JP6485290B2 - フッ素含有排水からのフッ素分離方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば非鉄金属製錬工程から生じる排水等のフッ素、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム等を含有するフッ素含有排水からのフッ素分離方法に関する。
銅や鉛等の非鉄金属の製錬工程では、原料鉱石を炉に投入して熔解し、不純物をスラグとして、又は硫黄を亜硫酸ガスとして分離し、目的とする金属を精製する。原料鉱石にはフッ素が含有されることがあるが、このフッ素は鉱石が熔解される際に揮発し、亜硫酸ガスと共に排ガスとしてスクラバー等に集められ、アルカリ性の洗浄液中に捕集される。この洗浄液には、炉の耐火材や断熱材等に由来するホウ素が含まれることがある。
スクラバー等で排ガスを捕集した洗浄液は、洗浄廃液として順次取り出されて処理され、フッ素が分離回収される。フッ素を除去した後の洗浄廃液は、引き続いて排水処理施設に送られ、一般の排水と共に中和、酸化、還元等の方法によって、重金属や有機物等を分離し、無害化された後に排出される。
排水等の水溶液中に含まれるフッ素を除去する一般的な方法としては、フッ素沈澱剤として塩化カルシウムや硫酸カルシウム等のカルシウム化合物を添加し、フッ素を難溶性のフッ化カルシウムとして沈澱させる方法が知られている。
例えば特許文献1には、酸性又はアルカリ性のアルミニウム塩の水溶液を中和してゲル状水酸化アルミニウムを生成させるゲル状水酸化アルミニウム生成工程と、フッ素含有排水にカルシウム化合物とゲル状水酸化アルミニウムを添加することにより、生成したフッ化カルシウムをゲル状水酸化アルミニウムに吸着させる吸着工程とを含むフッ素含有排水の処理方法が記載されている。
特許文献1に記載の方法によれば、生成したフッ化カルシウムをゲル状水酸化アルミニウムに吸着させるので、フッ素の捕集効率を高めることができる。しかしながら、フッ化カルシウムを吸着したゲル状水酸化アルミニウムは濾過性が劣るため、濾過やその後の処理に手間がかかり、極めて非効率であるという欠点がある。
そこで、本発明者らは、フッ素含有排水の硫酸ナトリウムの濃度を3g/L以下に制御し、カルシウム化合物を添加する方法を開発した(特許文献2参照。)。特許文献2に記載の方法によれば、フッ素を安定してフッ化カルシウムとして沈澱させて分離除去することができる。また、この方法には、フッ化カルシウムの沈澱は濾過性に優れており、処理が容易且つ低コストであるという利点もある。
本発明者らは、特許文献2の知見を発展させ、フッ素含有硫酸を中和してフッ素含有排水を得る際に、ナトリウム系の中和剤(例えば苛性ソーダ)以外の中和剤を用いてみたところ、フッ素含有排水の硫酸ナトリウムの濃度を3g/L以下に制御したとしても、得られたフッ素含有排水からフッ素を完全に除去することが難しい場合があることが判明した。このため、特許文献2と同様にして低コストで処理でき、且つ使用する中和剤を限定することなく、フッ素含有排水からフッ素を更に安定して除去する技術が望まれている。
特開2000−140863号公報 特許第5187199号公報
本発明は、上述した従来の事情に鑑みて提案されたものであり、非鉄金属製錬工程から生じるフッ素含有排水から簡単且つ低コストで効率よくフッ素を分離除去することができ、しかもフッ素含有排水中にホウフッ化物分解剤を添加してフッ素含有排水中のホウフッ化物を分解することで、常に安定して確実なフッ素の分離除去が可能な方法を提供することを目的とする。
特許文献2に記載の方法を適用した場合において、苛性ソーダ等のナトリウム系中和剤以外の中和剤を用いて得られたフッ素含有排水を処理することが困難となる原因について、本発明者らは種々の検討を行った。その結果、本発明者らは、非鉄金属製錬工程からのフッ素含有排水に含まれる硫酸マグネシウムがフッ素の再溶解を助長すること、硫酸マグネシウムによる影響力は硫酸ナトリウムより格段に大きいこと、及び、硫酸マグネシウム濃度の上昇に伴って排水中のフッ素濃度が上昇してフッ素の分離が不完全になることを見出し、それらの知見に基づいて本発明を完成させるに至った。
