以下に、本発明を具体化した一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、建物として、複数の建物ユニットが互いに組み合わされてなるユニット式建物について具体化している。そこでまず、建物ユニットの構成について図12を参照しながら簡単に説明する。なお、図12は建物ユニットを示す斜視図である。
図12に示すように、建物ユニット20は、その四隅に配設される4本の柱21と、各柱21の上端部及び下端部をそれぞれ連結する各4本の天井大梁22及び床大梁23とを備える。そして、それら柱21、天井大梁22及び床大梁23により直方体状の骨格(フレーム)が形成されている。この骨格が「枠体」に相当する。柱21は四角筒状の角形鋼よりなる。天井大梁22及び床大梁23は断面コ字状の溝形鋼よりなり、その開口部が向き合うようにして設置されている。なお、天井大梁22が上梁に相当し、床大梁23が下梁に相当する。
建物ユニット20の長辺部の相対する天井大梁22の間には、所定間隔で複数の天井小梁25が架け渡されている。同じく建物ユニット20の長辺部の相対する床大梁23の間には、所定間隔で複数の床小梁26が架け渡されている。天井小梁25と床小梁26とはそれぞれ同間隔でかつ各々上下に対応する位置に設けられている。天井小梁25はリップ溝形鋼よりなり、床小梁26は角形鋼よりなる。
次に、上記建物ユニット20が複数組み合わされて構築されるユニット式の建物について説明する。図1は、複数の建物ユニット20が組み合わされた状態を示す斜視図である。
図1に示すように、住宅等の建物10は、一階部分11と二階部分12とを有する二階建てとなっている。一階部分11は、横並びに設けられた複数の建物ユニット20により構成されている。また、これと同様に、二階部分12も、横並びに設けられた複数の建物ユニット20により構成されている。なお、図1では便宜上、二階部分12の建物ユニット20を一階部分11の建物ユニット20から上方に離間させて示している。
建物ユニット20(詳しくはその骨格)の側面には、外壁を構成する外壁板28が横並びで設けられている。外壁板28は窯業系サイディングにより構成され、屋外面(外壁面)を形成している。図示は省略するが、外壁板28の裏面側には矩形枠状の下地フレーム(下地材)が固定され、その下地フレームが天井大梁22及び床大梁23の屋外側にそれぞれ取り付けられている。つまり、外壁板28は、下地フレームを介して天井大梁22及び床大梁23に屋外側から取り付けられている。
一階部分11には、その角部にアルコーブ14(玄関ポーチ)が形成されている。アルコーブ14は、互いに直交する2つの外壁面をそれぞれ屋内側に後退させることにより形成された凹状空間となっている。アルコーブ14は、その2つの側面が仕切壁15,16により規定され、残りの2つの側面が屋外に開口されている。各仕切壁15,16のうち、一方の仕切壁15には玄関口18が設けられ、その玄関口18には玄関ドア19が設けられている。
アルコーブ14において屋外に開口された2つの側面はそれぞれ開口部31,32となっている。これら各開口部31,32のうち、仕切壁16と対向する位置にある開口部31は開口部32よりも開口幅が大きくなっている。この場合、この開口部31の形成されている側がアルコーブ14の正面側となる。以下の説明では、この正面側の開口部31の幅方向を第1方向Xといい、この第1方向Xと直交する方向、すなわち開口部32の幅方向を第2方向Yという。
アルコーブ14において開口部31の上方には垂れ壁を構成する外壁板34が設けられ、開口部32の上方には同じく垂れ壁を構成する外壁板35が設けられている。これらの外壁板34,35はいずれも窯業系サイディングにより構成され、屋外面(外壁面)を形成している。図示は省略するが、各外壁板34,35の裏面側には下地フレーム(下地材)が固定され、その下地フレームが天井大梁22の屋外側に取り付けられている。つまり、各外壁板34,35は、下地フレームを介して天井大梁22に屋外側から取り付けられている。詳しくは、各外壁板34,35のうち、外壁板34が第1方向Xに延びる天井大梁22に取り付けられ、外壁板35が第2方向Yに延びる天井大梁22に取り付けられている。
アルコーブ14(玄関ポーチ)において各開口部31,32の間の角隅部には化粧柱30(ポーチ柱)が立設されている。化粧柱30は、アルコーブ14において独立した状態で立設されている。化粧柱30は、アルコーブ14を形成する建物ユニット20(以下、アルコーブユニット20Aという)の柱21を用いて構成されている。なお、以下の説明では便宜上、化粧柱30を構成する上記柱21の符号にAを付す。また、アルコーブユニット20Aが「所定の建物ユニット」に相当し、上記柱21Aが「所定柱」及び「独立柱」に相当する。
化粧柱30は、柱21Aの周囲に化粧板45が配設されることにより形成されている。化粧板45は、窯業系サイディングにより構成され、柱21Aの四方を囲むようにして配設されている。本実施形態では、化粧板45が柱21A周りで分割されて2つ設けられている(図3も参照)。各化粧板45はいずれも横断面がコ字状をなしており、互いの溝部を向き合わせて平面視矩形に配置されている。各化粧板45は柱21Aに沿って上下に延びる長尺状とされ、その長さが柱21Aの長さと略同じ長さとなっている。なお、化粧板45が柱化粧板に相当する。
化粧板45は、垂れ壁を構成する各外壁板34,35とそれぞれ隣接している。この場合、化粧板45において互いに直交する2面の屋外面45a,45bのうち、屋外面45aが外壁板34の屋外面34aと同一平面で連続し、屋外面45bが外壁板35の屋外面35aと同一平面で連続している。なお、これら各屋外面45a,45bがそれぞれ連続屋外面に相当する。また、各屋外面45a,45bのうち、屋外面45aは第1方向Xと平行な面であり、屋外面45bは第2方向Yと平行な面である。
化粧柱30の上方には、二階部分12における外壁の出隅部33が形成されている。二階部分12では、出隅部33を構成する2つの外壁板28a,28bが直角をなして配置され、それら各外壁板28a,28bの屋外面29a,29bにより出隅部33が形成されている。これら各外壁板28a,28bは、上述したように、下地フレームを介して天井大梁22及び床大梁23に屋外側から取り付けられているが、各外壁板28a,28bのうち、外壁板28aが第1方向Xに延びる各大梁22,23に取り付けられ、外壁板28bが第2方向Yに延びる各大梁22,23に取り付けられている。
化粧柱30の化粧板45は、各外壁板28a,28bとそれぞれ上下に隣接している。この場合、化粧板45の屋外面45aが外壁板28aの屋外面29aと同一平面で連続し、屋外面45bが外壁板28bの屋外面29bと同一平面で連続している。
