JP6483744B2 - 内燃機関のセンサ装置配置構造 - Google Patents
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Description
本発明の目的は、センサ装置の配置自由度を増すことが可能な内燃機関のセンサ装置配置構造を提供することにある。
上記発明において、前記カバー部材(20)の周壁(20m)は、前記シャフト部材(63)に直交する水平な方向に対して傾斜した傾斜壁(20n)を備え、前記センサ本体(165)は、前記傾斜壁(20n)に取付けられていても良い。
また、上記発明において、前記内燃機関(10)は、V字を形成する一側シリンダ部(12)と他側シリンダ部(13)とを有するV型であり、前記センサ本体(165)は、クランク軸(16)の軸方向視にて、前記一側シリンダ部(12)及び前記他側シリンダ部(13)のそれぞれのシリンダ軸線(31b,41b)の間に配置されるようにしても良い。
上記発明において、シャフト部材は、カムシャフトと等速回転するので、カムシャフトの角速度等を演算するためのプログラムが複雑にならず、コストを抑えることができる。
また、上記発明において、センサ本体によって検知される被検知部材は、シャフト部材に取付けられているので、被検知部材を用いることで、シャフト部材に検知以外の機能を持たせることができる。また、シャフト部材と被検知部材とを別体にすることで、被検知部材及びシャフト部材のそれぞれの設計自由度を増すことができ、単純形状にすることが可能になる。
図1は、本発明に係る内燃機関10の左側面図である。
内燃機関10は、自動二輪車に搭載されるV型で、クランクケース11と、クランクケース11の上部から上方斜め車両前方に延びる前シリンダ部12と、クランクケース11の上部から上方斜め車両後方に延びる後シリンダ部13とを備える。前シリンダ部12と後シリンダ部13とは、V字状に配置されている。
吸気装置14は、クランクケース11内に収容されたクランク軸16の動力により駆動される過給機18を備える。過給機18は、前シリンダ部12の後面と後シリンダ部13の前面との間に出来た空間19に配置されている。
サイドカバー21の上部には、クランクケース11内のブローバイガスが通過するブリーザー室(不図示)を形成するブリーザーカバー22が取付けられている。ブリーザー室では、ブローバイガスから液状のオイルが分離される。
クランクケース11の後部には、一体的に変速機26が設けられている。変速機26は、クランクケース11の側面から側方に突出する出力軸27と、出力軸27に取付けられたドライブスプロケット28とを備える。ドライブスプロケット28は、自動二輪車の後輪側に設けられたドリブンスプロケットにチェーンを介して連結される。これにより、変速機26から後輪に駆動力が伝達される。
後シリンダ部13は,クランクケース11に順に取付けられた後シリンダブロック41、後シリンダヘッド42、後ヘッドカバー43を備える。後シリンダブロック41及び後シリンダヘッド42は、クランクケース11に複数のスタッドボルト36及びナット37で締結されている。後ヘッドカバー33は、複数のボルト38で後シリンダヘッド42に締結されている。
吸気装置14は、吸気管51,51、TBW用スロットル装置52、スロットル装置53、コネクティングチューブ57、過給機18を備える。
TBW(Throttle・by・Wire)は、自動二輪車に設けられたスロットルグリップの回動をセンサで検知し、その検知信号を導線を通じて電動モータ52aに送り、電動モータ52aでスロットルバルブを開閉するシステムである。
また、過給機18には、上流側のコネクティングチューブ(不図示)を介してエアクリーナが接続されている。
前シリンダブロック31及び後シリンダブロック41は、それぞれ内部に筒状のシリンダ31a,41aを備え、シリンダ31a,41a内にピストンが移動可能に挿入されている。シリンダ31a,41aのそれぞれの中心を通るシリンダ軸線31b,41bの成す角度は90°である。
クランクケース11には、ブリーザーカバー22の車幅方向内側に位置する一対の中間軸61,62と、クランク軸16の上方に位置する駆動軸63とが回転可能に支持されている。