また、本発明に係るフッ素含有排水からのフッ素分離方法は、非鉄金属製錬工程から生じる硫酸マグネシウムを含むフッ素含有排水中のフッ素をフッ化カルシウムとして沈澱させて分離除去するフッ素含有排水からのフッ素分離方法であって、フッ素含有排水中のホウフッ化物を分解するホウフッ化物分解工程と、フッ素含有排水中の硫酸イオン濃度を調整する硫酸イオン濃度調整工程と、フッ素含有排水中のフッ素を沈澱として分離除去するフッ素沈澱除去工程とを有し、ホウフッ化物分解工程は、フッ素含有排水中にホウフッ化物分解剤を添加し、硫酸イオン濃度調整工程は、フッ素含有排水中に希釈液を添加して、フッ素含有排水中の硫酸イオン濃度を1.5g/L以下とすることを特徴とする。
本発明によれば、非鉄金属製錬工程から生じるフッ素含有排水から簡単且つ低コストで効率よくフッ素を分離除去することができ、しかもフッ素含有排水中にホウフッ化物分解剤を添加してフッ素含有排水中のホウフッ化物を分解することで、常に安定して確実にフッ素を分離除去することができる。
本発明の一実施の形態に係るフッ素含有排水からのフッ素分離方法におけるフッ素の分離プロセスの概略を示す工程図である。 本発明の一実施の形態に係るフッ素含有排水からのフッ素分離装置の概略を示す概略図である。 参考例1及び参考例2の結果に基づきナトリウム濃度又はマグネシウム濃度と濾液中フッ素濃度との関係を示す図である。
本発明を適用した具体的な実施の形態(以下、「本実施の形態」という。)について、以下の順序で図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることが可能である。
1.フッ素含有排水からのフッ素分離方法
1−1.フッ素分離方法の概要
1−2.各工程の概略
1−3.ホウフッ化物分解工程
1−4.硫酸イオン濃度調整工程
1−5.マグネシウム濃度調整工程
1−6.フッ素沈澱除去工程
2.フッ素含有排水からのフッ素分離装置
2−1.フッ素分離装置の概要
2−2.反応槽
2−3.供給部
2−4.分離回収部
2−5.制御部
3.まとめ
[1.フッ素含有排水からのフッ素分離方法]
(1−1.フッ素分離方法の概要)
本実施の形態に係るフッ素含有排水からのフッ素分離方法(以下、「フッ素分離方法」という。)は、銅や鉛等の非鉄金属の製錬工程(非鉄金属製錬工程)から生じる排水中に含まれている原料鉱石由来のフッ素を除去するための方法である。より詳細には、非鉄金属製錬工程から生じるフッ素を含有する排水(フッ素含有排水)にフッ素沈澱剤を添加して、フッ素とフッ素沈澱剤とを反応させてフッ素を含む沈澱を生成させる際に、フッ素含有排水中に含まれているホウフッ化物(HBF、HBF(OH)、HBF(OH)、HBF(OH))を分解すること、及び、フッ素含有排水中に含まれている硫酸イオンの濃度を後述する所定値以下に制御することが重要である。
非鉄金属の製錬においては、原料鉱石の熔解時に発生する排ガス中に含まれているフッ素やホウ素や亜硫酸ガスをスクラバーで捕集して処理を行う。排ガス中のフッ素をスクラバーで捕集するとフッ素含有排水が得られ、排ガス中のホウ素を同様にして捕集すると、フッ素含有排水中のフッ素はホウ素と結合して易溶性のホウフッ化物となる。
フッ素分離方法では、フッ素含有排水中のホウ素−フッ素結合を切断し、ホウフッ化物を分解することで、ホウフッ化物の溶解量を低減できる。このため、フッ素含有排水中のフッ素をフッ化カルシウムとして安定して取り除くことができる。
また、排ガス中の亜硫酸ガスをスクラバーで捕集すると硫酸イオンが得られるため、フッ素含有排水中には硫酸イオンが含まれている。この硫酸イオン(SO 2−)は、フッ素含有排水にフッ素沈澱剤としてカルシウム化合物(例えばCaSO)を添加してフッ化カルシウム(CaF)の沈澱を生成させる方法において、フッ化カルシウムの沈澱形成を妨害してしまう。その妨害の理由は、硫酸イオンの存在下では、下記化学式に示す反応が右側に進行し、フッ化物イオン(F)の形成が促進されるためである。
CaF + SO 2− = CaSO + 2F ・・・(化学式)
フッ素分離方法では、フッ素含有排水中の硫酸イオン濃度を所定値以下に制御することで、化学式に示す反応を左側に進行させることができ、フッ素含有排水中のフッ素をフッ化カルシウムとして安定して取り除くことができる。
(1−2.各工程の概略)
フッ素分離方法は、図1に示すように、フッ素含有排水中のホウフッ化物を分解する工程(以下、「ホウフッ化物分解工程S11」という。)と、フッ素含有排水中の硫酸イオン濃度を調整する工程(以下、「硫酸イオン濃度調整工程S12」という。)と、フッ素含有排水中のマグネシウム濃度を調整する工程(以下、「マグネシウム濃度調整工程S13」という。)と、フッ素含有排水中のフッ素を沈澱として分離除去する工程(以下、「フッ素沈澱除去工程S14」という。)とを有するものである。
