JP3780820B2 - 車速制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、先行車との車間距離を保ちながら走行するように制御する車間距離制御機能を備えた車速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車間距離制御装置の先行技術としては、例えば特願平10−240180号(未公開)に記載されたものがある。このような先行技術においては、所定の車間距離を維持するための目標車速と運転者が設定した設定車速との小さい方の車速になるように自車速を制御し、先行車がない場合には運転者が設定した設定車速を維持するように自車速を制御するように構成されている。そして、設定車速を低下させるコーストスイッチや設定車速を上昇させるアクセラレートスイッチが運転者によって操作されると、設定車速が所定量変化し、その変化後の設定車速を目標車速として車速を所定の車速変化量(加速度または減速度)で制御するように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような先行技術の構成においては、車間距離制御と車速制御とを組み合わせて制御しているので、実際の車速が運転者の設定した設定車速と一致しているとは限らない。例えば運転者が設定した設定車速よりも所定の車間距離を維持するための目標車速の方が小さい場合には、実際の車速は目標車速に一致するように制御されている。したがって実際の車速が設定車速と大幅に異なっていた場合には、運転者が設定車速を変更した場合に実際の車速が設定車速に収束するまで動作が運転者の感覚に一致しない状況が生じることがある。
例えば、先行車が存在して車間距離が制御されているために、設定車速は100km/hであるが、実車速は80km/hで走行していた場合に、料金所等に近づいたので運転者が減速しようとしてコーストスイッチを操作し、設定車速を70km/hに下げた場合、設定車速は100km/hから70km/hに大幅に変更になるが、実際には80km/hから70km/hにやや減速することになる。また、先行車がない場合には、設定車速が100km/hであれば実際の車速も100km/hに制御されているので、この場合に設定車速を70km/hに変更すれば実際の車速が大幅に変更されることになる。このような場合に、従来は一定の加減速で車速を変更していたので、前者のようにやや減速したい場合には減速度が大きすぎ、後者のように大幅に減速したい場合には設定車速に収束するまでに時間がかかるという問題があった。
【0004】
本発明は上記のごとき従来技術の問題を解決するためになされたものであり、設定車速と実際の車速とが異なる場合でも運転者の感覚に適合した車速制御を行うことの出来る車速制御装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明においては特許請求の範囲に記載するように構成している。すなわち、本発明においては、運転者によって設定車速が変更されたときの実際の自車速と、変更後の設定車速との偏差に応じて、偏差が大きいほど設定車速に到達するための車速変化量を大きくし、偏差が小さいほど前記車速変化量を小さくするように構成している。
【0006】
【発明の効果】
上記のように構成したことにより、本発明においては、仮に変更前と変更後の設定車速が大幅に異なっていた場合でも、実際の自車速と変更後の設定車速との偏差が小さい場合には、小さな車速変化量(加速度または減速度)で車速が変化するので、前記のように運転者が車速を少し下げたいという場合に運転者の感覚に一致させることが出来る。また、実際の自車速と設定車速との偏差が大きい場合には、大きな車速変化量で車速が変化するので、変更後の新しい設定車速に速やかに収束させることができ、例えば車速を大きく下げたいという運転者の感覚に適合した制御を行うことが出来る。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、車間距離制御装置の全体の構成について説明する。
図1は、本発明の車間距離制御装置の全体の構成を示すブロック図である。以下、図1に示す各ブロックの構成と動作を説明する。
車間距離制御部105(破線で囲んだ部分)は、マイクロコンピュータとその周辺部品から構成される。なお、車間距離制御部105内部のブロックはコンピュータの演算内容をブロックに別けて表示したものである。
【0008】
車間距離制御部105は、車速センサ10、車間距離センサ15、車間時間設定部150および車速制御部500からの車間距離信号L(t)、相対速度信号ΔV(t)、自車両の速度信号V(t)等を入力し、車間制御用車速指令値V(t)を算出してそれを車速制御部500へ送る。車速制御部500の構成については図10以降で詳細に説明する。なお、(t)を付した符号は時間的に変化する値であることを意味する。ただし、図面では(t)を省略して表示していることもある。
【0009】
車速センサ10は、タイヤの回転数から自車両の車速(以下、自車速と記す)V(t)を検出する。車間距離センサ15は、例えばレーザレーダを利用したもので、光や電波の反射波によって先行車との車間距離L(t)および車間距離の時間変化から相対速度ΔV(t)を検出するとともに、車速センサ10から自車速V(t)を入力し、相対速度ΔV(t)と自車速V(t)との差が、例えば±5%×V(t)km/hの範囲外にある場合に、車両前方の対象物を先行車と判断して先行車フラグFを出力する。
【0010】
車間時間設定部150は、運転者の操作によって車間時間d(t)を設定するものである。ここで、車間時間とは、先行車が停止した場合に、自車両が現在の速度で先行車に到達するまでの時間をいう。この車間時間設定部150は、例えば遠距離、中距離、近距離の3段階に切り換えるスイッチを運転者が操作することによって3種の車間時間を選択するように構成されている。例えば遠距離は2.2秒、中距離は1.8秒、近距離は1.4秒程度の値であり、中距離の1.8秒は時速100km/hの場合で車間距離約50mに相当する。
【0011】
車間距離指令値演算部110は、車間距離制御部105の一部を構成し、図2に示されるように、設定車間時間位相進み補償部111と車間距離指令値決定部112から構成される。
設定車間時間位相進み補償部111は、車間時間d(t)を入力し、前回の車間時間d(t−1)と今回の車間時間d(t)とが異なる場合、つまり、運転者が車間時間の設定を変更したと判断された場合には、車間時間位相進み補償値dT_HPF(t)を出力する。下式に設定車間時間位相進み補償部111の伝達関数を示す。
HPF(t)=d(t)・(T・s+1)/(T・s+1)
ただし、T>T
sは微分演算子(以下の式でも同じ)、
、Tは、設計者が任意に設定する時定数であって、T>Tとすることにより、車間時間d(t)の位相を進めることが出来る。
【0012】
