JP6476960B2 - 軸受ユニット - Google Patents
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Description
また、Oリング400は樹脂部に設けられたOリング溝500に3方覆われた状態で使用されるため、Oリング400のゴム材料の可塑剤が樹脂部に移行してゴム弾性が失われて硬くなるのを防ぐため、耐水性や耐塩カル性を備えるとともに、ゴムの可塑剤の吸収を起こさないような樹脂部の材料を選択する必要があり、樹脂部の材料が限定され、結果的にコストが高くなるというような課題もあった。
前記静止輪と相対回転可能に配設され、前記静止側軌道面と対向する周面に回転側軌道面を有するとともに、外周面に車輪を支持するための車輪支持用フランジを有する回転輪と、
前記静止側軌道面と前記回転側軌道面との間に組み込まれる複数個の転動体と、
前記静止輪のインナ側端部に嵌合されて密閉するカバー部材とを少なくとも含む軸受ユニットであって、
前記静止輪は、インナ側端部を軸方向でアウタ側に向けて凹ませることにより、軸方向でインナ側に向けて突設される環状の径方向面部と、前記径方向面部よりもアウタ側に位置して形成される軸方向面部と、を有する凹入部を備え、
前記カバー部材は、前記静止輪のインナ側端部に嵌合可能な環状の芯金と、前記芯金と一体に成形される環状の樹脂部と、で構成されており、
前記カバー部材の樹脂部における軸方向面部を、前記凹入部の軸方向面部に突き合わせて突き合わせ領域を形成すると共に、前記突き合わせ領域の外径側にて、前記カバー部材の径方向面部の外径側に静止輪の径方向面部が径方向で重なり合うように位置し、
前記突き合わせ領域よりもアウタ側に位置する静止輪の内径面に前記芯金を嵌合固定させ、
前記静止輪の径方向面部は、インナ側に向かうに従い大径となるテーパ面又は内径が一定である円筒面に形成され、
前記カバー部材の径方向面部は、インナ側に向かうに従い小径となるテーパ面に形成され、
前記カバー部材の厚さは、前記凹入部の軸方向深さよりも大きく形成されていることを特徴とする軸受ユニットとしたことである。
図1は本発明の第一実施形態の一例を示し、本実施形態では、自動車の懸架装置に固定する取付用フランジ5を外周面に備えるとともに、内周面に複列の外輪軌道(静止側軌道面)7,7を有する外輪(静止輪)1と、外周面に車輪を支持するための車輪支持用フランジ20を有するとともに、外周面に内輪軌道(回転側軌道面)21を有するハブ輪(回転輪)19と、ハブ輪19のインナ側の外周面に形成された小径の段部23に外嵌めされ、内輪軌道(回転側軌道面)27を有する別体の内輪(回転輪)25と、それぞれの外輪軌道7,7と内輪軌道21,27との間に組み込まれる複数個の転動体(玉)29と、内輪25の肩部に嵌合される支持環31を介して軸方向に保持されるエンコーダ33と、外輪1のインナ側端部9に嵌合されて軸受内空間を密閉するカバー部材としての樹脂センサホルダ43と、エンコーダ33の回転を検出する検出部41を有して樹脂センサホルダ43のセンサ孔55に固定されるセンサ39と、を少なくとも含む従動輪用のセンサ付き車輪支持用ハブ軸受ユニットを採用した一実施形態をもって説明する。
なお、図中矢印Xは軸方向、矢印Yは径方向をそれぞれ示す。
すなわち、例えば本実施形態の樹脂センサホルダ43は、鉛直方向に小幅環状の円板部47と、円板部47の内径から軸方向に連続して形成される円筒部(嵌合部)49とで形成された芯金45と、芯金45の円板部47と円筒部49の少なくとも一部を埋設するとともに、円筒部49の径方向内径面51の周方向全域を覆って一体に形成される有底円筒状の樹脂部53とで構成されている。
また、樹脂部53の径方向面部(外径面)61は、凹入部11の軸方向面部15に突き合わされるアウタ側の軸方向面部59からインナ側に向かうに従って小径となるテーパ面に形成されている。
図2に本発明の第二実施形態の一例を示し、本実施形態では第一実施形態と相違する点についてのみの説明に留め、その他の構成及び作用効果にあっては第一実施形態の説明を援用する。
