JP6484673B2 - 場所打ち杭工法におけるスライム処理装置及びその方法 - Google Patents

場所打ち杭工法におけるスライム処理装置及びその方法 Download PDF

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本発明は建築物の基礎杭としての場所打ち杭工法において、泥水を安定液として掘削を完了した地中孔内に、泥水とともに残存するスライムを水中サンドポンプで吸引して地中孔外に排出する場所打ち杭工法におけるスライム処理装置及びその方法に関するものである。
従来から建築物の基礎杭としての場所打ち杭工法として、アースドリル工法,ベノト工法,リバースサーキュレーション工法等が実施されている。いずれの工法においても掘削土砂の搬出,掘削機の冷却,地下水等の噴出防止,孔壁の崩壊防止等のため、安定液として、水−ベントナイト懸濁液を主体とした泥水を地中孔内に満して掘削作業を行なっている。使用済みの泥水は劣化して比重が大きくなり、掘削によって生じた微細な泥砂等の残渣であるスライムを含んでいる。そこで、掘削完了後、次工程の生コンクリートの打設を行う前に、使用済みの泥水を新しい泥水と交換するとともに、スライムを除去する必要がある。
泥水中に浮遊しているスライムは泥水とともに吸引して除去することが可能であるが、孔底に沈澱したり、或いは孔壁に付着したままのスライムは除去することが難しく、又泥水中に浮遊しているスライムも時間とともに孔底に沈殿したり、孔壁に付着してしまう。これらのスライムが残存したままの状態では、地中孔の掘削状況を確認する超音波測定において、孔底の掘削先端部や孔壁を測定できないことがあり、所定の掘削ができているか否かを確認する上での障害となってしまうという大きな問題がある。なにより、孔底にスライムが残存したままの状態で、次工程の生コンクリートを打設して杭を構築すると、杭底と掘削した支持層との間にスライムの層が存在して、緩衝材の役割を果たすため、打設した杭が本来の性能,支持力を果たすことができないことがある。場所打ち杭工法において、スライムの除去、中でも孔底に沈殿しているスライムの除去は最も重要な課題の一つである。
そのため、従来より効果的なスライム除去手段として、繰り出し・巻き取り可能に吊支した水中サンドポンプを地中孔内に挿入し、泥水とともにスライムを吸引して除去する手段が知られている。この水中サンドポンプを使用したスライム処理では、スライムを泥水中に浮遊させ、吸引可能な状態とすることが肝要であり、従来より水中サンドポンプに付設した撹拌翼で泥水を撹拌してスライムを泥水中に浮遊させることによって吸引効率を上げることが行われている。更に、スライムを確実に除去して、荷重支持力の優れた良質の場所打ち杭を構築するために、孔底部に設置した吸引ポンプにより吸引した泥水を噴射ノズルから孔底の外周に向けて噴射することによってスライムを泥水中に浮遊させる手段(特許文献1)や、水中サンドポンプに吸引して地上へ揚泥する泥水を分岐して地中孔内へ噴射するとともに、流量調整機構によって噴射量を制御する手段も提供されている(特許文献2)。
特開2000−120067号公報 特開2011−1813号公報
水中サンドポンプに付設した撹拌翼で泥水を撹拌する手段は、撹拌範囲が限定されており、特に、杭底部が杭軸部より広がっている拡底杭の施工が増加している昨今では、スライム除去手段としての効果が疑問視されている。この点、特許文献1,2に示すような、一旦水中サンドポンプに吸引した泥水を再び地中孔内に噴射する手段は、泥水を広範囲に噴射して、孔底に沈殿したり孔壁に付着しているスライムを泥水中に浮遊させて泥水とともに吸引可能な状態とすることができるため、スライム除去手段として効果的である。
しかしながら、特許文献1,2に示すような従来の泥水噴射手段は、泥水の揚泥手段とは独立した泥水噴射機構を水中サンドポンプに装備する必要があり、又水中サンドポンプの繰り出し・巻き取り操作とは別に、泥水噴射の操作を必要とし、取扱が煩雑であり、スライム除去の効果を挙げるためには一定の習熟や技能の習得を必要とする。
そのため、水中サンドポンプの繰り出し・巻き取り操作に連動して、特別な操作や習熟を必要とすることなく孔底へ泥水を噴射して孔底に沈殿しているスライムを泥水中に浮遊させることができ、泥水噴射の効果を地中孔の拡底部の全域や孔壁まで及ぼすことにより、より確実に孔底に沈殿したり孔壁に付着して残存するスライム、特に拡底部に残存するスライムを確実に除去することが望まれている。
そこで、本発明は上記課題を解決し、孔底に沈殿したり孔壁に付着して残存するスライム、特にはスライムが残存しやすく、かつ、その除去が困難な拡底杭の拡底部におけるスライムを効率的に除去することを可能ならしめ、残存スライムを低減させ、掘削した地中孔の孔壁測定の精度を向上させることによって、設計仕様を精確に反映させた場所打ち杭を構築することができ、しかもスライム除去のための泥水の吸引と噴射の切換動作を水中サンドポンプの繰り出し・巻き取り操作に連動させることにより、特別の操作を必要とすることなく、容易に行うことができる場所打ち杭工法におけるスライム処理装置及びその方法を提供することを目的としている。
本発明はその目的を達成するために、請求項1により、繰り出し・巻き取り可能に吊支した水中サンドポンプを、泥水を安定液として掘削を完了した地中孔内に挿入してスライムとともに泥水を吸引し、地上に揚泥して排出する場所打ち杭工法におけるスライム処理装置において、前記水中サンドポンプに、泥水を地上に揚泥するための揚泥管から分岐させた分泥管と、分泥管の先端に連結した噴射管と、分泥管の開閉バルブと、開閉バルブを開閉操作する開閉用油圧シリンダと、水中サンドポンプを吊支する吊支用油圧シリンダとを装備し、開閉用油圧シリンダのロッドの伸縮動作によって開閉バルブの開閉動作を行い、開閉バルブを開くことによって、揚泥管に吸引した泥水を分泥管を介して噴射管から地中孔内に噴射可能とした場所打ち杭工法におけるスライム処理装置を基本として提供する。
請求項2により、前記開閉バルブは、水中サンドポンプが孔底に着底したことに連動して開動作を行い、水中サンドポンプが孔底から離底したことに連動して閉動作を行う構成を提供する。
請求項により、開閉用油圧シリンダを制御する開閉用アキュムレータを装備し、水中サンドポンプが孔底に着底したことに連動して、開閉用アキュムレータ内の作動油を開閉用アキュムレータ内の備蓄圧によって開閉用油圧シリンダのヘッド側に供給してロッドを伸長させ、ロッドに連結したリンクを介して開閉バルブを開くことにより、揚泥管と分泥管を連通させ、揚泥管に吸引した泥水を分泥管を介して噴射管から地中孔内に噴射する構成を提供し、請求項により、開閉用油圧シリンダのロッドの伸長によって、開閉用油圧シリンダのロッド側から排出された作動油を吊支用油圧シリンダのロッド側に供給して、吊支用油圧シリンダのロッドを縮小させる構成を提供する。
請求項により、水中サンドポンプが孔底から離底したことに連動して、吊支用油圧シリンダのロッドを伸長させ、吊支用油圧シリンダのロッド側から排出された作動油を開閉用油圧シリンダのロッド側に供給することによって、開閉用油圧シリンダのロッドを縮小させるとともに、開閉用油圧シリンダのヘッド側の作動油を開閉用アキュムレータに貯留することによって開閉バルブを閉じ、噴射管からの泥水の噴射を停止する構成を提供し、
