JP6477381B2 - エピタキシャルウェーハの成膜条件決定方法、ならびにエピタキシャルウェーハの製造方法および製造装置 - Google Patents

エピタキシャルウェーハの成膜条件決定方法、ならびにエピタキシャルウェーハの製造方法および製造装置 Download PDF

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本発明は、エピタキシャルウェーハの成膜条件決定方法、ならびにエピタキシャルウェーハの製造方法および製造装置に関する。
エピタキシャルウェーハから製造される半導体集積回路の品質のばらつきを抑制するためには,エピタキシャルウェーハの膜厚を均一にする必要がある。
エピタキシャルウェーハは、チャンバ内にウェーハを収容し、このチャンバ内にエピタキシャル膜の原料となるガス(原料ガス)を流すことによって、ウェーハの表面にエピタキシャル膜を形成して得られる。
エピタキシャルウェーハの製造装置(エピタキシャル成長炉)のチャンバ内の清浄度を高く維持するためには、チャンバを定期的に分解して洗浄する必要がある。分解および洗浄後にチャンバを組み立てると、チャンバの状態は、正確には、分解前の状態にならない場合がある。このため、分解前に均一な厚さのエピタキシャル膜が得られていても、分解および組み立て後に、分解前と同じ条件で成膜を行うと、厚さが不均一なエピタキシャル膜が得られることがある。同様に、エピタキシャルウェーハの品種の切り替えを行う場合も、品種の切り替え後に、切り替え前と同じ条件で成膜を行っても、厚さが不均一なエピタキシャル膜が得られることがある。
このように、厚さが不均一なエピタキシャル膜が得られるようになると、膜厚面内分布を調整する作業が必要となる。具体的には、モニターウェーハを用いて、膜厚面内分布に影響を与える制御因子の操作量を変更して成膜を行い、得られたエピタキシャル膜の膜厚面内分布を確認する。この膜厚面内分布が、目標とする均一性を有さない場合は、再度制御因子の操作量を変更して成膜を行い、得られたエピタキシャル膜の膜厚面内分布を確認する。このような操作を、得られたエピタキシャル膜の膜厚面内分布が目標とする均一性を有するようになるまで、繰り返す。
特許文献1には、複数のガス流入口が設けられた反応室と、各ガス流入口に連通し反応ガスを各ガス流入口に供給する複数本のガス流路と、これらの複数本のガス流路のそれぞれのガス流量を制御するガス流量制御装置(流量調整手段)とを備えた成膜反応装置が開示されている。
特許文献1では、均一な厚さを有する膜を得るために、基板上の複数の位置における膜成長速度と所定の目標膜成長速度との偏差(膜成長速度偏差)を減じるように、流量調整手段により、ガス流路のそれぞれのガス流量を調整する。調整の際、各ガス流路のガス流量の変化が基板上の膜成長速度分布の変化に及ぼす感度を定義した膜成長感度データが用いられる。
また、特許文献2には、特許文献1に開示された装置に類似する成膜反応装置であって、ガス流入口が、反応室内の基板の周縁に沿った幅方向へ所定の範囲で延びるように構成された装置が開示されている。ガス流入口の上流側に、ガス流量を制御可能な複数の部分制御範囲が構成されている。この装置は、複数の部分制御範囲におけるガス流量を制御するガス流量制御部を備えている。特許文献2では、特許文献1の方法と同様にして、ガス流量を調整することにより、基板上の種々の位置における膜成長速度偏差が減じられる。
特許文献1および2では、ガス流路毎の流量調整値a1〜aNは、膜成長速度偏差ΔGR(x)と、ガス流路毎の膜成長感度関数S1(x)〜SN(x)とに基づいて、次のような回帰計算を行うことにより、計算される。すなわち、サンプリング点xj毎の膜成長速度偏差ΔGR(xj)について、次の方程式、
ΔGR(xj)=a1S1(xj)+a2S2(xj)+a3S3(xj)+…+aNSN(xj
を立てる。サンプリング点xjはM個(M>N)あり、j=1〜MのM個の上記方程式が成立する。このM個の方程式を用いて公知の回帰計算が実行され、その結果、ΔGR(xj)をjについて1からMまで合計した値が最小になるように、ガス流路毎の流量調整値a1〜aNが求められる。
特開2007−324286号公報 特開2010−258169号公報
特許文献1および2のいずれの方法においても、膜厚面内分布を調整するために、各ガス流路のガス流量すべてが調整される。しかし、膜厚調整に用いる制御因子の数が多いほど、調整工数は増えて、生産コストは増大する。したがって、エピタキシャルシリコンウェーハの膜厚面内分布のばらつきが目標値以下を達成していれば、膜厚調整に用いる制御因子の数は少ないほどよいといえる。
また、たとえば、トリクロロシランガスの流量のような制御因子は,エピタキシャル膜の成長速度に影響し、エピタキシャル膜について、膜厚面内分布のみならず、膜厚そのものにも影響を及ぼす。したがって、このような制御因子は、膜厚面内分布の調整には用いないことが好ましい。特許文献1および2のいずれにおいても、そのような場合は、考慮されていない。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、膜厚面内分布のばらつきを目標値以下としつつ、膜厚面内分布以外の要因も考慮してエピタキシャル膜を形成できる、エピタキシャルウェーハの成膜条件決定方法を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、膜厚面内分布のばらつきを目標値以下としつつ、膜厚面内分布以外の要因も考慮してエピタキシャル膜を形成できる、エピタキシャルウェーハの製造方法および製造装置を提供することを目的とする。
