JP6484944B2 - 非水系電解質二次電池用正極活物質およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、非水系電解質二次電池用正極活物質とその製造方法に関する。
非水系電解質二次電池は、軽量で高エネルギー密度が得られることから、例えば、電気を駆動源として利用する車両に搭載される電源、或いはパソコンや携帯端末その他の電気製品等に用いられる電源として重要性が高まっている。
代表的な非水系電解質二次電池としては、リチウムイオンが正極と負極との間を行き来することにより充電及び放電するリチウムイオン二次電池が挙げられる。典型的な構成のリチウムイオン二次電池では、導電性部材(電極集電体)の上に、リチウムイオンを可逆的に吸蔵および放出し得る物質(電極活物質)を主体とする電極材料が層状に形成された構成(以下、このような層状形成物を「電極合材層」、正極においては「正極合材層」という。)の電極を備える。例えば、正極の場合、正極活物質としてのリチウム金属複合酸化物の粒子と、高導電性材料の粉末(カーボンブラック等)と、結着剤(PVDF等)とを適当な溶媒を混練して分散させたペースト状の組成物(ペースト状組成物には、スラリー状組成物及びインク状組成物が包含される。)を調製し、これを正極集電体(例えば、アルミニウム材)に塗布して乾燥することにより正極合材層が形成される。
ところで、特許文献1には、正極合材層形成用のペースト状組成物を調製する際に使用する溶媒として水系溶媒または水溶性の有機溶媒(具体的には例えばN−メチルピロリドン)が採用されている。そのため、その含有する水分により、正極活物質である粒子表面にあるリチウム金属複合酸化物からリチウムイオンが溶媒中に溶出し、組成物自体が強アルカリ性を呈することがある。このようにアルカリ性を呈する組成物では、該組成物に含まれる結着剤(バインダ)の分解、或いは結着剤の凝集(ゲル化)や正極活物質の凝集が発生することがある。同様に湿度の高い場所で作業することでも外気からの水分の流入で組成物がゲル化しやすい状況にある。
このような材料の分解や凝集は、当該ペースト状組成物の粘度の増加や接着力の低下を招き、さらには原料粉末の分散性が低下するため、正極集電体上に所望する厚みで均一な組成の正極合材層を形成することが困難となり得る。厚みや組成が不均一であると、充放電時における電池反応性が悪化し、さらには電池の内部抵抗の増加の原因ともなるため好ましくない。
上記結着剤の分解や凝集の抑制を目的として、特許文献2には、LiNi1−y(0.98≦x≦1.06、0.05≦y≦0.30、AはCo、Alのうち少なくとも1種)で与えられ、5gを純水100g中に120分間撹拌混合した後、30秒間静置して得られる上澄みのpHが、25℃において12.7以下である非水電解質二次電池用正極活物質が提案されている。正極活物質のpHを制御することにより、耐ゲル化性が改善するとされているが、具体的な製造方法に関しては言及されていない。
また、特許文献3では、正極活物質表面に、金属有機化合物とミセル化した界面活性剤とが分散して付着したゲル被膜を形成するゾルゲル工程と、上記ゾルゲル工程で得られた上記ゲル被膜を焼成することにより、上記界面活性剤を分解除去し、正極活物質表面にリチウムイオンの移動可能な細孔が形成された多孔性金属酸化物被覆層を形成する焼成工程と、を有することを特徴とする多孔性金属酸化物被覆正極活物質の製造方法が提案されている。この提案によれば、多孔性金属酸化物被覆層により電解液等との反応による正極活物質の劣化を効果的に抑制してサイクル特性を向上させることができるとしているが、正極合材層の製造に用いられるペーストにおける上記問題点に関して検討されていない。
一方、ペーストにおける上記問題点を解決するための技術として、特許文献4には、正極と負極を備えており、上記正極は、正極集電体と該集電体上に形成された正極合材層であって、少なくとも正極活物質と結着材とを含む正極合材層とを備え、上記正極活物質は、その表面が疎水性被膜により被覆されており、上記結着材は、水系溶媒に溶解または分散する結着材である電池が提案されている。この提案によれば、正極活物質の表面が疎水性被膜で被覆されているため正極活物質と水系溶媒との接触を防止することができ、組成物の粘度変化が小さくなるとしている。しかしながら、開示されている製造方法はメカノケミカル処理あるいは一般的な金属アルコキシドを用いた被覆方法であり、被覆が十分に制御されるものではなく、水系溶媒との接触を防止するためには電池容量に貢献しない多量の被覆物質が必要であり、十分な電池特性を維持しながらペーストにおける上記問題点を解決する方法としては不十分である。また、メカノケミカル処理による被覆方法では、正極活物質粒子の表面への損傷や粒子自体の粉砕が生じたりするなどの問題もある。
特開2009−193805号公報 特開2003−31222号公報 特開2009−200007号公報 国際公開WO2012/111116号
本発明は、上述した従来の課題を解決すべくなされたものであり、正極活物質が本来持つ電池性能を阻害せずに正極合材層形成用のペースト状組成物のゲル化を抑制した非水系電解質二次電池用正極活物質とその製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、特定の有機ジルコニウム化合物及び/又は有機チタニウム化合物を、アセチルアセトンによりキレート化した後、特定の溶媒を添加して得られるコーティング液をリチウムニッケル複合酸化物粒子と混合し、熱処理することにより得られた被覆層を有する正極活物質は、リチウムイオンの溶出の抑制が可能な被覆層を有し、かつ、正極活物質が本来持つ電池性能を阻害することがなく、ペースト状組成物のゲル化抑制が可能であるとの知見を得て、本発明を完成した。
すなわち、本発明の非水系電解質二次電池用正極活物質は、リチウムニッケル複合酸化物粒子と、該粒子表面の少なくとも一部を被覆した被覆層とを有する非水系電解質二次電池用正極活物質であって、前記リチウムニッケル複合酸化物粒子の組成は、一般式:LiNi1−y(0.98≦x≦1.10、0.05≦y≦0.30、AはCo、Al、Mg、Ca、Ti、V、Cr、Mn、Zr、Nb、MoおよびWからなる群より選択される1種以上)で表され、前記被覆層は、ジルコニウム及び/またはチタニウムの酸化物からなる微粒子により形成され、前記被覆層中のジルコニウム及びチタニウムの酸化物の合計の含有率は、前記正極活物質全体100質量%に対して、0.2〜0.8質量%であり、かつ、前記正極活物質の比表面積は、0.2〜1.2m/gであることを特徴とする。
前記被覆層は、平均粒径D50が1〜20nmのジルコニウム及び/またはチタニウムの酸化物からなる微粒子により形成されたものであって、該被覆層の厚みが5〜50nmであることが好ましい。
前記被覆層は、前記リチウムニッケル複合酸化物粒子の表面に非連続的に形成され、透過型電子顕微鏡の断面観察より測定される被覆面積が前記リチウムニッケル複合酸化物粒子表面の面積の70〜90%であることが好ましい。
前記非水系電解質二次電池用正極活物質は、24℃の純水50mlに前記正極活物質1gを加えてスラリー化し、60分間経過した後の該スラリーのpH(24℃基準)が11.3以下であり、30℃−70%RHの恒温恒湿槽に前記正極活物質を7日間暴露した後の前記正極活物質全体の質量増加率が、暴露前の前記正極活物質全体に対して、2.0%以下であることが好ましい。
前記非水系電解質二次電池用正極活物質は、該正極活物質9.5gに、フッ化ビニリデン0.5g、N−メチル−2−ピロリジノン5.5g、水0.3gを加えてスラリー状にし、24℃で18時間静止保管した後に測定する粘度が2000mPa・s以下であることが好ましい。
本発明の非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法は、アルコキシ基を有する、有機ジルコニウム化合物及び/または有機チタニウム化合物と、エタノール、2−プロパノール及び1−ブタノールから選択される1種類以上とを混合した後、アセチルアセトンを加え、さらに、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ヘキシレングリコールから選択される1種類以上を含む溶液とを加えて、平均粒径D50が1〜20nmの微粒子が分散したコーティング液を得るコーティング液作製工程、得られたコーティング液とリチウムニッケル複合酸化物粒子を混合してコーティング液に含まれる微粒子を前記リチウムニッケル複合酸化物粒子の表面に堆積させた混合物を得る混合工程及び表面に微粒子が堆積された前記リチウムニッケル複合酸化物粒子を熱処理して非水系電解質二次電池用正極活物質を得る熱処理工程を含むことを特徴とする。
