JP6480796B2 - 洗濯機 - Google Patents

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Description

本発明は、洗浄効果を高めることができる洗濯機に関する。
従来、特許文献1に記載された洗濯乾燥機が知られている。特許文献1には、安価な方法で、高濃度洗剤液を衣類に満遍なく散布し、高い洗浄力を得られる洗濯乾燥機を提供するために、筐体と、外槽と、回転ドラムと、モータと、給水手段と、高濃度洗剤液生成手段と、モータ、給水手段および高濃度洗剤液生成手段を制御して、洗濯運転および/または乾燥運転を実行可能な制御装置と、を備える洗濯乾燥機であって、乾燥運転中に、回転ドラムに収容された衣類に直接、該衣類のしわを伸ばす風量及び風速を有する風を吹き付ける送風吹付手段を備え、該送風吹付手段は、送風手段、該送風手段の吐き出し側に設けられた風の加熱手段、および、該加熱手段の下流側に設けられたノズルを有し、ノズルの上流側へ高濃度洗剤液生成手段で生成した高濃度洗剤液を供給する洗剤液供給手段を有する洗濯乾燥機が開示されている(要約参照)。
特開2011−245035号公報
特許文献1では、高濃度洗剤液をミスト化して回転ドラム内の衣類に散布することにより、衣類への浸透を良好にすることができる。しかし、高濃度洗剤液を衣類に浸み込ませるためには、水分が必要であり、特許文献1の洗濯乾燥機では、散布する洗剤液の濃度を高めたまま衣類に行き渡らせることについての配慮が十分ではなかった。
本発明は、前記の課題を解決するための発明であって、洗浄効果を高めることができる洗濯機を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明の洗濯機は、貯水可能な外槽と、外槽内に設けられ回転駆動される内槽と、内槽内に温風を送風する温風ユニットと、循環ポンプを用いて外槽の底部に溜められた洗濯水をくみ上げて、内槽内に洗濯水を戻すことで循環させる洗濯水循環機構と、制御装置と、を備え、制御装置は、洗濯水循環機構により洗剤を含む洗濯水を内槽の内側に散布する第1の工程(例えば、ステップS111)と、第1の工程後に、温風ユニットにより生成される温風に給水を合流させて内槽内に供給する第2の工程(例えば、ステップS113)と、第2の工程後に、外槽内に給水後、洗濯水循環機構により該給水を内槽内に散布する第3の工程(例えば、ステップS115)と、を実行することを特徴とする。本発明のその他の態様については、後記する実施形態において説明する。
本発明によれば、洗浄効果を高めることができる。
本発明の実施形態に係る洗濯機を示す外観斜視図である。 洗濯機の概略構造を示す縦断面図である。 外槽カバーの分解斜視図である。 外槽カバーの、ミストメッシュの装着部分における断面図である。 乾燥ユニット上部ダクトの分解斜視図である。 乾燥ユニット上部ダクトの斜視断面図である。 乾燥ユニット上部ダクトを外槽カバーに装着した状態の斜視断面図である。 給水電磁弁の後方の配管構造の斜視図である。 内槽を収容した外槽を示す斜視図である。 外槽カバーを裏面側から見たときの平面図である。 洗濯水循環機構のシャワー形状を示す模式図である。 (a)本実施形態における洗濯物高さとシャワーとの位置関係を示す側断面図、(b)は比較例における洗濯物高さとシャワーとの位置関係を示す側断面図である。 本発明の実施形態に係る洗濯機の制御系を示すブロック線図である。 本発明の実施形態に係る洗濯機の制御処理の一部を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る洗濯機の制御処理の他の一部を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る温水ミスト送風を含む温水ナイアガラビート洗浄処理での衣類温度の変化を示す説明図である。
本発明を実施するための実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。以下、洗濯、すすぎ、脱水、乾燥を行うことができる洗濯機(洗濯乾燥機)を例に挙げて説明する。
[実施形態の全体構成]
図1は、本発明の実施形態に係る洗濯機100を示す外観斜視図である。なお、図1は、外蓋3を開けた状態を示している。図1に示すように、洗濯機100は、外郭が鋼板と樹脂成型品とを組み合わせて構成された筐体1を備えている。筐体1の上部には、樹脂製のトップカバー2が設けられている。トップカバー2には、洗濯機100の上部を開閉する外蓋3が設けられている。
外蓋3は、ガラス板3a、ベース板3b、取っ手(把手)3cが組み合わせて構成されている。外蓋3を開くことにより、筐体1の上部に形成された開口部1aが開放される。また、トップカバー2の手前側には、洗濯機100の電源のオン/オフを行う電源スイッチ5、運転コースの設定や運転状態の表示などを行う操作パネル8が設けられている。操作パネル8は、各種の操作ボタンスイッチ6、表示器7を備えている。この操作パネル8は、機体底部に設けられたマイコン40(マイクロコンピュータ、制御装置)と電気的に接続されている。
また、洗剤・仕上げ剤容器28は、操作パネル8の左側に隣接して設けられている。筐体1の内部の中央部には、有底円筒状に形成された内槽9および外槽10が設けられている。循環ポンプ16は、筐体1の底部(外槽10の下方)に設けられ、外槽10の底部に溜められた洗濯水を、内槽9内に汲み上げる機能を有する。
図2は、本実施形態に係る洗濯機の概略構造を示す縦断面図である。図2に示すように、洗濯機100は、筐体1内に、内槽9、外槽10、脈動翼盤11(回転翼盤)、流体バランサ12、洗濯水循環機構50、乾燥ユニット60などを含んで構成されている。
内槽9は、洗濯兼脱水槽として機能するものであり、有底円筒状に形成され、鉛直方向(上下方向)に回転軸を有している。また、内槽9は、その外周壁に通水および通風のための複数の小さな貫通孔9aが形成されるとともに、その底壁に通水および通風のための複数の貫通孔9bが形成されている。また、内槽9は、駆動装置13によって回転可能に支持されている。
外槽10は、有底円筒状に形成され、内槽9を同軸上に内包している。また、外槽10は、筐体1の上端部の四隅部に設けた隅板(不図示)に係止して垂下させた4本の支持棒に緩衝装置(不図示)を介して該筐体1内の中心部に弾性支持されている。
また、外槽10の上縁部には、外槽カバー14が装着されている。この外槽カバー14は、内槽9の上方を閉塞するように構成されている。また、外槽カバー14には、洗濯物を出し入れする際に開閉する内蓋(不図示)が設けられている。