なお、フッ素分離方法は、図1に示すように、4つの工程における各処理を順次経てフッ素を沈澱として分離除去してもよいし、4つの工程における各処理を同時に行ってフッ素を沈澱として分離除去してもよいし、或いは、図1に示す4つの工程の順序を適宜入れ替えてフッ素を沈澱として分離除去してもよい。ただし、ホウフッ化物分解工程S11は、フッ素沈澱除去工程S14におけるホウフッ化物を分解しておくためのものであるから、フッ素沈澱除去工程S14より先か同時に行うことが望ましい。同様に、硫酸イオン濃度調整工程S12は、フッ素沈澱除去工程S14における硫酸イオン濃度を所定値以下とするためのものであるから、フッ素沈澱除去工程S14より先か同時に行うことが望ましい。4工程を順次経てフッ素を除去する場合には、ホウフッ化物分解工程S11、硫酸イオン濃度調整工程S12及びマグネシウム濃度調整工程S13において得られた生成物に固液分離処理を施し、当該処理により得られた清澄液を後工程においてそれぞれ処理することにより、薬剤消費を少なくフッ素を低減できる。
また、詳細は後述するが、フッ素分離方法では、フッ素含有排水中に含まれるマグネシウムの含有量に応じて、マグネシウム濃度調整工程S13を経ずにフッ素沈澱除去工程S14で処理を行い、フッ素を沈澱として分離除去してもよい。
(1−3.ホウフッ化物分解工程)
図1に示すホウフッ化物分解工程S11では、ホウフッ化物分解剤をフッ素含有排水に添加して、フッ素含有排水中のホウフッ化物を分解する。ホウフッ化物を分解すべき理由は、ホウフッ化物の多くは水溶性を有するため、フッ素含有排水中のホウフッ化物を分解できない場合には、後述するフッ素沈澱除去工程S14においてフッ素含有排水中のフッ素をフッ化カルシウムとして取り除くことが困難となり得るからである。
ホウフッ化物分解剤は、フッ素含有排水中のホウフッ化物のホウ素−フッ素結合を切断し、ホウフッ化物を減少させる。ホウフッ化物分解剤としては、アルミニウム化合物であればよく、塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム等からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。特に、ポリ塩化アルミニウム等のように、フッ素含有排水中で凝集する性質を備えたものが好ましい。
ホウフッ化物分解剤は、ホウ素−フッ素結合を切断するだけでなく、この結合が再び生じるのを抑制する。ホウフッ化物分解剤には、ホウ素をホウ酸(HBO)とする作用、フッ素をフルオロアルミン酸(ヘキサフルオロアルミン酸HAlF)とする作用、ホウ素やフッ素を含む化合物を凝集させる作用もあると考えられる。
ホウフッ化物分解剤の添加量は、フッ素含有排水中の総フッ素量の0.11倍以上0.35倍以下の物質量(モル量)とするのが望ましい。ホウフッ化物分解剤の添加量がフッ素含有排水中の総フッ素量の0.11倍未満では、ホウ素−フッ素結合を十分に切断できず、ホウフッ化物の溶解量が大きくなってしまう。ホウフッ化物分解剤の添加量がフッ素含有排水中の総フッ素量の0.35倍を超えると、ホウフッ化物分解剤の添加量を増やしてもホウフッ化物をさらに分解することは難しい。ホウフッ化物分解剤の添加量は、フッ素含有排水中の総フッ素量の0.11倍以上0.35倍以下とすることで、ホウフッ化物分解剤のコストを抑えつつ、ホウフッ化物の溶解量を低減することができる。
ホウフッ化物分解工程S11では、ホウフッ化物分解剤を添加したフッ素含有排水に、例えばフィルタープレス等の濾過装置を用いて固液分離処理を施し、フッ素含有排水から不純物を沈澱として除去して、濾液として清澄液を得る。得られた清澄液は、後工程の硫酸イオン濃度調整工程S12で処理する。なお、フッ素含有排水にシックナー等の沈降分離装置を用いて固液分離処理を施せば、上澄みとして大量の清澄液を得ることができ、濾過装置で処理すべき沈澱を含んだフッ素含有排水の量を格段に減らすことができる。
ホウフッ化物分解工程S11では、ゲル状の物質が生じやすい。このゲル状の物質は固液分離が難しいので、ホウフッ化物分解工程S11を後述する硫酸イオン濃度調整工程S12やフッ素沈澱除去工程S14と同時または先立って行うことによって、硫酸イオン濃度調整工程S12やフッ素沈澱除去工程S14で生じる沈澱に取り込むことが望ましい。このようにすることで、濾布の目詰まり等の問題を抑えて固液分離を高速に行うことができる。