前記アルコキシ基を有する有機ジルコニウム化合物及び/または有機チタニウム化合物は、ジルコニウムブトキシド、チタニウムイソプロポキシド及びチタニウムブトキシドからなるモノマーから選択される1種類以上であることが好ましい。
本発明の非水系電解質二次電池用正極活物質は、リチウムイオンの溶出の抑制が可能な被覆層を有し、正極活物質が本来持つ電池性能を阻害することがなく、水を含む溶媒中においても、ペースト状組成物のゲル化が抑制される。また、被覆層を有することにより、外気の湿度の影響を受け難くなるため、正極合材層形成時にドライルーム等の湿気を軽減した場所で作業せずともゲル化が抑制され、作業工程中のハンドリング性が改善される。
さらに、本発明の非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法は、工業的規模の生産においても簡便であり、その工業的価値はきわめて大きい。
図1は、電池評価に用いた2032型コイン電池の概略図である。
1.非水系電解質二次電池用正極活物質
本発明の非水系電解質二次電池用正極活物質(以下、単に「正極活物質」という)は、リチウムニッケル複合酸化物粒子と、該粒子表面の少なくとも一部を被覆した被覆層とを有する非水系電解質二次電池用正極活物質であって、前記リチウムニッケル複合酸化物粒子の組成は、一般式:LiNi1−yAyO(0.98≦x≦1.10、0.05≦y≦0.30、AはCo、Al、Mg、Ca、Ti、V、Cr、Mn、Zr、Nb、MoおよびWからなる群より選択される1種以上)で表され、前記被覆層は、ジルコニウム及び/またはチタニウムの酸化物からなる微粒子により形成され、前記被覆層中のジルコニウム及びチタニウムの酸化物の合計の含有率は、前記正極活物質全体に対して、0.2〜0.8質量%であり、かつ、前記正極活物質の比表面積は、0.2〜1.2m/gである。
本発明の正極活物質は、リチウムニッケル複合酸化物粒子の表面に前記被覆層を有することにより、該正極活物質を用いて正極合材層形成用のペースト状組成物を調製する際、水を含む溶媒へのリチウムニッケル複合酸化物粒子のリチウムイオンの溶出を抑制することができる。これにより、ペースト状組成物自体が強アルカリ性とならずに、該ペースト状組成物に含まれる結着剤(バインダー)の分解、或いは結着剤の凝集(ゲル化)や正極活物質の凝集を抑制することができる。また、湿度の高い場所で作業した際に外気からの水分の流入で組成物がゲル化することも抑制される。
また、本発明の正極活物質は、前記被覆層が、ジルコニウム及び/またはチタニウムの酸化物からなる金属酸化物の微粒子で形成され、比表面積が0.2〜1.2m/gであるため、本発明の正極活物質を用いた二次電池を作製した際、リチウムニッケル複合酸化物粒子と電解液が十分に接触可能であり、充放電における電池の内部抵抗の上昇を抑制することができる。
本発明に用いられるリチウムニッケル複合酸化物粒子の組成は、一般式:LiNi1−y(0.98≦x≦1.10、0.05≦y≦0.30、AはCo、Al、Mg、Ca、Ti、V、Cr、Mn、Zr、Nb、MoおよびWからなる群より選択される1種以上)で表される。
二次電池作製時の高容量化の観点から、Aは、少なくともCoを含むことが好ましく、CoとAlであることがさらに好ましい。また、yの値は、好ましくは0.05≦y≦0.25、より好ましくは0.08≦y≦0.20である。
上記のような水を含む溶媒へのリチウムイオンの溶出は、リチウム遷移金属複合酸化物全般に関して生じる現象であるが、特に、上記組成(LiNi1−y)を有するリチウムニッケル複合酸化物は、水分によって分解しやすくリチウムイオンの溶出が促進される傾向にあることから、前記被覆層を形成することで、非常に大きな効果が得られる。
すなわち、リチウムニッケル複合酸化物(例えば、LiNiO、LiNiCoAlO)、リチウムコバルト複合酸化物(例えば、LiCoO)、リチウムマンガン複合酸化物(例えば、LiMn)、または、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(例えば、LiNi1/3Co1/3Mn1/3)のような三元系リチウム含有複合酸化物粒子に対しても、その粒子表面に上記被覆層を形成することにより、リチウムイオンの溶出の抑制等の効果が得られる。しかし、特に、高い電池容量を有する一方で、ゲル化防止が大きな課題となっているニッケル(Ni)の組成比が高い、上記組成(LiNi1−y)を有するリチウムニッケル複合酸化物に、上記被覆層を形成させることにより、高い電池特性とゲル化抑制を両立させることが可能となる。
本発明の正極活物質の有する被覆層は、ジルコニウム及び/またはチタニウムの酸化物からなる金属酸化物の微粒子により形成される。前記被覆層を形成する成分としては、水に難溶性の金属の無機化合物、好ましくは酸化物であれば、上記のようなリチウムイオンの溶出を抑制する効果が得られるが、これらの中でも、ジルコニウム及び/またはチタニウムの酸化物からなる金属酸化物は、粒径が制御された微粒子を生成させることが容易であり、電池特性の劣化抑制とリチウム溶出の抑制を両立させるという観点から好ましい。
また、前記金属酸化物の微粒子は、動的光散乱法/レーザードップラー法によって測定される平均粒径D50が好ましくは1〜20nm、より好ましくは、3〜15m、さらに好ましくは、5〜15nmである。平均粒径が上記範囲であることにより、さらに電解液とリチウムニッケル複合酸化物粒子の接触が促進されるとともに、リチウムイオンの溶出を抑制することができる。すなわち、微粒子が堆積して形成した被覆層は、粒子間の隙間から電解液が浸透して正極活物質との接触が可能である一方、ペースト中に含まれる水に対しては正極活物質との接触の障壁となるためリチウムの溶出を抑制することができる。さらに、微粒子が上記範囲であることにより、被覆層を薄くすることが可能であり、電池容量に悪影響を及ぼさない程度の少量でも上記効果が得られる。上記ペースト中に含まれる水は、溶媒として加えられる水以外にも、雰囲気中からの吸湿によって含まれる水も意味するものである。したがって、本発明の正極活物質は、水系溶媒を用いたペーストのみならず、非水系溶媒の吸湿によるゲル化に対しても有効である。
本発明の正極活物質の比表面積は、0.2〜1.2m/gである。比表面積が0.2m/g未満になると、リチウムニッケル複合酸化物粒子と電解液の接触が減少するため、充放電における電池の内部抵抗が上昇し、電池特性が低下する。一方、比表面積が1.2m/gを超えると、リチウムイオンの溶出が多くなる。
また、前記正極活物質全体に対する金属酸化物(ジルコニウム及び/またはチタニウムの酸化物)の合計の含有率が0.2〜0.8質量%、好ましくは0.2〜0.6質量%、より好ましくは、0.20〜0.45質量%である。これにより、リチウムニッケル複合酸化物粒子と電解液の接触を十分なものとしながら、リチウムの溶出を抑制することができる。前記含有率が0.2質量%未満になると、前記被覆層が薄くなって、リチウム溶出の抑制効果が低下する。一方、含有率が0.8質量%を超えると、前記被覆層が厚くなって、リチウムニッケル複合酸化物粒子と電解液の接触が減少して、電池特性が低下する。
また、電池特性の劣化抑制とリチウム溶出の抑制をより高く両立させるという観点から、被覆層の厚みを5〜50nmとすることが好ましく、より好ましくは5〜30nmとする。
前記被覆層は、前記金属酸化物の微粒子で形成されているため、二次電池を作製した際、電解液が被覆層を浸透してリチウムニッケル複合酸化物粒子と接触できるが、電解液との接触をより多くするためには、前記被覆層は、リチウムニッケル複合酸化物粒子表面に非連続的に形成されることが好ましく、電解液と接触させて電池特性の低下を抑制するとう観点から、被覆されていない部分がリチウムニッケル複合酸化物粒子表面に分散していることが好ましい。
また、透過型電子顕微鏡の断面観察より測定される被覆面積は、前記リチウムニッケル複合酸化物粒子表面全体の面積に対して、70〜90%であることが好ましい。被覆面積が前記リチウムニッケル複合酸化物粒子表面の面積の70〜90%となることで、電解液の接触を促進しながら、リチウムイオンの溶出によるゲル化を抑制することができる。
また、本発明の正極活物質は、窒素−酸素雰囲気中において加熱した際の200〜400℃間の熱減量が3%以下であることが好ましい。前記被覆層は、不純物として有機成分を含むことがあり、有機成分が含まれると電解液との接触が阻害されることがある。したがって、前記熱減量を3%以下とすることで、含まれる有機成分を減少させ、電解液との接触を促進することができる。また、前記熱減量が3%以下となる状態は、前記被覆層が安定な状態となっており、被覆層自体の化学反応による前記ペースト組成物のアルカリ化をさらに抑制することができる。
