JP2007321745A - 回転角センサを備える機械または内燃機関 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】内燃機関は、動弁装置のカム軸11により回転駆動される入力軸32を備える補機と、カム軸11と入力軸32とを連結するオルダム継手40と、カム軸11の回転位置を検出する回転角センサとを備える。オルダム継手40は、カム軸11の軸端部11bに設けられる出力側連結部41と、入力軸32の軸端部32bに設けられる入力側連結部42とから構成される。回転角センサのパルサロータ51は、出力側連結部41に設けられる。
【選択図】図5
Description
また、軸継手に潤滑油が供給される場合には、軸継手に供給された潤滑油は遠心力により飛散することから、軸継手の潤滑性を向上させるためには、軸継手に供給された潤滑油を効率的に使用することが望ましい。そして、この効率的な潤滑によって、飛散して潤滑に供されない油量を考慮して軸継手に対する給油量を増加させるべく、油路の通路面積を大きくしたり、給油箇所を多くしたりすることに伴って、油路が設けられる部材の剛性を確保するために該部材が大型化するなどにより、給油機構が大型化することを回避することも可能になる。
請求項2記載の発明は、機関弁を開閉作動させる動弁装置のカム軸により回転駆動される入力軸を備える補機と、前記カム軸と前記入力軸とを一体に回転するように連結する軸継手と、前記カム軸の回転位置を検出する回転角センサとを備える内燃機関であって、前記軸継手は、前記カム軸と一体に回転する出力側連結部と、前記入力軸と一体に回転すると共に前記出力側連結部に連結される前記入力側連結部とを備え、前記回転角センサは、前記カム軸と一体に回転するロータ要素と、前記ロータ要素の回転位置を検出するセンサ本体とを備える内燃機関において、前記出力側連結部または前記入力側連結部である継手要素と前記ロータ要素との両要素において、一方の要素が前記カム軸の軸端部または前記入力軸の軸端部に設けられ、他方の要素が前記一方の要素に設けられる内燃機関である。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の機械または請求項2記載の内燃機関において、前記ロータ要素は軸方向に延びている被検出壁を有し、前記センサ本体は前記被検出壁の回転位置に応じて前記出力軸または前記カム軸の回転位置を検出し、前記被検出壁は、前記出力側連結部および前記入力側連結部に対して径方向外方に、かつ軸方向で重なる位置に配置され、前記軸継手には潤滑油が供給されるものである。
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項記載の機械または内燃機関おいて、前記回転角センサは前記センサ本体を保持するセンサホルダを備え、前記出力側連結部および前記入力側連結部はそれぞれトルクを伝達するための係合部を有し、前記センサホルダは、前記各係合部に対して径方向外方に、かつ軸方向で前記各係合部と重なる位置に配置されるものである。
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項記載の機械または内燃機関において、前記出力側連結部および前記入力側連結部はそれぞれトルクを伝達するための係合部を有し、前記ロータ要素は、前記出力軸または前記カム軸に設けられた給油路からの潤滑油を前記各係合部に供給する油路を形成するものである。
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の出力軸に関する効果と同様に、内燃機関に備えられる動弁装置のカム軸に関して、カム軸の軸方向で内燃機関がコンパクト化され、カム軸の軸端部の周辺で軸継手および回転角センサの配置がコンパクト化される。
請求項3記載の事項によれば、軸継手に供給された潤滑油が遠心力により飛散したとしても、飛散した潤滑油の一部がロータ要素の被検出壁に衝突して、ロータ要素の径方向内方に留まる潤滑油量が増加する保油効果が奏されるので、該保油効果によりロータ要素の径方向内方に留まる潤滑油が、ロータ要素の径方向内方に位置する軸継手の各連結部を潤滑する。このため、ロータ要素の被検出壁を利用することにより、軸継手に供給された潤滑油を効率的に使用することができて、軸継手の潤滑性が向上する。
