JP2001322453A - 車速制御装置 - Google Patents

車速制御装置

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JP2001322453A
JP2001322453A JP2000143602A JP2000143602A JP2001322453A JP 2001322453 A JP2001322453 A JP 2001322453A JP 2000143602 A JP2000143602 A JP 2000143602A JP 2000143602 A JP2000143602 A JP 2000143602A JP 2001322453 A JP2001322453 A JP 2001322453A
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Japan
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vehicle speed
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com
vehicle
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Application number
JP2000143602A
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English (en)
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Kazutaka Adachi
和孝 安達
Takeshi Ishizu
石津  健
Hideki Sudo
秀樹 数藤
Junsuke Ino
淳介 井野
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Controls For Constant Speed Travelling (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】駆動輪のスリップを簡単な構成で検出し、スリ
ップ発生時に定速走行を中止することの出来る車速制御
装置を提供する。 【解決手段】車速指令値の変化量が予め定めた第1の所
定値(例えば0.06G)を超えないように制御する手
段と、駆動輪の回転速度から車速の変化量を算出し、算
出した車速の変化量が前記第1の所定値よりも大きな予
め定めた第2の所定値(例えば0.2G程)以上になっ
た場合に、定速走行制御を中止する手段と、を備えた車
速制御装置。駆動輪の回転速度は通常用いられている速
度センサによって検出できるので、スリップ検出用に特
別なセンサを設ける必要がなく、構成が簡略で安価に実
現出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両の速度を制御す
る車速制御装置に関し、例えば設定された目標車速で自
動的に走行するように制御する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】運転者が設定した目標車速で走行するよ
うに車速を自動制御する定速走行制御装置が実用化され
ている。このような従来の装置においては、TCS(ト
ラクション・コントロール・システム)やVDC(ビー
クル・ダイナミクス・コントロール)等のスリップ抑制
装置を設け、定速走行制御中にスリップ抑制装置が作動
した場合には、スリップ抑制装置によりスリップの発生
を抑制するとともに、スリップ抑制装置から定速走行制
御装置にシステム作動中信号を送ることにより、定速走
行制御を中止するように構成したものがある。なお、上
記のスリップの検出は、従動輪と駆動輪の回転速度差か
ら演算したり、加速度センサの出力と駆動輪の回転速度
から演算して、駆動輪がスリップしているか否かを判断
していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の装置において
は、スリップ発生時に定速走行制御を中止するための信
号として、スリップ抑制装置からのスリップ検出信号を
用いているが、上記のように従来の装置においては、ス
リップ発生を検出するためのセンサとして従動輪と駆動
輪の両方の回転速度を検出したり、或いは駆動輪の回転
速度の他に加速度も検出するというように2種のセンサ
を必要としたので、構成が複雑でコストが高くなるとい
う問題があった。
【0004】本発明は上記のごとき従来技術の問題を解
決するためになされたものであり、駆動輪のスリップを
簡単な構成で検出し、スリップ発生時に定速走行を中止
することの出来る車速制御装置を提供することを目的と
する。ー
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明においては、特許請求の範囲に記載するように構
成している。すなわち、請求項1に記載の発明において
は、車速指令値に実際の自車速を一致させるように定速
走行制御を行う車速制御装置であって、前記車速指令値
の変化量が予め定めた第1の所定値を超えないように制
御する手段と、駆動輪の回転速度から車速の変化量を算
出し、算出した車速の変化量が前記第1の所定値よりも
大きな予め定めた第2の所定値以上になった場合に、定
速走行制御を中止する手段と、を備えるように構成して
いる。上記の第1の所定値とは例えば0.06G〔0.0
21(km/10ms)に相当〕程度の値であり、第2
の所定値とは例えば0.2G程度の値である。このよう
に通常の制御における車速指令値の変化量の制限値より
も大きな加速度を検出した場合は、駆動輪がスリップし
ているものと判断することが出来る。したがってこのよ
うな場合に定速走行制御を中止するように構成してい
る。
【0005】また、請求項2に記載の発明においては、
駆動輪の回転速度から車速の変化量を算出し、算出した
車速の変化量と車速指令値の変化量との差が所定値以上
になった場合に、定速走行制御を中止するように構成し
ている。このように駆動輪の回転速度から検出した車速
の変化量(加速度)と車速指令値の変化量との差に応じ
て定速走行制御を中止するように構成してもよい。
【0006】
【発明の効果】本発明においては、駆動輪の回転速度か
ら車速の変化量(加速度)を検出し、それに基づいて駆
動輪のスリップの判定を行うが、駆動輪の回転速度は通