脈動翼盤11(パルセータともいう)は、略円盤状に形成され、内槽9の底部に設けられている。また、脈動翼盤11は、駆動装置13によって回転可能に支持されている。これにより、洗い時やすすぎ時に、脈動翼盤11を回転させることで洗濯水を洗濯物ごと攪拌することができる。
流体バランサ12は、合成樹脂などでリング状に形成され、内槽9の内壁の上端縁部(上縁部)に固定されている。また、流体バランサ12は、内槽9の胴板よりも径方向の内側に突出するように配置され、流体バランサ12の内径D1が、内槽9の胴板の内径D2よりも短く(小さく)なるように構成されている。この流体バランサ12は、内部に比重の大きな流体(塩水など)を封入して構成され、内槽9の回転時に洗濯物の偏りなどによって偏心が生じたときに、流体バランサ12内での流体の移動によって偏心を打ち消し、回転のバランスを維持する機能を有している。
駆動装置13は、インバータ駆動電動機または可逆回転型のコンデンサ分相単相誘導電動機を使用した電動機13aとクラッチ13bと遊星歯車減速機構(不図示)を内蔵して構成されている。また、駆動装置13は、マイコン40(図1参照)によって電動機13aとクラッチ13bを制御することによって、内槽9を静止させるように係止、または自由に回転できるように解放した状態で、脈動翼盤11を繰り返し正逆回転させる洗濯駆動モードと、内槽9と脈動翼盤11とを一体的に同一方向に回転させる脱水駆動モードと、を選択的に実行する機能を有する。
洗濯水循環機構50は、循環ポンプ16、循環パイプ17(循環路、戻し流路)、循環水路18、吐出口31を有する水路カバー30、蛇腹管29a,29bなどで構成されている。循環ポンプ16は、外槽10の底部に溜められた洗濯水を、外槽10の底部に設けた通水通気口10bから蛇腹管29aを介して汲み上げ、循環パイプ17、蛇腹管29b、洗濯水導入口145および循環水路18を介して排出する機能を有する。
なお、本実施形態では、循環ポンプ16が筐体1内の底部左側に配置されており、循環パイプ17が、外槽10の前方を上向きに延在し、外槽10の上部において後方に向きを変えて開口部1a(図1参照)の左側を通って、外槽カバー14の左端に位置する洗濯水導入口145に接続されている。このように、循環ポンプ16と循環パイプ17と洗濯水導入口145を洗濯機100の左右方向(幅方向)の左側(片側)に配置することにより、循環パイプ17の長さを短くする(最短で構成する)ことができ、洗濯水に対する圧力損失を低減できる。
また、循環パイプ17の内径(直径)は、従来の循環パイプの内径(直径)よりも大きく形成されている。例えば、循環パイプ17の内径は、32.5mmであり、従来の循環パイプの内径は、19.5mmである。このように、循環パイプ17を従来よりも太くすることにより、洗濯水が流れる際の圧力損失を低減することができ、循環パイプ17を流れる洗濯水の循環流量を従来よりも増加させることができる。
洗濯機100の後部には、給水電磁弁4が設けられており、給水電磁弁4の上部には、水道水(清水)を供給するための接続口4aが形成されている。接続口4aの内部には給水フィルタ(不図示)が設けられており、水道水に含まれるゴミがここで除去される。洗濯水は、必要に応じて、排水弁15、排水ホース24を介して排水される。また、内槽9内には、蛇腹管29cを介して、水道水が導入される。
乾燥ユニット60は、筐体1の上面に沿って配設された乾燥ユニット上部ダクト61と、筐体1の側面および底面に沿って略L字状に配設されたエアダクト66とを有している。通水通気口10bから排出された空気は、エアダクト66を介して、乾燥ユニット上部ダクト61に送られる。エアダクト66の内部には、冷水除湿部67が設けられている。これは、水道水を流してエアダクト66内を流れる空気を冷却して空気内の蒸気を結露させるものである。
冷水除湿部67を経て冷却・除湿された空気は、乾燥フィルタ65を介して、さらに湿度が下げられた後、乾燥ユニット上部ダクト61に流入する。乾燥フィルタ65の上部には、乾燥用ファン64と、これを駆動する乾燥用電動機63とが設けられている。また、乾燥用ファン64の後段にはヒータ62が配置され、送風された空気がここで加熱される。加熱された空気は、乾燥ダクト22、蛇腹管29d、外槽カバー14を介して内槽9内に放出される。
外槽カバー14において、乾燥ユニット60からの空気の吐出口には、金属細線を略半球の網状に織り上げてなるミストメッシュ80(微細化部材)が装着されている。そして、ミストメッシュ80の上方には、乾燥ユニット上部ダクト61からミストノズル70が下方に向かって突出している。ミストノズル70は、内径が約1.5mmの円筒状に構成され、ミストパイプ4bを介して給水電磁弁4に接続されている。
ミストパイプ4bを介して水道水がミストノズル70に供給されると、ミストノズル70から下方に向かって噴射された水道水がミストメッシュ80に衝突し、水道水が微細化(ミスト化)して内槽9内に散布される。従って、ミストノズル70とミストメッシュ80とはミスト散布装置を構成している。ここで、ミストメッシュ80の網の目は、接続口4aの内部に設けられた給水フィルタ(不図示)よりも粗くしておくことが望ましい。これにより、水道水中のゴミによってミストメッシュ80が目詰まりすることを防止できる。また、ミストノズル70の下方にミストメッシュ80を配置したことにより、ミストノズル70から噴射された水は、重力加速度によって加速された上でミストメッシュ80に衝突する。これによって、水の微細化を一層促進することができる。
微細化した水(ミスト)の用途としては、例えば以下の2点のものが挙げられる。
・用途1:衣類を洗濯する初期段階で、ミストを散布することによって衣類を湿らせ、衣類の汚れを落ちやすくする。
・用途2:洗濯後の衣類を乾燥させる際、ミストを散布することによって衣類を湿らせつつ衣類に風を当てることにより、衣類のしわを取る。
本実施形態においては、ミストノズル70から噴射された水をミストメッシュ80に衝突させることによって、水を微細化させる。これは、噴射された水が有している運動エネルギーによって水を微細化させるということである。これにより、風力が弱い場合や、そもそも風力が得られない場合においても、水を充分に微細化させることができる。上述の「用途1」、「用途2」の何れにおいても、ミストノズル70から噴射される流量は、洗濯・脱水容量の10kgあたり0.1L/min〜1.0L/minにすることが望ましく、0.2L/min〜0.4L/minにすることがより望ましい。
