JP6481536B2 - エンジン制御方法及びエンジン制御装置 - Google Patents
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Description
本発明は、惰性走行の終了時のクラッチ締結時に発生する燃料消費を低減することを目的とする。
(構成)
図1を参照する。車両1の内燃機関であるエンジン2の出力側には、トルクコンバータ3が設けられている。トルクコンバータ3の出力側には、ベルト式の無段階変速機4が接続されている。エンジン2から出力された回転駆動力は、トルクコンバータ3を介して無段階変速機4に入力され、所望の変速比によって変速された後に、ディファレンシャルギア5を介して駆動輪6a及び6bに伝達される。エンジン2には、エンジン始動を行うモータ7と、発電を行うオルタネータ8とが備えられている。
トルクコンバータ3は、低車速時にトルク増幅を行う。トルクコンバータ3は、ロックアップクラッチ10を有する。トルクコンバータ3は、車速が所定速度V1以上の場合、ロックアップクラッチ10を締結して、エンジン2の出力軸と無段階変速機4の入力軸との相対回転を規制する。所定速度V1は、例えば14km/h程度であってよい。
前後進切換機構11は、前進用クラッチ16及び後進用ブレーキ17を備える。前進用クラッチ16及び後進用ブレーキ17は、セカンダリプーリ13から伝達された回転を、それぞれ正方向(前進方向)及び逆方向(後進方向)に伝達するための摩擦締結要素である。前進用クラッチ16及び後進用ブレーキ17は、エンジン2の駆動力を駆動輪6a及び6bに伝達するクラッチの一例である。
また、無段階変速機4内には、エンジン2によって駆動されるオイルポンプ15が設けられている。エンジン作動時には、このオイルポンプ15を油圧源として、トルクコンバータ3のコンバータ圧やロックアップクラッチ10のクラッチ圧が供給される。
さらにエンジンコントロールユニット20には、駆動輪6a及び6bにそれぞれ設けられた車輪速センサ29a及び29bにより検出された車輪速を示す車輪速信号が入力される。以下の説明において、車輪速センサ29a及び29bを総称して「車輪速センサ29」と表記することがある。なお、車輪速センサ29は、駆動輪以外の車輪に設けられてもよい。以下、駆動輪6a及び6b及び駆動輪以外の車輪を総称して「車輪6」と表記することがある。
さらにエンジンコントロールユニット20には、エンジン2の冷却水温、エンジン2に供給される空気の吸気温度、空気流量、吸気管内絶対圧、クランク角等の信号が入力される。また、エンジンコントロールユニット20には、後述する変速機コントロールユニット30からの変速機状態信号が入力される。
ブレーキペダル21の先には、マスタシリンダ25及びマスタバック27が設けられている。このマスタバック27は、エンジン2の吸気負圧を用いてブレーキ操作力を増幅する。エンジンコントロールユニット20には、ブレーキペダル21の操作量に基づいて生じるマスタシリンダ25のマスタシリンダ圧を検出するマスタシリンダ圧センサ26からのブレーキペダル操作量信号が入力される。また、エンジンコントロールユニット20には、マスタバック27内の負圧を検出する負圧センサ28からの負圧信号が入力される。
エンジンコントロールユニット20は、上記各種信号に基づいて、後述するエンジン2の自動停止処理を実施する。
変速機コントロールユニット30は、エンジン作動状態を示すエンジン状態信号をエンジンコントロールユニット20から受信し、無段階変速機4の状態を示す変速機状態信号をエンジンコントロールユニット20へ送信する。変速機コントロールユニット30は、これら信号に基づいて、無段階変速機4の変速比等を制御する。
また、車速が所定速度V1未満のときはロックアップクラッチ10を解放しているが、所定速度V1以上のときはロックアップクラッチを締結して、エンジン2と無段階変速機4とを直結状態としている。
