JP6475512B2 - モールド成型装置及びモールド成型方法 - Google Patents

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本発明はモールド成型装置及びモールド成型方法に関し、特に各種のセンサパッケージにおいてその一部を開口部としてセンサ部エリア等を露出させるモールド成型に関する。
近年、各種のセンサの需要は大幅に高まってきており、例えば車載センサとして、ヘッドライトを明るさに応じて点灯させる照度センサ、4輪のブレーキ、アクセルの制御を行うデータを提供するため、車の姿勢を検知するジャイロセンサ、或いはガソリンタンクの漏れを検知したり、着座している人を検知したりする圧力センサ等、多種多様のセンサが搭載されている。
また、最近の低燃費化の流れから、混合ガスを作る際に使用する空気の湿度を検出して、ガソリンと空気の混合比を変化させて低燃費化の対応を図る湿度センサも使用されている。この湿度センサについては、上記のようにエンジン周辺に配置されているものだけでなく、フロントガラスの曇り止めのためや、ガラス表面温度を熱伝導率が高い金属を介して測った温度測定結果と共に雰囲気湿度の測定結果をオートエアコンにフィードバックするシステム等に利用されている。このような車載品に限らず、民生品への新たなセンサの搭載も活発で、スマートフォン、歩数計等に絶対圧計を搭載し、そこから得られる絶対圧の情報から高度を割り出し、3軸加速度センサから歩数をカウントし、それに高度情報を加えることで正確な運動に伴う消費カロリーを算出するヘルスケア向けの展開も活発である。
更に、世界的な環境問題に発展している中国のPM2.5による健康への懸念のため、特に中国市場にて販売が好調である空気清浄機に温度、湿度センサは標準的に搭載されている。
この湿度センサについては、湿度の感知方式の違いから抵抗式と静電容量式の2つがあるが、どちらも一般にIDT電極等に被覆させた感湿膜が雰囲気湿度によりに水分が吸着すると、電気的な容量が変化する特性(抵抗式では抵抗値の変化、静電容量式では容量値の変化)を利用したものである。この感湿膜には、有機膜、酸化膜などの様々な種類の材料が用いられており、有機膜としては、例えばポリイミドが用いられる。感湿膜は上記目的から、外気の雰囲気に曝す必要があり、従来は、キャビティ状のセラミックパッケージ等の中にセンサ素子を搭載し、外気導入孔を開けたセラミックリッド等の蓋を被せた中空パッケージを適用していた。
しかし、近年のコストダウンの流れから、リードフレーム等のインターポーザ上にセンサ素子を搭載し、一般的な樹脂モールドを行い、その際、チップ上の必要な感湿膜エリアのみを部分的に開口したセンサパッケージ(特許文献1)が上市されるようになった。
また、製造方法としては、多数個のチップを集合・形成した集合基板に一括して樹脂モールドを行い、その後、ダイシングソーを用いて切断して個片化するMAP(Mold Array Package)生産方式が採用されており、高い生産性と材料利用率を上げることによる低コスト化が図られている。
図6に、開口を有する多数のセンサパッケージを形成したMAP(Mold Array Package)基板が示され、図7には、1つのセンサパッケージの構成が示されており、図6のように、インターポーザ(集合基板)1の上に、多数のセンサチップ3が実装された後、これらセンサチップ上の一部(例えば、センサ部)の開口4の位置に金型突起部を押し当てた状態で、金型のキャビティ空間に樹脂5を流し込むことにより、一度に各センサチップ3がモールド成型され、封止される。その後、このインターポーザ1を個片化することで、図7の1個のセンサパッケージ6が製作される。
図7に示されるように、センサパッケージ6では、センサチップ3がダイアタッチ材2を介してインターポーザ1に接続され、このセンサチップ3の上面のセンサ部(センシング領域)等として機能する部分に、樹脂5で封止されない開口(テーパ形状部)4が形成される。
実用新案登録第3173006号公報 特開2005−161695号公報
上述のように、樹脂モールドセンサパッケージにおいてセンサチップ上の開口4を形成するには、突起部を有する金型をセンサチップ上に押し当てて堰とし、封止を実行する方法が採られているが、この開口4はセンサチップ3の機能部分が露出する位置に形成されるため、金型の突起部はセンサチップ3の機能部分を含んだ領域に押し当てられることとなる。