また、乾燥ユニット60を介して、温風を送風することにより、温風が有する熱エネルギーも加わって、水をさらに微細化させることができる。また、この場合には、ミストメッシュ80に付着した水を温風によって吹き飛ばすことができるため、水道水に含まれる金属イオン(マグネシウムなど)がミストメッシュ80上で析出することを防止でき、ミストメッシュ80の目詰まりを防止することができる。
洗濯機100の使用時には外槽10が揺動し、これに伴って外槽カバー14も揺動するため、ミストノズル70とミストメッシュ80との位置関係が変動する。本実施形態においては、ミストメッシュ80を略半球状に形成したことにより、ミストノズル70との相対的な位置関係が若干変動したとしても、水を微細化させる機能を発揮し続けることができる。また、本実施形態においては、温風の送風経路にて、乾燥フィルタ65よりも下流側にミストメッシュ80を設けたため、乾燥運転時には、糸くずなどは乾燥フィルタ65にて除去される。これにより、ミストメッシュ80が糸くずなどでつまることを防止できる。
[各部の詳細構成]
(外槽カバー14)
図3は、外槽カバーの分解斜視図である。図3に示す外槽カバー14の分解斜視図を参照し、外槽カバー14の詳細構成を説明する。図3において、外槽カバー14は、外槽カバー上板14aと外槽カバー下板14bとを有している。外槽カバー上板14aは、円環状に形成された上板周縁部140と、後方部分に形成された弓形平板状の上板後平坦部142と、前方部分に形成された弓形平板状の上板前平坦部143とを有している。そして、これら上板周縁部140、上板後平坦部142および上板前平坦部143に囲まれた略台形状の空間(開口)は、洗濯物投入口141になっている。
また、外槽カバー下板14bは、上板周縁部140よりやや小径の下板周縁部150と、上板後平坦部142に対向する下板後平坦部152と、上板前平坦部143に対向する下板前平坦部153とを有している。
外槽カバー上板14aの上面には、循環パイプ17(図2参照)から蛇腹管29bを介して循環する洗濯水を導入する洗濯水導入口145と、乾燥ユニット60(図2参照)から蛇腹管29dを介して温風を導入する温風導入口146と、蛇腹管29c(図2参照)を介して水道水を導入する給水導入口147とが形成されている。洗濯水導入口145、温風導入口146、給水導入口147は、何れも略円筒状に形成されている。但し、温風導入口146の上端部には、内側の斜め下方向に突出する複数の爪部材146aが形成されている。
外槽カバー下板14bにおいて、給水導入口147に対向する位置には、水道水を散水する散水口157が形成されている。また、温風導入口146に対向する位置には、温風導入口146よりもやや小径の円筒状に、温風導入口内筒156が形成されている。
そして、温風導入口内筒156の上端部には、ミストメッシュ80が載置される。ミストメッシュ80は、上述したように、金属細線を略半球の網状に織り上げてなるものであるが、ミストメッシュ80の上端周縁部は水平方向に円環状になるよう折り曲げられ、フランジ部81が形成されている。また、ミストメッシュ80の一部は、傾斜する平面状に加工され、メッシュ平面部82が形成されている。
また、温風導入口内筒156の内側には、傾斜した平面状のミストメッシュ係止板156aが形成されている。ミストメッシュ80を温風導入口内筒156に載置する際には、メッシュ平面部82をミストメッシュ係止板156aに衝合させ、フランジ部81を温風導入口内筒156の上端部に衝合させる。そして、外槽カバー下板14bと外槽カバー上板14aとを嵌め合わせて一体化させると、温風導入口146の爪部材146aがフランジ部81を上から押圧してミストメッシュ80を固定する。
図4は、外槽カバー14の、ミストメッシュ80の装着部分における断面図である。前述したように、ミストメッシュ80は、温風導入口内筒156、ミストメッシュ係止板156aおよび爪部材146aによって、外槽カバー14に固定されている。
(乾燥ユニット上部ダクト61、ミストノズル70)
図5は、乾燥ユニット上部ダクト61の分解斜視図である。乾燥ユニット上部ダクト61は、上部ダクト上ユニット61aと、上部ダクト下ユニット61bとを有している。上部ダクト下ユニット61bの一端には乾燥フィルタ65(図2参照)を介して下方から空気を吸入する円状の開口部61cが形成されており、他端には、円筒状の乾燥ダクト22が形成されている。
上部ダクト上ユニット61aにおいて開口部61cに対向する部分には、乾燥用ファン64と、これを駆動する乾燥用電動機63とが装着されている。そして、乾燥ダクト22に対向する部分には、乾燥ダクト22と同心をなすようにしてミストノズル70が上部ダクト上ユニット61aに埋設されている。また、ミストノズル70と、乾燥用ファン64との間には、ヒータ62が配置されている。
また、ミストパイプ4bには、ミスト継手71が結合されている。ミストノズル70とミスト継手71との間には、円環状のパッキン73が挿入され、ミスト継手71はネジ72によって上部ダクト上ユニット61aに固定される。これらにより、ミストパイプ4bとミストノズル70とが接続される。
図6は、乾燥ユニット上部ダクトの斜視断面図である。図6は、図5で説明したように、上部ダクト上ユニット61aと上部ダクト下ユニット61bとを結合し、ミストノズル70にミストパイプ4bを接続し、さらに乾燥ダクト22に蛇腹管29dを接続した状態である。
図7は、乾燥ユニット上部ダクト61を外槽カバーに装着した状態の斜視断面図である。図7においては、周辺の種々の部品も図示している。図7に示すように、ミストノズル70は、ミストメッシュ80の鉛直方向の上方に位置している。また、ミストパイプ4bは、ミストノズル70の上方から給水電磁弁4の後方に向かって配設されている。
(給水電磁弁4後方の配管構造)
図8は、給水電磁弁4の後方の配管構造の斜視図である。給水電磁弁4の後方には、接続口4cが突出している。この接続口4cは、ミストパイプ4b(図7参照)を介してミストノズル70に接続される。また、給水電磁弁4の左下方には、電磁弁であるミスト弁160が配置され、給水電磁弁4からパイプ161を介してミスト弁160には水道水が供給される。
また、ミスト弁160にはパイプ162も接続されており、パイプ162は、パイプ163を介して、冷水除湿部67(図2参照)に接続されている。ここで、ミスト弁160がオン状態(通水状態)になると、パイプ161、ミスト弁160、パイプ162,163を介して、破線で示す経路で冷水除湿部67に水道水が供給される。