続いて、アルコーブユニット20Aの構成について説明する。アルコーブユニット20Aは、その床部の構成が通常の建物ユニット20と相違しており、以下においてはその相違点を中心に説明する。図2は、アルコーブユニット20Aにおける柱21A周辺を示す斜視図である。
図2に示すように、アルコーブユニット20Aにおいて上記開口部31,32が形成された各側面部では、それら開口部31,32が形成されている関係で床大梁23の一部が除去されている。すなわち、これらの側面部では、開口部31,32が形成されている範囲内において床大梁23が除去されており、その除去された部分が梁欠損部39となっている。
柱21Aにおいて各開口部31,32側の側面、換言すると柱21において2つの天井大梁22が固定されている各側面にはそれぞれ、短尺状の下梁37が固定されている。下梁37は、その一端部が柱21Aの側面に固定された片持ち状とされている。下梁37は、床大梁23と同じ断面を有する溝形鋼により形成され、その溝部を水平方向内側に向けた状態で配設されている。下梁37は、床大梁23と同じ高さ位置に配置され、天井大梁22に対して真下に位置している。
この場合、柱21Aからは互いに直交する2方向に、具体的には第1方向X及び第2方向Yにそれぞれ天井大梁22と下梁37とが上下に対向した状態で延びている(突出している)。以下の説明では、各方向に延びる天井大梁22及び下梁37を区別するために、第1方向Xに延びる天井大梁22及び下梁37の符号にAを付し、第2方向Yに延びる天井大梁22及び下梁37の符号にBを付す。
ここで、ユニット製造工場でのアルコーブユニット20Aの製造時には、各梁欠損部39に対して補強用の仮梁38(図2において二点鎖線で示す)が組み付けられる。仮梁38は、その一端部が下梁37に対してボルトにより仮固定され、その他端部が梁欠損部39を挟んで下梁37とは反対側に設けられた下梁(図示略)にボルトにより仮固定される。このように仮梁38が組み付けられることで梁欠損部39が補強される。
仮梁38が組み付けられたアルコーブユニット20Aは施工現場へと搬送される。この場合、アルコーブユニット20Aの搬送時及び据付時に梁欠損部39にて同ユニット20Aに変形が生じるのを防止できる。アルコーブユニット20Aが施工現場へ搬送され、所定位置に据え付けられた後、同ユニット20Aから仮梁38が取り外される。これにより、その仮梁38が取り外された部位が梁欠損部39となる。
次に、化粧柱30の構成について図3及び図4に基づいて説明する。図3は、化粧柱30の構成を示す横断面図である。図4は、化粧柱30の構成を分解した状態で示す分解横断面図である。なお、図3及び図4は図1のA−A線断面図に相当する。
図3及び図4に示すように、化粧柱30は、アルコーブユニット20Aの柱21Aと、その柱21Aを囲むように設けられた支持フレーム40と、支持フレーム40の外周側に取り付けられた化粧板45とを備えて構成されている。
柱21Aは、上述したように角形鋼管よりなり、その横断面が矩形形状詳しくは正方形状をなしている。柱21Aには、その側面として、第1方向Xに対向する2つの側面21a,21bと、第2方向Yに対向する2つの側面21c,21dとが設けられている。各側面21a,21bのうち、側面21aが第1方向Xにおいてアルコーブユニット20Aの内側(以下、ユニット内側という)に形成され、側面21bがアルコーブユニット20Aの外側(以下、ユニット外側という)に形成されている。また、各側面21c,21dのうち、側面21cが第2方向Yにおいてユニット内側に形成され、側面21dがユニット外側に形成されている。なお、各側面21a〜21dのうち、側面21aに天井大梁22Aと下梁37Aとが固定され、側面21cに天井大梁22Bと下梁37Bとが固定されている。
続いて、支持フレーム40の構成について図3及び図4に加え図5〜図7を用いながら説明する。図5は、支持フレーム40が柱21Aに組み付けられた状態を示す斜視図である。図6は、支持フレーム40を構成する第1フレーム部41が柱21Aに組み付けられた状態を示す斜視図である。図7は、第1フレーム部41を示す斜視図である。なお、図6及び図7では便宜上、アルコーブユニット20Aを仮想線(二点鎖線)で示している。
図3〜図5に示すように、支持フレーム40は、第1フレーム部41と第2フレーム部42とを備えている。これら各フレーム部41,42はいずれも柱21Aに沿って上下に延びる長尺状に形成され、それら各フレーム部41,42が互いに連結されることにより支持フレーム40が構成されている。
支持フレーム40は、その外周部を構成するフレーム外周部43を有している。フレーム外周部43は、その平面視において柱21Aを囲む矩形形状(詳しくは正方形)をなしている。詳しくは、フレーム外周部43は、柱21Aよりも一回り大きい矩形形状をなしており、その平面視において柱21Aに加え当該柱21Aに連結された各下梁37A,37Bをも囲んでいる。なお、図3では便宜上、各下梁37A,37Bを二点鎖線にて示している。
フレーム外周部43は、全体として4つの側面部43a〜43dを有している。これら4つの側面部43a〜43dには、柱21Aを挟んで第1方向Xに対向する2つの側面部43a,43bと、柱21Aを挟んで第2方向Yに対向する2つの側面部43c,43dとが含まれている。各側面部43a,43bのうち、側面部43aが第1方向Xにおいてユニット内側に位置し、側面部43bがユニット外側に位置している。また、各側面部43c,43dのうち、側面部43cが第2方向Yにおいてユニット内側に位置し、側面部43dがユニット外側に位置している。
フレーム外周部43の各側面部43a〜43dは、第1フレーム部41と第2フレーム部42とにより構成されている。第1フレーム部41は、ユニット外側の各側面部43b,43dを含んで平面視L字状に形成され、第2フレーム部42は、ユニット内側の各側面部43a,43cを含んで平面視L字状に形成されている。この点からすると、第1フレーム部41を外側フレーム部ということができ、第2フレーム部42を内側フレーム部ということができる。また、詳しくは、第1フレーム部41は、ユニット外側の各側面部43b,43dに加え、ユニット内側の各側面部43a,43cの一部を含んで構成されている。また、第2フレーム部42は、それら各側面部43a,43cの残りの部分を含んで構成されている。
