JP6667020B2 - 水中サンドポンプ - Google Patents

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Description

本発明は繰り出し・巻き取り可能に吊支し、泥水を安定液として掘削を完了した地中孔内に挿入して泥水を吸引し、地上に揚泥して排出する水中サンドポンプに関し、特には建築物の基礎杭としての場所打ち杭工法において、泥水を安定液として掘削を完了した地中孔内に、泥水とともに残存するスライムを吸引して地中孔外に排出する場所打ち杭工法におけるスライム処理装置に使用するものである。
従来から建築物の基礎杭としての場所打ち杭工法として、アースドリル工法,ベノト工法,リバースサーキュレーション工法等が実施されている。これらのいずれの工法においても掘削土砂の搬出,掘削機の冷却,地下水等の噴出防止,孔壁の崩壊防止等のため、安定液として、水−ベントナイト懸濁液を主体とした泥水を地中孔内に満して掘削作業を行なっている。使用済みの泥水は劣化して比重が大きくなり、掘削によって生じた微細な泥砂等の残渣であるスライムを含んでいる。そこで、掘削完了後、次工程の生コンクリートの打設を行う前に、使用済みの泥水を新しい泥水と交換するとともに、スライムを除去する必要がある。
泥水中に浮遊しているスライムは泥水とともに吸引して除去することが可能であるが、孔底に沈澱したり、或いは孔壁に付着したままのスライムは除去することが難しく、又泥水中に浮遊しているスライムも時間とともに孔底に沈殿したり、孔壁に付着してしまう。これらのスライムが残存したままの状態では、地中孔の掘削状況を確認する超音波測定において、孔底の掘削先端部や孔壁を測定できないことがあり、所定の掘削ができているか否かを確認する上での障害となってしまうという大きな問題がある。なにより、孔底にスライムが残存したままの状態で、次工程の生コンクリートを打設して杭を構築すると、杭底と掘削した支持層との間にスライムの層が存在して、緩衝材の役割を果たすこととなるため、打設した杭が本来の性能,支持力を果たすことができないことがある。場所打ち杭工法において、スライムの除去、中でも孔底に沈殿しているスライムの除去は最も重要な課題の一つである。
そのため、従来より効果的なスライム除去手段として、繰り出し・巻き取り可能に吊支した水中サンドポンプを地中孔内に挿入し、泥水とともにスライムを吸引して除去する手段が知られている。この水中サンドポンプを使用したスライム処理では、スライムを泥水中に浮遊させ、吸引可能な状態とすることが肝要であり、従来より水中サンドポンプに付設した撹拌翼で泥水を撹拌してスライムを泥水中に浮遊させることによって吸引効率を上げることが行われている。更に、スライムを確実に除去して、荷重支持力の優れた良質の場所打ち杭を構築するために、孔底部に設置した吸引ポンプにより吸引した泥水を噴射ノズルから孔底の外周に向けて噴射することによってスライムを泥水中に浮遊させる手段(特許文献1)や、水中サンドポンプに吸引して地上へ揚泥する泥水を分岐して地中孔内へ噴射するとともに、流量調整機構によって噴射量を制御する手段も提供されている(特許文献2)。
特開2000−120067号公報 特開2011−1813号公報
水中サンドポンプに付設した撹拌翼で泥水を撹拌する手段は、撹拌範囲が限定されており、特に、杭底部が杭軸部より広がっている拡底杭の施工が増加している昨今では、スライム除去手段としての効果が疑問視されている。この点、特許文献1,2に示すような、一旦水中サンドポンプに吸引した泥水を再び地中孔内に噴射する手段は、泥水を広範囲に噴射して、孔底に沈殿したり孔壁に付着しているスライムを泥水中に浮遊させて泥水とともに吸引可能な状態とすることができるため、スライム除去手段として効果的である。
スライムは地中孔の孔底に沈殿したり孔壁に付着していることが多く、中でも孔底は泥水中のスライムが時間の経過とともに徐々に沈殿してゆくため、除去すべきスライム量が最も多く、何より泥水を噴射してスライムを泥水中に浮遊させる必要がある領域である。しかしながら、孔底に沈殿しているスライム中には、砂礫等の固形物が含まれていることもあるため、孔底近傍から泥水を吸引する場合には、ストレーナを介して所定サイズ以上の固形物の吸引は防ぐことができるものの、ストレーナのサイズを通過したスライムに含まれる砂礫等の固形物の凝集等によって泥水を噴射するために、小径に口径を絞ったノズル等が閉塞してしまうことがある。ノズル等が閉塞してしまうと、一端スライム除去作業を中断して、水中サンドポンプを地上に引き上げて、砂礫等の固形物を除去して閉塞を解消する必要があるため、作業効率に直接的に影響することとなる。
また、特許文献1,2に示すような従来の泥水噴射手段は、水中サンドポンプの繰り出し・巻き取り操作とは別に、泥水噴射の操作を必要とし、取扱が煩雑であり、スライム除去の効果を挙げるためには一定の習熟や技能の習得を必要とする。
そのため、孔底への着底時においても、孔底近傍から一定距離を離間して、砂礫等の固形物を含むことの少ない領域の泥水を吸引して孔底に噴射するとともに、水中サンドポンプの繰り出し・巻き取り操作に連動して、特別な操作や習熟を必要とすることなく孔底へ泥水を噴射して孔底に沈殿しているスライムを泥水中に浮遊させることができ、泥水噴射の効果を地中孔の拡底部の全域や孔壁まで及ぼすことにより、より確実に孔底に沈殿したり孔壁に付着して残存するスライム、特に拡底部に残存するスライムを確実に除去することが望まれている。
そこで、本発明は上記課題を解決し、孔底に沈殿したり孔壁に付着して残存するスライム、特にはスライムが残存しやすく、かつ、その除去が困難な拡底杭の拡底部におけるスライムを効率的に除去することを可能ならしめ、残存スライムを低減させ、掘削した地中孔の孔壁測定の精度を向上させることによって、設計仕様を精確に反映させた場所打ち杭を構築することができ、しかも孔底への着底時においても、孔底近傍から一定距離を離間して、砂礫等の固形物を含むことの少ない領域の泥水を吸引可能とし、更にスライム除去のための泥水の吸引と噴射の切換動作を水中サンドポンプの繰り出し・巻き取り操作に連動させることにより、特別の操作を必要とすることなく、容易に行うことができる水中サンドポンプを提供することを目的としている。
本発明はその目的を達成するために、請求項1により、繰り出し・巻き取り可能に吊支し、泥水を安定液として掘削を完了した地中孔内に挿入して泥水を吸引し、地上に揚泥して排出する水中サンドポンプにおいて、泥水を吸引する動力源として、下端に揚泥用駆動軸を装備し、上端に噴射用駆動軸を装備したモータを、噴射用駆動軸を鉛直方向の上端に、揚泥用駆動軸を鉛直方向の下端に配置して装備し、揚泥用駆動軸に連結した揚泥用インペラで吸引した泥水を、地上に揚泥するために揚泥管に供給する揚泥用吸引管を水中サンドポンプの下部に設けるとともに、噴射用駆動軸に連結した噴射用インペラで吸引した泥水を、地中孔内に噴射するために先端に噴射管を連結した給泥管に供給する噴射用吸引管を揚泥用吸引管から鉛直方向の上部に一定距離離間させて設置し、給泥管に設けた開閉バルブの開閉動作を開閉用油圧シリンダのロッドの伸縮動作によって行い、開閉バルブを開くことによって、噴射用吸引管から吸引した泥水を給泥管を介して噴射管から地中孔内に噴射可能とした水中サンドポンプを基本として提供する。
請求項2により、前記開閉バルブは、水中サンドポンプが孔底に着底したことに連動して開動作を行い、水中サンドポンプが孔底から離底したことに連動して閉動作を行う構成を提供する。
請求項3により、開閉バルブの閉動作時に、揚泥管からの地上へ泥水の排出を行うとともに、開閉バルブの開動作時に、揚泥管からの地上への泥水の排出の全部又は一部を停止する手段を具備した構成を提供する。
請求項4により、揚泥用吸引管を揚泥管の下部に連結した構成を、請求項5により、揚泥用吸引管を噴射管と揚泥管の間に位置するように装備した構成を提供する。
求項6により、噴射管に複数の噴射ノズルを装備した構成を、請求項7により、噴射ノズルを方向を異にして設置した構成を提供する。
