JP3997754B2 - 走行制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、先行車を認識して所定の車間距離を保ちつつ走行する走行制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の走行制御装置としては、例えば特開2001−171389号公報に記載されているものが知られている。
この従来例は、自車速を一致させるための目標加減速度を演算すると共に、この目標加減速度を実現するために、減速時には目標加減速度をエンジンブレーキトルクと液圧ブレーキとで分担するようにした追従走行制御装置が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の走行制御装置にあっては、目標加減速度が減速度を表す場合に、その減速度を最大減速度で制限するようにしているが、この最大減速度がシフト位置によらず一定値に設定されているので、最大減速度で減速制御している状態で、シフトダウンによってエンジンブレーキ量が増加したときには、これに応じて液圧ブレーキ量を減少させてトータルの最大減速度を維持することになり、運転者がシフトダウンにより減速度を増加させた場合に違和感を生じるという未解決の課題がある。
【0004】
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、シフト変化に応じて減速度を変化させることにより、運転者の減速感覚に応じた最適な加減速度制御を行うことができる走行制御装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る走行制御装置は、先行車との車間距離を検出する車間距離検出手段と、自車速を検出する自車速検出手段と、前記車間距離検出手段で検出した車間距離検出値と、前記自車速検出手段で検出した自車速若しくは前記車間距離の変化及び前記自車速より演算した先行車車速とに基づいて車間距離検出値を目標車間距離に一致させる目標車速を演算する車間距離制御手段と、該車間距離制御手段で演算した目標車速と前記自車速検出手段で検出した自車速とを一致させるように加減速制御する車速制御手段とを備えた走行制御装置において、運転者による変速機のシフトダウン操作を検出するシフトダウン検出手段を備え、前記車速制御手段は、前記目標車速に基づいて加減速度を演算する加減速度演算手段と、該加減速度演算手段で演算した減速度を減速度制限値で制限すると共に、当該減速度制限値を前記シフトダウン検出手段で検出したシフトダウンに応じて大きな値に変化させる減速度制限手段と、該減速度制限手段で制限された減速度に基づいて目標制動圧を演算する目標制動圧演算手段と、該目標制動圧演算手段で演算した目標制動圧に基づいて制動力を制御する制動力制御手段とを備えていることを特徴としている。
【0006】
また、請求項2に係る走行制御装置は、請求項1に係る発明において、前記減速度制限手段は、エンジンブレーキトルクを推定するエンジンブレーキトルク推定手段を有し、該エンジンブレーキトルク推定値に基づいて減速度制限値を変化させるように構成されていることを特徴としている。
【0007】
さらにまた、請求項に係る走行制御装置は、請求項1又は2の発明において、前記減速度制限手段は、前記車間距離制御手段の距離制御ゲインを変化させて減速度を制限するように構成されていることを特徴としている。
なおさらに、請求項に係る走行制御装置は、請求項1又は2の発明において、前記減速度制限手段は、前記車間距離制御手段の速度制御ゲインを変化させることにより減速度を制限するように構成されていることを特徴としている。
【0008】
また、請求項に係る走行制御装置は、請求項1乃至に係る発明において、前記減速度制限手段は、シフトダウンに応じて変更した減速度制限を前記目標制動圧演算手段で演算する目標制動圧が"0"となるまで継続するように構成されていることを特徴としている。
さらに、請求項に係る走行制御装置は、請求項1乃至に係る発明において、前記減速度制限手段は、シフトダウンに応じて変更した減速度制限を前記シフト状態がシフトアップ状態となるまで継続するように構成されていることを特徴としている。
【0009】
【発明の効果】
請求項1に係る走行制御装置によれば、目標車速に基づいて演算される減速度を減速度制限値で制限し、この減速度制限値を運転者の変速機のシフトダウン操作に応じて大きな値に変化させるようにしていたので、運転者のシフトダウン操作に応じて減速度制限値を変化させることができ、運転者の操作感覚に応じた最適な走行制御を行うことができるという効果が得られる。
【0010】
さらに、請求項3に係る走行制御装置によれば、エンジンブレーキトルク推定値に基づいて減速度制限値が変化するので、運転者が必要とするエンジンブレーキトルク推定値に応じた減速度制御を行うことができるという効果が得られる。
さらにまた、請求項4に係る走行制御装置によれば、車間距離制御手段の距離制御ゲインを変化させて、目標車速を変化させることにより、加減速度を変化させるので、最大減速度未満の減速度でもシフト操作に応じて減速度を増加させることができるという効果が得られる。
【0011】
なおさらに、請求項5に係る走行制御装置によれば、速度制御ゲインを変化させて、目標車速を変化させることにより、加減速度を変化させるので、最大減速度未満の減速度でもシフト操作に応じて減速度を増加させることができるという効果が得られる。
また、請求項6に係る走行制御装置によれば、シフト状態に応じた減速度制限が目標制動圧が“0”となるまで継続されるので、減速制御中に減速度変化が発生することを防止することができるという効果が得られる。
【0012】
