JP6480194B2 - 粘着剤組成物の製造方法、並びにそれを用いた粘着シートの製造方法及び表面保護フィルムの製造方法 - Google Patents

粘着剤組成物の製造方法、並びにそれを用いた粘着シートの製造方法及び表面保護フィルムの製造方法 Download PDF

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本発明は、粘着剤組成物及びその製造方法、並びにそれを用いた粘着シート及び表面保護フィルムに関する。
偏光板、位相差板などの光学部材は、製造、加工、搬送時などで生ずる傷や汚れを防止するために、その表面に表面保護フィルムが貼り合わされている。表面保護フィルムとしては、透明な基材上に粘着剤層が形成された粘着シートを用いるのが一般的であり、その粘着剤層を形成するための粘着材組成物に関する検討がなされている。
特許文献1には、(A)(メタ)アクリル酸エステル重合体、(B)(b−1)アルカリ金属カチオンを有する電解質塩と(b−2)多価カルボン酸のエステルとの組み合わせからなるイオン導電剤、(C)ポリオキシアルキレン基を有する導電性ポリオルガノシロキサンを含む粘着剤組成物が記載されている。
特許文献2には、分子内に水酸基を有するアクリル系共重合体と、アルカリ金属塩と、ポリオキシエチレン基を有するジメチルポリシロキサン化合物と、を含有する粘着剤組成物が記載されている。
特許文献3には、(A)アルキル基の炭素数がC4〜C10の(メタ)アクリル酸エステルモノマーと、(B)水酸基を含有する共重合可能なモノマーと、(C)カルボキシル基を含有する共重合可能なモノマーと、(D)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステルモノマーと、(E)水酸基を含有しない窒素含有ビニルモノマーまたはアルコキシ基含有アルキル(メタ)アクリレートモノマーの少なくとも一種と、を含む共重合体のアクリル系ポリマーからなり、さらに、(F)3官能以上のイソシアネート化合物と、(G)架橋遅延剤と、(H)架橋触媒と、(I)帯電防止剤と、(J)ポリエーテル変性シロキサン化合物とを含有し、前記アクリル系ポリマーの酸価が0.01〜8.0である粘着剤組成物が記載されている。
特許文献4には、ガラス転移温度が0℃未満のポリマー(A)100質量部と、重量平均分子量が1000以上30000未満であり、所定の脂環式構造を有する(メタ)アクリル系モノマーをモノマー単位として含む(メタ)アクリル系重合体(B)0.05質量部〜3質量部と、イオン性化合物(C)0.005質量部〜1質量部と、ポリオキシアルキレン鎖を有する化合物(D)0.01質量部〜2.5質量部と、を含む粘着剤組成物が記載されている。
特開2008−31293号公報 特開2013−163745号公報 特開2013−216738号公報 特開2013−216768号公報
しかし、特許文献1〜4に記載された粘着剤組成物は、剥離性や剥離帯電防止性を向上させることを目的としており、偏光板などの被着体に対する濡れ性の向上については必ずしも有効ではなかった。濡れ性の向上は、特に表面に微細な凹凸を有する部材(例えば、アンチグレア処理された偏光板等の光学部材)を被着体とする場合、光学部材やディスプレイ等の製造・流通工程中に表面保護フィルムが剥がれたり、オートクレーブ処理時に表面保護フィルムの浮きが発生したりする等の問題を防ぐために非常に重要であり、優れた濡れ性と粘着性を発揮する粘着剤組成物の開発が望まれていた。
そこで、本発明は、偏光板などの被着体に対して優れた濡れ性と粘着性を発揮する粘着剤組成物及びその製造方法、並びにそれを用いた粘着シート及び表面保護フィルムを提供することを目的とする。
本発明に係る粘着剤組成物は、アクリル系ポリマーと、多官能イソシアネートと、変性オルガノシロキサンとを含み、Kitazaki−Hata法から算出される表面自由エネルギーが30mJ/m以上である。
本発明に係る粘着剤組成物の製造方法は、上記本発明に係る粘着剤組成物を製造する方法であって、製造される粘着剤組成物の前記表面自由エネルギーが30mJ/m以上となる変性オルガノシロキサンの含有量範囲を求める工程と、前記含有量範囲から前記変性オルガノシロキサンの添加量を決定し、それに基づき、アクリル系ポリマーと、多官能イソシアネートと、変性オルガノシロキサンとを混合する工程とを有する。
本発明に係る粘着シートは、基材フィルムと、前記基材フィルムの少なくとも片面に形成された粘着剤層とを有し、前記粘着剤層が、上記本発明に係る粘着剤組成物を含む。
本発明に係る粘着シートの製造方法は、上記本発明に係る粘着シートを製造する方法であって、上記本発明に係る粘着剤組成物の製造方法により粘着剤組成物を製造する工程と、製造された粘着剤組成物を含む粘着剤層を、前記基材フィルムの少なくとも片面に形成する工程とを有する。
本発明に係る表面保護フィルムは、上記本発明に係る粘着シートからなる。