求項により、開閉用油圧シリンダのロッドの伸長によって、開閉用油圧シリンダのロッド側から排出された作動油を吊支用油圧シリンダのロッド側に供給して、吊支用油圧シリンダのロッドを縮小させる構成を提供する。
請求項により、前記水中サンドポンプに、開閉用油圧シリンダを制御する開閉用アキュムレータを装備し、水中サンドポンプが孔底に着底したことに連動して、開閉用アキュムレータ内の作動油を開閉用アキュムレータ内の備蓄圧によって開閉用油圧シリンダのヘッド側に供給してロッドを伸長させ、ロッドに連結したリンクを介して開閉バルブを開くことにより、噴射用吸引管と噴射管を給泥管を介して連通させ、噴射用吸引管に吸引した泥水を噴射管から地中孔内に噴射する構成を提供する。
請求項10により、水中サンドポンプが孔底から離底したことに連動して、吊支用油圧シリンダのロッドを伸長させ、吊支用油圧シリンダのロッド側から排出された作動油を開閉用油圧シリンダのロッド側に供給することによって、開閉用油圧シリンダのロッドを縮小させるとともに、開閉用油圧シリンダのヘッド側の作動油を開閉用アキュムレータに貯留することによって開閉バルブを閉じ、噴射管からの泥水の噴射を停止する構成を提供する。
請求項11により、吊支用油圧シリンダのヘッド側に作動油を供給し、或いはヘッド側から排出される作動油を貯留するバキューム用アキュムレータを装備し、水中サンドポンプの孔底への着底時には、吊支用油圧シリンダのヘッド側から排出される作動油をバキューム用アキュムレータに貯留し、水中サンドポンプの孔底からの離底時には、バキューム用アキュムレータ内の作動油をバキューム用アキュムレータの備蓄圧によって吊支用油圧シリンダのヘッド側に供給する構成を、請求項12により、開閉用油圧シリンダのロッド側の作動油と、吊支用油圧シリンダのロッド側の作動油を結ぶ管路に補充用の作動油を供給する補充用アキュムレータを装備した構成を提供する。
以上記載した本発明の特徴の第1は、上端及び下端にそれぞれ駆動軸を有するとともに、該駆動軸にそれぞれインペラを連結したモータを、前記駆動軸を鉛直方向の両端に配置して装備しているため、それぞれのインペラから泥水を水中サンドポンプに吸引して取り込むことができることである。そのため、一方のインペラから吸引した泥水を地上へ揚泥し、他方のインペラから吸引した泥水を地中孔内へ噴射することができて、泥水の地上への揚泥と、泥水の地中孔内への噴射を同時に行うことができ、時間的ロスが少なく効率よく揚泥作業が可能となる。特徴の第2は、水中サンドポンプに吸引した泥水を噴射することによって発生させた泥水の乱流によって、孔底に沈殿したり孔壁に付着して残存するスライムを泥水中に浮遊させて、水中サンドポンプで吸引できることである。特徴の第3は、最もスライムの多い孔底に水中サンドポンプを接地させた状態で、泥水の噴射を行いつつ、泥水を揚泥可能であることである。特徴の第4は、地中孔内に噴射する泥水を砂礫等の固形物が含まれることが多い孔底近傍ではなく、孔底から一定距離地上方向に離間して砂礫等の固形物が含まれることが少ない領域の泥水を吸引するとともに、吸引した泥水を孔底近傍において噴射できることである。特徴の第5は、水中サンドポンプが孔底に着底することによって、泥水の噴射動作を行い、離底することによって噴射を停止するため、泥水噴射のために特別の操作を必要としないことである。特徴の第6は、泥水の噴射を孔底において行うことによって、拡底杭の拡底部に広範囲に亘って沈殿しているスライムも浮遊させることができることである。具体的には次の通りである。
泥水を安定液として掘削を完了した地中孔内から、水中サンドポンプを使用して泥水を地上に揚泥して排出するに際して、前記水中サンドポンプに、地上に揚泥する泥水を揚泥管に供給する揚泥用吸引管と、地中孔内に噴射する泥水を給泥管に供給する噴射用吸引管を独立して装備し、水中サンドポンプに噴射用吸引管から吸引した泥水を地中孔内に噴射して泥水の乱流を発生させることにより、孔底に沈殿したり孔壁に付着して残存するスライムを泥水中に浮遊させ、スライムを泥水とともに吸引し、地上に揚泥して排出することができる。これにより、従来除去が困難であった孔底に沈殿したり孔壁に付着して残存するスライムを効率的に除去することが可能となり、スライム除去率の向上,残存スライムの低減を図ることができ、掘削した地中孔の孔壁測定の精度を向上させることによって、設計仕様を精確に反映させた場所打ち杭を構築することができる。特に近時施工が増大し、従来方法では除去することが困難であった拡底杭における拡底部のスライムを効果的に除去することが可能である。
水中サンドポンプに泥水を吸引する動力源として、下端に揚泥用駆動軸を装備し、上端に噴射用駆動軸を装備したモータを、噴射用駆動軸を鉛直方向の上端に、揚泥用駆動軸を鉛直方向の下端に配置して装備し、揚泥用駆動軸に泥水を吸引する揚泥用インペラを連結するとともに、噴射用駆動軸に泥水を吸引する噴射用インペラを連結し、モータの駆動時において、揚泥用駆動軸と噴射用駆動軸は共に常時回転する構成を採用することにより、地中孔へ噴射する泥水は、地上へ揚泥するために揚泥用吸引管から揚泥管に吸引する泥水とは異なる独立したルートで噴射用吸引管から吸引した泥水を給泥管に供給し、給泥管に連結した噴射管の噴射ノズルから噴射することができる。即ち、噴射する泥水を、揚泥する泥水とは異なる箇所から吸引することができるため、水中サンドポンプの着底時において、砂礫等の固形物が含まれているスライムが沈殿していることもある孔底近傍ではなく、孔底近傍から一定距離地上方向に離間して、砂礫等の固形物が含まれることが少ない領域の泥水を吸引して、噴射に利用することができるため、孔底近傍から泥水を吸引して噴射する場合に比べてスライムに含まれる砂礫等の固形物によって泥水を噴射するノズル等が閉塞してしまうことがない。しかも揚泥用吸引管に装備した揚泥用インペラと、噴射用吸引管に装備した噴射用インペラを1つのモータで回転させることができる。
また、揚泥用吸引管を噴射管と揚泥管の間に位置するように装備しているため、地中孔に噴射する泥水を、水中サンドポンプへの泥水の吸引場所より、孔底方向において噴射することができるため、より効率的に泥水の乱流を発生させることができる。開閉バルブの閉動作時には、従来と同様に揚泥管からの地上への排出を行う。一方、開閉バルブの開動作時には、揚泥管からの地上への排出の全部を停止して地中孔中へ噴射のみを行うか、或いは揚泥管からの地上への排出の一部を停止して、揚泥と噴射を同時に実施することも可能であり、揚泥と噴射を個別に制御することができる。
泥水の噴射は水中サンドポンプが孔底に着底したことに連動して給泥管に装備した開閉バルブを開くことによって行うため、泥水噴射の効果を地中孔の拡底部の全域や孔壁まで及ぼすことが可能である。また、泥水の噴射の停止を水中サンドポンプが孔底から離底したことに連動して給泥管に装備した開閉バルブを閉じることによって行うため、泥水の噴射と揚泥の作業をスムーズに切り換えることができる。即ち、泥水の噴射は水中サンドポンプの繰り出し・巻き取り操作に連動して行われるため、泥水の噴射のために特別な操作や習熟を必要とすることがない。
しかも、泥水噴射の効果を地中孔の拡底部の全域や孔壁まで及ぼすことができ、泥水の噴射によって効果的にスライムを泥水中に浮遊させることができるため、より確実に孔底に沈殿したり孔壁に付着して残存するスライム、特に拡底部に残存するスライムを確実に除去することが可能である。よって、スライムが残存しやすく、かつ、その除去が困難な拡底杭の拡底部に広範囲に亘って沈殿するスライムや孔壁に付着するスライムを効率的に除去することが可能となり、地中孔内の残存スライムを低減させ、掘削した地中孔の孔壁測定の精度を向上させることによって、設計仕様を精確に反映させた場所打ち杭を構築することができる。
泥水を噴射するために給泥管内に設置した開閉バルブの開閉操作を、開閉用油圧シリンダのロッドに連結したリンクによって行うとともに、リンクを操作するための開閉用油圧シリンダのロッドの伸縮動作を、開閉用油圧シリンダへ開閉用アキュムレータに貯留した作動油を流入・流出させることによって行うようにしている。また、開閉用アキュムレータからの開閉用油圧シリンダへの作動油の流入・流出は、水中サンドポンプを吊支用油圧シリンダを介して吊支するとともに、水中サンドポンプの孔底への着底及び離底に連動して、吊支用油圧シリンダと開閉用油圧シリンダ間に作動油を移動させることによって行うようにしている。そのため、泥水の噴射及び停止を水中サンドポンプの動作に連動させて確実に行うことができる。