図3に設定車間時間位相進み補償部111の伝達関数のステップ応答を示す。図3に示すように、車間時間d(t)に設定車間時間位相進み補償部111の伝達関数で示されるような位相進み補償を施す。つまり、運転者が車間時間の設定を変更した場合、例えば図3に示した例のように、中距離に相当する車間時間dTMから遠距離に相当する車間時間dTLや近距離に相当する車間時間dTSに設定を変更した場合には、目標とする新たな車間時間dTLやdTSよりも一時的に車間時間の変化量を大きく(車間時間を大きな値に変更した場合はより大きく、小さな値に変更した場合はより小さく)し、その後に目標とする車間時間dTLやdTSに収束させる。このように構成したことにより、運転者が車間時間の設定を変更した場合に、運転者の意志に速やかに応答させるように制御することができる。
【0013】
また、車間距離指令値決定部112は、自車速V(t)、相対速度ΔV(t)および運転者が任意に設定した車間時間による時間位相進み補償値dT_HPF(t)から、下式に従って車間距離指令値L(t)を算出する。
(t)={V(t)+ΔV(t)}・dT_HPF(t)
上記のように車間距離指令値L(t)は、自車速V(t)と相対速度ΔV(t)を加算した値に時間位相進み補償値dT_HPF(t)を乗算した値である。したがって上記のように車間時間が変更された場合、図3に示した特性のように、一時的に車間時間の変化量を大きくし、その後に目標とする車間時間に収束させることにより、運転者の操作後に急速に車間距離が変化する。そのため、例えば運転者が先行車に近づき過ぎたと判断して、車間時間を大きくするように設定を変えた後は、車間距離が直ちに変化するので、車間距離の変化が緩慢なために運転者に違和感を与えるおそれがなくなる。
次に、図1の目標車間距離演算部120は、車間距離センサ15からの先行車フラグF、相対速度ΔV(t)および車間距離L(t)を入力し、先行車を認識したときの相対速度ΔV(F)および車間距離L(F)を目標相対速度ΔV(t)および目標車間距離L(t)の初期値とし、入力を車間距離指令値L(t)とした場合における目標車間距離L(t)と目標相対速度ΔV(t)と、を下記(数1)式に示すフィルタにより、算出する。
【0014】
【数1】
Figure 0003780820
ただし、
ωnTは目標車間距離応答の固有振動数であり、設計者が任意に設定する値
ζは目標車間距離応答の減衰係数であり、設計者が任意に設定する値
上記(数1)式について、車間距離指令値L(t)を入力、目標車間距離L(t)を出力とした場合の伝達関数は下記の式で示される。
Figure 0003780820
前置補償車速指令値演算部130は、車速制御部500の無駄時間を無視した伝達特性G(s)’
(s)’=1/(T・s+1)
と積分器との積からなる伝達関数の逆系と、上記L(t)式の無駄時間を無視した伝達関数との積からなり、下記の式で示されるV(t)を算出する。
Figure 0003780820
また、(数1)式を用いて状態空間表現からV(t)を求めると、下記(数2)に示すようになる。
【0015】
【数2】
Figure 0003780820
ただし、Tは、車速制御部500の伝達特性で使用する時定数である。
【0016】
車間制御車速指令値演算部140は、実車間距離L(t)と、実自車速V(t)と、実相対速度ΔV(t)と、目標車間距離L(t)と、目標相対速度ΔV(t)と、補正車速指令値V(t)と、後述するフィードバック定数f、fより、下式により車間制御用車速指令値V(t)を算出する。
Figure 0003780820
車間制御フィードバック特性決定部300は、車間距離L(t)、相対速度ΔV(t)および設定された車間時間d(t)を入力し、フィードバック定数f、fを演算する。
【0017】
以下、図4に基づいてフィードバック定数f、fの決定方法について説明する。
図4は、車間制御フィードバック特性決定部300のブロック線図を示す。車間制御フィードバック特性決定部300は車間距離制御部105のフィードバック系減衰係数決定部310、フィードバック系減衰係数補正部311、フィードバック系固有振動数決定部320、フィードバック系固有振動数第1補正部330、フィードバック系固有振動数第2補正部331およびフィードバック定数決定部340から構成されている。
【0018】
この車間制御フィードバック特性決定部300のブロック線図を、目標車間距離L(t)から実車間距離L(t)までの伝達関数GDBで表すと、下式に示すようになる。
Figure 0003780820
ただし、
ζnDB=(f+1)/2√(f・T) :車間制御フィードバック系の減衰係数
ωnDB=√(f/T) :車間制御フィードバック系の固有振動数
VB=f/T :車間制御フィードバック系の零点相当の値
:車速制御部500における車速フィードバック制御の時定数
フィードバック系減衰係数決定部310は、相対速度ΔV(t)を入力し、相対速度ΔV(t)に応じて図5(a)に示すマップにより車間制御フィードバック系減衰係数ζnDBを決定する。図示のようにζnDBは相対速度が変化しても一定である。これは振動的になることを防ぎ、かつ応答性を良くするには、値を1(ζnDB=1のとき、臨界制動という)とすることが最適であるからである。
【0019】
フィードバック系減衰係数決定部320は、相対速度ΔV(t)を入力し、相対速度ΔV(t)に応じて図5(b)に示すマップにより車間制御フィードバック系の固有振動数ωnDBを決定する。図5(b)に示す特性は、相対速度ΔV(t)の絶対値が小さい場合には固有振動数ωnDBを小さくすることで、緩慢に制御し、大きい場合には大きくすることで、先行車の挙動に遅れが発生しないように速い制御としている。
【0020】
フィードバック系固有振動数第1補正部330は、実車間距離L(t)を変数として予め設定された図6に示すマップから、車間制御フィードバック系の固有振動数ωnDBを補正する補正係数CD1を求め、固有振動数ωnDBを補正して、補正後の固有振動数ωnDBC1を出力する。すなわち、ωnDBC1は下式で示される。
ωnDBC1=CD1・ωnDB
補正係数CD1は、図6から明らかなように、車間距離が第1の所定値(例えば20m程度)より短い場合は、補正係数CD1を1以上の値として、固有振動数ωnDBを大きくすることにより、車間距離制御の応答性が早くなるようにしている。また、車間距離が第2の所定値(例えば90m程度)より長い場合は、補正係数CD1を1未満の値とし、固有振動数ωnDBを小さくして、車間距離制御の応答性が遅くなるようにしている。
【0021】
フィードバック系固有振動数第2補正部331は、車間時間d(t)と車間制御フィードバック系の固有振動数ωnDBC1とを入力し、前回の車間時間d(t−1)と今回の車間時間d(t)とが異なる場合、つまり、運転者が車間時間の設定を変更したと判断された場合には、1秒間のあいだ、補正係数CD2の値を予め設定された1から1.5に変更することによって、車間制御フィードバック系の固有振動数を一時的に大きくする。通常、補正係数CD2の値は1であり、車間時間の設定が変更された場合のみ、1より大きい値を取ることによって、車間制御フィードバック系の固有振動数を一時的に大きくし、車間時間の変更を速やかに行えるようにするためである。補正後の固有振動数ωnDBCは下式で示される。
ωnDBC=CD2・ωnDBC1