第1フレーム部41は、フレーム外周部43を構成する第1外周部41aの他に、その第1外周部41aの外周方向の両端部に設けられた一対の第1固定部41b,41cを有する。また、第2フレーム部42は、フレーム外周部43を構成する第2外周部42aの他に、その第2外周部42aの外周方向の両端部に設けられた一対の第2固定部42b,42cを有する。これら各固定部41b,41c,42b,42cはいずれもフレーム外周部43よりもフレーム内側に向けて延びている。第1固定部41bと第2固定部42bとはボルト64(固定具に相当)により互いに固定され、第1固定部41cと第2固定部42cとはボルト61(固定具に相当)により互いに固定されている。これにより、第1フレーム部41と第2フレーム部42とが互いに連結され、それら各フレーム部41,42により支持フレーム40が構成されている。
続いて、第1フレーム部41及び第2フレーム部42の各構成について詳しく説明する。まず、第1フレーム部41の構成について説明する。
図3〜図7に示すように、第1フレーム部41は、柱21Aを挟んで第1方向Xに対向する一対の縦枠材47,48と、それら各縦枠材47,48の間に架け渡された複数の横枠材49とを有している。各縦枠材47,48のうち、縦枠材47が第1方向Xにおいて柱21Aよりもユニット外側に配置され、縦枠材48が柱21Aよりもユニット内側に配置されている。
縦枠材47は、上下に延びる長尺状の鋼材により形成されている。縦枠材47は、柱21Aの側面21bに対向配置された板部47aと、その板部47aの幅方向の両端部からそれぞれ第1方向Xのユニット内側に延びる一対の板部47b,47cとを有する。板部47aは、柱21Aの側面21bに隙間を隔てて対向しており、その隙間には柱21Aに沿って上下に延びる長尺平板状のスペーサ51が介在されている。スペーサ51は合板よりなり、柱21Aの側面21bに接着剤を用いて固定されている。
一対の各板部47b,47cは、第2方向Yにおける柱21Aを挟んだ両側にそれぞれ配置されている。各板部47b,47cのうち、第2方向Yにおけるユニット外側に配置された板部47bは柱21Aに近接して配置されているのに対し、ユニット内側に配置された板部47cは柱21Aから離間して配置されている。また、縦枠材47は、さらに、板部47cにおける反板部47a側の端部から第2方向Yのユニット外側(柱21A側)に延びる板部47dを有している。
縦枠材48は、横断面がコ字状をなす長尺状の鋼材により形成されている。縦枠材48は、柱21Aの側面21aに対向配置された板部48aと、その板部48aの幅方向両端部からそれぞれ第1方向Xのユニット外側へ延びる一対の板部48b,48cとを有する。板部48aは、柱21A(側面21a)から離間して配置され、板部48aと柱21A(側面21a)との離間距離は縦枠材47の板部47cと柱21A(側面21c)との離間距離と同じとなっている。
各板部48b,48cのうち、第2方向Yのユニット外側に配置された板部48bは、その外側面が縦枠材47の板部47bの外側面と同一平面上に位置している。また、ユニット内側の板部48cは、上記板部48bからの離間距離が縦枠材47の各板部47a,47dの離間距離と同じとなっている。
横枠材49は、長尺平板状の鋼板により形成されている。横枠材49は、上下方向に所定の間隔をおいて複数(具体的には4つ)配置されている。各横枠材49はそれぞれ一方の端部が縦枠材47の板部47bの内側面に溶接固定され、他方の端部が縦枠材48の板部48bの内側面に溶接固定されている。これにより、これらの横枠材49を介して各縦枠材47,48が互いに連結されている。
また、これらの横枠材49は、柱21Aの側面21dと所定の隙間を隔てて対向している。それら横枠材49と側面21dとの間には柱21Aに沿って上下に延びる長尺平板状のスペーサ52が介在されている。スペーサ52は合板よりなり、柱21Aの側面21dに接着剤を用いて固定されている。
なお、第1フレーム部41では、各縦枠材47,48の板部47d,48cによりそれぞれ第1固定部41b,41cが構成され、各縦枠材47,48における上記各板部47d,48cを除いた部分と各横枠材49とにより第1外周部41aが構成されている。
第1フレーム部41は、さらに、その上端側に天井大梁22に固定される上梁固定部53,54を有し、その下端側に下梁37に固定される下梁固定部55,56を有している。以下においては、これら各梁固定部53〜56に関する構成について図6及び図7に加え、図8〜図11を参照しながら説明する。図8は、上梁固定部53,54が天井大梁22に固定された固定部分の構成を示す横断面図である。図9は、下梁固定部55,56が下梁37に固定された固定部分の構成を示す横断面図である。図10は、上下の各梁固定部53〜56が天井大梁22及び下梁37に固定された固定部分周辺の構成を示しており、(a)が同構成を図3におけるa方向から見た図であり、(b)がb方向から見た図である。図11は、(a)が上記固定部分周辺の構成を図3におけるc方向から見た図であり、(b)がd方向から見た図である。
図6〜図11に示すように、第1フレーム部41は、その上端側に、各天井大梁22A,22Bにそれぞれ屋外側から固定される2つの上梁固定部53,54を有し、その下端側に、各下梁37A,37Bにそれぞれ屋外側から固定される2つの下梁固定部55,56を有している。これら各梁固定部53〜56のうち、まず上梁固定部53,54について説明する。
第1フレーム部41の第1外周部41aは、上述したように、フレーム外周部43におけるユニット外側の各側面部43b,43dを含んで構成されている(特に、図8及び図9を参照)。これら各側面部43b,43dのうち、側面部43dは、第1方向Xにおいて柱21Aと天井大梁22A及び下梁37Aとに跨がるよう配置されている。一方、側面部43bは、第2方向Yにおいて柱21Aと天井大梁22B及び下梁37Bとに跨がるよう配置されている。
第1外周部41aの側面部43dには、その上端側に、天井大梁22Aに向けて突出するように上梁固定部53が固定され、側面部43bには、その上端側に、天井大梁22Bに向けて突出するように上梁固定部54が固定されている。これら各上梁固定部53,54のうち、まず上梁固定部53について説明すると、上梁固定部53は、図8及び図10に示すように、第1フレーム部41の縦枠材48の上端側に固定されている。上梁固定部53は、コ字状の鋼板により形成され、ウェブ53aとウェブ53aを挟んで対向する一対のフランジ53b,53cとを有する。上梁固定部53は、各フランジ53b,53cが上下に対向する向きで、かつ各フランジ53b,53cの先端部が縦枠材48の板部48bの内側面に当接した状態で配置され、その配置状態で各フランジ53b,53cが板部48bに対し溶接固定されている。この場合、ウェブ53aは、板部48b(ひいては側面部43d)からフレーム内側(天井大梁22A側)に離間した位置に配置されている。また、上梁固定部53は、各フランジ53b,53cの幅方向の端部が縦枠材48の板部48aの内側面に溶接固定されている。