膜厚面内分布以外の要因とは、たとえば、コスト(工数に基づく製造コスト、原料コスト等)の低減や、膜厚面内分布以外の品質に影響する制御因子の利用を最小にすることなどである。
本発明は、下記(1)のエピタキシャルウェーハの成膜条件決定方法、下記(2)のエピタキシャルウェーハの製造方法、および下記(3)のエピタキシャルウェーハの製造装置を要旨とする。
(1)ウェーハ上にエピタキシャル膜を形成してエピタキシャルウェーハを製造する際の成膜条件を決定する方法であって、
ウェーハ上に形成されたエピタキシャル膜の厚さを、当該エピタキシャル膜のN点(Nは2以上の整数)の部位で測定し、測定された膜厚の値に基づいて、膜厚のばらつきの少なさの指標である膜厚面内分布指標を求める膜厚面内分布指標実測値算出工程と、
エピタキシャル膜の膜厚面内分布を調整するためのM個(Mは2以上の整数)の制御因子から1〜M個の制御因子を選択する全組み合わせのそれぞれに対して、前記測定された膜厚の値に基づき、前記膜厚面内分布指標が最小化するように各制御因子の操作量を最適化し、当該最小化する膜厚面内分布指標の予測値を求める膜厚面内分布指標予測値算出工程と、
前記制御因子の全組み合わせのうち、前記膜厚面内分布指標予測値算出工程で求めた前記膜厚面内分布指標の予測値が許容範囲内にあるものの中から、前記膜厚面内分布指標以外の要因に基づいて、前記制御因子の組み合わせの1つを選択する制御因子選択工程と、
前記制御因子選択工程で選択された組み合わせの前記制御因子について、前記膜厚面内分布指標予測値算出工程で前記膜厚面内分布指標が最小化するように最適化された操作量を、成膜条件として採用する、成膜条件採用工程と
を含み、
前記膜厚面内分布指標予測値算出工程において、前記膜厚面内分布指標の予測値の算出に、各制御因子を単位量操作したときの対象ウェーハの部位毎の膜厚変化量である影響係数を用い、
前記影響係数は、過去の膜厚調整実績から対象ウェーハの部位毎に膜厚偏差が最小になるように重回帰分析を行うことにより求めたものである、エピタキシャルウェーハの成膜条件決定方法。
(2)上記(1)の成膜条件決定方法により、成膜条件を決定する成膜条件決定工程と、
エピタキシャル膜の膜厚面内分布に影響を及ぼす制御因子を変更可能な調整機構の操作量を、前記成膜条件決定工程で決定された成膜条件である各制御因子の操作量に設定して、ウェーハ上にエピタキシャル膜を形成する成膜工程と、
を含む、エピタキシャルウェーハの製造方法。
(3)ウェーハ上にエピタキシャル膜を形成してエピタキシャルウェーハを製造するための装置であって、
エピタキシャル膜の膜厚面内分布に影響を及ぼす制御因子を変更可能な調整機構と、
前記調整機構を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部が、前記制御因子の各々を単位量操作したときの対象ウェーハの部位毎の膜厚変化量である影響係数が格納された記憶装置を備えており、
前記影響係数は、過去の膜厚調整実績から対象ウェーハの部位毎に膜厚偏差が最小になるように重回帰分析を行うことにより求めたものであり、
前記制御部が、
M個(Mは2以上の整数)の前記制御因子から1〜M個の前記制御因子を選択する全組み合わせのそれぞれに対して、当該製造装置でウェーハ上に形成されたエピタキシャル膜のN点(Nは2以上の整数)で測定された膜厚の値に基づき、前記影響係数を用いて、膜厚のばらつきの少なさの指標である膜厚面内分布指標が最小化するように各制御因子の操作量を最適化し、当該最小化する膜厚面内分布指標の予測値を求め、
前記制御因子の全組み合わせのうち、前記膜厚面内分布指標の予測値が許容範囲内にあるものの中から、前記膜厚面内分布指標以外の予め定められた要因に基づいて、前記制御因子の組み合わせの1つを選択し、
前記選択された制御因子の組み合わせについて、前記最適化した操作量が得られるように、前記調整機構を制御する、製造装置。
本発明のエピタキシャルウェーハの成膜条件決定方法によれば、まず、制御因子の全組み合わせのうち、膜厚面内分布指標の予測値が許容範囲内にあるものが選ばれる。すなわち、必ずしも、M個すべての制御因子を採用するのではなく、1〜M個の制御因子を採用した場合の制御因子の全組み合わせから、複数の組み合わせが候補として選ばれる。たとえば、Mが3の場合、制御因子の組み合わせの数は、1つの制御因子で膜厚面内分布を調整する場合は3、2つの制御因子で膜厚面内分布を調整する場合は3、3つの制御因子で膜厚面内分布を調整する場合は1である。したがって、この場合、合計で7つの制御因子の組合せを考えることになる。
そして、これらの複数の組み合わせの中から、膜厚面内分布指標以外の要因に基づいて、制御因子の組み合わせの1つが選択される。このように、この方法では、膜厚面内分布以外の要因も考慮される。膜厚面内分布指標以外の要因は、たとえば、工数、それに基づく製造コスト、または原料コストとすることができる。この場合、膜厚面内分布のばらつきが許容範囲内にあるエピタキシャル膜を得つつ、コストまたは工数を低減することができる。
