JP6477188B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車速を微分演算することで加速度を算出する車両の制御装置に関し、特にストップランプの制御に用いて好適である。
従来、車両の加速度を加速度センサで検出する代わりに、車両に装備された車速センサにより車速を検出し、これを時間微分することで加速度を算出する手法が知られている(例えば特許文献1参照)。加速度センサを用いる手法では、路面勾配の影響を排除するための補正が行われるが、車速から加速度を算出する手法では、傾斜した路面であってもこの補正を行うことなく加速度を得ることができる。
特開2009−196611号公報
しかしながら、車速から加速度を算出する手法では、路面の凹凸や車速センサの分解能の影響により、車速センサで検出された値(車速)を時間微分して得た波形(時間微分値の波形)が振動的になるという課題がある。そのため、この時間微分値の波形を車両の加速度として車両制御にそのまま適用すると、その制御において不具合が生じる可能性がある。例えば、車両のストップランプの作動制御において、時間微分値の波形をストップランプの点灯,消灯の判定に用いた場合、ランプのちらつきや誤点灯,誤消灯を起こすおそれがある。
このような課題に対し、例えばローパスフィルタを用いて信号を処理すれば、振動を低減することが可能である。しかし、定常的な振動を低減するために低いカットオフ周波数のフィルタを使用すると、実際の加速度の変化に伴う振動も低減されてしまい、加速度の変化が正確に検出されないおそれがある。このため、例えば上記のストップランプ制御に適用しようとすると、ランプの点灯又は消灯の判定が遅れ、意図しないタイミングでランプが点灯又は消灯されうる。
本件は、このような課題に鑑み案出されたもので、車両の制御装置に関し、車両の加速度の変化を正しく検出しつつ、加速度を精度よく算出することを目的の一つとする。なお、この目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本件の他の目的として位置づけることができる。
(1)ここで開示する車両の制御装置は、車両の車速を検出する検出部と、前記検出部で検出された車速の時間微分値に対してローパスフィルタ処理を施した高周波ノイズ低減値を取得したのちに、前記高周波ノイズ低減値の変化勾配を所定の制限値内に制限する勾配制限処理を施して取得した値を前記車両の加速度として算出する演算部と、前記車両を駆動させるトルクを取得する取得部と、を備え、前記演算部は、前記取得部で取得された前記トルクの変化に応じて前記制限値を変更する
(2)前記演算部は、前記トルクの時間微分値の大きさが所定の閾値以上のときに前記制限値を第一制限値に設定し、前記トルクの時間微分値の大きさが前記閾値未満のときに前記制限値を前記第一制限値よりも制限の厳しい第二制限値に設定することが好ましい。
)前記取得部が、前記トルクとして駆動軸のトルクを取得することが好ましい。
)あるいは、前記取得部が、前記トルクとしてドライバの要求トルクを取得することが好ましい。
)本制御装置は、前記演算部で算出された前記加速度に基づき、前記車両のストップランプの作動状態を制御する制御部を備えることが好ましい。
)前記演算部が、前記検出部で検出された車速に応じて前記ローパスフィルタ処理におけるカットオフ周波数を変更することが好ましい。
開示の車両の制御装置によれば、車両の加速度の変化を正しく検出しつつ、加速度を精度よく算出することができる。
実施形態に係る制御装置を備えた車両を示す模式図である。 本制御装置の演算部を説明するブロック図である。 加速度の演算に関するフローチャート例である。 勾配制限を説明する図である。 (a)〜(d)は本制御装置の作用を説明するためのグラフである。
図面を参照して、実施形態としての車両の制御装置について説明する。以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができるとともに、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることが可能である。