請求項4記載の事項によれば、軸継手に供給された潤滑油が遠心力により飛散したとしても、飛散した潤滑油の一部がセンサホルダに衝突して、センサホルダの径方向内方に留まる油量が増加する保油効果が奏されるので、該保油効果によりセンサホルダの径方向内方に留まる潤滑油が、センサホルダの径方向内方に位置する軸継手の係合部を潤滑する。このため、回転角センサに付随する部材であるセンサホルダを利用することにより、軸継手に供給された潤滑油を効率的に使用することができて、軸継手の潤滑性が一層向上する。
請求項5記載の事項によれば、ロータ要素を利用して係合部に潤滑油を供給する油路が形成されるので、出力側連結部および入力側連結部の形状を複雑化することなく、軸継手に供給された潤滑油を、該油路を通じて係合部に効率よく供給することができる。このため、ロータ要素を利用することにより、給油路から軸継手に供給された潤滑油を効率的に使用することができて、軸継手の潤滑性が向上する。
図1〜図3を参照すると、本発明が適用された機械としての内燃機関は、クランク軸が車幅方向を指向する横置き配置で車両に搭載される圧縮点火式の多気筒4ストローク内燃機関である。直噴型の内燃機関は、燃焼室が設けられたピストンが往復運動可能に嵌合する4つのシリンダが一列に配列されて一体成形されたシリンダブロックと、該シリンダブロックの上端面に結合されるシリンダヘッド1と、シリンダヘッド1の上端面に結合されるヘッドカバーとから構成される機械本体としての機関本体を備える。
なお、この明細書または特許請求の範囲において、軸方向は、出力軸またはカム軸の回転中心線に平行な方向であり、径方向および周方向は、該回転中心線を中心とする径方向および周方向である。また、実施形態において、上下方向は、シリンダのシリンダ軸線に平行な方向(シリンダ軸線方向)である。
そして、内燃機関は、シリンダヘッド1と前記ヘッドカバーとにより形成される動弁室内に配置される動弁装置およびカムホルダ20を備える。
前記クランク軸の回転中心線と平行な回転中心線L1,L2をそれぞれ有すると共に互いに平行に配置される両カム軸11,12は、軸方向でのシリンダヘッド1の端部1aに配置される伝動機構6を介して伝達されるクランク軸の動力により回転駆動される。両カム軸11,12の軸端部11a,12aに設けられる伝動機構6は、クランク軸の動力を吸気カム軸11に伝達するタイミングチェーンを有する第1伝動機構6aと、吸気カム軸11に伝達されたクランク軸の動力を排気カム軸12に伝達する歯車対を有する第2伝動機構6bとからなる。そして、吸気カム軸11が第1伝動機構6aを介してクランク軸の1/2の回転速度で回転し、排気カム軸12が第2伝動機構6bを介して吸気カム軸11と等速で回転することで、吸気カム軸11および排気カム軸12が前記ロッカアームを介して吸気弁および排気弁をクランク軸に同期して開閉動作させる。
ロアカムホルダ21には、シリンダ毎に、シリンダ軸線と交差する位置にシリンダ軸線とほぼ平行にシリンダヘッド1に取り付けられる燃料噴射弁4が挿入される挿入孔5が設けられる。なお、図1には、シリンダヘッド1およびロアカムホルダ21と前記ヘッドカバーとの間に設けられるシール部材29が二点鎖線で示されている。
さらに、各被検出壁51bは、軸方向で軸端部11b寄りから中間連結部43の中央部まで延びていて、軸方向で各係合部41b,42bおよび中間連結部43と重なる位置にあり、周方向で各係合部41b,42bおよび中間連結部43と部分的に重なる位置にある(図4参照)。
また、出口63c1から噴出して飛散した潤滑油の別の一部は、係合部41b,42bに衝突して、係合部41b,42bよりも径方向内方に留まってパルサロータ51内で保油される潤滑油の油量増加に寄与すると共に、衝突により係合部41b,42bに付着した潤滑油で係合部41b,42bと中間連結部43との接触部が潤滑される。それゆえ、両連結部41,42の各係合部41b,42bには、出口63c1から係合部41b,42bを指向した継手内油路63の潤滑油が供給される。
内燃機関の動弁装置の吸気カム軸11の軸端部11aに設けられる出力側連結部41に、吸気カム軸11の回転位置を検出する回転角センサ50のパルサロータ51が設けられることにより、吸気カム軸11の軸端部11aには、オルダム継手40の継手要素である出力側連結部41および回転角センサ50のロータ要素であるパルサロータ51のうちの一方である出力側連結部41のみが設けられ、他方であるパルサロータ51は出力側連結部41を利用して吸気カム軸11と一体に回転するように設けられるため、同じ軸端部11aにオルダム継手40および回転角センサ50のための両方の取付部を設ける必要がなく、しかも軸端部11a周辺でオルダム継手40および回転角センサ50が占めるスペースが節約されて、軸方向で内燃機関がコンパクト化され、軸端部11aの周辺でオルダム継手40および回転角センサ50の配置がコンパクト化される。そして、オルダム継手40および回転角センサ50がシリンダヘッド1内に配置されることから、シリンダヘッド1が小型化される。