また、膜厚面内分布指標以外の要因は、たとえば、膜厚面内分布以外の品質に影響を与える制御因子の影響を最小化することとすることができる。この場合、膜厚面内分布のばらつきが許容範囲内にあるエピタキシャル膜を得つつ、そのエピタキシャル膜について、膜厚面内分布以外の品質も高くすることができる。
本発明のエピタキシャルウェーハの製造方法は、上記成膜条件決定方法を含むので、上記と同様の効果を奏することができる。
本発明の製造装置により、本発明の成膜条件決定方法、および製造方法を実施することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るエピタキシャルウェーハの製造装置の縦断面図である。 図2は、図1に示す製造装置の平面図である。 図3Aは、制御因子としてのトリクロロシラン(TCS)ガス流量について、ウェーハ上の位置毎の影響係数の例を示す図である。 図3Bは、制御因子としてのメイン水素流量について、ウェーハ上の位置毎の影響係数の例を示す図である。 図3Cは、制御因子としてのスリット水素流量について、ウェーハ上の位置毎の影響係数の例を示す図である。 図3Dは、制御因子としての回転数について、ウェーハ上の位置毎の影響係数の例を示す図である。 図3Eは、制御因子としての混合ガス外側流量について、ウェーハ上の位置毎の影響係数の例を示す図である。 図3Fは、制御因子としての混合ガス内側流量について、ウェーハ上の位置毎の影響係数の例を示す図である。 図4は、ウェーハ上の膜厚の測定部位の例を示す図である。 図5は、調整前後のエピタキシャル膜の膜厚面内分布を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る、エピタキシャルウェーハの製造装置の構造を示す縦断面図である。図2は、図1に示す製造装置の平面図である。
この製造装置10は、平面視において円形の天板3および下ドーム4を備えている。天板3および下ドーム4は、石英などの透明な材料で形成されている。天板3の周縁部と下ドーム4の周縁部とは、それぞれ、リング状のドーム取付体6の上下面に固定されている。これにより、平面視でほぼ円形のチャンバ2が形成されている。チャンバ2の上方および下方には、チャンバ2内を加熱する複数のハロゲンランプ9が、天板3および下ドーム4の周方向に沿って、互いに離間してほぼ等間隔に配置されている。
チャンバ2内には、円板状のサセプタ20が、ほぼ水平に配設されている。サセプタ20の上には、シリコンウェーハ(以下、単に、「ウェーハ」という。)Wが載置される。サセプタ20の半径は、載置されるウェーハWの半径より大きい。
サセプタ20の裏面側(下方)には、サセプタ20を支持するサセプタ支持部材8が設けられている。サセプタ支持部材8の下部は、軸部7に固定されている。軸部7は、サセプタ20と同軸に配置されており、モータを備えた駆動機構30により、軸部7の中心軸の周りに回転されるように構成されている。その結果、サセプタ支持部材8およびサセプタ20は、水平面内で回転される。
チャンバ2のドーム取付体6の所定位置には、チャンバ2内にガスを導入するガス供給口31が形成されている。また、ドーム取付体6において、ドーム取付体6の中心軸に対してガス供給口31と反対側には、チャンバ2内のガスを外部へ排出するガス排出口32が形成されている。エピタキシャル膜の原料となる原料ガスは、以下に説明するガス供給部からガス供給口31を介してチャンバ2内に導入される。
ガス供給部には、原料ガスが収容されたガス供給源14と、ガス供給源14に連通されたガス管15aとが備えられている。ガス供給源14には、原料ガスとして、たとえば、トリクロロシラン(SiHCl3)ガスおよびフォスフィン(PH3)ガスを、水素ガスで希釈した混合ガス(以下、「原料混合ガス」という。)が収容されている。原料ガスは、この原料混合ガスとして、チャンバ2内に導入される。
原料混合ガスの流れの下流側で、ガス管15aは、ウェーハWの幅方向周縁部に原料混合ガスを供給するためのガス管15bと、ウェーハWの幅方向中央部に原料混合ガスを供給するためのガス管15cとに分岐している。ガス管15b、15cには、それぞれ、ガス管15b、15c内に流れるガスの流量を調節するガス弁16a、16bが介装されている。ガス管15bは、さらに2つのガス管15b1、15b2に分岐している。
ガス管15b1の端部17a、ガス管15cの端部17b、およびガス管15b2の端部17cは、ほぼ水平に配列されており、ほぼ水平に配置されたインジェクトキャップ33に接続されている。インジェクトキャップ33は、上板、下板、および一対の側板により形成された角筒形状を有している。インジェクトキャップ33の内部は、仕切板34a、34bにより、3つのガス流路に分割されている。ガス管15b1、15c、15b2の端部17a〜17cは、それぞれ、この3つのガス流路に接続されている。ガス管15b1、15c、15b2の端部17a〜17cから、各ガス流路に導入されたガスは、ガス管15b1、15c、15b2内に比して、水平方向に広がって流れる。