さらに、請求項7に係る走行制御装置によれば、シフト状態に応じた減速度制限がシフト状態がシフトアップ状態となるまで継続されるので、シフト状態が変化するまで原則と変化が発生することを防止することができるという効果が得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施形態を示す概略構成図であって、図中、1FL,1FRは従動輪としての前輪、1RL,1RRは駆動輪としての後輪であって、後輪1RL,1RRは、エンジン2の駆動力が自動変速機3、プロペラシャフト4、最終減速装置5及び車軸6を介して伝達されて回転駆動される。
【0014】
前輪1FL,1FR及び後輪1RL,1RRには、夫々制動力を発生するディスクブレーキ7が設けられていると共に、これらディスクブレーキ7の制動油圧が制動制御装置8によって制御される。
ここで、制動制御装置8は、ブレーキペダル8aの踏込みに応じて制動油圧を発生すると共に、追従制御用コントローラ20から供給される制動圧指令値PBDの大きさに応じた制動油圧を発生してディスクブレーキ7に供給するように構成されている。
【0015】
また、エンジン2には、その出力を制御するエンジン出力制御装置9が設けられている。このエンジン出力制御装置9は、エンジン出力の制御方法として、スロットルバルブの開度を調整してエンジン回転数を制御する方法と、アイドルコントロールバルブの開度を調整してエンジン2のアイドル回転数を制御する方法とが考えられるが、本実施形態では、スロットルバルブの開度を調整する方法が採用されている。
【0016】
一方、車両の前方側の車体下部には、先行車両との間の車間距離Lを検出する車間距離検出手段としてのレーダ装置で構成される車間距離センサ12が設けられている。この車間距離センサ12としては、例えばレーザ光を前方に掃射して先行車両からの反射光を受光することにより、先行車両と自車両との車間距離Lを計測するレーザレーダ装置やミリ波を使用したミリ波レーダ装置等の距離センサを適用することができる。
【0017】
また、車両には、自動変速機3の出力側に配設された出力軸の回転速度を検出することにより、自車速Vを検出する車速センサ13が配設されていると共に、エンジン2の出力回転速度を検出するエンジン回転速度センサ14が配設されている。
そして、車間距離センサ12、車速センサ13及びエンジン回転速度センサ14の各出力信号が追従制御用コントローラ20に入力され、この追従制御用コントローラ20によって、車間距離センサ12で検出した車間距離L、車速センサ13で検出した自車速Vに基づいて、制動制御装置8及びエンジン出力制御装置9を制御することにより、先行車両との間に適正な車間距離を維持しながら追従走行する追従走行制御を行う。また、追従制御用コントローラ20には、自動変速機3を制御する変速機制御装置10から運転者が選択したセレクト位置を表すセレクト信号SLが入力されていると共に、オーバードライブを可能するか否かを選択するオーバードライブスイッチのスイッチ信号SODが入力されている。
【0018】
この追従制御用コントローラ20は、マイクロコンピュータとその周辺機器を備え、マイクロコンピュータのソフトウェア形態により、図2に示す制御ブロックを構成している。
この制御ブロックは、車間距離センサ12でレーザー光を掃射してから先行車の反射光を受光するまでの時間を計測し、先行車との車間距離Lを演算する測距信号処理部21と、車速センサ13からの車速パルスの周期を計測し、自車速Vsを演算する車速信号処理部30と、測距信号処理部21で演算された車間距離L及び車速信号処理部30で演算した自車速Vsに基づいて車間距離Lを目標車間距離L* に維持する目標車速V* を演算する車間距離制御手段としての車間距離制御部40と、この車間距離制御部40で演算した目標車速V* 及び車速信号処理部30で演算した自車速Vsに基づいて制動制御装置8及びエンジン出力制御装置9を制御して、自車速Vsを目標車速V* に一致するように制御する車速制御手段としての車速制御部50とを備えている。
【0019】
車間距離制御部40は、測距信号処理部21から入力される車間距離Lに基づいて先行車との相対速度ΔVを演算する相対速度演算部41と、車速信号処理部30から入力される自車速Vsに基づいて先行車と自車との間の目標車間距離L* を算出する目標車間距離設定部42と、相対速度演算部41で演算された相対速度ΔV及び目標車間距離設定部42で算出された目標車間距離L* に基づいて減衰係数ζ及び固有振動数ωn を使用する規範モデルによって車間距離Lを目標車間距離L* に一致させるための車間距離指令値LT を演算する車間距離指令値演算部43と、この車間距離指令値演算部43で演算された車間距離指令値LT に基づいて車間距離Lを車間距離指令値LT に一致させるための目標車速V* を演算する目標車速演算部44とを備えている。
【0020】
ここで、相対速度演算部41は、測距信号処理部21から入力される車間距離Lを例えばバンドパスフィルタ処理するバンドパスフィルタで構成されている。このバンドパスフィルタは、その伝達関数が下記(1)式で表すことができ、分子にラプラス演算子sの微分項を有するので、実質的に車間距離Lを微分して相対速度ΔVを近似的に演算することになる。
F(s) =ωC 2 s/(s2 +2ζC ωC s+ωC 2 ) …………(1)
但し、ωC =2πfC 、sはラプラス演算子、ζC は減衰係数である。
【0021】
このように、バンドパスフィルタを使用することにより、車間距離Lの単位時間当たりの変化量から簡易的な微分演算を行って相対速度ΔVを算出する場合のように、ノイズに弱く、追従制御中にふらつきが生じるなど、車両挙動に影響を与えやすいことを回避することができる。なお、(1)式におけるカットオフ周波数fC は、車間距離Lに含まれるノイズ成分の大きさと、短周期の車体前後の加速度変動の許容値とにより決定する。また、相対速度ΔVの算出には、バンドパフィルタを使用する場合に代えて、車間距離Lにハイパスフィルタ処理を行うハイパスフィルタで微分処理を行うようにしてもよい。