本実施形態によれば、第一の実施形態と同様の作用効果を発揮すると共に、樹脂部53の径方向面部(外径面)61の突条67が、前記突条67の外径側に位置する凹入部11の径方向面部13との間で圧入されて接触のシール領域69を構成しているため、突き合せ領域63へのさらなる泥水浸入を防止することが可能である。
また、本実施形態において、凹入部11の径方向面部13を、インナ側に向かうに従って徐々に大径となるテーパ面に形成する構成であっても適用可能であって、本発明の範囲内で適宜設計変更可能である。
図3に本発明の第三実施形態の一例を示し、本実施形態では第一及び第二実施形態と相違する点についてのみの説明に留め、その他の構成及び作用効果にあっては第一実施形態の説明を援用する。
段部71は、外径面2から軸心17方向に向けて鉛直方向に連続して形成される第一壁面73と、第一壁面73からインナ側に向けて小径となるように連続して形成したテーパ面75と、テーパ面75から軸方向でインナ側に向けて連続して形成された円筒部77と、円筒部77から連続して鉛直方向に立ち上げ形成され、前記第一壁面73よりも小径に形成された第二壁面79と、第二壁面79から軸方向でインナ側に向けて連続して形成され、外径面2よりも小径の対向面部81で構成されている。
そして、径方向面部61の内径面は、アウタ側に向けて大径となるようにテーパ面83に形成している。
このよう形成されることによって、本実施形態では、樹脂部53の庇状の径方向面部61と外輪1の段部71との間には排水溝87が形成される。
図4に本発明の第四実施形態の一例を示し、本実施形態では第一乃至第三実施形態と相違する点についてのみの説明に留め、その他の構成及び作用効果にあっては第一実施形態の説明を援用する。
この場合、外輪1と樹脂センサホルダ43は、共に静止部材であるため、極めて狭いラビリンス設定が可能となる。
また、本実施形態の段部71は、第一壁面73の内径からインナ側に向けて連続して大径となるようにテーパ面91を形成している。
なお、ラビリンス89が狭くて泥水の排水が悪い場合には、樹脂センサホルダ43の樹脂部53の径方向面部61に図示しない水抜き孔を設けることも可能であって本発明の範囲内で適宜設計変更可能である。
7 外輪軌道(静止側軌道面)
9 インナ側端部
11 凹入部
13 円筒状の径方向面部
15 円環状の軸方向面部
19 回転輪(ハブ輪)
21 内輪軌道(回転側軌道面)
25 回転輪(別体の内輪)
27 内輪軌道(回転側軌道面)
29 転動体
43 カバー部材(樹脂センサホルダ)
45 芯金
53 樹脂部
59 アウタ側の軸方向面部
61 径方向面部
63 突き合せ領域
Claims (1)
- 周面に静止側軌道面を有する静止輪と、
前記静止輪と相対回転可能に配設され、前記静止側軌道面と対向する周面に回転側軌道面を有するとともに、外周面に車輪を支持するための車輪支持用フランジを有する回転輪と、
前記静止側軌道面と前記回転側軌道面との間に組み込まれる複数個の転動体と、
前記静止輪のインナ側端部に嵌合されて密閉するカバー部材とを少なくとも含む軸受ユニットであって、
前記静止輪は、インナ側端部を軸方向でアウタ側に向けて凹ませることにより、軸方向でインナ側に向けて突設される環状の径方向面部と、前記径方向面部よりもアウタ側に位置して形成される軸方向面部と、を有する凹入部を備え、
前記カバー部材は、前記静止輪のインナ側端部に嵌合可能な環状の芯金と、前記芯金と一体に成形される環状の樹脂部と、で構成されており、
前記カバー部材の樹脂部における軸方向面部を、前記凹入部の軸方向面部に突き合わせて突き合わせ領域を形成すると共に、前記突き合わせ領域の外径側にて、前記カバー部材の径方向面部の外径側に静止輪の径方向面部が径方向で重なり合うように位置し、
前記突き合わせ領域よりもアウタ側に位置する静止輪の内径面に前記芯金を嵌合固定させ、
前記静止輪の径方向面部は、インナ側に向かうに従い大径となるテーパ面又は内径が一定である円筒面に形成され、
前記カバー部材の径方向面部は、インナ側に向かうに従い小径となるテーパ面に形成され、
前記カバー部材の厚さは、前記凹入部の軸方向深さよりも大きく形成されていることを特徴とする軸受ユニット。
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