本発明に係る表面保護フィルムの製造方法は、上記本発明に係る表面保護フィルムを製造する方法であって、上記本発明に係る粘着剤組成物の製造方法により粘着剤組成物を製造する工程と、製造された粘着剤組成物を含む粘着剤層を、前記基材フィルムの少なくとも片面に形成する工程とを有する。
本発明によれば、偏光板などの被着体に対して優れた濡れ性と粘着性を発揮する粘着剤組成物及びその製造方法、並びにそれを用いた粘着シート及び表面保護フィルムを提供できる。
変性オルガノシロキサンの種類が異なる粘着剤組成物の表面自由エネルギーと、それを用いた粘着シートの偏光板への濡れ速度との関係を示したグラフである。 変性オルガノシロキサンの含有量が異なる粘着剤組成物の表面自由エネルギーと、それを用いた粘着シートの偏光板への濡れ速度との関係を示したグラフである。 濡れ速度を測定する方法を説明するための図である。
本発明に係る粘着剤組成物は、アクリル系ポリマーと、多官能イソシアネートと、変性オルガノシロキサンとを含む。そして、本発明に係る粘着剤組成物のKitazaki−Hata法から算出される表面自由エネルギーは、30mJ/m以上(好ましくは60mJ/m以下)のものである。このような粘着剤組成物とすることで、偏光板などの被着体に対して優れた濡れ性と粘着性を発揮するようになる。すなわち、本発明に係る粘着剤組成物は、粘着シート(特に偏光板用表面保護フィルム)の粘着剤層に用いる粘着剤組成物として好適である。なお、本明細書において、Kitazaki−Hata法から算出される表面自由エネルギーを、単に「表面自由エネルギー」と呼ぶことがある。
本発明において、粘着剤組成物の表面自由エネルギーは、Kitazaki−Hata法から算出する。具体的には、表面自由エネルギーγは、分極成分γ、極性成分γ、及び水素結合成分γからなると仮定すると、下記式(a)で表されることになる。
Figure 0006480194
このとき、固体の表面自由エネルギーγ(=γ +γ +γ )と、液体の表面自由エネルギーγ(=γ +γ +γ )と、接触角θとの間には、下記式(b)が成立する。
Figure 0006480194
そこで、γの成分γ 、γ 、及びγ が既知の液体を3種類用いて接触角θを測定し、γ 、γ 、及びγ の連立方程式を解くことでγを算出することができる。なお、本発明においては、γの成分が既知の液体として、水、ジヨードメタン、及びエチレングリコールを用いてγを算出した(各成分の値は表1のとおり)。
Figure 0006480194
得られる粘着剤組成物の表面自由エネルギーは、アクリル系ポリマー、多官能イソシアネート、及び変性オルガノシロキサンの種類や配合比により調整することができるが、特にアクリル系ポリマーに対する変性オルガノシロキサンの配合比を調整することにより所望の表面自由エネルギーを実現することが簡便である。すなわち、粘着剤組成物を製造するにあたっては、事前に、製造される粘着剤組成物の前記表面自由エネルギーが30mJ/m以上となる変性オルガノシロキサンの含有量範囲を求め、その含有量範囲から変性オルガノシロキサンの添加量を決定し、それに基づき、アクリル系ポリマーと、多官能イソシアネートと、変性オルガノシロキサンとを混合することが好ましい。
アクリル系ポリマーとしては、特に制限はなく、従来粘着剤の樹脂成分として使用されている(メタ)アクリル酸エステル系重合体の中から適宜選択して用いることができる。(メタ)アクリル酸エステル系重合体としては、例えば、エステル部分のアルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、活性水素をもつ官能基を有する単量体と、所望により用いられる他の単量体との共重合体を用いることができる。なお、「(メタ)アクリル酸エステル」の表記は、メタクリル酸エステル及び/又はアクリル酸エステルを意味する。
エステル部分のアルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートが挙げられる。エステル部分のアルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、1種を単独で用いることもでき、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
活性水素をもつ官能基を有する単量体の具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;モノメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モノエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モノメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、モノエチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどのモノアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸などのエチレン性不飽和カルボン酸が挙げられる。活性水素をもつ官能基を有する単量体は、1種を単独で用いることもでき、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