【0022】
また、目標車間距離設定部42は、自車速Vsと自車が現在の先行車の後方L0 [m]の位置に到達するまでの時間T0 (車間時間)とから下記(2)式に従って先行車と自車との間の目標車間距離L* を算出する。
* =Vs×T0 +LS …………(2)
この車間時間という概念を取り入れることにより、自車速が速くなるほど、車間距離が大きくなるように設定される。ここで、LS は停止時車間距離である。なお、特開平10−81156号公報に開示されるように、自車速に代えて先行車車速を用いて目標車間距離を算出するようにしてもよい。
【0023】
さらに、車間距離指令値演算部43は、車間距離L、目標車間距離L* に基づいて、車間距離Lをその目標値L* に保ちながら追従走行するための車間距離指令値LT を演算する。具体的には、入力される目標車間距離L* に対して、車間距離制御系における応答特性を目標の応答特性とするために決定される減衰係数ζ及び固有振動数ωn を用いた下記(3)式で表される規範モデルGT (s) に従った二次遅れ形式のローパスフィルタ処理を行うことにより、車間距離指令値LT を演算する。
【0024】
【数1】
Figure 0003997754
【0025】
さらにまた、目標車速演算部44は、入力される車間距離指令値LT に基づいてフィードバック補償器を使用して目標車速V* を演算する。具体的には、下記(4)式に示すように、自車速Vsに相対速度ΔVを加算して算出した先行車車速Vtから車間距離指令値LT と実車間距離Lとの偏差(LT −L)に距離制御ゲインfdを乗じた値と、相対速度ΔVに速度制御ゲインfvを乗じた値との線形結合を減じることにより、目標車速V* を算出する。
【0026】
* =Vt−{fd(LT −L)+fv・ΔV} …………(4)
そして、車速制御部50は、自車速Vsが目標車速V* となるように制動制御装置8に対する制動圧指令値PBDと、エンジン出力制御装置9に対するスロットルバルブ開度θとを制御する。
すなわち、車速制御部50は、図3に示すように、入力される目標車速V* に自車速Vsを一致させるための加減速度指令値α1を演算するモデルマッチング補償器51と、目標加減速度α* に基づいて道路勾配変動等の外乱推定値α2を推定するロバスト補償器52と、モデルマッチング補償器51から出力される加減速度指令値α1からロバスト補償器52で推定される外乱推定値α2を減算して目標加減速度α* を算出する減算器53と、この減算器53から出力される目標加減速度α* に車両質量Mを乗算して目標制・駆動力FORを算出する乗算器54とで構成されている。
【0027】
ここで、車速制御部50は、道路勾配変動などの外乱に強いサーボ系とするために、ロバストマッチング制御手法で設計されている。このサーボ系は、制御対象の伝達特性をパルス伝達関数P(z-1)と置くと、各補償器は図3に示すように表され、zは遅延演算子であり、z-1を乗じた形式で1サンプリング周期前の値を表す。
モデルマッチング補償器51は、目標車速V* を入力し、実際の自車速Vsを出力としたときの制御対象の応答特性が予め定めた一次遅れとむだ時間を持つ規範モデルH(z-1)の特性と一致するように設定されている。
【0028】
目標加速度を入力、実際の自車速Vsを出力とする部分を制御対象と置くと、パルス伝達関数P(z-1)は下記(5)に示す積分要素P1(z-1)とむだ時間要素P2(z-1)=z-2との積と置くことができる。ただし、Tはサンプリング周期である。
P1(z-1)=T・z-1/(1−z-1) …………(5)
このとき、ロバスト補償器52を構成する補償器C1(z-1)及びC2(z-1)は下記(6)及び(7)式で表される。但し、γ=exp(−T/Tb)である。
【0029】
C1(z-1)=(1−γ)・z-1/(1−γ・z-1) …………(6)
C2(z-1)=(1−γ)・(1−z-1)/T・(1−γ・z-1)……(7)
制御対象のむだ時間を無視して、規範モデルを時定数Taの1次ローパスフィルタとすると、モデルマッチング補償器51のフィードバック補償器C3は、下記(8)式のように定数となる。
C3=K={1−exp(−T/Ta)}/T …………(8)
そして、車速制御部50では、図4に示す車速制御処理を所定サンプリング周期(例えば10msec)毎に所定メインプログラムに対するタイマ割込処理として実行する。
【0030】
この車速制御処理は、図4に示すように、先ず、ステップS1で、車間距離制御部40で算出された目標車速V* を読込むと共に、運転者が設定した設定車速VSET を読込み、これらの内の小さい方を選択目標車速V* sとして設定する。次いで、ステップS2に移行して、自車速Vs(n) 及び実車間距離L(n) を読込み、次いでステップS3に移行し、ロバスト補償器52における補償器C1(z-1)及びC2(z-1)に相当する下記(9)式及び(10)式の演算を行って補償器出力y1(n) 及びy2(n) を算出し、これらに基づいて下記(11)式の演算を行って外乱推定値α2(n) を算出すると共に、選択目標車速V* s及び自車速Vsをもとにモデルマッチング補償器51に相当する下記(12)式の演算を行って加減速度指令値α1を算出し、算出した補償器出力y1(n) ,y2(n) 及び加減速度指令値α1に基づいて下記(13)式の演算を行って目標加減速度α* を算出し、これを今回の目標加減速度α* (n) として目標加減速度今回値記憶領域に更新記憶すると共に、前回の目標加減速度α* (n-1) を目標加減速度前回値記憶領域に更新記憶する。
【0031】
Figure 0003997754
