JP6479440B2 - X線診断装置 - Google Patents

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Description

本発明の一態様としての実施形態は、X線診断装置に関する。
X線診断装置は患者にX線を照射し、透過したX線を検出することで内部の構造を観察できる。X線は骨などの硬組織は透過しないが、空気や軟組織などはよく透過する。通常のX線画像はX線を透過しにくい部分を白く、X線を透過しやすい部分を黒く表示し、X線の透過量の違いをコントラストで示した画像となる。一方、軟組織である血管や心臓などの臓器についても、X線を透過しにくい造影剤などを用いることで画像化する技術が開発されている。
特に、循環器系の疾患においては、造影剤を用いて血管等を画像化しつつ、カテーテルなどを挿入し異常部位を治療するIVR(Interventional Radiology)が実用化されている。IVRは、X線を連続的に照射するX線透視と呼ばれる方法で治療の対象となる血管等を観察しながら、細い管状のカテーテルにより治療を行う。そのため、開腹手術などと比較して術創が小さく低侵襲な手術であり、高齢者などにも適用できることから幅広く実施されている。一方、比較的長時間X線を照射することとなるため、患者の被ばく量を適切にコントロールすることが求められており、たとえば日本循環器学会では、「循環器病の診断と治療に関するガイドライン(JCS 2011)」を設けている。
患者の被ばく量を抑えるために、たとえば、治療にかかわる領域(以下、関心領域(ROI:Region Of Interest)と呼ぶこととする)以外へのX線量を、X線減弱フィルタを用いて低減する方法が提供されている(たとえば、特許文献1等)。このようにX線減弱フィルタを用いて、ROI以外のX線被ばく量を抑制して透視する方法をROI透視と呼ぶこととする。特許文献1の技術では、ROI以外の領域はX線減弱フィルタによりX線検出器に照射されるX線量が減少するため、ROIに比べて明度が低く、コントラストの悪い画像となる。しかしながら、ROI透視では、ROI以外の領域もROI内に存在する解剖学的な構造を特定するために参照したり、カテーテルを挿入する際に観察したりする場合がある。そこで、ROIと、ROI以外のX線減弱領域(以下、ROA:Region Of Attenuate)とで画像処理の重みを変えることで、見え方を均一にする技術が提供されている(たとえば、特許文献2等)。
特開2005−27823号公報 米国特許出願公開2014/0198131号明細書
しかしながら上述の技術では、関心領域(ROI)に比べて、減弱されたX線が検出されるX線減弱領域(ROA)ではX線検出器で検出される信号が小さくなる。一方、X線検出器で検出された信号に対する増幅や階調変換などは関心領域(ROI)に合わせて設定されているため、X線減弱領域(ROA)で取得した信号から得られる画像の階調は低くなってしまう。特許文献2に記載された画像処理(フィルタ処理)により、X線減弱領域(ROA)の信号を関心領域と同様の階調になるように補間しても、X線検出器で取得した元の信号の階調が低いため、コントラストは低くなってしまう。また、このようなフィルタ処理によりノイズ成分も同様に処理されるため、S/N比が低く、信頼性や客観性に劣る画像となってしまう。
そこで、X線検出器において関心領域(ROI)とX線減弱領域(ROA)とのそれぞれの領域で得られる信号の大きさに応じた信号処理が可能なX線診断装置が要望されている。
本実施形態に係るX線診断装置は、X線を発生させるX線管と、前記X線管と被検体との間に設置され、前記被検体に照射されるX線量を減弱するX線減弱フィルタと、前記被検体を透過したX線を画素単位で検出するとともに、検出した前記X線の信号に対する利得を画素単位で変更することができる増幅器を有するX線検出器と、前記X線検出器の各画素が、関心領域に対応する画素であるのか、前記X線減弱フィルタによりX線量が減衰されたX線減弱領域に対応する画素であるのかに応じて、前記増幅器の利得を設定する利得設定部と、を備えたことを特徴とする。
実施形態に係るX線診断装置の一例を示す概念的な構成図。 実施形態に係るX線診断装置の構成を示すブロック図。 実施形態に係るX線診断装置の動作を説明するフローチャート。 実施形態に係るX線診断装置のROIとROAを説明する図。 ROIとROAとの階調の違いを説明する図。 実施形態に係るX線診断装置におけるROIとROAの利得の設定を説明する図。 第1の実施形態に係るX線検出器の構成を説明する図。 第1の実施形態に係るX線検出器における信号検出のタイムチャート。 第2の実施形態に係るX線検出器の構成を説明する図。 第2の実施形態に係るX線検出器における信号検出のタイムチャート。 第3の実施形態に係るA/D変換器の構成を説明する図。 実施形態に係るX線検出器の領域設定における変形例。 第4の実施形態に係るX線診断装置の動作を説明するフローチャート。 第4の実施形態における各領域の算出および条件変更のタイミングを説明する図。
以下、X線診断装置の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
(1)構成
図1は、実施形態に係るX線診断装置の一例を示す概念的な構成図である。図1が示すように、X線診断装置1は大きく撮像部10と制御部20とから構成される。X線診断装置1の撮像部10は通常は検査室に設置され、被検体Pに対してX線画像を取得するよう構成される。制御部20は検査室に隣接する操作室に設置され、撮影条件の設定や、X線画像の生成と表示を行うよう構成される。なお、制御部20は撮像部10が設置される検査室に設置されてもよい。
撮像部10は、コントローラ100、利得設定部110、アーム駆動部120、寝台制御部130、X線調整部140、絞り駆動部150、高圧電源160、X線管保持部170、A/D変換器(Analog-to-Digital converter)180を有する。X線管保持部170とX線検出器111は、アーム121の両端にお互いが対向するように位置し、寝台131に載置された被検体Pを挟むように設置されている。X線管保持部170は、X線減弱フィルタ141、X線可動絞り151、X線管161を備えて構成される。
