JP2009153627A - X線診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】検出器の回復特性の遅れから生じる感度劣化補正の誤差をリセットする。
【解決手段】X線検出手段で取り出した画素値の感度劣化を補正するゴースト補正に基づく被写体の画像を表示するX線診断装置において、表示された被写体の画像の中にアーチファクトと認識できる誤差を含んだ画像が存在する場合、操作部から入力される増・減指示信号に基づき、所定の調整幅に変換した調整信号を出力し、ゴースト補正で算出される全画素値の感度劣化値を一律に調整する。被写体をX線検出器視野から外し、エアーデータを収集し、エアーデータが飽和しないかを判定し、飽和しているときX線条件の管電流を下げて飽和しないエアーデータを得た後、元のX線条件に戻して撮影を実施して、検出した透過データに対し、感度補正を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、平面パネル検出器(FPD)を備えたX線診断装置に係り、特に入射したX線による平面パネル検出器の感度劣化(ゴースト)の補正によって生じる誤差をリセットするX線診断装置に関する。
X線診断装置は、被写体(生体)にX線を照射し、その被写体の各組織のX線吸収差に応じて生成させる2次元のX線分布をX線検出器で検出しデジタル画素値に変換し、画像化する技術が利用されている。
ところで、X線検出器としては、当初,X線フィルムやX線I.I.(X線イメージ.インテンシファイア)とテレビカメラとを組み合わせたX線I.I.−TV系が使用されていたが、これらに置き換わるものとして,X線平面パネル検出器を使用したX線診断装置が製品化されている。
このX線平面パネル検出器は、入射したX線エネルギーを電荷量に変換する検出部と、この検出部で変換された電荷量を2次元的に配列された画素単位となる複数の検出素子及び各検出素子から電荷量を読み出し選択する半導体スイッチからなるアレイ部とで主に構成され、ある一定時間内に検出されたX線量に相当する電荷量を画素ごとの輝度を表すデジタル値(画素値)に変換し、生体情報を持った画像の形でユーザに提供する機能を持っている。
このX線平面パネル検出器は、リアルタイムに画像を出力できる上に、X線I.I.−TV系と比較すると、薄型・軽量であり、視野周辺部の歪みがほとんどなく高解像度であること、広い平面の方形に構成できることから大視野の撮影に有用となる多くの利点を有する。
しかし、前述したX線平面パネル検出器においては、入射X線量によって感度が劣化し、X線が入射した領域と視野サイズを定めるX線絞りによるX線が入射しない領域との間で感度差が生じることが知られている。その結果、過去のX線入射の履歴が感度分布となって現れ、現在表示中の画像上にアーチファクトを生じさせる問題がある。
そこで、従来、以上のような不具合を解決するために、検出器の感度劣化が入射したX線によって検出部のX線から電荷への変換量を変動させる実験的事実のもとに、感度の劣化・回復現象を数式モデルで表現し、検出器へのX線入射量と経過時間とから数式モデルを用いて常に現在の感度を推定し、感度劣化を補償する補正係数を算出し、検出器の出力をリアルタイムに補正する方法が提案されている(特許文献1)。
特開2003−156567号公報
ところで、X線平面パネル検出器における感度劣化・回復現象は、検出部の特性に大きく依存するだけでなく、X線入射後にX線を照射しない状態が続いても、通常数時間、激しいものでは数日間回復せずに継続することが確認されている。このことは、過去のX線照射による劣化・回復現象について数式モデルを用いて現在の補正係数を決定し、その決定に基づいて検出器の出力を補正したとしても、数日間にわたって回復せずに継続していることから、過去の全てのX線照射による劣化・回復現象を完全な形で補正したとは言えず、補正誤差が積算された形で残ってしまう。また、各画素ごとに生じる補正誤差においても積算されることになる。
その結果、数式モデルと実際の劣化・回復現象との間に誤差が存在する場合には、視野領域の可変による撮影回数やX線照射時間の増加と共に累積誤差が増大し、逆にアーチファクトを作り出すことにもなりかねない問題が存在する。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、検出器の回復特性の遅れから生じる感度劣化の補正による誤差を確実にリセットし、ユーザに良好な診断画像を提供するX線診断装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、所定の視野サイズのもとに照射されるX線を受けて被写体から透過してくる透過X線量を検出し、前記視野サイズに応じた検出領域の各画素の画素値を取り出すX線検出手段と、このX線検出手段で取り出した各画素の画素値から前記透過X線量の入射による前記X線検出手段の感度劣化を算出し、この算出された感度劣化から求められる補正係数を用いて、前記各画素の画素値を補正するゴースト補正手段とを設け、この補正された画素値に基づいて前記被写体の画像を表示するX線診断装置において、表示された被写体の画像の中にアーチファクトと認識できる誤差を含んだ画像が存在する場合、操作手段から入力される増・減指示信号に基づき、所定の調整幅に変換した調整信号を出力し、前記ゴースト補正手段で算出される全デジタル画素値の感度劣化値を一律に調整する誤差調整手段を備えたX線診断装置である。