なお、エンジンコントロールユニット20及び変速機コントロールユニット30は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、記憶装置等のCPU周辺部品とを含むコンピュータであってよい。本明細書で説明するこれらのコンピュータの各機能は、記憶装置に格納されたコンピュータプログラムを各々のCPUが実行することによって実装される。
次に、エンジン2の自動停止処理について説明する。自動停止処理とは、所定の条件が成立した場合に、エンジンコントロールユニット20がエンジン2の自動停止と再始動を行う処理である。このため、エンジンコントロールユニット20及び変速機コントロールユニット30は、エンジン2の自動停止処理を行うエンジン制御装置31を構成する。
惰性走行制御部41は、車速が所定速度V1よりも早い速度閾値V2以上であっても、所定の第1惰性走行条件が成立する場合には、エンジン2への燃料供給を停止してエンジン2と駆動輪6a及び6bとを切り離し、その状態で車両1を走行させる。本明細書において、車速が速度閾値V2以上であり、エンジン2への燃料供給が停止し、かつエンジン2と駆動輪6a及び6bとを切り離された状態での走行を「第1惰性走行」と表記する。また、前進用クラッチ16を締結し、すなわちエンジン2と駆動輪6a及び6bとを接続しエンジン2へ燃料を供給する状態での走行を「通常走行」と表記することがある。
(1)車速が速度閾値V2以上である。速度閾値V2は30km/h程度でよい。
(2)車速が速度V3以下である。例えば、速度V3は80km/h程度でよい。
(3)アクセル操作量がゼロになってから所定時間以上経過している。例えば所定時間は2秒でよい。
(4)所定のアイドルストップ許可条件が成立する。アイドルストップ許可条件は、例えば、エンジン暖機中でなく且つバッテリ9の充電率が所定値以上であることであってよい。
エンジン制御部42は燃料噴射を停止して、エンジン2への燃料供給を停止する。また、エンジン制御部42は、電動オイルポンプ18の作動禁止命令を無段階変速機4へ出力する。エンジン2の停止によりオイルポンプ15が停止し、さらに電動オイルポンプ18が作動しないため、前後進切換機構11の前進用クラッチ16が解放される。これにより、エンジン2と駆動輪6a及び6bとが切り離される。また、ロックアップクラッチ10も解放される。
(1)車速が速度閾値V2未満である。
(2)アクセルペダル23が踏まれる。
(3)アイドルストップ許可条件が成立しない。
クラッチ制御部43は、前進用クラッチ16の入力軸及び出力軸の回転数Ri、Roが同期してから、前進用クラッチ16を締結する。このため、第1惰性走行の終了時にクラッチ制御部43は、前進用クラッチ16を解放する第1解放信号を無段階変速機4へ出力する。この結果、エンジン2が始動に伴いオイルポンプ15が作動しても、前進用クラッチ16が解放された状態が維持される。
トルク指令値設定部44は、アクセルペダル23の操作量であるアクセル開度に応じてトルク指令値の変化速度を設定する。この結果、エンジン2の始動から前進用クラッチ16の入力軸及び出力軸の回転数Ri、Roの同期完了までの目標時間とその間のトルク指令値の推移であるトルクプロファイルがアクセル開度に応じて設定される。
トルク指令値設定部44は、アクセル開度が大きいほど、より大きな目標トルクTtを設定する。この結果、アクセル開度が大きいほど、エンジン2の始動から前進用クラッチ16の入力軸及び出力軸の回転数Ri、Roの同期完了までの目標時間がより短く設定される。また、アクセル開度が大きいほど、エンジンの回転数Reの増加率が大きくなるようにトルク指令値の変化速度及びトルクプロファイルが設定される。
例えば、トルク指令値設定部44は、アクセル開度が第1の閾値より大きい場合に、車両1に要求される所定の加速性能を満足するようにトルク指令値の変化速度、目標時間及びトルクプロファイルを設定してよい。アクセル開度が大きく運転者の加速意思が推定される場合には、トルク指令値の変化速度をより高く設定して所定の加速性能を満足することにより、快適な運転性を実現することができる。