また、吊支用油圧シリンダと開閉用油圧シリンダとの間の作動油の移動には補充用アキュムレータを介在させてあるため、作動油の過不足が生じることがない。更に、吊支用油圧シリンダのヘッド側には、ロッドの伸縮動作に連動してバキューム用アキュムレータから作動油を流入・流出させるため、長期の使用に際してパッキンのオイル切れを起こす等の問題にも対応することができる。
泥水の噴射時の水中サンドポンプを示す説明図。 泥水の噴射停止時の水中サンドポンプを示す説明図。 水中サンドポンプの正面図。 水中サンドポンプの側面図。 図4のA−A矢視図。 水中サンドポンプの要部説明図。 噴射管の全体斜視図。 泥水の噴射時の水中サンドポンプの動作説明図。 泥水の噴射停止時の水中サンドポンプの動作説明図。 スライムの処理方法の工程説明図。 スライムの処理方法の工程説明図。 スライムの処理方法の工程説明図。 スライムの処理方法の説明図。 スライムの処理方法の説明図。 (a)泥水の噴射状況の説明図,(b)孔底への着底時の説明図。 スライム処理装置の全体構成図。 スライム処理装置の使用状態を示す説明図。
以下図面に基づいて本発明にかかる水中サンドポンプの実施形態を説明する。先ず、図16,図17を用いて、本発明にかかる水中サンドポンプ100を使用するスライム処理装置1の基本構成を説明する。図16はスライム処理装置1の全体構成図、図17はその使用状態を示す説明図である。なお、同図においては便宜上、本発明にかかる水中サンドポンプ100に代えて、従来の水中サンドポンプ2を図示している。同図を用いて説明するスライム処理装置1の基本構成としては、水中サンドポンプ2を繰り出し・巻き取り可能に吊支する構成にあり、この構成は本発明にかかる水中サンドポンプ100を吊支する場合においても同様である。
図において、旋回台4の上に、所定幅寸法を有して平面視が矩形状に形成された基台5が旋回自在に搭載されている。この基台5の略中央部における幅方向両端部に所定高さ寸法を有する側面視が矩形状の一対の支持ブラケット6が立設されている。この一対の支持ブラケット6の上端部の側面にそれぞれ突設した支持部6aに2本に分割形成したブーム7の基部7bが軸支されている。5aはアウトリガーであり、基台5の安定性を維持するために、基台5の角部に付設している。
前記ブーム7の中途部と支持ブラケット6の下端部の側面に設けた支持部6b間には、起伏用シリンダ9が配設されている。更に上記支持ブラケット6の上面に配置した軸受部10に支軸11が支持されていて、この支軸11に左右一対のゴムベルト巻取ドラム12と、揚泥ホース巻取ドラム13が同軸で、かつ、回転可能に配備されている。
この左右一対のゴムベルト巻取ドラム12に巻着した2本のゴムベルト3がブーム7の先端部7aに配設したゴムベルト用シーブ14に導出され、このゴムベルト用シーブ14から下方に懸垂され、先端部がアーム状のトラバーサ30に連結されて水中サンドポンプ2を吊支している。このトラバーサ30は地中孔22内に吊支した水中サンドポンプ2の水平を維持するためのものである。なお、水中サンドポンプ2を吊支する手段はゴムベルト3に限ることなく、チェーンその他の適宜の吊支手段を採用することも可能である。
8は泥水の揚泥ホースであり、揚泥ホース巻取ドラム13に巻着され、ゴムベルト用シーブ14の近傍に配設した揚泥ホース用シーブ15に導出され、この揚泥ホース用シーブ15から下方に懸垂されて、先端部が水中サンドポンプ2に連結されている。
更に前記基台5に立設した一対の支持ブラケット6よりもリヤR方向に一対の支持ブラケット16が立設されていて、この支持ブラケット16上面に配設した軸受部17に支軸18が支持され、この支軸18にキャブタイヤ巻取ドラム19が回転可能に配備されている。このキャブタイヤ巻取ドラム19に巻着した給電用のキャブタイヤ20がブーム7の先端部7aに配設したキャブタイヤ用シーブ21にまで導出されており、このキャブタイヤ用シーブ21から下方に懸垂されて、先端部が水中サンドポンプ2に装備したモータに給電可能に連結されている。
ブーム7は2本に分割形成されており、それぞれのブーム先端部7aの上面に側面視が略三角枠状のガイド25が突設されるとともに、連結杆26で連結されている。キャブタイヤ20は連結杆26に支持されてキャブタイヤ用シーブ21に導出され、ゴムベルト3はガイド25に穿設したガイド孔を通過して、ゴムベルト用シーブ14に導出されている。
スライム処理装置1は、水中サンドポンプ2を繰り出し・巻き取り可能に吊支して、泥水23を安定液として掘削を完了した地中孔22内に挿入し、地中孔22内の泥水23中に浮遊し、或いは地中孔22の孔底22aや孔壁22bに付着しているスライム24を水中サンドポンプ2によって吸引して地中孔22外に排出して除去するものである。その概要を図17に基づいて説明する。
図17に示すように、掘削を完了した地中孔22内には、掘削によって劣化するとともに、掘削によって生じた微細な泥砂等の残渣であるスライム24を含んだ安定液としての泥水23が満たされている。この地中孔22近傍の所定の位置にスライム処理装置1を設置して、旋回台4上での基台5の位置を決定し、アウトリガー5aによって姿勢を安定化させる。次に起伏用シリンダ9を駆動してブーム7の起伏動作を行い、該ブーム7の先端部7aに配設したゴムベルト用シーブ14の位置を決定してから、左右一対のゴムベルト巻取ドラム12から2本のゴムベルト3を繰り出すことにより、水中サンドポンプ2を地中孔22内の泥水の比重の高い領域、即ち劣化している領域に至るまで降下させる。この時にゴムベルト巻取ドラム12と同軸に配備した揚泥ホース巻取ドラム13から、揚泥ホース用シーブ15を介して繰り出された揚泥ホース8の先端部が水中サンドポンプ2に連結され、更にキャブタイヤ巻取ドラム19に巻着した給電用のキャブタイヤ20がキャブタイヤ用シーブ21を介して同様に繰り出される。
次に、キャブタイヤ20に給電することにより、水中サンドポンプ2に装備したモータを駆動させて、泥水23の揚泥を開始し、ゴムベルト3を地中孔22の孔底22aにまで徐々に降下させることにより、水中サンドポンプ2の働きによって泥水23中に浮遊し、或いは孔底22aに沈殿しているスライム24を泥水23とともに吸引して地上に揚泥する。更に2本のゴムベルト3を順次引き上げることによって地中孔22内の泥水23中に浮遊するスライム24を泥水23とともに吸引する。水中サンドポンプ2に吸引したスライム24を含む泥水23は、揚泥ホース8を介して地中孔22の外部へ揚泥し、スライム処理装置1に装備され、揚泥ホース8の基端部を接続した吐出管(図示略)に装備した吐出管バルブ28に接続した配管31を介して排泥槽32に貯留して最終処分を行う。よって、吐出管バルブ28の開閉動作及び開閉の程度を制御することによって、泥水23の揚泥の有無及び揚泥量を設定・管理することができる。併せて、泥水槽33から新しい泥水36を泥水供給用水中サンドポンプ34によって配管35を介して地中孔22に補充し、スライムの混入した劣化した泥水23と新規な泥水36を置換している。
本発明にかかる水中サンドポンプ100は前記した公知の水中サンドポンプ2に代えて、スライム処理装置1に繰り出し・巻き取り可能に吊支し、泥水23を安定液として掘削を完了した地中孔22内に挿入して泥水23を吸引し、地上に揚泥して排出する。以下に水中サンドポンプ100の構成を説明する。図1は泥水の噴射時の水中サンドポンプ100を示す説明図、図2は泥水の噴射停止時の水中サンドポンプ100を示す説明図、図3は水中サンドポンプ100の正面図、図4は水中サンドポンプ100の側面図、図5は図4のA−A矢視図、図6は水中サンドポンプ100の要部説明図、図7は噴射管55の全体斜視図、図8は泥水23の噴射時の水中サンドポンプ100の動作説明図、図9は泥水23の噴射停止時の水中サンドポンプ100の動作説明図である。なお、図1,図2においては説明の都合上、開閉用アキュムレータ80,補充用アキュムレータ85,バキューム用アキュムレータ90を水中サンドポンプ100の外に抜き出して図示している。また、水中サンドポンプ100以外のスライム処理装置1の構成は図16,図17に基づいて説明した構成のとおりである。
