JP6481300B2 - ポリエステル樹脂 - Google Patents

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Description

本発明は、色調、耐熱性に優れるポリエステル樹脂に関する。さらに詳しくは、混練後樹脂の透明性に優れたポリエステル樹脂に関する。
ポリブチレンテレフタレートのような結晶性ポリエステルをハード成分とする熱可塑性ポリエステル樹脂は、柔軟性、反発性、弾性回復性のようなゴム的性質、低温および高温特性、耐水性、耐薬品性などに優れ、射出成形や押出成形といった成形加工が可能であるため、自動車部品および電子電気用途などへ用途を拡大している。しかしながら、これらのポリエステル樹脂はハード成分に結晶性を持つため、大量のハード成分を有したポリエステル樹脂は結晶量が多いため、高い耐熱性を有するが透明性が低い。一方で、少量のハード成分を有したポリエステル樹脂は、結晶量が少ないため、透明性は高いが耐熱性が低い。透明性、耐熱性は結晶量の観点から二律背反の関係であり、両立させるのが極めて困難である。しかし、この二つを両立させることで透明なポリエステル樹脂として幅広い展開が可能となる。
熱可塑性ポリエステル樹脂に透明性を付与する方法として、他成分を共重合する方法が知られている。(例えば特許文献1、2など)。他成分を共重合すると、透明性は向上する。しかし、他成分を共重合することで、その樹脂が持つ耐熱性は、共重合成分量の増加に伴い低下する。
また、従来チタン化合物を触媒として使用すると黄色味を帯び、色調にやや問題があった。特許文献3には、触媒系にマグネシウム化合物を使用することで、色調の優れた樹脂を製造している。自動車部品、電子電気用途に必要な耐熱性を有するが、透明性を持ち合わせていない。
汎用のポリエステル樹脂で、色調、耐熱性に優れるのみならず、混練後樹脂の透明性に優れたポリエステル樹脂の提供が要望されている。
特開平10−338736号公報 特開2007−191506号公報 特開2000−191758号公報
本発明の目的は、色調、耐熱性に優れるのみならず、混練後に優れた透明性を示すポリエステル樹脂を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明者等は鋭意検討し、以下の発明を提案するに至った。即ち本発明は、以下の通りである。
[1] ジカルボン酸成分とグリコール成分を構成成分とするポリエステル樹脂であって、ジカルボン酸成分として芳香族ジカルボン酸が70モル%以上であり、グリコール成分としてポリオキシアルキレングリコール5〜35モル%、直鎖のアルキレングリコールが40〜75モル%、及び側鎖にアルキル基を有するアルキレングリコールが5〜25モル%であることを特徴とするポリエステル樹脂。
[2] 前記ポリオキシアルキレングリコールの分子量が500〜4000の範囲にあることを特徴とする[1]に記載のポリエステル樹脂。
[3] 前記直鎖のアルキレングリコールの炭素数が2〜6であることを特徴とする[1]又は[2]に記載のポリエステル樹脂。
[4] 前記側鎖にアルキル基を有するアルキレングリコールの主鎖部の炭素数が1〜6、側鎖アルキル基の炭素数が2〜4であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載のポリエステル樹脂。
[5] 前記ポリエステル樹脂に用いる触媒種がチタン化合物とコバルト化合物の併用系であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載のポリエステル樹脂。
[6] 前記チタン化合物とコバルト化合物の質量比が、ポリエステル樹脂中に含まれる各原子の質量比(Ti/Co)として、Ti/Co=0.1〜25の範囲であることを特徴とする[5]に記載のポリエステル樹脂。
[7] 前記ポリエステル樹脂の融点が150℃〜230℃であることを特徴とする[1]〜[6]のいずれかに記載のポリエステル樹脂。
本発明のポリエステル樹脂は、色調、耐熱性に優れ、混練後に優れた透明性を有することができる。
[ポリエステル樹脂]