請求項により、吊支用油圧シリンダのヘッド側に作動油を供給し、或いはヘッド側から排出される作動油を貯留するバキューム用アキュムレータを装備し、水中サンドポンプの孔底への着底時には、吊支用油圧シリンダのヘッド側から排出される作動油をバキューム用アキュムレータに貯留し、水中サンドポンプの孔底からの離底時には、バキューム用アキュムレータ内の作動油をバキューム用アキュムレータの備蓄圧によって吊支用油圧シリンダのヘッド側に供給する構成を提供する。
請求項により、開閉用油圧シリンダのロッド側の作動油と、吊支用油圧シリンダのロッド側の作動油を結ぶ管路に補充用の作動油を供給する補充用アキュムレータを装備した構成を、請求項により、開閉バルブの閉動作時に、揚泥管から地上へ泥水の排出を行うとともに、開閉バルブの開動作時に、揚泥管から地上への泥水の排出の全部又は一部を停止する手段を具備した構成を、請求項により、地中孔内の泥水をスライムとともに吸引して揚泥管に供給する吸引管を揚泥管の下部に連結した構成を、請求項10により、吸引管を噴射管と揚泥管の間に位置するように装備した構成を、請求項11により、噴射管に複数の噴射ノズルを装備した構成を、請求項12により、噴射ノズルを方向を異にして設置した構成を提供する。
場所打ち杭工法におけるスライム処理方法として、請求項13により、泥水を安定液として掘削を完了した地中孔内に、上記した構成の場所打ち杭工法におけるスライム処理装置の水中サンドポンプを挿入し、水中サンドポンプに吸引した泥水を地中孔内に噴射して泥水の乱流を発生させることにより、孔底に沈殿したり孔壁に付着して残存するスライムを泥水中に浮遊させ、スライムを泥水とともに吸引し、地上に揚泥して排出する方法を基本として提供する。
請求項14により、水中サンドポンプが孔底に着底したことを検知して、水中サンドポンプに吸引した泥水を地中孔内に噴射させるとともに、水中サンドポンプが孔底から離底したことを検知して泥水の地中孔内への噴射を停止し、水中サンドポンプによって泥水中に浮遊させたスライムを泥水とともに吸引する方法を、請求項15により、水中サンドポンプの揚泥管に吸引した泥水を、分泥管の内部に装備した開閉バルブを開動作させることによって噴射管に供給し、噴射ノズルから再び地中孔内に噴射する方法を提供する。
請求項16により、地中孔内に噴射する泥水を、水中サンドポンプへの泥水の吸引場所より、孔底方向において噴射する方法を、請求項17により、地中孔内への泥水の噴射時に、泥水の地上への揚泥の全部又は一部を停止する方法を、そして、請求項18により、地中孔の孔底が拡底杭を構築するための拡底である方法を提供する。
以上記載した本発明の特徴の第1は、泥水を揚泥する揚泥管の途中から分岐させた分泥管を設置し、揚泥途中の泥水を揚泥管から分泥管に分岐させて地中孔内に噴射することにより、泥水の乱流を発生させることである。特徴の第2は、発生させた泥水の乱流によって、孔底に沈殿したり孔壁に付着して残存するスライムを泥水中に浮遊させて、水中サンドポンプで吸引可能とすることである。特徴の第3は、水中サンドポンプが孔底に着底することによって、泥水の噴射動作を行い、離底することによって噴射を停止するため、泥水噴射のために特別の操作を必要としないことである。特徴の第4は、泥水の噴射を孔底において行うことによって、拡底杭の拡底部に広範囲に亘って沈殿しているスライムも浮遊させることができることである。具体的には次の通りである。
泥水を安定液として掘削を完了した地中孔内から、水中サンドポンプを使用して泥水を地上に揚泥して排出する際に、水中サンドポンプの吸引管から吸引した泥水を地中孔内に噴射して泥水の乱流を発生させることにより、孔底に沈殿したり孔壁に付着して残存するスライムを泥水中に浮遊させ、スライムを泥水とともに吸引し、地上に揚泥して排出することができる。これにより、従来除去が困難であった孔底に沈殿したり孔壁に付着して残存するスライムを効率的に除去することが可能となり、スライム除去率の向上,残存スライムの低減を図ることができ、掘削した地中孔の孔壁測定の精度を向上させることによって、設計仕様を精確に反映させた場所打ち杭を構築することができる。特に近時施工が増大し、従来方法では除去することが困難であった拡底杭における拡底部のスライムを効果的に除去することが可能である。
地中孔へ噴射する泥水は、地上へ揚泥するために揚泥管に吸引した泥水を揚泥管から分泥管に分岐させ、分泥管に連結した噴射管の噴射ノズルから噴射する構成であり、噴射する泥水を吸引するための特別の設備を必要としない。また、吸引管を噴射管と揚泥管の間に位置するように装備しているため、地中孔に噴射する泥水を、水中サンドポンプへの泥水の吸引場所より、孔底方向において噴射することができるため、より効率的に泥水の乱流を発生させることができる。
開閉バルブの閉動作時には、従来と同様に揚泥管から地上へ泥水の排出を行う。一方、開閉バルブの開動作時には、揚泥管から地上への泥水の排出の全部を停止して、吸引した泥水の全部を分泥管に分岐させて地中孔中へ噴射するか、或いは揚泥管から地上への泥水の排出の一部を停止して吸引した泥水の一部は地上へ揚泥することによって、揚泥と噴射を同時に実施することも可能である。
泥水の噴射は水中サンドポンプが孔底に着底したことに連動して分泥管に装備した開閉バルブを開くことによって行うため、泥水噴射の効果を地中孔の拡底部の全域や孔壁まで及ぼすことが可能である。また、泥水の噴射の停止を水中サンドポンプが孔底から離底することに連動して分泥管に装備した開閉バルブを閉じることによって行うため、泥水の噴射と揚泥の作業をスムーズに切り換えることができる。
即ち、泥水の噴射は水中サンドポンプの繰り出し・巻き取り操作に連動して行われるため、泥水の噴射のために特別な操作や習熟を必要とすることがない。しかも、泥水噴射の効果を地中孔の拡底部の全域や孔壁まで及ぼすことができ、泥水の噴射によってスライムを泥水中に効果的に浮遊させることができるため、より確実に孔底に沈殿したり孔壁に付着して残存するスライム、特に拡底部に残存するスライムを確実に除去することが可能である。よって、スライムが残存しやすく、かつ、その除去が困難な拡底杭の拡底部に広範囲に亘って沈殿するスライムや孔壁に付着するスライムを効率的に除去することが可能となり、地中孔内の残存スライムを低減させ、掘削した地中孔の孔壁測定の精度を向上させることによって、設計仕様を精確に反映させた場所打ち杭を構築することができる。
泥水を噴射するために分泥管内に設置した開閉バルブの開閉操作を、開閉用油圧シリンダのロッドに連結したリンクによって行うとともに、リンクを操作するための開閉用油圧シリンダのロッドの伸縮動作を、開閉用アキュムレータに貯留した作動油を開閉用油圧シリンダへ流入・流出させることによって行うようにしている。また、開閉用アキュムレータからの開閉用油圧シリンダへの作動油の流入・流出は、水中サンドポンプを吊支用油圧シリンダを介して吊支するとともに、水中サンドポンプの孔底への着底及び離底に連動して、吊支用油圧シリンダと開閉用油圧シリンダ間に作動油を移動させることによって行うようにしている。そのため、泥水の噴射及び停止を水中サンドポンプの動作に連動させて確実に行うことができる。