アクセル開度が第1の閾値以下で第2の閾値以上の場合には、トルク指令値設定部44は、車両1に要求される所定の加速性能を満足する値と、燃費や排気ガス排出量について要求される性能要求を満足する値との中間の値にトルク指令値の変化速度を設定してよい。
前進用クラッチ16が締結されると、トルクコンバータ3の出力軸すなわち無段階変速機4の入力軸と駆動輪6a及び6bとが接続されるため、それまでエンジン回転数Reに同期して上昇していた無段階変速機4の入力軸の回転数Rtに遅れが生じる。クラッチ制御部43は、回転数センサ19によって検出された無段階変速機4の入力軸の回転数Rtがエンジン回転数Reに追いつき、両者が同期したか否かを判定する。無段階変速機4の入力軸の回転数Rtとエンジン回転数Reとが同期した時、クラッチ制御部43は、ロックアップクラッチ10を締結する第2締結信号をトルクコンバータ3へ出力する。以上により、第1惰性走行後のエンジン再始動及びクラッチの再締結が完了する。
(1)ブレーキペダル操作量が所定値以上である。
(2)アクセルペダル操作量がゼロである。
(3)アイドルストップ許可条件が成立する。
第2惰性走行条件が成立する場合に、惰性走行制御部41は、エンジン停止命令をエンジン制御部42に出力する。エンジン2の自動停止時には、無段階変速機4は電動オイルポンプ18を作動させ、前後進切換機構11の前進用クラッチ16の締結を維持する。これにより、エンジン2と駆動輪6a及び6bとの接続が維持される。なお、第2惰性走行は減速燃料カット制御の後に始まるため、第2惰性走行中の車速は所定速度V1より遅い。
(1)マスタバック27内の負圧が所定値未満である。
(2)アイドルストップ許可条件が成立しない。
第2終了条件が成立すると、惰性走行制御部41は、再始動命令をエンジン制御部42に出力する。
以上のように、惰性走行制御部41は、第1惰性走行及び第2惰性走行によりエンジン停止機会を増やすことにより、車両1の燃費を向上させることができる。
次に、エンジン制御装置31の処理の一例を説明する。図3を参照する。ステップS10において惰性走行制御部41は、第1終了条件が成立するか否かを判定する。第1惰性走行条件が成立する場合(ステップS10:Y)に処理はステップS11へ進む。第1惰性走行条件が成立しない場合(ステップS10:N)に処理は終了する。
ステップS11においてエンジン制御部42は、エンジン2を再始動する。クラッチ制御部43は、前進用クラッチ16及びロックアップクラッチ10を解放する第1解放信号及び第2解放信号を無段階変速機4及びトルクコンバータ3へ予め出力し、前進用クラッチ16及びロックアップクラッチ10が解放された状態を維持する。
ステップS15においてクラッチ制御部43は、前進用クラッチ16の入力軸及び出力軸の回転数Ri、Roが同期したか否かを判定する。入力軸及び出力軸の回転数Ri、Roが同期した場合(ステップS15:Y)に処理はステップS16へ進む。入力軸及び出力軸の回転数Ri、Roが同期していない場合(ステップS15:N)に処理はステップS13に戻る。
ステップS16においてクラッチ制御部43は、前進用クラッチ16を締結する。その後、無段階変速機4の入力軸の回転数Rtとエンジン回転数Reとが同期した時、クラッチ制御部43は、ロックアップクラッチ10を締結する。
また、図4の(d)において、実線51及び破線52はアクセル開度が比較的大きい場合のエンジン回転数Re及び無段階変速機4の入力軸の回転数Rtを示す。点線53及び二点鎖線54は、アクセル開度が比較的小さい場合のエンジン回転数Re及び回転数Rtを示す。
また、図4の(e)において、実線55及び破線56は、アクセル開度が比較的大きい場合の前進用クラッチ16の入力軸の回転数Ri及び出力軸の回転数Roを示す。点線57及び二点鎖線58は、アクセル開度が比較的小さい場合の前進用クラッチ16の入力軸の回転数Ri及び出力軸の回転数Roを示す。