このモールド成型方法として、トランスファー成型を用いる場合、樹脂充填後の巻き込みボイドのサイズを小さくするため、保圧を3〜10MPa程度与えており、その圧力により金型の突起部とセンサチップ3の機能部分の間に樹脂が漏れないようにする必要がある。この場合、金型突起部の端部と接触するセンサチップ上には感湿膜としての目的とは違うポリイミド膜等の緩衝材を配置し、樹脂漏れ、センサチップ3へのダメージ対策を図っている。
しかし、上記ポリイミド膜の形成は、センサチップのウエハプロセスにおいて追加工程であり、ロールコーター等の塗布によって、薄い皮膜を形成、仮乾燥させた後、露光によって、ボンディングパッド等のエリアを開口状態にする必要があり、材料費、工程数の追加によって、コスト高となっていた。
また、リードフレーム等を形成したインターポーザ1にセンサチップ3を搭載したものを、上下金型にて挟み込みモールドする製造方法においては、センサチップ上の高さのバラツキを約30μm程度と小さく抑える必要がある。センサパッケージの製造においては、センサチップ3の厚みの公差、ダイアタッチ材2の厚みの公差、インターポーザ1の厚さの公差を融合した母集団のバラツキがあり、更には金型面内の水平バラツキ、金型上下型の平行バラツキを考慮しても、上記約30μm程度に抑える必要があり、各構成材料の管理が厳しい状況にある。
即ち、モールド金型の面内高さのバラツキは、例えば60×100mm程度のキャビティ空間に対しては既に約30μm程度あるため、金型の高さ調整に対して余裕はなく、突発的な品質異常が発生することも少なくない。例えば、ネライ値に対して、金型の突起部が許容バラツキ範囲を超えて、センサチップ3を押し込み過ぎた場合、このセンサチップ3を保護しているポリイミド膜、パッシベーション膜へダメージを与えたり、中でも酷い場合には、センサチップ3そのもの自体にクラックを発生させたりする。逆に、許容バラツキ範囲を超えて、突起部のセンサチップ3への押し込みが不足した場合は、センサチップ上の必要な開口4のエリアに対して樹脂(5)の染み出しが発生し、例えば、静電容量型の湿度センサにおいては、感湿膜に樹脂が付着することによって、所望の容量変化が起こらず、重不良となっていた。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、センサパッケージを構成する各部材の公差バラツキ、金型のバラツキ等の影響を低減し、必要なセンサ部エリアに対応した開口を安定した品質にて形成することができるモールド成型装置及びモールド成型方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、基板上に実装された複数のセンサチップに対応して複数の突起部を押し当て配置することにより、このセンサチップ上の一部を開口にしてモールド成型するモールド成型装置において、上記センサチップに押し当てる上記複数の突起部を個別又は数個毎に移動可能(上下可動)に支持すると共に、上記複数の突起部に流体圧を与える圧力室を設け、上記複数のセンサチップに押し当てられる上記突起部の押圧が一定となるようにしたことを特徴とする。
請求項の発明は、基板上に実装された複数のセンサチップに対応して金型の複数の突起部を押し当て配置し、その後、金型のキャビティ空間に樹脂を流し込むことにより上記センサチップ上の一部を開口にしてモールド成型するモールド成型方法において、上記センサチップに押し当てる上記複数の突起部を個別又は数個毎に移動可能とし、上記複数の突起部に流体圧を与える圧力室を設け、上記複数のセンサチップに押し当てられる上記突起部の押圧が一定となるようにしたことを特徴とする。
請求項の発明に係るモールド成型方法は、上記センサチップと上記突起部との間に、30〜85μmのフッ素樹脂系の熱可塑性樹脂フィルムを挟み込みモールド成型することを特徴とする
上記の構成によれば、例えば金型の複数の突起部の上下動(移動)が個別又は数個毎に行えるようになっており、この個別又は数個毎の突起部(可動ピン)は、油圧(又は他の流体圧)機構で上下動され、各突起部はそれぞれのセンサチップに同一の応力(押圧)で接触することになる。即ち、上記センサチップに押し当てる突起部のそれぞれの可動量が個別又は数個毎に調整され、センサパッケージを構成する各部材の公差バラツキ、金型のバラツキ等を吸収することによって、高いセンシング品質を維持したチップ表面開口を持つセンサチップの封止が実現できる。なお、突起部を数個毎に上下動させる場合は、数個の突起部を同じプレート上に形成したものを複数作り、これらプレートを駆動することにより達成することができる。