上梁固定部53は、そのウェブ53aが天井大梁22Aのウェブ22aの外側面(天井大梁22Aの屋外側)に当接しており、その当接状態でウェブ53aがボルト78により天井大梁22Aのウェブ22aに固定されている。ウェブ53aの内側面(屋外側面)にはウェルディングナット79が溶接固定されており、そのウェルディングナット79に対してボルト78が天井大梁22Aの溝内側から各ウェブ22a,53aを介して締結されている。なお、各ウェブ22a,53aにはそれぞれボルト78を挿通するための孔部が形成されている。このようにして、上梁固定部53が天井大梁22Aに対して屋外側から固定されている。
上梁固定部54は、図8及び図11に示すように、第1フレーム部41の縦枠材47の上端側に固定されている。上梁固定部54は、上記上梁固定部53と同様、コ字状の鋼板により形成され、ウェブ54aとウェブ54aを挟んで対向する一対のフランジ54b,54cとを有する。また、本実施形態では、上梁固定部54が上梁固定部53と同じ構成を有して形成されている。上梁固定部54は、各フランジ54b,54cが上下に対向する向きで、かつ各フランジ54b,54cの先端部が縦枠材47の板部47aの内側面に当接した状態で配置され、その配置状態で各フランジ53b,53cが板部47aに対し溶接固定されている。この場合、ウェブ54aは、板部47a(ひいては側面部43b)からフレーム内側(天井大梁22B側)に離間した位置に配置されている。また、上梁固定部54は、各フランジ54b,54cの幅方向の端部が縦枠材47の板部47cの内側面に溶接固定されている。
上梁固定部54は、そのウェブ54aが天井大梁22Bのウェブ22aの外側面(天井大梁22Bの屋外側)に当接しており、その当接状態でウェブ54aがボルト81により天井大梁22Bのウェブ22aに固定されている。ウェブ54aの内側面にはウェルディングナット82が溶接固定されており、そのウェルディングナット82に対してボルト81が天井大梁22Bの溝内側から各ウェブ22a,54aを介して締結されている。なお、各ウェブ22a,54aにはそれぞれボルト81を挿通するための孔部が形成されている。このようにして、上梁固定部54が天井大梁22Bに対して屋外側から固定されている。
続いて、下梁固定部55,56について説明する。
第1外周部41aの側面部43dには、その下端側に、下梁37Aに向けて突出するように下梁固定部55が固定され、側面部43bには、その下端側に、下梁37Bに向けて突出ように下梁固定部56が固定されている(特に、図9を参照)。これら各下梁固定部55,56のうち、まず下梁固定部55について説明すると、下梁固定部55は、図9及び図10に示すように、第1フレーム部41の縦枠材48の下端部に固定されている。下梁固定部55は、L字状の鋼板により形成され、縦枠材48の下端部に溶接固定された水平板部55aと、水平板部55aから下方に延びる鉛直板部55bとを有する。水平板部55aは、その一の端辺部が縦枠材48の板部48bの下端部に沿って配置され、その配置状態で板部48bに対し溶接固定されている。鉛直板部55bは、水平板部55aにおける板部48bとの固定側とは反対側の端辺部に配置されている。この場合、鉛直板部55bは、板部48b(ひいては側面部43d)からフレーム内側(下梁37A側)に離間した位置に配置されている。また、水平板部55aは、上記一の端辺部と隣接する端辺部が縦枠材48の板部48aの下端部に沿って配置され、当該板部48aに溶接固定されている。
下梁固定部55は、その鉛直板部55bが下梁37Aのウェブ37aの外側面(下梁37Aの屋外側)に当接しており、その当接状態で鉛直板部55bがボルト84により下梁37Aのウェブ37aに固定されている。ウェブ37aの内側面にはウェルディングナット85が溶接固定されており、そのウェルディングナット85に対してボルト84が鉛直板部55bの屋外側から鉛直板部55b及びウェブ37aを介して締結されている。なお、鉛直板部55b及びウェブ37aにはそれぞれボルト84を挿通するための孔部が形成されている。このようにして、下梁固定部55が下梁37Aに対して屋外側から固定されている。
ちなみに、上記各孔部のうち、鉛直板部55bの孔部86は下端側が開放された切り欠き状とされている。この場合、ボルト84を下梁37Aに仮固定(仮締結)した状態で、そのボルト84に鉛直板部55bの孔部86を上方から挿し込んで引っ掛けることができる。そのため、下梁固定部55の固定作業を行う際には好都合となる。なお、孔部86は、必ずしも切り欠き状とする必要はなく、丸孔であってもよい。
続いて、下梁固定部56について説明する。下梁固定部56は、図9及び図11に示すように、第1フレーム部41の縦枠材47の下端部に固定されている。下梁固定部56は、下梁固定部55と同様、L字状の鋼板により形成され、縦枠材47の下端部に溶接固定された水平板部56aと、水平板部56aから下方に延びる鉛直板部56bとを有する。水平板部56aは、その一の端辺部が縦枠材47の板部47aの下端部に沿って配置され、その配置状態で板部47aに対し溶接固定されている。鉛直板部56bは、水平板部56aにおける板部47aとの固定側とは反対側の端辺部に配置されている。この場合、鉛直板部56bは、板部47a(ひいては側面部43b)からフレーム内側(下梁37B側)に離間した位置に配置されている。また、水平板部56aは、上記一の端辺部と隣接する端辺部が縦枠材47の板部47cの下端部に沿って配置され、当該板部47cに溶接固定されている。
下梁固定部56は、その鉛直板部56bが下梁37Bのウェブ37aの外側面(下梁37Bの屋外側)に当接しており、その当接状態で鉛直板部56bがボルト87により下梁37Bのウェブ37aに固定されている。ウェブ37aの内側面にはウェルディングナット88が溶接固定されており、そのウェルディングナット88に対してボルト87が鉛直板部56bの屋外側から鉛直板部56b及びウェブ37aを介して締結されている。なお、鉛直板部56b及びウェブ37aにはそれぞれボルト87を挿通するための孔部が形成されている。このようにして、下梁固定部56が下梁37Bに対して屋外側から固定されている。