本発明に用いるポリエステル樹脂は、ジカルボン酸成分とグリコール成分を構成成分とする共重合ポリエステル樹脂であり、詳しくはジカルボン酸成分として芳香族ジカルボン酸、グリコール成分として直鎖のアルキレングリコール、側鎖を有するアルキレングリコール、及びポリオキシアルキレングリコールを主たる成分とする共重合ポリエステル樹脂である。
全ジカルボン酸成分中、芳香族ジカルボン酸成分は、70モル%以上であり、80モル%以上であることが好ましく、90モル%以上であることがより好ましい。芳香族ジカルボン酸が70モル%未満の場合は、ポリエステル樹脂としての耐熱性(融点)が低下する。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸等が挙げられる。これらの中でもテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。
直鎖のアルキレングリコールの炭素数は、2〜6が好ましく、3〜5がより好ましい。2未満であると結晶性が低く、十分な耐熱性(融点)を確保できない場合があり、6を超えると結晶性が高くなるため十分な透明性を確保できない場合がある。
使用できる直鎖のアルキレングリコールとしては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールが挙げられる。これらの中でも、耐熱性(融点)を付与する上でエチレングリコール、1,4−ブタンジオールのいずれかであることが好ましい。
全グリコール成分中、直鎖のアルキレングリコールは40〜75モル%であり、55〜75モル%であることが好ましく、65〜75モル%であることがより好ましい。直鎖のアルキレングリコールは芳香族ジカルボン酸と反応しハードセグメントとなる。直鎖のアルキレングリコールが40モル%より少ない場合は、結晶性を発現できない。また、直鎖のアルキレングリコールが75モル%より多い場合は、ハードセグメント量が多くなり透明性を確保できない。
側鎖にアルキル基を有するアルキレングリコールの主鎖部、側鎖部を以下のように定義する。
主鎖部:水酸基を両端にした時に挟まれる直線状の部位
側鎖部:前記主鎖部のいずれかの炭素部位に結合した部位
側鎖にアルキル基を有するアルキレングリコールの主鎖部の炭素数は、高い融点を付与する点で、1〜6が好ましく、1〜5がさらに好ましく、1〜4が特に好ましい。6を超えると結晶性を崩すことができずに十分な透明性を確保できない場合がある。
側鎖にアルキル基を有するアルキレングリコールの側鎖部の炭素数(複数の側鎖を有する場合は、その合計炭素数)は、2〜4が好ましく、2〜3がより好ましく、2がさらに好ましい。特にメチル基を2つ有する場合(炭素数2)が、耐熱性(融点)を確保した上で、結晶性を崩し、透明性を確保することができる。2未満であると結晶性を崩すことができずに十分な透明性を確保できない場合があり、4を超えると結晶性を大きく崩してしまう場合がある。
側鎖にアルキル基を有するアルキレングリコールとしては、2−メチルプロパンジオール、2,3−ジメチルブタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、ネオペンチルグリコール、等が挙げられる。これらの中でも、高い透明性を付与する上でネオペンチルグリコール、ブチルエチルプロパンジオールのいずれかであることが好ましい。特に高い耐熱性(融点)を付与する点でネオペンチルグリコールであることが好ましい。
全グリコール成分中、側鎖にアルキル基を有するアルキレングリコールは5〜25モル%であり、10〜25モル%が好ましく、10〜20モル%がより好ましい。側鎖にアルキル基を有するアルキレングリコールは、結晶性を崩し透明性を確保する上で重要である。側鎖にアルキル基を有するアルキレングリコールが5モル%より少ない場合は、透明性を確保できず、25モル%より多い場合は、結晶性を確保できず、非晶性となる。
ポリオキシアルキレングリコールとして、具体的には、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、テトラメチレングリコールとネオペンチルグリコールの共重合体、テトラメチレングリコールとプロピレングリコールの共重合体等が挙げられる。経済性や機械特性、透明性等の観点から、ポリオキシテトラメチレングリコールが好ましい。