一方、ミスト弁160がオフ状態(非通水状態)になると、接続口4cを介してミストノズル70に水道水が供給される。このように、ミスト弁160がオン状態(通水状態)になると、冷水除湿部67に水道水が供給され、オフ状態(非通水状態)になると、ミストノズル70に水道水が供給される。
図3〜図8において、ミストノズル70の配置構成および乾燥ユニット60に説明したが、これに限定されない。例えば、以下のようなものがある。
(1)水が有する運動エネルギーによって水を微細化させる構成は、前記実施形態のものには限定されない。要するに、ミストノズル70から噴出した水が衝突することによって水を微細化する物であれば、ミストメッシュ80に代えて用いることができる。例えば、水の噴出方向に対して傾斜した板を、ミストメッシュ80に代えて用いてもよい。
(2)また、ミストメッシュ80に代えて、例えば棒状の部材を微細化部材として用いることもできる。但し、洗濯機100の使用時には外槽10が揺動し、これに伴って外槽カバー14も揺動するため、棒状の微細化部材を適用する場合には、乾燥ダクト22などに微細化部材を固定し、ミストノズル70との位置関係が一定になるようにすることが望ましい。
(3)また、前記実施形態においては、ミストメッシュ80をミストノズル70の鉛直下に設けたが、両者の位置関係はこれに限定されるものではなく、任意に配置してもよい。例えば、ミストメッシュ80をミストノズル70よりも上方に配置してもよい。但し、ミストメッシュ80をミストノズル70よりも下方または斜め下方に配置することにより、ミストノズル70が噴出した水の運動エネルギーが重力加速度によって増加するため、水の微細化するためには望ましい。
(4)また、ミスト散布装置であるミストノズル70およびミストメッシュ80に代えて、霧吹きノズルを用いて水を微細化してもよい。霧吹きノズルも水の運動エネルギーを利用して水を微細化するものであるため、このような構成も本発明の範疇に含まれる。
(内槽9を収容した外槽10)
図9は、内槽を収容した外槽を示す斜視図である。なお、図9では、外槽カバー14に設けられる内蓋(不図示)を取り外した状態を示している。図9に示すように、外槽カバー14は、手前側に略台形状の洗濯物投入口141(投入口)が形成されている。また、外槽カバー14には、洗濯物投入口141を開閉する内蓋(不図示)が設けられている。内蓋は、洗濯物投入口141の後端に設けられたヒンジ機構(不図示)を介して洗濯物投入口141の全体を閉塞するように構成されている。
また、外槽カバー14には、図3で示したように、洗濯物投入口141の後方に、内槽9内に洗濯水を導入する洗濯水導入口145、外槽10内に温風を導入する温風導入口146、水道栓からの給水を導入する給水導入口147が設けられている。また、洗濯水導入口145は、左端に位置している。
脈動翼盤11は、回転することによって上面に乗っている洗濯物に上下方向の動きを繰り返し発生するように回転方向になだらかに傾斜した複数の傾斜面からなる隆起部11aと、多数の水抜き貫通孔11bと、を備える。隆起部11aは、周方向に傾斜し、かつ、外周部位が順次高くなるように径方向に傾斜する面を有している。本実施形態では、隆起部11aが2ヶ所(一方のみ図示)設けられているが、2ヶ所に限定されるものではなく、3箇所以上であってもよい。また、脈動翼盤11の隆起形状は、一例であって本実施形態に限定されるものではない。
この脈動翼盤11が回転することで、脈動翼盤11上の洗濯物は、該脈動翼盤11上を滑りながら該脈動翼盤11の回転方向に回転するとともに隆起部11aによって押し上げられて上下方向に移動する。このとき、洗濯水循環機構50(図2参照)によって、洗濯水を循環しながら洗濯物の上方から散水することで、洗濯物に洗濯水を行き渡らせることができる。こうすることで、内槽9内に洗濯物が洗濯水に浸かるほど洗濯水を溜めなくても、洗濯物を洗濯することができ、大幅な節水が可能になる。ちなみに、洗濯物に洗濯水を均一に散布することができれば、洗浄力が向上するため、洗濯時間の短縮につながる。なお、洗濯水を均一に散布する詳細な構成については後記する。
(水路カバー30)
図10は、外槽カバーを裏面側から見たときの平面図である。なお、図10は、外槽カバー14に水路カバー30が取り付けられた状態を示している。図10に示すように、洗濯物投入口141は、径方向の中心Oよりも後方に位置するとともに左右方向(幅方向)に延在する直線部1411と、中心Oよりも前方に位置するとともに左右方向に延在する直線部1412と、直線部1411の一端(左端)と直線部1412の一端(左端)とをつなぐ円弧部1413と、直線部1411の他端(右端)と直線部1412の他端(右端)とをつなぐ円弧部1414と、を有している。なお、洗濯物投入口141の平面視における形状は、図10の形状に限定されるものではなく、例えば、直線部1412が円弧形状であって、全体として略半径状に形成されていてもよい。また、外槽カバー14の洗濯物投入口141の外周部分は、外槽カバー14を外槽10に取り付けたときに流体バランサ12と対向するようになっている。
水路カバー30は、外槽カバー14の裏面(内槽9側の面)に設けられることで、水路カバー30と外槽カバー14とによって循環水路18(図2参照)を構成している。また、水路カバー30は、平面視略三角形状を呈し、洗濯物投入口141の直線部1411に沿って直線状に延在する吐出口31(戻し口)を有している。この吐出口31は、直線部1411よりも短く形成されている。
また、水路カバー30は、吐出口31の一端側(左端側)に洗濯水導入口145が位置している。また、水路カバー30は、直線部1411に沿って延在する直線状の外周辺部32aと、この外周辺部32aの一端(左端、図示右側)から洗濯水導入口145に向けて延在する外周辺部32bと、外周辺部32aの他端(右端、図示左側)から洗濯水導入口145に向けて延在する外周辺部32cと、を有している。また、水路カバー30の外周縁部は、複数個所において外槽カバー14にねじ固定されている。また、水路カバー30の外周縁部と外槽カバー14とは、図示しないパッキンを介して水密に構成されている。
このように、本実施形態では、外槽カバー14と水路カバー30とによって、洗濯水導入口145から吐出口31に通じる循環水路18が構成されている。循環水路18の壁の一面(上面)を外槽カバー14によって構成することで、外槽カバー14から下方(内槽9側)に突出する突出量を減らすことができ、洗濯水をより高い位置から散布させることができる。