また、吊支用油圧シリンダと開閉用油圧シリンダとの間の作動油の移動には補充用アキュムレータを介在させてあるため、作動油の過不足が生じることがない。更に、吊支用油圧シリンダのヘッド側には、ロッドの伸縮動作に連動してバキューム用アキュムレータから作動油を流入・流出させるため、長期の使用に際してパッキンのオイル切れを起こす等の問題にも対応することができる。
泥水の噴射時の水中サンドポンプを示す説明図。 泥水の噴射停止時の水中サンドポンプを示す説明図。 水中サンドポンプの部分正面図。 図3の背面図。 図3の平面図。 噴射管の全体斜視図。 泥水の噴射時の水中サンドポンプの動作説明図。 泥水の噴射停止時の水中サンドポンプの動作説明図。 スライムの処理方法の工程説明図。 スライムの処理方法の工程説明図。 スライムの処理方法の工程説明図。 スライムの処理方法の説明図。 スライムの処理方法の説明図。 (a)泥水の噴射状況の説明図,(b)孔底への着底時の説明図。 スライム処理装置の全体構成図。 スライム処理装置の使用状態を示す説明図。
以下図面に基づいて本発明にかかる場所打ち杭工法におけるスライム処理装置及びその方法の実施形態を説明する。先ず、図15,図16を用いて、本発明にかかるスライム処理装置1の基本構成を説明する。図15はスライム処理装置1の全体構成図、図16はその使用状態を示す説明図である。なお、同図においては便宜上従来の水中サンドポンプ2を図示している。同図を用いて説明するスライム処理装置1の基本構成としては、水中サンドポンプ2を繰り出し・巻き取り可能に吊支する構成にあり、本発明の課題を解決するための特徴的手段である本発明にかかる水中サンドポンプ100の具体的構成及びその使用方法は後述する。
図において、旋回台4の上に、所定幅寸法を有して平面視が矩形状に形成された基台5が旋回自在に搭載されている。この基台5の略中央部における幅方向両端部に所定高さ寸法を有する側面視が矩形状の一対の支持ブラケット6が立設されている。この一対の支持ブラケット6の上端部の側面にそれぞれ突設した支持部6aに2本に分割形成したブーム7の基部7bが軸支されている。5aはアウトリガーであり、基台5の安定性を維持するために、基台5の角部に付設している。
前記ブーム7の中途部と支持ブラケット6の下端部の側面に設けた支持部6b間には、起伏用シリンダ9が配設されている。更に上記支持ブラケット6の上面に配置した軸受部10に支軸11が支持されていて、この支軸11に左右一対のゴムベルト巻取ドラム12と、揚泥ホース巻取ドラム13が同軸で、かつ、回転可能に配備されている。
この左右一対のゴムベルト巻取ドラム12に巻着した2本のゴムベルト3がブーム7の先端部7aに配設したゴムベルト用シーブ14に導出され、このゴムベルト用シーブ14から下方に懸垂され、先端部がアーム状のトラバーサ30に連結されて水中サンドポンプ2を吊支している。このトラバーサ30は地中孔22内に吊支した水中サンドポンプ2の水平を維持するためのものである。なお、水中サンドポンプ2を吊支する手段はゴムベルト3に限ることなく、チェーンその他の適宜の吊支手段を採用することも可能である。
8は泥水の揚泥ホースであり、揚泥ホース巻取ドラム13に巻着され、ゴムベルト用シーブ14の近傍に配設した揚泥ホース用シーブ15に導出され、この揚泥ホース用シーブ15から下方に懸垂されて、先端部が水中サンドポンプ2に連結されている。
更に前記基台5に立設した一対の支持ブラケット6よりもリヤR方向に一対の支持ブラケット16が立設されていて、この支持ブラケット16上面に配設した軸受部17に支軸18が支持され、この支軸18にキャブタイヤ巻取ドラム19が回転可能に配備されている。このキャブタイヤ巻取ドラム19に巻着した給電用のキャブタイヤ20がブーム7の先端部7aに配設したキャブタイヤ用シーブ21にまで導出されており、このキャブタイヤ用シーブ21から下方に懸垂されて、先端部が水中サンドポンプ2に装備したモータ(図示略)に給電可能に連結されている。
ブーム7は2本に分割形成されており、それぞれのブーム先端部7aの上面に側面視が略三角枠状のガイド25が突設されるとともに、連結杆26で連結されている。キャブタイヤ20は連結杆26に支持されてキャブタイヤ用シーブ21に導出され、ゴムベルト3はガイド25に穿設したガイド孔を通過して、ゴムベルト用シーブ14に導出されている。
スライム処理装置1は、水中サンドポンプ2を繰り出し・巻き取り可能に吊支して、泥水23を安定液として掘削を完了した地中孔22内に挿入し、地中孔22内の泥水23中に浮遊し、或いは地中孔22の孔底22aに沈殿したり孔壁22bに付着しているスライム24を水中サンドポンプ2によって吸引して地中孔22外に排出して除去するものである。その概要を図16に基づいて説明する。
図16に示すように、掘削を完了した地中孔22内には、掘削によって劣化するとともに、掘削によって生じた微細な泥砂等の残渣であるスライム24を含んだ安定液としての泥水23が満たされている。この地中孔22近傍の所定の位置にスライム処理装置1を設置して、旋回台4上での基台5の位置を決定し、アウトリガー5aによって姿勢を安定化させる。次に起伏用シリンダ9を駆動してブーム7の起伏動作を行い、該ブーム7の先端部7aに配設したゴムベルト用シーブ14の位置を決定してから、左右一対のゴムベルト巻取ドラム12から2本のゴムベルト3を繰り出すことにより、水中サンドポンプ2を地中孔22内の泥水の比重の高い領域、即ち劣化している領域に至るまで降下させる。この時にゴムベルト巻取ドラム12と同軸に配備した揚泥ホース巻取ドラム13から、揚泥ホース用シーブ15を介して繰り出された揚泥ホース8の先端部が水中サンドポンプ2に連結され、更にキャブタイヤ巻取ドラム19に巻着した給電用のキャブタイヤ20がキャブタイヤ用シーブ21を介して同様に繰り出される。
次に、キャブタイヤ20に給電することにより、水中サンドポンプ2に装備したモータ(図示略)を駆動させて、泥水23の揚泥を開始し、ゴムベルト3を地中孔22の孔底22aにまで徐々に降下させることにより、水中サンドポンプ2の働きによって泥水23中に浮遊し、或いは孔底22aに沈殿しているスライム24を泥水23とともに吸引して地上に揚泥する。更に2本のゴムベルト3を順次引き上げることによって地中孔22内の泥水23中に浮遊するスライム24を泥水23とともに吸引する。水中サンドポンプ2に吸引したスライム24を含む泥水23は、揚泥ホース8を介して地中孔22の外部へ揚泥し、スライム処理装置1に装備され、揚泥ホース8の基端部を接続した吐出管(図示略)に装備した吐出管バルブ28に接続した配管31を介して排泥槽32に貯留して最終処分を行う。よって、吐出管バルブ28の開閉動作及び開閉の程度を制御することによって、泥水23の揚泥の有無及び揚泥量を設定・管理することができる。併せて、泥水槽33から新しい泥水36を泥水供給用水中サンドポンプ34によって配管35を介して地中孔22に補充し、スライムの混入した劣化した泥水23と新規な泥水36を置換している。