常用いられている速度センサによって検出できるので、
スリップ検出用に特別なセンサを設ける必要がなく、構
成が簡略で安価に実現出来ると共に、早く正確にスリッ
プ判定を行うことが出来る、という効果が得られる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、車速制御装置の全体の構成
について説明する。図1は、本発明の車速制御装置の全
体の構成を示すブロック図である。以下、図1における
各ブロックの構成と動作を説明する。まず、図示しない
システムスイッチをオンにすると装置全体の電源が投入
され、待機状態となる。そしてこの状態においてセット
スイッチ20がオンにされると制御が開始される。車速
制御部500(破線で囲んだ部分)は、マイクロコンピ
ュータとその周辺部品から構成される。なお、車速制御
部500内部のブロックはコンピュータの演算内容をブ
ロックに別けて表示したものである。
【0008】車速制御部500内において、車速指令値
決定部510では、制御周期10ms毎に車速指令値V
COM(t)を算出する。なお、(t)を付した符号は時
間的に変化する値であることを意味する。ただし、図面
では(t)を省略して表示していることもある。
【0009】車速指令最大値設定部520は、セットス
イッチ20が押されたときの自車速V(t)を車速指
令最大値VSMAX(目標車速)として設定する。な
お、自車速V(t)は車速センサ10がタイヤの回転
数から検出した自車両の実際の速度である。また、上記
のようにセットスイッチ20によって車速指令最大値V
SMAXが設定された後、コーストスイッチ30が1回
押される毎に、車速指令最大値設定部520は、車速指
令最大値VSMAXを5km/hずつ低い値に設定す
る。すなわち、n回押すとn×5km/h(押し続けた
場合は押している時間をtとすると、例えばt/10m
s×5km/h)だけ低い値に設定される。また、上記
のようにセットスイッチ20によって車速指令最大値V
SMAXが設定された後、アクセラレートスイッチ40
が1回押される毎に、車速指令最大値設定部520は、
車速指令最大値VSMAXを5km/hずつ高い値に設
定する。すなわち、n回押すとn×5km/h(押し続
けた場合は押している時間をtとすると、例えばt/1
0ms×5km/h)だけ高い値に設定される。
【0010】横G車速補正量算出部580は、操舵角セ
ンサ100から出力されるハンドルの操舵角θ(t)と
自車速V(t)とを入力し、後述する車速指令値を横
方向の加速度(以下、横Gと記す)に応じて補正するた
めの車速補正量VSUB(t)を演算する。なお、横G
車速補正量算出部580は、具体的には図2に示すよう
に、操舵角信号ローパスフィルタ(以下、操舵角信号L
PF部と記す)581、横G算出部582、車速補正量
算出マップ583より構成される。
【0011】まず、操舵角信号LPF部581は、自車
速V(t)と操舵角θ(t)を入力し、操舵角LPF値
θLPF(t)を演算する。θLPFは以下の式で表さ
れる。 θLPF(t)=θ(t)/(TSTR・s+1) ただし、sは微分演算子(以下の式でも同) ここで、LPFの時定数TSTRは、TSTR=1/
(2π・fc) であらわされ、LPFのカットオフ周波数fcは、図3
に示すような自車速V(t)に対するカットオフ周波
数fcのマップによって決定される。このマップは、高
車速域ほどカットオフ周波数fcが低く設定されてい
る。例えば50km/hに比べて100km/hの方が
低い値をとる。
【0012】横G算出部582は、操舵角LPF値θ
LPF(t)と自車速V(t)を入力し、以下の式に従
って横Gの値Y(t)を算出する。 Y(t)={V(t)・θLPF(t)}/{N・W・
〔1+A・V(t)〕} ただし、Wは車両のホイルベース、Nはステアリングギ
ア比、Aはスタビリティファクタである。
【0013】なお、上記の式は、操舵角から横Gを検出
する場合を示したが、ヨーレイトセンサを使用してヨー
レイトψ(t)にローパスフィルタを施して横Gを検出
する場合は下記の式を用いればよい。 Y(t)=V(t)・ψLPF ψLPF=ψ(t)/(TYAW・s+1) ただし、TYAWはローパスフィルタの時定数であり、
自車速V(t)が大きな値となるほど大きな値をと
る。
【0014】車速補正量算出マップ583は、横Gに応
じて車速指令値を補正するための車速補正量V
SUB(t)を算出する。車速補正量VSUB(t)は、
横Gによって決まる補正係数に所定の車速指令値変化量
制限値〔例えば0.021(km/10ms)=0.06
G〕を乗じて算出する。なお、上記の車速指令値変化量
制限値の値は、後記図6に示す車速指令値変化量ΔV
COM(t)の最大値に等しい。 VSUB(t)=補正係数×0.021(km/10m
s) 後述するように、最終的に車速を制御する値となる車速
指令値VCOM(t)を演算する際には、上記の車速補
正量VSUB(t)を減算項として付加している。した
がって車速補正量VSUB(t)の値が大きいほど、車
速指令値VCO (t)は制限されることになる。
【0015】上記の補正係数は、図4に示すように横G
の値Y(t)が大きいほど大きくなる。これは、横G
が大きいほど車速指令値VCOM(t)の変化に大きな
制限を設けるためである。ただし、図4に示すように横
Gが0.1G以下の場合は、車速指令値の補正の必要が
ないと判断して補正係数をゼロとしている。また、横G
が0.3G以上となる場合は、通常の使用では発生しな
い値である上に、横G検出値が誤って大きくなった場合
に補正量が過大となることを防ぐため、0.3G以上は
補正係数を一定(例えば2)にしている。
【0016】後記車速指令値決定部510で詳細を説明
するように、前記のアクセラレートスイッチ40の操作
によって目標車速が上昇した場合、すなわち、加速が要
求された場合には、現在の自車速V(t)に、車速指
令値変化量ΔVCOM(t)を加算し、車速補正値V
SUB(t)を減算することによって車速指令値V
COM(t)を算出している。したがって、車速指令値
変化量ΔVCOM(t)が車速補正値VSUB(t)より
大であれば加速し、小であれば減速することになる。そ
して前記のように車速補正値VSUB(t)は、車速指
令値変化量制限値(車速指令値変化量の最大値)に図4
に示すような補正係数を乗算して求めているので、例え
ば車速指令値変化量制限値=車速指令値変化量の場合に
は、補正係数が1のとき(図4の例ではY(t)=0.
