JP3272520B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

車両の制御装置

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JP3272520B2
JP3272520B2 JP33427493A JP33427493A JP3272520B2 JP 3272520 B2 JP3272520 B2 JP 3272520B2 JP 33427493 A JP33427493 A JP 33427493A JP 33427493 A JP33427493 A JP 33427493A JP 3272520 B2 JP3272520 B2 JP 3272520B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に前方視覚情報の面
から運転中のドライバーに快適感を与えることができる
車両の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両の運動特性を車両の走行
環境に応じて変化させることにより、車両の運動特性を
ドライバーの要求に合致したものに変更制御しようとす
るものが提案されている。このような車両の制御装置と
して、道路状況に応じてスロットルゲインを変化させる
ものが提案されている(例えば、特開平2−24193
5号公報参照)。この制御装置は、道路状況を市街地
路、高速道路、登坂道路および渋滞道路に分類して、各
種道路状況に応じて定めたスロットル開度をスロットル
開度特性記憶手段に予め記憶させ、道路状況設定手段に
予め設定した上記道路状況の中から特定の道路状況を選
択指定することにより、その選択指定ごとにスロットル
開度を変更しようとするものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、自動車の走行
環境は、上記の各種道路状況だけで定まるものではな
く、同じ道路状況であってもその時の交通流の状態によ
っても種々変化する上、上記走行環境に対してドライバ
ーの望む車両の運動特性、すなわち、ドライバーの要求
は、走行環境の状態いかんのみならず、その時の走行環
境下で運転操作するドライバーの生体の状態いかんによ
っても変化する。従って、たとえ走行環境の把握を各種
センサなどを用いて行ったとしても、それら走行環境か
らのみの検出情報によって車両の運動特性を画一的に制
御するだけでは、個々のドライバーの内面的要求と必ず
しも合致したものとすることができない。
【0004】ところで、このようなドライバーの内面的
要求に合致するように車両の運動特性を制御する目的の
一つは、ドライバーの快適な運転性を確保することにあ
るが、車両が安定走行状態にあるからといって、その車
両の安定走行状態を維持するよう制御するだけでは、ド
ライバーの快適運転性を必ずしも持続させることはでき
ない。すなわち、アクセルペダルを同一踏み込み状態に
保持した状態が継続される定速走行時において、あまり
にも変化のない状態が継続すると、アクセルペダルを踏
み込む脚などの筋肉の硬直を招き、運転操作面における
快適性が阻害されることになる。一方、上記の定速走行
時において、ドライバーの設定した車速値で車両を一定
車速に保つオートクルーズコントロール手段の付与によ
り上記筋肉の硬直化の解消を図ることも考えられるが、
この場合においても、ドライバーの走行感覚の面から快
適性が阻害されることがある。すなわち、定速走行状態
下でドライバーが快適な状態で運転操作を継続し得るか
退屈で緩慢な状態となるかはドライバーの受け入れる情
報によるドライバーの感覚面への刺激が生体リズムに合
致するか否かで決まる。中でも、ドライバーが特に注意
して受け入れている前方視覚情報として前方車両との車
間距離情報があり、この車間距離が定速走行状態下で常
に同一で前方車両の存在する前方の景色が常に同一な状
態が続くとドライバーは退屈感に陥り、走行感覚の面で
快適とはいえない状態となる。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、走行中のドラ
イバーが受け入れる前方視覚情報の内、比較的大きな割
合を占める車間距離情報に着目し、この車間距離情報に
適切な刺激を付与することにより、運転中のドライバー
に対し走行感覚面における快適感を付与することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、図1に示すように、前方車
両との車間距離を検出する車間距離検出手段11と、こ
の車間距離検出手段11による車間距離検出値に基い
て、上記前方車両との車間距離が目標車間距離となるよ
う車両の運動を制御する車間距離制御手段20とを備え
る。そして、上記前方車両との車間距離が1/fゆらぎ
に基いて変動するよう上記車間距離制御手段20におけ
る制御量に変動を付与するゆらぎ付与手段30を備える
構成とするものである。
【0007】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、車間距離制御手段20として、エンジンの
スロットル弁の開度の制御を行う構成とするものであ
る。
【0008】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発
明において、車両の車速を検出する車速検出手段12を
備え、ゆらぎ付与手段30に、変動の付与特性を上記車
速検出手段12により検出された車速値に応じて変化さ
せる補正部30aを備える構成とするものである。
【0009】請求項4記載の発明は、請求項3記載の発
明において、変動の付与態様として変動幅を採用するも
のである。すなわち、補正部30aを、車速値に応じて
変動幅を変化させる構成とするものである。
【0010】請求項5もしくは請求項6記載の発明は、
請求項4記載の発明において変動幅の変化態様をより具
体的に特定するものである。すなわち、請求項5記載の
発明では、補正部30aを、車速値が小値側にある時、
大値側にある時と比べ、変動幅を相対的に小さくする構
成とし、また、請求項6記載の発明では、補正部30a
を、車速値が大値側である時、小値側にある時と比べ、
変動幅を相対的に小さくする構成とするものである。
【0011】請求項7記載の発明は、請求項3におい
て、変動の付与態様として変動速度を採用するものであ
る。すなわち、補正部30aを、車速値に応じて変動速
度を変化させる構成とするものである。
【0012】請求項8もしくは請求項9記載の発明は、
請求項7記載の発明において、変動速度の変化態様をよ
り具体的に特定するものである。すなわち、請求項8記
載の発明では、補正部30aを、車速値が小値側にある
時、大値側にある時と比べ、変動速度を相対的に小さく
する構成とし、また、請求項9記載の発明では、補正部
30aを、車速値が大値側である時、小値側にある時と
比べ、変動速度を相対的に小さくする構成とするもので
ある。
【0013】請求項10記載の発明は、請求項1記載の
発明において、変動制限手段40を付加するものであ
る。そして、上記変動制限手段40を、目標車間距離の
下限値を有し、前方車両との車間距離がこの下限値以下
の時に、ゆらぎ付与手段30による変動付与を制限する
ように構成するものである。
【0014】また、請求項11記載の発明は、請求項1
0記載の発明において、変動制限手段40における下限
値を車速に応じて変化させるものである。すなわち、上
記変動制限手段40に下限値設定部40aを備え、この
下限値設定部40aを、目標車間距離の下限値として、
車速検出手段12により検出された車速値が大値側にあ
る時、小値側にある時より大きい値を設定するように構
成するものである。
【0015】さらに、請求項12記載の発明は、請求項
1記載の発明において、車両の定速走行状態を検出する
定速状態検出手段13を備え、ゆらぎ付与手段30を、
上記定速走行状態検出手段13からの検出信号を受けた
時に、変動の付与を実行するように構成するものであ
る。
【0016】
【作用】上記の構成により、請求項1記載の発明では、
車間距離制御手段により前方車両との車間距離が目標車
間距離となるように制御される。そして、この制御にお
ける制御量にゆらぎ付与手段により変動が付与されて前
方車両との車間距離が生体に心地好いリズムを与える1
/fゆらぎに基いて変動する。これにより、ドライバー
が受け入れる車間距離情報が上記1/fゆらぎに基いて
変動するため、ドライバーはこの変動する視覚情報によ
って生体にとって心地好いリズムの刺激を受ける。この