ちなみに、上記各孔部のうち、鉛直板部56bの孔部89は下端側が開放された切り欠き状とされている。この場合、ボルト87を下梁37Bに仮固定(仮締結)した状態で、そのボルト87に鉛直板部56bの孔部89を上方から挿し込んで引っ掛けることができる。そのため、下梁固定部56の固定作業を行う際には好都合となる。なお、孔部89は、必ずしも切り欠き状とする必要はなく、丸孔であってもよい。
また、ユニット製造工場でのアルコーブユニット20Aの製造時においては、下梁固定部55,56に加えて仮梁38(図9において仮想線(二点鎖線)で示す)が下梁37A,37Bにボルト84,87により(仮)固定される(図2も参照)。この場合、かかる仮固定状態でアルコーブユニット20Aが施工現場へ搬送され、所定位置に据え付けられた後、ボルト84,87が取り外されることにより仮梁38が取り外される。そして、その後ボルト84,87が再び締められることで下梁固定部55,56が下梁37に(本)固定されるようになっている。
上述のように、第1フレーム部41は、各上梁固定部53,54及び各下梁固定部55,56を用いて天井大梁22A,22B及び下梁37A,37Bにそれぞれ固定されるようになっている。より詳しくは、第1フレーム部41(ひいては支持フレーム40)は、天井大梁A,22B及び下梁37A,37Bに対してのみ固定され、柱21Aに対しては固定されていない。
続いて、第2フレーム部42の構成について説明する。
図3〜図5に示すように、第2フレーム部42は、第1方向Xにて互いに離間して配置された一対の縦枠材57,58と、それら各縦枠材57,58の間に架け渡された複数の横枠材59とを有している(図10及び図11も参照)。各縦枠材57,58のうち、縦枠材57は第1方向Xにおいて柱21Aよりもユニット内側に配置され、縦枠材58は縦枠材57よりもユニット外側に配置されている。
縦枠材57は、横断面がコ字状をなす長尺状の鋼材により形成されている。縦枠材57は、その溝部を第1方向Xにおけるユニット外側に向けた状態で、第1フレーム部41の縦枠材48に対して第2方向Yのユニット内側に隣接して配置されている。縦枠材57は、柱21Aの側面21aに対向する板部57aと、板部57aの幅方向両端部からそれぞれ第1方向Xのユニット外側へ延びる一対の板部57b,57cとを有する。板部57aは、その外側面が縦枠材48の板部48aの外側面と同一平面上に位置している。また、各板部57b,57cのうち、第2方向Yのユニット外側(換言すると縦枠材48側)に配置された板部57b(第2固定部42cに相当)はボルト61により縦枠材48の板部48c(第1固定部41cに相当)に固定されている。また、ユニット内側の板部57cは、その外側面が第1フレーム部41の縦枠材47の板部47cの外側面と同一平面上に位置している。
ボルト61による板部57bの固定に関して詳しくは、縦枠材48の板部48cの内側面にはウェルディングナット62が溶接固定されており、そのウェルディングナット62に対してボルト61が各板部48c,57bを介して締結されている。また、ボルト61及びウェルディングナット62は、縦枠材48,57の長手方向に沿って所定の間隔で複数(具体的には4つ)配置されている(図10(b)や図11(a)を参照)。この場合、ボルト61及びウェルディングナット62は、横枠材59と異なる高さ位置に配置されている。そのため、ボルト61をウェルディングナット62に締結する際に、上下に並ぶ横枠材59の間を通じてかかる締結作業がし易くなっている。
縦枠材58は、横断面がL字状をなす長尺材の鋼材により形成されている。縦枠材58は、第1フレーム部41の縦枠材47に対して第1方向Xにおけるユニット内側に隣接させて配置されている。縦枠材58は、その一方の板部58a(第2固定部42bに相当)が縦枠材47の板部47d(第1固定部41bに相当)にボルト64により固定され、他方の板部58bはその外側面が縦枠材47の板部47cの外側面(及び縦枠材57の板部57cの外側面)と同一平面上に位置している。
ボルト64による板部58aの固定に関して詳しくは、縦枠材47の板部47dの内側面にはウェルディングナット65が溶接固定されており、そのウェルディングナット65に対してボルト64が各板部47d,58aを介して締結されている。また、ボルト64及びウェルディングナット65は、縦枠材47,58の長手方向に沿って所定の間隔で複数(具体的には4つ)配置されている(図10(b)や図11(a)を参照)。この場合、ボルト64及びウェルディングナット65は、横枠材59と異なる高さ位置に配置されている。そのため、ボルト64をウェルディングナット65に締結する際に、上下に並ぶ横枠材59の間を通じてかかる締結作業がし易くなっている。
横枠材59は、長尺平板状の鋼板により形成されている。横枠材59は、上下方向に所定の間隔をおいて複数(具体的には4つ)配置されている。各横枠材59はそれぞれ一方の端部が縦枠材57の板部57cの内側面に溶接固定され、他方の端部が縦枠材58の板部58bの内側面に溶接固定されている。これにより、これらの横枠材59を介して各縦枠材57,58が互いに連結されている。
なお、第2フレーム部42では、各縦枠材57,58の板部58a,57bによりそれぞれ第2固定部42b,42cが構成され、各縦枠材57,58における上記各板部58a,57bを除いた部分と各横枠材59とにより第2外周部42aが構成されている。
以上が、支持フレーム40に関する説明である。
支持フレーム40には、図3に示すように、そのフレーム外周部43に各化粧板45が取り付けられている。各化粧板45は、上述したように横断面コ字状をなしており、詳しくはその横断面がいずれも同じ大きさでかつ同じ形状とされている。各化粧板45は、互いの溝部(内側空間)を第2方向Yに向き合わせた状態で支持フレーム40(フレーム外周部43)の外周側に配設され、その配設状態でフレーム外周部43にビス71により固定されている。この場合、各化粧板45は支持フレーム40(さらには柱21A)を囲むように設けられており、それら各化粧板45により横断面矩形(詳しくは正方形)の化粧壁部46が構成されている。
このように、各化粧板45が柱21Aを囲む支持フレーム40に取り付けられていることから、化粧壁部46ひいては化粧柱30の幅は柱21Aの幅よりも(十分に)大きくなっている。具体的には、支持フレーム40のフレーム外周部43は、その平面視にて、柱21Aとともにその柱21Aに連結された2つの下梁37A,37Bを囲んでいるため、そのフレーム外周部43の外側に設けられる化粧壁部46は第1方向X及び第2方向Yの各方向において各下梁37A,37Bよりもユニット内側に張り出して(ふかして)形成されている。これにより、本実施形態では、化粧柱30が重厚感のあるものとなっている。