従って、ホウフッ化物分解工程S11では、フッ素含有排水中にホウフッ化物分解剤を添加するだけで、後述するフッ素沈澱除去工程S14において、フッ素含有排水からフッ素を容易且つ効率的に分離除去することができる。
(1−4.硫酸イオン濃度調整工程)
図1に示す硫酸イオン濃度調整工程S12では、フッ素含有排水中の硫酸イオン濃度を1.5g/L以下に調整する。ここでは、フッ素含有排水中の硫酸イオン濃度を所定値以下に調整することができれば、その方法は特に限定されず、例えば硫酸イオン除去剤を用いて硫酸イオン濃度を制御する。具体的には、硫酸イオン除去剤をフッ素含有排水に添加して硫酸塩を沈澱させて、当該排水中の硫酸イオン濃度を1.5g/L以下に調整する。硫酸イオン濃度調整工程S12では、当該工程を後述するフッ素沈澱除去工程S14より先に行うことで、フッ素の混入の少ない硫酸塩を得ることができる。
硫酸イオン濃度調整工程S12で用いることが可能な硫酸イオン除去剤としては、酸化銅、カルシウム化合物等が挙げられる。硫酸イオン除去剤としてカルシウム化合物を用いた場合には、硫酸塩として石膏を得ることができる。また、カルシウム化合物としては、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム等が使用可能であり、これらの中では、塩化カルシウムが容易に入手することができ、安全性に優れているため、取り扱い容易で好ましい。硫酸イオン除去剤として塩化カルシウムを用いた場合の投入量は、フッ素含有排水中の硫酸イオンのモル数以上を添加するように調整することが好ましい。
硫酸イオン濃度調整工程S12では、硫酸イオン除去剤の代替として希釈液を添加してもよいし、硫酸イオン除去剤と併用して希釈液を添加してもよい。硫酸イオン濃度調整工程S12で用いることが可能な希釈液としては、硫酸イオン濃度が1.5g/L未満の液が使用可能であり、例えば、水、非鉄金属製錬工程から生じる硫酸イオン濃度の低い排水等が好ましい。
硫酸イオン濃度調整工程S12では、硫酸イオン濃度を1.5g/L以下に調整したフッ素含有排水に、例えばフィルタープレス等の濾過装置を用いて固液分離処理を施し、フッ素含有排水から不純物を沈澱として除去して、濾液として清澄液を得る。得られた清澄液は、後工程のマグネシウム濃度調整工程S13で処理する。なお、フッ素含有排水にシックナー等の沈降分離装置を用いて固液分離処理を施せば、上澄みとして大量の清澄液を得ることができ、濾過装置で処理すべき沈澱を含んだフッ素含有排水の量を格段に減らすことができる。
従って、硫酸イオン濃度調整工程S12では、フッ素含有排水中の硫酸イオン濃度を1.5g/L以下に調整するだけで、後述するフッ素沈澱除去工程S14において、フッ素含有排水からフッ素を容易且つ効率的に分離除去することができる。また、硫酸イオン濃度調整工程S12では、フッ素含有排水中の硫酸イオン濃度を1.5g/L以下に調整することができれば、その方法は特に限定されない。例えば、フッ素含有排水を得る際に、高価なナトリウム系中和剤(例えば苛性ソーダ)を用いずとも、安価な他の中和剤を用いることができるので、フッ素分離処理全体の低コスト化を図ることができる。
(1−5.マグネシウム濃度調整工程)
図1に示すマグネシウム濃度調整工程S13では、フッ素含有排水中のマグネシウムを低減する。その理由は、フッ素含有排水中のマグネシウムが、硫酸イオンの存在時にフッ素の除去を妨害するという性質を有しているためである。
マグネシウム濃度調整工程S13では、フッ素含有排水中のマグネシウム濃度を0.4g/L以下に調整することが好ましい。ここでは、フッ素含有排水中のマグネシウム濃度を所定値以下に調整することができれば、その方法は特に限定されず、例えば希釈液を用いてマグネシウム濃度を制御する。具体的には、マグネシウム濃度が0.4g/L以下の希釈液を添加して、フッ素含有排水中のマグネシウム濃度を0.4g/L以下に調整すればよい。
マグネシウム濃度調整工程S13で用いることが可能な希釈液としては、例えば、水、非鉄金属製錬工程から生じるマグネシウム濃度の低い排水等が好ましい。
マグネシウム濃度調整工程S13では、マグネシウムを一定濃度以下に低減するには大幅な処理能力や費用を要するので、フッ素含有排水中のマグネシウム濃度の下限値を、好ましくは0.1g/L以上、更に好ましくは0.2g/L以上に留めると最も効用が大きい。