ため、定速走行状態で走行中であっても、ドライバーの
走行感覚面に快適感が与えられる。加えて、ドライバー
が受け入れる情報の内でも、ドライバーが視覚により特
に注意して受け入れている車間距離情報による刺激がド
ライバーに与えられるため、ドライバーへの快適感の付
与が感度良く行われる。
【0017】請求項2記載の発明では、上記請求項1記
載の発明による作用に加えて、前方車両との車間距離を
目標車間距離となるようにする車間距離制御を、スロッ
トル弁の開度の制御により行っているため、車両の車速
の増減により車間距離制御が容易に実現可能となる。
【0018】請求項3記載の発明では、上記請求項1記
載の発明による作用に加えて、ゆらぎ付与手段による変
動の付与特性が補正部によって車速値に応じて変化され
るため、車速に応じて変化する車両の側もしくはドライ
バーの側の各事情を考慮した適切な変動の付与が可能と
なり、快適感の確実な付与が可能になる。
【0019】請求項4記載の発明では、上記請求項3記
載の発明による作用に加えて、付与特性として変動幅が
採用され、この変動幅が車速値に応じて変化されるた
め、ドライバーの視覚情報に与える刺激の度合いが車速
に応じて変化され、車速に応じて適切なゆらぎの付与が
可能となる。
【0020】請求項5記載の発明では、上記請求項4記
載の発明による作用に加えて、変動幅が車速値の小値側
で相対的に小さくされて低車速域での変動幅が抑制され
るため、車速の可変幅の小さい低車速域において大変動
の付与に伴う過度の車速低下の発生を招くことなく、ド
ライバーの操作意図から外れない範囲でのゆらぎの付与
が可能となる。
【0021】請求項6記載の発明では、上記請求項4記
載の発明による作用に加えて、変動幅が車速値の大値側
で相対的に小さくされて高車速域での変動幅が抑制され
るため、より安全性の維持を図った状態でのゆらぎの付
与が可能となる。
【0022】請求項7記載の発明では、上記請求項3記
載の発明による作用に加えて、付与特性として変動速度
が採用され、この変動速度が車速値に応じて変化される
ため、請求項4記載の発明と同様に、ドライバーの視覚
情報に与える刺激の度合いが車速に応じて変化され、車
速に応じて適切なゆらぎの付与が可能となる。
【0023】請求項8記載の発明では、上記請求項7記
載の発明による作用に加えて、変動速度が車速値の小値
側で相対的に小さくされて低車速域では比較的緩やかな
変動とされるため、低車速域ではより低い感度の刺激情
報がドライバーに与えられるようになり、車間距離が比
較的狭く車間距離変動に対する感覚が鋭くなっている低
車速域において車間距離の急変動に伴う強い刺激がドラ
イバーに付与されることの回避が可能となる。一方、高
車速域では相対的に大きい変動速度による変動が車間距
離に与えられるため、より感度の高い車間距離情報がド
ライバーに与えられ、車間距離が比較的広く車間距離変
動に対する感覚が鈍くなっている高車速域においてより
明確な刺激を付与することが可能となる。これにより、
車速値の高低によって変化するドライバーの車間距離変
動に対する感覚の特性を考慮した適切なゆらぎの付与が
図られて、ドライバーに対する車速に応じた快適感の付
与が図られる。
【0024】請求項9記載の発明では、上記請求項
載の発明による作用に加えて、変動速度が車速値の大値
側で相対的に小さくされて高車速域では比較的緩やかな
変動とされるため、駆動力余裕が比較的小さく走行抵抗
が比較的大きい高車速域において車両の駆動系への負担
の軽減が図られる上、より低い感度の刺激情報に基いて
高速走行時の緊張緩和にも寄与する。これにより、車速
に応じて変化する車両の駆動負担などを考慮したゆらぎ
の付与が可能となる。
【0025】請求項10記載の発明では、上記請求項1
記載の発明による作用に加えて、前方車両との車間距離
が下限値以下の時には、変動制限手段によってゆらぎ手
段による変動の付与が制限されるため、前方車両との間
に最低限の車間距離を保ってより安全性の維持を図りつ
つ、1/fゆらぎに基いてドライバーに快適感が与えら
れる。
【0026】また、請求項11記載の発明では、上記請
求項10記載の発明による作用に加えて、上記下限値が
下限値設定部によって高車速側で相対的に大きい値が設
定されるため、高車速となる程長い車間距離が必要とい
う要請に対応したものとなり、車速に応じたより適切な
変動制限を行うことが可能となる。
【0027】さらに、請求項12記載の発明では、上記
請求項1記載の発明による作用に加えて、ゆらぎ付与手
段による変動の付与が車両の定速走行状態の時に実行さ
れるため、特に、前方車両との車間距離が同一の状態の
まま走行が継続することによりドライバーが退屈感に陥
りやすい場合において、その防止が図られて走行感覚の
面における快適性の付与が行われる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例を図2以降の図面に基
いて説明する。
【0029】<第1実施例>図2は、請求項1記載の発
明の第1実施例を適用する車両の概略構成を示す。この
第1実施例は車間距離制御をスロットル制御により実現
するものであって、定速走行状態下においてゆらぎ変動
の付与を行うものであり、請求項2および請求項12記
載の発明に対応するものである。
【0030】−全体構成− まず、上記車両の構成について説明する。
【0031】同図において、1はエンジンであって、こ
のエンジン1はオートマチックトランスミッション(A
/T)を備えたパワートレイン2を介して駆動輪である
後輪3,3と接続され、エンジン1の駆動力が上記パワ
ートレイン2を介して上記後輪3,3に伝達されるよう
になっている。
【0032】また、4は上記エンジン1に接続された吸
気系である吸気通路であって、この吸気通路4には上流
側からエアクリーナ5、エアフローメータ6およびスロ
ットル弁7が設けられている。このスロットル弁7はア
クチュエータ8と接続されており、このアクチュエータ
8の作動により上記スロットル弁7の開度調節が行われ
るようになっている。このアクチュエータ8はコントロ
ールユニット51aから出力される作動信号により作動
されるようになっている。
【0033】さらに、上記エンジン1には図示しない燃
料供給系が接続され、上記スロットル弁7のスロットル
開度に応じて所定の空燃比で燃料の供給が行われるよう
になっている。
【0034】上記コントロールユニット51aは、図3
に示すように、ドライバーがオートスピードコントロー
ル(以下ASCと略称する)を選択した場合を除く通常
時にスロットル弁7の開度(スロットル開度)の制御を
行う通常時スロットル制御手段61と、ドライバーがA
SCを選択した時に上記通常時スロットル制御手段61
に代わり上記スロットル開度の制御を行うASC時スロ
ットル制御手段62と、このASC時スロットル制御手
段62に内蔵された後述の車間距離制御部64による制
御量に所定の変動を強制的に付与するゆらぎ付与手段3
1aとを備えている。また、同図において、71は前方
車両との車間距離を検出する車間距離検出手段11(図
1参照)としての車間距離センサ、72は車速を検出す
る車速検出手段12(図1参照)としての車速センサ、
73はドライバーがASCを選択した時にON作動され
て車両がASC状態になったことを検出する定速走行状
態検出手段13(図1参照)としてのASCスイッチ、
74はスロットル弁7の開度を検出するスロットルセン
サ、75はアクセルペダルの操作量を検出するアクセル
センサであり、これら各センサなど71〜75の各検出
信号に加えて、図示省略のエンジン回転数センサやA/
Tギヤ位置センサなどの各検出信号が上記コントロール
ユニット51aに入力されるようになっている。
【0035】ここで、上記車間距離センサ71は、発信
部と受信部とを有する一種のレーダ装置であって、レー
ダ波としての遠赤外線を自車の前方に向けて発信すると
ともに、前方車両に当たって反射してくる反射波を受信
し、その受信時点と発信時点との時間差に基き自車と前
方車両との間の車間距離Dを計測するように構成されて
いる。また、マイクロ波を用いる場合には、発信波と反
射波との位相差などに基き車間距離Dを計測するように
なっている。
【0036】−通常時スロットル制御手段61− 上記通常時スロットル制御部61は、上記アクチュエー
タ8の作動を制御することによりスロットル開度をアク
セルペダルの操作量に応じた所定のスロットル特性にな
るように制御するようになっている。すなわち、上記通
常時スロットル制御手段61は、アクセルペダル開度な
どとの関係において所定のスロットル特性となるよう予
め定められたマップを有しており、アクセルセンサ75