各化粧板45は、互いの端面同士を第2方向Yに向き合わせた状態で配置されている。それら各化粧板45の端面同士の間には上下方向に延びる目地73(縦目地)が形成されている。目地73は、各化粧板45の間において2箇所存在しており、その目地幅方向が第2方向Yとなっている。それら2つの目地73はいずれも第2方向Yにおいて同位置にあり、また同方向Yにおいて化粧柱30の中央に位置している。
これらの目地73にはそれぞれ、目地止水部材としてガスケット74が配設されている。ガスケット74は、定形シールよりなり、EPDM等の樹脂材料により形成されている。ガスケット74は、目地73に沿って上下に延びるように配設され、当該目地73に対してはめ込まれている。これにより、目地73を通じて雨水等の水が化粧板45の内側空間(つまり化粧柱30の内部空間)に入り込むことが防止されている。
ガスケット74の奥側には止水シート76が配設されている。止水シート76は、上下に延びる長尺状のシートであり、目地73を挟んで隣り合う各化粧板45の裏面に跨がって配設されている。止水シート76は、目地73を挟んだ両側部分が化粧板45とフレーム外周部43との間に挟み込まれた状態で設けられている。この場合、仮に雨水等の水がガスケット74を突破したとしても、その水が化粧柱30の内部空間に入り込むのを防止することができる。
止水シート76は各目地73に対してそれぞれ配設されている。それら各止水シート76のうち一方の止水シート76aは化粧板45(化粧壁部46)と第1フレーム部41の縦枠材47の板部47aとの間に挟み込まれている。縦枠材47の板部47aは、第2方向Yに目地73を跨いで配設され、その板部47aの外側面に止水シート76aが接着剤を用いて貼り付けられている(図11(b)も参照)。
他方の止水シート76bは化粧板45(化粧壁部46)と第2フレーム部42の縦枠材57の板部57aとの間に挟み込まれている。縦枠材57の板部57aは、第2方向Yに目地73を跨いで配設され、その板部57aの外側面に止水シート76bが接着剤を用いて貼り付けられている(図10(b)も参照)。このように、支持フレーム40において各縦枠材47,57は止水シート76a,76bの下地としても利用されている。
次に、上述した化粧柱30を構築する際の作業手順について説明する。
化粧柱30を構築するにあたっては、まずユニット製造工場においてアルコーブユニット20Aの柱21Aの周囲に支持フレーム40を配設する作業を行う。この配設作業に際してはまず、第1フレーム部41を天井大梁22A,22B及び下梁37A,37Bに固定する作業を行う。この固定に際しては、ボルト78,81をウェルディングナット79,82に締結することで、上梁固定部53,54を天井大梁22A,22Bに固定し、ボルト84,87をウェルディングナット85,88に締結することで、下梁固定部55,56を下梁37A,37Bに固定する。
次に、第1フレーム部41に対して第2フレーム部42を固定する作業を行う。この作業では、ボルト61をウェルディングナット62に締結することで、第2フレーム部42の縦枠材57を第1フレーム部41の縦枠材48に固定し、ボルト64をウェルディングナット65に締結することで、第2フレーム部42の縦枠材58を第1フレーム部41の縦枠材47に固定する。これにより、各フレーム部41,42が連結され、柱21Aの周囲に支持フレーム40が形成される。
次に、アルコーブユニット20Aを施工現場へ搬送する。施工現場では、アルコーブユニット20Aの支持フレーム40(フレーム外周部43)に化粧板45をビス71により固定する作業を行う。これにより、アルコーブユニット20Aにおいて化粧柱30が構築される。
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
アルコーブユニット20Aの柱21Aを囲むように支持フレーム40を配設し、その支持フレーム40の上梁固定部53,54及び下梁固定部55,56をそれぞれ上記柱21Aに連結された天井大梁22及び下梁37に固定した。そして、その支持フレーム40の外周側に化粧板45を取り付けた。この場合、化粧板45が天井大梁22及び下梁37に支持フレーム40を介して取り付けられるため、化粧板45が柱21Aに取り付けられる場合と異なり、化粧板45の取付位置がアルコーブユニット20Aにおける柱21Aの位置ばらつきの影響を受けることがない。
また、化粧板45は、それと隣接する外壁板28a,34の屋外面29a,34aと同一平面で連続する屋外面45a(連続屋外面)を有しているが、上記の実施形態では、この屋外面45aと平行に延びる天井大梁22A及び下梁37Aに対しそれぞれ上梁固定部53と下梁固定部55とを固定するようにした。この場合、化粧板45を、隣接する外壁板28a,34と同様に、屋外面45a(さらには屋外面29a,34a)と平行に延びる梁22A,37Aに対し支持フレーム40を介して取り付けることができるため、化粧板45の屋外面45aを外壁板28a,34の屋外面29a,34aと面一に揃え易くすることができる。これにより、化粧板45を好適に取り付けることが可能となる。
また、化粧板45は、さらに、それと隣接する外壁板28b,35の屋外面29b,35aと同一平面で連続する屋外面45b(連続屋外面)を有しているが、上記の実施形態では、この屋外面45bと平行に延びる天井大梁22B及び下梁37Bにもそれぞれ上梁固定部54と下梁固定部56とを固定するようにした。この場合、化粧板45を、隣接する外壁板28b,35と同様に、屋外面45b(さらには屋外面29b,35a)と平行に延びる梁22B,37Bに対し支持フレーム40を介して取り付けることができるため、化粧板45の屋外面45bを外壁板28b,35の屋外面29b,35aと面一に揃え易くすることができる。これにより、化粧板45において互いに直交する2面が連続屋外面45a,45bとなっている構成にあって、化粧板45を好適に取り付けることが可能となる。
上梁固定部53(54)を天井大梁22A(22B)に対して屋外側から固定し、下梁固定部55(56)を下梁37A(37B)に対して屋外側から固定した。この場合、化粧板45を、それと隣接する外壁板28a,34(28b,35)と同様に、梁22A,37A(22B,37B)に対して屋外側から支持フレーム40を介して取り付けることができるため、化粧板45の屋外面45a(45b)を外壁板28a,34(28b,35)の屋外面29a,34a(29b,35a)とより一層面一に揃え易くすることができる。これにより、化粧板45をより一層好適に取り付けることが可能となる。
