JP2955235B2 - コーナー柱の化粧構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えばテラスのコ
ーナー柱の外面を化粧して仕舞うのに用いる化粧構造に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、鉄骨構造の建物においてはテラス
の鉄骨製のコーナー柱の外観を仕上げる場合、コーナー
柱の屋外側に建物の外装と同じような外観に形成された
横断面略Ｌ字状のコーナー外壁パネルを取り付けて仕舞
っていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来、コーナー柱の屋
外側はコーナー外壁パネルにより仕舞うのであるが、コ
ーナー柱の屋内側が剥き出しになっており、外観が悪い
という問題がある。また剥き出しになった屋内側をカバ
ーするように化粧材を取り付けることも行われている
が、この場合、大工等の内装工事業者が内装工事を行う
とき特別に行っている。つまり、コーナー柱の屋外側へ
のコーナー外壁パネルの取り付けは外装工事業者が行
い、コーナー柱の屋内側への化粧材の取り付けは内装工
事業者が別に行うことになり、工事に手間がかかるとい
う問題があり、また外装工事業者が工事した後、現場施
工で（現場で部材を加工したりして）内装工事業者が特
別に工事を行うために施工のばらつき、納まりの不備、
内装工事の手間がかかるという問題があった。

【０００４】本発明は叙述の点に鑑みてなされたもので
あって、工事手間をかけずに迅速に施工してコーナ柱の
化粧ができるようにすることを課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明のコーナー柱の化粧構造は、コーナー柱２の屋外
側に沿って横断面略Ｌ字状のコーナー外壁パネル３を配
置し、コーナー外壁パネル３の両側の側端部に継ぎ材４
を取り付け、上記コーナー柱２の屋内側に沿って横断面
略Ｌ字状のコーナー内壁パネル５を配置すると共にコー
ナー内壁パネル５の両側の側端部を上記継ぎ材４に接合
して成ることを特徴とする。コーナー柱２に屋外側に沿
ってコーナー外壁パネル３を取り付けた後、コーナー柱
２の屋内側に沿ってコーナー内壁パネル５を配置して継
ぎ材４にて接合することにより、コーナー柱２の全周を
被覆して仕舞うことができる。このため外装工事業者が
簡単な施工で迅速に行うことができ、施工の品質の安定
化を図ることができ、大工工事のような内装工事業者の
工事を削減でき、施工工数の削減を図るなどできる。

【０００６】また構造材に取り付けられた垂れ壁パネル
６と腰壁パネル７にコーナー外壁パネル３の両側の側端
部の上下が接合され、垂れ壁パネル６と腰壁パネル７と
の間でコーナー外壁パネル３の両側の側端面に継ぎ材４
が取り付けられたことを特徴とすることも好ましい。こ
の場合、コーナー外壁パネル３を垂れ壁パネル６や腰壁
パネル７を介して構造材に支持できて安定した状態で確
実に取り付けることができると共に継ぎ材４を介してコ
ーナー内壁パネル５を確実に取り付けることができる。

【０００７】また継ぎ材４は、コーナー外壁パネル３と
コーナー内壁パネル５に夫々接合される横断面略Ｌ字状
の長尺プレート８と、長尺プレート８に間隔を明けて接
合された化粧材取り付け用の下地材９，１０とより成る
ことを特徴とすることも好ましい。この場合、コーナー
内壁パネル５を施工性よく確実に取り付けることができ
ると共に継ぎ材４の部分も外観を害さないように奇麗な
納まりに仕舞うことができる。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明をテラスに用いた実
施の形態により説明する。図１、図２は全体の外観を示
すものであり、建物本体１１から張り出すようにテラス
１が設けられるようになっている。建物本体１１の外面
は全面に亙るように外壁パネル１２が貼られるものであ
り、取り付け金具１３ａ，１３ｂにて外壁パネル１２を
建物の梁等の構造材に取り付けてある。建物本体１１の
出隅の柱（図示せず）の屋外側は横断面略Ｌ字状の柱カ
バーパネル１４にて覆ってあり、柱カバーパネル１４を
外壁パネル１２に接合してある。この外壁パネル１２や
柱カバーパネル１４の外面は例えば煉瓦調の外観に仕上
げてある。テラス１の下部の両側には建物本体１１の構
造材から一体に片持状に突出するように下部用側梁１５
ａを設けてあり、両側の下部用側梁１５ａの先端間には
下部用前梁１５ｂを架設してある。テラス１の上部の両
側には建物本体１１の構造材から一体に片持状に突出す
るように上部用側梁１６ａを設けてあり、両側の上部用
側梁１６ａの先端間には上部用前梁１６ｂを架設してあ
る。この下部用側梁１５ａ、下部用前梁１５ｂ、上部用
側梁１６ａ及び上部用前梁１６ｂは例えば断面エ字状の
型鋼にて形成されている。上部用側梁１６ａと上部用前
梁１６ｂとの間のコーナー部と、下部用側梁１５ａと下
部用前梁１５ｂとの間のコーナ部との間に垂直方向にコ
ーナー柱２を立設してあり、上部用側梁１６ａ、上部用
前梁１６ｂ、下部用側梁１５ａ、下部用前梁１５ｂの端
部をコーナー柱２に結合してある。