次いで、ステップS4に移行して、目標加減速度α* (n) が負値の減速度であるか否かを判定し、α* (n) <0の減速度であるときにはステップS5に移行して、目標加減速度α* (n) の絶対値が後述する最大減速度算出処理で算出された最大減速度αDMAXを超えているか否かを判定し、α* (n) ≦αDMAXであるときにはそのままステップS9に移行し、α* (n) >αDMAXであるときにはステップS6に移行して、最大減速度αDMAXの負値即ち−αDMAXを目標加減速度α* (n) として設定してからステップS9に移行する。
【0032】
一方、ステップS4の判定結果が、α* (n) ≧0であるときには、目標加減速度α* (n) が加速度を表すものと判断してステップS7に移行し、目標加減速度α* (n) が最大加速度αAMAXを超えているか否かを判定し、α* (n) ≦αAMAXであるときにはそのままステップS9に移行し、α* (n) >αAMAXであるときにはステップS8に移行して、最大加速度αAMAXを目標加減速度α* (n) として設定してからステップS9に移行する。
【0033】
ステップS9では、目標加減速度α* (n) に車両質量Mを乗算して目標制・駆動力FOR(=M・α* (n) )を算出し、次いでステップS10に移行して、算出された目標制・駆動力FORより目標エンジントルクTE を算出し、この目標エンジントルクTE をもとにエンジン回転数NE 毎に予め記憶された非線形特性データマップを参照して、スロットル開度θを算出し、これをエンジン出力制御装置9に出力する。
【0034】
次いで、ステップS11に移行して、目標制・駆動力FORが負であるか否か即ち制動力であるか否かを判定し、FOR<0であるときには制動力であると判断してステップS12に移行し、エンジン回転速度Neをもとに図5に示すエンジンブレーキトルク算出マップを参照してエンジンブレーキトルクTebを算出し、算出したエンジンブレーキトルクTebに対応するエンジンブレーキ制動力FEBを算出してからステップS13に移行する。
【0035】
エンジンブレーキトルク算出マップは、図5に示すように、エンジン回転速度Neが低い領域では正のブレーキトルクとなるが、これよりエンジン回転速度Neが増加することにより、エンジン回転速度の増加に伴って緩やかに負方向に増加するように設定されている。
ステップS13では、ステップS9で算出した目標制・駆動力FORからエンジンブレーキ制動力FEBを減算した値を目標制動力FB (=FOR−FEB)として算出し、次いでステップS14に移行して、目標制動力FB をもとに図6に示す目標制動圧算出用マップを参照して目標制動圧PB * (n) を算出し、次いでステップS14に移行して、算出した目標制動圧PB * (n) を制動制御装置8に出力してからタイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
【0036】
ここで、目標制動圧算出用マップは、図6に示すように、横軸に目標制・駆動力FORを取り、縦軸に目標制動圧PB * を取り、目標制動力FB が正であるとき及び負であって所定値−Fsを上回っている間は目標制動圧PB * が“0”を維持し、目標制動力FB が所定値−Fsを下回ると、目標制動力FB の負方向への増加に比例して目標制動圧PB * が直線的に増加するように設定されている。
一方、前記ステップS11の判定結果が目標制・駆動力FORが正又は“0”であるときにはステップS15に移行して、目標制動圧PB * を“0”に設定してからステップS16に移行する。
【0037】
また、車速制御部50では、図7に示す最大減速度算出処理を所定サンプリング周期(例えば10msec)毎に所定メインプログラムに対するタイマ割込処理として実行する。
この最大減速度算出処理は、先ずステップS21で、変速機制御装置10から入力されるセレクト位置信号SL及びオーバードライブ選択信号SODと、車速センサ13から入力される自車速Vsと、車間距離制御部40における目標車速演算部44から入力される目標車速V* を読込み、次いで、ステップS22に移行して、目標車速V* をもとに図7に示す通常最大減速度算出マップを参照して通常最大減速度αDNMAX を算出する。
【0038】
この通常最大減速度算出マップは、図8に示すように、目標車速V* が小さいときに、大きな通常最大減速度となり、この状態から目標車速V* が増加するに応じて通常最大減速度が減速度変化量が徐々に小さくなるように双曲線状に減少するように設定されている。
次いで、ステップS23に移行して、自車速Vsが“0”であるか否かを判定し、Vs=0であるときにはステップS24に移行して、後述するオーバードライブを禁止している走行状態であるか否かを表すオーバードライブ状態フラグFODが“1”にセットされているか否かを判定し、これが“0”にリセットされているときにはステップS25に移行して、後述するセカンドレンジ2が選択されているか否かを表すセカンドレンジフラグF2 が“1”にセットされているか否かを判定し、これが“0”にリセットされているときにはステップS27に移行する。一方、ステップS24でオーバードライブ状態フラグFODが“1”にセットされているときにはステップS24aに移行して、オーバードライブ状態フラグFODを“0”にリセットしてからステップS26に移行する。また、ステップS25でセカンドレンジフラグF2 が“1”にセットされているときにはステップS25aに移行して、セカンドレンジフラグF2 を“0”にリセットしてからステップS26に移行する。ステップS26では、最大減速度選択フラグFαを“0”通常最大減速度αDNMAX を選択する“0”にリセットしてからステップS27に移行する。
【0039】