により検出された現在のアクセルペダル開度に対応する
基本スロットル開度を上記マップから求め、スロットル
開度が上記基本スロットル開度となるように上記アクチ
ュエータ8の作動量を例えばフィードバック制御するよ
うになっている。
【0037】−ASC時スロットル制御手段62− 上記ASC時スロットル制御手段62は、車両の車速V
spがドライバーの設定した設定車速Vtに一定に保た
れるようにスロットル開度の制御を行う車速目標制御部
63と、前方車両との車間距離Dが所定の目標車間距離
Dtになるようにスロットル開度の制御を行う車間距離
制御手段20(図1参照)としての車間距離制御部64
とを備えている。なお、これら両制御部63,64共、
スロットル開度の制御は上記アクチュエータ8の作動を
制御することにより行われる。
【0038】そして、上記ASC時スロットル制御手段
62では、ASCスイッチ73がON状態の間、通常は
上記車速目標制御部63が選択されて設定Vtに基くス
ロットル制御が行われ、車間距離センサ71により検出
される車間距離Dの値が所定の車間距離制御範囲(例え
ば30m〜60m)内のものになった場合にのみ上記車
間距離制御部64が選択されて目標車間距離Vtに基く
スロットル制御が行われるようになっている。つまり、
上記ASC時スロットル制御手段62は、車速目標制御
部63の他に、車間距離制御部64をも備えたものであ
り、ASCによる定速走行状態下で、前方車両が車間距
離範囲内に入った時に、ASC設定車速による一定車速
での走行継続を停止して、一定車間距離を保つ制御に切
換わるようになっている。
【0039】ここで、上記目標車間距離Dtとしては、
予め定められた基準車間距離Do(例えば50m)の値
が、原則として、そのまま用いられる。また、上記車間
距離制御範囲の最小値としては、前方車両にこれ以上近
付き過ぎるとドライバーが不安を感じる距離が設定され
ており、また、上記の範囲の最大値としては、上記前方
車両との距離がこれ以上開くと間に他の車両が割り込ん
で車間距離制御が困難になる距離が設定されている。な
お、上記最大値は、上記車間距離センサ71の感度の最
大性能により定めてもよい。
【0040】−ゆらぎ付与手段31a− また、上記ゆらぎ付与手段31aは、M系列信号を出力
するM系列(Maximumlength sequence )発生器32
と、上記M系列信号を変換処理して変動係数yを出力す
る1/fフィルタ33と、上記変動係数yに基いて上記
車間距離制御部64における基準車間距離Doを補正す
る補正部34aとを備えており、基準車間距離Doに対
してゆらぎ理論における1/fゆらぎ(1/f Fluctuatio
n )に対応した変動を付与するようになっている。すな
わち、上記M系列発生器32は比較的長い周期を有する
無作為のM系列信号を出力する一方、上記1/fフィル
タ33は上記M系列発生器32から入力された周波数信
号を上記1/fゆらぎに変換した特性値として上記変動
係数yを出力するようになっている。なお、上記1/f
ゆらぎとは、縦軸にパワースペクトルの強さを、横軸に
周波数をそれぞれ対数値でとったときのパワースペトク
ルの傾きが−1となる特性を有するゆらぎ(変動)をい
い、自然界に存在する一見無秩序に見える変動の内、生
体に心地良さを与えるような規則を有するゆらぎであ
る。
【0041】そして、上記補正部34aは、ASCスイ
ッチ73がONされ、かつ、車間距離センサ71により
検出された車間距離Dが上記の車間距離制御範囲内のも
のになったことを条件として、上記変動係数yに基い
て、次式(1)により、上記基準車間距離Doを補正し
て目標車間距離Dtとし、このDtを目標としてスロッ
トル制御を行うことにより前方車両との車間距離Dに1
/fゆらぎに基く変動を与えるようになっている。
【0042】 Dt=Do×(1+y) ………(1) −コントロールユニット51aの具体制御− 以下、第1実施例におけるコントロールユニット51a
によるアクチュエータ8の具体的な制御について、図4
のフローチャートに基いて説明する。
【0043】まず、ステップSA1で制御タイミングに
なる毎に、ステップSA2で車間距離D、車速Vsp、
スロットル開度、および、アクセル開度などの車両の運
動状態量と、ASCスイッチ73の状態を計測した後、
ステップSA3で上記ASCスイッチ73がONかOF
FかによりASC中であるか否かの判別を行う。
【0044】上記ASCスイッチ73がOFFであれ
ば、ステップSA4に進み、通常時スロットル制御手段
61による基本スロットル特性マップに基く通常のスロ
ットル制御を行いリターンし、上記ASCスイッチ73
がONであれば、ステップSA5に進み、上記車間距離
Dの値が車間距離制御範囲内か否かの判別を行う。
【0045】このステップSA5で上記車間距離Dの値
が車間距離制御範囲外にある間は、ステップSA6でA
SC時スロットル制御手段62の車速目標制御部63に
よる設定車速Vtに基くスロットル制御を行ってリター
ンしてこのスロットル制御を繰り返す。そして、上記車
間距離Dの値が車間距離制御範囲内に入ればステップS
A7以降に進み、車間距離制御部64による制御に1/
fゆらぎに基く変動を付与する。
【0046】すなわち、上記ステップSA7でM系列発
生器32からM系列信号を出力させ、ステップSA8で
は上記出力されたM系列信号を1/fフィルタで変換処
理することにより変動係数yを出力させる。そして、ス
テップSA9でこの変動係数yに基いて基準車間距離D
oを式(1)によって補正してその補正値を目標車間距
離Dtとし、ステップSA10で車間距離Dが上記目標
車間距離Dtになるように上記車間距離制御部64によ
るスロットル制御を行って、リターンする。
【0047】このフローチャートの内、ステップSA
1,SA2およびSA4が通常時スロットル制御手段6
1を、ステップSA1〜SA3,SA5,SA6および
SA10がASC時スロットル制御手段62を、ステッ
プSA7〜SA9がゆらぎ付与手段31aをそれぞれ構
成している。また、これらの内、ステップSA6が車速
目標制御部63を、ステップSA5およびSA10が車
間距離制御部64を、ステップSA7がM系列発生器3
2を、ステップSA8が1/fフィルタ33を、ステッ
プSA9が補正部34aをそれぞれ構成している。
【0048】−第1実施例の作用・効果− 上記第1実施例の場合、通常走行時には通常時スロット
ル制御手段61によってアクセル開度に応じた所定の基
本スロットル特性に基きスロットル制御が行われる。そ
して、安定走行状態に入り、ドライバーによりASCが
選択されると、そのドライバーが設定した設定車速Vt
に基き車速目標制御部63によって一定車速を保つよう
にスロットル制御が行われる。この定速走行状態におい
て、前方車両が所定の車間距離制御範囲内に入ると、上
記車速目標制御部63によるスロットル制御から車間距
離制御部62による基準車間距離Doを基くスロットル
制御に切換えられるとともに、上記基準車間距離Doが
ゆらぎ付与手段31aによって補正され、車間距離Dが
1/fゆらぎに基く変動が付与された目標車間距離Dt
になるようにスロットル制御される。
【0049】このため、スロットル開度が上記変動の付
与された目標車間距離Dtに基き変動して車速の増減と
なって表れ、前方車両との車間距離が上記基準車間距離
Doを中心として1/fゆらぎに基きゆらぎ変動する。
この車間距離のゆらぎ変動によりドライバーの視覚によ
る車間距離情報に刺激が付与される上、このゆらぎ変動
が生体に心地好いリズムを与える1/fゆらぎに基くも
のであるため、ドライバーの感覚に心地好いリズムの刺
激が与えられる。これにより、ほぼ同一の車間距離に前
方車両が存在する状態で走行を継続する場合であって
も、ドライバーを退屈させることなく、快適な走行感覚
をドライバーに与えることができる。特に、前方の車両
と同車速で定速走行している場合において、同一の車間
距離情報を継続して受け入れるドライバーが、従来、陥
りがちであった退屈感の解消を図ることができる。
【0050】そして、この場合、ドライバーが受け入れ
る情報の内でも、ドライバーが視覚により特に注意して
受け入れている車間距離情報による刺激をドライバーに
与えるようにしているため、ドライバーへの快適感の付
与を感度良く行うことができる。
【0051】また、車間距離制御部64での車間距離制
御を、スロットル開度の制御により行っているため、車
両の車速の増減により車間距離制御を容易に実現するこ
とができる。
【0052】<第2実施例>図5は、第2実施例に係る
コントロールユニット51bの制御フローチャートであ