クランク軸16には主駆動ギア65が設けられている。
他方の中間軸62には、第3中間ギア69にかみ合う第4中間ギア71と、第4中間ギア71よりも小径の第5中間ギア72とが設けられている。
駆動軸63には、第2中間ギア68にかみ合う副駆動ギア74と、一対の第1タイミングスプロケット76及び第2タイミングスプロケット77と、カム78とが設けられている。
前シリンダヘッド32及び後シリンダヘッド42には、それぞれカムシャフト102が回転可能に支持され、前シリンダヘッド32及び後シリンダヘッド42の各カムシャフト102にカムスプロケット82が設けられている。
第1タイミングスプロケット76と前シリンダヘッド32のカムスプロケット82とに第1タイミングチェーン83が掛けられ、第2タイミングスプロケット77と後シリンダヘッド42のカムスプロケット82とに第2タイミングチェーン84が掛けられている。
上記した主駆動ギア65、第1中間ギア67、第2中間ギア68、副駆動ギア74は、クランク軸16の回転を減速して駆動軸63に伝える減速機構87を構成する。
クランク軸16の回転が、減速機構87を介して駆動軸63に伝わるときには、回転数が1/2に減速される。即ち、クランク軸16の回転数に対して、カムシャフト102の回転数は、1/2となる。
例えば、カムシャフト102の回転数を得るために、カムシャフト102の歯数を、第1タイミングスプロケット76及び第2タイミングスプロケット77の歯数の2倍にした場合、カムスプロケット82の外径は、第1タイミングスプロケット76及び第2タイミングスプロケット77の外径よりも大きくなる。これによって、前シリンダ部12及び後シリンダ部13が大型になる。
これに対して本実施形態では、カムスプロケット82の外径を、第1タイミングスプロケット76及び第2タイミングスプロケット77の外径と同一にしている。これにより、カムスプロケット82を小径にでき、前シリンダ部12及び後シリンダ部13の小型化を図ることができる。
ACGカバー20の後部には、駆動軸63の動力を利用して作動する高圧燃料ポンプ86が取付けられている。
高圧燃料ポンプ86は、駆動軸63に設けられたカム78が回転することにより駆動される。高圧燃料ポンプ86で高圧となった燃料は、前シリンダヘッド32及び後シリンダヘッド42にそれぞれ設けられた燃料噴射弁88(一方の燃料噴射弁88のみ図示)を介して前シリンダ部12及び後シリンダ部13の各燃焼室に噴射される。
また、駆動軸63、第1タイミングスプロケット76、第2タイミングスプロケット77、第1タイミングチェーン83、第2タイミングチェーン84、一対のカムスプロケット82,82は、前シリンダ部12及び後シリンダ部13の各カムシャフト102を駆動するカムシャフト駆動機構80を構成する。カムシャフト駆動機構80は、主駆動機構70の第2中間ギア68によって駆動され、カムシャフト駆動機構80によって一対のカムシャフト102,102が駆動される。なお、第2中間ギア68は、カムシャフト駆動機構80に含まれていても良い。
上記したカムシャフト駆動機構80及び動弁装置100は、吸排気バルブを駆動する弁駆動機構89を構成する。
更に、中間軸62、第4中間ギア71、第5中間ギア72は、過給機駆動機構90を構成する。過給機駆動機構90は、主駆動機構70の第3中間ギア69によって駆動され、過給機駆動機構90によって過給機18が駆動される。なお、第3中間ギア69は、過給機駆動機構90に含まれていても良い。
また、内燃機関10は、V字を形成する一側シリンダ部としての前シリンダ部12と他側シリンダ部としての後シリンダ部13とを有するV型であり、駆動軸回転検出センサ165は、クランク軸16の軸方向視にて、前シリンダ部12及び後シリンダ部13のそれぞれのシリンダ軸線31b,41bの間に配置される。
この構成によれば、クランク軸16の軸方向視における前シリンダ部12及び後シリンダ部13のそれぞれのシリンダ軸線31b,41bの間の空間を効果的に利用することが可能である。