[1.装置構成]
本実施形態の制御装置1が適用された車両10を図1に示す。この車両10は、駆動源としてのエンジン11及びモータ12を搭載したハイブリッド自動車である。エンジン11及びモータ12は、トランスアクスル13を介して駆動輪の車軸(以下、駆動軸14という)に接続される。
モータ12は、電動機としての機能と発電機としての機能とを兼ね備えた交流電動発電機である。すなわち、モータ12は、バッテリに蓄えられた充電電力やジェネレータ(何れも図示略)で生成された発電電力を用いて車輪を駆動するとともに、アクセルオフ時に回生発電しながら回生ブレーキ力を発生させる。モータ12で生成された交流電力は、インバータ(図示略)で直流電力に変換されたのちバッテリに充電される。
トランスアクスル13は、差動装置を含む終減速機を備えた動力伝達装置であり、駆動源であるエンジン11及びモータ12と駆動軸14との間の動力伝達を担う複数の機構を内蔵する。なお、トランスアクスル13は、差動装置を含む終減速機に加え副減速機(例えば自動変速機)を一体に備えた動力伝達装置であってもよい。
車両10の後部には左右一対のストップランプ15が設けられる。ストップランプ15は、ドライバのブレーキ操作(ブレーキペダルの踏込み)に連動して、又は、車両10の減速度(負の加速度D)に応じて点灯する尾灯(ブレーキランプ)である。ストップランプ15の作動(点灯,消灯)状態は、制御装置1で制御される。
車両10には、ドライバによる運転操作や車両10の状態を検出するための複数のセンサが設けられる。図1には、アクセルポジションセンサ16,ブレーキセンサ17,車速センサ18,回転速度センサ19を例示する。アクセルポジションセンサ16は、ドライバによるアクセルペダルの踏込み量(以下、アクセル開度APという)を検出する。アクセル開度APは、ドライバの要求する出力(以下、要求トルクTRという)に対応する。つまり、アクセル開度APが大きい(加速要求がある)ときは要求トルクTRが大きくなり、アクセル開度APが小さい(定常走行要求又は減速要求がある)ときは要求トルクTRが小さくなる。また、アクセルペダルの変化速度AV(すなわち、アクセル開度APの一階時間微分値)は、ドライバの要求する加速度合いに対応する。つまり、加速要求又は減速要求の度合いが大きいときは変化速度AVが大きくなり、これらの度合いが小さいときは変化速度AVが小さくなる。
ブレーキセンサ17は、ドライバによるブレーキペダルの踏込み量(以下、ブレーキ操作量BPという)を検出する。車速センサ18(検出部)は、例えばパワートレーンから駆動軸14への動力伝達経路上や車輪に付設され、車両10の車速Vを検出する。回転速度センサ19はエンジン11の回転速度(以下、エンジン回転速度NEという)を検出する。これらのセンサ16〜19で検出された各情報は制御装置1に伝達される。
制御装置1は、例えばマイクロプロセッサやROM,RAM等を集積したLSIデバイスや組み込み電子デバイスとして構成され、車両10に搭載される各種装置を統合制御する電子制御装置である。制御装置1は、車両10に設けられた車載ネットワークの通信ラインに接続される。本実施形態の制御装置1は、車速センサ18で検出された車速Vから車両10の加速度Dを算出するとともに、その値を用いてストップランプ15の作動状態を制御する。
[2.制御構成]
図1に示すように、制御装置1には、加速度Dの算出及びストップランプ15の制御を実現するための機能要素として、取得部2,演算部3,制御部4が設けられる。また、図2に示すように、演算部3には、高周波ノイズ低減部3A,勾配制限部3B,制限値取得部3Cが設けられる。これらの各要素は電子回路(ハードウェア)によって実現してもよく、ソフトウェアとしてプログラミングされたものとしてもよいし、あるいはこれらの機能のうちの一部をハードウェアとして設け、他部をソフトウェアとしたものであってもよい。