なお、上記フィードバック系固有振動数第2補正部331では、車間距離フィードバック系の固有振動数(ゲイン)を大きくすることによって応答性を向上させているが、この構成では先行車が急な挙動をした場合に、過敏に反応することがあり、乗り心地が多少悪くなるおそれがある。その点、前記車間距離指令値決定部112で説明したように、車間時間が変更された場合に、新たな車間時間dTLよりも一時的に車間時間の値を大きくまたは小さくし、その後に目標とする車間時間dTLに収束させるように構成した場合には、上記のような過敏に反応するおそれがない。
フィードバック系減衰係数補正部311は、車速制御部500の駆動トルク指令値算出部530で算出された外乱推定値d(t)を入力し、かつ、フィードバック系減衰係数決定部310からζnDBを入力し、外乱推定値d(t)から路面勾配量φ(t)を推定する。具体的には、図7に示すように、外乱推定値d(t)が負の場合は、登坂路であり、正の場合は、降坂路として、路面勾配量φ(t)を求める。そして、図8に基づいて補正係数CD3を求め、車間制御フィードバック系の減衰係数ζnDBを補正して、減衰係数ζnDBCの値を決定する。すなわち、減衰係数ζnDBCは下式で示される。
ζnDBC=ζnDB・CD3
D3は、図8からも明らかなように、路面勾配量φ(t)が所定の範囲にある場合は、CD3を1とし、路面勾配量φ(t)の絶対値が大きい程、CD3の値を1より大きくしている。
【0022】
フィードバック定数決定部340は、車間制御フィードバック系の減衰係数ζnDBCと固有振動数ωnDBCを入力し、フィードバック定数f、fを下式から算出する。
=ωnDBC ・T
=2・ζnDBC・ωnDBC・T−1
この結果、車間距離L(t)が短いほど、補正係数CD2が小さくなり、固有振動数ωnDBが大きくなって、フィードバック係数f、fが共に大きくなり、減速が早くなる。このとき、車間距離L(t)が短い場合に、固有振動数ωnDBCを大きくしてフィードバック係数f、fを大きくする代わりに、車間距離に応じて直接、車間制御フィードバック定数fを補正しても良い。
また、道路の傾斜が大きいほど、補正係数CD3は大きくなり、減衰係数ζnDBCも大きくなってフィードバック定数fも大きくなり、減速が早くなる。
【0023】
なお、車間制御フィードバック系の固有振動数ζnDBを変更するのではなく、車間距離指令値演算部110の目標車間距離L(t)を大きくしてもよい。具体的には、車間距離指令値演算部110が、車速制御部500の駆動トルク指令値算出部530で算出された外乱推定値d(t)を入力し、外乱推定値より図7から路面勾配量φ(t)を推定し、図9のマップから補正係数CD4(>1)を決定し、図2で示した車間距離指令値決定部112におけるL(t)に上記の補正係数CD4を乗算して目標車間距離L(t)を算出してもよい。すなわち、
(t)=〔V(t)+ΔV(t)〕・d・CD4
この場合には、路面の傾斜角度などを表す外乱推定値d(t)が大きいほど補正係数CD4が大きくなるため、目標車間距離L(t)が大きくなる。よって、減速の開始が早くなる。
【0024】
次に、車速制御部500について説明する。
図10は、車速制御装置の全体の構成を示すブロック図である。以下、図10における各ブロックの構成と動作を説明する。
まず、図示しないシステムスイッチをオンにすると装置全体の電源が投入され、待機状態となる。そしてこの状態においてセットスイッチ20がオンにされると制御が開始される。
車速制御部500(破線で囲んだ部分)は、マイクロコンピュータとその周辺部品から構成される。なお、車速制御部500内部のブロックはコンピュータの演算内容をブロックに別けて表示したものである。
【0025】
車速制御部500内において、車速指令値決定部510では、制御周期10ms毎に車速指令値VCOM(t)を算出する。なお、(t)を付した符号は時間的に変化する値であることを意味する。ただし、図面では(t)を省略して表示していることもある。
【0026】
車速指令最大値設定部520は、セットスイッチ20が押されたときの自車速V(t)を車速指令最大値VSMAX(目標車速)として設定する。なお、自車速V(t)は車速センサ10がタイヤの回転数から検出した自車両の実際の速度である。また、上記のようにセットスイッチ20によって車速指令最大値VSMAXが設定された後、コーストスイッチ30が1回押される毎に、車速指令最大値設定部520は、車速指令最大値VSMAXを5km/hずつ低い値に設定する。すなわち、n回押すとn×5km/h(押し続けた場合は押している時間をtとすると、例えばt/10ms×5km/h)だけ低い値に設定される。また、上記のようにセットスイッチ20によって車速指令最大値VSMAXが設定された後、アクセラレートスイッチ40が1回押される毎に、車速指令最大値設定部520は、車速指令最大値VSMAXを5km/hずつ高い値に設定する。すなわち、n回押すとn×5km/h(押し続けた場合は押している時間をtとすると、例えばt/10ms×5km/h)だけ高い値に設定される。
【0027】
次に、横G車速補正量算出部580は、操舵角センサ100から出力されるハンドルの操舵角θ(t)と自車速V(t)とを入力し、後述する車速指令値を横方向の加速度(以下、横Gと記す)に応じて補正するための車速補正量VSUB(t)を演算する。なお、横G車速補正量算出部580は、具体的には図11に示すように、操舵角信号ローパスフィルタ(以下、操舵角信号LPF部と記す)581、横G算出部582、車速補正量算出マップ583より構成される。
【0028】
まず、操舵角信号LPF部581は、自車速V(t)と操舵角θ(t)を入力し、操舵角LPF値θLPF(t)を演算する。θLPFは以下の式で表される。
θLPF(t)=θ(t)/(TSTR・s+1)
ただし、sは微分演算子(以下の式でも同)
ここで、LPFの時定数TSTRは、TSTR=1/(2π・fc)
であらわされ、LPFのカットオフ周波数fcは、図12に示すような自車速V(t)に対するカットオフ周波数fcのマップによって決定される。このマップは、高車速域ほどカットオフ周波数fcが低く設定されている。例えば50km/hに比べて100km/hの方が低い値をとる。
【0029】
横G算出部582は、操舵角LPF値θLPF(t)と自車速V(t)を入力し、以下の式に従って横Gの値Y(t)を算出する。
Figure 0003780820
ただし、Wは車両のホイルベース、Nはステアリングギア比、Aはスタビリティファクタである。
【0030】
なお、上記の式は、操舵角から横Gを検出する場合を示したが、ヨーレイトセンサを使用してヨーレイトψ(t)にローパスフィルタを施して横Gを検出する場合は下記の式を用いればよい。
(t)=V(t)・ψLPF
ψLPF=ψ(t)/(TYAW・s+1)
ただし、TYAWはローパスフィルタの時定数であり、自車速V(t)が大きな値となるほど大きな値をとる。
【0031】
車速補正量算出マップ583は、横Gに応じて車速指令値を補正するための車速補正量VSUB(t)を算出する。車速補正量VSUB(t)は、横Gによって決まる補正係数に所定の車速指令値変化量制限値〔例えば0.021(km/h)/10(ms)=0.06G〕を乗じて算出する。なお、上記の車速指令値変化量制限値の値は、後記図15に示す車速指令値変化量ΔVCOM(t)の最大値に等しい。
SUB(t)=補正係数×0.021(km/h)/10(ms)