る。この第2実施例は、上記第1実施例と同様の構成の
車両および制御を前提として(図2,図3参照)、ゆら
ぎ付与手段31bにおいて付与する変動の幅を車速に応
じて変化させるようにしたものであり、請求項3〜請求
項5記載の発明に対応するものである。なお、本第2実
施例は上記ゆらぎ付与手段31bの構成が第1実施例と
異なるのみで、他の構成は第1実施例と同一であるた
め、以下の説明では同一の構成のものには第1実施例と
同一の符号を用い、その詳細な説明を省略する。
【0053】上記コントロールユニット51bは、第1
実施例のものと同様の通常時スロットル制御手段61お
よびASC時スロットル制御手段62と、このASC時
スロットル制御手段62に内蔵された車間距離制御部6
4の目標車間距離に変動を付与するゆらぎ付与手段31
bとを備えている。
【0054】−ゆらぎ付与手段31b− 上記ゆらぎ付与手段31bは、上記第1実施例のものと
同様の構成のM系列発生器32および1/fフィルタ3
3と、この1/fフィルタ33から出力される変動係数
yに基いて上記車間距離制御部64における基準車間距
離Doを車速に応じた変動幅で補正する補正部34bと
を備えている。
【0055】上記補正部34bは、上記変動係数yを低
減するためのゆらぎ低減率aを車速との関係で予め定め
たマップ(図5のステップSB9における図参照)を有
しており、車速センサ72からの車速検出値に基いて上
記マップからその車速に応じたゆらぎ低減率aが取り出
されるようになっている。そして、ASCスイッチ73
がONされ、かつ、車間距離センサ71により検出され
た車間距離Dが所定の車間距離制御範囲内のものになっ
たことを条件として、上記変動係数yと、ゆらぎ低減率
aとに基いて、次式(2)により、上記基準車間距離D
oを補正して目標車間距離Dtとするようになってい
る。
【0056】 Dt=Do×(1+y/a) ………(2) 上記ゆらぎ低減率aについてのマップは、低車速域では
ゆらぎ低減率aを1.0より大きい所定の一定値(例え
ば2.0)として変動係数yの低減度合いが大きくさ
れ、中車速域では車速が増大する程、上記ゆらぎ低減率
aを低減させて上記変動係数yの低減度合いを徐々に少
なくして、高車速域では上記ゆらぎ低減率aを1.0の
一定値として変動係数yの値を低減しないでそのまま用
いるように定められている。つまり、このようにゆらぎ
低減率aを車速に応じて変化させることにより、式
(2)中の「y/a」項に基く目標車間距離Dtの変動
幅が低車速側である程小さく抑制されるようになってい
る。
【0057】 −コントロールユニット51bの具体制御− 以下、第2実施例におけるコントロールユニット51b
によるアクチュエータ8の具体的な制御について、上記
の図5のフローチャートに基いて説明する。
【0058】本フローチャートのステップSB1〜SB
8は、第1実施例のステップSA1〜SA8(図4参
照)と同一であるため、その詳細な説明を省略して概略
説明に止める。
【0059】まず、ステップSB1による制御タイミン
グ毎に、ステップSB2で車両の運動状態量などの計測
を、ステップSB3でASC中であるか否かの判別をそ
れぞれ行い、ASC中でなければステップSB4で通常
時スロットル制御手段61による制御を行ってリターン
し、ASCであればステップSB5で車間距離Dが車間
距離制御範囲内か否かを判別し、範囲外であればステッ
プSB6で車速目標制御部63による制御を行いこの制
御を上記ステップSB5の車間距離Dが車間距離制御範
囲内に入るまで継続する。そして、上記車間距離Dが車
間距離制御範囲内に入れば、ステップSB7でM系列信
号を発生させて、これをステップSB8で1/fフィル
タにより変換処理して変動係数yを出力させる。
【0060】次に、ステップSB9で車速センサ72か
ら検出された車速値Vspに基き、ゆらぎ低減率aに関
するマップから上記車速値Vspに対応するゆらぎ低減
率aを求め、ステップSB10でこのゆらぎ低減率aと
上記の変動係数yとから上掲の式(2)により目標車間
距離Dtを求める。そして、ステップSB11で車間距
離Dが上記目標車間距離Dtとなるように車間距離制御
部64によるスロットル制御を行い、リターンする。
【0061】このフローチャートの内、ステップSB
1,SB2およびSB4が通常時スロットル制御手段6
1を、ステップSB1〜SB3,SB5,SB6および
SB11がASC時スロットル制御手段62を、ステッ
プSB7〜SB10がゆらぎ付与手段31bをそれぞれ
構成している。また、これらの内、ステップSB6が車
速目標制御部63を、ステップSB5およびSB11が
車間距離制御部64を、ステップSB7がM系列発生器
32を、ステップSB8が1/fフィルタ33を、ステ
ップSB9およびSB10が補正部34bをそれぞれ構
成している。
【0062】−第2実施例の作用・効果− 上記第2実施例の場合、上記第1実施例による作用・効
果に加えて、以下の作用・効果を得ることができる。
【0063】すなわち、ゆらぎ付与手段31bによる変
動の付与において、ゆらぎ低減率aを用いて変動係数y
を車速に応じて変化させることにより1/fゆらぎに基
く車間距離の変動の幅を車速に応じて変化させているた
め、ドライバーの視覚情報に与える刺激の度合いを車速
に応じて変化させることができ、ドライバーに車速に応
じた適切な刺激の付与を行うことができる。しかも、そ
の変動幅を変化させる特性として、目標車間距離Dtの
変動幅を低車速側である程小さくなるように抑制してい
るため、車速の可変幅の小さい低車速域において大変動
の付与に伴う過度の車速低下の発生を防止することがで
き、ドライバーのアクセル操作意図から外れない範囲で
のゆらぎの付与による快適感の付与を実現することがで
きる。
【0064】<第3実施例>図6は、第3実施例に係る
コントロールユニット51cの制御フローチャートであ
る。この第3実施例は、車速に対するゆらぎ低減率aの
特性が上記第2実施例とは逆のものに定められているも
のであり、請求項3,4および6に記載の発明に対応す
るものである。従って、本第3実施例はゆらぎ付与手段
31cの補正部34cの構成が第1実施例と異なるのみ
で、他の構成は第1実施例と同一であるため(図3参
照)、以下の説明では同一の構成のものには第1実施例
と同一の符号を用い、その詳細な説明を省略する。
【0065】上記コントロールユニット51cは、第1
実施例のものと同様の通常時スロットル制御手段61お
よびASC時スロットル制御手段62と、このASC時
スロットル制御手段62に内蔵された車間距離制御部6
4の目標車間距離に変動を付与するゆらぎ付与手段31
cとを備えている。
【0066】−ゆらぎ付与手段31c− 上記ゆらぎ付与手段31cは、上記第1実施例のものと
同様の構成のM系列発生器32および1/fフィルタ3
3と、この1/fフィルタ33から出力される変動係数
yに基いて上記車間距離制御部64における基準車間距
離Doを車速に応じた変動幅で補正する補正部34cと
を備えている。
【0067】上記補正部34cは、上記変動係数yを低
減するためのゆらぎ低減率aを車速との関係で予め定め
たマップ(図6のステップSC9における図参照)を有
しており、上記第2実施例と同様に車速センサ72から
の車速検出値に基いて上記マップからその車速に応じた
ゆらぎ低減率aが取り出されるようになっている。そし
て、ASCスイッチ73がONされ、かつ、車間距離セ
ンサ71により検出された車間距離Dが所定の車間距離
制御範囲内のものになったことを条件として、上記変動
係数yと、ゆらぎ低減率aとに基いて、前掲の式(2)
により、上記基準車間距離Doを補正して目標車間距離
Dtとするようになっている。
【0068】上記ゆらぎ低減率aについてのマップは、
低車速域では上記ゆらぎ低減率aを1.0の一定値とし
て変動係数yの値を低減しないでそのまま用いるように
定められ、中車速域では車速が増大する程、上記ゆらぎ
低減率aを増大させて上記変動係数yの低減度合いを徐
々に大きくし、高車速域ではゆらぎ低減率aを1.0よ
り大きい所定の一定値(例えば2.0)として変動係数
yの低減度合いが大きくなるように定められている。つ
まり、この第3実施例では、ゆらぎ低減率aを車速に応
じて変化させることにより、式(2)中の「y/a」項
に基く目標車間距離Dtの変動幅が高車速側である程小
さく抑制されるようになっている。
【0069】 −コントロールユニット51cの具体制御− 本第3実施例におけるコントロールユニット51cによ
る制御は、その制御自体については、図6に示すよう
に、第2実施例のもの(図5参照)と同様にして行わ