取得部2は、車両10を駆動させるトルクを取得するものである。ここでいうトルクには、駆動軸14のトルクである駆動軸トルクTDと上述の要求トルクTRとが含まれる。駆動軸トルクTDは車両10の駆動輪に伝わるトルクである。本実施形態の取得部2は、車両10を駆動させるトルクとして、駆動軸トルクTDを取得する。すなわち、取得部2は、アクセル開度AP,ブレーキ操作量BP,車速V,エンジン回転速度NE,モータ回転速度等に基づいて、駆動軸トルクTDを算出して取得する。なお、モータ回転速度は、例えばモータ12を制御するコントローラ(いわゆるMCU)から取得される。取得部2は、取得した駆動軸トルクTDを演算部3へ伝達する。
演算部3は、車速センサ18で検出された車速Vから車両10の加速度Dを算出するものである。演算部3は、車速Vの時間微分値V′に対してローパスフィルタ処理を施したのち、その値に対して勾配制限処理を施し、これにより取得した値を車両10の加速度Dとして算出して、この加速度Dを制御部4へ伝達する。車速センサ18で検出された車速Vは、路面の凹凸の影響により非常に大きなノイズを含むうえ、車速センサ18の分解能によって波形(信号値)が振動的となる。そのため、検出された車速Vの時間微分値V′をそのまま加速度Dとして算出したのでは、正確な値を算出できない可能性がある。
そこで、演算部3は、車速Vの時間微分値V′に対して、最初にローパスフィルタ処理を施すことで高周波ノイズを低減し、次いで、高周波ノイズを低減した値(以下、高周波ノイズ低減値VAという)に対して勾配制限処理を施すことで定常振動を低減する。具体的には、図2に示すように、演算部3の高周波ノイズ低減部3Aが、検出された車速Vを時間で一階微分し、その時間微分値V′に対してローパスフィルタ処理を施す。高周波ノイズ低減部3Aは、ローパスフィルタ処理において、所定のカットオフ周波数よりも高周波の信号を低減させることで高周波ノイズを低減し、その値を高周波ノイズ低減値VAとして勾配制限部3Bへ伝達する。なお、本実施形態のカットオフ周波数は、車速センサ18の分解能に応じて、例えば10-1〜101[Hz]のオーダーで予め設定される。
次いで、演算部3の勾配制限部3Bが、高周波ノイズ低減値VAの変化勾配を所定の制限値内に制限する勾配制限処理を施す。勾配制限とは、高周波ノイズ低減値VAの急変を抑制すべく、高周波ノイズ低減値VAの時間変化勾配(グラフの傾き,演算周期毎の変化量)を所定の範囲内に制限することを意味する。所定の範囲は、現時点での高周波ノイズ低減値VAに対して、プラス側,マイナス側のそれぞれに制限値Lを加算する(VA±Lとする)ことで設定される。
例えば、図4に示すように、現時点t1の高周波ノイズ低減値VAをVA(1)とした場合に勾配制限がなされると、時刻t1から一演算周期Δtが経過した時刻t2の加速度Dは、VA(1)+L以下かつVA(1)-L以上の範囲内に制限される。そのため、図中白抜きの丸で示すように、時刻t2の高周波ノイズ低減値VA(2)が、時刻t1の高周波ノイズ低減値VA(1)に制限値Lを加算した値よりも大きい場合は、時刻t2における加速度DがVA(1)+Lとして算出され、高周波ノイズ低減値VAの勾配が制限される。なお、時刻t2の高周波ノイズ低減値VA(2)が、VA(1)+L以下かつVA(1)-L以上の範囲内に存在する場合は、そのままの値VA(2)が時刻t2での加速度Dとして算出される。
本実施形態の演算部3は、勾配制限処理で用いる制限値Lを、取得部2で取得されたトルクの変化に応じて変更する。これは、加速度Dの変化を精度よく検出しながら正しい加速度Dを算出するためである。すなわち、トルクの変化は加速度Dの変化に対応し、トルクが変化するときは、加速度波形が過渡状態となる(値が変化する)ことから、勾配制限を緩やかに(すなわち制限値Lを大きく)することで加速度Dの変化を精度よく検出する。一方で、トルクがほとんど変化しないときは、加速度波形が定常状態となる(本体は値が変化しない)ことから、勾配制限を厳しく(すなわち制限値Lを小さく)することで加速度Dを精度よく算出する。以下、トルクが変化する期間をトルク変化期間と呼び、トルクがほとんど変化しない(トルクが略一定の)期間をトルク一定期間と呼ぶ。