さらに、インジェクトキャップ33に対してガス管15b1、15c、15b2の端部17a〜17cの反対側には、バッフル(整流板)13が、インジェクトキャップ33に対向配置されている。バッフル13は、幅方向が鉛直方向に向けられ、長手方向が水平方向に向けられている。バッフル13には、端部17a〜17cとの対向部に、図示しない複数のガス導入孔が略水平方向に配列するように形成されている。原料混合ガスは、バッフル13のガス導入孔を通過することにより、鉛直面内の速度分布が均一にされる。バッフル13として、複数種類のもの(たとえば、ガス導入孔の形状および大きさが互いに異なるもの)が用意されており、たとえば、製品の品種により、異なるバッフルが用いられる。
バッフル13に対して、インジェクトキャップ33と反対側には、バッフル13に隣接して、ガス整流部材11が設けられている。ガス整流部材11は、水平に配置された上板と、上板の下方に離間して、上板とほぼ平行に配置された下板と、これらの上板と下板との幅方向の両端同士を連結する一対の側板とを備えている。上板と下板との間において、インジェクトキャップ33の仕切板34a、34bに対応する位置には、上板と下板とを連結する仕切板が設けられており、さらに、上板の幅方向の中間位置には、上板と下板とを連結する仕切板12が設けられている。上板、下板、仕切板、および一対の側板により、ガス流通路18が形成されている。
ガス整流部材11のガス流通路18は、段差部を経てチャンバ2のガス供給口31と連通している。ガス管15b1、15b2から、バッフル13、およびガス整流部材11を介して、それぞれチャンバ2内に導入されるガスG1、G3は、サセプタ20上に載置されたウェーハWの幅方向一方端部および他方端部に供給される。ガス管15cから、バッフル13を介してガス整流部材11内に導入されるガスは、ガス整流部材11内で仕切板12により分割されてガスG2a、G2bとして、チャンバ2内に導入され、サセプタ20上に載置されたウェーハWの幅方向中間部に供給される。
チャンバ2の側部で、チャンバ2の中心軸に対して、ガス供給口31とガス排出口32との対向方向に直交する方向には、ウェーハWをチャンバ2に対して搬入および搬出するための開口を形成可能なスリットバルブ26が設けられている。
また、ガス供給源25から送出された水素(H2)ガスを、スリットバルブ26を介して、チャンバ2内に導入することができる。この水素ガスは、チャンバ2内で、主として、サセプタ20の下方に供給される。ガス供給源25とスリットバルブ26とは、ガス管27により連通されている。ガス管27には、ガス管27内に流れる水素ガスの流量を調節するガス弁28が介装されている。以下、スリットバルブ26を介してチャンバ2内に導入される水素ガスを、「スリット水素」という。
ガス弁16a、16b、28の開度は、制御部50により制御される。
原料混合ガスにおけるトリクロロシランの混合割合、およびガス弁16a、16bの開度により、ガス供給源14からチャンバ2内に導入されるトリクロロシランガスの総流量(以下、「TCSガス流量」という。)が制御される。原料混合ガスにおける水素ガスの混合割合、およびガス弁16a、16bの開度により、ガス供給源14からチャンバ2内に導入される水素ガスの総流量(以下、「メイン水素流量」という。)が制御される。
ガス弁16aの開度により、ガス管15bを流れる原料混合ガスの流量、すなわち、ガス管15b1、15b2を介してチャンバ2内に導入される原料混合ガスG1、G3の流量(以下、「混合ガス外側流量」という。)が調整される。ガス弁16bの開度により、ガス管15cを流れてチャンバ2内に導入される原料混合ガスG2a、G2bの流量(以下、「混合ガス内側流量」という。)が調整される。ガス弁28の開度により、スリット水素の流量が調整される。
駆動機構30は、制御部50により制御され、これにより、サセプタ20の上に載置されたウェーハWの回転数が制御される。
ガス弁16a、16b、28、および駆動機構30は、エピタキシャル膜の膜厚面内分布に影響を及ぼす制御因子を変更可能な調整機構である。
制御部50は、記憶装置50aを備えている。記憶装置50aには、制御因子の各々を正方向に単位量操作(変更)したときの対象とするウェーハの部位毎の膜厚変化量である影響係数が、データベースとして格納されている。
図3A〜図3Fに、各制御因子について、ウェーハ上の位置毎の影響係数の例を示す。図3A〜図3Fの縦軸には、いずれも、影響係数として、平均値を0とし、標準偏差を1として標準化したものを示している。
図3A〜図3Fに示すように、制御因子の種類、およびウェーハ上の位置によって、影響係数は大きく変わる。メイン水素流量、または混合ガス内側流量を変更することにより、ウェーハWの中心部の膜厚が大きく変化する。このため、メイン水素流量、および混合ガス内側流量は、ウェーハWの中心部の膜厚を調整するための制御因子として用いることができる。一方、TCSガス流量、スリット水素流量、ウェーハWの回転数、または混合ガス外側流量を変更することにより、ウェーハWの周縁部の膜厚が大きく変化する。このため、TCSガス流量、スリット水素流量、ウェーハWの回転数、および混合ガス外側流量は、ウェーハWの周縁部の膜厚を調整するための制御因子として用いることができる。