本発明にかかるスライム処理装置1は前記した公知の水中サンドポンプ2に代えて、出願人の開発した新規な構成の水中サンドポンプ100を使用することに特徴を有する。以下にその構成を説明する。図1は泥水の噴射時の水中サンドポンプ100を示す説明図、図2は泥水の噴射停止時の水中サンドポンプ100を示す説明図、図3はその部分正面図、図4は図3の背面図、図5は図3の平面図、図6は噴射管55の全体斜視図、図7は泥水23の噴射時の水中サンドポンプ100の動作説明図、図8は泥水23の噴射停止時の水中サンドポンプ100の動作説明図である。なお、図1,図2においては説明の都合上、開閉用アキュムレータ80,補充用アキュムレータ85,バキューム用アキュムレータ90を水中サンドポンプ100の外に抜き出して図示している。また、水中サンドポンプ100以外のスライム処理装置1の構成は図15,図16に基づいて説明した構成のとおりである。
図に示すように、水中サンドポンプ100の上フレーム110の上端部に配置した主軸111に垂直方向に回動自在に軸着したアーム状のトラバーサ30の両端部に、それぞれ支軸112を介して垂直方向に回動可能に中空のソケット113が軸着されている。このソケット113の中空部にゴムベルト用シーブ14から懸垂させたゴムベルト3の先端部3aを挿入して折り返すとともに、先端部3aをソケット113の外部に導出し、ソケット113内のゴムベルト3の折返部にコッターを嵌入させてゴムベルト3を水中サンドポンプ100に固着している。このトラバーサ30は地中孔22内に吊支した水中サンドポンプ100の水平を維持するためのものである。
上フレーム110の主軸111には、吊支用油圧シリンダ60のロッド61の先端が固着されており、ヘッド側の端部62は上フレーム110の下端に固着されている。よって、水中サンドポンプ100は、ゴムベルト3を介して吊支用油圧シリンダ60によって吊支されている。この吊支用油圧シリンダ60のロッド61は、水中サンドポンプ100が地中孔22内又は中空に吊支されているときは伸長しており(図2参照)、孔底22a又は地面に設置しているときは縮小している(図1参照)。
上フレーム110の下面には中フレーム120が、中フレーム120の下面には下フレーム130が、下フレーム130の下面には底フレーム140がそれぞれ一体に連結され強度部材を構成している。底フレーム140は泥水23をスライム24とともに吸引するための吸引管45を装備し、吸引管45の他端には、吸引した泥水23を地上に揚泥するための揚泥管40が連結されている。46は、吸引管45の基部に設置された撹拌羽根であり、泥水23を撹拌してスライム24の吸引を補助するものである。吸引管45の内部には、水中サンドポンプに装備したモータによって回転駆動するインペラ(図示略)が装備され、泥水23を吸引管45に吸引する。
揚泥管40は底フレーム140及び下フレーム130に支持されて鉛直方向に延設されており、上部開口部に揚泥ホース8(図15,図16参照,図1,図2では省略)が接続されている。揚泥管40の途中からは分泥管50が分岐されており、分泥管50の先端には噴射管55が装備されている。また、分泥管50の内部の途中には、リンク75によって開閉操作可能な開閉バルブ77が装備されており、この開閉バルブ77を開閉操作することにより、揚泥管40と分泥管50が連通又は遮断される。
よって、リンク75を操作して開閉バルブ77を開くことによって、吸引管45に吸引して揚泥管40を介して地上に揚泥中の泥水23を、揚泥管40から分泥管50に分岐させて噴射管55から地中孔22内の泥水23中に噴射することができる。この噴射時において、地上に設置した揚泥ホース8の基端部を接続した吐出管(図示略)に装備した吐出管バルブ28を開閉して、その全部又は一部閉鎖することによって、揚泥管40からの地上への揚泥の全部又は一部を停止し、地上への揚泥量を調節することによって、噴射管55から噴射する泥水23の量を調節することができる。
下フレーム130の所定箇所に付設した支持ブラケット131には、開閉用油圧シリンダ70のヘッド側の端部72が固着され、ロッド71の先端がリンク75の一端部に連結されている。また、リンク75の他端部は開閉バルブ77に連結されている。そのため、図1に示すように、水中サンドポンプ100が孔底22aに着底しており、開閉用油圧シリンダ70のロッド71が伸長しているときは、開閉バルブ77が開かれて、揚泥管40と分泥管50が連通しており、吸引管45に吸引されて揚泥管40によって揚泥される泥水23は揚泥管40から分泥管50に分岐され、噴射管55から地中孔22内の孔底22aや孔壁22bに向けて噴射される。この噴射によって泥水23の乱流を発生させることができ、孔底22aに沈殿したり孔壁22bに付着して残存するスライム24を泥水23中に浮遊させることができる。そして、この泥水23の乱流によってスライム24を浮遊させた泥水23を地上に揚泥することによって、孔底22aに沈殿したり、孔壁22bに付着して残存しているスライム24を除去することができる。
図6は噴射管55の全体斜視図であり、分泥管50の下端部に中空円環状の噴射管55が連結されている。噴射管55には口径を絞った小径の1又は複数の噴射ノズル57が装備されており、この噴射ノズル57から所定の圧力で泥水23を噴射することによって、泥水23の乱流を地中孔22内に発生させることができる。この泥水23の乱流によって孔底22aに沈殿したり、孔壁22bに付着しているスライム24を泥水23中に浮遊させて吸引可能な状態とすることができる。なお、これらの噴射ノズル57は、泥水23の乱流を発生させるため、泥水23を噴射する方向、或いは設置高さを異にして設置されている。図示例では下から上向きに泥水を噴射して乱流を発生させるように構成している。
この噴射管55と揚泥管40の間に吸引管45が位置しており、泥水23の吸引箇所より孔底22a方向において泥水23を噴射ノズル57から噴射するようにしているため、孔底22aに沈殿したり孔壁22bに付着しているスライム24を泥水23中に浮遊させる乱流を発生させることができ、更に浮遊したスライム24を泥水23とともに吸引管45から効果的に吸引することができる。
一方、水中サンドポンプ100が地中孔22内に吊支されており、図2に示すように開閉用油圧シリンダ70のロッド71が縮小しているときは、開閉バルブ77が閉じられて、揚泥管40と分泥管50が遮断されており、吸引管45に吸引されて揚泥管40によって揚泥される泥水23は揚泥管40から分泥管50に分岐されることなく揚泥ホース8から地上に揚泥される。
次に開閉用油圧シリンダ70を使用した開閉バルブ77の開閉動作について説明する。80は開閉用油圧シリンダ70を制御するための開閉用アキュムレータ、85は補充用アキュムレータ、90はバキューム用アキュムレータであり、それぞれ下フレーム130に付設した一対の支持ブラケット132,132に固定されている(図4参照)。
吊支用油圧シリンダ60のロッド側と開閉用油圧シリンダ70のロッド側の作動油は、補充用アキュムレータ85を介在させて相互に移動可能である。また、吊支用油圧シリンダ60のヘッド側の作動油はバキューム用アキュムレータ90と、開閉用油圧シリンダ70のヘッド側の作動油は開閉用アキュムレータ80と、それぞれ相互に移動可能である。