また、本発明は、複数の視野サイズのもとに照射されるX線を受けて被写体から透過してくる透過X線量を検出し、各視野サイズに応じた検出領域の各画素の画素値に基づいて被写体の画像を表示するX線診断装置において、前記検出領域ごとに表示された画像の中に前記視野サイズの形状に依存する誤差を含む画像が存在する場合、操作手段から前記検出領域ごとに入力される増・減指示信号に基づき、所望とする調整幅に変換した調整信号を出力し、前記ゴースト補正手段で算出される該当検出領域における各画素の画素値の感度劣化値を調整する誤差調整手段を備えたX線診断装置である。
さらに、本発明は、複数の視野サイズのもとに照射されるX線を受けて被写体から透過してくる透過X線量を検出し、各視野サイズに応じた検出領域の各画素の画素値に基づいて被写体の画像を表示するX線診断装置において、X線検出手段の感度劣化の補正誤差をリセットする誤差調整部としては、互いに近い大きさの検出領域の各画素のデジタル画素値から両検出領域の境界部分における各画素のデジタル画素値を抽出する複数の境界プロファイル抽出手段と、各境界プロファイル抽出手段で抽出された境界部分の各画素位置のデジタル画素値ごとに平均化してノイズを除去する平均化手段と、ノイズを除去した両検出領域の境界部分の各画素位置に対する画素値の変化から変化傾向を表す調整係数を取得する手段と、両検出領域の境界部分に関する調整係数を用いて、前記ゴースト補正手段で算出される該当検出領域における各画素値の感度劣化値を調整する手段とを備えたX線診断装置である。
本発明によれば、検出器の回復特性の遅れから生じる感度劣化の補正による誤差を確実にリセットし、ユーザに良好な診断画像を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
先ず、実施の形態1を説明するに先立ち、従来技術における感度劣化の補正について図2を参照して説明し、本発明装置を実現するに至った経緯とする。
従来技術の説明によれば、一定のX線を入射した際に検出部の光電変換膜で生成される電子の数がX線入射と共に減少し、その後X線を入射せずに放置すると元の状態に回復する。そのため、X線絞り形状を含む過去のX線照射履歴に応じて検出部の感度分布が変化し、現在の画像にアーチファクトとして表示されるために誤診の原因になる。
そこで、かかる問題を解決するために、図2に示すゴースト補正部100が設けられている。以下、ゴースト補正部100を設けた根拠について説明する。
実験的には、あるX線量(X)が検出器に入射した後の感度劣化Yは、
Y=AX …… (1)
で表される。Aは劣化係数である。
さらに、X線入射後、時間t経過したとき、感度劣化Ytは、
Yt=Y・Exp(−t/τ) …… (2)
で表される。τは回復係数である。このとき、感度Sは、劣化前の初期感度をS0とすると、
S=S0・(1−Yt) …… (3)
で表されることが分っているとする。
また、ゴースト補正部100には直前のX線照射からの経過時間を測定するタイマが設けられ、X線照射による感度劣化後の時間を計測できるものとする。
そこで、以上のような諸式のもとに、事前に実験的に求めた劣化係数Aと回復係数τとをゴースト補正部100に入力しておく。そして、過去にX線の入射がないか、または十分に感度が回復するに相当する間X線が入射していない状態下において、検出器にX線(X線量=X)を入射すると、検出器からは初期感度S0に応じた出力S0・Xが得られる。
このとき、X線照射の影響を受けて感度劣化が起こり、X線照射後の経過時間tの感度劣化Ytは、前記式(1)及び前記式(2)から、
Yt=AX・Exp(−t/τ) …… (4)
となり、一方、感度Stは、式(4)を式(3)に代入し、
St=S0・(1−AX・Exp(−t/τ)) …… (5)
となる。
ここで、時間t経過後に再度、線量XのX線を入射すると、検出器からは、
St・X=S0・(1−AX・Exp(−t/τ))・X …… (6)
が出力され、(1−AX・Exp(−t/τ))だけ少ない出力しか得られない。
従って、ゴースト補正部100において、経過時間tでの感度Stをリアルタイムに演算し、リアルタイムの出力画素値Ptに対して、式(5)から得られる感度比(補正係数)S0/St=1/(1−AX・Exp(−t/τ))=1/(1−Yt)倍掛けることにより、入射するX線量がXの場合には、常にS0・Xを出力させるように補正する。
なお、再度のX線照射に生じる感度劣化は、Yt+AXにて表され、さらに時間t経過した際の感度劣化は、(Yt+AX)・Exp(−t/τ)で表される。
つまり、任意の時間tnに入射したX線量Xnによる感度劣化Ynは、過去(前回)の時間tn−1における劣化感度Yn−1を使用し、Yn=Yn−1・Exp(−(tn−tn−1)/τ)+AXnで表される。ここで、tnとtn−1の間にはX線の入射はなく、t0:起動時の時間、Y0=0とする。
以上のような理論的な裏付けのもとに、検出器の感度劣化(ゴースト)の補正方法を等価的に表していくと、図2に示すようなゴースト補正部100の構成となる。