さらに、本発明の正極活物質は、24℃の純水50mlに正極活物質1gを加えてスラリー化した後、60分間経過した該スラリーのpHが11.3以下であることが好ましく、30℃−70%RHの恒温恒湿槽に正極活物質を7日間暴露した後の質量増加率が、暴露前に対して2.0%以下であることが好ましい。リチウムニッケル複合酸化物は、水に対する抵抗が低く、表面からリチウムが容易に溶出する。例えば、被覆層が未形成のLiNi0.82Co0.15Al0.031gを24℃の純水50mlに浸けると瞬時に多量のリチウムが溶出し、水溶液はアルカリ側に移行してpHは13近傍に達する。一方、本発明の正極活物質は、耐水性が改善され、前記スラリーのpHは、好ましくは11.3以下となり、スラリーのpHが11.3以下に維持されることで、前記ペースト組成物のアルカリ化がさらに抑制される。
また、暴露した後の質量増加は、吸湿および炭酸塩化によるものであり、該質量増加が2.0%以下であることは、正極活物質に水分が吸着しがたい状態であることを示し、耐水性が高く、正極活物質の劣化やペースト状組成物のゲル化がさらに抑制されることを示す。
また、本発明の正極活物質は、該正極活物質9.5gに、フッ化ビニリデン0.5g、N−メチル−2−ピロリジノン5.5g、水0.3gを加えてスラリー状にし、24℃で18時間静止保管した後に測定する粘度が2000mPa・s以下であることが好ましい。正極合材層形成用のペースト状組成物は、多くの組成で調整されて用いられるが、このような組成で保持後の粘度が2000mPa・s以下であることで、通常用いられる正極合材層形成用のペースト状組成物においてゲルが抑制される。ゲル化の抑制により、集電体に塗布する際の不均一による充放電特性にバラツキが抑制されるとともに、ペーストの流動性が悪化することにより塗布膜の緻密性が低下する等の問題の発生も抑制される。
正極活物質の粉体特性は、目的とする正極活物質に要求される特性によって選択すればよいが、例えば、平均粒径を3〜25μmとすることが好ましく、3〜15μmとすることがより好ましい。平均粒径を3〜25μmとすることで、高い電池容量や充填性を得ることができる。ここで、平均粒径はメジアン径(D50)であり、レーザー回折・散乱法に基づく粒度分布測定装置によって測定する。
本発明の正極活物質は、非水系電解質二次電池の正極に用いられた際に、高容量で高出力となる。特に好ましい態様で得られた非水系電解質二次電池は、例えば、2032型コイン電池の正極に用いた場合、170mAh/g以上、より最適な条件では190mAh/g以上の高い初期放電容量と低い正極抵抗が得られる。また、熱安定性が高く、安全性においても優れている。
2.非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法
本発明の正極活物質の製造方法(以下、単に「製造方法」という)は、1)特定の有機金属化合物と、特定の低級アルコールとを混合した後、キレート剤(加水分解抑制剤)としてアセチルアセトンを加え、さらに、水系グリコール類を含む溶液を加え、微粒子が分散したコーティング液を得るコーティング液作製工程、2)前記得られたコーティング液とリチウムニッケル複合酸化物粒子とを混合してコーティング液に含まれる微粒子を前記リチウムニッケル複合酸化物粒子の表面に堆積させた混合物を得る混合工程及び3)前記得られた混合物を熱処理して非水系電解質二次電池用正極活物質を得る熱処理工程を含むことにより、前記リチウムニッケル複合酸化物粒子の表面に水分との接触を抑制する被覆層を生成するものである。
以下、本発明の製造方法を工程ごとに詳細に説明する。
(2−1.コーティング液作製工程)
コーティング液作製工程では、まず、アルコキシ基を有する有機ジルコニウム化合物及び/または有機チタニウム化合物(以下、単に「有機金属化合物」ともいう。)と、エタノール、2−プロパノール及び1−ブタノールから選択される1種類以上(低級アルコール類)を混合する工程を含む。
本発明に用いられる有機ジルコニウム化合物及び/または有機チタニウム化合物は、水溶液を加えることにより生じる加水分解反応により微粒子を生成させるため、加水分解反応する官能基であるアルコキシ基を有する。
前記アルコキシ基を有する有機ジルコニウム化合物及び/または有機チタニウム化合物としては、ジルコニウムブトキシド、チタニウムイソプロポキシド、チタニウムブトキシドからなるモノマーから選択される1種類以上であることが好ましい。
本発明に用いられる低級アルコールは、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノールから選択される1種類以上である。低級アルコールを加えることにより、最終的に得られるコーティング液の溶媒が水分のみであると乾燥が進まない、被覆後の表面に残渣するOH基により乾燥後に凝集しやすいなどの欠点を補うとともに、複合酸化物粒子表面への濡れ性を向上させる等の効果が得られる。炭素数が5以上の高級アルコール類や炭化水素系の溶媒に用いて揮発乾燥させると、有害性や異臭の問題が生じて簡便な方法では製造できなくなる。前記低級アルコールの中でも、有機金属化合物、添加剤の溶解性やコストの観点から、エタノール及び/または2−プロパノールが好ましい。
低級アルコール類は有機金属化合物100質量部に対して30〜300質量部添加することが特に好ましい。低級アルコール類添加量が、30重量部未満になると、アセチルアセトンとの反応が不均一となりやすく、コーティング液に適した濃度に希釈する溶媒を添加した際に白濁が生じることがある。100重量部を超えても混合物は作製できるが、アルコール使用量が増えるため、コスト面でのメリットが薄れてしまう。
次に、上記有機化合物と低級アルコール類とを混合した溶液に、アセチルアセトンを加える。
前記有機金属化合物は、加水分解速度が速く、外気中の湿気により水酸化物を生成しやすい。そこで、加水分解反応速度を制御するため、有機金属化合物中のアルコキシ基の一部をキレート剤であるアセチルアセトンで修飾(キレート化)することが必要となる。例えば、ジルコニウムブトキシドの4個の官能基(ブトキシ基)のうち、その1個以上の官能基を補う分の同モル数のアセチルアセトンを加えて修飾してやることで加水分解速度を遅くし、水に対する耐性が大幅に改善される。
また、キレート化の際は、全てのアルコキシ基を修飾してしまうと、低級アルコール中に溶解しなくなるばかりか、複合酸化物粒子表面に吸着または化学反応しなくなり、被覆層の形成が不十分となりやすいため、一部のアルコキシ基を修飾することが重要である。そのため、例えば、4個のアルコキシ基を有するジルコニウムブトキシドなどのうち、1個ないし2個を修飾することで、外気に対する安定性を向上させ、かつ粒子への吸着性を維持することが可能となる。
キレート化の際、十分に修飾反応させるためには、2―プロパノール等の低級アルコールにジルコニウムブトキシド等の有機金属化合物を溶解して50〜80質量%の濃度の溶液を作製し、その中にアセチルアセトンを徐々に添加した後、80〜100℃で0.5〜2時間加熱し、前記有機金属化合物をキレート化した液を得ることが好ましい。このような操作により、修飾反応が促進され、水への安定性は増す。
キレート化の際の溶媒としては、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノールから選択される1種類以上の低級アルコール類を用いることができる。
さらに、アセチルアセトンにより前記有機金属化合物をキレート化した溶液に、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ヘキシレングリコールから選択される1種類以上(水溶性グリコール類)を含んだ溶液を加え、平均粒径D50が1〜20nmの微粒子が分散したコーティング液を得る。この際、微粒子は加水分解反応によって生成されるため、反応が進む程度の水分が必要であるが、その量は僅かである。したがって、前記溶液の溶媒は、前記水溶性グリコール類を溶解できる溶媒であればよく、水のほか、低級アルコールなどを用いることができる。アルコール類に不純物として含まれる水分でも加水分解反応を進行させることができ、反応を促進するため少量の水を添加してもよい。
アセチルアセトンで修飾したキレート化液は、液濃度が高いため、コーティングしやすいように溶媒で希釈して最終的なコーティング液を得ることが好ましい。液濃度が高いとコーティングの際に局部的な吸着が行われ、一部分のみの膜形成となってしまう。希釈する際の主溶媒には水や低級アルコールを用いることができる。
また、多量の溶媒の中で安定化させるためには、予め修飾した有機金属化合物のキレート化液中に水を少量加えて部分的に加水分解(部分的加水分解)を進ませておくことが好ましい。部分的加水分解反応を起こさせることで、溶媒に対する安定性が増す。すなわち、部分的加水分解させておかないと外気中の湿気により部分的な白濁を起こし、凝集沈殿を招くことがある。