全グリコール成分中、ポリオキシアルキレングリコールは5〜35モル%であり、5〜30モル%であることが好ましく、10〜25モル%であることがより好ましい。ポリオキシアルキレングリコールは、ポリエステル樹脂にゴム的性質を付与する。ポリオキシアルキレングリコールが5モル%より少ない場合、ポリエステル樹脂にゴム的性質を付与することができず、35モル%より多い場合は十分な耐熱性(融点)を確保できない。
前記ポリオキシテトラメチレングリコールの数平均分子量は、500〜4000であることが好ましい。数平均分子量が500未満であると、エラストマ特性を発現しづらくなる場合がある。一方、数平均分子量が4000を超えると、ポリエステル樹脂のポリオキシアルキレングリコール部分以外のポリエステル部分との相溶性が低下し、透明性を確保するのが難しい場合がある。ポリオキシテトラメチレングリコールの数平均分子量は、600以上2000以下であることがより好ましく、700以上1500以下がさらに好ましく、800以上1300以下が特に好ましい。
透明性が求められる用途では着色が問題となる場合があるため、Co−aが3.0以下、Co−bが5.0以下を満足することが好ましい。前記ポリエステル樹脂の重合に用いる触媒は、チタン化合物が一般的であり、満足できるレベルの色調は得られるが、この範囲を満足しない場合が多い。より望ましい色調を得るためには、用いる触媒は、チタン化合物とコバルト化合物の併用系が好ましい。チタン化合物のみであるとb値(Co−b)の高い樹脂となる場合がある。一方で、コバルト化合物のみでは重合度が上がらず、a値(Co−a)が高い樹脂となる場合がある。また、その場合、チタン化合物とコバルト化合物を併用することで、色調に優れ、かつ、重合度の高いポリエステル樹脂を重合できる。
前記チタン化合物とコバルト化合物の質量比(各原子としての質量比:Ti/Co)は、Ti/Co=0.1〜25であることが好ましく、これによりCo−bを10以下にすることができる。また、Co−aが3.0以下、Co−bが5.0以下を満足するためには、Ti/Co=0.2〜10が好ましく、0.3〜5がより好ましく、0.3〜2がさらに好ましく、0.3〜1が特に好ましい。
質量比(Ti/Co)は、ポリエステル樹脂に含まれる(残存する)Ti原子としての質量(ppm)とCo原子としての質量(ppm)から得られる。これら金属触媒は、重合時に重合系外に除去されることはないので、重合時の使用量がそのままポリエステル樹脂に含まれる量となる。また、重合により得られたポリエステル樹脂から各種分析手法を用いて、定量することも可能である。ポリエステル樹脂に含まれるTi原子の質量は、5〜160ppmが好ましく、10〜120ppmがより好ましく、10〜60ppmがさらに好ましく、10〜20ppmが特に好ましい。ポリエステル樹脂に含まれるCo原子の質量は、1〜120ppmが好ましく、5〜90ppmがより好ましく、10〜60ppmがさらに好ましく、10〜40ppmが特に好ましい。
エステル化/交換反応および重縮合反応に使用することのできるチタン化合物として、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート、テトラフェニルチタネートなどがある。価格面、反応活性の面で、テトラブチルチタネートが好ましい。
エステル化/交換反応および重縮合反応に使用することのできるコバルト化合物として、酢酸コバルト四水和物、ギ酸コバルト、酪酸コバルト、炭酸コバルト、オクタン酸コバルト、オレイン酸コバルトなどがある。色調面、反応活性の面で、酢酸コバルト四水和物が好ましい。
必要に応じてエステル交換触媒を用いることができる。エステル交換触媒に使用することのできる触媒種として、酢酸マンガン四水和物、酢酸亜鉛二水和物、酢酸マグネシウム四水和物などがある。エステル交換活性の面で、酢酸亜鉛二水和物が好ましい。
本発明のポリエステル樹脂は、融点150℃以上230℃未満の結晶性ポリエステルであることが好ましい。ポリエステル樹脂の融点は、160℃以上210℃未満であることがより好ましい。融点150℃未満では、自動車・電子電気用途としての耐熱特性を満たすことが困難であり、230℃超の融点では、ポリエステル樹脂としての結晶性が高く、十分な透明性を確保できない場合がある。