同図において、P(x,y)は検出器のある画素x,yの出力であるデジタル輝度値を表した画素値、101は画素値PをX線量Xnに変換するX線量変換部、102は今回X線量Xnに基づく感度劣化Yn(=AXn、Aは劣化係数である)を算出する感度劣化算出部、103は前回時刻n−1で照射したX線量に伴って生じた感度劣化を保持する保持部、104は前回X線照射からの経過時間tを測定するタイマ、105は経過時間に伴う劣化回復を算出する回復算出部、106は前回劣化感度に回復値を乗算し、経過時間t時の感度劣化Ytを演算する感度劣化演算部、107は感度劣化演算部106で得られた感度劣化Ytを用いて、補正係数を求める補正係数演算部,108は画素値P(x,y)に補正係数を掛けて感度劣化の補正を行う補正処理部である。109は感度劣化演算部106で得られた感度劣化Ynと今回感度劣化算出部102で得られた今回感度劣化Ynとを加算し、前回感度劣化Yn-1として保持部103に保存する加算演算部である。
しかし、以上のようなゴースト補正部100を用いて、感度劣化を補正していくと、図3に示すように回復する前に入射したX線による感度劣化が累積的に蓄積されていく。
例えば初期感度S0において、時間t1でX線量XnのX線を入射した場合、そのX線の入射による推定感度劣化Yn´は、劣化誤差ΔYnを有し、かつ、時間tnでのトータル感度劣化誤差をΔY´とすると、
Yn´=Yn+ΔYn´=(Yn−1+ΔYn´−1)・Exp(−(tn−tn−1)/τ)+AXn+ΔYn …… (7)
となる。ここで、感度劣化誤差のみについて展開すると、
ΔYn´=ΔYn+ΔYn´−1・Exp(−(tn−tn−1)/τ)
+ΔYn´−2・Exp(−(tn−tn−2)/τ)
+………) … (8)
となる。図3において、図示実線(イ)は実際の感度劣化の変化であり、図示点線(ロ)は誤差を含む推定した劣化感度の変化を表す。このように過去の感度劣化誤差が時間の経過とともに累積されていくことが分る。
従って、X線診断装置に使用するX線平面パネル検出器は、X線照射後の回復特性が比較的長い時間を必要とする場合、完全に回復に至っていない感度劣化による過去の誤差が時間とともに蓄積してくるので、X線の入射を繰り返すにつれて誤差が増大し、目に見えるほどの大きな誤差となったとき、画像上にアーチファクトを作り出し、診断に影響を与える結果となる。
そこで、本発明は、以上のような感度劣化の補正を踏まえ、感度劣化後の回復特性の遅れから生じる誤差をリセットし、劣化誤差の影響を受けにくいX線診断装置を実現する。
図1は本発明に係るX線診断装置の実施の形態を示す構成図である。
このX線診断装置は、被写体(人間や動物などの生体)1にX線を照射するX線管2a及び視野サイズを定めるX線絞り2bで構成されるX線発生部2と、天板3上に所望の姿勢を保持する被写体1を透過してくるX線を検出し、視野サイズに応じた検出領域でのX線透過データを得るX線検出部4とが互いに向き合うように支持体5に支持される。支持体5は床面などに立設される保持装置6に回転可能に保持されている。
X線検出部4としてはX線平面パネル検出器4aが用いられる。X線平面パネル検出器4aは、複数のX線検出素子が縦横に配列され、例えば正方形のマトリックス構成をなし、かつ、平面形状となるように形成されている。従って、被写体の大きな部位であっても撮影可能な方形の検出面を構成でき、前述したように薄型・軽量化を実現でき、視野周辺部の歪みがほとんどなく高解像度で撮影できる。
このX線平面パネル検出器の具体的な構成は、入射したX線エネルギーを電荷量に変換する検出部と、この検出部で変換された電荷量をある領域(画素)ごとに検出し蓄積する前記X線検出素子群及びこれらX線検出素子群を選択し、蓄積電荷量を読み出す半導体スイッチ等からなるアレイ部とで構成される。
前記支持体5は、例えば円弧状をなす支持アームが用いられるが、図示される形態に限定されるものではなく、従来知られている種々の形態の支持体ないし支持装置が用いられる。
X線検出部4の出力側には画像診断処理本体部7が接続されている。
画像診断処理本体部7は、当該画像診断処理本体部7のユーザインタフェースとなるキーボード・マウスなどの操作部11と、例えば複数の表示部12a,…,12nと、撮影条件に従って撮影制御を実施する撮影制御部13と、画像処理部14とで構成される。なお、複数の表示部部12a,…,12nを設けているのは、ユーザが機能別ないし要求別に画像をモニタするためである。
撮影制御部13は、操作部11から例えばX線管1の管電圧,管電流、X線絞り等の撮影X線条件と、被写体1中の撮影位置(拡大率を含む)等の撮影幾何条件及び回転速度、撮影枚数、収集レートその他の条件等の入力指示を受け取り、図示しない適宜な設定データメモリに格納し、これら条件のもとに予め定める撮影シーケンスプログラムに従って撮影制御を実施する。
画像処理部14は、X線検出部4に設定される収集レート毎に収集された各画素の蓄積電荷量を所要とするゲインで増幅するアンプ(図示せず)を介して輝度を表す256階調のデジタル画素値に変換するAD変換部141、前述した図2に示すゴースト補正部142、誤差調整部143及び画像処理制御部144などが設けられている。145は画素値データメモリ、146は画像メモリである。
誤差調整部143は、ゴースト補正部142による感度劣化の補正によって生じる誤差をリセットする機能を有する。
感度劣化の補正による誤差をリセットする手段としては、感度劣化が起きているX線検出器4aの検出領域内に均一なX線を入射した状態で、各画素の感度分布を測定し、例えば図2に示すゴースト補正部142で算出された感度劣化Yをリセットする方法が考えられる。例えば、過去にX線の入射が無いとか、若しくは過去にX線の入射が有ったが、その後に感度が十分に回復している程度にX線の入射が無い状態において、一定線量のX線を入射したときに得られる画素値をCOとし、ゴースト補正部142の適宜なメモリに保持しておく。