演算部3の制限値取得部3Cは、取得部2から伝達された駆動軸トルクTDを時間で一階微分し、その時間微分値TD′に対してローパスフィルタ処理を施したのち、その絶対値と所定の閾値Taとの大小関係を比較することで駆動軸トルクTDが一定であるか否かを判断する。そして、この判断結果に応じて、制限値Lを選択(設定)する。なお、このローパスフィルタ処理で用いられるカットオフ周波数は、例えばアクセルポジションセンサ16や車速センサ18等の分解能に応じて、例えば10-1〜101[Hz]のオーダーで予め設定される。また、閾値Taは、トルク変化の有無を判定するための判定閾値であり、例えば0に近い小さな値に予め設定される。
制限値取得部3Cは、ローパスフィルタ処理により高周波ノイズを低減した時間微分値TDAの絶対値|TDA|が閾値Ta以上であれば、駆動軸トルクTDが一定ではない(変化している)と判断して、勾配制限の緩やかな第一制限値L1を選択する。一方、制限値取得部3Cは、ノイズ低減後の時間微分値TDAの絶対値|TDA|が閾値Ta未満であれば、駆動軸トルクTDが一定であると判断して、勾配制限の厳しい第二制限値L2を選択する。第二制限値L2は、第一制限値L1よりも小さい値(制限の厳しい値)である。すなわち、制限値取得部3Cは、ノイズ低減後の時間微分値TDAの大きさが閾値Ta以上のときに制限値Lを第一制限値L1に設定し、時間微分値TDAの大きさが閾値Ta未満のときに制限値Lを第二制限値L2に設定する。設定された制限値L(第一制限値L1又は第二制限値L2)は、勾配制限部3Bへと伝達され、勾配制限部3Bにおいて上述の勾配制限処理が施される。なお、本実施形態の第二制限値L2は、例えば第一制限値L1の1/10の大きさに設定される。
制御部4は、演算部3から伝達された加速度Dに基づいてストップランプ15の作動状態を制御するものである。制御部4は、加速度Dが所定の点灯閾値R1以下のときにストップランプ15を点灯させ、ランプ点灯中に加速度Dが所定の消灯閾値R2を上回るとストップランプ15を消灯させる。点灯閾値R1,消灯閾値R2は何れも負の値であり、同一の値に設定されていてもよいし、消灯閾値R2が点灯閾値R1よりも大きな値(R2>R1)に設定されることでヒステリシスが設けられていてもよい。
[3.フローチャート]
図3は、加速度Dの演算に関するフローチャート例である。このフローは、例えば車両10のメイン電源がオンのときに、制御装置1において所定の演算周期で繰り返し実施される。
ステップA1では、各センサ16〜19で検出された情報(センサ値)が取得される。ステップA2では、取得部2において駆動軸トルクTDが取得される。続くステップA3〜A10は、演算部3において実施される。
ステップA3では、車速センサ18で検出された車速Vが時間微分され、ステップA4では、その時間微分値V′に対してローパスフィルタ処理が施されて、高周波ノイズ低減値VAが取得される。ステップA5では、駆動軸トルクTDが時間微分され、ステップA6では、その時間微分値TD′に対してローパスフィルタ処理が施され、高周波ノイズが低減される。そして、ステップA7では、駆動軸トルクTDが一定であるか否かが判定される。ここでは、ステップA6で高周波ノイズが低減された時間微分値TDAの絶対値|TDA|と閾値Taとの大小関係が判定される。
すなわち、ステップA7では、ノイズ低減後の時間微分値TDAの大きさが閾値Ta未満であれば駆動軸トルクTDが一定である判定されてステップA8へ進み、時間微分値TDAの大きさが閾値Ta以上であれば駆動軸トルクTDが一定でないと判定されてステップA9へ進む。ステップA8では、制限の厳しい第二制限値L2が選択され、制限値Lとして第二制限値L2が設定される。一方、ステップA9では、制限の緩やかな第一制限値L1が選択され、制限値Lとして第一制限値L1が設定される。そして、ステップA10では、設定された制限値L(第一制限値L1又は第二制限値L2)による勾配制限処理が施され、これにより得られた値が加速度Dとして算出される。