2の場合)には加速分と減速分とが等しくなって現在の
車速が維持される。つまり、この例では、横Gの値Y
(t)が0.2より小の場合には加速され、大の場合には
減速されることになる。また、前記のコーストスイッチ
30の操作によって目標車速が低下した場合、すなわ
ち、減速が要求された場合には、現在の自車速V
(t)から車速指令値変化量ΔV OM(t)と車速補
正値VSUB(t)とを減算することによって車速指令
値V OM(t)を算出している。したがってこの場合
には常に減速することになるが、減速の程度は車速補正
値VSUB(t)が大きいほど、すなわち横Gが大きい
ほど大きくなる。なお、車速指令値変化量制限値につい
ての上記の値0.021(km/10ms)は、高速道
路での使用を想定した値である。
【0017】上述したように、車速補正値V
SUB(t)は、横Gに応じた補正係数と車速指令値変
化量制限値との積により求め、横Gが大きくなると減算
項(車速補正値)の値が大きくなって横Gが大きくなら
ないように車速が制御される。しかし、図2の操舵角信
号LPF部581で説明したように、高車速域ほど、カ
ットオフ周波数fcを低くしているので、LPFの時定
数TSTRは大きくなり、操舵角LPF値θ
LPF(t)が小さくなって、横G算出部582で推定
される横Gも小さくなり、その結果、車速補正量算出マ
ップ583を介して得られる車速補正値VSUB(t)
が小さくなるため、操舵角による車速指令値への補正
(加速減少方向への補正)がかかりにくくなる。
【0018】この点について詳述すると、操舵角に対す
る車両応答の固有振動数ωnSTRの特性は、以下の式
で示される。 ωnSTR=(2W/V)√〔Kf・Kr・(1+A
・V )/m・I〕 ただし、Kf、Krは前後輪タイヤコーナリングパワー
(1輪分)、Wはホイールベース、mは車両質量、A
はスタビリティファクタ、Iは車両ヨー慣性モーメント
である。固有振動数ωnSTRの特性は、図5に示すよ
うに車速が上がるに従って固有振動数ωnSTRが低く
なり、操舵角に対する車両応答性が悪くなるのに対し、
車速が下がるに従って固有振動数ωnSTRが高くな
り、操舵角に対する車両応答性が良くなることがわか
る。つまり、高車速域ほど、操舵を行っても横Gが発生
しにくく、また低車速域程、少しの操舵でも横Gが発生
しやすくなる。そのため、図3に示したように高車速域
程カットオフ周波数fcを低くすることで、応答性を遅
くして操舵角による車速指令値に対する補正がかかりに
くくしている。次に、図1の車速指令値変化量決定部5
90は、自車速V(t)と車速指令最大値VSMAX
との偏差の絶対値に基づき、図6に示すマップにより車
速指令値変化量ΔVCOM(t)を算出する。このマッ
プは、偏差の絶対値が或る範囲内(図6中の範囲B)で
は、車速制御中止判定部610で述べる加速度制限値α
を超えない程度に、絶対値が大きいほど車速指令値変化
量ΔVCOM(t)を大きくして、なるべく速やかに加
速または減速する。そして偏差の絶対値が小さいほど加
速度感が損なわれない程度に、車速指令値変化量ΔV
COM(t)を小さくして、車速指令最大値VSMAX
をオーバーシュートしないようにしている。偏差の絶対
値が大きい範囲(図6中の範囲A)では、加速度制限値
αを超えない値で一定値(たとえば0.06G)とす
る。また、小さい範囲(図6中の範囲C)では一定値
(たとえば0.03G)とする。
【0019】さらに、車速指令値変化量決定部590で
は、前記の横G車速補正量算出部580から出力される
車速補正値VSUB(t)をモニタしており、車速補正
値V SUB(t)の値がゼロから一旦ゼロ以外になった
後に再びゼロに戻った場合には、カーブ路の走行が終了
したと判定するとともに、自車速V(t)と車速指令
最大値VSMAXが等しくなったかどうかを検出してい
る。そして、カーブ終了と判定された場合は、上述した
自車速V(t)と車速指令最大値VSMAXとの偏差
の絶対値に基づいて図6を使用して車速指令値変化量Δ
COM(t)を決定することに代えて、カーブが終了
したと判定された時の自車速V(t)から車速指令値
変化量ΔVCOM(t)を決定する。その時の特性は図
6と同様な傾向を示す特性を用いる。すなわち、図6の
横軸を、|V(t)―VSMAX|の代わりに、自車
速V(t)に変更したマップ(図示省略)を用い、自
車速V(t)が小さいほど車速指令値変化量ΔV
COM(t)は小さな値となるように設定された特性に
なっている。そして、この処理は、自車速V(t)と
車速指令最大値VSMAXが等しくなると終了する。
【0020】なお、カーブが終了したと判定された時の
実際の自車速V(t)から車速指令値変化量ΔV
COM(t)を決定する上述した例に代えて、車速補正
値VSU (t)がゼロ以外の値になった場合に、カー
ブ路走行が開始された判定し、その時の自車速V(sta
rt)を予め記憶しておき、かつカーブ路が終了したと判
定されたときの自車速V(end)との差ΔV=V(s
tart)―V(end)(すなわち車速指令値の補正による
車速落ち込み量)の大きさから車速指令値変化量ΔV
COM(t)を決定しても良い。この時の特性は図6と
逆の傾向を示す特性を用いる。すなわち、図6の横軸
を、|V(t)―VSMAX|の代わりに、車速差Δ
に変更したマップ(図示省略)を用い、車速差ΔV
が大きいほど車速指令値変化量ΔVCOM(t)が小
さな値をとるように設定されている。なお、この処理
は、自車速V(t)と車速指令最大値VSMAXが等
しくなると終了する。
【0021】カーブ路走行時には、横Gの値が過大にな