しかる後、同じ一定線量のX線(リセット用X線)を照射し、表示部例えば12aに表示される画像を観察しながら誤差が大きくなったと判断したとき、そのときの画素値CIを取得し、SCor/SO=C1/COなる演算により相対感度SCor/SOを求めることが出来る。
従って、このときの感度劣化YCorは、
YCor=1−SCor/SO=1−C1/CO …… (9)
により算出できるので、当該YCorをX線入射直前の感度劣化として置き換える。
このとき、一定線量をXとすれば、リセット用X線を入射してから時間t経過後の感度劣化Yは、
Y=YCorExp(−t/τ)+AX …… (10)
として表現できるので、以後リセット前と同様に補正を継続する。
しかし、以上のようなリセット手段は、リセットするために均一のX線を入射する必要があるという問題がある。リセット用のX線は、検出面内に均一のX線を入射する必要があるため、X線吸収差のある生体が被写体1として存在する間はリセット用のX線を照射できない。このことは、例えば検査中に誤差が増大し、ユーザがリセットを必要と判断したとき、一旦患者を退避させて生体が無い状態に設定した後、X線を照射しなければならず、ユーザにとっては大きな負担となる。
そこで、本発明による診断装置においては、誤差調整部143を用いて、被写体1である生体のX線透過データを収集中であっても、ゴースト補正部142による感度劣化の補正による誤差をリセットできるようにするものである。
この誤差調整部143は、具体的には、図4に示すように構成される。
ここで、図4に示す誤差調整部143の構成を説明する前に、図5を参照して視野サイズについて説明する。
一般に、X線診断装置においては、ある生体の検査部位(特定部位)について、通常行われる撮影倍率と拡大した状態の撮影倍率で撮影し画像を取得するため、X線絞り2aを制御し、複数の視野サイズを設定する。例えば、図5に示すように、検出器4aに2種類の視野サイズA,Bを個別に設定した場合、検出器4aは通常視野サイズAに応じた検出領域A´と検査部位を拡大した拡大視野サイズBに応じた検出領域B´とでそれぞれ個別に被写体1の検査部位の透過X線量を検出し、それぞれ画素値に変換し、画像化して表示部12aに表示する。この場合、ユーザによる操作部11からの指示に基づき、撮影制御部13がX線絞り2bを制御し、X線が画像化を必要としない部分を被爆させないように配慮される。従って、検出器4aには、選択された視野サイズの内側には生体を透過したX線が入射し、視野サイズの外側には全くX線が入射されない。
例えば、ユーザが視野サイズBのもとに、ある検査部位に関する画像の観察を行ったとすると、視野サイズB内の検出領域B´は生体を透過したX線により感度劣化が生じる。このとき、従来技術においては、ゴースト補正部142にて画素値ごとに感度劣化を計算し、初期感度に戻すような補正係数を求めてゴースト補正を行うが、回復特性の遅れが存在する限り、図3で説明したように誤差が蓄積されていく。
一方、視野サイズBの外側の領域は、X線が入射されていないので、感度が保持されており、補正係数がほとんど「1」となり、誤差が生じない。しかし、前述した検査部位を含めて少し広げるように変更しより広い視野サイズAで観察するとき、ユーザが操作部11から指示を出してX線絞り2bを制御し、視野サイズAに設定し、X線を照射する。その結果、視野サイズAに応じた検出領域A´には、視野サイズBで得られる画像観察の際に生じた補正誤差が現れることになる。
多くの場合、視野サイズBに基づく検出領域B´にて観察中に生体が動くことから、検出領域B´の内側に入射するトータルのX線量は均一化され、それに伴って補正誤差も検出領域B´内で均一化されることから、視野サイズBから視野サイズAに変更したときには、検出領域B´の境界A´B´のみが画像上において補正誤差に伴うアーチファクトとして観測される。
このように画像中に映し出されるアーチファクトは、X線絞り2bによる視野サイズで定まる幾何学的な形状をなしていることから、目視観察時に容易にアーチファクトであると判別できる。
従って、本発明は、以上のような実験の積み重ね及び実験結果に基づき、感度劣化の補正による累積誤差を誤差調整手段によりリセットすることにある。
誤差調整手段は、具体的には、図4に示すように、表示部例えば12a、操作部11及び誤差調整部143により構成される。
表示部12aは、複数の視野サイズA,Bを選択し、X線を入射したときに得られる各画素値に基づく画像を表示し、その表示された画像から幾何学的な形状をなして現れるアーチファクトを判別し、操作部11による感度劣化の増減を促す機能を有する。
操作部11は、表示部12aの画像観察中に所定の幾何学的な形状をなすアーチファクトと判別されたとき、↑・↓マーク付き専用キー11aまたはポインティング・デバイスであるジョイステック11b若しくはそれに類する操作キーを用いて、検出面内の感度劣化を増減する指示信号を入力する。
誤差調整部143は、予め検出面内の感度劣化を増減する調整幅データが記憶され、操作部11から増・減指示信号を受け取ると、増・減指示信号に応じて一律の調整幅を持った誤差調整信号に変換し、ゴースト補正部142の感度劣化演算部106の出力側に接続される調整演算部111にて、感度劣化演算部106の出力である感度劣化Ytに誤差調整信号を乗算し、補正誤差をリセットした感度劣化Ytrを得る機能を有する。