利得設定部110は、X線検出器111の各画素が、関心領域(ROI)に対応する画素であるのか、あるいは、X線減弱フィルタ141によりX線量が減衰されたX線減弱領域(ROA)に対応する画素であるのかに応じて、各画素で受信する受信信号の利得をそれぞれ設定する。ここで、関心領域とは治療にかかわりのある領域のことであり、X線減弱領域(ROA)とは、関心領域(ROI)以外の領域であって、X線減弱フィルタによりX線量が減弱された領域である。X線減弱フィルタ141は銅や鉛などのX線減弱物質を含むことにより、X線管から照射されたX線を減衰させるフィルタである。このX線減弱フィルタをX線管と被検体Pとの間に設置することで、ROI以外の領域へのX線照射量を減らすことができ、X線透視などの連続撮像において、被検体Pへの被ばく量を抑制することができる。
X線検出器111は、被検体Pを透過したX線を画素単位で検出するとともに、検出したX線の信号に対する利得を画素単位で変更することができる増幅器を有する。X線検出器111は、検出面に照射されたX線を検出するため、検出器として平面検出器(FPD:Flat Panel Detector)などを内蔵している。FPDはイメージセンサを有しており、イメージセンサには、CMOSイメージセンサ(Complementary Metal Oxide Semiconductor Image Sensor)や、CCD(Charge Coupled Device)、薄膜トランジスタ(TFT:thin film transistor)などが利用されている。たとえば、CMOSイメージセンサでは、各画素に対応するフォトダイオード(PD:Photodiode)が検出したX線量に応じた電荷を蓄え、蓄えた電荷を電圧に変換し増幅器で増幅された信号を画像信号として出力している。画像信号はA/D変換器180によりデジタルデータに変換されたのち、コントローラ100を介して制御部20に与えられる。制御部20に入力されたデジタルデータに基づき、X線透視画像などのX線画像が生成する。
アーム駆動部120は、コントローラ100の制御に基づきアーム121を駆動する。支持部材としてのアーム121の一端にはX線管保持部170が、他端にはX線検出器111が保持されており、アーム121がアーム駆動部120に制御されて駆動されることにより、X線管保持部170およびX線検出器111は一体として被検体Pの周りを移動する。なお、図1にはアーム121がX線管保持部170を寝台131の下方に位置するよう支持するアンダーチューブタイプの場合を例として示したが、X線管保持部170を寝台131の上方に位置するよう支持するオーバーチューブタイプであってもよい。また、図1では1つのアーム121から構成されたシングルプレーンのX線診断装置1を例示しているが、2つのアームを備えたバイプレーンのX線診断装置であってもよい。また、アーム121は、X線管焦点とX線検出器の距離(SID:Source Image receptor Distance)を変更可能なようにX線管保持部170とX線検出器111を保持してもよい。
X線可動絞り151は、X線照射野絞りであり、X線管161のX線の出射側に設けられる。X線可動絞り151は、絞り駆動部150により制御されて、撮影範囲などに応じてX線管161から放射されるX線の照射範囲を調整する。X線可動絞り151は、複数枚の鉛羽で構成されてもよいし、X線管161の管軸に平行なシャッターの羽を持つコリメータにより構成されてもよい。
X線管161は、高圧電源160により電圧を印加されてX線を発生する。X線管161が発生するX線は、ファンビームX線やコーンビームX線として被検体Pに向かって照射される。
寝台131は、床面に設置され、被検体Pを載置する天板を支持する。寝台131は、寝台制御部130により制御されて、天板を水平方向、上下方向に移動させたり回転(ローリング)させたりする。
X線調整部140は、コントローラ100に制御されて、X線減弱フィルタ141の開口を調整することにより、ROIとX線が減弱されたROAとの領域を生成する。
絞り駆動部150は、コントローラ100に制御されて、X線可動絞り151の開口を調整することにより、撮影範囲に応じてX線管161から放射されるX線の照射範囲を調整する。
高圧電源160は、コントローラ100に制御されて、X線の照射に必要な電力をX線管161に供給する。
コントローラ100は、制御部20により制御されて、利得設定部110、アーム駆動部120、寝台制御部130、X線調整部140、絞り駆動部150、高圧電源160を制御することにより、被検体PのX線画像の撮像の全体の制御を担う。
また、撮像部10はコントローラ100を介して制御部20と接続されている。図1に示すように、制御部20は、主制御部200、記憶部210、入力部220、表示部230を有する。
記憶部210は、磁気的もしくは光学的記録媒体または半導体メモリなどの、主制御部200のCPUにより読み取り可能な記録媒体を含んだ構成を有する。記憶部210はX線画像を記憶するほか、主制御部200のCPUで実行する各種機能を実現するためのプログラムを記憶する。記憶部210に格納されたプログラムが、主制御部200によって実行されることで、ROIやROAの算出やそれぞれの領域に対応する利得の算出などが行われる。
入力部220は、たとえばキーボード、タッチパネル、テンキー、マウスなどの一般的な入力装置により構成され、ユーザの操作に対応した操作入力信号を主制御部200に出力する。
表示部230は、たとえば液晶ディスプレイやOLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイなどの一般的な表示出力装置により構成され、主制御部200の制御に従ってX線画像などを表示する。
図2は、実施形態に係るX線診断装置1の構成を示すブロック図である。図2に示すように、X線診断装置1の撮像部10は、X線検出器111、A/D変換器180、利得設定部110、X線減弱フィルタ141、X線調整部140から構成される。利得設定部110およびX線調整部140は、電子回路により実現する機能であってもよいし、所定のメモリに保存されたプログラムをプロセッサに実行させることで実現する機能であってもよい。制御部20は、データ記憶部211、画像生成部201、算出部203を備えて構成される。このうち、画像生成部201および算出部203は記憶部210に格納されたプログラムが主制御部200が備えたCPUによって実行されることで実現する機能である。