らないように車速指令値が補正されるので、一般に車速
が低下する。そのため上記のように、カーブ路の走行が
終了し、車速が落ち込んだ後は、カーブ路終了時の自車
速V(t)、またはカーブ路開始時と終了時(車速指
令値の補正により車速が落ち込む前と後)の車速差ΔV
の大きさに応じて、車速指令値変化量ΔV
COM(t)を変更するように構成している。
【0022】なお、カーブ路終了時に車速が低いか、ま
たは車速差ΔVが大きい場合は、そのカーブ路の曲率
半径が小さい(カーブがきつい)ために車速が落ち込ん
だと推定される。そしてカーブ路が連続している場合
(例えばS字カーブ等)には上記のような状況になる可
能性が大きい。そのため、カーブ路終了時の車速が低い
か、または車速差ΔVが大きい場合には、車速指令値
変化量ΔVCOM(t)を小さくして車速指令値による
車速制御の加速度を小さくする。これにより、連続した
カーブ(S字路)において、カーブを回る毎に大きな加
速が行われることがなくなる。同様に、カーブ路終了時
に車速が高いか、または車速差ΔVが小さい場合に
は、単一のカーブであると判断し、車速指令値変化量Δ
COM(t)を大きくする。これにより、単一のカー
ブ終了後には直ちに加速されるので、加速が緩慢になっ
て運転者に違和感を与えるというおそれがなくなる。
【0023】次に、図1の車速指令値決定部510は、
自車速V(t)、車速補正値V UB(t)、車速指令
値変化量ΔVCOM(t)および車速指令最大値V
SMAXを入力し、以下のようにして車速指令値V
COM(t)を算出する。 (1)車速指令最大値VSMAXが自車速V(t)よ
り大きい場合、つまり、アクセラレートスイッチ40
(またはリジュームスイッチ)の操作による加速要求が
あった場合 VCOM(t)=min〔VSMAX、V(t)+ΔV
COM(t)−VSUB(t)〕 つまり、車速指令最大値VSMAXとV(t)+ΔV
COM(t)−VSUB(t)とのうちの小さい方を選択
して車速指令値VCOM(t)とする。 (2)VSMAXとV(t)が等しい場合、つまり、
一定車速を維持している場合 VCOM(t)=VSMAX−VSUB(t) つまり、車速指令最大値VSMAXから車速補正値V
SUB(t)を減算して車速指令値VCOM(t)とす
る。 (3)車速指令最大値VSMAXが自車速V(t)よ
り小さい場合、つまり、コーストスイッチ30の操作に
よる減速要求があった場合 VCOM(t)=max(VSMAX、V(t)−ΔV
COM(t)−VSUB) つまり、車速指令最大値VSMAXとV(t)−ΔV
COM(t)−VSUBとのうちの大きい方を選択して
車速指令値VCOM(t)とする。上記のようにして車
速指令値VCOM(t)が決定され、これに応じて車速
を制御する。
【0024】次に、駆動トルク指令値算出部530は、
車速指令値VCOM(t)と自車速V(t)を入力し、
以下に示すようにして駆動トルク指令値dFC(t)を
演算する。なお、図7は駆動トルク指令値算出部530
の構成の一例を示すブロック図である。まず、車速指令
値VCOM(t)を入力とし、自車速V(t)を出力と
した場合の伝達特性G(s)は、下式で表すことがで
きる。 G(s)=1/(T・s+1)・e(−Lv・s) ただし、Tは1次遅れ時定数、Lはパワートレイン
系の遅れによる無駄時間である。
【0025】また、制御対象の車両モデルは、駆動トル
ク指令値dFC(t)を操作量とし、自車速V(t)を
制御量としてモデル化することによって、車両のパワー
トレインの挙動は下式に示す簡易線形モデルで表すこと
ができる。 V(t)=1/(m・Rt・s)e(−Lv・s)
FC(t) ただし、Rtは、タイヤの有効回転半径、mは車両質
量である。このように駆動トルク指令値dFC(t)を
入力とし、自車速V(t)を出力とする車両モデル
は、1/sの形となるので積分特性を有することにな
る。
【0026】なお、制御対象の特性にはパワートレイン
系の遅れにより無駄時間Lも含まれ、かつ、使用する
アクチュエータやエンジンによって無駄時間Lの値が
変化する非線形特性が、後記のごとき近似ゼロイング手
法による外乱推定器を用いることにより、駆動トルク指
令値dFC(t)を入力とし、自車速V(t)を出力と
する車両モデルは、上記と同じ式で表すことができる。
【0027】ここで、車速指令値VCOM(t)を入力
とし、自車速V(t)を出力とした場合の制御対象の
応答特性を、予め定めた一次遅れTと無駄時間L
素をもつ伝達特性G(s)の特性に一致させると、図
7に示すようなC(s)、C(s)およびC(s)
を用いて、以下のように定めることができる。ただし、
(s)、C(s)は近似ゼロイング手法による外乱
推定器を示し、外乱やモデル化誤差による影響を抑制す
るように働く補償器であり、C(s)はモデルマッチ
ング手法による補償器を示す。 補償器C(s)=e(−Lv・s)/(T・s+1) 補償器C(s)=(m・Rt・s)/(T・s+
1) このとき、外乱推定値d(t)は、 d(t)=C(s)・V(t)−C(s)・dFC
(t) となる。
【0028】また、制御対象の無駄時間を無視して、規
範モデルG(s)を時定数Tの1次ローパスフィル
タとすると、補償器C(s)は次のような定数とな
る。 補償器C(s)=m・Rt/T 以上のC(s)、C(s)、C(s)の補償器によ
り、駆動トルク指令値dFC(t)は次式によって算出
される。 dFC(t)=C(s)・{VCOM(t)−V
(t)}−{C(s)・V(t)−C(s)・d
FC(t)} 上記の駆動トルク指令値dFC(t)に基づいて駆動ト