次に、以上のようなX線診断装置の作用について説明する。
先ず、ユーザが操作部11から例えばX線管1の管電圧,管電流、X線絞り等の撮影X線条件と、被写体1中の検査部位(拡大率を含む)等の撮影幾何条件及び回転速度、撮影枚数、データ収集レートその他の条件等のデータを撮影制御部13に入力すると、これら条件データを適宜なメモリ(図示せず)に保存する。同じく操作部11から感度劣化の補正誤差をリセットする調整幅データを誤差調整部143に設定する。なお、調整幅データは、検査開始前および検査中のいつでもユーザの指示により変更することが可能である。
なお、調整幅データとしては、予め増減させる幅,例えば通常のX線量の照射を前提として±1%を設定するが、例えば入射するX線量を考慮し、±0.5%,±1.0%,±1.5%の何れか1種類または予め全種類を設定してもよい。複数種類の調整幅データを設定した場合、ユーザはアーチファクトの現れ方に応じ、操作部11から種類指定とともに増・減指示信号を入力する
撮影制御部13は、上記条件のもとにX線管2a及びX線絞り2bを制御し、また、X線検出部4に対して収集レートを設定する。
しかる後、天板3上に被写体1が所望の姿勢を維持するように設定した後、ユーザによる操作部11からの開始指示を入力する。撮影制御部13は、設定条件に従ってX線管2aからX線を照射し、予め定める撮影シーケンスプログラムに従って撮影制御を実施する。
このとき、X線フラットパネル検出器4aは、2次元のマトリクス構成に配列された各画素のX線検出素子により、被写体1の検査部位を透過してくるX線量に応じた電荷量を生成する。このとき、アレイ部を構成する半導体スイッチにより、各X線検出素子を選択し、収集レート毎に電荷を収集し、アンプ(図示せず)及びAD変換部141を介して各画素の輝度を表すデジタル値,つまりデジタル画素値に変換され、ゴースト補正部142に送られる。
ゴースト補正部142は、検出器4aから収集された各画素の画素値を取り込み画素値データメモリ145に格納する一方、感度劣化算出部102が前述した式(4)に基づいて感度劣化Ytを順次計算し、この感度劣化から得られる補正係数を用いて対応する各画素値に乗算し、初期感度に基づくX線量となるような画素値に変換し、画像処理制御部144に送出していく。
画像処理制御部144では、変換された画素値データを表示部12aの表示画面に合うように画像メモリ146を格納した後、表示部12aに表示する。
ここで、ユーザは、表示部12aに表示された画像を観察しながら、既存の特定形状(幾何学的な形状)のアーチファクトが現れているか判断する。通常、過去にX線を入射し、前回と今回のX線入射が時間的に接近している場合,例えば図5に示すように同一被写体1の検査部位を広・狭的な視野サイズA,Bで検査した場合、補正誤差の回復遅れから視野サイズBに応じた検出領域B´の境界A´B´で補正誤差に伴うアーチファクトを観測することができる。
そこで、ユーザは、アーチファクトと判別したとき、操作部11から↑・↓マーク付き専用キー11aまたはポインティング・デバイスであるジョイステック11b若しくはそれに類する操作キーを用いて、任意の時間tでの感度劣化Ytを一律に増減させるための指示信号を誤差調整部143に入力する。
誤差調整部143は、増・減指示信号を受け取ると、増・減指示信号に応じて一律の調整幅を持った誤差調整信号,例えば+1.0%または−1.0%の信号に変換し、調整演算部111に入力する。ここで、調整演算部111は、感度劣化演算部106の出力である感度劣化Ytに誤差調整信号を乗算し、補正誤差をリセットした感度劣化Ytrを取り出し、補正係数演算部107に送り、補正係数を求める。
その結果、感度劣化Ytに増となる誤差調整信号、例えば+1.0%を乗算した感度劣化Ytrに基づき、補正係数が大きくなり、例えば図3に示す時間t1で生じる点線で示す誤差ΔYnが除去され、誤差のない実線の感度に限りなく近づく。
なお、複数種類の調整幅が設定されている場合、画像に現れるアーチファクトの程度に応じて、調整幅の種類を指定の後に増・減の指示信号を入力し、アーチファクトの現れない画像,つまり劣化補正による誤差の伴わない画像となるように調整する。
従って、以上のような実施の形態によれば、被写体1の検査部位にX線を入射した場合、その多くは視野サイズに応じて検出領域の境界部分のみにアーチファクトが現れることが多い。このとき、問題となるのは、個々の画素値の誤差よりも均一化された境界内・外の平均的な誤差の比であり、X線平面パネル検出器4aの検出領域の画素内の画素値に均一な割合で感度劣化に関する調整幅で調整すれば、十分な効果を期待できる。
何となれば、検出領域B´の画素値「0」に±1.0%の調整信号を与えても、もとの画素値である「0」と等しくなり、また検出領域A´内の画素値に±1.0%を与えた場合でもほとんど影響を受けないのに対し、境界部分A´B´の画素値に対してはアーチファクトを消去する大きな影響を有する。
また、この実施の形態では、補正係数でなく、推定した感度劣化を調整するようにしたので、その後の感度劣化の推定にも調整結果を反映させることができる。