パルサロータ51は入力側連結部42に設けられてもよい。また、パルサロータ51がカム軸11または入力軸32に設けられ、該パルサロータ51に出力側連結部41または入力側連結部42が設けられてもよく、この場合、出力側連結部41または入力側連結部42は、パルサロータ51を介してカム軸11または入力軸32に設けられることになる。そして、これらのいずれの場合にも、コンパクト化に関して前述した実施形態と同様の効果が奏される。
パルサロータ51と、出力側連結部41または入力側連結部42とが一体成形された単一の部材により構成されてもよい。
回転角センサ50は、別の型式の磁気を利用したセンサにより構成されてもよく、また光を利用したセンサにより構成されてもよい。
内燃機関において、出力軸として、カム軸の代わりにクランク軸であってもよい。
内燃機関は、火花点火式内燃機関であってもよく、また鉛直方向を指向するクランク軸を備える船外機等の船舶推進装置など、車両以外の機械に使用されるものであってもよい。
Claims (5)
- 出力軸により回転駆動される入力軸を備える被動装置と、前記出力軸と前記入力軸とを一体に回転するように連結する軸継手と、前記出力軸の回転位置を検出する回転角センサとを備える機械であって、前記軸継手は、前記出力軸と一体に回転する出力側連結部と、前記入力軸と一体に回転すると共に前記出力側連結部に連結される入力側連結部とを備え、前記回転角センサは、前記出力軸と一体に回転するロータ要素と、前記ロータ要素の回転位置を検出するセンサ本体とを備える機械において、
前記出力側連結部または前記入力側連結部である継手要素と前記ロータ要素との両要素において、一方の要素が前記出力軸の軸端部または前記入力軸の軸端部に設けられ、他方の要素が前記一方の要素に設けられることを特徴とする機械。 - 機関弁を開閉作動させる動弁装置のカム軸により回転駆動される入力軸を備える補機と、前記カム軸と前記入力軸とを一体に回転するように連結する軸継手と、前記カム軸の回転位置を検出する回転角センサとを備える内燃機関であって、前記軸継手は、前記カム軸と一体に回転する出力側連結部と、前記入力軸と一体に回転すると共に前記出力側連結部に連結される前記入力側連結部とを備え、前記回転角センサは、前記カム軸と一体に回転するロータ要素と、前記ロータ要素の回転位置を検出するセンサ本体とを備える内燃機関において、
前記出力側連結部または前記入力側連結部である継手要素と前記ロータ要素との両要素において、一方の要素が前記カム軸の軸端部または前記入力軸の軸端部に設けられ、他方の要素が前記一方の要素に設けられることを特徴とする内燃機関。 - 前記ロータ要素は軸方向に延びている被検出壁を有し、前記センサ本体は前記被検出壁の回転位置に応じて前記出力軸または前記カム軸の回転位置を検出し、前記被検出壁は、前記出力側連結部および前記入力側連結部に対して径方向外方に、かつ軸方向で重なる位置に配置され、前記軸継手には潤滑油が供給されることを特徴とする請求項1記載の機械または請求項2記載の内燃機関。
- 前記回転角センサは前記センサ本体を保持するセンサホルダを備え、前記出力側連結部および前記入力側連結部はそれぞれトルクを伝達するための係合部を有し、前記センサホルダは、前記各係合部に対して径方向外方に、かつ軸方向で前記各係合部と重なる位置に配置されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の機械または内燃機関。
- 前記出力側連結部および前記入力側連結部はそれぞれトルクを伝達するための係合部を有し、前記ロータ要素は、前記出力軸または前記カム軸に設けられた給油路からの潤滑油を前記各係合部に供給する油路を形成することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の機械または内燃機関。
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