ルクを制御する。すなわち、図8に示すような予め計測
されたエンジン非線形定常特性マップを用いて駆動トル
ク指令値dFC(t)に実駆動トルクdFA(t)を一致
させるようなスロットル開度指令値を算出し、また、エ
ンジンの負の駆動トルクでは足りない場合には変速機や
ブレーキで補うように分配する。このように、スロット
ル開度、変速機、ブレーキをコントロールすることによ
り、エンジン非線形定常特性を線形化することができ
る。
【0029】なお、無段変速機70が、ロックアップ付
き流体コンバータを有している場合には、無段変速機7
0のコントローラからロックアップ状態信号LUを入
力し、それによってアンロックアップ状態であると判断
された場合には時定数T(図7のC(s)、C
(s)の分母に記載)を大きくする。これにより、車
速制御フィードバック補正量(所望の応答特性を維持す
るためのフィードバックループの補正係数)が小さくな
り、ロックアップ時に比べてアンロックアップ時に遅れ
る制御対象の応答特性に合わせることができ、ロックア
ップ時、アンロックアップ時ともに車速制御系の安定性
が確保されるようになる。
【0030】また、図7に示した駆動トルク指令値演算
部530では、制御対象の伝達特性を補償するための補
償器C(s)および補償器C(s)と設計者が定めた
応答特性を達成するための補償器C(s)で構成して
いたが、図12に示すように、設計者が定めた任意の応
答特性になるように補償するための前置補償器C
(s)、設計者が定めた任意の応答特性を演算する規
範モデル演算部C(s)、および規範モデル演算部C
(s)の応答特性からのずれ量(目標車速−自車速)
を補償するためのフィードバック補償器C(s)’によ
って構成することもできる。
【0031】前置補償器C(s)は車速指令値V
COM(t)に対する実際の自車速V(t)の伝達関数
(s)を達成するために、下記の式で示すフィルタ
を用いて基準駆動トルク指令値dFC1(t)を演算す
る。 dFC1(t)=m・R・s・VCOM(t)/(T
・s+1) 規範モデル演算部C(s)は、車速制御系の目標応答
(t)を伝達関数G(s)と車速指令値V
COM(t)から演算する。すなわち V(t)=G(s)・VCOM(t) である。
【0032】フィードバック補償器C(s)’は、目標
応答V(t)と実際の自車速V(t)とに偏差が生じ
た場合に、この偏差をなくすように駆動トルク指令値補
正量d(t)’を演算する。すなわちd(t)’は下記
の式で示される。 d(t)’=〔(K・s+K)/s〕〔V(t)
−V(t)〕 ただし、Kはフィードバック補償器C(s)’の比
例制御ゲイン、Kはフィードバック補償器C
(s)’の積分制御ゲインである。なお、駆動トルク
指令値補正量d(t)’は前記図7で説明した外乱推定
値d(t)に相当する。このとき、ロックアップ状態
信号LUによってアンロックアップ状態であると判断
された場合には補正量d(t)’が演算される。すなわ
ち、 d(t)’=〔(K’・s+K’)/s〕〔V
(t)−V(t)〕 である。ただし、 K’<K ’<K であるため、フィードバックゲインは小さくなる。した
がって、駆動トルク指令値dFC(t)は、基準駆動ト
ルク指令値dFC1(t)と駆動トルク指令値補正量d
(t)’から、 dFC(t)=dFC1(t)+d(t)’ と演算される。このようにロックアップ時に比べてアン
ロックアップ時にはフィードバックゲインを小さくして
いるため、駆動トルク指令値補正量の変化速度が小さく
なり、ロックアップ時に比べてアンロックアップ時に遅
れる制御対象の応答特性に合わせることができるので、
ロックアップ時、アンロックアップ時ともに車速制御系
の安定性が確保されるようになる。
【0033】次に、図1のアクチュエータ駆動系につい
て説明する。変速指令値算出部540は、駆動トルク指
令値dFC(t)、自車速V(t)、コーストスイッチ
30の出力およびアクセルペダルセンサ90の出力を入
力し、以下のように変速指令値DRATIO(t)を演
算して、無段変速機70へ出力する。 (1)コーストスイッチ30のオフ時 自車速V(t)と駆動トルク指令値dFC(t)とに基
づいて、図9に示すようなスロットル開度推定マップか
らスロットル開度推定値TVOESTIを算出する。次
にスロットル開度推定値TVOESTIと自車速V
(t)とに基づいて、図10に示すようなCVT変速
マップからエンジン回転数指令値NIN_C OMを算出
する。そして、変速指令値DRATIO(t)は、自車
速V(t)とエンジン回転数指令値NIN_COM
り、下式から求める。DRATIO(t)=N
IN_COM・2π・Rt/〔60・V(t)・Gf〕
ただし、Gfはファイナルギア比である。
【0034】(2)コーストスイッチ30のオン時 コーストスイッチ30をオンにして車速指令最大値V
SMAXを下げている場合は、変速指令値DRATIO
(t)として前回の変速指令値DRATIO(t−1)を
保持する。そのため、コーストスイッチ30を連続的に
オンした場合でも、変速指令値はコーストスイッチ30
をオフするまで前回値、つまりコーストスイッチ30の
オン直前の値を保持するため、シフトダウンはされな
い。従って、設定車速を大きく下げた後にアクセラレー
トスイッチ40により設定車速を戻す場合、加速するた
めにスロットル開度は開く方向に制御されても、シフト
ダウンされていない状態ではエンジン回転数が急激に高
くなることはなく、運転者に与える騒音の発生を防止で
きる。
【0035】図1の実変速比算出部550は、エンジン
回転センサ80がエンジンの点火信号から検出したエン