ステップS27では、セレクト信号SLがドライブレンジDであるか否かを判定し、これがドライブレンジDが選択されている場合には、ステップS28に移行して、セカンドレンジフラグF2 が“1”にセットされているか否かを判定し、これが“0”にリセットされているときには直接ステップS31に移行し、セカンドレンジフラグF2 が“1”にセットされているときにはステップS29に移行して、セカンドレンジフラグF2 を“0”にリセットし、次いでステップS30に移行して、最大減速度選択フラグFαを“0”にリセットしてからステップS31に移行する。
【0040】
ステップS31では、オーバードライブスイッチ信号SODがオフ状態であるか否かを判定し、これがオン状態であるときには、ステップS32に移行して、オーバードライブ状態フラグFODが“1”にセットされているか否かを判定し、これが“0”にリセットされているときには直接ステップS35に移行し、オーバードライブ状態フラグFODが“1”にセットされているときにはステップS33に移行して、オーバードライブ状態フラグFODを“0”にリセットし、次いでステップS34に移行して、最大減速度選択フラグFαを“0”にリセットしてからステップS35に移行する。
【0041】
ステップS35では、最大減速度選択フラグFαが“0”にリセットされているか否かを判定し、これが“1”にセットされているときにはそのままタイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰し、最大減速度選択フラグFαが“0”にリセットされているときにはステップS36に移行して、ステップS22で算出された通常最大減速度αDNMAX を最大減速度αDMAXとして設定し、これをメモリの最大減速度記憶領域に更新記憶してからタイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
【0042】
一方、前記ステップS31の判定結果が、オーバードライブ選択信号SODがオフ状態であるときにはステップS37に移行して、前回オーバードライブ選択信号SODがオン状態であったか否かを判定し、これがオフ状態であったときにはシフトダウンを生じていないもの判断して前記ステップS35に移行し、前回オーバードライブ選択信号SODがオン状態であるときには運転者によるシフトダウン要求があるものと判断してステップS38に移行し、オーバードライブ状態フラグFODを“1”にセットしてからステップS39に移行する。
【0043】
このステップS39では、スロットル開度指令値θが“0”であるか否かを判定し、θ>0であるときには前記ステップS35に移行し、θ=0であるときにはステップS40に移行して、前回のエンジン回転速度Ne(n-1) をもとに前述した図5に示すエンジンブレーキトルク算出マップを参照して前回のエンジンブレーキトルクTeb(n-1) を算出する。
次いで、ステップS41に移行して、今回のエンジン回転速度Ne(n) をもとに前述した図5のエンジンブレーキトルク算出マップを参照して今回のエンジンブレーキトルクTeb(n) を算出し、次いでステップS42に移行して、今回のエンジンブレーキトルクTeb(n) から前回のエンジンブレーキトルクTeb(n-1) を減算してエンジンブレーキトルク差ΔTebを算出する。
【0044】
次いで、ステップS43に移行して、ステップS42で算出したエンジンブレーキトルク差ΔTebが負即ちエンジンブレーキトルクが増加傾向にあるか否かを判定し、ΔTeb<0でエンジンブレーキトルクが増加傾向にあるときにはステップS44に移行して、エンジンブレーキトルク差ΔTebに制御ゲインKG を乗算して最大減速度増加量ΔαD (=KG ・ΔTeb)を算出してからステップS46に移行し、ΔTeb≧0であるときにはステップS45に移行して、最大減速度増加量ΔαD を“0”に設定してからステップS46に移行する。
【0045】
ステップS46では、ステップS22で算出した通常最大減速度αDNMAX に最大減速度増加量ΔαD を加算した値を最大減速度αDMAXとして設定し、これをメモリの最大減速度記憶領域に更新記憶してからステップS47に移行し、最大減速度選択フラグFαを“1”にセットしてからタイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
また、前記ステップS27の判定結果がセレクト信号SLがドライブレンジDを選択していないものであるときには、ステップS48に移行して、セカンドレンジ2を選択しているか否かを判定し、セカンドレンジ2を選択していないときにはそのままタイマ割込処理を終了し、セカンドレンジ2を選択しているときにはステップS49に移行して、前回ドライブレンジDを選択していたか否かを判定し、ドライブレンジDを選択していないときにはそのままタイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰し、前回ドライブレンジDを選択していたときには運転者によるシフトダウン要求があるものと判断してステップS50に移行してセカンドレンジフラグF2 を“1”にセットしてから前記ステップS39に移行する。
【0046】
この図4の車速制御処理において、ステップS3の処理が加減速度演算手段に対応し、ステップS5、S6及び図7の処理が減速度制限手段に対応し、ステップS9及びS11の処理が目標制動圧演算手段に対応し、ステップS12の処理及び制動圧制御装置8が制動圧制御手段に対応し、図7のステップS27、S31、S37、S38、S48、S49の処理がシフト状態検出手段に対応し、このうちステップS31、S37及びS38の処理がシフトダウン検出手段に対応している。
【0047】
次に、上記実施形態の動作を説明する。