また、駆動軸回転検出センサ165は、クランク軸16の軸方向視にて、前シリンダ部12と重なるので、前シリンダ部12に近接するように駆動軸回転検出センサ165を配置することができ、駆動軸回転検出センサ165を内燃機関10にコンパクトに配置することができる。
クランクケース11は、車幅方向に分割された左クランクケース11L及び右クランクケース11Rからなる。
左クランクケース11Lの側面にはACGカバー20が取付けられている。ACGカバー20の周壁20m、詳しくは、周壁20mの後下がりの背面20nには、駆動軸63(図2参照)の回転数を検出する駆動軸回転検出センサ165がボルト166で取付けられている。
駆動軸回転検出センサ165は、左クランクケース11Lと合わせるためにACGカバー20に設けられた合わせ面20pに寄せて配置され、駆動軸回転検出センサ165の車幅方向内側に前シリンダ部12が位置する。
上記したように、ACGカバー20から突出する駆動軸回転検出センサ165を前シリンダ部12に寄せて配置することで、駆動軸回転検出センサ165をコンパクトに配置でき、内燃機関10の補機や内燃機関10の周囲の構造に対して干渉しにくくできる。
これに対して本実施形態では、カムシャフト102と駆動軸63との回転数が同一であるため、駆動軸63の回転数を駆動軸回転検出センサ165で検出することにより、カムシャフト102の回転数を検出することが可能である。
ACGカバー20の背面20nには、内燃機関10においては比較的大きな空間を有するため、駆動軸回転検出センサ165を配置するには好適である。
クランク軸16には、その端部に、ACゼネレーター161と、ACゼネレーター161の車幅方向内側に配置された回転円板162とが取付けられている。回転円板162は、外周縁に所定の間隔で配置された複数の突起を備える。回転円板162の突起には、回転円板162の回転数(即ち、クランク軸16の回転数)を検出するクランク軸回転検出センサ163が近接配置される。クランク軸回転検出センサ163は、ACGカバー20(図5参照)を取付けるためにクランクケース11に設けられた環状の周壁11aに貫通するように取付けられている。
回転被検出体164は、駆動軸63から半径方向外側に直線状に延びるプレートである。なお、回転被検出体164の形状を、プレート状に限らず、棒状、扇状、円板状、円板の一部を形成する形状等にしても良く、要は、駆動軸63と一体に回転して、駆動軸63が1回転する間に少なくとも1回を駆動軸回転検出センサ165によって検出できる形状であれば良い。
回転被検出体164及び駆動軸回転検出センサ165は、センサ装置169を構成する。
駆動軸63は、カムシャフト102(図2参照)と同一回転数で回転するため、駆動軸回転検出センサ165は、カムシャフト102の回転数を検出することになる。
駆動軸回転検出センサ165は、側面視で、前シリンダ部12のシリンダ軸線31bと後シリンダ部13のシリンダ軸線41bとの間に配置される。また、駆動軸回転検出センサ165は、側面視で、前シリンダ部12と重なる。このように、駆動軸回転検出センサ165は、側面視で、前シリンダ部12及び後シリンダ部13の輪郭よりも内側に配置されるため、内燃機関10の小型、コンパクト化を図ることができる。
クランク軸16は、クランクケース11(図5参照)に一対の軸受171,171を介して支持される一対のクランクジャーナル16a,16aと、クランクジャーナル16a,16aに隣接する一対のウエイト16b,16bと、一対のウエイト16b,16bを連結するクランクピン(不図示)とを備える。クランクピンには、前シリンダ部12側のコネクティングロッド173と、後シリンダ部13(図4参照)側のコネクティングロッド174とのそれぞれの一端部が揺動可能に連結されている。コネクティングロッド173,174のそれぞれの他端部には、ピストンピン(不図示)を介してピストン175が連結されている。ピストン175は、前シリンダ部12のシリンダ31a(図2参照)及び後シリンダ部13(図2参照)のシリンダ41a(図2参照)にそれぞれ移動可能に挿入されている。
中間軸61は、クランク軸16よりも車幅方向外側に突出している。中間軸61の先端部は、軸受93を介してサイドカバー21(図4参照)で支持されている。