ジン回転数N(t)と、自車速V(t)とにより、下
式に従って、実変速比RATIO(t)を算出する。 RATIO(t)=N(t)/〔V(t)・Gf・2
π・Rt〕 図1のエンジントルク指令値算出部560は、駆動トル
ク指令値dFC(t)とRATIO(t)から、下式に従
って、エンジントルク指令値TECOM(t)を算出す
る。 TECOM(t)=dFC(t)/〔Gf・RATIO
(t)〕。
【0036】図1の目標スロットル開度算出部570
は、エンジントルク指令値TECOM(t)とエンジン
回転数N(t)に基づいて、図11に示すようなエン
ジン全性能マップより、目標スロットル開度TVO
COMを算出し、スロットルアクチュエータ60へ出力
する。
【0037】図1のブレーキ圧指令値算出部630は、
エンジン回転数N(t)に基づいて、図11に示すエ
ンジン全性能マップからスロットル全閉時のエンジンブ
レーキトルクTECOM’を求め、エンジンブレーキト
ルクTECOM’とエンジントルク指令値TE
COM(t)から次式によってブレーキ圧指令値REF
PBR (t)を算出し、ブレーキアクチュエータ50
へ出力する。 REFPBRK(t)=(TECOM−TECOM’)・
Gm・Gf/{4・(2・AB・RB・μB)} ただし、Gmは自動変速機の変速比、ABはホイルシリ
ンダ力(シリンダ圧×面積)、RBはディクスロータ有
効半径、μBはパッド摩擦係数である。
【0038】次に、車速制御の中断処理について説明す
る。図1の車速制御中断判定部620は、アクセルペダ
ルセンサ90で検出されたアクセル操作量APOを入力
し、アクセル操作量APOと所定値とを比較する。この
所定値は、目標スロットル開度算出部570から入力し
た目標スロットル開度TVOCOMに相当するアクセル
操作量APO、つまりその時点における自動制御され
た車速に相当したアクセル開度の値である。そして、ア
クセル操作量APOが上記の所定値より大きい場合、つ
まり、運転者がアクセルペダルを踏んだことにより、そ
の時点におけるスロットルアクチュエータ60によるス
ロットル開度以上にスロットル開度が開かれた場合に
は、車速制御中断信号を出力する。
【0039】そして、車速制御中断信号により、駆動ト
ルク指令値演算部530および目標スロットル開度算出
部570は、それまでの演算を初期化するとともに、無
段変速機70は変速機コントローラにより定速走行変速
マップから通常走行用変速マップへの切り替えを行う。
つまり、自動制御による定速走行を中断して運転者のア
クセル操作に対応した通常走行制御とする。
【0040】無段変速機70は通常走行用変速マップと
定速走行用変速マップを持ち、定速走行制御中断時に
は、車速制御装置から変速機に対して、定速走行用変速
マップから通常走行用変速マップへの切替え指令を出力
する。ここで、通常走行用変速マップは、例えば、加速
時はシフトダウンが緩慢にならないように急峻な(応答
性の良い)制御マップに、定速走行用変速マップはゆっ
たり感が出せるように緩やかな制御マップにしておくこ
とにより、定速走行から通常走行切替え時に運転者に違
和感を与えないようにしている。
【0041】また、車速制御中断判定部620は、アク
セル操作量AP0が所定値未満に戻ったときに車速制御
中断信号の出力を停止し、かつ、自車速V(t)が車
速指定最大値VSMAXよりも大きい場合には、減速要
求を駆動トルク指令値算出部530に出力する。そし
て、駆動トルク指令値算出部530は、車速制御中断判
定部620からの車速制御中断信号の出力が停止され、
かつ減速要求を入力した場合には、演算した駆動力指令
値dFC(t)を、スロットルで実現するように、目標
スロットル開度算出部570で算出されたスロットル開
度で減速制御されるが、スロットル全閉だけでは制動力
が足りない場合は、スロットルと変速比で実現するよう
に、降坂路、平坦路の別に関わらず、変速指令値算出部
540から変速比指令値DRATIO(シフトダウン要
求)を出力して、無段変速機70のシフトダウン制御を
行い、制動力不足を補うように制御する。
【0042】また、駆動(この場合は制動)力指令値d
FC(t)が大きく、無段変速機のシフトダウンによる
制動力でも上限にある場合には、平坦路では通常ブレー
キにより制動力を補うが、降坂路では、駆動トルク指令
値算出部530からブレーキ圧指令値算出部630への
ブレーキ制御禁止信号Bを出力し、それによって降坂
路でのブレーキ制御を禁止している。このように制御す
る理由は次のとおりである。すなわち、降坂路ではブレ
ーキで減速を行うと連続してブレーキをかけることが必
要になり、ブレーキフェード等の問題を生じるおそれが
ある。そのため、上記のように降坂路ではスロットル開
度と無段変速機のシフトダウン制御による減速のみで必
要な制動力を得るように制御することにより、ブレーキ
を用いずに制動するように構成している。
【0043】以上のような方法により、運転者が一時的
にアクセルペダルを踏んで加速することによって定速走
行制御が中断した後、再び定速走行制御に復帰した場合
においても、変速機のシフトダウンによって、スロット
ル開度全閉制御のみの減速度よりも大きな減速度を得ら
れるようになるため、目標車速への収束時間を短くする
ことができる。また、無段変速機を使うことによって、
長い下り坂でも変速ショックが発生することなく、スロ
ットル開度全閉制御のみの減速度よりも大きく、かつ、
車速指令値変化量ΔVCOMに基づいた駆動トルクを実
現するようにスロットルおよび変速比が制御されるた