まず始めに、アクセル開度が比較的大きい場合の動作について説明する。
図4の(c)に示すようにエンジン制御部42は、時刻t1から時刻t2の間にモータ7を作動させ、図4の(h)に示すようにスロットルを開けて燃料噴射を再開する。この結果、エンジン2が再始動する。
前進用クラッチ16を締結する前の時刻t3において、エンジン制御部42のパラメータ制御部45は、図4の(h)及び図4の(i)に示すようにスロットル開度と低減するとともに点火時期を遅らせる。これにより、エンジントルクを低下させ、回転イナーシャトルクによるショックを低減させることができる。
時刻t6において前進用クラッチ16の締結が完了すると、無段階変速機4の入力軸と駆動輪6a及び6bとが接続されるため、図4の(d)に示すようにエンジン回転数Reの上昇に比べて、無段階変速機4の入力軸の回転数Rtの上昇が遅れる。その後、時刻t9において無段階変速機4の入力軸の回転数Rtがエンジン回転数Reに追いつき、両者が同期すると、図4の(j)に示すようにクラッチ制御部43はロックアップクラッチ10を締結する。
図4の(c)に示すようにエンジン制御部42は、時刻t1から時刻t2の間にモータ7を作動させ、図4の(h)に示すようにスロットルを開けて燃料噴射を再開して、エンジン2を再始動する。トルク指令値設定部44は、アクセル開度が大きい場合のトルク指令値の変化速度よりも低くなるようにトルク指令値の変化速度を設定するため、スロットル開度は、アクセル開度が大きい場合よりも小さくなる。
前進用クラッチ16を締結する前の時刻t4においてエンジン制御部42のパラメータ制御部45は、図4の(h)及び図4の(i)に示すようにスロットル開度と低減するとともに点火時期を遅らせて、回転イナーシャトルクによるショックを低減させる。
その後、時刻t9よりも遅い時刻t10において、無段階変速機4の入力軸の回転数Rtとエンジン回転数Reが同期すると、図4の(j)に示すようにクラッチ制御部43はロックアップクラッチ10を締結する。
(1)アクセルペダル開度センサ24は、運転者が操作して車両1の駆動力を指示する操作子であるアクセルペダル23の操作量を検出する。トルク指令値設定部44は、車両1のエンジン2への燃料供給を停止して走行する第1惰性走行の終了時にエンジン2の駆動力を駆動輪に伝達する前進用クラッチ16の入力軸及び出力軸の回転数Ri、Roを同期させるためのエンジン2のトルク指令値の変化速度を、検出した操作量に応じて設定する。このため、アクセルペダル23の操作量に応じて前進用クラッチ16の入力軸及び出力軸の回転数Ri、Roを同期させるためのエンジン2のトルク指令値の変化速度を調整できるので、第1惰性走行の終了時のクラッチ締結時に発生する燃料消費を低減できる。
なお、トルク指令値設定部44は、第1惰性走行中にアクセルペダル23の操作が検出されてからモータ7によりエンジン2の再始動が完了するまでの何れかに時点にアクセルペダル開度センサ24が検出したアクセルペダル23の操作量に基づいてトルク指令値の変化速度を設定してよい。
(3)トルク指令値設定部44は、エンジン2の始動から前進用クラッチ16の入力軸及び出力軸の回転数Ri、Roの同期完了までのトルク指令値の推移であるプロファイルを、検出したアクセルペダル23の操作量に応じて設定する。このため、設定されたプロファイルに従ってエンジン2を制御するために要する燃料消費がアクセルペダル23の操作量に応じて変わるので、第1惰性走行の終了時のクラッチ締結時に発生する燃料消費を低減できる。
(5)トルク指令値設定部44は、アクセルペダル23の操作量が所定量以上の場合に、車両1に要求される所定の加速性能を満足するように目標時間を設定する。このため、操作量が所定量以上であり、運転者の加速意思が推定される場合には、トルク指令値の変化速度をより高く設定して所定の加速性能を満足することにより、快適な運転性を実現することができる。