[4.作用]
図5(a)〜(d)は、ドライバが一定の力でアクセルペダルを踏んでいる状態から踏み戻し、アクセルオフになった場合のアクセル開度AP,駆動軸トルクTD,制限値L,加速度Dの各変化を示したグラフである。なお、図5(d)中の細実線は、ローパスフィルタ処理後であって勾配制限処理を施す前の値(高周波ノイズ低減値VA)であり、太実線は勾配制限処理を施した後の値(加速度Dとして算出される値)を示す。
図5(a),(b)に示すように、時刻t3にアクセルペダルが踏み戻されてアクセル開度APが減少すると、駆動軸トルクTDが減少し始め、アクセルオフの状態では駆動軸トルクTDが負の値(回生トルク)となる。そして、時刻t4にマイナスの駆動軸トルクTDで略一定となり、エンジンブレーキがかかったような状態となる。すなわち、時刻t3から時刻t4の期間がトルク変化期間となり、時刻t3よりも前の期間と時刻t4以降の期間とがトルク一定期間となる。
図5(c)に示すように、勾配制限で用いられる制限値Lは、トルク変化期間では制限の緩やかな第一制限値L1に設定され、トルク一定期間では制限の厳しい第二制限値L2に設定される。この制限値Lを用いて、図5(d)中に細実線で示す高周波ノイズ低減値VAに対して勾配制限処理を施すと、図中太実線で示すように、トルク変化期間では勾配制限が緩やかにされて、過渡的な加速度波形が得られ、トルク一定期間では勾配制限が厳しくされて、定常的な加速度波形が得られる。
ここで、図5(d)に示すように、ストップランプ15の点灯閾値R1と消灯閾値R2とが同一の値に設定されているとする。この場合、太実線の加速度波形に基づいてストップランプ15を制御すれば、閾値R1を下回った時点でストップランプ15が点灯され、この閾値R1を超えない限り点灯状態が維持される。一方、勾配制限前の細実線の波形は、閾値R1(R2)を挟んで上下に振動しているため、この波形に基づいてストップランプ15を制御すると、ストップランプ15の点灯と消灯とが短時間で繰り返されることになる。すなわち、勾配制限前の波形では、ランプのちらつきや誤点灯,誤消灯を招くことになるが、勾配制限を施すことでこれらの現象が防止される。
[5.効果]
(1)上述の制御装置1では、車速Vの時間微分値V′に対して、最初にローパスフィルタ処理を施すことで高周波ノイズを低減し、次いで高周波ノイズ低減値VAに対して勾配制限処理を施すことで定常振動を低減する。すなわち、上述の制御装置1では、最初に高周波ノイズを低減することで、図5(d)中に細実線で示すように、実際の加速度Dの変化が波形に現れ、さらに定常振動を低減することで、図5(d)中に太実線で示すように、加速度Dの変化がより鮮明となる。これにより、車両10の加速度Dの変化を正しく検出しつつ、加速度Dを精度よく算出することができる。
なお、仮に車速Vの時間微分値V′に対して先に勾配制限処理を施したとすると、実際の加速度とは大きく異なる値で波形が収束し、誤った結果を算出してしまうことがある。すなわち、勾配制限処理をローパスフィルタ処理よりも先に施したのでは、不規則に変化するノイズのうち勾配の浅いノイズが残留してしまい、加速度Dの算出精度の低下を招くことになる。つまり、上述の制御装置1は、車速Vの時間微分値V′に対してローパスフィルタ処理と勾配制限処理とをこの順番で施すからこそ、加速度Dの変化を正しく検出しながら、加速度Dを精度よく算出することができる。
(2)上述の制御装置1によれば、取得部2で取得されたトルクの変化に応じて制限値Lが変更されることから、定常振動を適切に低減することができ、加速度Dの変化をより正確に検出しつつ、加速度Dの算出精度を高めることができる。