また、本発明のポリエステル樹脂は、ジカルボン酸成分とグリコール成分以外の構成成分として、ヒドロキシカルボン酸や、3官能以上の多官能カルボン酸成分、多官能オキシ酸成分および多官能ヒドロキシ成分などを5モル%以下の範囲(全ジカルボン酸成分100モル%に対して、5モル%以下の範囲)で共重合することも可能である。
本発明のポリエステル樹脂の組成、及び組成比は、原料化合物の使用量から導き出せるが、試料を重クロロホルム等の溶剤に溶解して測定するH−NMRのプロトン積分比から算出することにより正確に値を知ることができる。そのため、本発明では、H−NMRのプロトン積分比から組成、組成比を算出した。
本発明のポリエステル樹脂の還元粘度は、後記する測定方法で測定した場合、0.50dl/g以上3.50dl/g以下であることが好ましい。0.50dl/g未満では、樹脂としての融点が低くなる場合があり、3.50dl/gを超えると、射出成形などの加工性が不十分になる場合がある。ポリエステル樹脂の還元粘度は、1.00dl/g以上3.00dl/g以下であることがより好ましく、1.50dl/g以上2.80dl/g以下であることがさらに好ましい。
ポリエステル樹脂の酸価は100eq/ton以下が好ましい。混練時に添加する添加剤との過剰反応(ゲル化)を考慮すると、50eq/ton以下が特に好ましい。
本発明におけるポリエステル樹脂の製造方法としては、公知の方法(特開平10−182954号公報など)を採用することができるが、例えば、上記のジカルボン酸及びグリコール成分を150〜250℃でエステル化反応後、減圧しながら230〜300℃で重縮合することにより、目的のポリエステル樹脂を得ることができる。あるいは、上記のジカルボン酸のジメチルエステル等の誘導体とグリコール成分を用いて150〜250℃でエステル交換反応後、減圧しながら230〜300℃で重縮合することにより、目的のポリエステル樹脂を得ることができる。
本発明のポリエステル樹脂は、下記実施例の項に記載の組成物に混練後、この組成物から、下記実施例の項に記載の作製方法で得られる厚さ0.1mmプレスフィルムにおける平行線透過率が50%以上を満たすことができる。
この物性を満たすことで、優れた色調、耐熱性(融点)を有し、混練後により高度な透明性を示し、自動車・電子電気用途の要求にこたえることが可能となる。
本発明をさらに詳細に説明するために以下に実施例を挙げるが、本発明は実施例によってなんら限定されるものではない。尚、実施例に記載された各測定値は次の方法によって測定したものである。
ポリエステル樹脂の組成(モル%):
ポリエステル樹脂の組成及び組成比の決定は共鳴周波数400MHzのH−NMR測定(プロトン型核磁気共鳴分光測定)にて行った。測定装置はVARIAN社製 NMR装置 400−MHzを用い、溶媒には重クロロホルム/トリフルオロ酢酸=85/15(重量比)を用いた。
還元粘度:
充分乾燥した試料0.05gをフェノール/テトラクロロエタン(質量比6/4)の混合溶媒25mlに溶かし、ウベローデ粘度管を用いて30℃で測定した。
酸価:
試料0.2gを10mlのベンジルアルコールに溶解し、0.5mol/lの水酸化カリウム(エタノール溶液)で滴定して求めた。指示薬にはフェノールレッドを用いた。
カラー測定:
溶融重合で所定の撹拌トルクに到遠した時点でオートクレーブに窒素を注入して常圧に戻し重縮合反応を停止した。その後、微加圧状態にてポリマーを冷水にストランド状に吐出して急冷し、その後約5秒間冷水中で保持した後カッティングして長さ約3mm、直径約2mmのシリンダー形状のレジンチップを得た。このようにして得られたレジンチップを、約一昼夜80℃で乾燥した後、カラー測定に使用した。(有)東京電色社製のTC−1500SX色差計を使用して、ハンターのL値(Co−L)、b値(Co−b)、a値(Co−a)を測定した。
融点:
(株)日立ハイテクサイエンス社製の示差走査熱量分析計「X−DSC7000」にて、測定試料5.0mgをアルミパンに入れ、蓋を押さえて密封し、20℃〜250℃まで20℃/分の昇温させ、2分ホールドして試料を完全に溶融させた後、50℃まで20℃/分で降温させ、2分ホールドした後に、再度250℃まで、20℃/分で昇温し測定した。得られたサーモグラム曲線からの吸熱ピークを融点とした。
ポリエステル樹脂中のCo、Zn含有量分析:
試料1gを白金ルツボにて灰化分解し、6モル/L塩酸を加えて蒸発乾固させた。これを1.2モル/Lの塩酸で溶解し、ICP発光分析装置(島津製作所製、ICPS−2000)を用いて発光強度を測定した。含有量既知の標準サンプルを用いて予め作成した検量線から、試料中のCo、Znを定量した。
ポリエステル樹脂中のTi含有量分析:
試料1gを白金ルツボにて灰化分解し、硫酸と硫酸水素カリウムを加え、加熱溶融させた。この溶融物を2モル/L硫酸に溶解させた後、過酸化水素水を添加し、吸光光度計(島津製作所製、UV−150−02)により波長420nmにおける吸光度を測定した。含有量既知の標準サンプルを用いて予め作成した検量線から、試料中のTiを比色定量した。
実施例1〜4(ポリエステル樹脂1〜4)(実施例4は参考例)、比較例2(ポリエステル樹脂B)
ジメチルテレフタル酸(DMT)/1,4−ブタンジオール(1,4−BD)/ネオペンチルグリコール(NPG)/ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG;数平均分子量1000)(PTMG#1000)を原料とするポリエステル樹脂を触媒にテトラブチルチタネート(以下、TBTと略記)を用いて製造した。実施例1〜4(ポリエステル樹脂1〜4)の組成(モル%)、還元粘度(dl/g)、酸価(eq/ton)、カラー値、融点、触媒量、Ti/Co比を表1、比較例2(ポリエステル樹脂B)の組成(モル%)、還元粘度(dl/g)、酸価(eq/ton)、カラー値、融点、触媒量、Ti/Co比を表2に示す。
比較例1(ポリエステル樹脂A)
ジメチルテレフタル酸/1,4−ブタンジオール/ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG;数平均分子1000)を原料とするポリエステル樹脂を触媒にTBTを用いて製造した。比較例1(ポリエステル樹脂A)の組成(モル%)、還元粘度(dl/g)、酸価(eq/ton)、カラー値、融点、触媒量、Ti/Co比を表2に示す。
実施例5(ポリエステル樹脂5)
ジメチルテレフタル酸/1,4−ブタンジオール/ブチルエチルプロパンジオール/ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG;数平均分子量1000)を原料とするポリエステル樹脂を触媒にTBTを用いて製造した。実施例5(ポリエステル樹脂5)の組成(モル%)、還元粘度(dl/g)、酸価(eq/ton)、カラー値、融点、触媒量、Ti/Co比を表1に示す。
実施例6(ポリエステル樹脂6)
ジメチルテレフタル酸/1,4−ブタンジオール/ネオペンチルグリコール/ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG;数平均分子量720)(PTMG#720)を原料とするポリエステル樹脂を触媒にTBTを用いて製造した。実施例6(ポリエステル樹脂6)の組成(モル%)、還元粘度(dl/g)、酸価(eq/ton)、カラー値、融点、触媒量、Ti/Co比を表1に示す。
実施例7〜11(ポリエステル樹脂7〜11)
ジメチルテレフタル酸/1,4−ブタンジオール/ネオペンチルグリコール/ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG;数平均分子量1000)(PTMG#1000)を原料とするポリエステル樹脂をエステル交換触媒に酢酸亜鉛二水和物、重縮合触媒にTBT、酢酸コバルト四水和物、を用いて製造した。実施例7〜11(ポリエステル樹脂7〜11)の組成(モル%)、還元粘度(dl/g)、酸価(eq/ton)、カラー値、融点、触媒量、Ti/Co比を表1に示す。
ポリエステル樹脂1〜11、ポリエステル樹脂A、Bの混練条件
ポリエステル樹脂100質量部に対してカプリル酸ナトリウム(日東化成工業(株)社製 CapNa、融点220℃)0.7質量部、及びARUFON UG−4050(東亜合成(株)社製、Mw:8500、エポキシ価670eq/ton、屈折率1.55)0.5質量部をラボプラストミル Cモデル 「20C200」((株)東洋精機製作所製)で溶融混練し、混練樹脂を製造した。
0.1mmプレスフィルム作製方法:
前記ポリエステル樹脂の混練物を、成形機を用いて成形した。成形機にはテスター産業(株)社製のTABLE TYPE TEST PRESS「SA−302−I」を使用した。1gの樹脂を幅70mm、長さ70mm、厚さ0.1mmのプレスフィルムに成形した。成形条件は、230℃の温度で1分間溶融させた後、1分30秒間100kgf/cmの圧力をかけた。成形機から取り出した後すぐに50℃の温水に1分間クエンチさせ、0.1mmプレスフィルムを得た。
平行線透過率:
前記0.1mmプレスフィルムの平行線透過率は日本電色工業(株)社製のNDH5000(光源の波長:550nm)を用いて、JIS K7361、JIS K7136に準拠して、平行線透過率(%)を測定した。測定結果を表1、2に示す。
表1に示すようにポリエステル樹脂1〜6(実施例1〜6)は、優れた耐熱性を示し、混練後に優れた透明性を示したが、Ti/Co併用系ではないため、Co−bが高い値であり、色調が十分満足できるレベルではなかった。
表1に示すようにポリエステル樹脂7(実施例7)は、優れた耐熱性を示し、混練後に優れた透明性を示した。しかし、透明性が求められる用途に必要なCo−bが5以下を満足できず、色調にやや問題があった。
表1に示すようにポリエステル樹脂8(実施例8)は、優れた色調、耐熱性を示し、混練後に優れた透明性を示した。
表1に示すようにポリエステル樹脂9(実施例9)は、優れた色調、耐熱性を示し、混練後に優れた透明性を示した。色調は、バランスよく、非常に優れていた。
表1に示すようにポリエステル樹脂10(実施例10)は、混練後の透明性に優れていた。しかし、Ti/Co質量比が30以上であるため、Co−bが高い値であり、色調が十分満足できるレベルではなかった。
表1に示すようにポリエステル樹脂11(実施11)は、優れた色調、耐熱性を示し、混練後に優れた透明性を示した。色調は、バランスよく、非常に優れていた。
表2に示すようにポリエステル樹脂A(比較例1)は、優れた耐熱性を示したが、混練後の透明性が低かった。
表2に示すようにポリエステル樹脂B(比較例2)は、混練後の透明性に優れていた。しかし、ネオペンチルグリコール共重合量が多く、耐熱性が悪かった。
本発明のポリエステル樹脂は、従来のポリエステル樹脂に比べて、優れた色調と耐熱性を有し、混練後の透明性に優れるため、優れた透明性、耐熱性、色調が望まれる成形品用成形材料として有用である。

Claims (7)

  1. ジカルボン酸成分とグリコール成分を構成成分とするポリエステル樹脂であって、ジカルボン酸成分として芳香族ジカルボン酸が70モル%以上であり、グリコール成分としてポリオキシアルキレングリコール11.4〜35モル%、直鎖のアルキレングリコールが40〜75モル%、及び側鎖にアルキル基を有するアルキレングリコールが5〜16.1モル%であることを特徴とするポリエステル樹脂。
  2. 前記ポリオキシアルキレングリコールの分子量が500〜4000の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル樹脂。
  3. 前記直鎖のアルキレングリコールの炭素数が2〜6であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリエステル樹脂。
  4. 前記側鎖にアルキル基を有するアルキレングリコールの主鎖部の炭素数が1〜6、側鎖アルキル基の炭素数が2〜4であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル樹脂。
  5. 前記ポリエステル樹脂に用いる触媒種がチタン化合物とコバルト化合物の併用系であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステル樹脂。
  6. 前記チタン化合物とコバルト化合物の質量比が、ポリエステル樹脂中に含まれる各原子の質量比(Ti/Co)として、Ti/Co=0.1〜25の範囲であることを特徴とする請求項5に記載のポリエステル樹脂。
  7. 前記ポリエステル樹脂の融点が150℃〜230℃であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のポリエステル樹脂。
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