各制御因子の影響係数は、過去の一定期間内に収集された調整実績のデータを用い、ウェーハ上の位置毎に、下記(a)式に基づき、膜厚偏差が最小になるように重回帰分析を行うことにより、求めることができる。
[膜厚偏差]=[調整後の膜厚]−[調整前の膜厚]=[制御因子aの操作量]×[制御因子aの影響係数]+[制御因子bの操作量]×[制御因子bの影響係数]+・・・+[制御因子kの操作量]×[制御因子kの影響係数] (a)
影響係数を求めるにあたって、過去の調整実績として、同じ製造装置10を用いて成膜したときのものを採用することが好ましいが、各制御因子の影響係数の値が実質的に同じになると予想される場合は、他の製造装置を用いたときのものを採用してもよい。一方、同じ製造装置10を用いても、使用するバッフル13が異なれば、影響係数が異なることが予想されるので、過去の調整実績として、同じ種類のバッフル13を用いたときのものを採用することが好ましい。
記憶装置50aに格納された影響係数は、過去の調整実績のうち新しいものが反映されるように、適時更新してもよい。たとえば、直近2日以上にわたって複数の調整が行われ、その調整実績からそれぞれ得られた影響係数(以下、「最新影響係数」という。)が、いずれも、記憶装置50aに格納された影響係数に対して、所定の割合以上相違したとする。この場合、記憶装置50aに格納された影響係数を、最新影響係数をウェーハ上の位置毎に平均したものに更新する。ただし、影響係数を頻繁に更新すると、膜厚面内分布の調整結果の再現性が低くなることがあるので、これを考慮して、更新の頻度を決定することが好ましい。
次に、本発明の一実施形態に係るエピタキシャルウェーハの製造方法について説明する。以下の製造方法におけるエピタキシャルウェーハの製造は、チャンバ2を分解および組み立てした後、または品種の切り替えをした後に、行うものとする。以下、チャンバ2の分解および組み立て、または品種の切り替えを行うことを、「段取り替え」という。
この製造方法は、第1エピタキシャルウェーハ製造工程、膜厚面内分布指標実測値算出工程、膜厚面内分布良否判定工程、膜厚面内分布指標予測値算出工程、制御因子選択工程、成膜条件採用工程、および第2エピタキシャルウェーハ製造工程を含む。この製造方法は、図1および図2に示す製造装置10を用いて実施される。以下、各工程について、詳細に説明する。
[第1エピタキシャルウェーハ製造工程]
まず、図示しない移載機構により、ウェーハWを、スリットバルブ26を介して、チャンバ2内に搬入し、サセプタ20上に載置する。このウェーハWは、モニターウェーハとすることができる。次に、ガス供給源14からガス管15aへと、原料混合ガスを送出し、チャンバ2内の雰囲気をこの原料混合ガスに置換する。また、制御部50により、駆動機構30を制御して、所望の回転速度でのウェーハWの回転を開始する。
続いて、制御部50の制御により、ガス弁16a、16bの開度を調整して、TCSガス流量、メイン水素流量、混合ガス外側流量、および混合ガス内側流量を、それぞれ所望の流量に調整する。第1エピタキシャルウェーハ製造工程での成膜条件は、たとえば、段取り替えの前に採用していた条件とすることができる。
さらに、制御部50の制御により、ガス弁28の開度を調整して、スリット水素を、所望の流量でチャンバ2内に導入する。チャンバ2内に導入された原料混合ガスおよび水素ガスは、ガス排出口32から排出される。
次に、チャンバ2の上方および下方に設けられたハロゲンランプ9により、ウェーハWおよびサセプタ20に輻射熱を与え、ウェーハWの温度を、たとえば、1100℃に保持する。これにより、原料混合ガスからSiがウェーハW上に供給されて、エピタキシャル膜が成長する。
所定時間、エピタキシャル膜の成長を継続した後、ハロゲンランプ9をオフにし、ウェーハ(エピタキシャルシリコンウェーハ)Wの温度が所定の温度以下になった後、制御部50の制御により、ガス弁16a、16b、28を閉じる。これにより、原料供給源14からの原料混合ガス、およびガス供給源25からの水素ガスの、チャンバ2内への導入が停止される。そして、制御部50により、駆動機構30を制御して、ウェーハWの回転を停止する。その後、図示しない移載機構により、ウェーハWを、スリットバルブ26を介して、チャンバ2外に搬出する。
[膜厚面内分布指標実測値算出工程]
この工程では、第1エピタキシャルウェーハ製造工程で形成されたエピタキシャル膜について、膜厚測定を行う。膜厚の測定は、たとえば、赤外分光光度計(FT−IR)を用いる公知の方法により行うことができる。
図4は、ウェーハW上の膜厚の測定部位の例を示す図である。膜厚の測定部位は、たとえば、ウェーハW中心の1点(図4に参照符号「MC」で示す。)、ウェーハWの周縁部でウェーハWの中心周りにほぼ等角度間隔をおいた4点(図4に参照符号「MP1」〜「MP4」で示す。)、およびウェーハWの中心とウェーハWの周縁部の測定部位との中間部の4点(図4に参照符号「MM1」〜「MM4」で示す。)の合計9点とすることができる。中間部の4点MM1〜MM4は、オリフラに対する角度位置により、互いに区別する。同様に、周縁部の4点MP1〜MP4は、オリフラに対する角度位置により、互いに区別する。