支持フレーム40を2つのフレーム部41,42に分割して構成し、それら各フレーム部41,42のうち第1フレーム部41に各上梁固定部53,54及び各下梁固定部55,56をすべて設けるようにした。この場合、支持フレーム40を各梁22A,22B,37A,37Bに固定するに際しては、まず、第1フレーム部41の各上梁固定部53,54及び各下梁固定部55,56をそれぞれ各梁22A,22B,37A,37Bに固定し、それから、その第1フレーム部41に対して第2フレーム部42を固定することになる。つまり、この場合、梁22A,22B,37A,37Bに対する固定作業は第1フレーム部41を各梁22A,22B,37A,37Bに固定することで完了するため、支持フレーム40が2つに分割された構成にあって、かかる固定作業を比較的容易に行うことが可能となる。
各フレーム部41(42)をそれぞれ、一対の縦枠材47,48(57,58)と、それら各縦枠材47,48(57,58)同士を連結する複数の横枠材49(59)とを有して構成した。この場合、各フレーム部41,42の軽量化を図ることができるため、各フレーム部41,42の取り扱いが容易となり、支持フレーム40の固定作業を容易に行うことが可能となる。
ここで、上記の構成では、支持フレーム40(フレーム外周部43)を構成する各縦枠材47,48,57,58と各横枠材49,59とがフレーム外周方向に並ぶこととなる。そこで上記の実施形態では、かかる構成にあって、各縦枠材47,57をフレーム外周方向にて化粧板45の目地73と同位置に配置した。詳しくは、各縦枠材47,57を、フレーム外周方向にて目地73を跨ぐように配置した。この場合、目地73の奥側にて縦枠材47,57の外側面に止水シート76を貼り付けることができるため、縦枠材47,57を止水シート76の下地としても利用することが可能となる。
下梁37A,37Bを、その一端部のみが柱21Aに連結された片持ち状の短尺梁とし、その短尺梁(下梁37A,37B)を化粧板45により囲まれた内側空間に配設(収容)した。この場合、下梁37A,37Bに対して支持フレーム40(下梁固定部55,56)が固定される上述の構成にあって、柱21Aの下端付近まで化粧板45で覆う柱化粧構造を実現することができる。
ところで、下梁37A,37Bが片持ち状の短尺梁とされた上記の構成では、アルコーブユニット20Aの搬送時に梁欠損部39にてアルコーブユニット20Aに変形が生じるおそれがある。そのため、上記の実施形態では、ユニット搬送の際、その梁欠損部39に対して補強用の仮梁38を組み付けるようにしている。そして、上記の実施形態では、その仮梁38の組み付けに際し、下梁37A,37Bを、仮梁38を仮固定するための仮固定部として利用している。この場合、下梁37A,37Bを、下梁固定部55,56の固定部としてだけでなく、仮梁38の仮固定部としても利用できるため、下梁37A,37Bの有効利用を図ることができる。
柱21A(独立柱)の四方を化粧板45により囲んでなる化粧柱30に、化粧板45を支持フレーム40を介して梁22,37に取り付ける上述の構成を適用した。この場合、建物10において独立した状態で設けられる化粧柱30において、化粧板45を好適に取り付けることが可能となる。
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
(1)上記実施形態では、各フレーム部41,42のうち、第1フレーム部41(外側フレーム部)に各梁固定部53〜56をそれぞれ設け、それら各梁固定部53〜56を梁22,37に対して屋外側から固定するようにしたが、これを変更してもよい。例えば、第2フレーム部42(内側フレーム部)に各梁固定部53〜56をそれぞれ設け、それら各梁固定部53〜56を梁22,37に対して屋内側(アルコーブ14側)から固定するようにしてもよい。その場合でも、梁固定部53,55(54,56)が化粧板45の連続屋外面45a(45b)と平行に延びる梁22A,37A(22B,37B)に固定されるため、化粧板45を、隣接する外壁板28a,34(28b,35)と同様に、連続屋外面45a(45b)と平行に延びる梁22A,37A(22B,37B)に対し支持フレーム40を介して取り付けることができる。そのため、化粧板45の連続屋外面45a(45b)を外壁板28a,34(28b,35)の屋外面と面一に揃え易くすることができ、化粧板45を好適に取り付けることが可能となる。
(2)上記実施形態では、支持フレーム40においてフレーム外周部43を構成する各側面部43a〜43dのうち、第1フレーム部41がユニット外側の各側面部43b,43dを含んで構成され、第2フレーム部42がユニット内側の各側面部43a,43cを含んで構成されていたが、これを変更してもよい。例えば、第1フレーム部を各側面部43a,43dを含んで構成し、第2フレーム部を各側面部43b,43cを含んで構成してもよい。その場合、第1フレーム部に、天井大梁22A及び下梁37Aに固定される上梁固定部53及び下梁固定部55を設け、第2フレーム部に、天井大梁22B及び下梁37Bに固定される上梁固定部54及び下梁固定部56を設けることが考えられる。
(3)上記実施形態では、支持フレーム40を2つのフレーム部41,42に分割したが、3つ以上のフレーム部に分割してもよい。その場合、それら3つ以上のフレーム部のうちいずれか一のフレーム部に各上梁固定部53,54及び各下梁固定部55,56を設けることが考えられる。また、それら3つ以上のフレーム部のうちいずれか複数のフレーム部に各上梁固定部53,54及び各下梁固定部55,56を割り振って設けてもよい。
(4)上記実施形態では、化粧柱30の横断面形状を正方形状としたが、これを変更して、長方形状としてもよい。例えば図13に示す化粧柱30Aは、上記実施形態の化粧柱30よりも第1方向Xの幅が大きくなっており、それにより横断面が同方向Xに長い長方形状をなしている。この化粧柱30Aは、その支持フレーム40Aの構成が基本的に化粧柱30の支持フレーム40と同じ構成となっている。支持フレーム40Aは、第1方向Xの幅が化粧柱30の支持フレーム40よりも大きくなっている。これは、支持フレーム40Aでは、第1フレーム部41Aの横枠材49Aと、第2フレーム部42Aの横枠材59Aとについて、その第1方向Xの長さが支持フレーム40よりも長くされていることで実現されている。また、支持フレーム40Aでは、これら各横枠材49A,59A以外の部材については支持フレーム40と同じ部材が用いられている。この場合、部材の共通化を図りながら、支持フレーム40の第1方向Xの幅を適宜変更することができるため、化粧柱30の幅違いを各種形成する上で好都合な構成といえる。