データ記憶部211は、被検体Pに照射されるX線強度および撮像範囲を含む撮像条件、事前に撮像したX線画像である事前取得画像、および、被検体Pに対して実施される施術または施術対象となる解剖学的部位ごとに予め設定されたROIの大きさの設定値などを記憶する。
データ記憶部211に記憶されている被検体Pに照射されるX線強度は、高圧電源160からX線管161に供給される電圧や、X線可動絞り151の状態に応じて様々に変化する。また、データ記憶部211に記憶されている撮像範囲は、X線管焦点とX線検出器111の距離によって変化する。X線管保持部170やX線検出器111の位置は可変であり、X線管焦点とX線検出器111の距離(SID)はそれらの位置によって変化する。
また、データ記憶部211に記憶されている事前取得画像は、IVRなどの処置を始める前に、治療を行う部位を確認するために事前に撮像されたX線画像である。このように撮像された事前取得画像を表示部230に表示し、ユーザはROIやROAの大きさや位置を設定したり、撮像範囲を設定したりする。
また、ROIの大きさや位置は施術の種類や施術の対象となる臓器や血管などに応じて予め推測することが可能であり、被検体Pの性別や体形などに応じて一般的な設定値をデータ記憶部211に記憶していてもよい。
算出部203は、データ記憶部211に記憶された情報に基づいて、ROIとROAとを算出する。また、事前取得画像の輝度、および撮像条件のすくなくともいずれかに基づいて、X線検出器111の各画素に設定する利得を算出する。算出部203でのROIとROAや利得の算出については後述する。
利得設定部110は、X線検出器111の各画素について、ROIに対応する画素か、ROAに対応する画素かを判定し、X線検出器111の増幅器の利得をそれぞれ設定する。利得設定部110は、X線調整部140によりX線減弱フィルタ141に設定された開口部分の物理的な大きさ、たとえば、開口部分の面積や、開口部分の幅や高さなどに応じて、ROIとROAの大きさを特定し、X線検出器111の各画素をROIとROAにそれぞれ設定する。また、ROIとROAは算出部203で算出された結果に基づいて設定されてもよい。さらに、利得設定部110は、ROIとROAの各画素にそれぞれのX線透過量に応じた利得を設定する。設定する利得は領域ごとに予め設定されていてもよいし、算出部203で算出された結果、あるいは入力部220を介してユーザが直接入力した値に基づいて設定してもよい。各領域への利得の設定については後述する。
画像生成部201は、X線検出器111で検出され、A/D変換器180でデジタル変換された受信データに基づいてX線画像を生成する。X線検出器111に設定された各領域の利得を取得し、画像処理に用いてもよい。
(2)動作
以下、X線検出器111を構成するイメージセンサが、アクティブピクセルセンサ(APS:active pixel sensor)で構成される例を「第1の実施形態」、パッシブピクセルセンサ(PPS:passive pixel sensor)で構成される例を「第2の実施形態」、X線検出器111で取得した信号に応じて入力レンジの異なるA/D変換器180に入力する例を「第3の実施形態」として説明する。さらに、撮像実行中に撮像条件等の変更により、ROIとROAのそれぞれの領域や利得が変更される場合を「第4の実施形態」として説明する。
(第1の実施形態)
第1の実施形態は、X線検出器111を構成するイメージセンサが、アクティブピクセルセンサ(APS:active pixel sensor)で構成される場合に関する。
図3は、実施形態に係るX線診断装置1の動作を説明するフローチャートである。
ST101では、利得設定部110がX線検出器111の各画素にROIとROAを設定する。利得設定部110でのROIとROAの設定は、X線調整部140から取得したX線減弱フィルタ141の開口部分の大きさに基づいて設定されてもよいし、算出部203で算出された結果に基づいて設定されてもよい。
図4は、実施形態に係るX線診断装置のROIとROAを説明する図である。図4の下部に示されたX線管161からX線減弱フィルタ141を介して被検体PにX線が照射され、X線検出器111の検出面に透過されたX線が照射される様子を示している。IVRなどで用いられるROI透視は、ROI以外のX線被ばく量を抑制して透視する方法であり、図4に示すようなX線減弱フィルタ141を用いて実施される。
図4のX線減弱フィルタ141は、中心の開口部分を白抜きで、中心以外の部分を網掛けで示している。中心以外の網掛けされた部分はX線減弱物質によりX線管161から照射されたX線が減弱される部分である。X線減弱フィルタ141を通過したX線は被検体Pを透過し、X線検出器111に照射する。X線検出器111についてもX線減弱フィルタ141と同様に、X線が減弱されずに通過した部分を白抜きで、X線がX線減弱フィルタ141により減弱された部分を網掛けで示している。
図4の上部は、X線検出器111を検出面側から観察した場合を示している。白抜きの部分はX線が減弱されずに通過した部分で、網掛け部分はX線が減弱された部分を示している。利得設定部110は、X線減弱フィルタ141の開口部分の大きさに応じて、X線が減弱されずに通過した円形の領域をROIとし、X線が減弱されたROI以外の部分をROAと判定することができる。
なお、図4では、X線減弱フィルタ141が円形の開口部を有する例を示したが、X線減弱フィルタ141で作成される開口部は円形に限らず、正方形、長方形、楕円などであってもよい。
また、X線減弱フィルタ141の開口部分の大きさを算出部203が取得することによってROIおよびROAが算出されてもよい。さらに、算出部203はデータ記憶部211に記憶された情報に基づいて、ROIとROAを算出してもよい。データ記憶部211には、被検体に照射されるX線強度、撮像範囲などの撮像条件、事前取得画像およびROIの設定値などが記憶されている。たとえば、X線強度やX線検出器111の位置などの撮像条件に基づいて、ROIとROAを算出してもよいし、事前に撮像したX線画像である事前取得画像を表示部230に表示し、表示された画像にユーザが入力したROIに基づいて、ROIとROAを算出してもよい。また、事前取得画像と撮像条件に含まれる撮像部位などの情報とに基づいて、ROIとROAの範囲を算出してもよい。