図に示すように、水中サンドポンプ100の上フレーム110の上端部に配置した主軸111に垂直方向に回動自在に軸着したアーム状のトラバーサ30の両端部に、それぞれ支軸112を介して中空のソケット113が垂直方向に回動可能に軸着されている。このソケット113の中空部にゴムベルト用シーブ14から懸垂させたゴムベルト3の先端部3aを挿入して折り返すとともに、先端部3aをソケット113の外部に導出し、ソケット113内のゴムベルト3の折返部にコッターを嵌入させてゴムベルト3を水中サンドポンプ100に固着している。このトラバーサ30は地中孔22内に吊支した水中サンドポンプ100の水平を維持するためのものである。
上フレーム110の主軸111には、吊支用油圧シリンダ60のロッド61の先端が固着されており、ヘッド側の端部62は上フレーム110の下端に固着されている。よって、水中サンドポンプ100は、ゴムベルト3を介して吊支用油圧シリンダ60によって吊支されている。この吊支用油圧シリンダ60のロッド61は、水中サンドポンプ100が地中孔22内又は中空に吊支されているときは伸長しており(図2参照)、孔底22a又は地面に設置しているときは縮小している(図1参照)。
上フレーム110の下面には中フレーム120が、中フレーム120の下面には下フレーム130が、下フレーム130の下面には底フレーム140がそれぞれ一体に連結され強度部材を構成している。底フレーム140は泥水23をスライム24とともに吸引するための揚泥用吸引管150を装備している。揚泥用吸引管150は、図6に示すように、下面に揚泥用吸引口150aを開口した中空円盤体であり、内部にスライム24とともに泥水23を吸引するための揚泥用インペラ155が回転可能に装備されて、水中サンドポンプ100の下部に設置されている。
この揚泥用吸引管150には、揚泥用インペラ155の回転によって揚泥用吸引口150aからスライム24とともに吸引した泥水23を地上に揚泥するための揚泥管40が連結されている。156は撹拌羽根であり、泥水23を撹拌してスライム24の吸引を補助するために、揚泥用吸引管150の下部に設置されている。揚泥管40は底フレーム140に支持されて鉛直方向に延設されており、上部開口部に揚泥ホース8(図16,図17参照,図1,図2では省略)が接続される。
中フレーム120には、揚泥用吸引管150とは別に独立して泥水23を吸引するための噴射用吸引管160を装備している。図6に示すように、噴射用吸引管160は、上面に噴射用吸引口160aを開口した中空円盤体であり、内部に泥水23を吸引するための噴射用インペラ165を回転可能に装備している。この噴射用吸引管160は、揚泥用吸引管150から鉛直方向に一定距離Dだけ離間させた位置関係を有するように設置されており、水中サンドポンプ100を地中孔22内に繰り出した状態において、揚泥用吸引管150は孔底22a方向に位置し、噴射用吸引管160は揚泥用吸引管150から地上方向に一定距離Dだけ離間した位置に位置することとなる。
噴射用吸引管160が揚泥用吸引管150から独立して、かつ、一定距離Dだけ離間していることによって、地中孔22内に噴射する泥水23を砂礫等の固形物が含まれることが多い孔底22a近傍ではなく、孔底22aから一定距離Dだけ地上方向に離間して砂礫等の固形物が含まれることが少ない領域の泥水23を吸引することができる。なお、図5において、167はストレーナであり、噴射用吸引管160に吸引する泥水23中に所定サイズ以上の礫等の固形物が含まれている場合に吸引を防ぐためのものである。揚泥用吸引管150にも同様のストレーナ(図示略)を装備している。
この噴射用吸引管160には、噴射用インペラ165の回転によって、ストレーナ167を介して噴射用吸引口160aから吸引した泥水23を噴射管55に供給するための給泥管50が連結されている。給泥管50は垂下して延長され、その先端に噴射管55が接続されている。また、給泥管50の内部には、リンク75によって開閉操作可能な開閉バルブ77が装備されており、この開閉バルブ77を開閉操作することにより、噴射用吸引管160と噴射管55が連通又は遮断される。
図6に示すように、泥水23を吸引して、揚泥或いは噴射する動力源として、下端に揚泥用駆動軸170aを装備し、上端に噴射用駆動軸170bを装備したモータ170を水中サンドポンプ100に装備し、揚泥用駆動軸170a,噴射用駆動軸170bを鉛直方向の両端に配置してある。そして、揚泥用吸引管150に泥水23を吸引する揚泥用インペラ155を下端の揚泥用駆動軸170aに連結するとともに、噴射用吸引管160に泥水23を吸引する噴射用インペラ165を上端の噴射用駆動軸170bに連結し、モータ170の駆動時において、揚泥用駆動軸170aと噴射用駆動軸170bは共に常時回転している。よって、モータ170は上端に噴射用駆動軸170bを、下端に揚泥用駆動軸170aを装備しているため、上端及び下端にそれぞれ駆動軸を有している。また、噴射用駆動軸170bには噴射用インペラ165を連結するとともに、揚泥用駆動軸170aには揚泥用インペラ155を連結しているため、上端及び下端の駆動軸にそれぞれインペラを連結している。そして、モータ170の駆動時には揚泥用インペラ155及び噴射用インペラ165はともに回転して、それぞれの揚泥用吸引口150a及び噴射用吸引口160aから泥水23を水中サンドポンプ100内に吸引している。なお、揚泥用インペラ155に連結した揚泥用駆動軸170aは更に延長され、先端に撹拌羽根156が連結されている。
揚泥用インペラ155の回転によって揚泥用吸引口150aからスライム24とともに揚泥用吸引管150に吸引した泥水23は、揚泥管40から揚泥ホース8を経て地上に揚泥される。一方、噴射用インペラ165の回転によって噴射用吸引口160aからスライム24とともに噴射用吸引管160に吸引した泥水23は、リンク75を操作して開閉バルブ77を開くことによって、噴射用吸引管160と噴射管55が給泥管50を介して連通するため、噴射管55から地中孔22内の泥水23中に噴射させることができる。この噴射時において、地上に設置した揚泥ホース8の基端部を接続した吐出管(図示略)に装備した吐出管バルブ28(図17参照)を開閉して、その全部又は一部閉鎖することによって、揚泥管40からの地上への揚泥の全部又は一部を停止し、地上への揚泥量を調節することもできる。
下フレーム130の所定箇所に付設した支持ブラケット131には、開閉用油圧シリンダ70のヘッド側の端部72が固着され、ロッド71の先端がリンク75の一端部に連結されている。また、リンク75の他端部は開閉バルブ77に連結されている。そのため、図1に示すように、水中サンドポンプ100が孔底22aに着底しており、開閉用油圧シリンダ70のロッド71が伸長しているときは、開閉バルブ77が開かれて、噴射用吸引管160と噴射管55が給泥管50を介して連通しており、噴射用吸引管160に吸引された泥水23は給泥管50を経て噴射管55に装備した噴射ノズル57から地中孔22内の孔底22aや孔壁22bに向けて噴射される。この噴射によって泥水23の乱流を発生させることができ、孔底22aに沈殿したり孔壁22bに付着して残存するスライム24を泥水23中に浮遊させることができる。そして、この泥水23の乱流によってスライム24を浮遊させた泥水23を、揚泥用吸引管150から吸引して地上に揚泥することによって、孔底22aに沈殿したり、孔壁22bに付着して残存しているスライム24を除去することができる。
図7は噴射管55の全体斜視図であり、給泥管50の下端部に中空円環状の噴射管55が連結されている。噴射管55には口径を絞った小径の1又は複数の噴射ノズル57が装備されており、この噴射ノズル57から所定の圧力で泥水23を噴射することによって、泥水23の乱流を地中孔22内に発生させることができる。この泥水23の乱流によって孔底22aに沈殿したり、孔壁22bに付着しているスライム24を泥水23中に浮遊させて吸引可能な状態とすることができる。なお、これらの噴射ノズル57は、泥水23の乱流発生のため、泥水23を噴射する方向、或いは設置高さを異にして設置されている。図示例では下から上向きに泥水23を噴射して乱流を発生させるように構成している。