[膜厚面内分布良否判定工程]
この工程では、膜厚面内分布指標実測値算出工程で測定された膜厚の値に基づいて、膜厚のばらつきの少なさの指標である膜厚面内分布指標の値を求め、その値が、許容範囲内にあるか否かを判定する。膜厚面内分布指標は、
(膜厚面内分布指標)=(最大膜厚−最小膜厚)/(最大膜厚+最小膜厚)×100
で定義する。
ここで、「最大膜厚」とは、ウェーハ上に形成されたエピタキシャル膜について、N点の部位で測定された膜厚のうち最大の膜厚を意味し、「最小膜厚」とは、当該エピタキシャル膜について、N点の部位で測定された膜厚のうち最小の膜厚を意味する。
膜厚面内分布良否判定工程において、膜厚面内分布指標の値が許容範囲内にあると判定された場合は、第1エピタキシャルウェーハ製造工程で採用した条件で、製品のエピタキシャルウェーハを製造し、以降の工程を実施しない。
[膜厚面内分布指標予測値算出工程]
一方、膜厚面内分布指標の値が許容範囲内にはないと判定される場合は、膜厚面内分布指標予測値算出工程を実施する。この工程では、エピタキシャル膜の膜厚面内分布を調整するためのM個(Mは2以上の整数)の制御因子から1〜M個の制御因子を選択する全組み合わせのそれぞれに対して、上述の測定された膜厚の値に基づき、膜厚面内分布指標が最小化するように各制御因子の操作量を最適化し、当該最小化する膜厚面内分布指標の予測値を求める。この工程は、制御部50により実施される。
膜厚面内分布指標を上記のように定義した場合、膜厚面内分布指標の値は小さいほど好ましい。膜厚面内分布指標の値が目標値以下であれば、膜厚面内分布のばらつきは許容範囲内であるものとする。
上述のように、膜厚面内分布を調整するための制御因子には、トリクロロシランガス流量、メイン水素流量、スリット水素流量、回転数、混合ガス内側流量、および混合ガス外側流量がある。以下、簡単のため、これらのうち、以下の4つの制御因子のみを考慮して膜厚面内分布を調整する場合について説明する。
(i) メイン水素流量(以下、「制御因子a」ともいう。)
(ii) 回転数(以下、「制御因子b」ともいう。)
(iii) 混合ガス内側流量(以下、「制御因子c」ともいう。)
(iv) 混合ガス外側流量(以下、「制御因子d」ともいう。)
制御因子a〜dから1〜4個の制御因子を選択した場合のそれぞれの制御因子の組み合わせは、以下の通りである。
(A)4個すべての制御因子を採用する場合
1.制御因子a、b、c、dの組み合わせ
(B)3個の制御因子を採用する場合
2.制御因子a、b、cの組み合わせ、
3.制御因子a、b、dの組み合わせ、
4.制御因子a、c、dの組み合わせ、および
5.制御因子b、c、dの組み合わせ
(C)2個の制御因子を採用する場合
6.制御因子a、bの組み合わせ、
7.制御因子a、cの組み合わせ、
8.制御因子a、dの組み合わせ、
9.制御因子b、cの組み合わせ、
10.制御因子b、dの組み合わせ、および
11.制御因子c、dの組み合わせ
(D)1個の制御因子を採用する場合
12.制御因子aを採用、
13.制御因子bを採用、
14.制御因子cを採用、および
15.制御因子dを採用
すなわち、44434241=1+4+6+4=15個の組み合わせが存在する。
次に、これらの組み合わせのそれぞれを採用した場合について、影響係数を用いて、ウェーハ上の各膜厚測定部位の膜厚予測値、およびその膜厚予測値に基づく膜厚面内分布指標の予測値を算出する。具体的には、膜厚予測値は、各膜厚測定部位について、膜厚面内分布指標実測値算出工程で測定された膜厚に、制御因子の操作量(変更量)とその制御因子の影響係数との積を、すべての影響係数について加算したものとする。
たとえば、制御因子a、b、c、dを採用する場合、各膜厚測定部位における膜厚予測値は、下記(b)式で表される。
[膜厚予測値]=[膜厚面内分布指標実測値算出工程で測定された膜厚]+[制御因子aの操作量]×[制御因子aの影響係数]+[制御因子bの操作量]×[制御因子bの影響係数]+[制御因子cの操作量]×[制御因子cの影響係数]+[制御因子dの操作量]×[制御因子dの影響係数] (b)
膜厚予測値は、測定部位の数と同じだけ、すなわち、9個ある。一方、操作量を決定すべき制御因子は1〜4個ある。そこで、各制御因子の操作量の最適化は、重回帰分析により行う。なお、本発明において、膜厚予測値の数(測定部位の数)と制御因子の数とが同じ場合は、各制御因子の操作量は一意的に決まるので、その操作量を採用したときの膜厚面内分布指標を、膜厚面内分布指標の予測値とする。
[制御因子選択工程]
この工程では、制御因子の全組み合わせのうち、膜厚面内分布指標の予測値が、許容範囲内にあるものの中から、膜厚面内分布指標以外の要因に基づいて、制御因子の組み合わせの1つを選択する。この工程は、制御部50により、実施される。
膜厚面内分布指標以外の要因は、たとえば、工数、またはコストとすることができる。概して、採用する制御因子の数が多くなるほど、上記膜厚面内分布指標の予測値は小さく、すなわち、予測される膜厚面内分布のばらつきは小さくなるが、制御因子の調整に要する工数が多くなり、製造コストが増大する。この場合、操作量を変更する制御因子の数を少なくすることにより、工数、およびコストを低減することができる。