れ、その内、ステップSC9での処理により求められる
ゆらぎ低減率aの値が上記第2実施例とは異なる特性の
ものが得られる点でのみ異なるものである。このため、
同一ステップには、ステップ記号および符号の内、記号
をのみ「SB」から「SC」に変化させ同一の符号を付
してその説明を省略する。
【0070】そして、このフローチャートの内、ステッ
プSC1,SC2およびSC4が通常時スロットル制御
手段61を、ステップSC1〜SC3,SC5,SC6
およびSC11がASC時スロットル制御手段62を、
ステップSC7〜SC10がゆらぎ付与手段31bをそ
れぞれ構成する。また、これらの内、ステップSC6が
車速目標制御部63を、ステップSC5およびSC11
が車間距離制御部64を、ステップSB7がM系列発生
器32を、ステップSB8が1/fフィルタ33を、ス
テップSC9およびSC10が補正部34cをそれぞれ
構成する。
【0071】−第3実施例の作用・効果− 上記第3実施例の場合、上記第1実施例による作用・効
果に加えて、以下の作用・効果を得ることができる。
【0072】すなわち、ゆらぎ付与手段31cによる変
動の付与において、ゆらぎ低減率aを用いて変動係数y
を車速に応じて変化させることにより、第2実施例と同
様に1/fゆらぎに基く車間距離の変動の幅を車速に応
じて変化させているため、ドライバーの視覚情報に与え
る刺激の度合いを車速に応じて変化させることができ、
ドライバーに車速に応じた適切な刺激の付与を行うこと
ができる。しかも、この第3実施例の場合、その変動幅
を変化させる特性として、目標車間距離Dtの変動幅を
高車速側である程小さくなるように抑制しているため、
高車速域での車間距離の変動幅が抑制されて、高車速域
においてドライバーに与えられる車間距離情報による刺
激を適度に抑えることができ、より適切に快適感の付与
を行うことができる。すなわち、比較的広い同一の車間
距離であれば、ドライバーが車間距離情報に注意力を注
ぐ度合いは低車速域では相対的に低く、高車速域では相
対的に高くなるというように変化するため、このドライ
バー側の変化に対応して低車速域では比較的大きい刺激
により、高車速域では比較的小さい刺激によりそれぞれ
ドライバーに生体リズムの誘発を図ることができ、これ
により、快適感の確実な付与を図ることができる。しか
も、この場合、高車速域での変動幅の抑制を行っている
ため、より安全性の維持を図ることができる。
【0073】<第4実施例>図7は、第4実施例に係る
コントロールユニット51dを示す。この第4実施例
は、上記第1実施例と同様の構成の車両および制御を前
提として(図2参照)、ゆらぎ付与手段31dにおいて
付与する変動の速度を車速に応じて変化させるようにし
たものであり、請求項3,7,8に記載の発明に対応す
るものである。なお、本第4実施例は上記ゆらぎ付与手
段31dの構成が第1実施例と異なるのみで、他の構成
は第1実施例と同一であるため、以下の説明では同一の
構成のものには第1実施例と同一の符号を用い、その詳
細な説明を省略する。
【0074】そして、上記コントロールユニット51d
は、第1実施例のものと同様の通常時スロットル制御手
段61およびASC時スロットル制御手段62と、この
ASC時スロットル制御手段62に内蔵された車間距離
制御部64の目標車間距離に変動を付与するゆらぎ付与
手段31dとを備えている。
【0075】−ゆらぎ付与手段31d− 上記ゆらぎ付与手段31dは、上記第1実施例のものと
同様の構成のM系列発生器32と、上記M系列信号から
後述のカットオフ周波数cより高い周波数域成分をカッ
トした残りの周波数成分に基いて1/fゆらぎに対応す
る変動係数yを出力する1/f(c)フィルタ33d
と、車速に応じた値のカットオフ周波数cを1/f
(c)フィルタに設定する一方、出力された上記変動係
数yに基いて上記車間距離制御部64における基準車間
距離Doを補正する補正部34dとを備えている。
【0076】上記補正部34dは、上記カットオフ周波
数cを車速との関係で予め定めたマップ(図8のステッ
プSD8における図参照)を有しており、車速センサ7
2からの車速検出値に基いて上記マップからその車速に
応じたカットオフ周波数cを取り出して上記1/f
(c)フィルタ33dに設定するようになっている。そ
して、ASCスイッチ73がONされ、かつ、車間距離
センサ71により検出された車間距離Dが所定の車間距
離制御範囲内のものになったことを条件として、上記1
/f(c)フィルタ33dからの変動係数yに基いて、
前掲の式(1)によって、上記基準車間距離Doを補正
して目標車間距離Dtとするようになっている。
【0077】上記カットオフ周波数cについてのマップ
は、低車速域ではカットオフ周波数cとして低周波域の
内の高周波側の所定の値が設定され、中車速域では車速
が増大する程、上記カットオフ周波数cの値を増大させ
て、高車速域では上記カットオフ周波数cとして高周波
域の内の高周波側の所定の値が設定されている。つま
り、このようにカットオフ周波数cを車速に応じて変化
させることにより、1/f(c)フィルタ33dから出
力される変動係数yが、低車速域では低周波側成分に基
くものに、高車速域では主として高周波側成分に基くも
のにそれぞれされて、車間距離の変動速度が低車速域で
長い周期の緩やかなものとなり、高車速域で低車速域と
比べ相対的に高周波側の短い周期の比較的急速なものと
なるようになっている。
【0078】 −コントロールユニット51dの具体制御− 以下、第4実施例におけるコントロールユニット51d
によるアクチュエータ8の具体的な制御について、図8
のフローチャートに基いて説明する。
【0079】本フローチャートのステップSD1〜SD
7は、第1実施例のステップSA1〜SA7(図4参
照)と同一であるため、その詳細な説明を省略して概略
説明に止める。
【0080】まず、ステップSD1による制御タイミン
グ毎に、ステップSD2で車両の運動状態量などの計測
を、ステップSD3でASC中であるか否かの判別をそ
れぞれ行い、ASC中でなければステップSD4で通常
時スロットル制御手段61による制御を行ってリターン
し、ASCであればステップSD5で車間距離Dが車間
距離制御範囲内か否かを判別する。範囲外であれば、ス
テップSD6で車速目標制御部63による制御を行い、
この制御を上記ステップSD5の車間距離Dが車間距離
制御範囲内に入るまで継続する。次に、上記車間距離D
が車間距離制御範囲内に入れば、ステップSD7でM系
列信号を発生させる。
【0081】そして、ステップSD8で車速センサ72
から検出された車速値Vspに基き、カットオフ周波数
cに関するマップから上記車速値Vspに対応するカッ
トオフ周波数cを求め、ステップSD9で上記M系列信
号を1/f(c)フィルタ33dにより変換処理して変
動係数yを出力させる。
【0082】次に、ステップSD10で上記の変動係数
yから前掲の式(1)により目標車間距離Dtを求め、
ステップSD11で車間距離Dが上記目標車間距離Dt
となるように車間距離制御部64によるスロットル制御
を行い、リターンする。
【0083】このフローチャートの内、ステップSD
1,SD2およびSD4が通常時スロットル制御手段6
1を、ステップSD1〜SD3,SD5,SD6および
SD11がASC時スロットル制御手段62を、ステッ
プSD7〜SD10がゆらぎ付与手段31dをそれぞれ
構成している。また、これらの内、ステップSD6が車
速目標制御部63を、ステップSD5およびSD11が
車間距離制御部64を、ステップSD7がM系列発生器
32を、ステップSD9が1/f(c)フィルタ33d
を、ステップSD8およびSD10が補正部34dをそ
れぞれ構成している。
【0084】−第4実施例の作用・効果− 上記第4実施例の場合、上記第1実施例による作用・効
果に加えて、以下の作用・効果を得ることができる。
【0085】すなわち、ゆらぎ付与手段31dによる変
動の付与において、1/f(c)フィルタ33dでのカ
ットオフ周波数cを車速に応じて変化させることによ
り、低車速域では低周波側成分のみに基く変動係数yが
求められ、高車速域では低車速域と比べ相対的に高周波
側成分に基く変動係数yが求められる。そして、このよ
うな変動係数yを用いて車間距離制御における目標車間
距離Dtが定められるため、1/fゆらぎに基く車間距
離の変動の速度が車速に応じて変化し、ドライバーの視
覚情報に与える刺激の度合いを車速に応じて変化させる
ことができ、ドライバーに車速に応じた適切な刺激の付
与を行うことができる。
【0086】しかも、この場合、その変動速度を変化さ
せる特性として、低車速側で低周波成分による比較的長