従来のX線診断装置におけるROI透視では、ROIとROAとでX線検出器111で検出した信号を増幅する増幅器の利得の設定が各画素で同じであった。一方、ROIとROAとでX線検出器111が受信する信号量の分布は大きく異なり、ROAでは適切な階調が得られないためコントラストの悪い画像となっていた。
図5は、ROIとROAとの階調の違いを説明する図である。図5(a)はROIの画像信号を、図5(b)はROAの画像信号をそれぞれ示している。図5(a)および図5(b)の上段は、X線検出器111が検出した画像信号のヒストグラムをそれぞれ示しており、横軸は信号量、縦軸は検出頻度を示している。図5(a)および図5(b)の下段は、階調曲線を示しており、横軸は信号量、縦軸は画素値を示している。
図5(a)上部に示すように、ROIの画像信号はX線が減弱されずにX線検出器111に検出されるため、X線検出器111で検出される信号量の分布は大きくなる。ROI透視では、ROIに観察または治療対象となる解剖学的部位が存在するため、ROIを中心に階調曲線の傾きが決定される。図5(a)下部に示すように、ROIの画像信号の2点を高いコントラストで表示することができる。
一方、図5(b)上部に示すように、ROAの画像信号はX線が減弱されるため、透過X線量は少なくなる。したがって、X線検出器111で検出される信号量の分布はROIの場合と比較して小さくなる。階調曲線の傾きはROIの画像信号に基づいて決定されるため、ROAの画像信号は階調曲線の傾きの小さい部分で表示濃度を変換することになる。このような場合、X線透過量の高い部分(空気や軟組織などの白い部分)から低い部分(骨などの黒い部分)までの表示濃度に差が生じにくく、高いコントラストで表示することができない。
このように、従来のX線診断装置におけるROI透視では、ROIとROAとでX線検出器111の設定が同じことにより、コントラストに差が生じ、画像全体を表示した際に、ROA領域の構造が判別しにくいという問題が生じていた。
本実施形態に係るX線診断装置1では、ROIとROAのそれぞれの領域ごとにX線検出器111が受信した信号を増幅する増幅器の利得を設定することで、上述の問題を解決するものである。
図3に戻って利得の設定とX線検出器111での信号の取得について説明する。
ST103では、利得設定部110がX線検出器111のROIとROAに対応する各画素に利得を設定する。設定される利得は、利得設定部110に予め設定されていてもよいし、算出部203で算出された利得が設定されてもよい。たとえば、算出部203は、X線減弱フィルタ141を用いて事前取得画像を取得することで、ROIとROAのそれぞれの輝度から利得を算出してもよい。また、撮像対象となる解剖学的部位のX線吸収量や、撮像条件に含まれるX線強度、X線減弱フィルタ141の性能などに基づいて、それぞれの領域における利得を算出してもよい。
ST105では、X線管161から被検体PにX線が照射される。
ST107では、X線検出器111が画像信号を取得する。この際、X線検出器111の各画素の増幅器はROIもしくはROAに対応する利得が設定されている。
図6は、実施形態に係るX線診断装置1におけるROIとROAの利得の設定を説明する図である。図5と同様に、図6(a)はROIの画像信号を、図6(b)はROAの画像信号をそれぞれ示している。図5ではROIおよびROAが同じ利得で増幅されるため、ROAは階調曲線の傾きの小さい部分で処理されるしかなく、コントラストの低下の原因となっていた。
それに対して、本実施形態に係るX線診断装置1では、図6(a)および図6(b)上段に示すように、ROAの画像信号をROIの画像信号と比較して高い利得で増幅することで、階調曲線の傾きの大きい部分で表示濃度が変換されるように調整することができる。具体的には、ROIの利得を「A倍」と設定した場合に、ROAの利得を「A倍」より大きい「B倍」に設定し、X線検出器111で受信した信号を増幅する。このように各領域で利得を変えることで、増幅後の画像信号は同等の分布を示すこととなる。すなわち、異なる利得で増幅することで、X線検出器111で取得した信号をデジタル変換するA/D変換器180への入力レンジをそろえることができる。このように、X線検出器111で得られる信号量の大きさに応じた利得で信号を増幅することで、適切に階調処理することができ、良好なコントラストで表示することができる。
図7は、第1の実施形態に係るX線検出器111の構成を説明する図である。第1の実施形態では、X線検出器111のイメージセンサとしてアクティブピクセルセンサ(APS)を用いる例を示している。
図7では、X線検出器111のイメージセンサが4つの画素に対応する検出素子から構成される例を示している。なお、実際の検出器では、512×512画素のように非常に多くの検出素子を備えて構成される。
図7のイメージセンサの例では、複数の検出素子(E1、E2、E3、E4)に加えて、それらの検出素子のアドレスを指定して信号を取り出すための垂直走査回路と水平走査回路とで構成されている。たとえば、検出素子E1は列選択パルスX1および行選択パルスY1のパルス信号により指定される。また、各検出素子には、X線を直接または間接的に検出するダイオードDと、可変ゲインアンプ(VGA:Variable Gain Amplifier)およびスイッチが示されている。行選択パルスは破線で示した行信号線を介して各検出素子内のスイッチを制御し、列選択パルスは破線で示した列信号線を介して、出力信号線に設けられたスイッチS1およびS2を制御する。各検出素子からの信号の取り出しは、行選択パルスにより各検出素子のスイッチがオンになると、ダイオードDに蓄積されていた電荷がVGAを介して増幅されて出力される。この際、列選択パルスによりスイッチがオンになった列の信号がアンプおよびA/D変換器180を経て画像生成部201に入力される。たとえば、検出素子E1の信号は、行選択パルスY1により、検出素子E1のスイッチがオンになり、列選択パルスX1によりスイッチS1がオンとなり、出力信号線を介して信号は画像生成部201に伝達する。