今、車両がセレクト機構でドライブレンジDを選択し且つオーバードライブ選択信号がオン状態でオーバードライブ状態の移行が可能な状態で、定速走行する先行車を捕捉して目標車間距離L* を維持しながら直進走行しているものとする。
この定速走行状態では、車間距離センサ12で検出される実車間距離Lが目標車間距離L* に一致しており、先行車が定速走行しているので、車間距離指令値LT も実車間距離Lと略一致することにより、車間距離制御部40の相対速度演算部41で算出される相対速度ΔVが略“0”となり、車間距離制御部40の目標車速演算部44で算出される目標車速V* も先行車の車速Vtと等しい値となっている。そして、目標車速V* が運転者が設定した設定車速VSET より小さいことにより、この目標車速V* が選択目標車速V* sとして設定される。
【0048】
この定速走行状態では、図4の車速制御処理によって、目標車速V* を選択目標車速V* sとして設定し、これに基づいてステップS3で目標加減速度α* (n) を算出するが定速走行状態であるので、算出される目標加減速度α* (n) は目標車速V* を維持する比較的小さい値となり、ステップS5でスロットル開度θが自車速Vsを目標車速V* に維持するように制御され、ステップS11で算出される目標制動圧PB * (n) が“0”となり、制動制御装置8でディスクブレーキ7に対して供給制動圧が“0”となって、非制動状態を維持している。
【0049】
この定速走行状態から先行車が加速状態となって、車間距離センサ12で検出する車間距離Lが目標車間距離L* に比較して長くなると、目標車速演算部44で算出される目標車速V* が大きな値となり、これに応じてステップS3で算出される目標加減速度α* (n) が正の値となり、目標制・駆動力FORも正の値となるので、ステップS10で算出されるスロットル開度θが比較的大きな値となって、これがエンジン出力制御装置9に供給されるので、このエンジン出力制御回路9でスロットルアクチュエータ15がスロットルバルブを開制御して加速状態となり、車間距離Lを目標車間距離L* に一致させる。
【0050】
また、定速走行での追従走行状態から例えば先行車が他車線からの割込みによって比較的緩やかな緩減速状態となると、これに応じて車間距離センサ12で検出される車間距離Lが目標車間距離L* に比較して緩やかに短くなる。このため、車間距離制御部40の目標車速演算部44で算出される目標車速V* が緩やかに減少することにより、ステップS3で算出される目標加減速度α* (n) が負となり、ステップS4で算出される目標制・駆動力FORも負の所定値Fsを下回る状態となる。
【0051】
このとき、ドライブレンジDの選択状態を維持し、且つオーバードライブ選択信号がオン状態を維持しているものとすると、図6の最大減速度演算処理では、ステップS22で目標車速V* をもとに図7に示す最大減速度算出マップを参照して通常最大減速度αDNMAX を算出し、次いでステップS27、ステップS28、S31、S32及びS35を経てステップS36に移行して、ステップS22で算出した通常最大減速度αDNMAX を最大減速度αDMAXとして設定し、これをメモリの最大減速度記憶領域に更新記憶する。
【0052】
したがって、図3の処理におけるステップS5で目標加減速度α* (n) と最大減速度αDMAXとを比較したときに、緩減速状態であるので、|α* (n) |<αDMAXとなり、目標加減速度α* (n) が制限されることなくステップS9に移行して、目標制・駆動力FORが算出される。
この状態では、ステップS10で、スロットル開度θが全閉状態に制御され、ステップS12でエンジンブレーキトルクTebに対応するエンジンブレーキ制動力FEBが算出され、次いでステップS13で、これが目標制・駆動力FORから減算されてディスクブレーキ7で発生させる制動力FB が算出され、この制動力FB に基づいて図6の目標制動圧算出マップを参照して目標制動圧PB * (n) が算出され、この目標制動圧PB * (n) が増圧状態となる。
【0053】
この目標制動圧PB * (n) が制動制御装置8に出力されることから、制動制御装置8によってディスクブレーキ7の制動力で緩制動力を発生させて緩減速状態に移行し、実車間距離Lを目標車間距離L* に一致させるように減速制御が行われて、車間距離Lが広げられる。
ところが、図9に示すように、先行車が比較的高速走行している状態で、比較的急な減速を開始することにより、自車両もエンジンブレーキによる減速度αEBとディスクブレーキ7による減速度αDBとを加算した減速度αD が図7で設定される通常最大減速度αDNMAX で制限される状態で減速制御が行われているときに、時点t1で、運転者がエンジンブレーキの必要を感じてドライブレンジDを維持したままオーバードライブスイッチをオフ状態としてオーバードライブへの移行を禁止する状態となると、図7の最大減速度演算処理において、ステップS22で目標車速V* をもとに通常最大減速度算出マップを参照して通常最大減速度αDNMAX を算出すると共に、ステップS31からステップS37に移行し、前回オーバードライブ選択信号がオン状態であったので、ステップS38に移行して、オーバードライブ選択フラグFODが“1”にセットされ、次いでステップS39に移行して、減速状態であるので、スロットル開度θが“0”であるため、ステップS40に移行する。
【0054】
このため、ステップS40で、前回のエンジン回転速度Ne(n-1) に基づいてエンジンブレーキトルクTeb(n-1) を算出すると共に、ステップS41で、今回のオーバードライブからその下の変速段へのダウンシフトによるエンジン回転速度Ne(n) の増加による前回のエンジンブレーキトルクTeb(n-1) より大きいエンジンブレーキトルクTeb(n) が算出され、両者のエンジンブレーキトルク差ΔTebが正の値となるので、ステップS43からステップS44に移行して、エンジンブレーキトルク差ΔTebに制御ゲインKG を乗算して減速度増加量ΔαD が算出される。