(3)上述の制御装置1では、トルクを時間微分した値(時間微分値TDA)の絶対値|TDA|と所定の閾値Taとの大小関係からトルクが一定であるか否かを判定し、一定の場合には制限値Lを勾配制限の厳しい第二制限値L2に設定し、一定でない場合には制限値Lを勾配制限の緩やかな第一制限値L1に設定する。つまり、トルクの急変中には高周波ノイズ低減値VAの変動がある程度は許容され、トルクが安定している場合には高周波ノイズ低減値VAの変動が厳しく制限される。これにより、トルクが一定の期間での加速度Dをより正確に算出することができるとともに、トルクが変化する期間での加速度Dの変化を正しく検出することができる。
(4)上述の制御装置1では、取得部2が駆動軸トルクTDを取得し、演算部3がこの駆動軸トルクTDの変化に応じて制限値Lを変更する。駆動軸トルクTDには、車両10の実際の駆動状態が反映されるため、駆動軸トルクTDから算出される加速度Dにも、実際の駆動状態が反映されることになる。これにより、車両10の実際の挙動に適応した加速度Dを算出することができ、算出精度をより高めることができる。
(5)上述の制御装置1では、制御部4が演算部3で算出された加速度Dに基づいてストップランプ15の作動状態を制御する。すなわち、演算部3において正しく検出された加速度Dの変化が正しく検出されながら加速度Dが精度よく算出されるので、ストップランプ15の点灯,消灯の応答性を高めることができるとともに、ストップランプ15のちらつきや誤点灯,誤消灯を防止することができる。
[6.その他]
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
上述の実施形態では、ローパスフィルタ処理のカットオフ周波数が予め設定された固定値の場合を取り上げて説明したが、カットオフ周波数はこれに限られない。例えば、高周波ノイズは車速Vに応じて変化することから、演算部3が車速Vに応じてカットオフ周波数を変更してもよい。これにより、高周波ノイズを適切に低減することができる。
上述の実施形態では、制限値Lを駆動軸トルクTDの変化に応じて変更する場合を例示したが、駆動軸トルクTDの代わりに要求トルクTRの変化に応じて制限値Lを変更してもよい。すなわち、取得部2が、車両10を駆動させるトルクとして、ドライバの要求トルクTRを取得してもよい。この場合、演算部3の制限値取得部3Cは、要求トルクTRを時間で一階微分するとともに高周波ノイズを低減したのち、要求トルクTRが一定であるか否かを判定し、一定であれば勾配制限を厳しくし、変化していれば勾配制限を緩めればよい。
このような構成によっても、上述の実施形態と同様に、加速度Dの変化を正しく検出しながら、加速度Dを精度よく算出することができる。また、要求トルクTRは、アクセル開度APに対応することから、ドライバの加減速意思が反映された値を持つ。これにより、要求トルクTRから算出される加速度Dにも、ドライバの加減速意思が反映されることになる。したがって、要求トルクTRを用いることで演算速度を高めることができ、制御の応答性を高めることができる。
また、取得部2は、車両10を駆動させるトルクとして要求トルクTRを取得する代わりに、アクセルペダルの変化速度AVを取得してもよい。アクセルペダルの変化速度AVは、上記のようにドライバの要求する加減速度合いに対応し、さらにトルクの変化にも対応する。このため、取得部2がトルクの変化としてアクセルペダルの変化速度AVを取得する場合には、演算部3の制限値取得部3Cにおける時間微分処理が不要となり、アクセルペダルの変化速度AVに対してローパスフィルタ処理を施した値を用いて制限値Lを変更すればよい。このような構成によっても、上記の実施形態と同様、加速度Dの変化を正しく検出しながら、加速度Dを精度よく算出することができる。
なお、上述の実施形態では、二つの制限値L1,L2の何れか一方を選択して制限値Lとして設定する場合(勾配制限が二段階の構成)を例示したが、勾配制限が一段階であってもよいし、三段階以上であってもよい。例えば、勾配制限が一段階の場合には、制御装置1に予め一つの制限値Lを設定しておき、演算部3がこの制限値Lを用いて勾配制限処理を施せばよい。なお、この場合は取得部2及び制限値取得部3Cを省略可能である。