後述するように、最終的に車速を制御する値となる車速指令値VCOM(t)を演算する際には、上記の車速補正量VSUB(t)を減算項として付加している。したがって車速補正量VSUB(t)の値が大きいほど、車速指令値VCOM(t)は制限されることになる。
【0032】
上記の補正係数は、図13に示すように横Gの値Y(t)が大きいほど大きくなる。これは、横Gが大きいほど車速指令値VCOM(t)の変化に大きな制限を設けるためである。ただし、図13に示すように横Gが0.1G以下の場合は、車速指令値の補正の必要がないと判断して補正係数をゼロとしている。また、横Gが0.3G以上となる場合は、通常の使用では発生しない値である上に、横G検出値が誤って大きくなった場合に補正量が過大となることを防ぐため、0.3G以上は補正係数を一定(例えば2)にしている。
【0033】
後記車速指令値決定部510で詳細を説明するように、前記のアクセラレートスイッチ40の操作によって目標車速が上昇した場合、すなわち、加速が要求された場合には、現在の自車速V(t)に、車速指令値変化量ΔVCOM(t)を加算し、車速補正値VSUB(t)を減算することによって車速指令値VCOM(t)を算出している。したがって、車速指令値変化量ΔVCOM(t)が車速補正値VSUB(t)より大であれば加速し、小であれば減速することになる。そして前記のように車速補正値VSUB(t)は、車速指令値変化量制限値(車速指令値変化量の最大値)に図13に示すような補正係数を乗算して求めているので、例えば車速指令値変化量制限値=車速指令値変化量の場合には、補正係数が1のとき(図13の例ではY(t)=0.2の場合)には加速分と減速分とが等しくなって現在の車速が維持される。つまり、この例では、横Gの値Y(t)が0.2より小の場合には加速され、大の場合には減速されることになる。また、前記のコーストスイッチ30の操作によって目標車速が低下した場合、すなわち、減速が要求された場合には、現在の自車速V(t)から車速指令値変化量ΔVCOM(t)と車速補正値VSUB(t)とを減算することによって車速指令値VCOM(t)を算出している。したがってこの場合には常に減速することになるが、減速の程度は車速補正値VSUB(t)が大きいほど、すなわち横Gが大きいほど大きくなる。なお、車速指令値変化量制限値についての上記の値0.021(km/h)/10(ms)は、高速道路での使用を想定した値である。
【0034】
上述したように、車速補正値VSUB(t)は、横Gに応じた補正係数と車速指令値変化量制限値との積により求め、横Gが大きくなると減算項(車速補正値)の値が大きくなって横Gが大きくならないように車速が制御される。しかし、図11の操舵角信号LPF部581で説明したように、高車速域ほど、カットオフ周波数fcを低くしているので、LPFの時定数TSTRは大きくなり、操舵角LPF値θLPF(t)が小さくなって、横G算出部582で推定される横Gも小さくなり、その結果、車速補正量算出マップ583を介して得られる車速補正値VSUB(t)が小さくなるため、操舵角による車速指令値への補正(加速減少方向への補正)がかかりにくくなる。
【0035】
この点について詳述すると、操舵角に対する車両応答の固有振動数ωnSTRの特性は、以下の式で示される。
ωnSTR=(2W/V)√〔Kf・Kr・(1+A・V )/m・I〕
ただし、Kf、Krは前後輪タイヤコーナリングパワー(1輪分)、Wはホイールベース、mは車両質量、Aはスタビリティファクタ、Iは車両ヨー慣性モーメントである。
固有振動数ωnSTRの特性は、図14に示すように車速が上がるに従って固有振動数ωnSTRが低くなり、操舵角に対する車両応答性が悪くなるのに対し、車速が下がるに従って固有振動数ωnSTRが高くなり、操舵角に対する車両応答性が良くなることがわかる。つまり、高車速域ほど、操舵を行っても横Gが発生しにくく、また低車速域程、少しの操舵でも横Gが発生しやすくなる。そのため、図12に示したように高車速域程カットオフ周波数fcを低くすることで、応答性を遅くして操舵角による車速指令値に対する補正がかかりにくくしている。
次に、図10の車速指令値変化量決定部590は、自車速V(t)と車速指令最大値VSMAXとの偏差の絶対値に基づき、図15に示すマップにより車速指令値変化量ΔVCOM(t)を算出する。このマップは、偏差の絶対値が或る範囲内(図15中の範囲B)では、車速制御中止判定部610で述べる加速度制限値αを超えない程度に、絶対値が大きいほど車速指令値変化量ΔVCOM(t)を大きくして、なるべく速やかに加速または減速する。そして偏差の絶対値が小さいほど加速度感が損なわれない程度に、車速指令値変化量ΔVCOM(t)を小さくして、車速指令最大値VSMAXをオーバーシュートしないようにしている。偏差の絶対値が大きい範囲(図15中の範囲A)では、加速度制限値αを超えない値で一定値(たとえば0.06G)とする。また、小さい範囲(図15中の範囲C)では一定値(たとえば0.03G)とする。
【0036】
さらに、車速指令値変化量決定部590では、前記の横G車速補正量算出部580から出力される車速補正値VSUB(t)をモニタしており、車速補正値VSUB(t)の値がゼロから一旦ゼロ以外になった後に再びゼロに戻った場合には、カーブ路の走行が終了したと判定するとともに、自車速V(t)と車速指令最大値VSMAXが等しくなったかどうかを検出している。
そして、カーブ終了と判定された場合は、上述した自車速V(t)と車速指令最大値VSMAXとの偏差の絶対値に基づいて図15を使用して車速指令値変化量ΔVCOM(t)を決定することに代えて、カーブが終了したと判定された時の自車速V(t)から車速指令値変化量ΔVCOM(t)を決定する。その時の特性は図15と同様な傾向を示す特性を用いる。すなわち、図15の横軸を、|V(t)―VSMAX|の代わりに、自車速V(t)に変更したマップ(図示省略)を用い、自車速V(t)が小さいほど車速指令値変化量ΔVCOM(t)は小さな値となるように設定された特性になっている。そして、この処理は、自車速V(t)と車速指令最大値VSMAXが等しくなると終了する。
【0037】
なお、カーブが終了したと判定された時の実際の自車速V(t)から車速指令値変化量ΔVCOM(t)を決定する上述した例に代えて、車速補正値VSUB(t)がゼロ以外の値になった場合に、カーブ路走行が開始された判定し、その時の自車速V(start)を予め記憶しておき、かつカーブ路が終了したと判定されたときの自車速V(end)との差ΔV=V(start)―V(end)(すなわち車速指令値の補正による車速落ち込み量)の大きさから車速指令値変化量ΔVCOM(t)を決定しても良い。この時の特性は図15と逆の傾向を示す特性を用いる。すなわち、図15の横軸を、|V(t)―VSMAX|の代わりに、車速差ΔVに変更したマップ(図示省略)を用い、車速差ΔVが大きいほど車速指令値変化量ΔVCOM(t)が小さな値をとるように設定されている。なお、この処理は、自車速V(t)と車速指令最大値VSMAXが等しくなると終了する。
【0038】