他の単量体の具体例としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;エチレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン類;塩化ビニル、ビニリデンクロリドなどのハロゲン化オレフィン類;スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系単量体;ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどのジエン系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル系単量体;アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミドなどのアクリルアミド類が挙げられる。他の単量体は、所望により用いても用いなくてもよく、他の単量体を用いる場合、1種を単独で用いることもでき、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体の共重合形態については、特に制限はなく、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体のいずれでもよい。
アクリル系ポリマーの分子量に関しては、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法による標準ポリスチレン換算の重量平均分子量が、10万〜100万であることが好ましい。
多官能イソシアネート化合物とは、1分子中に3個以上のイソシアネート(NCO)基を有するポリイソシアネート化合物のことであり、その具体例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどのジイソシアネート類(1分子中に2個のNCO基を有する化合物)のビュレット変性体又はイソシアヌレート変性体;ジイソシアネート類と、トリメチロールプロパン、グリセリンなどの3価以上のポリオール(1分子中に3個以上のOH基を有する化合物)とのアダクト体(ポリオール変性体)が挙げられる。
多官能イソシアネート化合物の市販品としては、「コロネートHX」、「コロネートHL」、「コロネートL」(以上、日本ポリウレタン工業製商品名);「デュラネートE−405−80T」、「デュラネート24A−100」、「デュラネートTSE−100」(以上、旭化成工業製商品名)などが挙げられる。
多官能イソシアネート化合物の含有量は、アクリル系ポリマー100重量部に対して0.1〜5重量部であることが好ましく、0.5〜3重量部であることがより好ましい。多官能イソシアネート化合物の含有量を0.1重量部以上とすることで、粘着剤組成物の凝集力が得られ、表面保護フィルムとした際の再剥離での汚染や糊残りを防ぐことができる。また、多官能イソシアネート化合物の含有量を5重量部以下とすることで、粘着性と濡れ性を維持することができる。
変性オルガノシロキサンは、変性有機基を有するオルガノポリシロキサンのことであり、その具体例としては、下記式(1)〜(6)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006480194
Figure 0006480194
Figure 0006480194
Figure 0006480194
Figure 0006480194
Figure 0006480194
式(1)〜(6)において、Rは水素原子又は炭化水素基(好ましくはメチル基又はエチル基)、R及びRは変性有機基、m、n及びoは0〜1000の整数(ただし、m、n及びoが同時に0となることはない)を意味する。変性有機基の具体例としては、ポリエーテル変性有機基、アクリル変性有機基、長鎖アルキル変性有機基、高級脂肪酸エステル変性有機基が挙げられる。
変性オルガノシロキサンの市販品としては、「KP−101」、「KP−104」、「KP−105」、「KP−106」、「KP−109」、「KP−112」、「KP−120」、「KP−341」、「KP−611」、「KF−352A」、「KF−412」、「KF−945」、「KF−6017」、「X−22−160AS」、「X−24−3004」、「X−24−3544A」、「X−24−8300」(以上、信越化学工業製商品名);「TSF410」、「TSF4421」、「TSF4440」、「TSF4450」、「TSF4708」、「TSF4730*」、「XF42−334」(以上、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ製商品名)が挙げられる。