利得設定部110は、X線検出器111の各検出素子それぞれのVGAに、ROIとROAの各領域に対応する利得を設定する。たとえば、網掛けで示した検出素子E1とE3とをROAに対応する検出素子、白抜きで示した検出素子E2とE4とをROIに対応する検出素子とする。検出素子E1とE3のVGAには図6で説明した利得「B倍」を、検出素子E2とE4のVGAには「A倍」を設定する。このような設定により、それぞれの検出素子から出力される信号は、それぞれの領域に応じた利得で増幅された信号となる。
図8は、第1の実施形態に係るX線検出器111における信号検出のタイムチャートである。上から、行選択パルス、列選択パルス、スイッチS1、S2、検出素子、領域判定結果、利得が示されている。
行選択パルスY1がオンのとき、列選択パルスX1によりスイッチS1がオンとなっていると、検出素子E1から信号を取り出すことができ、列選択パルスX2によりスイッチS2がオンとなっていると、検出素子E2の信号を取り出すことができる。検出素子E1はROAに属することから、検出素子E1内のVGAはB倍に設定されており、増幅された信号はA/D変換器180を経て画像生成部201に入力する。同様に、検出素子E2は、ROIに属することから、検出素子E2内のVGAはA倍に設定されており、増幅された信号はA/D変換器180を経て画像生成部201に入力する。
上述のように取得された信号に基づいて画像生成部201はX線画像を生成し(図3のST109)、表示部230に生成したX線画像を表示する(図3のST111)。
このように、第1の実施形態に係るAPSを備えたX線検出器111は、それぞれの領域に対応する利得が各検出素子に設定されており、X線検出器111で取得した信号は所定の利得で増幅されてA/D変換器180に入力される。このように画素ごとに、対応する領域に適合する利得で増幅した信号をA/D変換器180に入力することで、取得したX線画像全体のコントラストを合わせることができる。したがって、X線被ばく量を低減しつつ、ROIとROAで見え方を均一にすることができる。また、デジタル処理で信号を増幅せず、検出素子で取得した信号をすぐに増幅するため、伝送途中で混入するノイズ等を増幅することがなく、画像のS/N比が高くなる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、X線検出器111を構成するイメージセンサが、パッシブピクセルセンサ(PPS:passive pixel sensor)で構成される場合に関する。以下、第1の実施形態と第2の実施形態とで異なる箇所を説明する。
図9は、第2の実施形態に係るX線検出器111の構成を説明する図である。図7のAPSの場合と異なり、PPSでは検出素子内にVGAなどの増幅器を持たない。PPSでは複数の増幅器を検出素子の外側に備え、行選択パルスと列選択パルスの入力により、取り出した信号を選択的に増幅器に入力する。
図9では図7と同様に4つの検出素子を備えたイメージセンサの例を示している。図9では、図7の例と異なり、増幅器(アンプAおよびアンプB)が検出素子外のA/D変換器180に入力する前に配置されている。また、出力信号線にはそれぞれ2つのスイッチが接続されており、アンプへの入力を制御している。たとえば、検出素子E1がROAに属する場合、検出素子E1の信号は利得がB倍に設定されたアンプBで増幅される。そのため、行選択パルスY1により検出素子E1内のスイッチがオンになり、列選択パルスX1bの入力によりスイッチS1bがオンとなり、検出素子E1から出力された信号は出力信号線を介してアンプBに入力する。一方、検出素子E2がROIに属する場合、検出素子E2の信号は利得がA倍に設定されたアンプAで増幅される。この場合列選択パルスX2aにより出力信号線のスイッチS2aがオンとなり、アンプAに信号が入力する。
図10は、第2の実施形態に係るX線検出器における信号検出のタイムチャートである。図8と同様に、上から、行選択パルス、列選択パルス、スイッチS1a、S2a、S1b、S2b、検出素子、領域判定結果、利得が示されている。
図9で示した検出素子E1がROAに属し、検出素子E2がROIに属する場合、ROAに属する検出素子E1はB倍、ROIに属する検出素子E2はA倍に増幅される。したがって、検出素子E1から取り出される信号は図9で示したアンプBで、検出素子E2から取り出される信号はアンプAで増幅される。このように制御するため、行選択パルスY1がオンのとき、列選択パルスX1bにより出力信号線のスイッチS1bがオンとなることで、検出素子E1から出力される信号はアンプBに入力する。次に、列選択パルスX2aにより出力信号線のスイッチS2aがオンとなることで、検出素子E2から出力される信号はアンプAに入力する。
このように、第2の実施形態では、複数の増幅器に信号を同時並列入力することができるため、より高速に信号を収集することができる。また、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に出力した信号をそれぞれの領域に対応する利得で増幅し、A/D変換器180への入力レンジをそろえることでコントラストを均一にできる。
なお、上記の実施形態ではX線検出器111を構成するイメージセンサがCMOSセンサである例を示したが、第2の実施形態で示すように各検出素子外に増幅器を配置する場合は、マルチプレクサなどを用いてそれぞれの検出素子で取得した信号を選択的にアンプで増幅してもよく、CCDやTFTなどにも適用可能である。
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、X線検出器111で取得した信号に応じて入力レンジの異なるA/D変換器180に入力する場合に関する。
第1または第2の実施形態では、X線検出器111で取得した信号を増幅する増幅器の利得を領域に応じて可変とすることで、A/D変換器180に入力される信号の大きさをそろえる例を示した。一方、入力される信号の大きさに応じて、入力レンジの異なるA/D変換器180を使い分けることで、ROIとROAの階調をそろえてもよい。