カーブ路走行時には、横Gの値が過大にならないように車速指令値が補正されるので、一般に車速が低下する。そのため上記のように、カーブ路の走行が終了し、車速が落ち込んだ後は、カーブ路終了時の自車速V(t)、またはカーブ路開始時と終了時(車速指令値の補正により車速が落ち込む前と後)の車速差ΔVの大きさに応じて、車速指令値変化量ΔVCOM(t)を変更するように構成している。
【0039】
なお、カーブ路終了時に車速が低いか、または車速差ΔVが大きい場合は、そのカーブ路の曲率半径が小さい(カーブがきつい)ために車速が落ち込んだと推定される。そしてカーブ路が連続している場合(例えばS字カーブ等)には上記のような状況になる可能性が大きい。そのため、カーブ路終了時の車速が低いか、または車速差ΔVが大きい場合には、車速指令値変化量ΔVCOM(t)を小さくして車速指令値による車速制御の加速度を小さくする。これにより、連続したカーブ(S字路)において、カーブを回る毎に大きな加速が行われることがなくなる。同様に、カーブ路終了時に車速が高いか、または車速差ΔVが小さい場合には、単一のカーブであると判断し、車速指令値変化量ΔVCOM(t)を大きくする。これにより、単一のカーブ終了後には直ちに加速されるので、加速が緩慢になって運転者に違和感を与えるというおそれがなくなる。
【0040】
以下、本発明の要点について説明する。
上記のように車速指令値変化量決定部590では、図15に示すように実車速V(t)と変更された後の設定車速(上記の場合には車速指令最大値VSMAX)との偏差が大きい場合には車速指令値変化量ΔVCOM(t)を大きくするように構成している。したがって、前記図1に示した車間距離制御部105からの信号に基づいて先行車に追従走行している場合であって、車間距離制御における設定車速と実車速とが異なる状況で走行していた場合には、変更された設定車速と実車速との偏差に応じて車速指令値変化量ΔVCOM(t)が設定される。つまり、仮に変更前と変更後の設定車速が大幅に異なっていた場合でも、実車速V(t)と変更後の設定車速との偏差が小さい場合には、小さな車速指令値変化量ΔVCOM(t)(加速度または減速度)で車速が変化するので、運転者が車速を少し下げたいという場合に運転者の感覚に一致させることが出来る。また、実車速と設定車速との偏差が大きい場合には、大きな車速変化量で車速が変化するので、変更後の新しい設定車速に速やかに収束させることができ、例えば車速を大きく下げたいという運転者の感覚に適合した制御を行うことが出来る。
以上が本発明の要点の説明である。
【0041】
次に、図10の車速指令値決定部510は、自車速V(t)、車速補正値VSUB(t)、車速指令値変化量ΔVCOM(t)および車速指令最大値VSMAXを入力し、以下のようにして車速指令値VCOM(t)を算出する。
(1)車速指令最大値VSMAXが自車速V(t)より大きい場合、つまり、アクセラレートスイッチ40(またはリジュームスイッチ)の操作による加速要求があった場合
Figure 0003780820
つまり、車速指令最大値VSMAXとV(t)+ΔVCOM(t)−VSUB(t)とのうちの小さい方を選択して車速指令値VCOM(t)とする。
(2)VSMAXとV(t)が等しい場合、つまり、一定車速を維持している場合
COM(t)=VSMAX−VSUB(t)
つまり、車速指令最大値VSMAXから車速補正値VSUB(t)を減算して車速指令値VCOM(t)とする。
(3)車速指令最大値VSMAXが自車速V(t)より小さい場合、つまり、コーストスイッチ30の操作による減速要求があった場合
COM(t)=max〔VSMAX、V(t)−ΔVCOM(t)−VSUB(t)〕
つまり、車速指令最大値VSMAXとV(t)−ΔVCOM(t)−VSUB(t)とのうちの大きい方を選択して車速指令値VCOM(t)とする。
【0042】
ただし、車速指令値決定部510は、図1に示した車間距離制御部105から車間制御用車速指令値V(t)と車間距離センサ15からの先行車フラグFを入力し、次のような処理を行う。
(4)先行車フラグFを入力した場合
先行車フラグFが入力された場合には、車間制御用車速指令値V(t)と車速指令最大値VSMAXとを比較し、小さい方の値を車速指令値V(t)とし、VCOM(t)を下記の式で算出する。
COM(t)=V(t)−VSUB(t)
上記のようにして車速指令値VCOM(t)が決定され、これに応じて車速を制御する。
【0043】
次に、駆動トルク指令値算出部530は、車速指令値VCOM(t)と自車速V(t)を入力し、以下に示すようにして駆動トルク指令値dFC(t)を演算する。なお、図16は駆動トルク指令値算出部530の構成の一例を示すブロック図である。
まず、車速指令値VCOM(t)を入力とし、自車速V(t)を出力とした場合の伝達特性G(s)は、下式で表すことができる。
(s)=1/(T・s+1)・e(−Lv・s)
ただし、Tは1次遅れ時定数、Lはパワートレイン系の遅れによる無駄時間である。
【0044】
また、制御対象の車両モデルは、駆動トルク指令値dFC(t)を操作量とし、自車速V(t)を制御量としてモデル化することによって、車両のパワートレインの挙動は下式に示す簡易線形モデルで表すことができる。
(t)=1/(m・Rt・s)e(−Lv・s)・dFC(t)
ただし、Rtは、タイヤの有効回転半径、mは車両質量である。
このように駆動トルク指令値dFC(t)を入力とし、自車速V(t)を出力とする車両モデルは、1/sの形となるので積分特性を有することになる。
【0045】
なお、制御対象の特性にはパワートレイン系の遅れにより無駄時間Lも含まれ、かつ、使用するアクチュエータやエンジンによって無駄時間Lの値が変化する非線形特性が、後記のごとき近似ゼロイング手法による外乱推定器を用いることにより、駆動トルク指令値dFC(t)を入力とし、自車速V(t)を出力とする車両モデルは、上記と同じ式で表すことができる。
【0046】
ここで、車速指令値VCOM(t)を入力とし、自車速V(t)を出力とした場合の制御対象の応答特性を、予め定めた一次遅れTと無駄時間L要素をもつ伝達特性G(s)の特性に一致させると、図16に示すようなC(s)、C(s)およびC(s)を用いて、以下のように定めることができる。ただし、C(s)、C(s)は近似ゼロイング手法による外乱推定器を示し、外乱やモデル化誤差による影響を抑制するように働く補償器であり、C(s)はモデルマッチング手法による補償器を示す。
補償器C(s)=e(−Lv・s)/(T・s+1)
補償器C(s)=(m・Rt・s)/(T・s+1)
このとき、外乱推定値d(t)は、
(t)=C(s)・V(t)−C(s)・dFC(t)
となる。
【0047】
また、制御対象の無駄時間を無視して、規範モデルG(s)を時定数Tの1次ローパスフィルタとすると、補償器C(s)は次のような定数となる。
補償器C(s)=m・Rt/T
以上のC(s)、C(s)、C(s)の補償器により、駆動トルク指令値dFC(t)は次式によって算出される。
Figure 0003780820
上記の駆動トルク指令値dFC(t)に基づいて駆動トルクを制御する。すなわち、図17に示すような予め計測されたエンジン非線形定常特性マップを用いて駆動トルク指令値dFC(t)に実駆動トルクdFA(t)を一致させるようなスロットル開度指令値を算出し、また、エンジンの負の駆動トルクでは足りない場合には変速機やブレーキで補うように分配する。このように、スロットル開度、変速機、ブレーキをコントロールすることにより、エンジン非線形定常特性を線形化することができる。