【０００９】テラス１の上部用側梁１６ａや上部用前梁
１６ｂの屋外側に沿って垂れ壁パネル６を配置してあ
り、下部用側梁１５ａや下部用前梁１５ｂの上に沿って
腰壁パネル７を配置してあり、コーナー柱２の屋外側を
覆うように横断面略Ｌ字状のコーナー外壁パネル３を配
置してあり、コーナー外壁パネル３の両側の端面を垂れ
壁パネル６や腰壁パネル７の端面に対向させてある。こ
の垂れ壁パネル６や腰壁パネル７やコーナー外壁パネル
３の外面も、上記外壁パネル１２や柱カバーパネル１４
と同様に例えば煉瓦調の外観にしてある。垂れ壁パネル
６の上端は取り付け金具１７にて上部用側梁１６ａや上
部用前梁１６ｂの上面に取り付けてあり、腰壁パネル７
の下端は図４に示すように取り付け金具１８にて下部用
側梁１５ａや下部用前梁１５ｂに取り付けてある。また
垂れ壁パネル６の下部の一端は取り付け金具１９にて上
部用側梁１６ａに取り付けてあり、腰壁パネル７の上部
の一端は柱カバーパネル１４に取り付け金具２０にて取
り付けてある。また垂れ壁パネル６の下面とコーナー外
壁パネル３の両側の端面との間の角部には接合金物２１
が配置してあり、図５に示すように接合金物２１を垂れ
壁パネル６、上部用側梁１６ａまたは上部用前梁１６ｂ
及びコーナー外壁パネル３に固着して３者を結合してあ
る。腰壁パネル７の上面とコーナー外壁パネル３の両側
の端面との間には接合金物２２を配置してあり、図６に
示すように接合金物２２をコーナー外壁パネル３と腰壁
パネル７に固着して接合してある。

【００１０】また継ぎ材４は図３に示すように断面略Ｌ
字状の長尺プレート８と長尺プレートに接合された断面
略Ｌ字状の下地材９，１０とで構成されている。この長
尺プレート８の長さは垂れ壁パネル６と腰壁パネル７と
の間に亙る高さと同じであり、長尺プレート８に下地材
９，１０を長尺プレート８と下地材９，１０とで角筒を
構成するように溶接にて固定している。下地材９は長尺
プレート８の長手方向の中央部に取り付けられ、下地材
１０は長尺プレート８の長手方向の両端部に取り付けら
れ、下地材９と下地材１０との間に間隔を隔ててあり、
この間隔を隔てた部分で長尺プレート８の２面に接合穴
２３を穿孔してある。コーナー用外壁パネル３を取り付
けた後、垂れ壁パネル６と腰壁パネル７との間でコーナ
ー外壁パネル３の端面に沿って継ぎ材４が配置され、接
合穴２３を介して固着具にて継ぎ材４をコーナー外壁パ
ネル３に取り付けてある。コーナー内壁パネル５は横断
面略Ｌ字状に形成されており、このコーナー内壁パネル
５がコーナー柱２の屋内側に配置され、上記継ぎ材４に
コーナー内壁パネル５の両側の端面が沿わせられ、接合
穴２３を介して固着具にてコーナー内壁パネル５を継ぎ
材４に取り付けてある。このコーナー内壁パネル５も、
上記コーナー外壁パネル３と同様に外面を例えば煉瓦調
の外観にしてある。コーナー内壁パネル５を取り付けた
後、継ぎ材４を覆うように継ぎ材用化粧材２４が配置さ
れ、継ぎ材用化粧材２４が継ぎ材４の下地材９，１０を
用いて取り付けられる。またテラス１の床部には床パネ
ル２５を敷設してあり、床パネル２５の端部を下部用側
梁１５ａや下部用前梁１５ｂに支持してある。また腰壁
パネル７の下部には腰壁用巾木２６を配置してあり、コ
ーナー柱２の下部にはコーナー用巾木２７を配置してあ
り、固着具２８にて固定してある。