変性オルガノシロキサンの含有量は、アクリル系ポリマー100重量部に対して0.01〜1重量部であることが好ましく、0.1〜0.5重量部であることがより好ましい。変性オルガノシロキサンの含有量を0.01重量部以上とすることで、優れた濡れ性を得ることができる。また、変性オルガノシロキサンの含有量を1重量部以下とすることで、コストを抑えることが可能となる。
本発明に係る粘着剤組成物は、アクリル系ポリマー、多官能イソシアネート化合物、変性オルガノシロキサン以外に、粘着剤組成物の分野において一般的な添加剤を含んでいてもよい。添加剤の具体例としては、粘着付与樹脂、架橋剤、触媒、可塑剤、軟化剤、充填剤、着色剤(顔料、染料等)、酸化防止剤、レベリング剤、安定剤、防腐剤、帯電防止剤が挙げられる。
本発明に係る粘着シートは、基材フィルムと、その基材フィルムの少なくとも片面に形成された粘着剤層を有し、その粘着剤層が上記の粘着剤組成物を含むものである。粘着剤層は、基材フィルムの片面のみに形成されていてもよく、基材フィルムの両面に形成されていてもよい。
基材フィルムの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム、ポリエチレン(PE)フィルム、ポリプロピレン(PP)フィルムなどが挙げられる。なかでも、フィルムの機械的特性、汎用性、コストなどの観点から、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが好適である。
基材フィルムの厚さは、通常12〜250μmであり、好ましくは25〜100μmである。粘着剤層の厚さは、粘着性の維持と経済性の観点から、5〜50μmとすることが好ましく、10〜30μmとすることがより好ましい。
本発明に係る表面保護フィルムは、上記粘着シートからなるものである。特に、偏光板用表面保護フィルムであることが好ましい。粘着剤層の基材フィルムと反対側の面には、剥離フィルムが配置されていることが好ましく、表面保護フィルムを使用する際あには、剥離フィルムを剥がした状態で使用することが好ましい。
本発明に係る表面保護フィルムの粘着性に関しては、25mm幅の試験サンプルを用いた剥離速度30m/minにおける180°剥離試験での粘着力(以下、単に「粘着力」と称することがある。)が0.2〜1.5N/25mmであることが好ましく、0.4〜1.0N/25mmであることがより好ましい。粘着力が0.2N/25mm以上であれば、製造・流通工程中に被着体から表面保護フィルムが剥がれにくくなる。また、粘着力が1.5N/25mm以下であれば、被着体から表面保護フィルムを剥がす作業性が向上する。
<実験1>
アクリル系ポリマー(2−エチルヘキシルアクリレートと4−ヒドロキシブチルアクリレートの共重合体(共重合比率100:8)、重量平均分子量:20万)100重量部に対して、多官能イソシアネートとしてのコロネートHX(商品名、日本ポリウレタン工業製、ヘキサメチレンジイソシアネート化合物のイソシアヌレート体)1.5重量部と、変性オルガノシロキサンとしてのKP−341(商品名、信越化学工業製、ポリエーテル変性オルガノシロキサン)0.3重量部を加え、撹拌混合することで、粘着剤組成物を得た。この粘着剤組成物の表面自由エネルギーを前述の方法により算出すると、50mJ/mであった。
得られた粘着剤組成物を、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの上に塗布し、100℃で乾燥して溶剤を除去することで、PETフィルム上に厚さ15μmの粘着剤層が形成された粘着シートを得た。その後、粘着層側に剥離フィルム(シリコーン樹脂コートされたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、厚さ25μm)を貼り合わせることで、「PETフィルム/粘着剤層/剥離フィルム」の積層構成を有する表面保護フィルムを得た。
得られた表面保護フィルムの偏光板に対する濡れ性の指標として、濡れ速度を測定した。具体的には、まず、図3に示すように、表面保護フィルムを150mm×210mmに切断した試験片1を作製し、剥離フィルムを剥がした。一方、被着体として、AG処理された偏光板2(裏面には土台となるガラス3が貼り合わされている)を準備した。試験片1及び偏光板2を除電し、図3に示すように、試験片1の粘着剤層側を下方に向けて湾曲させ、試験片1の中央線を偏光板2の上に密着させた。そして、試験片1全体が自重で偏光板2に密着するまでの時間(濡れ速度)を測定したところ、23秒であった。なお、濡れ速度が小さいほど、偏光板に対する濡れ性が良好であることを意味する。