キレート化液を部分的加水分解させる際には一瞬やや白濁が生じるが、直ぐに透明感のある液体に戻る。更に80℃で0.5〜1時間加熱して安定化することで、その後、希釈するために多量の溶媒を加えても白濁や沈殿物の生成を抑制することができ、例えば、1ヶ月放置してもその様子は変わらない程度の保存性有するコーティング液を得ることができる。この現象は恐らく、有機物を含む状態で部分的加水分解することで、「水溶性水酸化物」の状態となり、見かけ上は透明な液体になったと考えられる。
ここで、液の透明性とは、液中に浮遊する目に見える粒子が確認できる度合いであり、粗粒があれば光の散乱により白濁を示し、微粒(ナノ粒子)であれば光が透過するために液は透明性を得る。ナノ粒子とは、中心粒子径が100nm以下の粒子である。なお、中心粒子径(例えばD50)は、ナノ粒子の粒度分布において、ある粒子径より大きい粒子の個数または質量が、全粒子の個数または質量の50%を占めるときの粒子径である。粒子径は、動的光散乱法/レーザードップラー法によって測定される。
部分的加水分解反応においては、有機金属化合物100質量部に対して、水を10〜50重量部、好ましくは20〜30重量部を添加することが好ましく、水を加えた後、さらに加熱し部分的加水分解反応を終了させる。水の含有割合が50質量部を超えると加水分解が急激に進みすぎてゲル化を起こしやすく、10質量部以下では加水分解量が少ない。
水溶性グリコール類の添加は、キレート化後であればどの段階でも構わないが、グリコール類は粉末であるため、溶媒に溶解しておく必要がある。そのため、多量に溶媒を使う希釈時に添加することが好適である。
前記有機金属化合物のキレート化溶液または希釈したキレート化溶液に、溶媒とともに、水溶性グリコール類を微量添加することにより、被覆時の膜均一性の改善や乾燥時に起こる膜割れ、剥がれの発生を回避することができる。さらに、低級アルコールや水のみの溶媒では沸点が共に近いために乾燥が同時に一気に進み、急激な乾燥が起こることで膜の歪みが生じ膜割れに至りやすい。このため緩やかに乾燥させるために乾燥速度の遅い水溶性グリコール類を添加しておくことが好ましい。
水溶性グリコール類としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ヘキシレングリコールから選択される1種類以上が用いられ、これらの中でも、低価格で取り扱いも容易な点から、水または低級アルコールに易溶なポリエチレングリコール及び/又はポリプロピレングリコールが好ましく、分子量は2,000〜20,000が好ましい。分子量が20,000超の高分子になると、水又はアルコールに溶解性が低下するため、コーティング液が白濁することがあり、好ましくない。
水溶性グリコールの添加量は、有機金属化合物100質量部に対して2〜20質量部添加することが好ましい。
本発明のコーティング液作製工程において、多量に溶媒を加えた後の液中に生成される微粒子は平均粒径D50が100nm以下であり、好ましくは1〜20nm以下である。市販品としても、アルコキシド基を有する有機金属化合物を加水分解し、微粒子を分散させた液があるが、これを被覆に用いると、粗粒を含むものが多く、本発明の正極活物質を得ることは困難である。
また、ゲル化抑制目的で使用する場合には、複合酸化粒子表面の多くの面積を被覆することが必要となる。よって被覆には、平均粒径D50で1〜20nmの微粒子からなる分散液を使用することが本発明を達成するために好ましい。
また、希釈に用いる溶媒の割合は、コーティング液中の有機金属化合物濃度が、コーティング溶液全量に対して、0.2〜20質量部と成るように配合することが好ましく、0.5〜5質量部がより好ましい。20質量部を超えると、液粘度が高くなり過ぎて複合酸化物粒子表面に被覆層が均一に形成できなくなることがある。一方、0.2質量部未満では、被覆による効果が薄れる。また、溶媒の濃縮乾燥に長時間を要するため、経済的ではない。
さらに、コーティング液のpHはアルカリ側であることが好ましく、pH8〜11がより好ましい。コーティング液のpHがアルカリ側を示すことでリチウムの溶出が緩和され、複合酸化物粒子を劣化させることなく被覆層を形成させることができる。
以上のようにして得られたコーティング液は、粗粒粒子の分散液とは異なり、緻密な膜を密着よく形成することができ、被覆層は完全な有機物膜ではないため、熱処理時の分解生成物の影響や有機物残渣の問題がなくなり、電池特性の低下原因となりにくいという利点が得られる。さらに被覆方法が簡便であり、低コスト化が可能である。
(2−2.混合工程)
混合工程は、得られたコーティング液とリチウムニッケル複合酸化物粒子とを混合して、コーティング液に含まれる微粒子を複合酸化物粒子の表面に堆積させた混合物を得る工程であり、リチウムニッケル複合酸化物粒子に微粒子を被覆させる工程である。
また、本発明の正極活物質の原材料として用いる複合酸化物粒子は、電池特性を良好なものとするため、化学量論量よりLi量を若干過剰気味に含むもの(LiNi1−yにおいて、1.01≦x≦1.10)が好ましく用いられる。このような複合酸化物粒子は、水分に対する感度が高く、リチウムが溶出しやすい性質を有する。本発明に用いられるコーティング液は、溶媒として主に水を用いた場合、複合酸化物粒子表面からアルカリ成分であるLiが溶出して劣化しやすい状態となっている。しかし、コーティング液中に含まれるキレート剤(アセチルアセトン)の作用により、複合酸化物粒子表面もキレート化の影響を受けることでリチウムの溶出が緩和され、複合酸化物粒子を劣化させることなく被覆層を形成させることができる。
混合方法としては、複合酸化物粒子の表面に前記微粒子を均一に堆積(被覆)させる方法であればよいが、転動流動装置のように乾燥と噴霧による複合酸化物粒子の表面への微粒子の堆積とが同時に行われる方法がより好ましく、自転公転方式の混練ミキサーを用いてコーティング液と複合酸化物粒子を混合することも可能である。
転動流動装置を用いて混合することにより、複合酸化物粒子表面に損傷を与えることなく、粒子を分散させた状態で被覆することが可能である。そのため、転動流動装置による混合が、均一かつ薄く堆積させることが可能であり最も好ましい方法である。
混練ミキサーは、混合物に適度な剪断力を加えて均一な混合が可能であり、混合は短時間とすることが可能で、混合時間は1〜5分とすることが好ましい。自転公転方式の混練ミキサーによる短時間の混合は、粒子表面に与える損傷も抑制することができる。一方、例えば、ビーズミル、ボールミル、ロッドミル、ホモジナイザー、等のように正極活物質粒子に直接大きな力が加わる装置を用いると、複合酸化物粒子が粉砕されたり、その粒子表面に大きな損傷が生じて、粒子表面からリチウムイオンが溶出してしまう等の問題が発生することがある。
前記混合物に含まれる有機金属化合物量は、正極活物質粒子100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、1質量部〜4質量部がより好ましい。0.1質量部未満になると、被覆層中に十分な量の被膜を形成させることができないことがある。また、10質量部を越えると、被膜を均一な厚みに形成できないことがある。有機金属化合物量を0.1〜10質量部とすることで、被覆層の厚みをより均一に形成できる。
被覆層の厚みは、好ましくは5〜50nm、より好ましくは5〜30nmであり、コーティング液の混合量を調整することで任意な膜厚に被覆層を形成することが可能である。混合物に含まれる有機金属化合物中ジルコニウムとチタニウムの量は、後工程である熱処理後も維持されるため、混合物中に含まれるジルコニウムとチタニウムの合計の含有率は、それぞれを酸化物に換算して0.2〜0.8質量%となるように、混合することが好ましい。
コーティング液とリチウムニッケル複合酸化物粒子を混合した後、コーティング液中の有機溶媒を蒸発させて乾燥する。この乾燥における過程で、複合酸化物粒子表面にコーティング液中の微粒子が吸着結合し、被覆が行われる。例えば、混練りミキサーで得られた混合物の乾燥は、急激に一気に溶媒揮発させると液が多く残っているため、乾燥と同時に粒子間が凝集しやすい。これを抑制するためには粒子間の粘着が発生しない程度にゆっくりと溶媒を蒸発させていくことが好ましい。蒸発速度は温度に強く依存するため、室温から徐々に高温下に晒すことが効果的である。
一方、従来から行われていた金属アルコキシドを用いた被覆方法では、金属アルコキシドを加水分解するために導入する水分が正極活物質からリチウムイオンが溶出させる問題があった。また、金属アルコキシド中の水酸基の結合により被膜を形成するまでに長時間が必要であり、数時間の被膜形成時間とその後の乾燥時間は、電池特性の低下を発生させるのみならず、生産性の低下によるコスト的な面でも課題となっていた。
本発明の混合、乾燥工程においては、溶媒に含まれる水分で正極活物質中のリチウムイオンの溶出が起こることはない。この理由は不明であるが、コーティング液中に含まれる遊離したキレート剤が混合、乾燥工程中に正極活物質極表面にあるリチウムに作用することで、正極活物質自体もキレート化され、水に対して安定化していると推察される。