マグネシウム濃度調整工程S13では、マグネシウム濃度を0.4g/L以下に調整したフッ素含有排水に、硫酸イオン濃度調整工程S12と同様にして固液分離処理を施し、フッ素含有排水から不純物を沈澱として除去する。得られた清澄液は、後工程のフッ素沈澱除去工程S14で処理する。
従って、マグネシウム濃度調整工程S13では、フッ素含有排水中のマグネシウム濃度を0.4g/L以下に調整するだけで、フッ素除去の妨害要因を排除することができ、後述するフッ素沈澱除去工程S14において、フッ素含有排水からフッ素を更に効率的に分離除去することができる。
(1−6.フッ素沈澱除去工程)
図1に示すフッ素沈澱除去工程S14では、フッ素含有排水中のフッ素をフッ化カルシウムとして沈澱させて除去する。ここでは、フッ素含有排水中のフッ素をフッ化カルシウムとして除去することができれば、その方法は特に限定されず、例えばフッ素沈澱剤を用いてフッ素を除去する。具体的には、フッ素含有排水に、フッ素沈澱剤としてカルシウム化合物を添加する。
フッ素沈澱除去工程S14で用いることが可能なカルシウム化合物としては、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム等が使用可能であり、これらの中では、塩化カルシウムが容易に入手することができ、安全性に優れているため、取り扱い容易で好ましい。また、フッ素沈澱除去工程S14では、所望のpH値に応じて水酸化カルシウム等のpH調整剤を適度に使用し、フッ素含有排水のpH値を調整することができる。フッ素含有排水のpH値は、4〜11とするのがよく、6〜9とするのがより好ましい。当該排水のpH値を調整する理由は、フッ素の形態がフッ酸とならない程度にアルカリ側とし、水酸化マグネシウム等が大量に沈澱しすぎない程度に酸性側とするためである。
フッ素沈澱除去工程S14では、フッ素沈澱剤を添加したフッ素含有排水に、硫酸イオン濃度調整工程S12と同様にして濾過処理を施してフッ素を沈澱(フッ化カルシウム)として分離除去し、フッ素除去排水が得られる。このフッ素除去排水は、引き続いて排水処理施設に送られ、一般の排水と共に中和や酸化還元等の方法によって、重金属や有機物等を分離し、無害化された後に排出される。
従って、フッ素沈澱除去工程S14では、硫酸イオン濃度調整工程S12においてフッ素含有排水中の硫酸イオン濃度を1.5g/L以下に調整し、好ましくはマグネシウム濃度調整工程S13においてフッ素含有排水中のマグネシウム濃度を0.4g/L以下に調整したフッ素除去排水を用いて処理を行うので、常に安定して確実に当該排水からフッ素を分離除去し、フッ素除去排水を回収することができる。
[2.フッ素含有排水からのフッ素分離装置]
(2−1.フッ素分離装置の概要)
次に、図2に基づき、上述した分離方法で利用することが可能な、本実施の形態に係るフッ素含有排水からのフッ素分離装置(以下、「分離装置1」という。)について説明する。図2に示すように、分離装置1は、反応槽10、供給部20、分離回収部30及び制御部40を備えるものである。分離装置1は、かかる各構成要素を備えることにより、フッ素含有排水中のフッ素の分離除去処理を、反応槽10内で一括して行うことができるので、プロセス全体の簡略化及び低コスト化が可能となる。
より詳細には、分離装置1は、非鉄金属製錬工程から生じる硫酸マグネシウムを含むフッ素含有排水中のフッ素をフッ化カルシウムとして沈澱させて分離除去するフッ素含有排水からのフッ素分離装置であって、非鉄金属製錬工程から生じるフッ素含有排水を貯留する反応槽10と、反応槽10にホウフッ化物分解剤、硫酸イオン除去剤、希釈液、及びフッ素沈澱剤を供給する供給部20と、少なくとも供給部20から供給するホウフッ化物分解剤、硫酸イオン除去剤、希釈液、及びフッ素沈澱剤の供給順序及び供給量を制御する制御部40と、フッ素含有排水にフッ素除去処理を施してフッ素含有排水からフッ素を分離除去すると共にフッ素除去排水を回収する分離回収部30とを有するものであり、分離装置1は、制御部40により、フッ素含有排水中の硫酸イオン濃度を1.5g/L以下となるように硫酸イオン除去剤及び/又は希釈液の供給量を制御することができる。
(2−2.反応槽)