噴射用吸引管160は揚泥用吸引管150から鉛直方向に一定距離Dだけ離間しているため、水中サンドポンプ100が孔底22aに着底し、噴射用吸引管160から吸引する泥水23は孔底22a近傍の泥水23ではなく、孔底22aから一定距離Dだけ地上方向に離間した領域の泥水23である。孔底22aに沈殿しているスライム24中には、砂礫等の固形物が含まれていることもあり、孔底22a近傍から泥水23を吸引する場合には、ストレーナ(図示略)を介したとしても、ストレーナのサイズを通過するスライム24に含まれる砂礫等の固形物を吸引してしまい、固形物の凝集等によって吸引した泥水23を噴射すると噴射ノズル等が閉塞してしまうことがあるが、噴射用吸引管160は孔底22aから地上方向に一定距離Dだけ離間しているため、泥水23やスライム24中に砂礫等の固形物が含まれていることがない。そのため、噴射ノズル57等が閉塞して、スライム処理作業が中断するおそれがない。
また、揚泥用吸引管150より孔底22a方向に噴射管55が位置しており、泥水23の吸引箇所より孔底22a方向において泥水23を噴射ノズル57から噴射するようにしている。そのため、孔底22aに沈殿したり孔壁22bに付着しているスライム24を泥水23中に浮遊させる乱流を発生させることができ、更に浮遊させたスライム24を泥水23とともに揚泥用吸引管150から効果的に吸引することができる。
一方、水中サンドポンプ100が地中孔22内に吊支されており、図2に示すように開閉用油圧シリンダ70のロッド71が縮小しているときは、給泥管50に装備した開閉バルブ77が閉じられて、噴射用吸引管160と噴射管55が給泥管50によって遮断されており、噴射用吸引管160から吸引された泥水23は噴射管55から噴射されることはない。一方、揚泥用吸引管150から吸引されたスライム24を含む泥水23は、噴射管55からの泥水23の噴射の有無とは無関係に、揚泥管40から揚泥ホース8を介して地上に揚泥される。
次に開閉用油圧シリンダ70を使用した開閉バルブ77の開閉動作について説明する。80は開閉用油圧シリンダ70を制御するための開閉用アキュムレータ、85は補充用アキュムレータ、90はバキューム用アキュムレータであり、それぞれ下フレーム130に付設した支持ブラケット132に吊支されている(図4,図5参照)。なお、開閉用アキュムレータ80,補充用アキュムレータ85,バキューム用アキュムレータ90の設置場所や設置手段は適宜の場所,手段でよく、特に限定はない。
吊支用油圧シリンダ60のロッド側と開閉用油圧シリンダ70のロッド側の作動油は、補充用アキュムレータ85を介在させて相互に移動可能である。また、吊支用油圧シリンダ60のヘッド側の作動油はバキューム用アキュムレータ90と、開閉用油圧シリンダ70のヘッド側の作動油は開閉用アキュムレータ80と、それぞれ相互に移動可能である。
開閉用アキュムレータ80,補充用アキュムレータ85,バキューム用アキュムレータ90はそれぞれ公知の構造であり、内部にはそれぞれゴム製の隔膜であるプラダ80a,85a,90aによって2室に画成されている。開閉用アキュムレータ80はプラダ80aで画成された一方が開閉用油圧シリンダ70のヘッド側に連結され、開閉用油圧シリンダ70からの作動油を貯留可能であり、他方には高圧ガスが封入されている。バキューム用アキュムレータ90はプラダ90aで画成された一方が吊支用油圧シリンダ60のヘッド側に連結され、吊支用油圧シリンダ60からの作動油を貯留可能であり、他方には高圧ガスが封入されている。補充用アキュムレータ85はプラダ85aで画成された一方が開閉用油圧シリンダ70のロッド71側及び吊支用油圧シリンダ60のロッド61側に連結され、開閉用油圧シリンダ70及び吊支用油圧シリンダ60からの作動油を貯留可能であり、他方には高圧ガスが封入されている。
図1,図8に示すように、水中サンドポンプ100が地中孔22の孔底22aに着底すると、ゴムベルト3による吊り上げ荷重がなくなるため、吊支用油圧シリンダ60はほぼ無負荷の状態となり、開閉用油圧シリンダ70のヘッド側圧力は解放される。そのため、開閉用アキュムレータ80の備蓄圧力が無負荷となった開閉用油圧シリンダ70のロッド側の圧力に打ち勝ち、開閉用アキュムレータ80から作動油が開閉用油圧シリンダ70のヘッド側に供給され、ロッド71を伸長させる。このロッド71が伸長することによって、ロッド71の先端に連結したリンク75の一端部を押し込み、リンク75の他端部に連結した開閉バルブ77を開き、給泥管50を介して噴射用吸引管160と噴射管55が連通する。即ち、開閉用油圧シリンダ70のロッド71による水平運動をリンク75によって開閉バルブ77を開閉するための回転運動に変換するものである。そのため、噴射のために水中サンドポンプ100の噴射用吸引管160に吸引された泥水23は給泥管50を介して噴射管55の噴射ノズル57から孔底22aや孔壁22bに向けて噴射される。
開閉用油圧シリンダ70のロッド71が伸長することにより排出されたロッド71側の作動油は、補充用アキュムレータ85に貯留された作動油とともに吊支用油圧シリンダ60のロッド61側に流れ込みロッド61を縮小させる。そして、ロッド61の縮小によって、吊支用油圧シリンダ60のヘッド側の作動油はバキューム用アキュムレータ90に流れ込む。
上記した開閉用油圧シリンダ70による開閉バルブ77の開動作は水中サンドポンプ100が孔底22aへ着底することに連動して、即ち、吊支用油圧シリンダ60のロッド61へのゴムベルト3を介した上方への吊り上げ力が着底によって作用しなくなり、吊支用油圧シリンダ60はほぼ無負荷の状態となることにより自動的に行われる。そのため、特別の操作を必要とすることなく、水中サンドポンプ100の繰り出し・巻き取り動作に連動して泥水23の噴射を行うことができる。
図2,図9に示すように、水中サンドポンプ100が地中孔22の孔底22aから離底することに連動して、即ち、水中サンドポンプ100をゴムベルト3を介して吊り上げることにより、吊支用油圧シリンダ60のロッド61が伸長する。このとき、吊支用油圧シリンダ60のヘッド側は真空状態となるため、バキューム用アキュムレータ90の備蓄圧力によって作動油を補給する。吊支用油圧シリンダ60のヘッド側はバキューム状態で使用することも可能であるが、長期の使用に際してパッキンのオイル切れやパッキンの変形を起こす等の問題に対応するフェールセーフの観点からバキューム用アキュムレータ90から作動油を補給するようにしている。
吊支用油圧シリンダ60のロッド61が伸長することにより、ロッド61側の作動油は排出され、補充用アキュムレータ85に流れ込んでこれを満たし、更に開閉用油圧シリンダ70のロッド71側に流入し、ロッド71を縮小させるとともに、ヘッド側の作動油を排出させて開閉用アキュムレータ80に貯留する。
開閉用油圧シリンダ70のロッド71が縮小することによって、ロッド71の先端に連結したリンク75の一端部を引き込み、リンク75の他端部に連結した開閉バルブ77を閉じて、給泥管50を介して噴射用吸引管160と噴射管55を遮断する。そのため、噴射のために水中サンドポンプ100の噴射用吸引管160に吸引された泥水23は給泥管50から噴射管55に供給されることがない。よって、吊支用油圧シリンダ60が開閉用油圧シリンダ70を操作するスイッチとしての役割を果たしているため、水中サンドポンプ100の孔底22aへの着底及び離底に連動して、泥水の噴射と停止を自動的に切り換えることができる。なお、補充用アキュムレータ85は前記した泥水の噴射と停止の動作を行う際の吊支用油圧シリンダ60のロッド側と開閉用油圧シリンダ70のロッド側の移動する作動油の増減を調節するものである。開閉用油圧シリンダ70と吊支用油圧シリンダ60の作動油は閉回路のため、外部からの作動油の補給がない。開閉用油圧シリンダ70,吊支用油圧シリンダ60のシリンダピストンにはパッキン,シールを装備しているが、作動油の漏れがゼロではなく、多少の変動がある。その変動を補充用アキュムレータ85に貯留した作動油によってカバーし、シールからの作動油の漏れに起因する圧力不足に対応するようにしている。