【0055】
したがって、ステップS46で、算出した減速度増加量ΔαD を通常最大減速度αDNMAX に加算することにより最大減速度αDMAXを算出し、これがメモリの最大減速度記憶領域に更新記憶され(ステップS46)、減速度選択フラグFαが“1”にセットされる(ステップS47)。
このため、時点t1で、最大減速度αDMAXが通常最大減速度αDNMAX に比較して、オーバードライブからその下の変速段にダウンシフトされることにより発生するエンジンブレーキの増加分に応じた分大きな値となることにより、運転者のダウンシフト要求に応じた制動力増加によって減速度を増加させることができ、運転者に違和感を与えることを確実に防止することができる。
【0056】
次に、図7の処理が実行されると、ステップS9の判定結果が前回がドライブレンジDではないので、そのままタイマ割込処理を終了することにより、最大減速度αDMAXが通常最大減速度αDNMAX より高い状態が維持され、高減速度状態を継続する。
その後、減速状態を継続して時点t2で先行車に追従して自車両が停止すると、自車速Vsが“0”となることにより、ステップS23からステップS24に移行し、オーバードライブ選択フラグFODが“1”にセットされているので、ステップS24aに移行して、オーバードライブ選択フラグFODが“0”にリセットされると共に、ステップS26に移行して、減速度選択フラグFαが“0”にリセットされてからステップS27、S31、S32を経てステップS35に移行し、減速度選択フラグFαが“0”にリセットされているので、ステップS36に移行して、ステップS22で算出された通常最大減速度αDNMAX が最大減速度αDMAXとして設定される状態に復帰する。このように、減速状態が継続している間、最大減速度αDMAXの変更が禁止されるので、最大減速度αDMAXの変更による減速度変化を生じることがなくスムーズな減速制御を行うことができる。
【0057】
また、運転者がオーバードライブ選択信号がオフ状態である状態からオン状態に復帰させた場合には、図7の処理において、ステップS31からステップS32〜ステップS34に移行して、オーバードライブ選択フラグFODが“0”にリセットされると共に、減速度選択フラグFαが“0”にリセットされるので、ステップS35からステップS36に移行して、最大減速度αDMAXを通常最大減速度αDNMAX に復帰させ、運転者のシフトアップ要求に応えることができる。
【0058】
同様に、減速制御状態で、運転者がドライブレンジDからセカンドレンジ2を選択してシフトダウンを行った場合には、図7におけるステップS27からステップS48に移行し、前回がドライブレンジDであったので、ステップS50に移行して、セカンドレンジ選択フラグF2 を“1”にセットしてからステップS39に移行することになり、この場合のエンジンブレーキの増加量に応じた最大減速度αDMAXを設定することができ、上記と同様に運転者に違和感を与えることなく減速度を増加させることができると共に、自車速Vsが“0”となるか又はドライブレンジDに復帰したときに、最大減速度αDMAXが通常最大減速度αDNMAX に復帰される。
【0059】
なお、上記実施形態においては、ドライブレンジDからセカンドレンジ2にシフトダウンする場合について説明したが、これに限定されるものではなく、セカンドレンジ2からローレンジ1にシフトダウンする場合にも図7と同様の処理を行うようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、目標車速V* に基づいて算出された目標加減速度α* (n) を最大減速度αDMAXで制限する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、目標車速演算部44で目標車速V* を算出するための前記(4)式における距離制御ゲインfd及び/又は速度制御ゲインfvを減少させることにより、目標車速V* を減少させて減速度制御を行うようにしてもよく、この場合には、減速度が最大減速度αDMAXに達していない状態でも、運転者のシフトダウン操作によって減速度増加処理を行うことができる。
【0060】
さらに、上記実施形態においては、最大減速度増加量ΔαD をエンジンブレーキトルク差ΔTebに基づいて算出する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、最大減速度増加量ΔαD を一定値に設定するようにしてもよい。また、通常最大減速度αDNMAX についても目標車速V* に応じて変化させる場合に代えて、一定値に設定することもできる。
さらにまた、上記実施形態においては、最大減速度αDMAXを通常最大減速度αDNMAX に戻すタイミングを自車速Vsが“0”であるとき及びシフトダウン操作が解除されたときの双方で行う場合について説明したが、何れか一方を省略するようにしてもよい。
【0061】
なおさらに、上記実施形態においては、目標制動圧PB * (n) を図5の目標制動圧算出マップを参照して算出する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図6の特性線を表す方程式を使用して、演算によって目標制動圧PB * (n) を算出するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、追従制御用コントローラ5でソフトウェアによる車速演算処理を行う場合について説明したが、これに限定されるものではなく、関数発生器、比較器、演算器等を組み合わせて構成した電子回路でなるハードウェアを適用して構成するようにしてもよい。