反応槽10は、非鉄金属製錬工程から生じるフッ素含有排水を貯留し、各種処理を行うものである。反応槽10の材質は、図1に示したホウフッ化物分解工程S11、硫酸イオン濃度調整工程S12、マグネシウム濃度調整工程S13及びフッ素沈澱除去工程S14において使用するフッ素含有排水、及びホウフッ化物分解剤、硫酸イオン除去剤、希釈液、フッ素沈澱剤、pH調整剤等の各種薬剤、並びに各種処理により得られる生成物によって劣化しなければ特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
また、反応槽10は、槽内でホウフッ化物分解工程S11における処理(以下、「ホウフッ化物分解処理」という。)、硫酸イオン濃度調整工程S12における処理(以下、「硫酸イオン濃度調整処理」という。)、マグネシウム濃度調整工程S13における処理(以下、「マグネシウム濃度調整処理」という。)及びフッ素沈澱除去工程S14における処理(以下、「フッ素沈澱除去処理」という。)を行うことができる容器であれば、大きさ(容量)、形状、構造等について特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
なお、反応槽10における具体的な処理及び用いる薬剤については、上述した分離方法で説明した通りであるので、ここでの説明は省略する。
(2−3.供給部)
供給部20は、反応槽10内にフッ素含有排水、及びホウフッ化物分解剤、硫酸イオン除去剤、希釈液、フッ素沈澱剤、pH調整剤等の各種薬剤を供給するものである。供給部20は、フッ素含有排水や各種薬剤をそれぞれ貯留するための貯留槽(不図示)と、これらを反応槽10内へそれぞれ送液するためのポンプ等の送液・添加手段(不図示)及び配管(不図示)とから構成されている。供給部20では、送液・添加手段により貯留槽からフッ素含有排水や各種薬剤を反応槽10内へ配管を介してそれぞれ供給する。
供給部20におけるフッ素含有排水や各種薬剤の供給順序や供給量の制御は、制御部40により行う。制御部40により、供給部20は、フッ素含有排水を反応槽10内へ供給した後に、各種薬剤を、ホウフッ化物分解処理、硫酸イオン濃度調整処理、マグネシウム濃度調整処理及びフッ素沈澱除去処理に応じて順次供給する。また、制御部40により、供給部20は、ホウフッ化物分解処理において、ホウフッ化物分解剤の供給量を所定の値に調整する。更に、制御部40により、供給部20は、硫酸イオン濃度調整処理において、フッ素含有排水中の硫酸イオン濃度を1.5g/L以下になるように、例えば硫酸イオン除去剤及び/又は希釈液の供給量を調整する。更に、制御部40により、供給部20は、マグネシウム濃度調整処理において、フッ素含有排水中のマグネシウム濃度を0.4g/L以下になるように、例えば希釈液の供給量を調整する。
(2−4.分離回収部)
分離回収部30は、反応槽10内のフッ素含有排水中に形成されたフッ素を含む沈澱物(フッ化カルシウム)を分離除去し、フッ素除去排水を回収するものである。分離回収部30は、例えば硫酸イオン濃度調整処理及び/又はマグネシウム濃度調整処理により得られた生成物を、フッ素除去排水とフッ素を含む沈澱物とに固液分離し、フッ素を含む沈澱物を除去することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。分離回収部30としては、例えば、金属や樹脂製の凹凸のある穴のあいた濾板に濾布を張ったものを直列に密着させ、フッ素含有排水をポンプで濾板の穴から加圧圧入して脱水し、固形分(ここではフッ化カルシウム)を分離するフィルタープレス等を適用することができる。
分離回収部30としてフィルタープレスを用いる場合における通液圧力(ポンプ圧)や通液時間、プレス圧力(油圧)等の条件は、各処理により得られた生成物について、固液分離することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。なお、分離回収部30における動作条件、例えば通液圧力や通液時間、プレス圧力等の条件の制御は、制御部40により行う。
(2−5.制御部)
制御部40は、分離装置1の各構成要素の動作を制御するものである。具体的には、制御部40は、供給部20及び分離回収部30の各動作を制御し、少なくとも供給部20から供給する各種薬剤の供給順序及び供給量を制御する。なお、分離装置1は、図2に示すように、一つの制御部40により供給部20及び分離回収部30の動作を制御するように構成されてもよいし、目的に応じて各構成要素につき一つの制御部を設けて動作を制御するように構成してもよい。