次に泥水23を安定液として掘削を完了した地中孔22内に、上記した構成のスライム処理装置1の水中サンドポンプ100を繰り出して挿入して、泥水23とともにスライム24を吸引し、地上に揚泥して排出する場所打ち杭工法におけるスライム処理方法について、図10に示すステップA〜ステップPの工程毎に説明する。図10〜図12はスライムの処理方法の工程説明図、図13,図14はスライムの処理方法の説明図、図15(a)は泥水の噴射状況の説明図、図15(b)は孔底への着底時の説明図である。
[ステップA/地中孔掘削完了]
ステップAとして、泥水23を安定液として、図17に示す拡底杭を構築するための所定の地中孔22の掘削を完了する。掘削を完了した地中孔22内には、掘削によって劣化するとともに、掘削によって生じた微細な泥砂等の残渣であるスライムを含んだ安定液としての泥水23が満たされている。このスライム24は泥水23中に浮遊しているとともに、時間とともに孔底22aに沈殿したり、孔壁22bに付着してしまう。
[ステップB/スライム処理装置設置]
ステップBとして、図13に示すように、水中サンドポンプ100を地中孔22内の泥水23中に繰り出し・巻き取り可能にスライム処理装置1を地中孔22の近傍の所定の位置に設置する。具体的な設置手順は図17に示す従来の水中サンドポンプ2を吊支したスライム処理装置1の設置手順と同様である。
[ステップC/水中サンドポンプ投入]
ステップCとして、左右一対のゴムベルト巻取ドラム12から2本のゴムベルト3を繰り出すことにより、図14に示すように水中サンドポンプ100を地中孔22内の泥水の比重の高い領域、即ち劣化している領域に至るまで降下させる。このとき、ゴムベルト巻取ドラム12と同軸に配備した揚泥ホース巻取ドラム13から、揚泥ホース用シーブ15を介して繰り出された揚泥ホース8の先端部が揚泥管40の上部開口部に接続され、更にキャブタイヤ巻取ドラム19に巻着した給電用のキャブタイヤ20がキャブタイヤ用シーブ21を介して同様に繰り出される。
[ステップD/水中サンドポンプ起動]
ステップDとして、図14に示す状態において水中サンドポンプ100を起動させて、揚泥用吸引管150から地中孔22内の泥水23の吸引を開始する。このとき、必要に応じて撹拌羽根156を駆動させて泥水23を撹拌する。
[ステップE/揚泥開始]
ステップEとして、揚泥用吸引管150から吸引した泥水23を揚泥管40から揚泥ホース8を介して地中孔22の外部へ揚泥し、図14に示すスライム処理装置1に装備され、揚泥ホース8の基端部を接続した吐出管(図示略)に装備した吐出管バルブ28(図17参照)に接続した配管31を介して排泥槽32に貯留して最終処分を行う。この泥水23の揚泥によって、泥水23中に浮遊しているスライム24も揚泥される。
[ステップF/新しい泥水を補給]
ステップEにおける揚泥の開始によって、地中孔22内の泥水23の量が減少するため、揚泥と併せてステップFとして、泥水槽33から新しい泥水36を泥水供給用水中サンドポンプ34によって地中孔22に補給し、地中孔22内の泥水23の量を一定に保つ。
[ステップG/水中サンドポンプ着底]
ステップEに示す揚泥及びステップFに示す新しい泥水の補給を行いつつ、ステップGに示すように、水中サンドポンプ100を揚泥作業を行いつつ、徐々に泥水23中に繰り出して行くと、やがて水中サンドポンプ100は図15(b)に示すように孔底22aに着底する。このステップGの「水中サンドポンプ着底」から、次工程のステップHの「開閉バルブ開」に至る詳細な工程を図11に示すステップG1からステップG8及び図8に基づいて説明する。
[ステップG1/吊支用油圧シリンダ無負荷状態]
ステップG1に示すように、水中サンドポンプ100が孔底22aに着底することにより、ゴムベルト3による吊り上げ荷重がなくなるため、吊支用油圧シリンダ60はほぼ無負荷の状態となる。
[ステップG2/開閉用油圧シリンダのヘッド側圧力解放]
ステップG2に示すように、吊支用油圧シリンダ60がほぼ無負荷の状態となると、開閉用油圧シリンダ70のヘッド側圧力は解放される。
[ステップG3/開閉用アキュムレータから作動油が開閉用油圧シリンダのヘッド側に流入]
ステップG3に示すように、開閉用アキュムレータ80の備蓄圧力が無負荷となった開閉用油圧シリンダ70のロッド側の圧力に打ち勝ち、開閉用アキュムレータ80から作動油が開閉用油圧シリンダ70のヘッド側に流入する。
[ステップG4/開閉用油圧シリンダのロッドが伸長]
ステップG4に示すように、開閉用油圧シリンダ70のヘッド側に流入した開閉用アキュムレータ80からの作動油によって、開閉用油圧シリンダ70のロッド71が伸長する。
[ステップG5/ロッドに連結したリンクを押し込む]
ステップG5に示すように、開閉用油圧シリンダ70のロッド71が伸長することによって、ロッド71の先端が固着されているリンク75の一端部を押し込む。
[ステップG6/開閉用油圧シリンダのロッド側から排出された作動油が吊支用油圧シリンダのロッド側に流入]
ステップG6に示すように、開閉用油圧シリンダ70のロッド71が伸長することによって、開閉用油圧シリンダ70のロッド71側から排出された作動油が吊支用油圧シリンダ60のロッド61側に流入する。
[ステップG7/吊支用油圧シリンダのロッドが縮小]
ステップG7に示すように、吊支用油圧シリンダ60のロッド61側に流入した作動油によって吊支用油圧シリンダ60のロッド61が縮小する。
[ステップG8/吊支用油圧シリンダのヘッド側から排出された作動油をバキューム用アキュムレータに貯留]
ステップG8に示すように、吊支用油圧シリンダ60のロッド61側に流入した作動油によって吊支用油圧シリンダ60のロッド61が縮小することによって、吊支用油圧シリンダ60のヘッド側から排出された作動油はバキューム用アキュムレータ90に貯留される。
[ステップH/開閉バルブ開]
水中サンドポンプ100が孔底22aに着底することにより、前記したステップG1からステップG8の工程を経て、ロッド71が伸長することによって、開閉用油圧シリンダ70のロッド71の先端に連結したリンク75の一端部を押し込み、ステップHに示すように、リンク75の他端部に連結した開閉バルブ77を開き、噴射用吸引管160と噴射管55が給泥管50を介して連通する。
[ステップI/給泥管から噴射管への泥水の供給]
ステップIに示すように、開閉バルブ77が開かれることによって、開閉バルブ77によって遮断されていた噴射用吸引管160と噴射管55が給泥管50を介して連通し、噴射用吸引管160に吸引されて給泥管50に供給された泥水23は、噴射管55にも供給される。
[ステップJ/揚泥の全部又は一部を停止]
ステップJに示すように、開閉バルブ77が開かれることに連動して、スライム処理装置1に装備され、揚泥ホース8の基端部を接続した吐出管(図示略)に装備した吐出管バルブ28を全部又は一部閉じることによって、揚泥管40から揚泥ホース8を介した地上への揚泥の全部又は一部を停止する。よって、泥水23の噴射時に揚泥用吸引管150に吸引した泥水23の揚泥を同時に行うか、揚泥を停止するかを選択することができ、又揚泥量を調節することも可能である。
[ステップK/泥水噴射]
ステップKに示すように、給泥管50から噴射管55に供給された泥水23は、噴射管55の噴射ノズル57から、孔底22aや孔壁22bに向けて噴射される。
[ステップL/乱流発生]
ステップLに示すように、噴射ノズル57から、孔底22aや孔壁22bに向けて噴射される泥水23によって、図15(a)の矢印Yに示すように、地中孔22内の泥水23に乱流が発生する。
[ステップM/スライム浮遊]
ステップMに示すように、噴射ノズル57から噴射された泥水23によって発生した乱流によって、孔底22aに沈澱したり、或いは孔壁22bに付着したままのスライム24が泥水23中に浮遊することとなり、揚泥用吸引管150によって泥水23とともに吸引することが可能な状態となる。
[ステップN/水中サンドポンプ離底]