い周期の緩やかな変動になるように抑制しているため、
低車速域ではより低い感度の刺激情報がドライバーに与
えられるようになり、車間距離が比較的狭く車間距離変
動に対する感覚が鋭くなっている低車速域において車間
距離の急変動に伴う強い刺激がドライバーに付与される
ことを回避することができる。一方、高車速域では高周
波側成分をも含めたものによる相対的に短い周期の変動
が車間距離に与えられるため、より感度の高い車間距離
情報がドライバーに与えられ、車間距離が比較的広く車
間距離変動に対する感覚が鈍くなっている高車速域にお
いてより明確な刺激を付与することができる。これによ
り、車速値の高低によって変化するドライバーの車間距
離変動に対する感覚の特性を考慮した適切なゆらぎの付
与を図ることができ、ドライバーに車速に応じた快適感
の付与を図ることができる。
【0087】<第5実施例>図9は、第5実施例に係る
コントロールユニット51eの制御フローチャートであ
る。この第5実施例は、1/(c)フィルタ33dで出
力される変動係数yの車速に対する特性が上記第4実施
例とは逆のものに定められているものであり、請求項
3,7および9に記載の発明に対応するものである。従
って、本第5実施例は、上記の第4実施例と同様に、ゆ
らぎ付与手段31eの補正部34eの構成が第1実施例
と異なるのみで、他の構成は第1実施例と同一であるた
め(図3参照)、以下の説明では同一の構成のものには
第1実施例と同一の符号を用い、その詳細な説明を省略
する。
【0088】上記コントロールユニット51eは、第1
実施例のものと同様の通常時スロットル制御手段61お
よびASC時スロットル制御手段62と、このASC時
スロットル制御手段62に内蔵された車間距離制御部6
4の目標車間距離に変動を付与するゆらぎ付与手段31
eとを備えている。
【0089】−ゆらぎ付与手段31e− そして、上記コントロールユニット51eは、第1実施
例のものと同様の通常時スロットル制御手段61および
ASC時スロットル制御手段62と、このASC時スロ
ットル制御手段62に内蔵された車間距離制御部64の
目標車間距離に変動を付与するゆらぎ付与手段31eと
を備えている。
【0090】−ゆらぎ付与手段31e− 上記ゆらぎ付与手段31eは、上記第1実施例のものと
同様の構成のM系列発生器32と、上記M系列信号から
後述のカットオフ周波数cより高い周波数域成分をカッ
トした残りの周波数成分に基いて1/fゆらぎに対応す
る変動係数yを出力する1/f(c)フィルタ33d
と、車速に応じた値のカットオフ周波数cを1/f
(c)フィルタに設定する一方、出力された上記変動係
数yに基いて上記車間距離制御部64における基準車間
距離Doを補正する補正部34eとを備えている。
【0091】上記補正部34eは、上記カットオフ周波
数cを車速との関係で予め定めたマップ(図9のステッ
プSE8における図参照)を有しており、車速センサ7
2からの車速検出値に基いて上記マップからその車速に
応じたカットオフ周波数cを取り出して上記1/f
(c)フィルタ33dに設定するようになっている。そ
して、ASCスイッチ73がONされ、かつ、車間距離
センサ71により検出された車間距離Dが所定の車間距
離制御範囲内のものになったことを条件として、上記1
/f(c)フィルタ33dからの変動係数yに基いて、
前掲の式(1)によって、上記基準車間距離Doを補正
して目標車間距離Dtとするようになっている。
【0092】上記カットオフ周波数cについてのマップ
は、低車速域ではカットオフ周波数cとして高周波域の
内の高周波側の所定の値が設定され、中車速域では車速
が増大する程、上記カットオフ周波数cの値を低減させ
て、高車速域では上記カットオフ周波数cとして低周波
域の内の高周波側の所定の値が設定されている。つま
り、このようにカットオフ周波数cを車速に応じて変化
させることにより、1/f(c)フィルタ33dから出
力される変動係数yが、低車速域では主として高周波側
成分に基くものに、高車速域では低周波側成分に基くも
のにそれぞれされて、車間距離の変動速度が、低車速域
で高車速域と比べ相対的に高周波側の短い周期の比較的
急速なものとなり、高車速域で比較的長い周期の緩やか
なものとなるようになっている。
【0093】 −コントロールユニット51eの具体制御− −コントロールユニット51eの具体制御− 本第5実施例におけるコントロールユニット51eによ
る制御は、その制御自体については、図9に示すよう
に、第4実施例のもの(図8参照)と同様にして行わ
れ、その内、ステップSE8の処理により求められるカ
ットオフ周波数cの値、および、ステップSE9の処理
により求められる変動係数yの値が上記第4実施例とは
異なる特性のものが得られる点でのみ異なるものであ
る。このため、同一ステップには、ステップ記号および
符号の内、記号をのみ「SD」から「SE」に変化させ
同一の符号を付してその説明を省略する。
【0094】そして、このフローチャートの内、ステッ
プSE1,SE2およびSE4が通常時スロットル制御
手段61を、ステップSE1〜SE3,SE5,SE6
およびSE11がASC時スロットル制御手段62を、
ステップSE7〜SE10がゆらぎ付与手段31eをそ
れぞれ構成する。また、これらの内、ステップSE6が
車速目標制御部63を、ステップSE5およびSE11
が車間距離制御部64を、ステップSE7がM系列発生
器32を、ステップSE9が1/f(c)フィルタ33
dを、ステップSE8およびSE10が補正部34eを
それぞれ構成する。
【0095】−第5実施例の作用・効果− 上記第5実施例の場合、上記第1実施例による作用・効
果に加えて、以下の作用・効果を得ることができる。
【0096】すなわち、ゆらぎ付与手段31eによる変
動の付与において、1/f(c)フィルタ33dでのカ
ットオフ周波数cを車速に応じて変化させることによ
り、低車速域では高車速域と比べ相対的に高周波側成分
に基く変動係数yが求められ、高車速域では低周波側成
分のみに基く変動係数yが求められる。そして、このよ
うな変動係数yを用いて車間距離制御における目標車間
距離Dtが定められるため、1/fゆらぎに基く車間距
離の変動の速度が車速に応じて変化し、ドライバーの視
覚情報に与える刺激の度合いを車速に応じて変化させる
ことができ、ドライバーに車速に応じた適切な刺激の付
与を行うことができる。
【0097】しかも、この場合、その変動速度を変化さ
せる特性として、高車速側で低周波成分による比較的長
い周期の緩やかな変動になるように抑制しているため、
駆動力余裕が比較的小さく走行抵抗が比較的大きい高車
速域において、車両の駆動系への負担の軽減を図ること
ができる上、より低い感度の刺激情報に基いて高速走行
時の緊張緩和にも寄与することができる。一方、車間距
離が比較的狭くなっていても車間距離変動に対する感覚
が鋭くなっている低車速域では、高周波側成分に基きよ
り早い応答の変動の付与によって変動の幅をより小さく
することができる。これらにより、車速に応じて変化す
る車両の駆動負担などを考慮した適切なゆらぎの付与を
行うことができる。
【0098】<第6実施例>図10は、第6実施例に係
るコントロールユニット51fを示す。この第6実施例
は、第1実施例と同様の構成の車両および制御を前提と
して(図2参照)、ゆらぎ付与手段31aにおいて付与
する変動を変動制限手段41によって制限するようにし
たものであり、請求項10,11記載の発明に対応する
ものである。なお、本第6実施例は上記変動制限手段4
1を第1実施例の構成に付加したものであり、その他の
構成は第1実施例と同一であるため、以下の説明では同
一の構成のものには第1実施例と同一の符号を用い、そ
の詳細な説明を省略する。
【0099】そして、上記コントロールユニット51f
は、通常時スロットル制御手段61と、ASC時スロッ
トル制御手段62と、このASC時スロットル制御手段
62に内蔵された車間距離制御部64の目標車間距離に
変動を付与するゆらぎ付与手段31aと、このゆらぎ付
与手段31aによる変動付与に対し車間距離の下限値と
しての最接近距離dに基いて制限を加える変動制限手段
41とを備えている。
【0100】−変動制限手段41− 上記変動制限手段41は、車速に応じた最接近距離dを
設定する下限値設定部41aを備えており、上記ゆらぎ
付与手段31aの補正部34aにより与えられる目標車
間距離Dtが上記下限値設定部41aにより設定された
最接近距離dより短くなる時に、その目標車間距離Dt
をキャンセルして上記最接近距離dを目標車間距離Dt
として設定するようになっている。つまり、上記目標車