従って、ユーザは、補正誤差が増大したことを認識した際、わざわざ患者を退避させることなく、比較的被爆の少ない透過画像を観察しながら、簡単、かつ、迅速に補正誤差を調整することが可能となり、ユーザに良好な診断画像を提供できる。
(実施の形態2)
図6は本発明に係るX線診断装置の実施の形態2を説明する誤差調整手段の構成図である。なお、X線診断装置全体の構成は、図1と同様であるので、図1の説明に譲る。
本実施の形態は、視野サイズごとに感度劣化の補正誤差を調整する機構を設けた構成であってもよい。
実施の形態1では、例えば2種類の視野サイズの例について、X線検出部4から収集される画素値の感度劣化の補正誤差に対し、一律の調整幅の増・減調整信号をゴースト補正部142に与えたが、例えば3種類以上の視野サイズA,B,C(図示せず。以下、同じ)に設定してX線を入射した場合、例えば視野サイズA,Bに対応する検出器4aの検出領域A´,B´の境界と、視野サイズB,Cに対応する検出器4aの検出領域B´,C´の境界では、アーチファクトの現れ方の程度が異なるので、一律の調整幅で補正誤差を図4の実線に近づけることが難しい。
そこで、本実施の形態では、図6に示すように、操作部11としては、表示部12aの画像観察中に所定の幾何学的な形状をなすアーチファクトと判別したとき、各視野サイズA,B,Cに対応する検出器4aの検出領域A´、B´,C´毎に↑・↓マーク付き専用キー11A,11B,11C、あるいは視野サイズを指定しつつポインティング・デバイスであるジョイステック11bもしくはそれに類する操作キーを用いて、検出面内の感度劣化を増減する指示信号を入力する。
一方、ゴースト補正部142は、図4とほぼ同様の構成であるが、感度劣化演算部103と補正係数演算部107との間に、各検出領域A´、B´,C´の数に応じた数の調整演算部111a,111b,111cを並列的に接続し、かつ、各調整演算部111a,111b,111cの入出力ラインにスイッチ112a,112b,112cが設けられている。そして、例えば視野サイズAが決定された際に例えば撮影制御部13または専用キー11A,11B,11Cから増減の指示信号が入力された際に例えば誤差調整部143から決定された視野サイズAに対応するスイッチ112aのみをオンさせる構成である。
このような構成であれば、視野サイズAの場合にはゴースト補正部142の感度劣化演算部103に調整演算部111aだけが接続され、視野サイズAに対応する検出領域A´のもとに検出された各画素の画素値の表示画像を観察しながら、専用キー11Aから増減指示信号を誤差調整部143に入力する。
誤差調整部143は、予め視野サイズごとに少なくとも1種類以上の調整幅データが設定され、専用キー11Aから増減指示信号を受け取ると、複数種類の調整幅データが設定されている場合にはユーザの指示のもとに最適とする1つの調整幅の調整信号を選択し、調整演算部111aに入力する。この調整演算部111aは、任意の時間tにおいて得られる感度劣化Ytに対し、所定の調整幅の調整信号を乗算し、調整された感度劣化Ytを補正係数演算部107に送出する。
従って、以上のような実施の形態によれば、視野サイズごとに調整機構を設けることにより、各検出領域で検出される各画素値の感度劣化を一律の調整幅を有する調整信号では十分な調整が難しいが、本実施の形態では、複数の境界が存在する場合でも、個別に各検出領域の画素値に生じる感度劣化補正の誤差を調整信号でリセットし出力するので、精度の高い劣化誤差の調整を実施することが可能となる。
その結果、実施の形態1に較べて、各検出領域で検出された各画像ごとに確実にアーチファクトの無い良好な診断画像をユーザに提供できる。
(実施の形態3)
図7は本発明に係るX線診断装置の実施の形態3を説明する誤差調整部の構成図である。なお、X線診断装置全体の構成は、図1と同様であるので、図1の説明に譲る。
この実施の形態は、複数の視野サイズA,B,C,D(A,B,C,Dは図示せず。以下,同じ)設定に基づき、検出器4aの検出領域A´,B´,C´,D´(図8参照)によって検出した画素値の感度劣化補正の誤差を自動的に調整する誤差調整部143を設けた構成である。
一般に、被写体1の検査部位に関する画像を観察する場合、複数の視野サイズに変更しつつ被写体1の検査部位の画像を表示部12aに表示するが、各画像の多くに生じるアーチファクトは視野サイズA,B,C,Dに応じた検出領域A´,B´,C´,D´の境界部分(A´,B´)、(B´,C´)、(C´,D´)に存在する。これらの視野サイズは、各X線診断装置ごとに決定されている場合がほとんどであるので、アーチファクトの出現する場所も予め分っている。
そこで、誤差調整部143は、視野サイズに応じた検出領域の境界部分を常に監視し、累積した補正誤差を自動的に検出し、各境界部分に累積される補正誤差の変化の傾向に基づいて補正誤差を増・減する調整信号を取り出し、ゴースト補正部142から出力される画素値の補正誤差をリセットする。
通常,表示部12aに表示される画像は、生体情報を反映した輝度分布を有していることから、単純に検出領域の境界部分の画素値の変化をそのまま補正誤差として扱えないが、生体情報は境界付近で急激に変化することが少ないこと、境界内の誤差は前述したようにほぼ均一に近い変化傾向を示すことから、誤差情報として取り出すことが可能である。
誤差調整部143は、具体的には、境界プロファイル抽出部21AB,21BC,21CDと、平均化・異常値除去部22と、トレンド補正部23と、調整係数出力部24AB,24BC,24CDと、誤差調整演算部25で構成される。