また製造工程を見ても、1)短時間による処理のため、水と接する時間が短いこと、2)使用する有機金属化合物の溶液がアルカリ側であること、3)加水分解することで水酸基が多く、吸着が早い、4)少なくとも若干のアルコールを混合しているため、その乾燥が速く凝集させることなく処理可能である、等の理由からリチウムイオン溶出が抑制されていると考えられる。
乾燥温度は、アルコール溶媒を用いた場合は、50〜150℃とすることが好ましい。また、本発明では水系溶媒を主に用いた場合、乾燥温度をやや高めて100〜200℃で行うことが好ましい。水系溶媒を用いた場合の乾燥温度が100℃未満では、乾燥に長時間を要するため生産性が低下する。一方、乾燥温度が200℃を超えると複合酸化物粒子が劣化しやすい。乾燥時間は、溶媒が蒸発して粒子間の粘着が発生しない程度になればよく、1〜5時間とすることが好ましい。1時間未満では、乾燥が不十分な場合があり、5時間を越えると生産性が低下する。
前記乾燥温度の範囲内で行えば、被覆層内に残渣する有機溶媒やキレート剤等が揮発・分解するため、被覆層は無機化され、酸化物に近い状態となる。そのため、乾燥後の熱減量は殆どなく、多くても3%以下となる。この際の乾燥雰囲気は温度低いために特に限定されないが、取り扱いの容易性やコストの面から大気雰囲気とすることが好ましい。より完全乾燥を求める場合には真空雰囲気で行うことができる。
(2−3.熱処理工程)
熱処理工程は、混合工程後の混合物を熱処理して正極活物質を得る工程であり、乾燥で複合酸化物粒子表面に形成された被覆層を熱処理により該粒子表面に強固に結着させるとともに、膜中に残渣する不要な成分を除去して、膜質を向上させるものである。これにより、正極活物質粒子表面の被覆層がより強固となり、電池作製時の混練等によってもコーティングが剥離しない正極活物質が得られる。
熱処理温度は、150〜600℃の範囲とすることが好ましく、300〜400℃の範囲とすることがより好ましい。これにより、正極活物質粒子表面へ固着させるとともに、膜中に残渣する不要な有機溶媒などの成分を除去し、電池の活物質として用いた際の被覆層からのガス発生を抑制することができる。熱処理温度が150℃未満であると、膜中に不要な有機溶媒が残渣し、電池セル後に充放電するとガス発生が問題となる。また、熱処理温度が600℃を超えると、膜と正極活物質が界面で反応を起こし、コーティング効果が低下することがある。
熱処理時間は、0.5〜10時間とすることが好ましいく、1〜5時間がより好ましい。これにより正極活物質表面への固着と不要な有機溶媒の除去を十分に行うことができる。熱処理時間が0.5時間未満であると、有機溶媒が残渣することがある。また、10時間を越えると、膜と正極活物質が界面で反応を起こし、コーティング効果が低下することがある。
熱処理時の雰囲気は、酸素含有雰囲気、不活性雰囲気、真空雰囲気から選択されるが、200℃を超える温度の場合には酸素雰囲気下で処理を行い、正極活物質粒子表面が還元されないようにすることが好ましい。
本発明の製造方法は、ほぼ全ての正極活物質に対して適応することが可能であり、前記正極活物質粒子として、例えば、リチウムニッケル複合酸化物、リチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物、リチウムマンガン複合酸化物などからなる粒子を用いることができる。また得られる正極活物質の粒子構造や粒度分布は、コーティング前後でほぼ同等に維持される。したがって、原料として用いる正極活物質の平均粒径は、最終的に得ようとする正極活物質と同等とすればよく、3〜25μmとすることが好ましく、3〜15μmとすることがより好ましい。ここで、平均粒径はメジアン径(d50)であり、レーザー回折散乱法に基づく粒度分布測定装置によって測定する。
[非水系電解質二次電池]
本発明の非水系電解質二次電池の実施形態について、構成要素ごとにそれぞれ詳しく説明する。本発明の非水系電解質二次電池は、正極、負極、非水電解液等、一般のリチウムイオン二次電池と同様の構成要素から構成され、本発明の正極活物質を正極に用いたことを特徴とするものである。なお、以下で説明する実施形態は例示に過ぎず、本発明の非水系電解質二次電池は、下記実施形態をはじめとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。また、本発明の非水系電解質二次電池は、その用途を特に限定するものではない。
(正極)
正極を形成する正極合材およびそれを構成する各材料について説明する。本発明の粉末状の正極活物質と、導電材、結着剤とを混合し、さらに必要に応じて活性炭、粘度調整等の目的の溶剤を添加し、これを混練して正極合材ペーストを作製する。正極合材中のそれぞれの混合比も、リチウム二次電池の性能を決定する重要な要素となる。
溶剤を除いた正極合材の固形分の全質量を100質量%とした場合、一般のリチウム二次電池の正極と同様、それぞれ、正極活物質の含有量を60〜95質量%、導電材の含有量を1〜20質量%、結着剤の含有量を1〜20質量%とすることが望ましい。
得られた正極合材ペーストを、例えば、アルミニウム箔製の集電体の表面に塗布し、乾燥して溶剤を飛散させる。必要に応じ、電極密度を高めるべくロールプレス等により加圧することもある。このようにしてシート状の正極を作製することができる。シート状の正極は、目的とする電池に応じて適当な大きさに裁断等し、電池の作製に供することができる。ただし、正極の作製方法は、前記例示のものに限られることなく、他の方法に依ってもよい。
前記正極の作製にあたって、導電剤としては、例えば、黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛、膨張黒鉛など)やアセチレンブラック、ケッチェンブラックなどのカーボンブラック系材料などを用いることができる。また、バインダー(結着剤)としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、エチレンプロピレンジエンゴム、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、スチレンブタジエン、セルロース系樹脂、ポリアクリル酸などを用いることができる。
必要に応じ、正極活物質、導電材、活性炭を分散させ、結着剤を溶解する溶剤を正極合材に添加する。溶剤としては、具体的にはN−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルスルフォキシド、ヘキサメチルフォスフォアミド、等の有機溶剤を用いることができる。また、正極合材には電気二重層容量を増加させるために活性炭を添加することができる。
(負極)
負極には、金属リチウム、リチウム合金等、また、リチウムイオンを吸蔵・脱離できる負極活物質に結着剤を混合し、適当な溶剤を加えてペースト状にした負極合材を、銅等の金属箔集電体の表面に塗布、乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成したものを使用する。
負極活物質としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、フェノール樹脂等の有機化合物焼成体、コークス等の炭素物質の粉状体、リチウム・チタン酸化物(LiTi12)等の酸化物材料を用いることができる。この場合、負極結着剤としては、正極同様、ポリフッ化ビニリデン等の含フッ素樹脂等を用いることができ、これら活物質および結着剤を分散させる溶剤としてはN−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤を用いることができる。
(セパレータ)
正極と負極との間にはセパレータを挟み込んで配置する。セパレータは、正極と負極とを分離し電解質を保持するものであり、ポリエチレン、ポリプロピレン等の薄い膜で、微少な穴を多数有する膜を用いることができる。
(非水系電解液)
非水系電解液は、支持塩としてのリチウム塩を有機溶媒に溶解したものである。有機溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、トリフルオロプロピレンカーボネート等の環状カーボネート、また、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート等の鎖状カーボネート、さらに、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル化合物、エチルメチルスルホン、ブタンスルトン等の硫黄化合物、リン酸トリエチル、リン酸トリオクチル等のリン化合物等から選ばれる1種を単独で、あるいは2種以上を混合して用いることができる。