なお、分離装置1は、必要に応じて、上述した構成要素以外の要素、例えば、浸出液を撹拌する撹拌軸及び撹拌翼、撹拌軸及び撹拌翼を駆動するモータ等から構成される撹拌部や、フッ素含有排水を加熱するための加熱部等を備えてもよい。また、これらの構成要素は、上述した制御部により、動作を制御するように構成してもよい。
[3.まとめ]
本実施の形態に係るフッ素含有排水からのフッ素分離方法及びフッ素分離装置によれば、ホウフッ化物分解工程S11(ホウフッ化物分解処理)において、ホウフッ化物分解剤をフッ素含有排水に添加することにより、ホウフッ化物を分解することができる。さらに、硫酸イオン濃度調整工程S12(硫酸イオン濃度調整処理)において、フッ素含有排水中に含まれている硫酸イオンの濃度を1.5g/L以下に制御することにより、非鉄金属製錬工程からのフッ素含有排水に含まれる硫酸マグネシウムの含有量にかかわらず、フッ素を常に安定してフッ化カルシウムとして沈澱させ、確実に分離除去することができる。また、フッ素含有排水中の硫酸イオン濃度の調整方法としては、例えば硫酸イオン除去剤を添加する方法が挙げられ、当該排水中に硫酸イオン除去剤等を添加することにより、硫酸イオンと硫酸イオン除去剤等とを反応させて硫酸塩を含む沈澱を生成させ、後のフッ素沈澱除去工程S14(フッ素沈澱除去処理)において、フッ素とフッ素沈澱剤等とを反応させてフッ素を含む沈澱を生成させ、容易に分離除去することができる。更に、用いる硫酸イオン除去剤等の種別は問わないので、安価な硫酸イオン除去剤等も適用可能であり、処理コストの低減化を図ることができる。
また、本実施の形態に係るフッ素含有排水からのフッ素分離方法及びフッ素分離装置によれば、マグネシウム濃度調整工程S13(マグネシウム濃度調整処理)において、フッ素含有排水中のマグネシウム濃度を0.4g/L以下に調整することにより、フッ素除去の妨害要因を排除し、フッ素を更に安定してフッ化カルシウムとして沈澱させ、確実に分離除去することができる。
また、本実施の形態に係るフッ素含有排水からのフッ素分離方法及びフッ素分離装置によれば、濃度調整前の硫酸イオン濃度やマグネシウム濃度の値にかかわらず、フッ素含有排水中の硫酸イオン濃度に応じて硫酸イオン除去剤を投入すればよいので、投入結果の検証や再投入を要さず、操業が格段に容易となる。
また、本実施の形態に係るフッ素含有排水からのフッ素分離方法及びフッ素分離装置によれば、工程が簡単で特別な装置を使う必要がなく、高価な希土類や薬品を使用しない上、フッ化カルシウムの沈澱は濾過性に優れ処理が容易であるため、高効率であって、コストを低減できるという利点がある。
以下に示す実施例及び比較例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例及び比較例によって何ら限定されるものではない。
まず、参考例1及び参考例2では、実施例1及び実施例2並びに比較例1及び比較例2によるホウフッ化物分解剤の効果を検討するために、フッ素含有水溶液中の硫酸イオン濃度と濾液中のフッ素濃度との関係性を確認した。
(参考例1)
参考例1では、水溶液中における塩濃度とフッ素濃度の関係を調べた。即ち、参考例1では、純水200mLにフッ化カルシウム16gを加え、撹拌して懸濁させた。このフッ素含有水溶液に、それぞれ表1に示す濃度となるように無水硫酸マグネシウム(試薬)、無水硫酸ナトリウム(試薬)を添加し、スターラーを用いて25℃の温度に維持しながら60分間撹拌して溶解させた。その後、各試薬を溶解させたフッ素含有水溶液について、5C濾紙を用いて自然濾過することで固液分離した。得られた濾液を採取し、ICP(Inductively Coupled Plasma)法を用いてフッ素濃度を分析したところ、表1に示す結果が得られた。なお、参考例1では、容器中に残った沈澱をX線回折で化合物を同定したところ、フッ化カルシウムと硫酸カルシウムが検出された。
Figure 0006485290
表1からわかるように、フッ素含有水溶液中に硫酸イオンが存在しない場合には、多くの沈澱が生成し、濾液中のフッ素濃度は水への溶解度にほぼ相当する2.4mg/Lであった。しかしながら、フッ素含有水溶液中の硫酸イオン濃度が増加すると、フッ化カルシウムの溶解が増え、濾液中のフッ素濃度が増加した。この結果から、参考例1では、フッ素含有水溶液中の硫酸イオン濃度が高いとフッ素は溶解しやすいが、硫酸イオン濃度が低下するとフッ素は溶解できずに沈澱し、フッ素濃度が低下することが確認された。
