円板状の連結部材6bと、を含む。円筒部材6aは磁石5を保持する。連結部材6bには、軽量化のために、複数の貫通穴6cが設けられる。
磁石5は、円筒部材6aの外周面に固定され、発熱部材4の内周面に対し隙間を空けて対向する。ここで、図13に示すように、磁石5は、円周方向にわたり配列される。これらの磁石5の磁極(N極、S極)の配置は、回転軸3を中心とする径方向であって、円周方向に隣接する磁石5同士で交互に異なる。第1実施形態の場合、磁石5を直接保持する円筒部材6aの材質は、強磁性材料である。
回転軸3が回転すると、磁石5が回転軸3と一体で回転する(図12中の白抜き矢印参照)。これにより、磁石5と発熱部材4との間に相対的な回転速度差が生じる。このとき、図2に示すように、発熱部材4の内周面と対向する磁石5に関し、磁極(N極、S極)の配置は、回転軸3を中心とする径方向であって、円周方向に隣接する磁石5同士で交互に異なる。また、磁石5を保持する円筒部材6aが強磁性体である。
このような構成の発熱装置1は、第1実施形態の発熱装置1と同様に、発熱部材4に到達する磁束密度が多いので、磁石5からの磁界の作用によって発熱部材4に生じる渦電流が大きくなり、十分な発熱が得られる。
発熱装置1は、発熱部材4に生じた熱を回収して活用するために、熱回収機構を備える。第5実施形態では、熱回収機構として、本体2に、密閉容器の内部空間、すなわち発熱部材4が存在する空間(発熱部材存在空間)に繋がる入口11及び出口12が設けられる。入口11及び出口12から蓄熱装置40までの構成は、第1実施形態の発熱装置1(図3参照)と同じであるため、説明は省略する。
また、第6実施形態の発熱装置1においても、磁石5の温度上昇を抑制するために、発熱部材4と磁石5との隙間に円筒状の隔壁15を配置してもよい。この隔壁15は、隔壁支持部材を介して回転軸3に固定される。図12では、隔壁15は磁石5を包囲するケース16と一体化された構成を示す。しかしながら、隔壁15は図12に示す場合に限定されない。隔壁15は、本体2(密閉容器)に固定されてもよい。本体2及び隔壁15によって、発熱部材4を包囲する密閉容器が形成される。隔壁15の材質は非磁性材料である。磁石5から発熱部材4への磁界に悪影響を及ぼさないようにするためである。
[第7実施形態]
図14は、第7実施形態の発熱装置の要部を示す縦断面図である。第6実施形態では、発熱部材4(円筒部材4A)の内側に磁石5を配置し、磁石5は発熱部材4の内周面に対向する。これとは逆に、第7実施形態の発熱装置1では発熱部材4(円筒部材4A)の外側に磁石5を配置し、磁石5が発熱部材4の外周面に対向する。ただし、この場合であっても、発熱部材4は本体2に固定され、磁石5は磁石保持部材6を介して回転軸3に固定される。なお、図14では、隔壁15(ケース16含む)が配置される場合を示す。
第6及び第7実施形態の発熱装置1に、第3及び第4実施形態に示す板部50、同様に、第5実施形態に示す貫通孔51による熱媒体の流動促進機構を適用できる。例えば、この場合、磁石を包囲し、回転軸と一体で回転するケース16に板部50を設置すればよい。これによってポンプが無くとも熱媒体を移送することができる。望ましくは隣り合う磁石間の周方向の隙間を熱媒体が流れるように隔壁15を形成することで、隙間が板部50と同様の効果を発揮し発熱部4の表面を熱媒体がするため効率良く発熱部から熱媒体へ熱を伝達することができる。
上記の実施形態では、いずれも磁石5は回転軸3を中心とする円周方向にわたり配列され、磁石5の磁極の配置は、回転軸3を中心とする径方向である。しかしながら、磁石5の配列及び磁極の配置は、上記実施形態の態様に限定されない。例えば、円周方向にわたり配列された磁石5の磁極の配置は、回転軸3を中心とする円周方向であってもよい。この場合であっても、磁極の配置は円周方向に隣接する磁石5同士で交互に異なる。また、磁石5の配置は、軸方向にわたり配列されてもよい。この場合、磁極の配置は、回転軸3に沿った軸方向である。この場合であっても、磁極の配置は軸方向に隣接する磁石5同士で異なる。
上述の説明では、熱利用装置が蓄熱装置40である場合について説明した。熱利用装置が融雪装置、暖房装置等である場合も同様である。すなわち、上記の実施形態では、発熱装置1の要部を熱利用装置の近くに配置できる。これにより、高温の熱媒体を熱利用装置に送ることができるため、効率的に熱エネルギを利用できる。
その他本発明は上記の実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。例えば、上記の実施形態では、発熱部材4が円筒状とされているが、これに代えて、回転軸3を軸心とする円板状とされても構わない。この場合、磁石保持部材6も回転軸3を軸心とする円板状とされる。この円板部材は、円板状の発熱部材の主面(軸方向の両面のうちの一方の面)と対向し、この主面と対向する面に磁石5を保持する。これにより、磁石は、発熱部材の主面に対し隙間を空けて対向する。この場合、磁石5の配列形態は、例えば、以下の3種類となる。
第1の配列態様では、磁石は、回転軸3を中心とする円周方向にわたり配列される。これらの磁石の磁極(N極、S極)の配置は、軸方向であって、円周方向に隣接する磁石同士で交互に異なる。この場合、磁石を直接保持する円板部材の材質は、強磁性材料である。
第2の配列態様では、磁石は、回転軸3を中心とする円周方向にわたり配列される。これらの磁石の磁極(N極、S極)の配置は、周方向であって、円周方向に隣接する磁石同士で交互に異なる。この場合、磁石を直接保持する円板部材の材質は、非磁性材料である。円周方向で隣接する磁石の間に強磁性体からなるポールピースが設けられる。
第3の配列態様では、磁石は、回転軸3を中心とする径方向にわたり同心円状に配列される。これらの磁石の磁極(N極、S極)の配置は、径方向であって、径方向に隣接する磁石同士で交互に異なる。この場合、磁石を直接保持する円板部材の材質は、非磁性材料である。径方向で隣接する磁石の間に強磁性体からなるポールピースが設けられる。更に、ポールピースは、径方向の両端に配置された磁石の端にも設けられる。
また、上記の発熱装置は、風力発電設備のみならず、水力発電設備等のように流体運動エネルギを利用した発電設備に搭載することができる。
本発明の渦電流式発熱装置は、風力発電設備、水力発電設備等のように流体運動エネルギを利用した発電設備に有用である。
1、1A:渦電流式発熱装置、 2:本体、 3:回転軸、
4:発熱部材、 4a:基材、 4b:第1層、 4c:第2層、
4d:酸化防止皮膜層、 4e:緩衝層、
5:永久磁石、 6:磁石保持部材、 6a:円筒部材、
6b:連結部材、 6c:貫通穴、
7:軸受、
11:入口、 12:出口、 15:隔壁、
20:羽根車、 21:回転軸、 24:増速装置、 25:軸受、
33、34:配管、 40:熱利用装置、 50:板部、 51:貫通孔、
60:ナセル、 61:タワー