(5)化粧柱30の横断面の大きさ(換言すると化粧柱30の幅)を上記実施形態の化粧柱30よりも大きくしてもよい。例えば図14に示す化粧柱30Bは、その支持フレーム40Bの構成が上記実施形態の支持フレーム40と相違している。具体的には、支持フレーム40Bは、支持フレーム40と同様に、第1フレーム部41Bと第2フレーム部42Bとを備えているが、これら各フレーム部41B,42Bのうち第2フレーム部42Bの構成が第2フレーム部42と相違している。
第2フレーム部42Bでは、縦枠材58Bの板部58aが第1フレーム部41Bの第1外周部41aよりも第2方向Yのユニット内側(フレーム外側)に延出しており、また、縦枠材57Bの板部57bが第1外周部41aよりも第1方向Xのユニット内側(フレーム外側)に延出している。これにより、第2フレーム部42Bでは、その第2外周部42aが第1外周部41aよりも第1方向X及び第2方向Yのそれぞれにおいてフレーム外側にオフセットさせて配置されている。
このように構成された支持フレーム40Bの外周側には、第1外周部41aの外側と第2外周部42aの外側とに跨がる状態で各化粧板45Bが配設され、それら各化粧板45Bがそれら各外周部41a,42aにビス71により取り付けられている。この場合、第2外周部42aが第1外周部41aよりもフレーム外側にオフセットされている関係で、そのオフセット分、上記実施形態の化粧板45よりも横断面の大きい化粧板45Bが取り付けられている。このため、上記の構成によれば、化粧柱30Bの幅(横断面)を上記実施形態の化粧柱30よりも大きくすることができ、その結果化粧柱30Bにおいてより一層の重厚感を演出することが可能となる。
(6)上梁固定部53,54及び下梁固定部55,56の構成は必ずしも上記実施形態のものに限定されない。例えば、上記実施形態では、上梁固定部53(54)及び下梁固定部55(56)を第1フレーム部41の縦枠材48(47)に対して溶接固定したが、これら各梁固定部53,55(54,56)のうち少なくともいずれかを縦枠材48(47)に一体形成するようにしてもよい。
(7)上記実施形態では、化粧板45を2つに分割して配設したが、化粧板45を3つ以上に分割して配設してもよい。例えば、横断面がL字状の4つの化粧板に分割して配設することが考えられる。
(8)上記実施形態では、各フレーム部41,42をボルト61,64を用いて連結したが、ビスやタッピングネジ等、ボルト以外の固定具を用いて連結してもよい。
(9)上記実施形態では、アルコーブ14に設けられた化粧柱30に本発明の柱構造を適用したが、バルコニーやテラス等、アルコーブ14以外に設けられた化粧柱に本発明を適用してもよい。
また、上記実施形態では、一階部分11の化粧柱30に本発明を適用したが、二階部分12の化粧柱に本発明を適用してもよい。例えば、二階部分12のバルコニーに設けられる化粧柱に本発明を適用することが考えられる。二階部分12のバルコニーでは、同バルコニーを構成する建物ユニット20の床梁23,25上に床材等が敷設される等してバルコニー床部が構築される場合がある。その場合、建物ユニット20の床部には、4辺に床大梁23が配設されることになる。そのため、かかる場合には、支持フレーム40の下梁固定部を床大梁23(下梁に相当)に対して固定することが考えられる。なお、この場合には、化粧柱がバルコニー床部よりも上方に形成されることになる。
(10)本発明の柱構造を、建物10において独立した状態で設けられる化粧柱以外に適用してもよい。その場合の例を図15に示す。図15の例では、建物95に、車両を駐車可能なガレージ空間96(インナガレージ)が設けられている。ガレージ空間96は、2つの建物ユニット20の内部空間を利用して形成されている。ガレージ空間96は、その3方が仕切壁97a〜97cにより規定されており、その一側面には車両がガレージ空間96に出入りするための車両出入口98が形成されている。また、車両出入口98を挟んだ両側の仕切壁97a,97bのうち一方の仕切壁97aはガレージ空間96を屋外と仕切る外壁部となっている。この仕切壁97aにはガレージ空間96に人が出入りするための出入口103が形成されている。
仕切壁97aは、その厚み方向の両側にそれぞれ化粧板99を備え、その化粧板99が横並びに複数設けられている。仕切壁97aにおいて出入口103側の端部では、化粧板101が建物ユニット20の柱21(以下、この符号にBを付す)を3方から囲むようにして設けられている。これらの化粧板101は横断面L字状をなしており、その化粧板101が仕切壁97aの壁厚み方向に並んでコ字状をなすように配置されている。なお、以下においては、各化粧板101のうち屋外側に配置された化粧板101の符号にAを付す。
化粧板101Aは、屋外側に配置された化粧板99(外壁板に相当)と横並びで隣接しており、その屋外面101aが化粧板99の屋外面99aと同一平面で連続している。なお、この場合、屋外面101aが連続屋外面に相当する。また、柱21Bには、互いに直交する二方向に延びる2つの天井大梁(図示は省略するが、以下においては符号として22C,22Dを付す)と、同じく直交する二方向に延びる2つの下梁37C,37Dが固定されている。これら各梁22C,22D,37C,37Dのうち、天井大梁22C及び下梁37Cが仕切壁97aの壁幅方向、換言すると化粧板101Aの屋外面101aと平行な方向に延びており、天井大梁22D及び下梁37Dが仕切壁97aの壁厚み方向に延びている。
こうした構成にあって、柱21Bの周囲には、支持フレーム105が柱21Bを囲むように配設され、その支持フレーム105の外周側に各化粧板101が取り付けられている。支持フレーム105は、基本的に、上記実施形態の支持フレーム40と同様の構成を有している。すなわち、支持フレーム105は、第1フレーム部106と第2フレーム部107とを備え、それら各フレーム部106,107が互いに連結されることで構成されている。
第1フレーム部106は、その上端側に、天井大梁22Cに屋外側から固定される上梁固定部(図示略)を有し、その下端側に、下梁37Cに屋外側から固定される下梁固定部109を有する。これら上梁固定部及び下梁固定部109は、ボルト108により梁22C,37Cに対して固定されている。
かかる構成においても、上梁固定部と下梁固定部109とが、化粧板101Aの屋外面101a(連続屋外面)と平行に延びる各梁22C,37Cに固定されるため、隣接する化粧板99(外壁板に相当)と同様に、化粧板101Aを屋外面101aと平行に延びる梁22C,37Cに対し支持フレーム105を介して取り付けることができる。これにより、化粧板101Aの屋外面101aを化粧板99の屋外面99aと面一に揃え易くすることができるため、化粧板101Aを好適に取り付けることが可能となる。