め、所定の減速度を保ったまま、スムーズに減速できる
ようになる。なお、通常の有段変速機ではシフトダウン
時にショックが生じるので、従来は上記のように減速制
御要求が大きい場合でもスロットル制御のみを行い、変
速機のシフトダウン制御はしていなかった。しかし、無
段変速機を用いればスムーズにシフトダウン出来るの
で、上記のごとき制御を行うことにより、スロットル開
度全閉制御のみの減速度以上の大きな減速度で円滑に減
速することができる次に、本発明の要点である車速制御
の中止処理について説明する。図1の駆動輪加速度算出
部600は、自車速V(t)を入力し、下式によって
駆動輪加速度αOBS(t)を演算する。 αOBS(t)=〔KOBS・s/(TOBS・s
s+KOBS)〕・V(t) ただし、KOBSは定数、TOBSは時定数である。な
お、上記の自車速V(t)は、前記のようにタイヤ
(駆動輪)の回転速度から算出した値であるから、この
値自体が駆動輪の回転速度に対応した値であり、上記の
駆動輪加速度αOBS(t)は駆動輪速度V(t)から
車速の変化量(駆動輪加速度)を求めた値になってい
る。
【0044】そして車速制御中止判定部610は、駆動
輪加速度演算部600で求めた駆動輪加速度α
OBS(t)と所定の加速度制限値α(この加速度は車
速の変化量に対応する値であり、例えば0.2G)とを
比較し、駆動輪加速度αOBS(t)が加速度制限値α
を超えた場合に、車速制御中止信号を出力する。この車
速制御中止信号により、駆動トルク指令値算出部530
および目標スロットル開度算出部570は、その演算を
初期化する。なお、車速制御が一旦中止されると、セッ
トスイッチ20を再度オンにするまで、車速制御は復帰
しない。
【0045】図1の装置は、車速指令値変化量決定部5
90で決定した車速指令値変化量ΔVCOMに基づいた
車速指令値で車速を制御するシステムであるため、通常
の状態では前記の車速指令値変化量制限値〔例えば0.
06G=0.021(km/10ms)〕を超える車速
変化は生じない。したがって駆動輪加速度α
OBS(t)が上記の車速指令値変化量制限値に対応し
た値よりも大きい所定の加速度制限値α(例えば0.2
G)を超えた場合というのは、駆動輪にスリップが発生
した可能性が高い。このように駆動輪加速度α
OBS(t)と予め定めた所定の加速度制限値αを比較
することにより、スリップ発生を検出することができ
る。そのため、TCS(トラクションコントロールシス
テム)等のスリップ抑制装置等で加速度センサを別途設
けたり、駆動輪と従動輪との回転数差を検出したりする
ことなく、通常の車速センサ(駆動輪の回転速度を検出
するセンサ)からの出力で駆動輪加速度αOBSを求め
ることにより、スリップ判断と、制御の中止判断を行う
ことができる。また、車速指令値変化量ΔVCOMを大
きくすることで目標車速への応答性を向上させることが
できる。なお、駆動輪加速度αOBS(t)と所定値と
の比較から定速走行制御中止を判断する代わりに、車速
指令値変化量決定部590で演算している車速指令値変
化量ΔVCOMと駆動輪加速度αOB (t)との差が
所定値以上になった場合に制御を中止させるようにして
も良い。以上が本発明の要点の説明である。
【0046】また、図1の車速指令値決定部510にお
いて、自身で演算した車速指令値V COM(t)が、入
力した自車速V(t)よりも高く、かつ、減速方向に
変化した場合(VSMAX<Vか否か)を判定する。
そして、車速指令値VCOMを自車速V(t)もしく
はそれ以下の所定の速度VCOM(t)(例えば自車速か
ら5km/hを引いた値)に設定するとともに、図7に
示した駆動トルク指令値算出部530における、C
(s)・V(t)−C(s)・dFC(t)=d
(t)の出力をゼロにするように、C(s)とC
(s)の積分器の初期値を自車速V(t)とする。こ
の結果C(s)の出力もC(s)の出力もV(t)
となり、結果として外乱推定値d(t)は、ゼロとな
る。更に、上述の制御を行うタイミングとして、V
COM(t)の変化率であるΔVCOM(t)が所定値
(0.06G)より減速側に大きかった場合とする。これ
により、不要な初期化(V(t)→VCOM(t)の初
期化と積分器の初期化)が減少するので、減速ショック
が少なくなる。上記のように車速指令値(目標車速に到
達するまでの時々刻々の制御指令値)が実車速よりも大
きく、かつ、車速指令値の時間的変化が減速方向に変化
した場合に、車速指令値を実車速もしくはそれ以下の所
定の車速に変更することにより、迅速に目標車速に収束
させることが出来る。また、前記の設定した実車速もし
くはそれ以下の車速を用いて駆動トルク指令値算出部5
30を初期化することにより、制御の継続性を保つこと
ができる。
【0047】なお、運転者が設定した先行車との目標車
間距離を保って走行するように、実車間距離を目標車間
距離に一致させるように制御する車速制御装置において
は、上記車速指令値が上記目標車間距離を保つように設
定されるが、この場合には、実車間距離が所定値以下
で、かつ、車速指令値変化量ΔVCOMが減速側に所定
値(0.06G)より大きかった場合に、車速指令値V
COMの変更(V→V COM)と駆動トルク指令値算
出部530(具体的にはその中の積分器)の初期化を行
う。このように構成することにより、迅速に目標車間距
離に収束させることが出来るので、先行車に近寄り過ぎ
るというおそれがなくなり、かつ、制御の継続性を保つ
ことができる。また、これにより、不要な初期化(V
(t)→V COM(t)の初期化と積分器の初期化)が減