運転者がブレーキペダル21を操作した場合も、運転者が加速意思を持たず、高い加速性能は要求されないと推定できる。したがって、トルク指令値設定部44は、運転者が操作して車両1の制動力を指示する第2の操作子であるブレーキペダル21が操作された場合にブレーキペダル21が操作されない場合よりも回転数の増加率が小さくなるようにトルク指令値の変化速度を設定してよい。
例えば、ブレーキペダル21が操作された結果、車速が速度閾値V2未満になり第1終了条件が成立し、第1惰性走行が終了する場合を想定する。第1惰性走行が終了すると、エンジン2が再始動され、エンジン回転数Reを上昇させて前進用クラッチ16の入力軸及び出力軸の回転数Ri、Roを同期させる。トルク指令値設定部44は、エンジン回転数Reの上昇に用いる目標トルクTtを、例えば、燃費や排気ガス排出量について車両1に要求される所定の性能要求を満足するように定められた固定値に設定してよい。
ステップS22においてトルク指令値設定部44は、ブレーキペダル21が操作されたか否かを判定する。例えばトルク指令値設定部44は、ブレーキペダル21の操作によって第1終了条件が成立したか否か、すなわちブレーキペダル21の操作によって第1惰性走行が終了したか否かを判定する。ブレーキペダル21が操作された場合(ステップS22:Y)に処理はステップS28へ進む。ブレーキペダル21が操作された場合(ステップS22:N)に処理はステップS23へ進む。
ステップS28においてトルク指令値設定部44は、ブレーキペダル21が操作されない場合に設定される目標トルクよりも小さな目標トルクを設定する。その後処理はステップS24へ進む。
第1変形例によれば、運転者が操作して車両1の制動力を指示する第2の操作子であるブレーキペダル21の操作が検出される。トルク指令値設定部44は、ブレーキペダル21が操作された場合にブレーキペダル21が操作されない場合よりも回転数の増加率が小さくなるようにトルク指令値の変化速度を設定する。このため、ブレーキペダル21が操作され運転者が加速意思を持たないと推定される場合には、トルク指令値の変化速度をより低く設定することにより、第1惰性走行の終了時のクラッチ締結時に発生する燃料消費を低減できる。
カーブ路走行中にクラッチが締結され車両1の挙動が変化すると、スリップ等が発生して車両挙動が不安定になるおそれがある。したがって、第1惰性走行の終了時の車両1の進路の先にカーブが存在する場合には、前進用クラッチ16の締結を早期に完了することが望ましい。
このため、第2変形例のトルク指令値設定部44は、第1惰性走行の終了時の車両1の進路の先にカーブを検出した場合には、カーブを検出しない場合と比べて、エンジン回転数Reの増加率が大きくなるようにトルク指令値の変化速度を設定する。
例えばトルク指令値設定部44は、第1惰性走行の終了時にカーブを検出した場合に実際のアクセル開度に関わらず目標トルクTtを上限値に設定してもよい。すなわち、第1惰性走行の終了時にカーブを検出した場合の目標トルクTtを、実際のアクセル開度と無関係な値に設定してよい。また、例えば、カーブが検出されアクセル開度が値A1である場合に設定される目標トルクが、アクセル開度が値A1より大きな値A2でありカーブが検出されない場合に設定される目標トルクよりも大きくてもよい。
エンジンコントロールユニット20には、ステアリングホイール61の操舵角信号が操舵角センサ62から入力される。トルク指令値設定部44は、ステアリングホイール61の操舵角位置と中立位置との差が所定の閾値を超えた場合に、車両1の進路の先のカーブを検出してよい。
第1惰性走行の終了時にエンジンブレーキを使用する場合には、前進用クラッチ16の締結を早期に完了することが望ましい。このため、第3変形例のトルク指令値設定部44は、第1惰性走行の終了時に運転者がエンジンブレーキを使用する意図を有しているかを判断する。エンジンブレーキを使用する意図がある場合には、エンジンブレーキを使用する意図がない場合と比べて、エンジン回転数Reの増加率が大きくなるようにトルク指令値の変化速度を設定する。