噴射ノズル57から泥水23の噴射を所定時間継続することによって、孔底22aに沈澱したり、或いは孔壁22bに付着したままのスライム24を泥水23中に浮遊させ終えると、ゴムベルト巻取ドラム12によってゴムベルト3を巻き取ることによって、水中サンドポンプ100を地中孔22の孔底22aから離底させて上方に吊り上げる。このステップNの「水中サンドポンプ離底」から、次工程のステップOの「開閉バルブ閉」に至る詳細な工程を図12に示すステップN1からステップN6及び図9に基づいて説明する。
[ステップN1/吊支用油圧シリンダのロッドが伸長]
ステップN1に示すように、水中サンドポンプ100が孔底22aから離底することにより、吊支用油圧シリンダ60に、ゴムベルト3による吊り上げ荷重がかかるため、吊支用油圧シリンダ60のロッド61が伸長する。
[ステップN2/吊支用油圧シリンダのヘッド側にバキューム用アキュムレータから作動油を補給]
ステップN2に示すように、吊支用油圧シリンダ60のロッド61が伸長することによって、吊支用油圧シリンダ60のヘッド側は真空状態となるため、バキューム用アキュムレータ90の備蓄圧力によって作動油を補給する。吊支用油圧シリンダ60のヘッド側はバキューム状態で使用することも可能であるが、長期の使用に際してパッキンのオイル切れやパッキンの変形を起こす等の問題に対応するフェールセーフの観点からバキューム用アキュムレータ90から作動油を補給するようにしている。
[ステップN3/吊支用油圧シリンダのロッド側から排出された作動油が開閉用油圧シリンダのロッド側に流入]
ステップN3に示すように、吊支用油圧シリンダ60のロッド61が伸長することによって、排出された作動油は、開閉用油圧シリンダ70のロッド71側に流入するとともに、余剰分が補充用アキュムレータ85に流入して貯留される。
[ステップN4/開閉用油圧シリンダのロッドが縮小]
ステップN4に示すように、吊支用油圧シリンダ60のロッド61側から開閉用油圧シリンダ70のロッド71側に流入した作動油によって、開閉用油圧シリンダ70のロッド71が縮小する。
[ステップN5/開閉用油圧シリンダのヘッド側から排出された作動油は開閉用アキュムレータに貯留]
ステップN5に示すように、開閉用油圧シリンダ70のロッド71の縮小によって排出されたヘッド側の作動油は、開閉用アキュムレータ80に貯留される。
[ステップN6/ロッドに連結したリンクを引き込む]
ステップN6に示すように、開閉用油圧シリンダ70のロッド71が縮小することによって、ロッド71の先端が固着されているリンク75の一端部を引き込む。
[ステップO/開閉バルブ閉]
ステップOに示すように、水中サンドポンプ100が孔底22aから離底することにより、前記したステップN1からステップN6の工程を経て、水中サンドポンプ100をゴムベルト3を介して吊り上げることにより、吊支用油圧シリンダ60のロッド61が伸長し、ロッド61側の作動油は排出され、開閉用油圧シリンダ70のロッド71側に流入し、ロッド71を縮小させるとともに、余剰分が補充用アキュムレータ85に流入して貯留される。そして、ロッド71が縮小することによってリンク75が引き込まれることによって、リンク75に連結された開閉バルブ77が閉じられる。
[ステップP/泥水噴射停止]
ステップPに示すように、開閉バルブ77が閉じられることによって、給泥管50を介して連通していた噴射用吸引管160と噴射管55が遮断され、噴射用吸引管160に吸引されて給泥管50に供給された泥水23は、噴射管55には供給されない。よって、地上において、揚泥ホース8の基端部を接続した吐出管(図示略)に装備した吐出管バルブ28を開くことによって、泥水23中に浮遊したスライム24は泥水23とともに、揚泥用吸引管150に吸引され、揚泥管40,揚泥ホース8を経て地上に揚泥され、吐出管バルブ28に接続した配管31を介して排泥槽32に貯留される。
以上記載した本発明の特徴の第1は、上端及び下端にそれぞれ駆動軸を有するとともに、該駆動軸にそれぞれインペラを連結したモータを、前記駆動軸を鉛直方向の両端に配置して装備しているため、それぞれのインペラから泥水を水中サンドポンプに吸引して取り込むことができることである。そのため、一方のインペラから吸引した泥水を地上へ揚泥し、他方のインペラから吸引した泥水を地中孔内へ噴射することができて、泥水の地上への揚泥と、泥水の地中孔内への噴射を同時に行うことができ、時間的ロスが少なく効率よく揚泥作業が可能となる。特徴の第2は、水中サンドポンプに吸引した泥水を噴射することによって発生させた泥水の乱流によって、孔底に沈殿したり孔壁に付着して残存するスライムを泥水中に浮遊させて、水中サンドポンプで吸引できることである。特徴の第3は、最もスライムの多い孔底に水中サンドポンプを接地させた状態で、泥水の噴射を行いつつ、泥水を揚泥可能であることである。特徴の第4は、地中孔内に噴射する泥水を砂礫等の固形物が含まれることが多い孔底近傍ではなく、孔底から一定距離地上方向に離間して砂礫等の固形物が含まれることが少ない領域の泥水を吸引するとともに、吸引した泥水を孔底近傍において噴射できることである。特徴の第5は、水中サンドポンプが孔底に着底することによって、泥水の噴射動作を行い、離底することによって噴射を停止するため、泥水噴射のために特別の操作を必要としないことである。特徴の第6は、泥水の噴射を孔底において行うことによって、拡底杭の拡底部に広範囲に亘って沈殿しているスライムも浮遊させることができることである。具体的には次の通りである。
泥水を安定液として掘削を完了した地中孔内から、水中サンドポンプを使用して泥水を地上に揚泥して排出するに際して、前記水中サンドポンプに、地上に揚泥する泥水を揚泥管に供給する揚泥用吸引管と、地中孔内に噴射する泥水を給泥管に供給する噴射用吸引管を独立して装備し、水中サンドポンプに噴射用吸引管から吸引した泥水を地中孔内に噴射して泥水の乱流を発生させることにより、孔底に沈殿したり孔壁に付着して残存するスライムを泥水中に浮遊させ、スライムを泥水とともに吸引し、地上に揚泥して排出することができる。これにより、従来除去が困難であった孔底に沈殿したり孔壁に付着して残存するスライムを効率的に除去することが可能となり、スライム除去率の向上,残存スライムの低減を図ることができ、掘削した地中孔の孔壁測定の精度を向上させることによって、設計仕様を精確に反映させた場所打ち杭を構築することができる。特に近時施工が増大し、従来方法では除去することが困難であった拡底杭における拡底部のスライムを効果的に除去することが可能である。
水中サンドポンプに泥水を吸引する動力源として、下端に揚泥用駆動軸を装備し、上端に噴射用駆動軸を装備したモータを、噴射用駆動軸を鉛直方向の上端に、揚泥用駆動軸を鉛直方向の下端に配置して装備し、揚泥用駆動軸に泥水を吸引する揚泥用インペラを連結するとともに、噴射用駆動軸に泥水を吸引する噴射用インペラを連結し、モータの駆動時において、揚泥用駆動軸と噴射用駆動軸は共に常時回転する構成を採用することにより、地中孔へ噴射する泥水は、地上へ揚泥するために揚泥用吸引管から揚泥管に吸引する泥水とは異なる独立したルートで噴射用吸引管から吸引した泥水を給泥管に供給し、給泥管に連結した噴射管の噴射ノズルから噴射することができる。即ち、噴射する泥水を、揚泥する泥水とは異なる箇所から吸引することができるため、水中サンドポンプの着底時において、砂礫等の固形物が含まれているスライムが沈殿していることもある孔底近傍ではなく、孔底近傍から一定距離地上方向に離間して、砂礫等の固形物が含まれることが少ない領域の泥水を吸引して、噴射に利用することができるため、孔底近傍から泥水を吸引して噴射する場合に比べてスライムに含まれる砂礫等の固形物によって泥水を噴射するノズル等が閉塞してしまうことがない。しかも揚泥用吸引管に装備した揚泥用インペラと、噴射用吸引管に装備した噴射用インペラを1つのモータで回転させることができる。
また、揚泥用吸引管を噴射管と揚泥管の間に位置するように装備しているため、地中孔に噴射する泥水を、水中サンドポンプへの泥水の吸引場所より、孔底方向において噴射することができるため、より効率的に泥水の乱流を発生させることができる。開閉バルブの閉動作時には、従来と同様に揚泥管からの地上への排出を行う。一方、開閉バルブの開動作時には、揚泥管からの地上への排出の全部を停止して地中孔中へ噴射のみを行うか、或いは揚泥管からの地上への排出の一部を停止して、揚泥と噴射を同時に実施することも可能であり、揚泥と噴射を個別に制御することができる。