中間軸61の第1中間ギア67は、クランク軸16の主駆動ギア65とかみ合うように車幅方向で同じ位置に配置されている。中間軸61の先端部には、クランク軸16よりも車幅方向外側に位置する第3中間ギア69が取付けられ、中間軸61において、第1中間ギア67と第3中間ギア69との間に、第1中間ギア67寄りに第2中間ギア68が配置されている。
第1中間ギア67、第2中間ギア68及び第3中間ギア69の中で、第2中間ギア68の外径が最も小さく、第3中間ギア69の外径が最も大きい。
駆動軸63において、副駆動ギア74の車幅方向内側に、第1タイミングスプロケット76(図2参照)と、第1タイミングスプロケット76よりも車幅方向外側に設けられた第2タイミングスプロケット77とが配置されている。
また、回転被検出体164は、車幅方向において、副駆動ギア74と第3中間ギア69との間であって副駆動ギア74寄りに配置されている。
この構成によれば、センサ装置169をカムシャフト102の近傍に配置する必要がなく、センサ装置169の配置自由度を増すことができる。
この構成によれば、回転被検出体164を用いることで、駆動軸63に検知以外の機能を持たせることができる。また、駆動軸63と回転被検出体164とを別体にすることで、駆動軸63及び回転被検出体164のそれぞれの設計自由度を増すことができ、単純形状にすることが可能になる。
本発明は、自動二輪車の内燃機関に適用する場合に限らず、自動二輪車以外の車両の内燃機関、あるいは、車両以外に用いられる内燃機関にも適用可能である。
12 前シリンダ部(一側シリンダ部)
13 後シリンダ部(他側シリンダ部)
16 クランク軸
31b,41b シリンダ軸線
63 駆動軸(シャフト部材)
102 カムシャフト
164 回転被検出体(被検知部材)
165 駆動軸回転検出センサ(センサ本体)
169 センサ装置
Claims (5)
- カムシャフト(102)の回転を検知するためのセンサ装置(169)を備える内燃機関のセンサ装置配置構造において、
前記内燃機関(10)は、前記カムシャフト(102)と同期回転するシャフト部材(63)を有し、
前記センサ装置(169)は、前記シャフト部材(63)側の回転部に対向するように配置されたセンサ本体(165)を備え、前記センサ本体(165)によって前記シャフト部材(63)の回転を検知し、
前記内燃機関(10)に備えるクランクケース(11)の側面にはカバー部材(20)が取付けられ、前記カバー部材(20)の周壁(20m)に前記センサ本体(165)が取付けられ、
前記センサ本体(165)によって検知される被検知部材(164)は、前記シャフト部材(63)に取付けられていることを特徴とする内燃機関のセンサ装置配置構造。 - 前記カバー部材(20)の周壁(20m)は、前記シャフト部材(63)に直交する水平な方向に対して傾斜した傾斜壁(20n)を備え、前記センサ本体(165)は、前記傾斜壁(20n)に取付けられていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のセンサ装置配置構造。
- 前記シャフト部材(63)は、前記カムシャフト(102)と等速回転することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関のセンサ装置配置構造。
- 前記内燃機関(10)は、V字を形成する一側シリンダ部(12)と他側シリンダ部(13)とを有するV型であり、前記センサ本体(165)は、クランク軸(16)の軸方向視にて、前記一側シリンダ部(12)及び前記他側シリンダ部(13)のそれぞれのシリンダ軸線(31b,41b)の間に配置されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の内燃機関のセンサ装置配置構造。
- 前記センサ本体(165)は、前記クランク軸(16)の軸方向視にて、前記一側シリンダ部(12)と重なるように配置されていることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関のセンサ装置配置構造。
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