Claims (11)

  1. 鉛直方向に沿って起立し、非回転部に回転可能に支持された回転軸と、
    前記回転軸に固定された発熱部材と、
    前記発熱部材に隙間を空けて対向し、互いに隣接するもの同士で磁極の配置が交互に異なる複数の永久磁石と、
    前記永久磁石を保持し、前記非回転部に固定された磁石保持部材と、
    前記発熱部材に生じた熱を回収する熱回収機構と、を備え、
    前記熱回収機構は、
    前記非回転部に固定されて前記発熱部材を包囲する密閉容器であって、
    前記密閉容器の内部空間に繋がる入口及び出口にそれぞれ接続された配管と、
    前記各配管に接続された熱利用装置と、
    前記密閉容器、前記配管、及び前記熱利用装置を循環する熱媒体と、を含む、渦電流式発熱装置。
  2. 請求項1に記載の渦電流式発熱装置であって、
    前記発熱部材は円筒形状であり、前記永久磁石は、前記発熱部材の外周面又は内周面に対向する、渦電流式発熱装置。
  3. 請求項2に記載の渦電流式発熱装置であって、
    前記永久磁石が前記発熱部材の前記内周面に対向し、前記発熱部材の前記外周面に、軸方向に対して傾斜する板部が設けられる、渦電流式発熱装置。
  4. 請求項2に記載の渦電流式発熱装置であって、
    前記永久磁石が前記発熱部材の前記外周面に対向し、前記発熱部材の前記内周面に、軸方向に対して傾斜する板部が設けられる、渦電流式発熱装置。
  5. 請求項3又は請求項4に記載の渦電流式発熱装置であって、
    前記板部は、前記発熱部材の軸方向に沿って螺旋状に延びる、渦電流式発熱装置。
  6. 請求項2〜請求項5のいずれか1項に記載の渦電流式発熱装置であって、
    前記発熱部材の内部に軸方向に対して傾斜しつつ、下端面から上端面まで貫通する貫通孔が設けられる、渦電流式発熱装置。
  7. 請求項6に記載の渦電流式発熱装置であって、
    前記貫通孔は、前記発熱部材の軸方向に沿って螺旋状に延びる、渦電流式発熱装置。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の渦電流式発熱装置であって、
    前記密閉容器は、前記発熱部材と前記永久磁石との前記隙間に非磁性の隔壁を有する、渦電流式発熱装置。
  9. 鉛直方向に沿って起立し、非回転部に回転可能に支持された回転軸と、
    前記非回転部に固定された発熱部材と、
    前記発熱部材に隙間を空けて対向し、互いに隣接するもの同士で磁極の配置が交互に異なる複数の永久磁石と、
    前記永久磁石を保持し、前記回転軸に固定された磁石保持部材と、
    前記発熱部材に生じた熱を回収する熱回収機構と、を備え、
    前記熱回収機構は、
    前記非回転部に固定されて前記発熱部材を包囲する密閉容器であって、
    前記密閉容器の内部空間に繋がる入口及び出口にそれぞれ接続された配管と、
    前記各配管に接続された熱利用装置と、
    前記密閉容器、前記配管、及び前記熱利用装置を循環する熱媒体と、を含む、渦電流式発熱装置。
  10. 請求項9に記載の渦電流式発熱装置であって、
    前記発熱部材は円筒形状であり、前記永久磁石は、前記発熱部材の外周面又は内周面に対向する、渦電流式発熱装置。
  11. 請求項9又は請求項10に記載の渦電流式発熱装置であって、
    前記密閉容器は、前記発熱部材と前記永久磁石との前記隙間に非磁性の隔壁を有する、渦電流式発熱装置。

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