開閉用アキュムレータ80,補充用アキュムレータ85,バキューム用アキュムレータ90はそれぞれ公知の構造であり、内部にはそれぞれゴム製の隔膜であるプラダ80a,85a,90aによって2室に画成されている。開閉用アキュムレータ80はプラダ80aで画成された一方が開閉用油圧シリンダ70のヘッド側に連結され、開閉用油圧シリンダ70からの作動油を貯留可能であり、他方には高圧ガスが封入されている。バキューム用アキュムレータ90はプラダ90aで画成された一方が吊支用油圧シリンダ60のヘッド側に連結され、吊支用油圧シリンダ60からの作動油を貯留可能であり、他方には高圧ガスが封入されている。補充用アキュムレータ85はプラダ85aで画成された一方が開閉用油圧シリンダ70のロッド71側及び吊支用油圧シリンダ60のロッド61側に連結され、開閉用油圧シリンダ70及び吊支用油圧シリンダ60からの作動油を貯留可能であり、他方には高圧ガスが封入されている。
図1,図7に示すように、水中サンドポンプ100が地中孔22の孔底22aに着底すると、ゴムベルト3による吊り上げ荷重がなくなるため、吊支用油圧シリンダ60はほぼ無負荷の状態となり、開閉用油圧シリンダ70のヘッド側圧力は解放される。そのため、開閉用アキュムレータ80の備蓄圧力が無負荷となった開閉用油圧シリンダ70のロッド側の圧力に打ち勝ち、開閉用アキュムレータ80から作動油が開閉用油圧シリンダ70のヘッド側に供給され、ロッド71を伸長させる。このロッド71が伸長することによって、ロッド71の先端に連結したリンク75の一端部を押し込み、リンク75の他端部に連結した開閉バルブ77を開き、分泥管50が揚泥管40と連通する。即ち、開閉用油圧シリンダ70のロッド71による水平運動をリンク75によって開閉バルブ77を開閉するための回転運動に変換するものである。そのため、揚泥のために水中サンドポンプ100の吸引管45に吸引された泥水23は揚泥管40を介して分泥管50に分岐され、噴射管55の噴射ノズル57から孔底22aや孔壁22bに向けて噴射される。
開閉用油圧シリンダ70のロッド71が伸長することにより排出されたロッド71側の作動油は、補充用アキュムレータ85に貯留された作動油とともに吊支用油圧シリンダ60のロッド61側に流れ込みロッド61を縮小させる。そして、ロッド61の縮小によって、吊支用油圧シリンダ60のヘッド側の作動油はバキューム用アキュムレータ90に流れ込む。
上記した開閉用油圧シリンダ70による開閉バルブ77の開動作は水中サンドポンプ100が孔底22aへ着底することに連動して、即ち、吊支用油圧シリンダ60のロッド61へのゴムベルト3を介した上方への吊り上げ力が着底によって作用しなくなり、吊支用油圧シリンダ60はほぼ無負荷の状態となることにより自動的に行われる。そのため、特別の操作を必要とすることなく、水中サンドポンプ100の繰り出し・巻き取り動作に連動して泥水23の噴射を行うことができる。
図2,図8に示すように、水中サンドポンプ100が地中孔22の孔底22aから離底することに連動して、即ち、水中サンドポンプ100をゴムベルト3を介して吊り上げることにより、吊支用油圧シリンダ60のロッド61が伸長する。このとき、吊支用油圧シリンダ60のヘッド側は真空状態となるため、バキューム用アキュムレータ90の備蓄圧力によって作動油を補給する。吊支用油圧シリンダ60のヘッド側はバキューム状態で使用することも可能であるが、長期の使用に際してパッキンのオイル切れやパッキンの変形を起こす等の問題に対応するフェールセーフの観点からバキューム用アキュムレータ90から作動油を補給するようにしている。
吊支用油圧シリンダ60のロッド61が伸長することにより、ロッド61側の作動油は排出され、補充用アキュムレータ85に流れ込んでこれを満たし、更に開閉用油圧シリンダ70のロッド71側に流入し、ロッド71を縮小させるとともに、ヘッド側の作動油を排出させて開閉用アキュムレータ80に貯留する。
開閉用油圧シリンダ70のロッド71が縮小することによって、ロッド71の先端に連結したリンク75の一端部を引き込み、リンク75の他端部に連結した開閉バルブ77を閉じて、分泥管50と揚泥管40を遮断する。そのため、揚泥のために水中サンドポンプ100の吸引管45に吸引された泥水23は揚泥管40から分泥管50に分岐されることなく、揚泥ホース8から地上に揚泥される。よって、吊支用油圧シリンダ60が開閉用油圧シリンダ70を操作するスイッチとしての役割を果たしているため、水中サンドポンプ100の孔底22aへの着底及び離底に連動して、泥水の噴射と揚泥を自動的に切り換えることができる。なお、補充用アキュムレータ85は前記した泥水の噴射と揚泥の動作を行う際の吊支用油圧シリンダ60のロッド側と開閉用油圧シリンダ70のロッド側を移動する作動油の増減を調節するものである。開閉用油圧シリンダ70と吊支用油圧シリンダ60の作動油は閉回路のため、外部からの作動油の補給がない。開閉用油圧シリンダ70,吊支用油圧シリンダ60のシリンダピストンにはパッキン,シールを装備しているが、作動油の漏れがゼロではなく、多少の変動がある。その変動を補充用アキュムレータ85に貯留した作動油によってカバーし、シールからの作動油の漏れに起因する圧力不足に対応するようにしている。
次に泥水23を安定液として掘削を完了した地中孔22内に、上記した構成のスライム処理装置1の水中サンドポンプ100を繰り出して挿入して、泥水23とともにスライム24を吸引し、地上に揚泥して排出する場所打ち杭工法におけるスライム処理方法について、図9に示すステップA〜ステップPの工程毎に説明する。図9〜図11はスライムの処理方法の工程説明図、図12〜図13はスライムの処理方法の説明図、図14(a)は泥水の噴射状況の説明図、図14(b)は孔底への着底時の説明図である。
[ステップA/地中孔掘削完了]
ステップAとして、泥水23を安定液として、図13に示す所定の地中孔22の掘削を完了する。掘削を完了した地中孔22内には、掘削によって劣化するとともに、掘削によって生じた微細な泥砂等の残渣であるスライム24を含んだ安定液としての泥水23が満たされている。このスライム24は泥水23中に浮遊しているとともに、時間とともに孔底22aに沈殿したり、孔壁22bに付着してしまう。
[ステップB/スライム処理装置設置]
ステップBとして、図12に示すように、水中サンドポンプ100を地中孔22内の泥水23中に繰り出し・巻き取り可能にスライム処理装置1を地中孔22の近傍の所定の位置に設置する。具体的な設置手順は図16に示す従来の水中サンドポンプ2を吊支したスライム処理装置1の設置手順と同様である。
[ステップC/水中サンドポンプ投入]
ステップCとして、左右一対のゴムベルト巻取ドラム12から2本のゴムベルト3を繰り出すことにより、図13に示すように水中サンドポンプ100を地中孔22内の泥水の比重の高い領域、即ち劣化している領域に至るまで降下させる。このとき、ゴムベルト巻取ドラム12と同軸に配備した揚泥ホース巻取ドラム13から、揚泥ホース用シーブ15を介して繰り出された揚泥ホース8の先端部が揚泥管40の上部開口部に接続され、更にキャブタイヤ巻取ドラム19に巻着した給電用のキャブタイヤ20がキャブタイヤ用シーブ21を介して同様に繰り出される。
[ステップD/水中サンドポンプ起動]