膜厚面内分布指標以外の要因は、膜厚面内分布以外の品質であってもよい。
[第2エピタキシャルウェーハ製造工程]
この工程では、制御因子選択工程で選択された組み合わせの制御因子を、上述のようにして最適化された操作量に設定して、チャンバ2内で、ウェーハW上にエピタキシャル膜を形成する。制御部50は、この成膜条件が得られるように、ガス弁16a、16b、28を制御する。
第2エピタキシャルウェーハ製造工程で、エピタキシャル膜が形成されたウェーハが得られると、このエピタキシャル膜の膜厚面内分布を、上述の膜厚面内分布指標実測値算出工程と同様にして測定する。膜厚面内分布指標が許容範囲内であった場合は、以後、第2エピタキシャルウェーハ製造工程で採用した成膜条件により、製品としてのエピタキシャルシリコンウェーハの製造を行うこととする。一方、膜厚面内分布指標が許容範囲内にはなかった場合は、第2エピタキシャルウェーハ製造工程で得られた膜厚面内分布に基づき、再度、制御因子の組み合わせを選択することとしてもよい。
記憶装置50aに格納された影響係数が、過去の調整実績のうち新しいものが反映されたものであることにより、中長期的に、膜厚面内分布調整の精度を高くすることができ、調整に要する工数を低減することができる。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。たとえば、本発明の成膜条件決定方法、およびエピタキシャルウェーハの製造方法は、膜厚面内分布良否判定工程を含まなくてもよい。しかし、この場合、膜厚面内分布指標実測値算出工程で求められた膜厚面内分布指標の値が、許容範囲内にあっても、膜厚面内分布の調整を行うことになり、必要以上に膜厚面内分布のばらつきを小さくする成膜条件を求めることになり得る。膜厚面内分布良否判定工程を実施すれば、このような事態を回避して、工数を削減し得る。
チャンバを解体および洗浄した後、成膜条件の変更が必要か否かを確認するために、モニターウェーハを用いて第1エピタキシャルウェーハ製造工程を実施し、さらに、膜厚面内分布指標実測値算出工程、および膜厚面内分布良否判定工程を実施した。膜厚面内分布指標は、(膜厚面内分布指標)=(最大膜厚−最小膜厚)/(最大膜厚+最小膜厚)×100 で定義されるものとした。エピタキシャル膜の厚さの実測値に基づき、膜厚面内分布指標の値を算出したところ、1.18%であった。膜厚面内分布指標の目標値は1.0%以下と設定していたので、膜厚面内分布の調整を行う必要があった。
制御因子として、メイン水素流量、回転数、混合ガス内側流量、および混合ガス外側流量を検討対象とした。これら4個の制御因子から、1〜4個の制御因子を選択し、それぞれの制御因子の組み合わせについて、エピタキシャル膜の厚さの実測値に基づき、膜厚面内分布指標が最も小さくなるように、重回帰分析により各制御因子の操作量を最適化した。このとき、影響係数は、過去に同じバッフルを用いて調整を行ったときの実績に基づいて求めたものを採用した。表1に、このときの膜厚面内分布指標を、採用した制御因子の組み合わせとともに示す。
Figure 0006477381
次に、膜厚面内分布指標の予測値が目標値以下となった制御因子の組み合わせから、操作する制御因子が少ないものを選択した。これは、制御因子の調整に要する工数を少なくし、製造コストを低減するためである。すなわち、制御因子の組み合わせを選択するにあたり、膜厚面内分布指標以外の要因として、製造コストの低減を採用した。
表1から、膜厚面内分布指標の予測値が、目標値である1.0%以下になるのは、番号1〜4の組み合わせであることがわかる。番号1の組み合わせは、4つの制御因子をすべて用いたものであるのに対して、番号2〜4の組み合わせは、3つの制御因子を用いたものである。4つの制御因子を操作しなくても3つの制御因子を操作することで膜厚面内分布指標は目標を達成する予測であることから、番号1の組み合わせは選択しないこととした。そして、番号2〜4の組み合わせのうち、膜厚面内分布指標の予測値が最も小さくなる番号2の組み合わせを採用した。すなわち、操作量を変更する制御因子の組み合わせとして、メイン水素流量、回転数、および混合ガス内側流量を選択した。
そして、これらの制御因子の各々の操作量を、上述のようにして最適化されたものに設定して、第2エピタキシャルウェーハ製造工程を実施した。操作量の設定は、制御部により、サセプタの駆動部、およびガス弁を制御することにより行った。
得られた第2エピタキシャルウェーハについて、上記膜厚面内分布指標実測値算出工程と同様の方法により、膜厚面内分布を測定した。図5に、調整前後のエピタキシャル膜の膜厚面内分布を示す。図5において、横軸に、ウェーハ上の直径方向に沿う位置を中心からの距離で示し、縦軸に、標準化膜厚([実測値]/[膜厚目標値])を示す。調整後の膜厚面内分布指標は0.80%であり、目標値である1.0%以下となった。
2:チャンバ、 10:製造装置、 16a、16b、28:ガス弁、
30:駆動機構、 50:制御部、 50a:記憶装置、 W:ウェーハ

Claims (7)

  1. ウェーハ上にエピタキシャル膜を形成してエピタキシャルウェーハを製造する際の成膜条件を決定する方法であって、