支持塩としては、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiN(CFSO等、およびそれらの複合塩を用いることができる。
さらに、非水系電解液は、ラジカル補足剤、界面活性剤および難燃剤等を含んでいてもよい。
(電池の形状、構成)
以上説明してきた正極、負極、セパレータおよび非水系電解液で構成される本発明に係るリチウム二次電池の形状は、円筒型、積層型等、種々のものとすることができる。
いずれの形状を採る場合であっても、正極および負極をセパレータを介して積層させて電極体とし、この電極体に上記非水電解液を含浸させる。正極集電体と外部に通ずる正極端子との間、並びに負極集電体と外部に通ずる負極端子との間を、集電用リード等を用いて接続する。以上の構成のものを電池ケースに密閉して電池を完成させることができる。
以下、本発明について実施例を用いて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。なお、本発明の実施例における各評価は、下記方法によって実施した。
(評価方法)
(1)コーティング液およびコーティング正極活物質の諸物性
・コーティング液中の粒子径測定
粒子径測定は粒度分布計(日機装ナノトラックWave)を用いて測定を行った。
なおコーティング正極材活性物質の粒子径測定は粒度分布計(日機装マイクロトラックMT3300)を用いて測定を行った。
・コーティング厚みおよびコーティング面積の測定
コーティング後の試料をCP等で断面加工を行い、コーティング厚みおよびコーティング面積はTEMにより断面側からの観察により直接画像から求めた。なおコーティング面積においては画像処理により面積を算出している。観察は場所を変えて3視野行った。
・比表面積の測定
比表面積の測定はガス吸着法(島津製作所ASAP2420)で求めた。
コーティングの含有量はICP分析にて測定した。
・コーティング正極活物質の耐水性、耐湿性評価
耐水性は、24℃の純水50mlに正極活物質1gを加えて撹拌し、60分経過後のpHを測定することにより評価した。また、耐湿性は、30℃−70%RHの恒温恒湿槽に正極活物質を7日間暴露した後、暴露前後での質量増加率により評価した。
・ゲル化評価
ゲル化評価は、コーティング後の正極活物質9.5g、フッ化ビニリデン(PVDF)バインダー0.5g、N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)5.5g、水分0.3gを加えて自公転練り込み機によりスラリー状にした後、24℃で18hr静止保管し、目視観察によるゲル化状況確認と、スラリー状態を維持している場合には振動式粘度計(セコニック社製VM10A)にて粘度測定した。
(2)電池の製造および電池特性の評価
(電池の製造)
正極活物質の評価には、図1に示す2032型コイン電池1(以下、コイン型電池と称す)を使用した。
図1に示すように、コイン型電池1は、ケース2と、このケース2内に収容された電極3とから構成されている。ケース2は、中空かつ一端が開口された正極缶2aと、この正極缶2aの開口部に配置される負極缶2bとを有しており、負極缶2bを正極缶2aの開口部に配置すると、負極缶2bと正極缶2aとの間に電極3を収容する空間が形成されるように構成されている。
電極3は、正極3a、セパレータ3cおよび負極3bとからなり、この順で並ぶように積層されており、正極3aが正極缶2aの内面に接触し、負極3bが負極缶2bの内面に接触するようにケース2に収容されている。なお、ケース2はガスケット2cを備えており、このガスケット2cによって、正極缶2aと負極缶2bとの間が非接触の状態を維持するように相対的な移動が固定されている。また、ガスケット2cは、正極缶2aと負極缶2bとの隙間を密封してケース2内と外部との間を気密液密に遮断する機能も有している。
前記コイン型電池1は、以下のようにして製作した。
まず、非水系電解質二次電池用正極活物質52.5mg、アセチレンブラック15mg、およびポリテトラフッ化エチレン樹脂(PTFE)7.5mgを混合し、100MPaの圧力で直径11mm、厚さ100μmにプレス成形して、正極3aを作製した。作製した正極3aを真空乾燥機中120℃で12時間乾燥した。この正極3aと、負極3b、セパレータ3cおよび電解液とを用いて、上述したコイン型電池1を、露点が−80℃に管理されたAr雰囲気のグローブボックス内で作製した。なお、負極3bには、直径14mmの円盤状に打ち抜かれた平均粒径20μm程度の黒鉛粉末とポリフッ化ビニリデンが銅箔に塗布された負極シートを用いた。セパレータ3cには膜厚25μmのポリエチレン多孔膜を用いた。電解液には、1MのLiClO4を支持電解質とするエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の等量混合液(富山薬品工業株式会社製)を用いた。
(電池特性の評価)
製造したコイン型電池1の性能を示す初期放電容量、正極抵抗は、以下のように評価した。
初期放電容量は、コイン型電池1を製作してから24時間程度放置し、開回路電圧OCV(Open Circuit Voltage)が安定した後、正極に対する電流密度を0.1mA/cmとしてカットオフ電圧4.3Vまで充電し、1時間の休止後、カットオフ電圧3.0Vまで放電したときの容量を初期放電容量とした。
また、正極抵抗は、交流インピーダンス法により評価した。すなわち、コイン型電池1を充電電位4.1Vで充電して、周波数応答アナライザおよびポテンショガルバノスタット(ソーラトロン製、1255B)を使用して交流インピーダンス法により測定し、ナイキストプロットを得た。このナイキストプロットは、溶液抵抗、負極抵抗とその容量、および、正極抵抗とその容量を示す特性曲線の和として表しているため、このナイキストプロットに基づき等価回路を用いてフィッティング計算を行い、正極抵抗の値を算出した。正極抵抗は、比較例1の正極抵抗を基準値として相対値により評価した。
(リチウムニッケル複合化合物LiNiCoAlO
公知技術で得られたリチウムニッケル複合酸化物粉末を正極活物質の材料として用いた。すなわち、Niを主成分とする酸化ニッケル粉末と水酸化リチウムを混合して焼成することにより、Li1.03Ni0.81Co0.16Al0.03で表される正極活物質の材料となるリチウムニッケル複合酸化物粉末を得た。このリチウムニッケル複合酸化物粉末の平均粒径は10.6μmであり、比表面積は0.16m/gであった。
[実施例1]
(コーティング液の作製)
予め2−プロパノール7ccにジルコニウムブトキシド(関東化学製)2.33gを加えて攪拌し、溶液(A)を作製した。別容器に2−プロパノール3ccにアセチルアセトン(関東化学製)0.44gを加えて攪拌し,溶液(B)を作製した。溶液(A)中に溶液(B)を投入し、攪拌混合後に溶液(C)を作製した。密栓した容器中に溶液(C)を入れ、攪拌しながら80℃で1時間加熱後、冷却して室温に戻し、溶液(D)を作製した。溶液(D)に純水0.69gを投入後、攪拌しながら80℃で1時間加熱後、冷却して室温に戻し、透明な黄色い溶液(F)を作製した。溶液(F)は1ヶ月放置しても外観の変化がなかった。さらに上記溶液(F)から5.5ccを分取し、純水100ccにポリエチレングリコール(分子量6000:関東化学製)を0.1g加えて攪拌溶解した液を混合し、部分的に加水分解した有機ジルコニウム1.0質量%を含むコーティング液(G)を得た。コーティング液(G)の諸物性を表1にまとめた。
(コーティング正極活物質の作製)
前記正極活物質を500g取り分け、転動流動装置(パウレック社製MP−01)を用いて給気温度80℃で60分間でコーティング液(G)全量を噴霧してコーティングを行った。
コーティング後の混合物を100℃真空雰囲気で1時間乾燥を行った後、350℃純酸素雰囲気で1時間熱処理して被覆層を有する正極活物質(Li1.03Ni0.81Co0.16Al0.03)を得た。得られた正極活物質の評価結果を表2にまとめた。
[実施例2]
実施例1で用いたコーティング液(G)を使い、同様な条件でコーティングを行った。コーティング後の混合物を100℃真空雰囲気で1時間乾燥を行った後、400℃純酸素雰囲気で1時間熱処理してコーティングした正極活物質を得た。コーティングした正極活物質の評価結果を表2に纏めた。
[実施例3]
(水溶性剤Zrコーティング液の作製)