泥水の噴射は水中サンドポンプが孔底に着底したことに連動して給泥管に装備した開閉バルブを開くことによって行うため、泥水噴射の効果を地中孔の拡底部の全域や孔壁まで及ぼすことが可能である。また、泥水の噴射の停止を水中サンドポンプが孔底から離底したことに連動して給泥管に装備した開閉バルブを閉じることによって行うため、泥水の噴射と揚泥の作業をスムーズに切り換えることができる。即ち、泥水の噴射は水中サンドポンプの繰り出し・巻き取り操作に連動して行われるため、泥水の噴射のために特別な操作や習熟を必要とすることがない。
しかも、泥水噴射の効果を地中孔の拡底部の全域や孔壁まで及ぼすことができ、泥水の噴射によってスライムを効果的に泥水中に浮遊させることができるため、より確実に孔底に沈殿したり孔壁に付着して残存するスライム、特に拡底部に残存するスライムを確実に除去することが可能である。よって、スライムが残存しやすく、かつ、その除去が困難な拡底杭の拡底部に広範囲に亘って沈殿するスライムや孔壁に付着するスライムを効率的に除去することが可能となり、地中孔内の残存スライムを低減させ、掘削した地中孔の孔壁測定の精度を向上させることによって、設計仕様を精確に反映させた場所打ち杭を構築することができる。
泥水を噴射するために給泥管内に設置した開閉バルブの開閉操作を、開閉用油圧シリンダのロッドに連結したリンクによって行うとともに、リンクを操作するための開閉用油圧シリンダのロッドの伸縮動作を、開閉用油圧シリンダへ開閉用アキュムレータに貯留した作動油を流入・流出させることによって行うようにしている。また、開閉用アキュムレータからの開閉用油圧シリンダへの作動油の流入・流出は、水中サンドポンプを吊支用油圧シリンダを介して吊支するとともに、水中サンドポンプの孔底への着底及び離底に連動して、吊支用油圧シリンダと開閉用油圧シリンダ間に作動油を移動させることによって行うようにしている。そのため、泥水の噴射及び停止を水中サンドポンプの動作に連動させて確実に行うことができる。
また、吊支用油圧シリンダと開閉用油圧シリンダとの間の作動油の移動には補充用アキュムレータを介在させてあるため、作動油の過不足が生じることがない。更に、吊支用油圧シリンダのヘッド側には、ロッドの伸縮動作に連動してバキューム用アキュムレータから作動油を流入・流出させるため、長期の使用に際してパッキンのオイル切れを起こす等の問題にも対応することができる。
1…スライム処理装置
2,100…水中サンドポンプ
3…ゴムベルト
4…旋回台
5…基台
6,16,131,132…支持ブラケット
7…ブーム
8…揚泥ホース
9…起伏用シリンダ
10…軸受部
11,18,112…支軸
12…ゴムベルト巻取ドラム
13…揚泥ホース巻取ドラム
14…ゴムベルト用シーブ
15…揚泥ホース用シーブ
17…軸受部
19…キャブタイヤ巻取ドラム
20…キャブタイヤ
21…キャブタイヤ用シーブ
22…地中孔
22a…孔底
22b…孔壁
23…泥水
24…スライム
25…ガイド
26…連結杆
28…吐出管バルブ
30…トラバーサ
31,35…配管
32…排泥槽
33…泥水槽
34…泥水供給用水中サンドポンプ
40…揚泥管
50…給泥管
55…噴射管
57…噴射ノズル
60…吊支用油圧シリンダ
61,71…ロッド
62,72…ヘッド側の端部
70…開閉用油圧シリンダ
75…リンク
77…開閉バルブ
80…開閉用アキュムレータ
85…補充用アキュムレータ
90…バキューム用アキュムレータ
110…上フレーム
113…ソケット
120…中フレーム
130…下フレーム
140…底フレーム
150…揚泥用吸引管
150a…揚泥用吸引口
155…揚泥用インペラ
156…撹拌羽根
160…噴射用吸引管
160a…噴射用吸引口
165…噴射用インペラ
167…ストレーナ
170…モータ
170a…揚泥用駆動軸
170b…噴射用駆動軸

Claims (12)

  1. 繰り出し・巻き取り可能に吊支し、泥水を安定液として掘削を完了した地中孔内に挿入して泥水を吸引し、地上に揚泥して排出する水中サンドポンプにおいて、
    泥水を吸引する動力源として、下端に揚泥用駆動軸を装備し、上端に噴射用駆動軸を装備したモータを、噴射用駆動軸を鉛直方向の上端に、揚泥用駆動軸を鉛直方向の下端に配置して装備し、
    揚泥用駆動軸に連結した揚泥用インペラで吸引した泥水を、地上に揚泥するために揚泥管に供給する揚泥用吸引管を水中サンドポンプの下部に設けるとともに、
    噴射用駆動軸に連結した噴射用インペラで吸引した泥水を、地中孔内に噴射するために先端に噴射管を連結した給泥管に供給する噴射用吸引管を揚泥用吸引管から鉛直方向の上部に一定距離離間させて設置し、
    給泥管に設けた開閉バルブの開閉動作を開閉用油圧シリンダのロッドの伸縮動作によって行い、開閉バルブを開くことによって、噴射用吸引管から吸引した泥水を給泥管を介して噴射管から地中孔内に噴射可能としたことを特徴とする水中サンドポンプ。
  2. 前記開閉バルブは、水中サンドポンプが孔底に着底したことに連動して開動作を行い、水中サンドポンプが孔底から離底したことに連動して閉動作を行う請求項記載の水中サンドポンプ。
  3. 開閉バルブの閉動作時に、揚泥管からの地上へ泥水の排出を行うとともに、開閉バルブの開動作時に、揚泥管からの地上への泥水の排出の全部又は一部を停止する手段を具備した請求項又は記載の水中サンドポンプ。
  4. 揚泥用吸引管を揚泥管の下部に連結した請求項又は記載の水中サンドポンプ。
  5. 揚泥用吸引管を噴射管と揚泥管の間に位置するように装備した請求項又は記載の水中サンドポンプ。
  6. 噴射管に複数の噴射ノズルを装備した請求項1,2,3,4又は記載の水中サンドポンプ。
  7. 噴射ノズルを方向を異にして設置した請求項記載の水中サンドポンプ。
  8. 開閉用油圧シリンダのロッドの伸長によって、開閉用油圧シリンダのロッド側から排出された作動油を吊支用油圧シリンダのロッド側に供給して、吊支用油圧シリンダのロッドを縮小させる請求項1,2,3,4,5,6又は7記載の水中サンドポンプ。
  9. 前記水中サンドポンプに、
    開閉用油圧シリンダを制御する開閉用アキュムレータを装備し、
    水中サンドポンプが孔底に着底したことに連動して、開閉用アキュムレータ内の作動油を開閉用アキュムレータ内の備蓄圧によって開閉用油圧シリンダのヘッド側に供給してロッドを伸長させ、ロッドに連結したリンクを介して開閉バルブを開くことにより、噴射用吸引管と噴射管を給泥管を介して連通させ、噴射用吸引管に吸引した泥水を噴射管から地中孔内に噴射する請求項1,2,3,4,5,6,7又は8記載の水中サンドポンプ。
  10. 水中サンドポンプが孔底から離底したことに連動して、吊支用油圧シリンダのロッドを伸長させ、吊支用油圧シリンダのロッド側から排出された作動油を開閉用油圧シリンダのロッド側に供給することによって、
    開閉用油圧シリンダのロッドを縮小させるとともに、開閉用油圧シリンダのヘッド側の作動油を開閉用アキュムレータに貯留することによって開閉バルブを閉じ、噴射管からの泥水の噴射を停止する請求項記載の水中サンドポンプ。
  11. 吊支用油圧シリンダのヘッド側に作動油を供給し、或いはヘッド側から排出される作動油を貯留するバキューム用アキュムレータを装備し、
    水中サンドポンプの孔底への着底時には、吊支用油圧シリンダのヘッド側から排出される作動油をバキューム用アキュムレータに貯留し、
    水中サンドポンプの孔底からの離底時には、バキューム用アキュムレータ内の作動油をバキューム用アキュムレータの備蓄圧によって吊支用油圧シリンダのヘッド側に供給する請求項8,9又は10記載の水中サンドポンプ。
  12. 開閉用油圧シリンダのロッド側の作動油と、吊支用油圧シリンダのロッド側の作動油を結ぶ管路に補充用の作動油を供給する補充用アキュムレータを装備した請求項8,9,10又は11記載の水中サンドポンプ。
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