間距離Dtが最接近距離dより短くならないように制限
を加えるようになっている。
【0101】上記下限値設定部41aは、上記最接近距
離dを車速との関係で予め定めたマップ(図11のステ
ップSF10における図参照)を有しており、車速セン
サ72からの車速検出値に基いて上記マップからその車
速に応じた最接近距離dを取り出し、これをその車速に
おける目標車間距離Dtの下限値として設定するように
なっている。上記マップは、車速値が低車速域(例えば
50Km/H以下の車速域)で上記最接近距離dとして
所定の最小値(例えば15m)で一定のものが与えら
れ、これから車速値が増大するに従い徐々に大きい距離
値の最接近距離dを与え、所定の高車速域(例えば10
0Km/H以上の車速域)で所定の最大値(例えば30
m)で一定の最接近距離dが与えられるように定められ
ている。
【0102】 −コントロールユニット51fの具体制御− 以下、第6実施例におけるコントロールユニット51f
によるアクチュエータ8の具体的な制御について、図1
1のフローチャートに基いて説明する。
【0103】本フローチャートのステップSF1〜SF
9は、第1実施例のステップSA1〜SA9(図4参
照)と同一であるため、その詳細な説明を省略して概略
説明に止める。
【0104】まず、ステップSF1による制御タイミン
グ毎に、ステップSF2で車両の運動状態量などの計測
を、ステップSF3でASC中であるか否かの判別をそ
れぞれ行い、ASC中でなければステップSF4で通常
時スロットル制御手段61による制御を行ってリターン
し、ASCであればステップSF5で車間距離Dが車間
距離制御範囲内か否かを判別する。範囲外であれば、ス
テップSF6で車速目標制御部63による制御を行い、
この制御を上記ステップSF5の車間距離Dが車間距離
制御範囲内に入るまで継続する。そして、上記車間距離
Dが車間距離制御範囲内に入れば、ステップSF7でM
系列信号を発生させ、このM系列信号をステップSF8
で1/fフィルタ33により変換処理して1/fゆらぎ
に基く変動係数yを出力し、ステップSF9でこの変動
係数yに基き前掲の式(1)により基準車間距離Doを
補正して目標車間距離Dtを求める。
【0105】そして、ステップSF10で車速センサ7
2から検出された車速値Vspに基き、最接近距離dに
関するマップから上記車速値Vspに対応する最接近距
離dを求め、ステップSF11で上記目標車間距離Dt
がこの最接近距離dより小さいか否かの判別を行う。そ
の目標車間距離Dtの方が小さい場合にはステップSF
12で上記最接近距離dの値を今回の目標車間距離Dt
として設定し、上記ステップSF9の目標車間距離Dt
の方が大きい場合には制限を加えずにそのまま用いる。
最後に、ステップSF13で車間距離Dが上記の内のい
ずれかの目標車間距離Dtになるように車間距離制御部
64によるスロットル制御を行い、リターンする。
【0106】このフローチャートの内、ステップSF
1,SF2およびSF4が通常時スロットル制御手段6
1を、ステップSF1〜SF3,SF5,SF6および
SF13がASC時スロットル制御手段62を、ステッ
プSF7〜SF9がゆらぎ付与手段31aを、ステップ
SF10〜SF12が変動制限手段41をそれぞれ構成
している。また、これらの内、ステップSF6が車速目
標制御部63を、ステップSF5およびSF13が車間
距離制御部64を、ステップSF7がM系列発生器32
を、ステップSF8が1/fフィルタ33aを、ステッ
プSF9が補正部34aを、ステップSF10が下限値
設定部41aをそれぞれ構成している。
【0107】−第6実施例の作用・効果− 第6実施例の場合、第1実施例による作用・効果に加え
て、以下の作用・効果を得ることができる。
【0108】すなわち、ゆらぎ付与手段31aにより1
/fゆらぎに基く変動が付与された目標車間距離Dtが
最接近距離dより短い時には、変動制限手段41によっ
てその最接近距離dより短くならないように上記目標車
間距離Dtの値が制限されるため、前方車両との間に最
低限の車間距離を保ってより安全性の維持を図りつつ、
1/fゆらぎに基くドライバーへの快適感の付与を行う
ことができる。
【0109】しかも、上記最接近距離dが下限値設定部
41aによって高車速側である程、大値側に変更される
ため、高車速となる程長い車間距離が必要という要請に
対応させることができる。これにより、上記の変動制限
を車速に応じてより適切に行うことができ、より一層の
安全性の維持を図ることができる。
【0110】<他の態様例>なお、本発明は上記第1〜
第6実施例に限定されるものではなく、その他種々の変
形例を包含するものである。すなわち、上記第1〜第6
実施例では、車間距離制御をスロットル制御により行う
ものを示したが、これに限らず、他の制御により行って
もよい。
【0111】上記第1〜第6実施例では、ゆらぎ付与手
段によるゆらぎの付与をASCの選択時に行う場合を示
したが、これに限らず、ドライバーがASCを選択して
いない時において前方車両との車間距離がほぼ一定の状
態で継続する場合に上記ゆらぎの付与を行うようにして
もよい。この場合には、車間距離情報の変動を受けてド
ライバーがアクセル操作をわずかずつ変動させることに
より同一のアクセル操作を継続することによる脚の疲労
の解消をも図ることができる。なお、この場合、定速走
行状態検出手段として、例えば車速センサから車速検出
値が所定時間一定値を持続することを検出するようにす
ればよい。
【0112】また、上記第1〜第6実施例では、車間距
離制御部64による車間距離制御における基準車間距離
Doを予め定めた値としているが、これに限らず、例え
ば車間距離制御範囲内に入った段階の自車の現在の車間
距離を基準車間距離として設定し、この基準車間距離に
対してゆらぎの付与を行うようにしてもよい。
【0113】さらに、上記第1〜第6実施例では、変動
制限手段41において目標車間距離Dtが下限値として
の最接近距離dより短くなる場合に、その最接近距離d
を目標車間距離Dtとして設定するようにしているが、
これに限らず、上記最接近距離dより短くなる場合には
ゆらぎの付与自体を禁止するようにしてもよい。
【0114】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明における車両の制御装置によれば、前方車両との車間
距離が目標車間距離となるように制御する車間距離制御
手段における制御量にゆらぎ付与手段によって変動を付
与して、前方車両との車間距離を生体に心地好いリズム
を与える1/fゆらぎに基いて変動させるようにしてい
るため、ドライバーが視覚により受け入れる車間距離情
報を上記1/fゆらぎに基いて変動させて生体にとって
心地好いリズムの刺激を与えることができ、これによ
り、定速走行状態で走行中であっても、ドライバーの走
行感覚面に快適感を与えることができる。加えて、ドラ
イバーが受け入れる情報の内でも、ドライバーが視覚に
より特に注意して受け入れている車間距離情報による刺
激をドライバーに与えるようにしているため、ドライバ
ーへの快適感の付与を感度良く行うことができる。
【0115】請求項2記載の発明によれば、上記請求項
1記載の発明による効果に加えて、前方車両との車間距
離を目標車間距離となるようにする車間距離制御を、ス
ロットル弁の開度の制御により行うようにしているた
め、車速の増減によって車間距離制御を容易に実現する
ことができる。
【0116】請求項3記載の発明によれば、上記請求項
1記載の発明による効果に加えて、ゆらぎ付与手段によ
る変動の付与特性を補正部によって車速値に応じて変化
させるようにしているため、車速に応じて変化する車両
側もしくはドライバー側の事情を考慮した適切な変動の
付与を行うことができ、ドライバーへの快適感の付与を
確実に行うことができる。
【0117】請求項4記載の発明によれば、上記請求項
3記載の発明による効果に加えて、付与特性として変動
幅を採用して、この変動幅を車速値に応じて変化させる
にしているため、ドライバーの視覚情報に与える刺激の
度合いを車速に応じて変化することができ、車速に応じ
て適切なゆらぎの付与を行うことができる。
【0118】請求項5記載の発明によれば、上記請求項
4記載の発明による効果に加えて、変動幅を車速値の小
値側で相対的に小さくなるようにして低車速域での変動
幅を抑制しているため、車速の可変幅の小さい低車速域
において大変動の付与に伴う過度の車速低下の発生を招
くことなく、ドライバーの操作意図から外れない範囲で
のゆらぎの付与を行うことができる。
【0119】請求項6記載の発明によれば、上記請求項