A/D変換器180は、連続的に変化する信号であるアナログ信号を標本化し、信号が離散化したデジタル信号に変換する。A/D変換器180でのアナログ信号からデジタル信号への変換はデジタイズと呼ばれ、一定間隔でアナログ信号がA/D変換器180に入力され、入力された時点の値を整数化することで信号の標本化を行う。また、デジタル信号として取り扱うために、標本化された信号は所望のビット数に変換(量子化)されて出力される。A/D変換器180から出力される信号の分解能は標本化のされる信号の細かさにより決定する。
A/D変換器180は入力レンジに応じて一定の決まった数に電圧を分割する。12ビット(4096バイト)のデジタル信号に変換するA/D変換器180の場合、A/D変換器180の入力レンジが0V−10Vの場合、最小分割単位は約2.44mVとなり、0V−5Vの場合、最小分割単位は約1.22mVとなる。たとえば、分解能は同じだが入力レンジが0V−10VのA/D変換器180と0V−5VのA/D変換器180があった場合、実際に取得した信号が0V−5Vの場合は入力レンジが0V−5VのA/D変換器180を用いたほうがよい。なぜなら、12ビットに量子化する場合に、入力レンジが0V−5VのA/D変換器180の場合、最小分割単位は1.22mVである一方、入力レンジが0V−10VのA/D変換器180の場合、最小分割単位は約2.44mVとなり、0V−5VのA/D変換器180の方が高い階調でデジタル信号を得ることができるからである。
X線検出器111で取得される信号の大きさはROIとROAで大きく異なるが、A/D変換器180はROIに合わせた入力レンジを有する。そのため、信号量が小さいROAの信号は適切な入力レンジでデジタル変換されないため、階調が低下してしまう。
そこで、第3の実施形態は、取得した信号の大きさに応じて入力レンジの異なるA/D変換器180を選択し、信号の大きさにあった入力レンジのA/D変換器180によりデジタル変換することで、階調の良い画像を取得する。
図11は、第3の実施形態に係るA/D変換器180の構成を説明する図である。図11は図9に示したX線検出器111がPPSで構成された例と類似する。図9の例と異なる点は、X線検出器111で取得された信号が入力される2つのA/D変換器180aおよびA/D変換器180bを備えた点である。図9では、X線検出器111の領域の違いに応じて、それぞれの画素から信号を取り出す方法を説明した。同様の方法で信号を取り出し、入力するA/D変換器180を信号が大きいROIの場合は上部のA/D変換器180aに、信号が小さい場合は下部のA/D変換器180bに信号が入力される。このようにROIとROAの領域の違いによる信号の大きさの違いに応じて、入力レンジの異なるA/D変換器180を使用することで、適切な階調を持ったデジタル信号に変換することができる。
第3の実施形態によれば、第1および第2の実施形態のようにX線検出器111で各画素の利得を夫々変更しなくても、第1および第2の実施形態と同等の効果を得ることができる。また、第1または第2の実施形態と組み合わせて実施することもできる。なお、第3の実施形態では2つのA/D変換器180を備えた例を示したが、入力レンジが可変のA/D変換器180を用いれば、1つのA/D変換器180で実現可能である。
また、第1乃至第3の実施形態ではROIとROAの2つの領域に分ける例を示したが、X線減弱量を段階的に調整し、ROAを複数の領域に分けてもよい。
図12は、実施形態に係るX線検出器111の領域設定における変形例である。図12は図4と同様に、X線検出器111を検出面側から観察した場合を示している。白抜きの部分はX線が減弱されずに通過した部分で、網掛け部分はX線が減弱された部分を示している。図12の例では、薄い網掛けで示した「第1のROA」と濃い網掛けで示した「第2のROA」とが示されている。たとえば、薄い網掛けで示した「第1のROA」は濃い網掛けで示した「第2のROA」よりもX線減弱量を少なく設定してもよい。すなわち、ROI>第1のROA>第2のROAの順でX線の量が段階的に変化するように設定してもよい。このように、X線減弱フィルタ141により減弱する領域を、X線減弱の度合いを変化させて段階的に設けてもよい。このようにROAを段階的に設定した場合でも、X線検出器111は第1のROAと第2のROAのそれぞれに対応する利得で各検出素子の信号を増幅する。
図12の例では、同心円状にROAが設定される例を示したが、このような形状に限らない。たとえば、IVRなどにおいてROIを中心としてカテーテルの侵入方向が明らかな場合は、カテーテルの侵入方向に対応する領域のX線量を高めに設定し(第1のROA)、それ以外の方向のX線量を低めに設定する(第2のROA)こともできる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態は、第1乃至第3の実施形態に加えて、撮像実行中に撮像条件等の変更により、ROIとROAのそれぞれの領域や利得が変更される場合に関する。
図13は、第4の実施形態に係るX線診断装置の動作を説明するフローチャートである。図3に示したフローチャートと同じ動作については同じステップ番号を付し、説明を省略する。
ST201では、制御部20でX線非曝射期間か否かが判断される。X線非曝射期間でない場合(No)の場合は、X線非曝射期間まで待機(ST203)する。一方、X線非曝射期間である場合(Yes)は、X線調整部140やデータ記憶部211等に設定された各種条件が変更されたかどうかが判定される(ST205)。
図14は、実施形態における各領域の算出および条件変更のタイミングを説明する図である。図14の上段はIVRなどで実施されるX線透視撮像のX線照射タイミングを示している。X線透視撮像では、X線を1秒に数回から数10回パルス状に照射するパルス透視と呼ばれる方法により、連続撮像による被ばく量を抑制している。図14の上段では斜線で示した領域は1回のX線パルス照射を示しており、白抜き部分はX線非曝射期間を示している。
図14左側に示すように、照射開始前は「設定1」で示した領域設定および利得設定が行われていたとする。撮像を開始して左から2回のパルス照射は設定1の状態で撮像が実行される。たとえば、2回目照射中に撮像条件の変更が入力されると、2回目の照射が終わった後のX線非曝射期間中に新たな条件に基づいた「設定2」の条件に変更され、3回目のパルス照射からは新たな条件である「設定2」の条件で撮像が実行される。