循環水路18内には、複数の案内突起を有し、洗濯水を、概略均一に吐出口31に向けて案内するようになっている。吐出口31から洗濯水が吐出されたときに、重力の影響を受けたとしても、洗濯水を内槽9の回転中心O1(図11参照)付近に着水させることができる。また、洗濯槽に投入される洗濯物の量が定格ぎりぎりとなった場合(図12(a)のラインH3参照)であっても、洗濯物に着水する位置を内槽9の回転中心O1に近づけることができ、洗濯物全体に洗濯水を散布することできる。
また、吐出口31は、左右方向(洗濯機100の幅方向)に沿ってスリット状に細長く形成されている。この吐出口31の幅Waは、流体バランサ12の内径D1(図2参照)の範囲内に位置し、かつ、洗濯物投入口141の最大幅Wmaxの半分以上(50%以上)に設定されている。これにより、洗濯水を流体バランサ12に接触させることなく、洗濯物全体に洗濯水を散布することができる。なお、幅Waが最大幅Wmaxの半分未満(50%未満)であると、内槽9内の洗濯物の全体に洗濯水を散布することが難しくなる。なお、本実施形態では、幅Waは、最大幅Wmaxの約70%に設定されている。
(洗濯水循環機構50のシャワー形状)
図11は、洗濯水循環機構50のシャワー形状を示す模式図である。なお、図11は、外槽10内に内槽9が収容され、外槽10の開口に外槽カバー14(内蓋は不図示)が取り付けられた平面図である。また、吐出口31の位置を太い実線で図示している。図11に示すように、吐出口31から洗濯水Q(太い二点鎖線参照)が吐出されると、吐出口31の幅方向の全体から膜状に散布される。また、吐出口31から吐出する際の洗濯水Qは、吐出口31の左右の端部31a,31bよりも左右外側に向けて、吐出口31の幅Waよりも広い幅となって膜状に吐出される。なお、実際、吐出口31から出た直後の洗濯水Qは、幅Waよりも広くなるが、その後、洗濯水Qの幅が縮まり、洗濯水Qが内槽9の底面(脈動翼盤11)に着水する位置では、吐出口31の幅Waと同等な幅となる。このように、洗濯水Qは、吐出口31から吐出されると、一旦吐出口31の幅Waよりも広がり、その後縮まって、最終的には、吐出口31の幅Waと同等の幅で洗濯物の上に着水するようになっている。
図12(a)は、本実施形態における洗濯物高さとシャワーとの位置関係を示す側断面図、図12(b)は比較例における洗濯物高さとシャワーとの位置関係を示す側断面図である。なお、図12(b)は、洗濯水を円錐状に散水させた場合を模式的に示す図である。
図12(b)の比較例に示すように、外槽カバー14に、遠心力を利用して洗濯水を内槽9の上部から円錐状に吐出させる水路カバー200が設けられたものでは、高さH20で示すように、低負荷時の洗濯物(衣類)高さの場合には、洗濯物に対する洗濯水の散布面積を十分広く確保することができ、洗濯物全体に洗濯水を散布することができる。しかし、高さH10で示すように、高負荷時の洗濯物高さの場合には、洗濯水が広がりきるまでに洗濯物に当たってしまい、洗濯物に対する洗濯水の散布面積が低下し、洗濯物の一部にしか洗濯水を散布できなくなる。このように、負荷量が増加するにつれて、洗濯水の散布面積が低下し、洗浄力の低下や洗いムラ発生の原因となる。
そこで、本実施形態では、図12(a)に示すように、横一文字状に洗濯水(循環水)Qを散布する構成にしたものである。このように、横一文字(紙面垂直方向に一文字)に洗濯水Qを散布することで、高さH3で示すように低負荷時の洗濯物(衣類)高さの場合であっても、高さH4で示すように高負荷時の洗濯物(衣類)高さの場合であっても、洗濯水Qの散布面積が変化することなく、洗濯物全体に洗濯水を散布することができる。なお、洗濯水Qを散布する場合には、洗濯水Qが横一文字状であっても、脈動翼盤11や内槽9が回転することで、洗濯水Qを洗濯物の全体に散布できる。このように、本実施桁形態では、負荷量(衣類高さ)が増加したとしても、洗濯物に対する洗濯水の散布面積が変化せず、洗いムラの低減や、高負荷時の洗浄力の向上が図れる。
また、幅Waを広くして吐出口31の開口面積を広くしたことによって、比較例のように(図12(b)参照)、洗濯水を絞って出す(勢いよく出す)必要がなくなるので、比較例よりも大流量の洗濯水を吐出口31から吐出し易くなる。なお、本実施形態では、内槽9の底から外槽カバー14の上部に戻す循環パイプ17(循環ポンプ16の経路も)を太く(内径:19mm→32.5mm)することで、圧力損失を低減して、循環ポンプ16のモータの回転速度を上げることなく、流量を増加させたもの(23L/分→40L/分)である。
ところで、パルセータ(脈動翼盤)の下面(裏面側)に羽根を設けて、その羽根を回転させることで遠心力によって、内槽に設けられた循環水路(ケース)を通して洗濯水を持ち上げ、ケースに形成されたスリットから吐出させるものでは、内槽内の洗濯物の量や洗濯水の量の影響を受け、内槽に投入される洗濯物が増えると散水量が少なくなり、洗濯水を洗濯物に安定して散布できなくなる。しかし、本実施形態では、循環ポンプ16を使用して洗濯水を循環させているので、吐出口31から出る洗濯水の量をほぼ一定にすることができる。
また、本実施形態では、循環水路18を、遠心力を利用する比較例と比べて扁平形状にできるので、吐出口31を内槽9の上縁部に設けられた流体バランサ12の上面12a(図11(a)参照)よりも上側に配置でき、洗濯物と吐出口31との距離を長く確保でき(水の落差が大きくなり)、洗浄力を高めることが可能になる。
(制御ブロック)
図13は、本発明の実施形態に係る洗濯機の制御ブロック図である。図13に示すように、マイコン40(制御装置)は、各操作ボタンスイッチ6に接続される操作ボタン入力回路41、水位センサ21、温度センサ26、振動センサ27と接続され、使用者のボタン操作や洗濯工程、乾燥工程での各種情報信号を取得する。また、マイコン40は、駆動回路42を介して、給水電磁弁4、クラッチ13b、排水弁15、循環ポンプ16、電動機13a、乾燥用ファン64、ヒータ62、ミスト弁160などと接続され、これらの開閉や回転、通電を制御する。また、マイコン40は、使用者に洗濯機の動作状態を知らせるための7セグメント発光ダイオードからなる表示器25、発光ダイオードからなる表示器7、ブザー43と接続されている。
次に、本実施形態に係る洗濯機の制御処理について説明する。
図14は、本発明の実施形態に係る洗濯機の制御処理の一部を示すフローチャートである。図15は、本発明の実施形態に係る洗濯機の制御処理の他の一部を示すフローチャートである。図16は、温水ミスト送風を含む温水ナイアガラビート洗浄処理での衣類温度の変化を示す説明図である。本実施形態においては、本洗い処理(ステップS120)前に、温水ミスト送風を含む温水ナイアガラビート洗浄処理(ステップS110)を実施している。