4記載の発明による効果に加えて、変動幅を車速値の大
値側で相対的に小さくなるようにして高車速域での変動
幅を抑制しているため、より安全性の維持を図った状態
でのゆらぎの付与を行うことができる。
【0120】請求項7記載の発明によれば、上記請求項
3記載の発明による効果に加えて、付与特性として変動
速度を採用し、この変動速度を車速値に応じて変化させ
るようにしているため、請求項4記載の発明と同様に、
ドライバーの視覚情報に与える刺激の度合いを車速に応
じて変化することができ、車速に応じて適切なゆらぎの
付与を行うことができる。
【0121】請求項8記載の発明によれば、上記請求項
7記載の発明による効果に加えて、変動速度を車速値の
小値側で相対的に小さくして低車速域で比較的緩やかな
変動となるようにしているため、低車速域ではより低い
感度の刺激情報をドライバーに与えることができ、車間
距離が比較的狭く車間距離変動に対する感覚が鋭くなっ
ている低車速域において車間距離の急変動に伴う強い刺
激がドライバーに付与されることを回避することができ
る。一方、高車速域では相対的に大きい変動速度による
変動が車間距離に付与されることになるため、より感度
の高い車間距離情報をドライバーに与えることができ、
車間距離が比較的広く車間距離変動に対する感覚が鈍く
なっている高車速域においてより明確な刺激を付与する
ことができる。これにより、車速値の高低によって変化
するドライバーの車間距離変動に対する感覚の特性を考
慮したゆらぎの付与を行うことができ、ドライバーに対
して車速に応じた快適感の付与を図ることができる。
【0122】請求項9記載の発明によれば、上記請求項
記載の発明による効果に加えて、変動速度を車速値の
大値側で相対的に小さくして高車速域で比較的緩やかな
変動となるようにしているため、駆動力余裕が比較的小
さく走行抵抗が比較的大きい高車速域において車両の駆
動系への負担の軽減を図ることができる上、より低い感
度の刺激情報に基いて高速走行時の緊張緩和に寄与する
ことができる。これにより、車速に応じて変化する車両
の駆動負担などを考慮したゆらぎの付与を行うことがで
き、ドライバーに対して車速に応じた快適感の付与を図
ることができる。
【0123】請求項10記載の発明によれば、上記請求
項1記載の発明による効果に加えて、前方車両との車間
距離が下限値以下の時には、変動制限手段によってゆら
ぎ手段による変動の付与を制限するようにしているた
め、前方車両との間に最低限の車間距離を保ってより安
全性の維持を図りつつ、ドライバーに1/fゆらぎに基
く快適感を付与することができる。
【0124】また、請求項11記載の発明によれば、上
記請求項10記載の発明による効果に加えて、上記下限
値として下限値設定部によって高車速側で相対的に大き
い値を設定するようにしているため、高車速となる程長
い車間距離が必要という走行上の要請に対応させること
ができ、車速に応じたより適切な変動制限を行うことが
できる。
【0125】さらに、請求項12記載の発明によれば、
上記請求項1記載の発明による効果に加えて、ゆらぎ付
与手段による変動の付与を車両の定速走行状態の時に実
行するようにしているため、特に、前方車両との車間距
離が同一の状態のまま走行が継続することによりドライ
バーが退屈感に陥りやすくなる場合において、その防止
を効果的に図ることができ、走行感覚の面における快適
感を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブロック構成図である。
【図2】第1〜第6実施例における車両の構成図であ
る。
【図3】第1,第2もしくは第3実施例の制御装置のブ
ロック構成図である。
【図4】第1実施例のスロットル制御のフローチャート
である。
【図5】第2実施例のスロットル制御のフローチャート
である。
【図6】第3実施例のスロットル制御のフローチャート
である。
【図7】第4もしくは第5実施例の制御装置のブロック
構成図である。
【図8】第4実施例のスロットル制御のフローチャート
である。
【図9】第5実施例のスロットル制御のフローチャート
である。
【図10】第6実施例の制御装置のブロック構成図であ
る。
【図11】第6実施例のスロットル制御のフローチャー
トである。
【符号の説明】
7 スロットル弁 11 車間距離検出手段 12 車速検出手段 13 定速走行状態検出手
段 20 車間距離制御手段 30 ゆらぎ付与手段 30a 補正部 31a,31b,31c ゆらぎ付与手段 31d,31e ゆらぎ付与手段 34a,34b,34c 補正部 34d,34e 補正部 40,41 変動制限手段 40a,41a 下限値設定部 64 車間距離制御部(車
間距離制御手段) 71 車間距離センサ(車
間距離検出手段) 72 車速センサ(車速検
出手段) 73 ASCスイッチ(定
速走行状態検出手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G08G 1/16 B60K 31/00 F02D 29/02 B60K 28/06

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前方車両との車間距離を検出する車間距
    離検出手段と、 この車間距離検出手段による車間距離検出値に基いて、
    上記前方車両との車間距離が目標車間距離となるよう車
    両の運動を制御する車間距離制御手段と、 上記前方車両との車間距離が1/fゆらぎに基いて変動
    するよう上記車間距離制御手段における制御量に変動を
    付与するゆらぎ付与手段とを備えたことを特徴とする車
    両の制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 車間距離制御手段は、エンジンのスロットル弁の開度の
    制御を行うものである車両の制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 車両の車速を検出する車速検出手段を備えており、 ゆらぎ付与手段は、変動の付与特性を上記車速検出手段
    により検出された車速値に応じて変化させる補正部を備
    えている車両の制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、 補正部は、車速値に応じて変動幅を変化させるよう構成
    されている車両の制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 補正部は、車速値が小値側にある時、大値側にある時と
    比べ、変動幅を相対的に小さくするように構成されてい
    る車両の制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項4において、 補正部は、車速値が大値側である時、小値側にある時と
    比べ、変動幅を相対的に小さくするように構成されてい
    る車両の制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項3において、 補正部は、車速値に応じて変動速度を変化させるよう構
    成されている車両の制御装置。
  8. 【請求項8】 請求項7において、 補正部は、車速値が小値側にある時、大値側にある時と
    比べ、変動速度を相対的に小さくするように構成されて
    いる車両の制御装置。
  9. 【請求項9】 請求項7において、 補正部は、車速値が大値側である時、小値側にある時と
    比べ、変動速度を相対的に小さくするように構成されて
    いる車両の制御装置。
  10. 【請求項10】 請求項1において、 目標車間距離の下限値を有し、前方車両との車間距離が
    この下限値以下の時に、ゆらぎ付与手段による変動付与
    を制限する変動制限手段を備えている車両の制御装置。
  11. 【請求項11】 請求項10において、 車両の車速を検出する車速検出手段を備えており、 変動制限手段は、目標車間距離の下限値として、上記車
    速検出手段により検出された車速値が大値側にある時、
    小値側にある時より大きい値を設定する下限値設定部を
    備えている車両の制御装置。
  12. 【請求項12】 請求項1において、 車両の定速走行状態を検出する定速状態検出手段を備え
    ており、 ゆらぎ付与手段は、上記定速走行状態検出手段からの検
    出信号を受けた時に変動の付与を実行するよう構成され
    ている車両の制御装置。
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