ステップDとして、図13に示す状態において水中サンドポンプ100を起動させて、吸引管45から地中孔22内の泥水23の吸引を開始する。このとき、必要に応じて撹拌羽根46を駆動させて泥水23を撹拌する。
[ステップE/揚泥開始]
ステップEとして、吸引管45から吸引した泥水23を揚泥管40から揚泥ホース8を介して地中孔22の外部へ揚泥し、図16に示すスライム処理装置1に装備され、揚泥ホース8の基端部を接続した吐出管(図示略)に装備した吐出管バルブ28(図16参照)に接続した配管31を介して排泥槽32に貯留して最終処分を行う。この泥水23の揚泥によって、泥水23中に浮遊しているスライム24も揚泥される。
[ステップF/新しい泥水を補給]
ステップEにおける揚泥の開始によって、地中孔22内の泥水23の量が減少するため、揚泥と併せてステップFとして、泥水槽33から新しい泥水36を泥水供給用水中サンドポンプ34によって地中孔22に補給し、地中孔22内の泥水23の量を一定に保つ。
[ステップG/水中サンドポンプ着底]
ステップEに示す揚泥及びステップFに示す新しい泥水の補給を行いつつ、ステップGに示すように、揚泥作業を行いつつ、水中サンドポンプ100を徐々に泥水23中に繰り出して行くと、やがて水中サンドポンプ100は図14(b)に示すように孔底22aに着底する。このステップGの「水中サンドポンプ着底」から、次工程のステップHの「開閉バルブ開」に至る詳細な工程を図10に示すステップG1からステップG8及び図7に基づいて説明する。
[ステップG1/吊支用油圧シリンダ無負荷状態]
ステップG1に示すように、水中サンドポンプ100が孔底22aに着底することにより、ゴムベルト3による吊り上げ荷重がなくなるため、吊支用油圧シリンダ60はほぼ無負荷の状態となる。
[ステップG2/開閉用油圧シリンダのヘッド側圧力解放]
ステップG2に示すように、吊支用油圧シリンダ60がほぼ無負荷の状態となると、開閉用油圧シリンダ70のヘッド側圧力は解放される。
[ステップG3/開閉用アキュムレータから作動油が開閉用油圧シリンダのヘッド側に流入]
ステップG3に示すように、開閉用アキュムレータ80の備蓄圧力が無負荷となった開閉用油圧シリンダ70のロッド側の圧力に打ち勝ち、開閉用アキュムレータ80から作動油が開閉用油圧シリンダ70のヘッド側に流入する。
[ステップG4/開閉用油圧シリンダのロッドが伸長]
ステップG4に示すように、開閉用油圧シリンダ70のヘッド側に流入した開閉用アキュムレータ80からの作動油によって、開閉用油圧シリンダ70のロッド71が伸長する。
[ステップG5/ロッドに連結したリンクを押し込む]
ステップG5に示すように、開閉用油圧シリンダ70のロッド71が伸長することによって、ロッド71の先端が固着されているリンク75の一端部を押し込む。
[ステップG6/開閉用油圧シリンダのロッド側から排出された作動油が吊支用油圧シリンダのロッド側に流入]
ステップG6に示すように、開閉用油圧シリンダ70のロッド71が伸長することによって、開閉用油圧シリンダ70のロッド71側から排出された作動油が吊支用油圧シリンダ60のロッド61側に流入する。
[ステップG7/吊支用油圧シリンダのロッドが縮小]
ステップG7に示すように、吊支用油圧シリンダ60のロッド61側に流入した作動油によって吊支用油圧シリンダ60のロッド61が縮小する。
[ステップG8/吊支用油圧シリンダのヘッド側から排出された作動油をバキューム用アキュムレータに貯留]
ステップG8に示すように、吊支用油圧シリンダ60のロッド61側に流入した作動油によって吊支用油圧シリンダ60のロッド61が縮小するため、吊支用油圧シリンダ60のヘッド側から排出された作動油はバキューム用アキュムレータ90に貯留される。
[ステップH/開閉バルブ開]
ステップHに示すように、水中サンドポンプ100が孔底22aに着底することにより、前記したステップG1からステップG8の工程を経て、開閉用油圧シリンダ70のロッド71が伸長することによって、ロッド71の先端に連結したリンク75の一端部を押し込み、ステップHに示すように、リンク75の他端部に連結した開閉バルブ77を開き、分泥管50が揚泥管40と連通する。
[ステップI/揚泥管から分泥管への泥水の分岐]
ステップIに示すように、開閉バルブ77が開かれることによって、開閉バルブ77によって遮断されていた揚泥管40と分泥管50が連通し、吸引管45に吸引されて揚泥管40に供給された泥水23は、分泥管50にも分岐して供給される。
[ステップJ/揚泥の全部又は一部を停止]
ステップJに示すように、開閉バルブ77が開かれることに連動して、スライム処理装置1に装備され、揚泥ホース8の基端部を接続した吐出管(図示略)に装備した吐出管バルブ28を全部又は一部閉じることによって、揚泥管40から揚泥ホース8を介した地上への揚泥の全部又は一部を停止する。これは泥水23の所定量を地中孔22内に噴射するためである。
[ステップK/泥水噴射]
ステップKに示すように、揚泥管40から分岐されて分泥管50に供給された泥水23は、分泥管50に連結した噴射管55の噴射ノズル57から、孔底22aや孔壁22bに向けて噴射される。
[ステップL/乱流発生]
ステップLに示すように、噴射ノズル57から、孔底22aや孔壁22bに向けて噴射される泥水23によって、図14(a)の矢印Yに示すように、地中孔22内の泥水23に乱流が発生する。
[ステップM/スライム浮遊]
ステップMに示すように、噴射ノズル57から噴射された泥水23によって発生した乱流によって、孔底22aに沈澱したり、或いは孔壁22bに付着したままのスライム24が泥水23中に浮遊することとなり、吸引管45によって泥水23とともに吸引することが可能な状態となる。
[ステップN/水中サンドポンプ離底]
噴射ノズル57から泥水23の噴射を所定時間継続することによって、孔底22aに沈澱したり、或いは孔壁22bに付着したままのスライム24を泥水23中に浮遊させ終えると、ゴムベルト巻取ドラム12によってゴムベルト3を巻き取ることによって、水中サンドポンプ100を地中孔22の孔底22aから離底させて上方に吊り上げる。このステップNの「水中サンドポンプ離底」から、次工程のステップOの「開閉バルブ閉」に至る詳細な工程を図11に示すステップN1からステップN6及び図8に基づいて説明する。
[ステップN1/吊支用油圧シリンダのロッドが伸長]
ステップN1に示すように、水中サンドポンプ100が孔底22aから離底することにより、吊支用油圧シリンダ60に、ゴムベルト3による吊り上げ荷重がかかるため、吊支用油圧シリンダ60のロッド61が伸長する。
[ステップN2/吊支用油圧シリンダのヘッド側にバキューム用アキュムレータから作動油を補給]
ステップN2に示すように、吊支用油圧シリンダ60のロッド61が伸長することによって、吊支用油圧シリンダ60のヘッド側は真空状態となるため、バキューム用アキュムレータ90の備蓄圧力によって作動油を補給する。吊支用油圧シリンダ60のヘッド側はバキューム状態で使用することも可能であるが、長期の使用に際してパッキンのオイル切れやパッキンの変形を起こす等の問題に対応するフェールセーフの観点からバキューム用アキュムレータ90から作動油を補給するようにしている。
[ステップN3/吊支用油圧シリンダのロッド側から排出された作動油が開閉用油圧シリンダのロッド側に流入]