少するので、減速ショックが少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車速制御装置の全体の構成を示すブロ
ック図。
【図2】横G車速補正量算出部580の構成を示すブロ
ック図。
【図3】自車速Vとローパスフィルタのカットオフ周
波数fcと関係を示す特性図。
【図4】車速補正量VSUB(t)を計算するための補
正係数と横Gの値Y(t)との関係を示す特性図。
【図5】固有振動数ωnSTRと自車速Vとの関係を
示す特性図。
【図6】自車速V(t)と車速指令最大値VSMAX
との偏差の絶対値と、車速指令値変化量ΔV
COM(t)との関係を示す特性図。
【図7】駆動トルク指令値演算部530の構成を示すブ
ロック図。
【図8】エンジン非線形定常特性マップの一例を示す
図。
【図9】スロットル開度推定マップの一例を示す図。
【図10】CVT変速マップの一例を示す図。
【図11】エンジン全性能マップの一例を示す図。
【図12】駆動トルク指令値演算部530の他の構成例
を示すブロック図。
【符号の説明】
10…車速センサ 20…セット
スイッチ 30…コーストスイッチ 40…アクセ
ラレートスイッチ 50…ブレーキアクチュエータ 60…スロッ
トルアクチュエータ 70…無段変速機 80…エンジ
ン回転センサ 90…アクセルペダルセンサ 100…操舵角
センサ 500…車速制御部 510…車速
指令値決定部 520…車速指令最大値設定部 530…駆動
トルク指令値算出部 540…変速指令値算出部 550…実変
速比算出部 560…エンジントルク指令値算出部 570…目標
スロットル開度算出部 580…横G車速補正量算出部 581…操舵
角信号LPF部 582…横G算出部 583…車速
補正量算出マップ 590…車速指令値変化量決定部 600…駆動
輪加速度算出部 610…車速制御中止判定部 620…車速
制御中断判定部 630…ブレーキ圧指令値算出部 V(t)…自車速 VSMAX
…車速指令最大値 θ(t)…操舵角 V
SUB(t)…車速補正量 θLPF(t)…操舵角LPF値 V
COM(t)…車速指令値 ΔVCOM(t)…車速指令値変化量 d
FC(t)…駆動トルク指令値 d(t)…外乱推定値 d(t)’…駆動トルク指令値補正量 dFA(t)…実駆動トルク C(s)
…前置補償器 C(s)…規範モデル演算部 dFC1(t)…基準駆動トルク指令値 C(s)、C(s)、C(s)…補償器 C(s)’…フィードバック補償器 s…微分演算子 fc…LPF
のカットオフ周波数 Y(t)…横Gの値 ψ…ヨーレ
イト ωnSTR…操舵角に対する車両応答の固有振動数 αOBS(t)…駆動輪加速度 TVOESTI…スロットル開度推定値 TVOCOM…目標スロットル開度 APO…
アクセル操作量 NIN_COM…エンジン回転数指令値 DRATIO(t)…変速指令値 TECOM(t)…エンジントルク指令値 TECOM’…エンジンブレーキトルク REFPBRK(t)…ブレーキ圧指令値 B…ブ
レーキ制御禁止信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 数藤 秀樹 神奈川県横浜市神奈川区宝町二番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 井野 淳介 神奈川県横浜市神奈川区宝町二番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3D044 AA01 AA11 AA24 AB01 AC03 AC05 AC15 AC26 AC31 AC39 AD04 AD16 AD21 AE11 AE14 AE19 AE22 3G093 AA05 AA06 BA01 BA23 BA27 CB12 DA01 DA06 DB03 DB05 DB11 EA02 EA09 EB03 EB04 FA05 FA06 FA07 FA10 FB03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車速指令値に実際の自車速を一致させるよ
    うに定速走行制御を行う車速制御装置であって、 前記車速指令値の変化量が予め定めた第1の所定値を超
    えないように制御する手段と、 駆動輪の回転速度から車速の変化量を算出し、算出した
    車速の変化量が前記第1の所定値よりも大きな予め定め
    た第2の所定値以上になった場合に、定速走行制御を中
    止する手段と、 を備えたことを特徴とする車速制御装置。
  2. 【請求項2】車速指令値に実際の自車速を一致させるよ
    うに定速走行制御を行う車速制御装置であって、 前記車速指令値の変化量が予め定めた第1の所定値を超
    えないように制御する手段と、 駆動輪の回転速度から車速の変化量を算出し、算出した
    車速の変化量と車速指令値の変化量との差が所定値以上
    になった場合に、定速走行制御を中止する手段と、 を備えたことを特徴とする車速制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019202706A (ja) * 2018-05-25 2019-11-28 株式会社Subaru 車両

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JP2019202707A (ja) * 2018-05-25 2019-11-28 株式会社Subaru 車両
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