【0062】
さらに、上記実施形態においては、後輪駆動車に本発明を適用した場合について説明したが、前輪駆動車に本発明を適用することもでき、また回転駆動源としてエンジン2を適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、電動モータを適用することもでき、さらには、エンジンと電動モータとを使用するハイブリッド車にも本発明を適用することができる。
さらにまた、上記実施形態においては、自動変速機3を搭載した車両に本発明を適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、マニュアル変速機を搭載した車両にも本発明を適用することができる。この場合には、加速制御を行うことは困難であるが減速制御について上記実施形態と同様の処理を行うことができる。この場合に、マニュアル変速機のシフトダウンを検出するには、エンジン回転速度センサ14で検出したエンジン出力回転速度Neを車速センサ13で検出したマニュアル変速機の出力回転速度Vsで除して、変速ギヤ比i(n) (=Ne/Vs)を算出し、この変速ギヤ比i(n) が前回の変速ギヤ比i(n-1) に対して所定値以上大きい値となったときにシフトダウンであると判断するようにすればよく、シフトダウンを検出したときに、図10に示すように、クラッチ操作が行われて、クラッチが締結状態となった時点で、通常最大減速度αDNMAX より大きい最大減速度を設定するようにすればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す概略構成図である。
【図2】図1の追従制御用コントローラの具体的構成を示すブロック図である。
【図3】車速制御部の具体例を示すブロック線図である。
【図4】車速制御部における車速制御処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】エンジン回転速度とエンジンブレーキトルクとの関係を示すエンジンブレーキトルク算出マップを示す説明図である。
【図6】目標制・駆動力と目標制動圧との関係を表す目標制動圧算出用マップを示す説明図である。
【図7】車速制御部における最大減速度算出処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】目標車速と通常最大減速度との関係を表す通常最大減速度算出マップを示す説明図である。
【図9】実施形態の動作を示すタイムチャートである。
【図10】マニュアル変速機を適用した実施形態の動作を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
2 エンジン
3 自動変速機
7 ディスクブレーキ
8 制動制御装置
9 エンジン出力制御装置
10 変速機制御装置
12 車間距離センサ
13 車速センサ
14 エンジン回転速度センサ
20 追従制御用コントローラ
40 車間距離制御部
41 相対速度演算部
42 目標車間距離設定部
43 車間距離演算部
44 目標車速演算部
50 車速制御部

Claims (6)

  1. 先行車との車間距離を検出する車間距離検出手段と、自車速を検出する自車速検出手段と、前記車間距離検出手段で検出した車間距離検出値と、前記自車速検出手段で検出した自車速若しくは前記車間距離の変化及び前記自車速より演算した先行車車速とに基づいて車間距離検出値を目標車間距離に一致させる目標車速を演算する車間距離制御手段と、該車間距離制御手段で演算した目標車速と前記自車速検出手段で検出した自車速とを一致させるように加減速制御する車速制御手段とを備えた走行制御装置において、運転者による変速機のシフトダウン操作を検出するシフトダウン検出手段を備え、前記車速制御手段は、前記目標車速に基づいて加減速度を演算する加減速度演算手段と、該加減速度演算手段で演算した減速度を減速度制限値で制限すると共に、当該減速度制限値を前記シフトダウン検出手段で検出したシフトダウンに応じて大きな値に変化させる減速度制限手段と、該減速度制限手段で制限された減速度に基づいて目標制動圧を演算する目標制動圧演算手段と、該目標制動圧演算手段で演算した目標制動圧に基づいて制動力を制御する制動力制御手段とを備えていることを特徴とする走行制御装置。
  2. 記減速度制限手段は、エンジンブレーキトルクを推定するエンジンブレーキトルク推定手段を有し、該エンジンブレーキトルク推定値に基づいて減速度制限値を変化させるように構成されていることを特徴とする請求項記載の走行制御装置。
  3. 記減速度制限手段は、前記車間距離制御手段の距離制御ゲインを変化させて減速度を制限するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の走行制御装置。
  4. 記減速度制限手段は、前記車間距離制御手段の速度制御ゲインを変化させることにより減速度を制限するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の走行制御装置。
  5. 記減速度制限手段は、シフトダウンに応じて変更した減速度制限を前記目標制動圧演算手段で演算する目標制動圧が"0"となるまで継続するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の走行制御装置。
  6. 記減速度制限手段は、シフトダウンに応じて変更した減速度制限を前記シフト状態がシフトアップ状態となるまで継続するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の走行制御装置。
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