【００１１】なお、本発明の実施の形態ではテラス１の
コーナー柱２に用いた例について述べたが、玄関ポーチ
のコーナー柱やその他の建物のコーナー柱等にも同様に
実施できる。

【００１２】

【発明の効果】本発明は叙述のようにコーナー柱の屋外
側に沿って横断面略Ｌ字状のコーナー外壁パネルを配置
し、コーナー外壁パネルの両側の側端部に継ぎ材を取り
付け、上記コーナー柱の屋内側に沿って横断面略Ｌ字状
のコーナー内壁パネルを配置すると共にコーナー内壁パ
ネルの両側の側端部を上記継ぎ材に接合しているので、
コーナー柱の屋外側に沿ってコーナー外壁パネルを取り
付けた後、コーナー柱の屋内側に沿ってコーナー内壁パ
ネルを配置して継ぎ材にて接合することにより、コーナ
ー柱の全周を被覆して仕舞うことができるものであっ
て、外装工事業者が簡単な施工で迅速に行うことがで
き、施工の品質の安定化を図ることができ、大工工事の
ような内装工事業者の工事を削減でき、施工工数の削減
を図るなどできるものである。

【００１３】また本発明の請求項２記載の発明は、構造
材に取り付けられた垂れ壁パネルと腰壁パネルにコーナ
ー外壁パネルの両側の側端部の上下が接合され、垂れ壁
パネルと腰壁パネルとの間でコーナー外壁パネルの両側
の側端面に継ぎ材が取り付けられたので、コーナー外壁
パネルを垂れ壁パネルや腰壁パネルを介して構造材に支
持できて安定した状態で確実に取り付けることができる
と共に継ぎ材を介してコーナー内壁パネルを確実に取り
付けることができるものである。

【００１４】また本発明の請求項３記載の発明は、継ぎ
材は、コーナー外壁パネルとコーナー内壁パネルに夫々
接合される横断面略Ｌ字状の長尺プレートと、長尺プレ
ートに間隔を明けて接合された化粧材取り付け用の下地
材とよりなるので、コーナー内壁パネルを施工性よく確
実に取り付けることができると共に下地材を用いて継ぎ
材を覆うように化粧材を取り付けることで継ぎ材の部分
も外観を害さないように奇麗な納まりに仕舞うことがで
きるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態の一例を示す屋内側から見
た一部分解斜視図である。

【図２】同上の屋外側から見た斜視図である。

【図３】同上の継ぎ材を示し、（ａ）は平面図、（ｂ）
は正面図、（ｃ）は（ａ）のＡ−Ａ線で断面した拡大図
である。

【図４】同上の腰壁パネルの下部を取り付ける部分の構
造を示す平面から見た断面図である。

【図５】同上の垂れ壁パネルの下面と上部用側梁とコー
ナー外壁パネルとを接合する部分の構造を示し、（ａ）
は底面から見た断面図、（ｂ）は接合金物の側面図であ
る。

【図６】同上の腰壁パネルとコーナー外壁パネルとを接
合する部分の構造を示し、（ａ）は平面から見た断面
図、（ｂ）は側面から見た断面図である。

【符号の説明】

１ テラス ２ コーナー柱 ３ コーナー外壁パネル ４ 継ぎ材 ５ コーナー内壁パネル ６ 垂れ壁パネル ７ 腰壁パネル ８ 長尺プレート ９ 下地材 １０ 下地材

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 コーナー柱の屋外側に沿って横断面略Ｌ
   字状のコーナー外壁パネルを配置し、コーナー外壁パネ
   ルの両側の側端部に継ぎ材を取り付け、上記コーナー柱
   の屋内側に沿って横断面略Ｌ字状のコーナー内壁パネル
   を配置すると共にコーナー内壁パネルの両側の側端部を
   上記継ぎ材に接合して成ることを特徴とするコーナー柱
   の化粧構造。
2. 【請求項２】 構造材に取り付けられた垂れ壁パネルと
   腰壁パネルにコーナー外壁パネルの両側の側端部の上下
   が接合され、垂れ壁パネルと腰壁パネルとの間でコーナ
   ー外壁パネルの両側の側端面に継ぎ材が取り付けられた
   ことを特徴とする請求項１記載のコーナー柱の化粧構
   造。
3. 【請求項３】 継ぎ材は、コーナー外壁パネルとコーナ
   ー内壁パネルに夫々接合される横断面略Ｌ字状の長尺プ
   レートと、長尺プレートに間隔を明けて接合された化粧
   材取り付け用の下地材とより成ることを特徴とする請求
   項１または請求項２記載のコーナー柱の化粧構造。