ステップN3に示すように、吊支用油圧シリンダ60のロッド61が伸長することによって排出されたロッド側の作動油は、開閉用油圧シリンダ70のロッド71側に流入するとともに、余剰分が補充用アキュムレータ85に流入して貯留される。
[ステップN4/開閉用油圧シリンダのロッドが縮小]
ステップN4に示すように、吊支用油圧シリンダ60のロッド61側から開閉用油圧シリンダ70のロッド71側に流入した作動油によって、開閉用油圧シリンダ70のロッド71が縮小する。
[ステップN5/開閉用油圧シリンダのヘッド側から排出された作動油は開閉用アキュムレータに貯留]
ステップN5に示すように、開閉用油圧シリンダ70のロッド71の縮小によって排出されたヘッド側の作動油は、開閉用アキュムレータ80に貯留される。
[ステップN6/ロッドに連結したリンクを引き込む]
ステップN6に示すように、開閉用油圧シリンダ70のロッド71が縮小することによって、ロッド71の先端が固着されているリンク75の一端部を引き込む。
[ステップO/開閉バルブ閉]
ステップOに示すように、水中サンドポンプ100が孔底22aから離底することにより、前記したステップN1からステップN6の工程を経て、水中サンドポンプ100をゴムベルト3を介して吊り上げることにより、吊支用油圧シリンダ60のロッド61が伸長し、ロッド61側の作動油は排出され、開閉用油圧シリンダ70のロッド71側に流入し、ロッド71を縮小させるとともに、余剰分が補充用アキュムレータ85に流入して貯留される。そして、ロッド71が縮小することによってリンク75が引き込まれ、リンク75に連結された開閉バルブ77が閉じられる。
[ステップP/泥水噴射停止]
ステップPに示すように、開閉バルブ77が閉じられることによって、開閉バルブ77によって連通していた揚泥管40と分泥管50が遮断され、吸引管45に吸引されて揚泥管40に供給された泥水23は、分泥管50には供給されない。よって、地上において、揚泥ホース8の基端部を接続した吐出管(図示略)に装備した吐出管バルブ28を開くことによって、泥水23中に浮遊したスライム24は泥水23とともに、吸引管45に吸引され、揚泥管40,揚泥ホース8を経て地上に揚泥され、吐出管バルブ28に接続した配管31を介して排泥槽32に貯留される。
以上記載した本発明の特徴の第1は、泥水を揚泥する揚泥管の途中から分岐させた分泥管を設置し、揚泥途中の泥水を揚泥管から分泥管に分岐させて地中孔内に噴射することにより、泥水の乱流を発生させることである。特徴の第2は、発生させた泥水の乱流によって、孔底に沈殿したり孔壁に付着して残存するスライムを泥水中に浮遊させて、水中サンドポンプで吸引可能とすることである。特徴の第3は、水中サンドポンプが孔底に着底することによって、泥水の噴射動作を行い、離底することによって噴射を停止するため、泥水噴射のために特別の操作を必要としないことである。特徴の第4は、泥水の噴射を孔底において行うことによって、拡底杭の拡底部に広範囲に亘って沈殿しているスライムも浮遊させることができることである。具体的には次の通りである。
泥水を安定液として掘削を完了した地中孔内から、水中サンドポンプを使用して泥水を地上に揚泥して排出するに際して、水中サンドポンプの吸引管から吸引した泥水を地中孔内に噴射して泥水の乱流を発生させることにより、孔底に沈殿したり孔壁に付着して残存するスライムを泥水中に浮遊させ、スライムを泥水とともに吸引し、地上に揚泥して排出することができる。これにより、従来除去が困難であった孔底に沈殿したり孔壁に付着して残存するスライムを効率的に除去することが可能となり、スライム除去率の向上,残存スライムの低減を図ることができ、掘削した地中孔の孔壁測定の精度を向上させることによって、設計仕様を精確に反映させた場所打ち杭を構築することができる。特に近時施工が増大し、従来方法では除去することが困難であった拡底杭における拡底部のスライムを効果的に除去することが可能である。
地中孔へ噴射する泥水は、地上へ揚泥するために揚泥管に吸引した泥水を揚泥管から分泥管に分岐させ、分泥管に連結した噴射管の噴射ノズルから噴射する構成であり、噴射する泥水を吸引するための特別の設備を必要としない。また、吸引管を噴射管と揚泥管の間に位置するように装備しているため、地中孔に噴射する泥水を、水中サンドポンプへの泥水の吸引場所より、孔底方向において噴射することができるため、より効率的に泥水の乱流を発生させることができる。
開閉バルブの閉動作時には、従来と同様に揚泥管から地上へ泥水の排出を行う。一方、開閉バルブの開動作時には、揚泥管から地上への泥水の排出の全部を停止して、吸引した泥水の全部を分泥管に分岐させて地中孔中へ噴射するか、或いは揚泥管から地上への泥水の排出の一部を停止して吸引した泥水の一部は地上へ揚泥することによって、揚泥と噴射を同時に実施することも可能である。
泥水の噴射は水中サンドポンプが孔底に着底したことに連動して分泥管に装備した開閉バルブを開くことによって行うため、泥水噴射の効果を地中孔の拡底部を含めて孔底の全域や孔壁まで及ぼすことが可能である。また、泥水の噴射の停止を水中サンドポンプが孔底から離底することに連動して分泥管に装備した開閉バルブを閉じることによって行うため、泥水の噴射と揚泥の作業をスムーズに切り換えることができる。
即ち、泥水の噴射は水中サンドポンプの繰り出し・巻き取り操作に連動して行われるため、泥水の噴射のために特別な操作や習熟を必要とすることがない。しかも、泥水噴射の効果を地中孔の拡底部の全域や孔壁まで及ぼすことができ、泥水の噴射によってスライムを効果的に泥水中に浮遊させることができるため、より確実に孔底に沈殿したり孔壁に付着して残存するスライム、特に拡底部に残存するスライムを確実に除去することが可能である。よって、スライムが残存しやすく、かつ、その除去が困難な拡底杭の拡底部に広範囲に亘って沈殿するスライムや孔壁に付着するスライムを効率的に除去することが可能となり、地中孔内の残存スライムを低減させ、掘削した地中孔の孔壁測定の精度を向上させることによって、設計仕様を精確に反映させた場所打ち杭を構築することができる。
泥水を噴射するために分泥管内に設置した開閉バルブの開閉操作を、開閉用油圧シリンダのロッドに連結したリンクによって行うとともに、リンクを操作するための開閉用油圧シリンダのロッドの伸縮動作を、開閉用アキュムレータに貯留した作動油を開閉用油圧シリンダへ流入・流出させることによって行うようにしている。また、開閉用アキュムレータからの開閉用油圧シリンダへの作動油の流入・流出は、水中サンドポンプを吊支用油圧シリンダを介して吊支するとともに、水中サンドポンプの孔底への着底及び離底に連動して、吊支用油圧シリンダと開閉用油圧シリンダ間に作動油を移動させることによって行うようにしている。そのため、泥水の噴射及び停止を水中サンドポンプの動作に連動させて確実に行うことができる。
また、吊支用油圧シリンダと開閉用油圧シリンダとの間の作動油の移動には補充用アキュムレータを介在させてあるため、作動油の過不足が生じることがない。更に、吊支用油圧シリンダのヘッド側には、ロッドの伸縮動作に連動してバキューム用アキュムレータから作動油を流入・流出させるため、長期の使用に際してパッキンのオイル切れを起こす等の問題にも対応することができる。