境界プロファイル抽出部21AB,21BC,21CDは、ゴースト補正部142でゴースト補正された各検出領域の画素値からA´B´境界部分,B´C´境界部分、C´D´境界部分の画素値(境界プロファイル)を抽出する。平均化・異常値除去部22は、抽出された各境界部分の複数の画素値を平均化するが、複数の画素値の中に異常プロファイルが有ればそれを除去し、平均化する。
トレンド補正部23は、平均化された各境界部分A´B´の画素値における感度劣化の差信号を取り出す。調整係数出力部24AB,24BC,24CDは、各境界部分A´B´、B´C´、C´D´の画素値の感度劣化の差信号を調整係数(誤差量)として見なして出力し、誤差調整演算部25に送出する。
誤差調整演算部25は、ある検出領域例えばB´におけるゴースト補正部142の出力に各境界部分A´B´の画素値の感度劣化差の調整係数を乗算し、補正誤差をリセットする。なお、調整係数出力部24ABは、各境界部分A´B´の画素値の感度劣化の差信号を検出領域B´の調整係数としたが、その理由は検出領域B´には既に検出領域A´で検出した画素値の感度劣化の補正誤差が含んでいる為である。
次に、誤差調整部143の作用について、図9に示す具体例を用いて説明する。
例えば、視野サイズA,Bを設定し、図9に示す視野サイズA,Bを設定した場合における検出器4aの検出領域A´、B´内の画素値を例に上げて説明する。
検出領域A´内で検出された画像には既にX線入射による検出領域B´内の画像値の感度劣化補正による誤差が含まれているものとする。
そこで、誤差調整部143の境界プロファイル抽出部21ABは、予め検出領域A´、B´の境界A´B´が分っているので、図9(a)に示す斜線で示す境界A´B´の中心ラインから前後数十画素のプロファイル(画素値)を抽出する。この数十画素内では生体画像の変化が少ないとし、プロファイル内の平均値で割ることにより、相対感度を表す境界A´B´を得、平均化・異常値除去部22に送出する。
この平均化・異常値除去部22は、検出領域A´、B´内毎の感度劣化は均一であると仮定し、全てのプロファイルに対し、検出領域A´と検出領域B´について境界方向の画素位置ごとに平均化処理を実施し、画素値に含むノイズを除去する。例えば図9(b)に示すように境界方向の画素位置ごとに複数走査ラインの画素値を取り込み、検出領域A´と検出領域B´ごとに図10に示すように平均化処理を行ってノイズを除去した平均値を求める。この際、異常な変化をもったプロファイルを平均処理から除外する。
引き続き、トレンド補正部23は、検出領域A´及び検出領域B´の平均値の中から境界中心の前後数画素の画素値の感度劣化の差(図11に示す誤差量E)を取り出し、変化の傾向を表すトレンド補正信号として調整係数出力部24ABに送出する。なお、変化の傾向を表すトレンド補正信号は例えば線形近似などの手法を用いてもよい。
ここで、調整係数出力部24ABは、変化の傾向を表すトレンド補正信号を検出領域B´の調整係数(誤差量E)と見做し、誤差調整演算部25に送る。なお、変化の傾向を表すトレンド信号を検出領域B´の調整係数と見なしたのは、検出領域B´のみが視野サイズA,BのもとにX線入射を受けて感度劣化を起しているためである。
誤差調整演算部25は、検出領域B´の調整係数(誤差量E)を受け取ると、ゴースト補正部142で得られる検出領域B´内の全補正画素値に調整係数を乗算し、調整された画素値を画像処理制御部144を介して表示部12aに表示する。
以上のような実施の形態によれば、複数の視野サイズの設定のもとに各検出領域で検出される画素値に関し、隣接する2つの検出領域の境界画素値の平均値から量検出領域の感度劣化の差となる調整係数(誤差量)を取り出し、両検出領域のうち、X線入射の少ない大きい検出領域に対してX線入射の比較的多い検出領域の画素値を前記調整係数(誤差量)で調整するので、ユーザが手動で誤差調整を行う手間をかけることなく、良好な診断画像を見ながら本来の検査や手術に集中することができる。
(その他の実施の形態)
実施の形態3は隣接する2つの検出領域の境界画素値から求めた調整係数を用いて、ゴースト補正部142で得られるX線入射の比較的多い検出領域の画素値を調整するようにしたが、この調整係数(誤差量E)を用いて、感度劣化にも反映させる構成であってもよい。
図12は調整係数(誤差量E)を感度劣化に反映させる構成を示す図である。先ず、ゴースト補正部142に感度劣化保持テーブル113を用意し、図2の感度劣化演算部106にて、検出領域B´,C´,D´で検出された画素値の感度劣化Ytb,Ytc,Ytdを求めると、感度劣化保持テーブル109に保存する。
一方、図12に示す誤差調整部143においては、隣接する2つの検出領域の境界画素値から求めた調整係数(誤差量E)を求めるが、このとき、誤差調整演算部25にて誤差量Eに基づいて1/Eの演算を行い、感度劣化保持テーブル113の当する検出領域の感度劣化Ytbに乗算して感度劣化誤差調整量Ytb´を求めた後、感度劣化保持テーブル113の感度劣化Ytbを感度劣化誤差調整量Ytb´に置き換えることにより、以後、図2に示す加算演算部110における前回感度劣化Yn=Ytbを生かし、感度劣化Yn−1に反映させるものである。
これにより、誤差調整部143で得られた誤差量Eを、ゴースト補正部142の時間tでの感度劣化Ytについて、検出領域B´内の全画素値にYtに一律に1/E倍することになり、以後の感度劣化補正に自動的に反映させることができる。