マイコン40は、電源スイッチ5(図12参照)が押されて電源が投入されると起動し、図14および図15に示す洗濯および乾燥の基本的な制御処理プログラムを実行する。図14に示すように、ステップS101において、マイコン40は、洗濯機100の状態確認および初期設定を行う。
ステップS102において、マイコン40は、操作パネル8(図1参照)の表示器7,25(図13参照)を点灯表示し、操作ボタンスイッチ6からの入力指示にしたがって洗濯コースを設定する。入力指示がない状態では、標準の洗濯コースまたは前回実施の洗濯コースを自動的に設定する。
ステップS103において、マイコン40は、操作パネル8の操作ボタンスイッチ6におけるスタートスイッチ(操作ボタンスイッチ)からのスタートスイッチ信号の入力を監視する。マイコン40は、スタートスイッチ信号の入力が無いと判定した場合には、ステップS103の処理を繰り返し、スタートスイッチ信号の入力が有りと判定した場合には、ステップS104に進む。
ステップS104において、マイコン40は、洗剤量検出処理を実行する。この洗剤量検出処理は、洗い水を給水する前の洗濯物が乾布状態において、内槽9を静止させた状態で脈動翼盤11を一方向に回転させたときに、該脈動翼盤11に作用する回転負荷量に基づいて洗濯物の布量を検出することにより行う。マイコン40は、電動機13aとクラッチ13bを制御し、検出した布量に基づいて洗剤の適量(洗剤量)を求める。洗剤量は、予め設定した布量と洗剤量の対照テーブルを参照することによって求める。
具体的に、電動機13aとしてインバータ駆動電動機を使用した布量の検出は、電動機13aを回転させるように所定時間給電した時の到達回転速度を検出することによって行う。電動機13aとしてコンデンサ分相単相誘導電動機を使用した布量の検出は、電動機13aを飽和回転速度まで上昇させるように給電した状態で断電した後の惰性回転減速特性を検出することによって行う。そして、好ましい洗剤量は、予め設定した布量と洗剤量の対照テーブルを参照することによって求める。
また、洗濯水量は、布量が所定の布量の範囲(適量)内のときには脈動翼盤11を越えない水位を維持して外槽10の底部に溜まるように洗濯水量(水位h1)を設定する。
また、マイコン40は、検出結果(布量)に基づいて洗濯時間を求めて設定する。布量検出が行われない場合には、標準の洗濯時間を設定する。
ステップS105において、マイコン40は、求めた洗剤量を操作パネル8の表示器25に表示する。
ステップS106において、マイコン40は、洗剤給水電磁弁(不図示)を開き、洗剤・仕上げ剤容器28(図1参照)の洗剤投入室に対して洗剤給水を実行する。なお、使用者は、洗剤給水前に、表示された量の粉末洗剤を洗剤・仕上げ剤容器28(図1参照)の洗剤投入室に投入した後、外蓋3(図1参照)を閉じるように操作する。洗剤給水が流れている洗剤投入室に投入された粉末洗剤は、洗剤給水の水と共に洗剤・仕上げ剤容器28を通り外槽10の底部に落下する。
ステップS107において、マイコン40は、洗剤溶かし水位まで給水後、洗剤給水を停止する。この実施形態では、洗剤給水量を洗濯量(布量)に関わらず、例えば、約10リットルに設定した。この水量は、この後の洗剤溶かし(ステップS108)で内槽9を回転させたときに、内槽9の底で給水した水と洗剤を攪拌するのに十分な水量で、かつ、水面が脈動翼盤11の下面の高さより低くなる(洗濯物が洗剤溶かし前に濡れない)ように設定される。
ステップS108において、マイコン40は、内槽9と脈動翼盤11を一体的に一方向に緩速回転(例えば、約毎分70回転)させることによって、該内槽9の底面で外槽10の底部に投入された洗剤溶かし水と粉末洗剤を攪拌して高洗剤濃度の洗い水を生成する洗剤溶かしを実行する。洗剤溶かしの時間は、例えば1分間に設定される。低温(低水温)、溶けにくい粉末洗剤の条件でも約90%の溶解率となる。生成した洗い水の洗剤濃度は、標準濃度の約7倍である。ここで、標準濃度は、例えば粉末洗剤量20グラム/洗い水量30リットルの割合である。
次に、ステップS110において、マイコン40は、温水ナイアガラビート洗浄処理(ステップS111〜ステップS115)を実行する。
処理(1):ステップS111(第1の工程)において、マイコン40は、予備洗いを実行する。この予備洗いでは、まず、内槽9を固定させない、または、フリーな状態で脈動翼盤11を正逆回転させる攪拌を間欠的に行い、脈動翼盤11の正逆回転中に循環ポンプ16を運転することによって外槽10の底部の洗い水(洗濯水)を循環パイプ17によってくみ上げて、外槽カバー14に形成された洗濯水導入口145から水路カバー30に洗濯水を導入する。そして、水路カバー30に形成された吐出口31から洗濯物上に洗濯水を横一文字状に散布する。このように、脈動翼盤11が正逆回転中に吐出口31から洗濯水が散布されるので、洗濯物(衣類)の全体に洗濯水を散布することができる。ステップS111の処理では、衣類に高洗剤濃度の洗い水(洗濯水)を散布することができ、しかも、衣類に十分な高洗剤濃度の洗い水を含ませた状態で攪拌を行うことができる。
ステップS112において、マイコン40は、衣類に含まなかった残り水を排水する。なお、残り水の水位がエアダクト66(図2参照)に水が入らない水位以下になっている場合は、排水処理をしなくてもよい。
処理(2):ステップS113(第2の工程)において、マイコン40は、乾燥ユニット60のヒータ62、乾燥用ファン64を起動するとともに、ミスト弁160をオフ状態(非通水状態)にすることにより、接続口4cを介してミストノズル70に水道水を供給する。すなわち、ミストノズル70から噴出した水がミストメッシュ80に衝突することによって水を微細化しミスト化する。これにより、温風とミストにより衣類を温める。衣類に含水した水(つまり、必要最小限の水量)だけ温めるので、単に、水を温めた場合に比べて衣類が温まりやすく、消費電力量を抑えられる効果がある。また、衣類の温度を上げることで、油汚れを早く分解することができる。
処理(3):ステップS114において、マイコン40は、給水電磁弁4を開いて少量(例えば、10リットル)の水道水(清水)を給水する。
処理(4):ステップS115(第3の工程)において、マイコン40は、給水した洗い水を、内槽9を固定させない、または、フリーな状態で脈動翼盤11を正逆回転させる攪拌を間欠的に行い、脈動翼盤11の正逆回転中に循環ポンプ16を運転することによって外槽10の底部の洗い水(洗濯水)を循環パイプ17によってくみ上げて、外槽カバー14に形成された洗濯水導入口145から水路カバー30に洗濯水を導入する。