    ウェーハ上に形成されたエピタキシャル膜の厚さを、当該エピタキシャル膜のN点(Nは2以上の整数)の部位で測定し、測定された膜厚の値に基づいて、膜厚のばらつきの少なさの指標である膜厚面内分布指標を求める膜厚面内分布指標実測値算出工程と、
    エピタキシャル膜の膜厚面内分布を調整するためのM個(Mは2以上の整数)の制御因子から1〜M個の制御因子を選択する全組み合わせのそれぞれに対して、前記測定された膜厚の値に基づき、前記膜厚面内分布指標が最小化するように各制御因子の操作量を最適化し、当該最小化する膜厚面内分布指標の予測値を求める膜厚面内分布指標予測値算出工程と、
    前記制御因子の全組み合わせのうち、前記膜厚面内分布指標予測値算出工程で求めた前記膜厚面内分布指標の予測値が許容範囲内にあるものの中から、前記膜厚面内分布指標以外の要因に基づいて、前記制御因子の組み合わせの1つを選択する制御因子選択工程と、
    前記制御因子選択工程で選択された組み合わせの前記制御因子について、前記膜厚面内分布指標予測値算出工程で前記膜厚面内分布指標が最小化するように最適化された操作量を、成膜条件として採用する、成膜条件採用工程と
    を含み、
    前記膜厚面内分布指標予測値算出工程において、前記膜厚面内分布指標の予測値の算出に、各制御因子を単位量操作したときの対象ウェーハの部位毎の膜厚変化量である影響係数を用い、
    前記影響係数は、過去の膜厚調整実績から対象ウェーハの部位毎に膜厚偏差が最小になるように重回帰分析を行うことにより求めたものである、エピタキシャルウェーハの成膜条件決定方法。
  2. 請求項1に記載の成膜条件決定方法であって、
    前記膜厚面内分布指標実測値算出工程で算出された前記膜厚面内分布指標の値が、許容範囲内にあるか否かを判定する膜厚面内分布良否判定工程を、さらに含み、
    前記膜厚面内分布良否判定工程で前記膜厚面内分布指標の値が前記許容範囲内にはないと判定される場合に、前記膜厚面内分布指標予測値算出工程を実施する、エピタキシャルウェーハの成膜条件決定方法。
  3. 請求項1または2に記載の成膜条件決定方法であって、
    前記膜厚面内分布指標予測値算出工程が、各膜厚測定部位について、前記測定された膜厚の値に、各制御因子の操作量と当該制御因子の前記影響係数との積を、すべての前記影響係数について加算した値である膜厚予測値に基づいて、前記膜厚面内分布指標を求める工程を含む、エピタキシャルウェーハの成膜条件決定方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の成膜条件決定方法により、成膜条件を決定する成膜条件決定工程と、
    エピタキシャル膜の膜厚面内分布に影響を及ぼす制御因子を変更可能な調整機構の操作量を、前記成膜条件決定工程で決定された成膜条件である各制御因子の操作量に設定して、ウェーハ上にエピタキシャル膜を形成する成膜工程と、
    を含む、エピタキシャルウェーハの製造方法。
  5. ウェーハ上にエピタキシャル膜を形成してエピタキシャルウェーハを製造するための装置であって、
    エピタキシャル膜の膜厚面内分布に影響を及ぼす制御因子を変更可能な調整機構と、
    前記調整機構を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部が、前記制御因子の各々を単位量操作したときの対象ウェーハの部位毎の膜厚変化量である影響係数が格納された記憶装置を備えており、
    前記影響係数は、過去の膜厚調整実績から対象ウェーハの部位毎に膜厚偏差が最小になるように重回帰分析を行うことにより求めたものであり、
    前記制御部が、
    M個(Mは2以上の整数)の前記制御因子から1〜M個の前記制御因子を選択する全組み合わせのそれぞれに対して、当該製造装置でウェーハ上に形成されたエピタキシャル膜のN点(Nは2以上の整数)で測定された膜厚の値に基づき、前記影響係数を用いて、膜厚のばらつきの少なさの指標である膜厚面内分布指標が最小化するように各制御因子の操作量を最適化し、当該最小化する膜厚面内分布指標の予測値を求め、
    前記制御因子の全組み合わせのうち、前記膜厚面内分布指標の予測値が許容範囲内にあるものの中から、前記膜厚面内分布指標以外の予め定められた要因に基づいて、前記制御因子の組み合わせの1つを選択し、
    前記選択された制御因子の組み合わせについて、前記最適化した操作量が得られるように、前記調整機構を制御する、製造装置。
  6. 請求項5に記載の製造装置であって、
    前記調整機構が、
    ウェーハを支持するサセプタの回転数を制御する駆動機構と、
    前記サセプタ上に支持されたウェーハにガスを供給するガス管に介装され、前記ガス管内を流れるガスの流量を調整するガス弁と、を含む、製造装置。
  7. 請求項5または6に記載の製造装置であって、
    前記最小化する膜厚面内分布指標の予測値を求めることが、各膜厚測定部位について、前記測定された膜厚の値に、各制御因子の操作量と当該制御因子の前記影響係数との積を、すべての前記影響係数について加算した値である膜厚予測値に基づいて、前記膜厚面内分布指標を求めることを含む、製造装置。
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