【0048】
なお、無段変速機70が、ロックアップ付き流体コンバータを有している場合には、無段変速機70のコントローラからロックアップ状態信号LUを入力し、それによってアンロックアップ状態であると判断された場合には時定数T(図16のC(s)、C(s)の分母に記載)を大きくする。これにより、車速制御フィードバック補正量(所望の応答特性を維持するためのフィードバックループの補正係数)が小さくなり、ロックアップ時に比べてアンロックアップ時に遅れる制御対象の応答特性に合わせることができ、ロックアップ時、アンロックアップ時ともに車速制御系の安定性が確保されるようになる。
【0049】
また、図16に示した駆動トルク指令値演算部530では、制御対象の伝達特性を補償するための補償器C(s)および補償器C(s)と設計者が定めた応答特性を達成するための補償器C(s)で構成していたが、図21に示すように、設計者が定めた任意の応答特性になるように補償するための前置補償器C(s)、設計者が定めた任意の応答特性を演算する規範モデル演算部C(s)、および規範モデル演算部C(s)の応答特性からのずれ量(目標車速−自車速)を補償するためのフィードバック補償器C(s)’によって構成することもできる。
【0050】
前置補償器C(s)は車速指令値VCOM(t)に対する実際の自車速V(t)の伝達関数G(s)を達成するために、下記の式で示すフィルタを用いて基準駆動トルク指令値dFC1(t)を演算する。
FC1(t)=m・R・s・VCOM(t)/(T・s+1)
規範モデル演算部C(s)は、車速制御系の目標応答V(t)を伝達関数G(s)と車速指令値VCOM(t)から演算する。すなわち
(t)=G(s)・VCOM(t)
である。
【0051】
フィードバック補償器C(s)’は、目標応答V(t)と実際の自車速V(t)とに偏差が生じた場合に、この偏差をなくすように駆動トルク指令値補正量d(t)’を演算する。すなわちd(t)’は下記の式で示される。
(t)’=〔(K・s+K)/s〕〔V(t)−V(t)〕
ただし、Kはフィードバック補償器C(s)’の比例制御ゲイン、Kはフィードバック補償器C(s)’の積分制御ゲインである。なお、駆動トルク指令値補正量d(t)’は前記図16で説明した外乱推定値d(t)に相当する。
このとき、ロックアップ状態信号LUによってアンロックアップ状態であると判断された場合には補正量d(t)’が演算される。すなわち、
(t)’=〔(K’・s+K’)/s〕〔V(t)−V(t)〕
である。ただし、
’<K
’<K
であるため、フィードバックゲインは小さくなる。したがって、駆動トルク指令値dFC(t)は、基準駆動トルク指令値dFC1(t)と駆動トルク指令値補正量d(t)’から、
FC(t)=dFC1(t)+d(t)’
と演算される。このようにロックアップ時に比べてアンロックアップ時にはフィードバックゲインを小さくしているため、駆動トルク指令値補正量の変化速度が小さくなり、ロックアップ時に比べてアンロックアップ時に遅れる制御対象の応答特性に合わせることができるので、ロックアップ時、アンロックアップ時ともに車速制御系の安定性が確保されるようになる。
【0052】
次に、図10のアクチュエータ駆動系について説明する。
変速指令値算出部540は、駆動トルク指令値dFC(t)、自車速V(t)、コーストスイッチ30の出力およびアクセルペダルセンサ90の出力を入力し、以下のように変速指令値DRATIO(t)を演算して、無段変速機70へ出力する。
(1)コーストスイッチ30のオフ時
自車速V(t)と駆動トルク指令値dFC(t)とに基づいて、図18に示すようなスロットル開度推定マップからスロットル開度推定値TVOESTIを算出する。次にスロットル開度推定値TVOESTIと自車速V(t)とに基づいて、図19に示すようなCVT変速マップからエンジン回転数指令値NIN_COMを算出する。そして、変速指令値DRATIO(t)は、自車速V(t)とエンジン回転数指令値NIN_COMより、下式から求める。
DRATIO(t)=NIN_COM・2π・Rt/〔60・V(t)・Gf〕
ただし、Gfはファイナルギア比である。
【0053】
(2)コーストスイッチ30のオン時
コーストスイッチ30をオンにして車速指令最大値VSMAXを下げている場合は、変速指令値DRATIO(t)として前回の変速指令値DRATIO(t−1)を保持する。そのため、コーストスイッチ30を連続的にオンした場合でも、変速指令値はコーストスイッチ30をオフするまで前回値、つまりコーストスイッチ30のオン直前の値を保持するため、シフトダウンはされない。従って、設定車速を大きく下げた後にアクセラレートスイッチ40により設定車速を戻す場合、加速するためにスロットル開度は開く方向に制御されても、シフトダウンされていない状態ではエンジン回転数が急激に高くなることはなく、運転者に与える騒音の発生を防止できる。
【0054】
図10の実変速比算出部550は、エンジン回転センサ80がエンジンの点火信号から検出したエンジン回転数N(t)と、自車速V(t)とにより、下式に従って、実変速比RATIO(t)を算出する。
RATIO(t)=N(t)/〔V(t)・Gf・2π・Rt〕
図10のエンジントルク指令値算出部560は、駆動トルク指令値dFC(t)とRATIO(t)から、下式に従って、エンジントルク指令値TECOM(t)を算出する。
TECOM(t)=dFC(t)/〔Gf・RATIO(t)〕。
【0055】
図10の目標スロットル開度算出部570は、エンジントルク指令値TECOM(t)とエンジン回転数N(t)に基づいて、図20に示すようなエンジン全性能マップより、目標スロットル開度TVOCOMを算出し、スロットルアクチュエータ60へ出力する。
【0056】
図10のブレーキ圧指令値算出部630は、エンジン回転数N(t)に基づいて、図20に示すエンジン全性能マップからスロットル全閉時のエンジンブレーキトルクTECOM’を求め、エンジンブレーキトルクTECOM’とエンジントルク指令値TECOM(t)から次式によってブレーキ圧指令値REFPBRK(t)を算出し、ブレーキアクチュエータ50へ出力する。
REFPBRK(t)=(TECOM−TECOM’)・Gm・Gf/
{4・(2・AB・RB・μB)}
ただし、Gmは自動変速機の変速比、ABはホイルシリンダ力(シリンダ圧×面積)、RBはディクスロータ有効半径、μBはパッド摩擦係数である。
【0057】
次に、車速制御の中断処理について説明する。
図10の車速制御中断判定部620は、アクセルペダルセンサ90で検出されたアクセル操作量APOを入力し、アクセル操作量APOと所定値とを比較する。この所定値は、目標スロットル開度算出部570から入力した目標スロットル開度TVOCOMに相当するアクセル操作量APO、つまりその時点における自動制御された車速に相当したアクセル開度の値である。そして、アクセル操作量APOが上記の所定値より大きい場合、つまり、運転者がアクセルペダルを踏んだことにより、その時点におけるスロットルアクチュエータ60によるスロットル開度以上にスロットル開度が開かれた場合には、車速制御中断信号を出力する。