(参考例2)
参考例2では、表2に示す濃度となるように試薬として無水塩化マグネシウムを使用した点以外は参考例1と同様の方法で、濾液を得た。ICP法を用いて濾液中のフッ素濃度を分析したところ、表2に示す結果が得られた。なお、参考例2では、容器中に残った沈澱をX線回折で化合物を同定したところ、フッ化カルシウムと塩化カルシウムが検出された。
Figure 0006485290
参考例2では、表2の結果を表1(MgSO系)の結果と比較すると、表1(MgSO系)の方が、フッ素濃度が大きかった。ここで、図3に、表1及び表2の結果に基づきナトリウム濃度又はマグネシウム濃度と濾液中フッ素濃度との関係を示した。図3に示した通り、フッ素濃度差は、マグネシウム濃度と硫酸イオン濃度が上昇するほど大きく開くことから、マグネシウムと硫酸イオンが共存することによってフッ素が再溶解していると考えられる。
(実施例1)
実施例1では、pHが2で、フッ素濃度0.8g/L、ホウ素濃度0.015g/L、硫酸イオン濃度28.27g/L、ナトリウム濃度9.71g/L、マグネシウム濃度2.02g/Lである非鉄金属製錬工程の排水に、排水1Lにつきアルミニウム添加量が0.40gとなるように硫酸アルミニウムを添加した。続いて、塩化カルシウムを添加して硫酸イオン濃度を1.5g/Lとした後、消石灰を添加してpHを6とし、固液分離した。固液分離により得られた濾液のフッ素濃度は27mg/Lであった。
(実施例2)
実施例2では、実施例1の非鉄金属製錬工程の排水に、排水1Lにつきホウ素添加量が0.015gとなるようにホウ酸を添加し、排水1Lにつきアルミニウム添加量が0.11gとなるようにポリ塩化アルミニウムを添加した。続いて、塩化カルシウムを添加して硫酸イオン濃度を1.1g/Lとした後、消石灰を添加してpHを6とし、固液分離した。固液分離により得られた濾液のフッ素濃度は200mg/Lであった。
(比較例1)
比較例1では、ホウフッ化物分解のための硫酸アルミニウムを添加しなかった以外は実施例1と同等の方法で処理を行ったが、固液分離により得られた濾液のフッ素濃度は135mg/Lであった。
(比較例2)
比較例2では、ホウフッ化物分解のためのポリ塩化アルミニウムを添加しなかった以外は実施例2と同等の方法で処理を行ったが、固液分離により得られた濾液のフッ素濃度は240mg/Lであった。
(考察)
実施例1は比較例1よりも、実施例2は比較例2よりも、フッ素濃度を低減できている。なぜなら、実施例1及び実施例2では、ホウフッ化物分解剤として用いられるアルミニウム化合物を添加することで、フッ素含有排水中のホウフッ化物を分解することができるからである。なお、比較例2は比較例1よりもホウ素量が多く、フッ素濃度が高い。比較例2のようにホウ素量が多くても、実施例2のようにポリ塩化アルミニウムを添加することでフッ素濃度を低減できることが分かった。
本発明のフッ素含有排水からのフッ素分離方法は、非鉄金属製錬において排水を処理する工程に好適に利用することができ、極めて有用である。
1 分離装置、10 反応槽、20 供給部、30 分離回収部、40 制御部

Claims (2)

  1. 非鉄金属製錬工程から生じる硫酸マグネシウムを含むフッ素含有排水中のフッ素をフッ化カルシウムとして沈澱させて分離除去するフッ素含有排水からのフッ素分離方法であって、
    前記フッ素含有排水中のホウフッ化物を分解するホウフッ化物分解工程と、
    前記フッ素含有排水中の硫酸イオン濃度を調整する硫酸イオン濃度調整工程と、
    前記フッ素含有排水中のフッ素を沈澱として分離除去するフッ素沈澱除去工程とを有し、
    前記ホウフッ化物分解工程は、前記フッ素含有排水中にホウフッ化物分解剤を添加し、
    前記硫酸イオン濃度調整工程は、前記フッ素含有排水中に希釈液を添加して、前記フッ素含有排水中の硫酸イオン濃度を1.5g/L以下とすることを特徴とするフッ素含有排水からのフッ素分離方法。
  2. 前記フッ素含有排水中のマグネシウム濃度を調整するマグネシウム濃度調整工程を更に有し、
    前記マグネシウム濃度調整工程において、前記フッ素含有排水中のマグネシウム濃度を0.1g/L以上0.4g/L以下とすることを特徴とする請求項1に記載のフッ素含有排水からのフッ素分離方法。
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