また、上述の実施形態では、駆動軸トルクTDの時間微分値TDAの絶対値|TDA|と閾値Taとを比較することで、トルク変化の有無を判定するものを例示した。一方、図5(d)に示すようなストップランプ15の作動状態を制御する上では、少なくとも減速方向のトルク変化の有無を判定すれば十分であると考えることもできる。したがって、絶対値|TDA|と閾値Taとを比較する代わりに、時間微分値TDAと閾値Taとを比較してもよい。ここで、閾値Taの代わりに、0に近い負の閾値Tbを設定する。閾値Tbは閾値Taとは逆符号の値であることから、上述の実施形態における判定条件が反転する。すなわち、時間微分値TDAが負の閾値Tb以下であるとき、駆動軸トルクTDが急減少したものと判断して、勾配制限の緩やかな第一制限値L1を設定する。反対に、時間微分値TDAが負の閾値Tbを超えるとき、駆動軸トルクTDが一定であるか増加したものと判断して、勾配制限の厳しい第二制限値L2を設定する。このような制御により、少なくとも減速時における加速度Dの変化を鮮明に捉えることが可能となり、上述の実施形態と同様の効果を奏するものとなる。
上述の実施形態では、演算部3で算出された加速度D(減速度)がストップランプ15の制御に用いられる場合を取り上げて説明したが、上記の演算部3により算出された加速度Dは、車両10に搭載された他の装置の制御に適用することも可能である。例えば、ドライバの運転操作を補助するシステム(ABS,ASC等)に適用してもよい。
なお、上述の実施形態では、エンジン11及びモータ12を搭載したハイブリッド型の車両10を例示したが、上記の制御装置1はガソリンエンジン車両,ディーゼルエンジン車両,電気自動車,燃料電池車両といったさまざまな車両に適用可能である。
1 制御装置
2 取得部
3 演算部
4 制御部
10 車両
15 ストップランプ
18 車速センサ(検出部)
V 車速
V′ 車速の時間微分値
VA 高周波ノイズ低減値
D 加速度
L 制限値
L1 第一制限値
L2 第二制限値
TD 駆動軸トルク(トルク)
Ta 閾値
Tb 負の閾値
TR 要求トルク(トルク)

Claims (6)

  1. 車両の車速を検出する検出部と、
    前記検出部で検出された車速の時間微分値に対してローパスフィルタ処理を施した高周波ノイズ低減値を取得したのちに、前記高周波ノイズ低減値の変化勾配を所定の制限値内に制限する勾配制限処理を施して取得した値を前記車両の加速度として算出する演算部と、
    前記車両を駆動させるトルクを取得する取得部と、を備え
    前記演算部は、前記取得部で取得された前記トルクの変化に応じて前記制限値を変更する
    ことを特徴とする、車両の制御装置
  2. 前記演算部は、前記トルクの時間微分値の大きさが所定の閾値以上のときに前記制限値を第一制限値に設定し、前記トルクの時間微分値の大きさが前記閾値未満のときに前記制限値を前記第一制限値よりも制限の厳しい第二制限値に設定する
    ことを特徴とする、請求項記載の車両の制御装置。
  3. 前記取得部が、前記トルクとして駆動軸のトルクを取得する
    ことを特徴とする、請求項又は記載の車両の制御装置。
  4. 前記取得部が、前記トルクとしてドライバの要求トルクを取得する
    ことを特徴とする、請求項又は記載の車両の制御装置。
  5. 前記演算部で算出された前記加速度に基づき、前記車両のストップランプの作動状態を制御する制御部を備える
    ことを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載の車両の制御装置。
  6. 前記演算部が、前記検出部で検出された車速に応じて前記ローパスフィルタ処理におけるカットオフ周波数を変更する
    ことを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載の車両の制御装置。
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