その他、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することが可能である。
本発明に係るX線診断装置の一実施の形態を示す構成図。 従来のゴースト補正部のブロック構成図。 従来のゴースト補正部による感度劣化補正によって生じる誤差の蓄積を説明する図。 本発明に係るX線診断装置の一実施の形態の要部となる誤差調整部を含む誤差調整手段を説明する構成図。 X線絞りによる視野サイズと各市やサイズに対応する検出器の検出領域及び量検出領域の境界を説明する図。 本発明に係るX線診断装置の他の実施の形態の要部となる誤差調整部を含む誤差調整手段を説明する構成図。 本発明に係るX線診断装置のさらに他の実施の形態の要部となる誤差調整部のブロック構成図。
本発明に係るX線診断装置の一実施の形態を示す構成図。
複数の視野サイズを設定した際の検出器の各検出領域を示す図。 2つの検出領域の境界部分及び境界部分の画素値の変化を説明する図。 図9(b)に示す複数走査ラインの境界部分の画素値を各領域に分けて平均化し、変化の傾向を表すトレンド補正信号を取得するための説明図。 2つの検出領域の画素値から求められる誤差(調整係数)を説明する図。 調整係数(誤差量E)をゴースト補正部の感度劣化に反映させるための構成図
符号の説明
1…被写体、2…X線発生部。2a…X線管、2b…X線絞り、4…X線検出部、4a…X線平面パネル検出器、7…画像診断処理本体部、11…操作部、12a,…,12n…表示部、13…撮影制御部、14…画像処理部、21AB,21BC,21CD…境界プロファイル抽出部、22…平均化・異常値除去部、23…トレンド補正部、24AB,24BC,24CD…調整係数出力部、25…誤差調整演算部、111,111a、111b,111c…調整演算部、141…AD変換部、142…ゴースト補正部、143…誤差調整部、144…画像処理制御部、A,B…視野サイズ、A´,B´,C´,D´…検出領域。

Claims (3)

  1. 所定の視野サイズのもとに照射されるX線を受けて被写体から透過してくる透過X線量を検出し、前記視野サイズに応じた検出領域の各画素の画素値を取り出すX線検出手段と、このX線検出手段で取り出した各画素の画素値から前記透過X線量の入射による前記X線検出手段の感度劣化を算出し、この算出された感度劣化から求められる補正係数を用いて、前記各画素の画素値を補正するゴースト補正手段とを設け、この補正された画素値に基づいて前記被写体の画像を表示するX線診断装置において、
    表示された被写体の画像の中にアーチファクトと認識できる誤差を含んだ画像が存在する場合、操作手段から入力される増・減指示信号に基づき、所定の調整幅に変換した調整信号を出力し、前記ゴースト補正手段で算出される前記検出領域の画素値の感度劣化値を一律に調整する誤差調整手段を備えたことを特徴とするX線診断装置。
  2. 複数の視野サイズのもとに照射されるX線を受けて被写体から透過してくる透過X線量を検出し、各視野サイズに応じた検出領域の各画素の画素値を取り出すX線検出手段と、このX線検出手段で取り出した各検出領域の各画素の画素値から前記透過X線量の入射による前記X線検出手段の感度劣化を算出し、この算出された感度劣化から求められる補正係数を用いて、前記各検出領域の各画素の画素値を補正するゴースト補正手段とを設け、この補正された各検出領域の画素値に基づいて前記被写体の画像を表示するX線診断装置において、
    前記検出領域ごとに表示された画像の中に前記視野サイズの形状に依存する誤差を含む画像が存在する場合、操作手段から前記検出領域ごとに入力される増・減指示信号に基づき、所望とする調整幅に変換した調整信号を出力し、前記ゴースト補正手段で算出される該当検出領域における各画素の画素値の感度劣化値を調整する誤差調整手段を備えたことを特徴とするX線診断装置。
  3. 複数の視野サイズのもとに照射されるX線を受けて被写体から透過してくる透過X線量を検出し、各視野サイズに応じた検出領域の各画素の画素値を取り出すX線検出手段と、このX線検出手段で取り出した各検出領域の各画素の画素値から前記透過X線量の入射による前記X線検出手段の感度劣化を算出し、この算出された感度劣化から求められる補正係数を用いて、前記各検出領域の各画素の画素値を補正するゴースト補正手段とを設け、この補正された各検出領域の画素値に基づいて前記被写体の画像を表示するX線診断装置において、
    前記ゴースト補正手段の出力側に設けられ、当該ゴースト補正手段による補正誤差をリセットする誤差調整部を設け、
    この誤差調整部は、互いに近い大きさの検出領域の各画素のデジタル画素値から両検出領域の境界部分における各画素のデジタル画素値を抽出する複数の境界プロファイル抽出手段と、各境界プロファイル抽出手段で抽出された境界部分の各画素位置のデジタル画素値ごとに平均化してノイズを除去する平均化手段と、ノイズを除去した両検出領域の境界部分の各画素位置に対する画素値の変化から変化傾向を表す調整係数を取得する手段と、両検出領域の境界部分に関する調整係数を用いて、前記ゴースト補正手段で算出される所定の検出領域の画素値に含む誤差分をリセットする手段とを備えたことを特徴とするX線診断装置。
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