【0058】
そして、車速制御中断信号により、駆動トルク指令値演算部530および目標スロットル開度算出部570は、それまでの演算を初期化するとともに、無段変速機70は変速機コントローラにより定速走行変速マップから通常走行用変速マップへの切り替えを行う。つまり、自動制御による定速走行を中断して運転者のアクセル操作に対応した通常走行制御とする。
【0059】
無段変速機70は通常走行用変速マップと定速走行用変速マップを持ち、定速走行制御中断時には、車速制御装置から変速機に対して、定速走行用変速マップから通常走行用変速マップへの切替え指令を出力する。ここで、通常走行用変速マップは、例えば、加速時はシフトダウンが緩慢にならないように急峻な(応答性の良い)制御マップに、定速走行用変速マップはゆったり感が出せるように緩やかな制御マップにしておくことにより、定速走行から通常走行切替え時に運転者に違和感を与えないようにしている。
【0060】
また、車速制御中断判定部620は、アクセル操作量AP0が所定値未満に戻ったときに車速制御中断信号の出力を停止し、かつ、自車速V(t)が車速指定最大値VSMAXよりも大きい場合には、減速要求を駆動トルク指令値算出部530に出力する。そして、駆動トルク指令値算出部530は、車速制御中断判定部620からの車速制御中断信号の出力が停止され、かつ減速要求を入力した場合には、演算した駆動力指令値dFC(t)を、スロットルで実現するように、目標スロットル開度算出部570で算出されたスロットル開度で減速制御されるが、スロットル全閉だけでは制動力が足りない場合は、スロットルと変速比で実現するように、降坂路、平坦路の別に関わらず、変速指令値算出部540から変速比指令値DRATIO(シフトダウン要求)を出力して、無段変速機70のシフトダウン制御を行い、制動力不足を補うように制御する。
【0061】
また、駆動(この場合は制動)力指令値dFC(t)が大きく、無段変速機のシフトダウンによる制動力でも上限にある場合には、平坦路では通常ブレーキにより制動力を補うが、降坂路では、駆動トルク指令値算出部530からブレーキ圧指令値算出部630へのブレーキ制御禁止信号Bを出力し、それによって降坂路でのブレーキ制御を禁止している。このように制御する理由は次のとおりである。すなわち、降坂路ではブレーキで減速を行うと連続してブレーキをかけることが必要になり、ブレーキフェード等の問題を生じるおそれがある。そのため、上記のように降坂路ではスロットル開度と無段変速機のシフトダウン制御による減速のみで必要な制動力を得るように制御することにより、ブレーキを用いずに制動するように構成している。
【0062】
以上のような方法により、運転者が一時的にアクセルペダルを踏んで加速することによって定速走行制御が中断した後、再び定速走行制御に復帰した場合においても、変速機のシフトダウンによって、スロットル開度全閉制御のみの減速度よりも大きな減速度を得られるようになるため、目標車速への収束時間を短くすることができる。また、無段変速機を使うことによって、長い下り坂でも変速ショックが発生することなく、スロットル開度全閉制御のみの減速度よりも大きく、かつ、車速指令値変化量ΔVCOM(t)に基づいた駆動トルクを実現するようにスロットルおよび変速比が制御されるため、所定の減速度を保ったまま、スムーズに減速できるようになる。なお、通常の有段変速機ではシフトダウン時にショックが生じるので、従来は上記のように減速制御要求が大きい場合でもスロットル制御のみを行い、変速機のシフトダウン制御はしていなかった。しかし、無段変速機を用いればスムーズにシフトダウン出来るので、上記のごとき制御を行うことにより、スロットル開度全閉制御のみの減速度以上の大きな減速度で円滑に減速することができる
次に、車速制御の中止処理について説明する。
図10の駆動輪加速度算出部600は、自車速V(t)を入力し、下式によって駆動輪加速度αOBS(t)を演算する。
αOBS(t)=〔KOBS・s/(TOBS・s+s+KOBS)〕・V(t)
ただし、KOBSは定数、TOBSは時定数である。
なお、上記の自車速V(t)は、前記のようにタイヤ(駆動輪)の回転速度から算出した値であるから、この値自体が駆動輪の回転速度に対応した値であり、上記の駆動輪加速度αOBS(t)は駆動輪速度V(t)から車速の変化量(駆動輪加速度)を求めた値になっている。
【0063】
そして車速制御中止判定部610は、駆動輪加速度演算部600で求めた駆動輪加速度αOBS(t)と所定の加速度制限値α(この加速度は車速の変化量に対応する値であり、例えば0.2G)とを比較し、駆動輪加速度αOBS(t)が加速度制限値αを超えた場合に、車速制御中止信号を出力する。この車速制御中止信号により、駆動トルク指令値算出部530および目標スロットル開度算出部570は、その演算を初期化する。なお、車速制御が一旦中止されると、セットスイッチ20を再度オンにするまで、車速制御は復帰しない。
【0064】
図10の装置は、車速指令値変化量決定部590で決定した車速指令値変化量ΔVCOMに基づいた車速指令値で車速を制御するシステムであるため、通常の状態では前記の車速指令値変化量制限値〔例えば0.06G=0.021(km/h)/10(ms)〕を超える車速変化は生じない。したがって駆動輪加速度αOBS(t)が上記の車速指令値変化量制限値に対応した値よりも大きい所定の加速度制限値α(例えば0.2G)を超えた場合というのは、駆動輪にスリップが発生した可能性が高い。このように駆動輪加速度αOBS(t)と予め定めた所定の加速度制限値αを比較することにより、スリップ発生を検出することができる。そのため、TCS(トラクションコントロールシステム)等のスリップ抑制装置等で加速度センサを別途設けたり、駆動輪と従動輪との回転数差を検出したりすることなく、通常の車速センサ(駆動輪の回転速度を検出するセンサ)からの出力で駆動輪加速度αOBSを求めることにより、スリップ判断と、制御の中止判断を行うことができる。また、車速指令値変化量ΔVCOMを大きくすることで目標車速への応答性を向上させることができる。なお、駆動輪加速度α BS(t)と所定値との比較から定速走行制御中止を判断する代わりに、車速指令値変化量決定部590で演算している車速指令値変化量ΔVCOMと駆動輪加速度αOBS(t)との差が所定値以上になった場合に制御を中止させるようにしても良い。
【0065】
また、図10の車速指令値決定部510において、入力したフラグFにより、先行車を検出しているか否かを判定し、先行車を検出していないと判定した場合は、自身で演算した車速指令値VCOM(t)が、入力した自車速V(t)よりも高く、かつ、減速方向に変化した場合(VSMAX<Vか否か)を判定する。そして、車速指令値VCOMを自車速V(t)もしくはそれ以下の所定の速度VCOM(t)(例えば自車速から5km/hを引いた値)に設定するとともに、図16に示した駆動トルク指令値算出部530における、C(s)・V(t)−C(s)・dFC(t)=d(t)の出力をゼロにするように、C(s)とC(s)の積分器の初期値を自車速V(t)とする。この結果C(s)の出力もC(s)の出力もV(t)となり、結果として外乱推定値d(t)は、ゼロとなる。