洗濯水を循環ポンプ16で循環することにより、ステップS113の処理で温まった衣類、内槽9からの熱伝導により温水(例えば、温水が30℃以上)が生成される。吐出口31からの温水シャワーを散布しながら攪拌することで、ステップS113の処理で分解した(浮かせた)油汚れを衣類からはがし水中に流すことができる。温まった衣類の含水量を増すことで、洗いムラを低減することができる。なお、温水シャワーを散布しないで、攪拌のみ続けると、衣類が絞られて含水量が減る。このため、本実施形態では、温水シャワーを散布しながら攪拌している。また、攪拌動作中に水温は下がりにくいため、ヒータなどの特別の処置をしなくても、温水シャワーで洗浄することができる。以上がステップS110の温水ナイアガラビート洗浄処理である。温水ナイアガラビート洗浄処理後、本洗い処理(処理(5))に移行する。図16を参照して、温水ミストの送風を含む温水ナイアガラビート洗浄処理での衣類温度の変化を説明する。
図16に示す衣類温度は、温度センサを衣類に装着し実験した結果を模式的に示したものである。横軸は時間であり、縦軸は衣類温度である。処理(1)のステップS111では、衣類温度は、洗濯水の散布により生じる温度となる。処理(2)のステップS113では、衣類温度は、温水ミストの送風により温められ上昇する。処理(3)のステップS114では、衣類温度は、温水ミストの送風停止のため少し温度が下がる。処理(4)のステップS115では、温水シャワーによる洗濯水の散布により温度が維持される。そして、処理(5)の本洗い処理では、衣類温度は、処理(4)で衣類および内槽9が温まっているので、温水(例えば、25〜30℃)での温度となる。
図14に戻り、ステップS120において、マイコン40は、本洗いを実行する。この本洗いでは、先ず、前記と同様な方法で布量検出を実行して、設定水位まで水道水(清水)を給水する。その後、内槽9を静止させた状態で脈動翼盤11を正逆回転させながら循環ポンプ16を運転して外槽10の底部に溜った洗濯水(洗い水)を水路カバー30に形成された吐出口31から洗濯物に散布する洗い水循環を行う約2分間の攪拌と、循環ポンプ16の運転を停止して洗濯水(洗い水)の循環を止めた状態で脈動翼盤11を正逆回転させる約1分間の布ほぐし攪拌とを繰り返す。
ところで、従来のように、洗濯水を洗濯物に勢いよく吹き付けるものでは、洗濯物の表面で水はねが発生し、洗濯物に洗濯水が浸透し難くなり、また外槽カバー14の内蓋が汚れる問題があった。しかし、本実施形態では、吐出口31の開口を広げることで、洗濯水を勢いよく出さなくても、大流量を確保することができる。このため、洗濯物に洗濯水を勢いよく吹き付けることなく散布できるので、洗濯物に洗濯水を浸透させ易くなる。さらに、本洗い中に内槽9内に発生する洗剤の泡を消す効果もあるため、必要以上な発泡を抑制できる。このため、洗剤の泡のクッション作用による洗浄力の低下を防ぐことができる。さらに、本洗い後の排水をスムーズにでき、脱水時の発泡現象を防止できる効果もある。
そして、ステップS120では、マイコン40は、循環ポンプ16の運転を停止して洗濯し(洗い水)の循環を止めた状態で脈動翼盤11を正逆回転させる約1分間の均一化攪拌を実行した後、本洗いを終了する。
図15に示すように、ステップS121において、マイコン40は、第1回目の溜めすすぎを実行する。この溜めすすぎでは、先ず、排水弁15を開いて外槽10の底部に溜っている洗濯水(洗い水)を排水した後に、内槽9と脈動翼盤11を一体的に一方向に回転させて洗濯物に含まれている洗い水を遠心脱水する。この遠心脱水時の内槽9と脈動翼盤11の回転速度は、後記する最終脱水における回転速度(約1000rpm)と同様な回転速度に設定される。これにより、高い脱水率を実現する脱水運転が行われる。
そして、マイコン40は、排水弁15を閉じて内槽9と脈動翼盤11を一体的に一方向に緩速回転(35〜40rpm)させながら給水電磁弁4を開放して水道水(清水)を散水口157から脈動翼盤11上の洗濯物に散布されるように給水する。
そして、マイコン40は、内槽9と脈動翼盤11の回転を停止した状態で外槽10の底部の水位が設定水位h1を越えないようにすすぎ水給水を行う。
そして、マイコン40は、本洗い(ステップS110)における押し洗い攪拌と同様に、内槽9を静止させた状態で脈動翼盤11を正逆回転させながら循環ポンプ16を運転して外槽10の底部に溜ったすすぎ水(洗濯水)を水路カバー30の吐出口31から脈動翼盤11上の洗濯物に散布するように循環させるすすぎ水循環、攪拌によるすすぎを実行する。
そして、マイコン40は、脈動翼盤11の回転と循環ポンプ16の運転を停止した状態で外槽10の底部に溜るすすぎ水の水位を検出しながら水位が設定水位h1を越えないように補給水を行う。
そして、マイコン40は、内槽9を静止させた状態で脈動翼盤11を正逆回転させながら循環ポンプ16を運転して外槽10の底部に溜ったすすぎ水(洗濯水)を吐出口31から脈動翼盤11上の洗濯物に散布するように循環させるすすぎ水循環、攪拌によるすすぎを実行する。このとき、水路カバー30の吐出口31から出る洗濯水(すすぎ水)は洗濯物にムラなく散布され、洗濯物に含まれる洗剤成分を効率よく希釈でき、すすぎ性能を高くできる。
その後、マイコン40は、循環ポンプ16を停止してすすぎ水の循環を止めた状態で脈動翼盤11の正逆回転を継続する均一化攪拌を実行する。
ステップS122において、マイコン40は、第2回目の溜めすすぎを実行する。この第2回目の溜めすすぎでは、柔軟仕上げ剤給水電磁弁(不図示)を開いて洗剤・仕上げ剤容器28(図1参照)の柔軟仕上げ剤投入室に給水することによって、該柔軟仕上げ剤投入室内の柔軟仕上げ剤を外槽10の底部に導入する制御を行う。なお、それ以外の動作は、第1回目の溜めすすぎと同様に行う。
ステップS123において、マイコン40は、最終脱水を実行する。最終脱水では、排水弁15を開放したままの状態で内槽9と脈動翼盤11を一体的にして一方向に約1000rpmで高速回転させるように洗濯脱水駆動装置を運転して内槽9内の洗濯物を遠心脱水する。この最終脱水の運転時間は、所望の脱水率が得られる時間に設定する。
ステップS124において、マイコン40は、洗濯乾燥コースが設定されているか否かを判定する。マイコン40は、洗濯乾燥コースが設定されていないと判定した場合には(S124、N)、ステップS125をスキップして処理を終了し、洗濯乾燥コースが設定されていると判定した場合には(S124、Y)、ステップS125に進む。