また、得られた表面保護フィルムの偏光板に対する粘着性の指標として、剥離速度30m/minにおける180°剥離試験での粘着力を測定した。具体的には、まず、上記の表面保護フィルムを25mm幅にカットし、卓上ラミネート機を用いてアンチグレア処理された偏光フィルムに圧着して、試験サンプルを作製した。この試験サンプルを23℃×65%RHの条件下で24時間放置した後、180°剥離試験での粘着力を剥離速度30m/minで測定したところ、0.5N/25mmであった。
<実験2〜24>
変性オルガノシロキサンの種類を変えたこと以外は、実験1と同様の実験を行った。実験1〜24で用いた変性オルガノシロキサン、得られた粘着剤組成物の表面自由エネルギー、並びに得られた表面保護フィルムの濡れ速度及び粘着力を表2に示す。
Figure 0006480194
以上の結果を基に、得られた粘着剤組成物の表面自由エネルギーと、それを用いた粘着シートの偏光板への濡れ速度との関係をグラフにしたものを図1に示す。粘着剤組成物の表面自由エネルギーが30mJ/m以上であれば、偏光板に対する濡れ速度が25秒以下と、優れた濡れ性を発揮することが分かった。
また、粘着力は、いずれの試験サンプルでも0.4〜1.5N/25mmの範囲であり、優れた粘着力及び剥離性を有していた。
<実験25〜28>
変性オルガノシロキサンの使用量を変えたこと以外は、実験1と同様の実験を行った。実験1及び25〜28で用いた変性オルガノシロキサンの量、得られた粘着剤組成物の表面自由エネルギー、並びに得られた表面保護フィルムの濡れ速度及び粘着力を表3に示す。
Figure 0006480194
以上の結果を基に、得られた粘着剤組成物の表面自由エネルギーと、それを用いた粘着シートの偏光板への濡れ速度との関係をグラフにしたものを図2に示す。粘着剤組成物の表面自由エネルギーは、変性オルガノシロキサンの使用量を増やすことで高めることができ、簡便に所望の表面自由エネルギーに調整することができることが明らかとなった。そして、この場合にも、粘着剤組成物の表面自由エネルギーが30mJ/m以上であれば、偏光板に対する濡れ速度が25秒以下と、優れた濡れ性を発揮することが分かった。
また、粘着力は、いずれの試験サンプルでも0.5〜0.9N/25mmの範囲であり、より優れた粘着力及び剥離性を有していた。
1 試験片
2 偏光板
3 ガラス

Claims (7)

  1. アクリル系ポリマーと、多官能イソシアネートと、変性オルガノシロキサンとを含み、Kitazaki−Hata法から算出される表面自由エネルギーが30mJ/m 以上である粘着剤組成物を製造する方法であって、
    製造される粘着剤組成物の前記表面自由エネルギーが30mJ/m以上となる変性オルガノシロキサンの含有量範囲を求める工程と、
    前記含有量範囲から前記変性オルガノシロキサンの添加量を決定し、それに基づき、アクリル系ポリマーと、多官能イソシアネートと、変性オルガノシロキサンとを混合する工程と
    を有する粘着剤組成物の製造方法。
  2. 前記変性オルガノシロキサンが、ポリエーテル変性オルガノシロキサン、アクリル変性オルガノシロキサン、アルキル変性オルガノシロキサン、又は脂肪酸エステル変性オルガノシロキサンである請求項1に記載の粘着剤組成物の製造方法
  3. 前記変性オルガノシロキサンの含有量が、前記アクリル系ポリマー100重量部に対して0.01〜1重量部である請求項1又は2に記載の粘着剤組成物の製造方法
  4. 前記多官能イソシアネートが、1分子中に2個のNCO基を有するジイソシアネート化合物のイソシアヌレート変性体である請求項1〜3のいずれか1項に記載の粘着剤組成物の製造方法
  5. 前記多官能イソシアネートの含有量は、前記アクリル系ポリマー100重量部に対して0.1〜5重量部である請求項1〜4のいずれか1項に記載の粘着剤組成物の製造方法
  6. 基材フィルムと、前記基材フィルムの少なくとも片面に形成された粘着剤層とを有する粘着シートを製造する方法であって、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法により粘着剤組成物を製造する工程と、
    製造された粘着剤組成物を含む粘着剤層を、前記基材フィルムの少なくとも片面に形成する工程と
    を有する粘着シートの製造方法
  7. 基材フィルムと、前記基材フィルムの少なくとも片面に形成された粘着剤層とを有する粘着シートからなる表面保護フィルムを製造する方法であって、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法により粘着剤組成物を製造する工程と、
    製造された粘着剤組成物を含む粘着剤層を、前記基材フィルムの少なくとも片面に形成する工程と
    を有する表面保護フィルムの製造方法
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