第1惰性走行の終了時の車両1の走行路が上り坂である場合には、車両1の減速を防止するために前進用クラッチ16の締結を早期に完了することが望ましい。このため、第4変形例のトルク指令値設定部44は、第1惰性走行の終了時の車両1の走行路が上り坂である場合には、走行路が上り坂でない場合と比べて、エンジン回転数Reの増加率が大きくなるようにトルク指令値の変化速度を設定する。
図6を参照する。車両1は、車両1の鉛直方向の移動を検出する鉛直移動センサ64を備える。鉛直移動センサ64は、車両1の水平面と垂直な方向の加速度を積分することにより、車両1の鉛直方向の移動を検出する。トルク指令値設定部44は、車両1が上昇中である場合に、車両1の走行路が上り坂であると判定する。
トルク指令値設定部44は、アクセル開度に加えて又は代えてアクセル開度の速度に基づいて運転者の加速意図の強度を検出してよい。トルク指令値設定部44は、運転者の加速意図の強度に応じて、エンジン回転数Reを上昇させて前進用クラッチ16の入力軸及び出力軸の回転数Ri、Roを同期させるためのトルク指令値の変化速度を設定してもよい。
エンジン制御装置31は、無段階変速機4の以外の形式の自動変速機を採用した車両にも適用することができる。例えば、エンジン制御装置31は、平行軸歯車式の自動変速機を採用した車両にも適用することができる。また、エンジン制御装置31は、駆動源として内燃機関のみを備える車両にもハイブリッド車両にも適用することができる。
また、第1惰性走行時にエンジン制御部42は、電動オイルポンプ18の作動禁止命令の代わりに、前進用クラッチ16が積極的に解放する第1解放信号を無段階変速機4へ出力してもよい。
Claims (6)
- 運転者が操作して車両の駆動力を指示する操作子の操作量を検出し、
前記車両のエンジンへの燃料供給を停止して走行する惰性走行の終了時に前記エンジンの駆動力を駆動輪に伝達するクラッチの入力軸及び出力軸の回転数を同期させるための前記エンジンのトルク指令値の変化速度を、前記操作量が大きいほど前記エンジンの回転数の増加率が大きくなるように設定する
ことを特徴とするエンジン制御方法。 - 前記エンジンの始動から前記入力軸及び前記出力軸の回転数の同期完了までの目標時間が、検出した前記操作量に応じて設定されることを特徴とする請求項1に記載のエンジン制御方法。
- 前記エンジンの始動から前記入力軸及び前記出力軸の回転数の同期完了までの前記トルク指令値の推移であるプロファイルが、検出した前記操作量に応じて設定されることを特徴とする請求項1に記載のエンジン制御方法。
- 前記操作量が所定量以上の場合に、前記車両に要求される所定の加速性能を満足するように前記目標時間が設定されることを特徴とする請求項2に記載のエンジン制御方法。
- 前記運転者が操作して前記車両の制動力を指示する第2の操作子の操作を検出し、
前記第2の操作子が操作された場合に前記第2の操作子が操作されない場合よりも回転数の増加率が小さくなるように前記トルク指令値の変化速度を設定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のエンジン制御方法。 - 運転者が操作して車両の駆動力を指示する操作子の操作量を検出するセンサと、
前記車両のエンジンへの燃料供給を停止して走行する惰性走行の終了時に前記エンジンの駆動力を駆動輪に伝達するクラッチの入力軸及び出力軸の回転数を同期させるための前記エンジンのトルク指令値の変化速度を、前記操作量が大きいほど前記エンジンの回転数の増加率が大きくなるように設定するコントローラと、
を備えることを特徴とするエンジン制御装置。
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