ステップS125において、マイコン40は、洗濯乾燥コースが設定されている場合は、乾燥を実行する。この乾燥では、排水弁15を開放したまま、洗濯行程と同様に、内槽9を静止させた状態で脈動翼盤11を正逆回転させながら、乾燥ユニット60内の乾燥用ファン64(図2参照)を運転する。これにより、外槽10内の空気が通水通気口10b(図2参照)からエアダクト66内に吸い出され、エアダクト66内を通過するときに該エアダクト66内に設置した冷水除湿部67から流れ落ちる冷却水に触れることで冷却除湿される。冷却除湿された空気は、リントフィルタを通して糸くずを捕集し、ヒータ62によって加熱された後に温風導入口146(図3参照)から内槽9内に吹き込まれる。
そして、マイコン40は、温度センサ26(図13参照)によって温風の温度を監視しながら乾燥を実行し、温度変化の割合が所定の値になったときに乾燥を終了する。
以上説明したように、本実施形態の洗濯機100によれば、本洗い前に、内槽9内に洗濯水を戻す吐出口31から高濃度洗剤液である洗濯水を、散布し、衣類に十分な高濃度洗剤液を含ませ(第1の工程)、そののちに温水ミストの送風で温めているので(第2の工程)、衣類温度をあげることができ、油汚れを早く分解・離脱することができる。
また、給水後、給水した水を循環ポンプ16で循環することで(第3の工程)、温まった衣類および内槽9からの熱伝導により温水を生成することができる。そして、温水を衣類に散布しながら攪拌することで、前記分解した油汚れを衣類からはがし水中に流すことができる。
また、本実施形態の洗濯機100によれば、内槽9内に洗濯水を戻す吐出口31が、流体バランサ12の位置(内径D1)よりも内側に位置し(図2参照)、かつ、内槽9に洗濯物を投入する洗濯物投入口141の最大幅Wmaxの半分以上の幅にすることで(図10参照)、吐出口31から幅広に横一文字形状の洗濯水を散水することができ、洗い時の洗い水(洗濯水)やすすぎ時のすすぎ水(洗濯水)を洗濯物の全体に散布することができる。その結果、洗濯水を洗濯物にムラなく散布することができ、洗いムラを低減することができ、しかも洗浄力を高めることができる。
また、本実施形態では、吐出口31が脈動翼盤11の回転中心O1(図11参照)よりも後側に位置し、吐出口31から吐出された洗濯水が、洗濯物投入口141の最大幅Wmaxの半分以上の幅で回転中心O1よりも前側に落下するようにしたことで、負荷量の多少(洗濯物高さの高低)に拘わらず、洗濯水を内槽9の回転中心O1に落下させることができ、洗濯物(衣類)の全体に洗濯水を散布することができる。
また、本実施形態では、複数の案内突起により、吐出口31の全幅から洗濯水を吐出させることができ、横一文字状の洗濯水を洗濯物に散布することが可能になる。
なお、本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変更することができる。なお、前記した実施形態では、左端(幅方向の一端側)に洗濯水導入口145を備えた水路カバー30を例に挙げて説明したが、左端に限定されるものではなく、幅広(最大幅Wmaxの半分以上)の吐出口31を形成できるものであれば、右端(幅方向の他端側)であってもよく、中央(幅方向の中間)であってもよい。右端の場合には、本実施形態と左右逆の形状とすることで構成でき、中央の場合には、水路カバー30の中央を基準として左右対称形状とすることで構成できる。
また、本実施形態では、幅方向(左右方向)に一続きの吐出口31を形成した場合を例に挙げて説明したが、吐出口31が幅方向の途中で分割された構成であってもよい。なお、分割する数は、2つに限定されるものではなく、3つ以上に分割されていてもよい。
また、本実施形態では、幅方向(左右方向)に直線状に吐出口31を形成した場合を例に挙げて説明したが、吐出口31が弓型に湾曲した形状であってもよく、波型形状であってもよい。
本実施形態では、縦型の洗濯機(洗濯乾燥機)について説明したが、これに限定されるわけではない。例えば、ステップS110の温水ナイアガラビート洗浄処理は、ドラム式洗濯乾燥機にも適用することができる。
1 筐体
9 内槽
10 外槽
11 脈動翼盤(回転翼盤)
12 流体バランサ
14 外槽カバー
16 循環ポンプ
17 循環パイプ(循環路)
18 循環水路
30 水路カバー
31 吐出口(戻し口)
31a 端部
40 マイコン(制御装置)
50 洗濯水循環機構
60 乾燥ユニット
70 ミストノズル
100 洗濯機
141 洗濯物投入口(投入口)
145 洗濯水導入口(導入口)
O1 回転中心
Wmax 最大幅

Claims (5)

  1. 貯水可能な外槽と、
    前記外槽内に設けられ回転駆動される内槽と、
    前記内槽内に温風を送風する温風ユニットと、
    循環ポンプを用いて前記外槽の底部に溜められた洗濯水をくみ上げて、前記内槽内に洗濯水を戻すことで循環させる洗濯水循環機構と、
    制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    前記洗濯水循環機構により洗剤を含む洗濯水を前記内槽の内側に散布する第1の工程と、
    前記第1の工程後に、前記温風ユニットにより生成される温風に給水を合流させて前記内槽内に供給する第2の工程と、
    前記第2の工程後に、前記外槽内に給水後、前記洗濯水循環機構により該給水を前記内槽内に散布する第3の工程と、を実行する
    ことを特徴とする洗濯機。
  2. 前記第3の工程の衣類温度は、前記第2の工程の最大の衣類温度より低く、かつ、前記第1の工程の衣類温度より高い
    ことを特徴とする請求項1に記載の洗濯機。
  3. 前記第2の工程において、前記給水をミスト状にした温風を送風する
    ことを特徴とする請求項1に記載の洗濯機。
  4. 前記内槽内の底部に回転自在に設けられる回転翼盤と、
    前記内槽の上縁部に設けられる流体バランサと、を有し、
    前記内槽内に洗濯水を戻す戻し口は、前記流体バランサの位置よりも内側に位置し、かつ、前記内槽に洗濯物を投入する投入口の最大幅の半分以上の幅を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の洗濯機。
  5. 前記外槽の上部に設けられ、前記投入口を有する外槽カバーと、
    前記外槽カバーの下面に取り付けられ、前記戻し口が形成された水路カバーと、を備え、
    前記戻し口は、前記回転翼盤の回転中心よりも後側に位置し、
    前記戻し口から吐出された洗濯水が、前記幅で前記回転中心よりも前側に落下するようにしたことを特徴とする請求項4に記載の洗濯機。
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