データ記憶部211に記憶された情報や、X線減弱フィルタ141の設定等は、ユーザの入力や自動輝度調整(ABC:Automatic Brightness Control)変更される。また、アーム121や寝台131の動作などにより、被検体PへのX線の照射範囲が変更されROIの位置が変更された場合も、算出部203は領域や利得を再算出してもよい。
ユーザの入力や入力された内容に基づくROIやROAおよび利得の算出はパルス照射期間中に行われてもよいが、実際に撮像条件を変更し、X線減弱フィルタ141の開口部分を変更するタイミングや、算出された結果に基づいてX線検出器111の各画素にROIやROA、それぞれの画素に対応する利得を設定するタイミングは、X線が照射されてないX線非曝射期間に実行される。なお、算出部203は、ユーザの入力やABCなどにより撮像条件等が変更されるたびに領域の算出および利得の算出を行い、利得設定部110は算出が行われるたびに次の非曝射期間で設定を変更する。また、領域の設定を変更する場合や撮像条件を変更する場合は、X線の照射をいったん停止するようにしてもよい。このようにX線の照射をいったん停止する場合は、直前に取得したX線画像を表示部230に表示した状態で停止してもよい。
このように、X線検出器111の各画素で検出するX線量は、撮像条件やX線減弱フィルタ141の開口部分の大きさによって変動する。したがって、そのような変動に応じて各画素に対応する領域を判定し、領域ごとに利得を変更したり、入力レンジの異なるA/D変換器180を使用したりして、ROIとROAの階調をそろえ、コントラストの差が生じることを回避することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 X線診断装置
10 撮像部
20 制御部
100 コントローラ
120 アーム駆動部
130 寝台制御部
140 X線調整部
150 絞り駆動部
160 高圧電源
170 X線管保持部
180 A/D変換器
110 利得設定部
111 X線検出器
121 アーム
131 寝台
141 X線減弱フィルタ
151 X線可動絞り
161 X線管
200 主制御部
210 記憶部
220 入力部
230 表示部
211 データ記憶部
201 画像生成部
203 算出部

Claims (19)

  1. X線を発生させるX線管と、
    前記X線管と被検体との間に設置され、前記被検体に照射されるX線量を減弱するX線減弱フィルタと、
    前記被検体を透過したX線を画素単位で検出するとともに、検出した前記X線の信号に対する利得を画素単位で変更することができる増幅器を有するX線検出器と、
    前記X線検出器の各画素が、関心領域に対応する画素であるのか、前記X線減弱フィルタによりX線量が減衰されたX線減弱領域に対応する画素であるのかに応じて、前記増幅器の利得を設定する利得設定部と、
    を備え
    前記利得設定部は、前記X線減弱フィルタの開口部分の大きさに基づいて、前記X線検出器における各画素が前記関心領域か前記X線減弱領域かを判定し、各画素に対応する利得を設定する、
    ことを特徴とするX線診断装置。
  2. X線を発生させるX線管と、
    前記X線管と被検体との間に設置され、前記被検体に照射されるX線量を減弱するX線減弱フィルタと、
    前記被検体を透過したX線を画素単位で検出するとともに、検出した前記X線の信号に対する利得を画素単位で変更することができる増幅器を有するX線検出器と、
    前記X線検出器の各画素が、関心領域に対応する画素であるのか、前記X線減弱フィルタによりX線量が減衰されたX線減弱領域に対応する画素であるのかに応じて、前記増幅器の利得を設定する利得設定部と、
    前記被検体に照射されるX線強度および撮影範囲を含む撮像条件、事前に撮像したX線画像である事前取得画像、および、前記被検体に対して実施される施術または施術対象となる解剖学的部位ごとに予め設定された前記関心領域の大きさの設定値を記憶するデータ記憶部と、
    前記データ記憶部に記憶された情報に基づいて、前記関心領域と前記X線減弱領域とを算出する算出部と、
    を備え
    前記利得設定部は、
    前記算出部で算出された結果に応じて前記増幅器の利得を設定する、
    ことを特徴とするX線診断装置。
  3. 前記算出部は、前記事前取得画像の輝度、および前記撮像条件のいずれかに基づいて、前記増幅器に設定する利得を算出し、
    前記利得設定部は、前記算出部で算出された前記利得を前記増幅器に設定する、
    ことを特徴とする請求項記載のX線診断装置。
  4. 前記算出部は、前記撮像条件が自動輝度制御により調整されるたびに、前記増幅器に設定する利得を算出する、
    ことを特徴とする請求項記載のX線診断装置。
  5. X線を発生させるX線管と、
    前記X線管と被検体との間に設置され、前記被検体に照射されるX線量を減弱するX線減弱フィルタと、
    前記被検体を透過したX線を画素単位で検出するとともに、検出した前記X線の信号に対する利得を画素単位で変更することができる増幅器を有するX線検出器と、
    前記X線検出器の各画素が、関心領域に対応する画素であるのか、前記X線減弱フィルタによりX線量が減衰されたX線減弱領域に対応する画素であるのかに応じて、前記増幅器の利得を設定する利得設定部と、
    を備え
    前記X線検出器の各画素に設定される利得はX線非曝射期間に変更される、
    ことを特徴とするX線診断装置。
  6. X線を発生させるX線管と、
    前記X線管と被検体との間に設置され、前記被検体に照射されるX線量を減弱するX線減弱フィルタと、
    前記被検体を透過したX線を画素単位で検出するとともに、検出した前記X線の信号に対する利得を画素単位で変更することができる増幅器を有するX線検出器と、
    前記X線検出器の各画素が、関心領域に対応する画素であるのか、前記X線減弱フィルタによりX線量が減衰されたX線減弱領域に対応する画素であるのかに応じて、前記増幅器の利得を設定する利得設定部と、
    を備え
    前記X線検出器の各画素に設定された利得を変更するときは、前記X線管からのX線の曝射を停止し、前記X線の曝射を停止する直前の画像を表示部に表示する、
    ことを特徴とするX線診断装置。
  7. X線を発生させるX線管と、