予め2−プロパノール7ccにジルコニウムブトキシド(関東化学製)2.33gを加えて攪拌し、溶液(A)を作製した。別容器に2−プロパノール3ccにアセチルアセトン(関東化学製)0.88gを加えて攪拌し,溶液(B)を作製した。溶液(A)中に溶液(B)を投入し、攪拌混合後に溶液(C)を作製した。密栓した容器中に溶液(C)を入れ、攪拌しながら80℃で1時間加熱後、冷却して室温に戻し、溶液(D)を作製した。溶液(D)に純水0.69gを投入後、攪拌しながら80℃で1時間加熱後、冷却して室温に戻し、透明な黄色い溶液(F)を作製した。液は1ヶ月放置しても変化がなかった。さらに上記溶液(F)から2.8ccの量を分取し、純水100ccにポリエチレングリコール(分子量6000:関東化学製)を0.1gを加えて攪拌溶解した液を混合し、部分的に加水分解した有機ジルコニウム0.5質量%を含むコーティング液(G)を得た。コーティング液(G)の諸物性を表1に纏めた。
(コーティング正極活物質の作製)
前記正極活物質を500g取り分け、転動流動装置(パウレック社製MP−01)を用いて給気温度80℃で60分間コーティング液(G)を噴霧してコーティングを行った。
コーティング後の混合物を100℃真空雰囲気で1時間乾燥を行った後、400℃純酸素雰囲気で1時間熱処理してコーティングした正極活物質を得た。コーティングした正極活物質の評価結果を表2に纏めた。
[実施例4]
(水溶性剤Zrコーティング液の作製)
予め2−プロパノール7ccにジルコニウムブトキシド(関東化学製)2.33gを加えて攪拌し、溶液(A)を作製した。別容器に2−プロパノール3ccにアセチルアセトン(関東化学製)0.44gを加えて攪拌し,溶液(B)を作製した。溶液(A)中に溶液(B)を投入し、攪拌混合後に溶液(C)を作製した。密栓した容器中に溶液(C)を入れ、攪拌しながら80℃で1時間加熱後、冷却して室温に戻し、溶液(D)を作製した。溶液(D)に純水0.69gを投入後、攪拌しながら80℃で1時間加熱後、冷却して室温に戻し、透明な黄色い溶液(F)を作製した。液は1ヶ月放置しても変化がなかった。さらに上記溶液(F)から2.8ccの量を分取し、純水100ccにポリエチレングリコール(分子量20000:関東化学製)を0.1g加えて攪拌溶解した液を混合し、部分的に加水分解した有機ジルコニウム0.5質量%を含むコーティング液(G)を得た。コーティング液(G)の諸物性を表1に纏めた。
(コーティング正極活物質の作製)
前記正極活物質を500g取り分け、転動流動装置(パウレック社製MP−01)を用いて給気温度80℃で60分間コーティング液(G)を噴霧してコーティングを行った。
コーティング後の混合物を100℃真空雰囲気で1時間乾燥を行った後、400℃純酸素雰囲気で1時間熱処理してコーティングした正極活物質を得た。コーティングした正極活物質の評価結果を表2に纏めた。
[実施例5]
(水溶性剤Zrコーティング液の作製)
予め2−プロパノール7ccにジルコニウムブトキシド(関東化学製)2.33gを加えて攪拌し、溶液(A)を作製した。別容器に2−プロパノール3ccにアセチルアセトン(関東化学製)0.66gを加えて攪拌し,溶液(B)を作製した。溶液(A)中に溶液(B)を投入し、攪拌混合後に溶液(C)を作製した。密栓した容器中に溶液(C)を入れ、攪拌しながら80℃で1時間加熱後、冷却して室温に戻し、溶液(D)を作製した。溶液(D)に純水0.69gを投入後、攪拌しながら80℃で1時間加熱後、冷却して室温に戻し、透明な黄色い溶液(F)を作製した。液は1ヶ月放置しても変化がなかった。さらに上記溶液(F)から2.8ccの量を分取し、純水100ccにポリエチレングリコール(分子量6000:関東化学製)を0.2g加えて攪拌溶解した液を混合し、部分的に加水分解した有機ジルコニウム0.5質量%を含むコーティング液(G)を得た。コーティング液(G)の諸物性を表1に纏めた。
(コーティング正極活物質の作製)
前記正極活物質を500g取り分け、転動流動装置(パウレック社製MP−01)を用いて給気温度80℃で60分間コーティング液(G)を噴霧してコーティングを行った。
コーティング後の混合物を100℃真空雰囲気で1時間乾燥を行った後、400℃純酸素雰囲気で1時間熱処理してコーティングした正極活物質を得た。コーティングした正極活物質の評価結果を表2にまとめた。
[実施例6]
(水溶性剤Tiコーティング液の作製)
予め2−プロパノール7ccにチタニウムブトキシド(関東化学製)2.00gを加えて攪拌し、溶液(A)を作製した。別容器に2−プロパノール3ccにアセチルアセトン(関東化学製)1.00gを加えて攪拌し,溶液(B)を作製した。溶液(A)中に溶液(B)を投入し、攪拌混合後に溶液(C)を作製した。密栓した容器中に溶液(C)を入れ、攪拌しながら80℃で1時間加熱後、冷却して室温に戻し、溶液(D)を作製した。溶液(D)に純水0.69gを投入後、攪拌しながら80℃で1時間加熱後、冷却して室温に戻し、透明な黄色い溶液(F)を作製した。液は1ヶ月放置しても変化がなかった。さらに上記溶液(F)から5.5ccの量を分取し、純水100ccにポリエチレングリコール(分子量6000:関東化学製)を0.1g加えて攪拌溶解した液を混合し、部分的に加水分解した有機チタニウム1.0質量%を含むコーティング液(G)を得た。コーティング液(G)の諸物性を表1に纏めた。
(コーティング正極活物質の作製)
前記正極活物質を500g取り分け、転動流動装置(パウレック社製MP−01)を用いて給気温度80℃で120分間コーティング液(G)を噴霧してコーティングを行った。
コーティング後の混合物を100℃真空雰囲気で1時間乾燥を行った後、400℃純酸素雰囲気で1時間熱処理してコーティングした正極活物質を得た。コーティングした正極活物質の評価結果を表2に纏めた。
[実施例7]
(水溶性剤Tiコーティング液の作製)
予め2−プロパノール7ccにチタニウムブトキシド(関東化学製)2.00gを加えて攪拌し、溶液(A)を作製した。別容器に2−プロパノール3ccにアセチルアセトン(関東化学製)2.00gを加えて攪拌し,溶液(B)を作製した。溶液(A)中に溶液(B)を投入し、攪拌混合後に溶液(C)を作製した。密栓した容器中に溶液(C)を入れ、攪拌しながら80℃で1時間加熱後、冷却して室温に戻し、溶液(D)を作製した。溶液(D)に純水0.69gを投入後、攪拌しながら80℃で1時間加熱後、冷却して室温に戻し、透明な黄色い溶液(F)を作製した。液は1ヶ月放置しても変化がなかった。さらに上記溶液(F)から5.5ccの量を分取し、純水120ccにポリエチレングリコール(分子量20000:関東化学製)を0.1g加えて攪拌溶解した液を混合し、部分的に加水分解した有機チタニウム1.0質量%を含むコーティング液(G)を得た。コーティング液(G)の諸物性を表1に纏めた。
(コーティング正極活物質の作製)
前記正極活物質を500g取り分け、転動流動装置(パウレック社製MP−01)を用いて給気温度80℃で120分間コーティング液(G)を噴霧してコーティングを行った。
コーティング後の混合物を100℃真空雰囲気で1時間乾燥を行った後、400℃純酸素雰囲気で1時間熱処理してコーティングした正極活物質を得た。コーティングした正極活物質の評価結果を表2に纏めた。
[実施例8]
(水溶性剤Tiコーティング液の作製)
予め2−プロパノール10ccにチタニウムブトキシド(関東化学製)2.00を加えて攪拌し、溶液(A)を作製した。別容器に2−プロパノール10ccにアセチルアセトン(関東化学製)2.00gを加えて攪拌し,溶液(B)を作製した。溶液(A)中に溶液(B)を投入し、攪拌混合後に溶液(C)を作製した。密栓した容器中に溶液(C)を入れ、攪拌しながら80℃で1時間加熱後、冷却して室温に戻し、溶液(D)を作製した。溶液(D)に純水0.69gを投入後、攪拌しながら80℃で1時間加熱後、冷却して室温に戻し、透明な黄色い溶液(F)を作製した。液は1ヶ月放置しても変化がなかった。さらに上記溶液(F)から5.5ccの量を分取し、純水120ccにポリエチレングリコール(分子量6000:関東化学製)を0.1g加えて攪拌溶解した液を混合し、部分的に加水分解した有機チタニウム0.5質量%を含むコーティング液(G)を得た。コーティング液(G)の諸物性を表1に纏めた。
(コーティング正極活物質の作製)
前記正極活物質を500g取り分け、転動流動装置(パウレック社製MP−01)を用いて給気温度80℃で120分間コーティング液(G)を噴霧してコーティングを行った。
コーティング後の混合物を100℃真空雰囲気で1時間乾燥を行った後、400℃純酸素雰囲気で1時間熱処理してコーティングした正極活物質を得た。コーティングした正極活物質の評価結果を表2に纏めた。
[比較例1]
実施例1において使用したリチウムニッケル複合酸化物粉末を処理せずに、そのままの状態で正極活物質として評価した。正極活物質の評価結果を表2に纏めた。
[比較例2]
リチウムニッケル複合酸化物粉末40gに水10ccを加えて攪拌し、そのままの状態で60分間放置した。
混合物を100℃真空雰囲気で1時間乾燥を行った後、400℃純酸素雰囲気で1時間熱処理した。正極活物質の評価結果を表2に纏めた。
[比較例3]
(Zrコーティング液の作製)
2−プロパノール10ccにジルコニウムブトキシド(関東化学製)2.33を加えて攪拌し、溶液(A)を作製した。