更に、上述の制御を行うタイミングとして、VCOM(t)の変化率であるΔVCOM(t)が所定値(0.06G)より減速側に大きかった場合とする。これにより、不要な初期化(V(t)→VCOM(t)の初期化と積分器の初期化)が減少するので、減速ショックが少なくなる。
上記のように車速指令値(目標車速に到達するまでの時々刻々の制御指令値)が実車速よりも大きく、かつ、車速指令値の時間的変化が減速方向に変化した場合に、車速指令値を実車速もしくはそれ以下の所定の車速に変更することにより、迅速に目標車速に収束させることが出来る。また、前記の設定した実車速もしくはそれ以下の車速を用いて駆動トルク指令値算出部530を初期化することにより、制御の継続性を保つことができる。
【0066】
なお、運転者が設定した先行車との目標車間距離を保って走行するように、実車間距離を目標車間距離に一致させるように制御する車速制御装置においては、上記車速指令値が上記目標車間距離を保つように設定されるが、入力したフラグFにより先行車を検出していると判定した場合は、実車間距離が所定値以下で、かつ、車速指令値変化量ΔVCOM(t)が減速側に所定値(0.06G)より大きかった場合に、車速指令値VCOM(t)の変更〔V(t)→VCOM(t)〕と駆動トルク指令値算出部530(具体的にはその中の積分器)の初期化を行う。このように構成することにより、迅速に目標車間距離に収束させることが出来るので、先行車に近寄り過ぎるというおそれがなくなり、かつ、制御の継続性を保つことができる。また、これにより、不要な初期化〔V(t)→ΔVCOM(t)の初期化と積分器の初期化)が減少するので、減速ショックが少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車間距離制御装置の全体の構成を示すブロック図。
【図2】車間距離指令値演算部110の構成を示すブロック図。
【図3】設定車間時間位相進み補償部111の伝達関数のステップ応答を示す特性図。
【図4】車速制御系フィードバック特性決定部300の構成を示すブロック図。
【図5】車速制御系フィードバック特性決定部300における各係数を決定するための特性図であり、(a)は車間制御フィードバック系減衰係数ζnDBを決定するためのマップ、(b)は車間制御フィードバック系の固有振動数ωnDBを決定するためのマップ。
【図6】補正係数CD1を求めるためのマップ。
【図7】路面勾配量φ(t)を求めるためのマップ。
【図8】補正係数CD3を求めるためのマップ。
【図9】補正係数CD4を求めるためのマップ。
【図10】車速制御装置の全体の構成を示すブロック図。
【図11】横G車速補正量算出部580の構成を示すブロック図。
【図12】自車速Vとローパスフィルタのカットオフ周波数fcと関係を示す特性図。
【図13】車速補正量VSUB(t)を計算するための補正係数と横Gの値Y(t)との関係を示す特性図。
【図14】固有振動数ωnSTRと自車速Vとの関係を示す特性図。
【図15】自車速V(t)と車速指令最大値VSMAXとの偏差の絶対値と、車速指令値変化量ΔVCOM(t)との関係を示す特性図。
【図16】駆動トルク指令値演算部530の構成を示すブロック図。
【図17】エンジン非線形定常特性マップの一例を示す図。
【図18】スロットル開度推定マップの一例を示す図。
【図19】CVT変速マップの一例を示す図。
【図20】エンジン全性能マップの一例を示す図。
【図21】駆動トルク指令値演算部530の他の構成例を示すブロック図。
【符号の説明】
10…車速センサ 15…車間距離センサ
20…セットスイッチ 30…コーストスイッチ
40…アクセラレートスイッチ 50…ブレーキアクチュエータ
60…スロットルアクチュエータ 70…無段変速機
80…エンジン回転センサ 90…アクセルペダルセンサ
100…操舵角センサ 105…車間距離制御部
110…車間距離指令値演算部 111…設定車間時間位相進み補償部
112…車間距離指令値決定部 120…目標車間距離演算部
130…前置補償車速指令値演算部 140…車間制御車速指令値演算部
150…車間時間設定部
300…車間制御フィードバック特性決定部
310…フィードバック系減衰係数決定部
311…フィードバック系減衰係数補正部
320…フィードバック系固有振動数決定部
330…フィードバック系固有振動数第1補正部
331…フィードバック系固有振動数第2補正部
340…フィードバック定数決定部
500…車速制御部 510…車速指令値決定部
520…車速指令最大値設定部 530…駆動トルク指令値算出部
540…変速指令値算出部 550…実変速比算出部
560…エンジントルク指令値算出部 570…目標スロットル開度算出部
580…横G車速補正量算出部 581…操舵角信号LPF部
582…横G算出部 583…車速補正量算出マップ
590…車速指令値変化量決定部 600…駆動輪加速度算出部
610…車速制御中止判定部 620…車速制御中断判定部
630…ブレーキ圧指令値算出部
(t)…車間距離 ΔV(t)…相対速度
(t)…車間制御用車速指令値 d(t)…車間時間
(t)…車間距離指令値 ΔV(t)…目標相対速度
(t)…目標車間距離 F…先行車フラグ
(t)…補正車速指令値
、f…フィードバック定数
(t)…自車速 VSMAX…車速指令最大値
θ(t)…操舵角 VSUB(t)…車速補正量
θLPF(t)…操舵角LPF値 VCOM(t)…車速指令値
ΔVCOM(t)…車速指令値変化量 dFC(t)…駆動トルク指令値
(t)…外乱推定値
(t)’…駆動トルク指令値補正量
FA(t)…実駆動トルク C(s)…前置補償器
(s)…規範モデル演算部
FC1(t)…基準駆動トルク指令値
(s)、C(s)、C(s)…補償器
(s)’…フィードバック補償器
s…微分演算子
fc…LPFのカットオフ周波数
(t)…横Gの値 ψ…ヨーレイト
ωnSTR…操舵角に対する車両応答の固有振動数
αOBS…駆動輪加速度
TVOESTI…スロットル開度推定値
TVOCOM…目標スロットル開度 APO…アクセル操作量
IN_COM…エンジン回転数指令値 DRATIO(t)…変速指令値
TECOM(t)…エンジントルク指令値
TECOM’…エンジンブレーキトルク
REFPBRK(t)…ブレーキ圧指令値 B…ブレーキ制御禁止信号

Claims (1)

  1. 先行車が存在する場合には、先行車と自車両との間に所定の車間距離を維持するための目標車速を設定し、該目標車速と運転者が設定した設定車速との小さい方の車速になるように自車速を制御し、先行車が存在しない場合には、運転者が設定した設定車速を維持するように自車速を制御する車速制御装置において、
    運転者の操作によって前記設定車速を変更する手段を備え、
    運転者によって設定車速が変更されたときの実際の自車速と、変更後の設定車速との偏差に応じて、偏差が大きいほど設定車速に到達するための車速変化量を大きくし、偏差が小さいほど前記車速変化量を小さくすることを特徴とする車速制御装置。
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