    前記X線管と被検体との間に設置され、前記被検体に照射されるX線量を減弱するX線減弱フィルタと、
    前記被検体を透過したX線を画素単位で検出するとともに、検出した前記X線の信号に対する利得を画素単位で変更することができる増幅器を有するX線検出器と、
    前記X線検出器の各画素が、関心領域に対応する画素であるのか、前記X線減弱フィルタによりX線量が減衰されたX線減弱領域に対応する画素であるのかに応じて、前記増幅器の利得を設定する利得設定部と、
    を備え
    前記X線検出器には、前記X線の減弱量が異なる複数のX線減弱領域を設定でき、
    前記利得設定部は、前記複数のX線減弱領域それぞれの画素に対応する利得を設定する、
    ことを特徴とするX線診断装置。
  8. X線を発生させるX線管と、
    前記X線管と被検体との間に設置され、前記被検体に照射されるX線量を減弱するX線減弱フィルタと、
    前記被検体を透過したX線を画素単位で検出するとともに、検出した前記X線の信号に対する利得を画素単位で変更することができる増幅器を有するX線検出器と、
    前記X線検出器の各画素が、関心領域に対応する画素であるのか、前記X線減弱フィルタによりX線量が減衰されたX線減弱領域に対応する画素であるのかに応じて、前記増幅器の利得を設定する利得設定部と、
    を備え
    前記X線検出器は、それぞれ利得の異なる2つ以上の増幅器を備え、
    前記X線検出器は、前記関心領域の画素に対応する信号と前記X線減弱領域の画素に対応する信号とで入力する前記増幅器を区別する、
    ことを特徴とするX線診断装置。
  9. X線を発生させるX線管と、
    前記X線管と被検体との間に設置され、前記被検体に照射されるX線量を減弱するX線減弱フィルタと、
    前記被検体を透過したX線を画素単位で検出するとともに、検出した前記X線の信号に対する利得を画素単位で変更することができる増幅器を有するX線検出器と、
    前記X線検出器の各画素が、関心領域に対応する画素であるのか、前記X線減弱フィルタによりX線量が減衰されたX線減弱領域に対応する画素であるのかに応じて、前記増幅器の利得を設定する利得設定部と、
    前記X線検出器で取得したアナログ信号をデジタル信号に変換する、異なる入力レンジを有する複数のA/D変換器と、
    を備え
    前記X線検出器は、前記関心領域の画素から取得された信号である場合と、前記X線減弱領域の画素から取得された信号である場合とで、異なる入力レンジのA/D変換器に前記アナログ信号を入力する、
    ことを特徴とするX線診断装置。
  10. 前記利得設定部は、前記X線減弱フィルタの開口部分の大きさに基づいて、前記X線検出器における各画素が前記関心領域か前記X線減弱領域かを判定し、各画素に対応する利得を設定する、
    ことを特徴とする請求項2ないし9のいずれか1項に記載のX線診断装置。
  11. 前記被検体に照射されるX線強度および撮影範囲を含む撮像条件、事前に撮像したX線画像である事前取得画像、および、前記被検体に対して実施される施術または施術対象となる解剖学的部位ごとに予め設定された前記関心領域の大きさの設定値を記憶するデータ記憶部と、
    前記データ記憶部に記憶された情報に基づいて、前記関心領域と前記X線減弱領域とを算出する算出部と、
    をさらに備え、
    前記利得設定部は、前記算出部で算出された結果に応じて前記増幅器の利得を設定する、
    ことを特徴とする請求項1、3ないし10のいずれか1項に記載のX線診断装置。
  12. 前記利得設定部は、前記X線減弱フィルタの開口部分の大きさの変更、前記撮像条件の変更、および、前記関心領域または前記X線減弱領域の変更のいずれかが発生したタイミングで、前記利得の設定を変更する、
    ことを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載のX線診断装置。
  13. 前記X線検出器の各画素に設定される利得はX線非曝射期間に変更される、
    ことを特徴とする請求項1ないし4、6ないし12のいずれか1項に記載のX線診断装置。
  14. 前記X線検出器の各画素に設定された利得を変更するときは、前記X線管からのX線の曝射を停止し、前記X線の曝射を停止する直前の画像を表示部に表示する、
    ことを特徴とする請求項1ないし5、7ないし13のいずれか1項に記載のX線診断装置。
  15. 前記X線検出器には、前記X線の減弱量が異なる複数のX線減弱領域を設定でき、
    前記利得設定部は、前記複数のX線減弱領域それぞれの画素に対応する利得を設定する、
    ことを特徴とする請求項1ないし6、8ないし14のいずれか1項に記載のX線診断装置。
  16. 前記X線検出器は前記画素ごとに増幅器を備え、
    前記利得設定部は、前記X線検出器の各画素の前記関心領域と前記X線減弱領域の設定に応じて前記増幅器の利得をそれぞれ設定する、
    ことを特徴とする請求項1ないし15のいずれか1項に記載のX線診断装置。
  17. 前記X線検出器は、それぞれ利得の異なる2つ以上の増幅器を備え、
    前記X線検出器は、前記関心領域の画素に対応する信号と前記X線減弱領域の画素に対応する信号とで入力する前記増幅器を区別する、
    ことを特徴とする請求項1ないし7、9ないし15のいずれか1項に記載のX線診断装置。
  18. 前記X線検出器で検出された受信信号に基づいてX線画像を生成する画像生成部をさらに備え、
    前記画像生成部は、前記X線検出器の前記関心領域と前記X線減弱領域の各画素に設定された利得を取得する、
    ことを特徴とする請求項1ないし17のいずれか1項に記載のX線診断装置。
  19. 前記X線検出器で取得したアナログ信号をデジタル信号に変換する、異なる入力レンジを有する複数のA/D変換器をさらに備え、
    前記X線検出器は、前記関心領域の画素から取得された信号である場合と、前記X線減弱領域の画素から取得された信号である場合とで、異なる入力レンジのA/D変換器に前記アナログ信号を入力する、
    ことを特徴とする請求項1ないし8、10ないし18のいずれか1項に記載のX線診断装置。
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