1…スライム処理装置
2,100…水中サンドポンプ
3…ゴムベルト
4…旋回台
5…基台
6,16,131,132…支持ブラケット
7…ブーム
8…揚泥ホース
9…起伏用シリンダ
10…軸受部
11,18,112…支軸
12…ゴムベルト巻取ドラム
13…揚泥ホース巻取ドラム
14…ゴムベルト用シーブ
15…揚泥ホース用シーブ
17…軸受部
19…キャブタイヤ巻取ドラム
20…キャブタイヤ
21…キャブタイヤ用シーブ
22…地中孔
22a…孔底
22b…孔壁
23…泥水
24…スライム
25…ガイド
26…連結杆
28…吐出管バルブ
30…トラバーサ
31,35…配管
32…排泥槽
33…泥水槽
34…泥水供給用水中サンドポンプ
40…揚泥管
45…吸引管
46…撹拌羽根
50…分泥管
55…噴射管
57…噴射ノズル
60…吊支用油圧シリンダ
61,71…ロッド
62,72…ヘッド側の端部
70…開閉用油圧シリンダ
75…リンク
77…開閉バルブ
80…開閉用アキュムレータ
85…補充用アキュムレータ
90…バキューム用アキュムレータ
110…上フレーム
113…ソケット
120…中フレーム
130…下フレーム
140…底フレーム

Claims (18)

  1. 繰り出し・巻き取り可能に吊支した水中サンドポンプを、泥水を安定液として掘削を完了した地中孔内に挿入してスライムとともに泥水を吸引し、地上に揚泥して排出する場所打ち杭工法におけるスライム処理装置において、
    前記水中サンドポンプに、泥水を地上に揚泥するための揚泥管から分岐させた分泥管と、分泥管の先端に連結した噴射管と、分泥管の開閉バルブと、開閉バルブを開閉操作する開閉用油圧シリンダと、水中サンドポンプを吊支する吊支用油圧シリンダとを装備し、
    開閉用油圧シリンダのロッドの伸縮動作によって開閉バルブの開閉動作を行い、
    開閉バルブを開くことによって、揚泥管に吸引した泥水を分泥管を介して噴射管から地中孔内に噴射可能としたことを特徴とする場所打ち杭工法におけるスライム処理装置。
  2. 前記開閉バルブは、水中サンドポンプが孔底に着底したことに連動して開動作を行い、水中サンドポンプが孔底から離底したことに連動して閉動作を行う請求項1記載の場所打ち杭工法におけるスライム処理装置。
  3. 開閉用油圧シリンダを制御する開閉用アキュムレータを装備し、
    水中サンドポンプが孔底に着底したことに連動して、開閉用アキュムレータ内の作動油を開閉用アキュムレータ内の備蓄圧によって開閉用油圧シリンダのヘッド側に供給してロッドを伸長させ、ロッドに連結したリンクを介して開閉バルブを開くことにより、揚泥管と分泥管を連通させ、揚泥管に吸引した泥水を分泥管を介して噴射管から地中孔内に噴射する請求項1又は2記載の場所打ち杭工法におけるスライム処理装置。
  4. 開閉用油圧シリンダのロッドの伸長によって、開閉用油圧シリンダのロッド側から排出された作動油を吊支用油圧シリンダのロッド側に供給して、吊支用油圧シリンダのロッドを縮小させる請求項1,2又は記載の場所打ち杭工法におけるスライム処理装置。
  5. 水中サンドポンプが孔底から離底したことに連動して、吊支用油圧シリンダのロッドを伸長させ、吊支用油圧シリンダのロッド側から排出された作動油を開閉用油圧シリンダのロッド側に供給することによって、
    開閉用油圧シリンダのロッドを縮小させるとともに、開閉用油圧シリンダのヘッド側の作動油を開閉用アキュムレータに貯留することによって開閉バルブを閉じ、噴射管からの泥水の噴射を停止する請求項1,2,3又は記載の場所打ち杭工法におけるスライム処理装置。
  6. 吊支用油圧シリンダのヘッド側に作動油を供給し、或いはヘッド側から排出される作動油を貯留するバキューム用アキュムレータを装備し、
    水中サンドポンプの孔底への着底時には、吊支用油圧シリンダのヘッド側から排出される作動油をバキューム用アキュムレータに貯留し、
    水中サンドポンプの孔底からの離底時には、バキューム用アキュムレータ内の作動油をバキューム用アキュムレータの備蓄圧によって吊支用油圧シリンダのヘッド側に供給する請求項1,2,3,4又は記載の場所打ち杭工法におけるスライム処理装置。
  7. 開閉用油圧シリンダのロッド側の作動油と、吊支用油圧シリンダのロッド側の作動油を結ぶ管路に補充用の作動油を供給する補充用アキュムレータを装備した請求項1,2,3,4,5又は記載の場所打ち杭工法におけるスライム処理装置。
  8. 開閉バルブの閉動作時に、揚泥管から地上へ泥水の排出を行うとともに、開閉バルブの開動作時に、揚泥管から地上への泥水の排出の全部又は一部を停止する手段を具備した請求項1,2,3,4,5,6又は記載の場所打ち杭工法におけるスライム処理装置。
  9. 地中孔内の泥水をスライムとともに吸引して揚泥管に供給する吸引管を揚泥管の下部に連結した請求項1,2,3,4,5,6,7又は記載の場所打ち杭工法におけるスライム処理装置。
  10. 吸引管を噴射管と揚泥管の間に位置するように装備した請求項記載の場所打ち杭工法におけるスライム処理装置。
  11. 噴射管に複数の噴射ノズルを装備した請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9又は10記載の場所打ち杭工法におけるスライム処理装置。
  12. 噴射ノズルを方向を異にして設置した請求項11記載の場所打ち杭工法におけるスライム処理装置。
  13. 泥水を安定液として掘削を完了した地中孔内に、請求項1〜1のいずれかに記載の場所打ち杭工法におけるスライム処理装置の水中サンドポンプを挿入し、
    水中サンドポンプに吸引した泥水を地中孔内に噴射して泥水の乱流を発生させることにより、孔底に沈殿したり孔壁に付着して残存するスライムを泥水中に浮遊させ、スライムを泥水とともに吸引し、地上に揚泥して排出することを特徴とする場所打ち杭工法におけるスライム処理方法。
  14. 水中サンドポンプが孔底に着底したことを検知して、水中サンドポンプに吸引した泥水を地中孔内に噴射させるとともに、
    水中サンドポンプが孔底から離底したことを検知して泥水の地中孔内への噴射を停止し、水中サンドポンプによって泥水中に浮遊させたスライムを泥水とともに吸引する請求項13記載の場所打ち杭工法におけるスライム処理方法。
  15. 水中サンドポンプの揚泥管に吸引した泥水を、分泥管の内部に装備した開閉バルブを開動作させることによって噴射管に供給し、噴射ノズルから再び地中孔内に噴射する請求項13又は14記載の場所打ち杭工法におけるスライム処理方法。
  16. 地中孔内に噴射する泥水を、水中サンドポンプへの泥水の吸引場所より、孔底方向において噴射する請求項13,14又は15記載の場所打ち杭工法におけるスライム処理方法。
  17. 地中孔内への泥水の噴射時に、泥水の地上への揚泥の全部又は一部を停止する請求項13,14,15又は16記載の場所打ち杭工法におけるスライム処理方法。
  18. 地中孔の孔底が拡底杭を構築するための拡底である請求項13,14,15,16又は17記載の場所打ち杭工法におけるスライム処理方法。
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