(正極活物質の作製)
前記正極活物質を500g取り分け、転動流動装置(パウレック社製MP−01)を用いて80℃で60分間コーティング液(G)を噴霧してコーティングを行おうとした。溶液(A)に希釈剤の純水100gを投入すると、徐々に溶液表面には白い膜が覆ってきた。白い部分を取り出しEDS分析すると濃度の高いジルコニウムが検出された。投入した水分によりジルコニウムブトキシドが急激に加水分解され、白濁化したものと考えられた。
[比較例4]
(シリカコーティング液の作成)
まず、予め2−プロパノール7ccにテトラエトキシシラン(関東化学製)2.08gを加えて攪拌し、溶液(A)を作製した。別容器に2−プロパノール3ccにアセチルアセトン(関東化学製)0.45gを加えて攪拌し,溶液(B)を作製した。溶液(A)と溶液(B)を混合して溶液(C)とした後、ゆっくりと塩酸を加えてpH=4.2に調整した。液は徐々に白濁を示した。さらに上記溶液から5.5ccの量を分取し、純水100ccを加えて攪拌溶解した液を混合し、部分的に加水分解した有機シリカ化合物1.0質量%を含むコーティング液(G)を得た。コーティング液(G)の諸物性を表1に纏めた。
(コーティング正極活物質の作製)
上記正極活物質を500g取り分け、転動流動装置(パウレック社製MP−01)を用いて80℃で60分間コーティング液(G)を噴霧してコーティングを行った。
コーティング後の混合物を100℃真空雰囲気で1時間乾燥を行った後、400℃純酸素雰囲気で1時間熱処理してコーティングした正極活物質を得た。コーティングした正極活物質の評価結果を表2に纏めた。
[比較例5]
(Zrコーティング液の作製)
まず、予め2−プロパノール7ccにジルコニウムブトキシド(関東化学製)2.33gを加えて攪拌し、溶液(A)を作製した。別容器に2−プロパノール3ccにアセチルアセトン(関東化学製)0.11gを加えて攪拌し,溶液(B)を作製した。溶液(A)中に溶液(B)を投入し、攪拌混合後に溶液(C)を作製した。密栓した容器中に溶液(C)を入れ、攪拌しながら24℃で1時間放置後、溶液(D)を作製した。溶液(D)に純水0.69gを投入後、白濁が生じた。そのまま白濁液から5.5ccを分取し、純水100ccを加えて攪拌溶解した液を混合し、加水分解した有機ジルコニウム1.0質量%を含むコーティング液(G)を得た。コーティング液(G)の諸物性を表1にまとめた。
(コーティング正極活物質の作製)
上記正極活物質を500g取り分け、転動流動装置(パウレック社製MP−01)を用いて80℃で60分間コーティング液(G)を噴霧してコーティングを行った。
コーティング後の混合物を100℃真空雰囲気で1時間乾燥を行った後、300℃純酸素雰囲気で1時間熱処理してコーティングした正極活物質を得た。コーティングした正極活物質の評価結果を表2に纏めた。
[比較例6]
(Tiコーティング液の作製)
まず、予め2−プロパノール7ccにチタニウムイソプロポキシド(関東化学製)2.00gを加えて攪拌し、溶液(A)を作製した。別容器に2−プロパノール3ccにトリエタノールアミン(関東化学製)2.00gを加えて攪拌し、溶液(B)を作製した。溶液(A)中に溶液(B)を投入し、攪拌混合後に溶液(C)を作製した。密栓した容器中に溶液(C)を入れ、攪拌した後、黄色の溶液(D)を作製した。溶液(D)に純水1.00gを投入して溶液(F)を作製した。
さらに上記溶液(F)から5ccの量を分取し、純水100ccを加えて攪拌溶解した液を混合し、部分的に加水分解した有機チタニウム化合物0.5質量%を含むコーティング液(G)を得た。コーティング液(G)の諸物性を表1に纏めた。
(コーティング正極活物質の作製)
上記正極活物質を500g取り分け、転動流動装置(パウレック社製MP−01)を用いて80℃で60分間コーティング液(G)を噴霧してコーティングを行った。
コーティング後の混合物を100℃真空雰囲気で1時間乾燥を行った後、400℃純酸素雰囲気で1時間熱処理してコーティングした正極活物質を得た。コーティングした正極活物質の評価結果を表2に纏めた。
Figure 0006484944
Figure 0006484944
本発明によれば、高容量、高出力であって、かつ正極活物質層形成用ペースト化後に長時間室温放置してもゲル化しない非水系電解質二次電池用正極活物質が得られる。このような正極活物質は、高容量、高出力が求められ、さらに高い生産性が求められる車載用の非水系電解質二次電池に好適である。また、得られる非水系電解質二次電池は、ハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車のような電動機を備える自動車等の車両に搭載されるモーター(電動機)用の電源として好適に使用され得る。
1:コイン型電池
2:ケース
2a:正極缶
2b:負極缶
2c:ガスケット
3:電極
3a:正極
3b:負極
3c:セパレータ

Claims (7)

  1. リチウムニッケル複合酸化物粒子と、該粒子表面の少なくとも一部を被覆した被覆層と
    を有する非水系電解質二次電池用正極活物質であって、
    前記リチウムニッケル複合酸化物粒子の組成は、一般式:LiNi1−y(0.98≦x≦1.10、0.05≦y≦0.30、AはCo、Al、Mg、Ca、Ti、V、Cr、Mn、Zr、Nb、MoおよびWからなる群より選択される1種以上)で表され、前記被覆層は、ジルコニウム及び/またはチタニウムの酸化物からなる微粒子により形成され、
    前記被覆層中のジルコニウム及びチタニウムの酸化物の合計の含有率は、前記正極活物質全体100質量%に対して、0.2〜0.6質量%であり、かつ、前記正極活物質の比表面積は、0.2〜1.2m/gであり、
    24℃の純水50mlに前記正極活物質1gを加えてスラリー化し、60分間経過した後の該スラリーのpH(24℃基準)が11.3以下である、
    ことを特徴とする非水系電解質二次電池用正極活物質。
  2. 前記被覆層は、平均粒径D50が1〜20nmのジルコニウム及び/またはチタニウムの酸化物からなる微粒子により形成されたものであって、該被覆層の厚みが5〜50nmであることを特徴とする請求項1に記載の非水系電解質二次電池用正極活物質。
  3. 前記被覆層は、前記リチウムニッケル複合酸化物粒子の表面に非連続的に形成され、透過型電子顕微鏡の断面観察より測定される被覆面積が前記リチウムニッケル複合酸化物粒子表面の面積の70〜90%であることを特徴とする請求項1または2に記載の非水系電解質二次電池用正極活物質。
  4. 30℃−70%RHの恒温恒湿槽に前記正極活物質を7日間暴露した後の前記正極活物質全体の質量増加率が、暴露前の前記正極活物質全体に対して、2.0%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の非水系電解質二次電池用正極活物質。
  5. 前記正極活物質9.5gに、フッ化ビニリデン0.5g、N−メチル−2−ピロリジノン5.5g、水0.3gを加えてスラリー状にし、24℃で18時間静止保管した後に測定する粘度が2000mPa・s以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の非水系電解質二次電池用正極活物質。
  6. アルコキシ基を有する、有機ジルコニウム化合物及び/または有機チタニウム化合物と、エタノール、2−プロパノール及び1−ブタノールから選択される1種類以上とを混合した後、アセチルアセトンを加え、さらに、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びヘキシレングリコールから選択される1種類以上を含む溶液とを加えて、平均粒径D50が1〜20nmの微粒子が分散したコーティング液を得るコーティング液作製工程、
    得られたコーティング液とリチウムニッケル複合酸化物粒子とを混合してコーティング液に含まれる微粒子を前記リチウムニッケル複合酸化物粒子の表面に堆積させた混合物を得る混合工程及び
    表面に微粒子が堆積された前記リチウムニッケル複合酸化物粒子を熱処理して非水系電解質二次電池用正極活物質を得る熱処理工程
    を含むことを特徴とする非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  7. 前記アルコキシ基を有する有機ジルコニウム化合物及び/または有機チタニウム化合物は、ジルコニウムブトキシド、チタニウムイソプロポキシド及びチタニウムブトキシドからなるモノマーから選択される1種類以上であることを特徴とする請求項6に記載の非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
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