JP5372796B2 - スライム処理装置 - Google Patents
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Description
ところで、杭孔内に満たした泥水には、掘削土が混入し、杭孔の底部にスライムとして沈積することになる。
このスライムは、コンクリートを打設した際に、コンクリートに混入し、杭の支持力に悪影響を及ぼすため、コンクリートを打設する前に除去するようにしている。
しかし、施工する杭が拡底杭の場合には、軸部より拡径する拡底部に沈積するスライムを、底浚い用バケットで浚い取ることが困難なため、杭孔内の泥水を泥水供給ポンプを介して複数の噴射ノズルから杭孔の底部に向かって噴出することによって杭孔の底部に沈積するスライムを浮遊させ、浮遊したスライムを含む泥水を泥水排出ポンプを介して杭孔外に排出するようにしたスライム処理装置を用いる方法が採用されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
また、上記特許文献1及び2に記載のスライム処理装置は、共にスライムを含む泥水の吸引口が噴射ノズルの下方に配置されている。このような形態では、噴射ノズルから杭孔の底部に向けて泥水を噴出することによって、吸引口のまわりの泥水の流速が大きい状態となり、この泥水の流れは吸引口からの吸引によって作り出される流れよりも強いため、吸引口の付近に達したスライムが吸引されることなく通過してしまい、スライムの回収効率が低下する原因になっていた。
特に、泥水排出ポンプの吸引口の位置では泥水の流速が十分に低下しているため、泥水の流れによって集まったスライムを、泥水排出ポンプの吸引口の位置を通過することなく、確実に吸引することができる。
このスライム処理装置1は、杭孔H内の泥水を、泥水供給ポンプ3から泥水供給管21を介して環状の泥水噴射管2に供給し、この泥水噴射管2に形成した複数の噴射ノズル20から杭孔Hの底部に向かって噴出させることによって杭孔Hの底部に沈積するスライムを浮遊させ、浮遊したスライムを含む泥水を泥水排出ポンプ4を介して杭孔外に排出するようにしたスライム処理装置1において、泥水噴射管2に形成する噴射ノズル20の間隔(環状の泥水噴射管2の中心を基準にした角度間隔α)を、泥水噴射管2に供給される泥水の流れFの上流側の間隔より下流側の間隔が小さくなるように設定するようにしている。
そして、本実施例のように、泥水排出ポンプ4の吐出量を泥水供給ポンプ3の吐出量よりも大きく設定することにより、噴射力に比べて周囲に与える影響が小さくなりやすい泥水排出ポンプ4の吸引力を大きい値に保持して、泥水の流れによって集まったスライムを、泥水排出ポンプ4の吸引口41の位置を通過することなく、より確実に吸引することができる。
これにより、泥水供給ポンプ3の吸引口31にスライム等の異物が吸引させないようにすることができ、これによって、噴射ノズル20の目詰まりを防止することができる。
そして、攪拌羽根6は、泥水排出ポンプ4の駆動軸を延出して形成した回転軸6aに取り付けることによって、泥水排出ポンプ4と連動して回転駆動するようにしているが、攪拌羽根6の駆動源として、別の駆動源を設けることもできる。
泥水供給管21の泥水噴射管2に対する接続角度βは、好ましくは、45°以下、より好ましくは、30°以下(本実施例においては、約30°)に設定することが望ましい。
これにより、泥水供給ポンプ3から泥水供給管21を介して環状の泥水噴射管2に供給する際の泥水圧の低下を低減することができ、これによって、噴射ノズル20から噴射される泥水の流速を高く維持することができるようにしている。
なお、本実施例において、泥水供給管21は、泥水噴射管2の内側から、泥水噴射管2と略同一平面内で接続するようにしているが、泥水噴射管2の上方や泥水噴射管2の内側の斜め上方から接続する(この場合、泥水供給管21及び接続管32が、平面視して、環状の泥水噴射管2の内側に位置するようにする。)ようにすることもできる。
水平面に対する角度θは、泥水噴射管2の直径と杭孔Hの底部の直径との関係に合わせて、適宜設定することができるが、通常、10°〜45°程度、泥水噴射管2の直径が1900mm、杭孔Hの底部の直径が4700mmである本実施例においては、30°程度に設定するようにする。
これにより、杭孔Hの底部に沈積する広範囲のスライムを吹き上げることができる。
特に、泥水排出ポンプ4の吸引口41の位置では泥水の流速が十分に低下しているため、泥水の流れによって集まったスライムを、泥水排出ポンプ4の吸引口41の位置を通過することなく、確実に吸引することができる。
また、噴射ノズル20は、泥水噴射管2に直接開口を形成して構成するほか、別途形成したノズルヘッド(図示省略)を配設して構成することもできる。
これにより、泥水を泥水供給ポンプ3から泥水供給管21を介して環状の泥水噴射管2に供給するという簡単な構造のスライム処理装置1を用いながら、杭孔Hの底部に沈積するスライムを杭孔Hの全周に亘って均一に、かつ、確実に浮遊させることができるものとなる。
これにより、泥水供給ポンプ3によって、杭孔H内の底部より上方の泥水を吸引口31から吸引し、吸引した泥水を、接続管32及び泥水供給管21を介して、環状の泥水噴射管2に供給し、この泥水噴射管2に形成した複数の噴射ノズル20から杭孔Hの底部に向かって噴出させることによって、杭孔Hの底部、特に外周部(拡径部)に沈積しているスライムを泥水中に浮遊させるようにする。
2 環状の泥水噴射管
20 噴射ノズル
21 泥水供給管
3 泥水供給ポンプ
31 吸引口
4 泥水排出ポンプ
41 吸引口
6 攪拌羽根
H 杭孔
α 角度間隔
β 接続角度
Claims (6)
- 泥水を泥水供給ポンプから泥水供給管を介して環状の泥水噴射管に供給し、該泥水噴射管に形成した複数の噴射ノズルから杭孔の底部に向かって噴出させることによって杭孔の底部に沈積するスライムを浮遊させ、浮遊したスライムを含む泥水を泥水排出ポンプを介して杭孔外に排出するようにしたスライム処理装置において、前記泥水噴射管に形成する噴射ノズルの間隔を、泥水噴射管に供給される泥水の流れの上流側の間隔より下流側の間隔が小さくなるように設定したことを特徴とするスライム処理装置。
- 泥水を泥水供給ポンプから環状の泥水噴射管に供給する泥水供給管を、泥水噴射管に対して鋭角の角度をもって接続したことを特徴とする請求項1記載のスライム処理装置。
- スライム処理装置の装置本体の下部に、杭孔の底部の泥水を攪拌する攪拌羽根を配設したことを特徴とする請求項1又は2記載のスライム処理装置。
- 噴出ノズルから泥水を杭孔の底部の外周側に向かって噴出させるとともに、泥水排出ポンプの吸引口を、泥水噴射管よりも上方に形成したことを特徴とする請求項1、2又は3記載のスライム処理装置。
- 泥水排出ポンプの吐出量を泥水供給ポンプの吐出量よりも大きく設定したことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のスライム処理装置。
- 泥水供給ポンプの吸引口を、泥水排出ポンプの吸引口よりも上方に形成したことを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載のスライム処理装置。
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