また、上記突起部とセンサチップの間に、フッ素樹脂系の熱可塑性樹脂フィルムを挟み込みモールド成型することもでき、この場合は、熱可塑性樹脂の特性により、140〜180℃程度のモールド金型温度に対してフィルムが軟化し、細かな金型形状に追従すると共に、センサチップに金型の突起部が押し当てられる際の応力を分散、低減させることができる。
本発明のモールド成型装置によれば、センサパッケージを構成する各部材の公差、例えばセンサチップ厚の公差、ダイアタッチ材厚の公差、インターポーザ厚の公差のバラツキ、そして金型面内の水平バラツキ、金型上下型の平行バラツキの許容値を広げることができる。上記各種のバラツキの許容値は突起部の可動距離に相当し、例えば突起部の移動が0.2mm程度とすると、この移動範囲に応じて上記バラツキを許容できることになる。また、所望の品質を維持するための制御パラメータを多くすることもできる。これらの結果、必要なセンサ部エリアに対応した開口を安定した品質にて形成することが可能となる。
また、上記突起部を数個同時に移動させる場合は、突起部を個別に移動させる場合に比べて、金型構造が簡素化され、モールド金型の作製費用を抑えることができる
本発明に係る実施例のモールド成型装置において突起部が個別に上下動する構成を示す断面図である。 実施例のモールド成型装置において突起部が数個毎に上下動する構成を示す断面図である。 実施例のモールド成型装置において突起部が数個毎に上下動する構成の他の例を示す断面図である。 実施例のモールド成型装置において下金型にフローティング部を設けた場合の構成を示す断面図である。 実施例のモールド成型装置において突起部先端面を凹状とした場合の構成を示す断面図である。 従来のモールド成型方法を説明するための図である。 従来又は本発明のモールド成型品としてのセンサパッケージの構成を示す断面図である。
図1に、実施例のモールド成型装置の構成が示されており、この例は、突起部を個別に油圧機構で上下動可能にしたものである。図1において、11は突起部としての可動ピン、12はパッキン13を有する可動ピンガイド、14は油圧コアで、この油圧コア14内に可動ピン11を下方向へ動かす力を与える圧力室Aと、可動ピン11を上方向へ動かす力を与える圧力室Bを備え、圧力室Aにはポート15aから圧油を流入させ、圧力室Bにはポート15bから圧油を流入させる。また、16はスペーサ、17はサイドブロック、18はキャビティブロック、20は下金型である。
そして、上記の可動ピン11、油圧コア14、キャビティブロック18等で構成される上金型と下金型20の間にキャビティ空間22が形成され、この中の下金型20の上に、封止すべき集合基板が載置されることになり、実施例では、図7でも説明したように、リードフレーム、有機基板等のインターポーザ1上にダイアタッチ材2で接着された複数のセンサチップ3が配置される。上記ダイアタッチ材2は、銀(Ag)ペースト等の液材で対応してもよく、この厚みはディスペンスされるペーストの材料仕様、ペーストの量、ボンディング荷重によって変化し、またペースト塗布位置とセンサチップ3のボンディング位置の相対的な位置ズレによって、センサチップ3のインターポーザ1に対する平行度への影響もでる懸念がある。このペーストの厚みは、15±10μm程度のバラツキを持つため、絞りローラーにて厚みが決定され、±2μm程度にて厚みが安定しているダイアタッチフィルム(DAF)を使用するのが好適である。
上記圧力室Aには、油圧ポンプから1〜8MPa程度の圧力に制御した油を方向切り替え弁によりポート15aより流入させ、可動ピン11を下方向へ押し下げるように動作させ、圧力室Bに対しても、油圧ポンプから同様の圧力でポート15bより油を流入させ、可動ピン11を上方向へ押し上げるように動作させる。このとき、可動ピン11は可動ピンガイド12及び油圧コア14のサポートによって、垂直方向のみに可動し、可動ピン11による押し当ての可動量が個別又は数個毎に調整できることになる。
また、実施例では、上記可動ピン11の先端とセンサチップ3との間に、フッ素樹脂系の熱可塑性樹脂フィルム23を介在させ、このフィルム23を介して可動ピン11をセンサチップ3の上面に接触させることで、可動ピン11をモールド樹脂充填の際の堰とし、残ったキャビティ空間22にモールド樹脂を充填する。この熱可塑性樹脂フィルム23としては、例えばアフレックス(登録商標)を使用し、厚みは30〜85μm程度のものが好ましい。このフィルム23は、モールド金型温度150〜170℃程度の時に50MPa程度の弾性率の柔らかい状態となり、緩衝材として機能する。
更に、実施例では、圧力室Bにより可動ピン11を上方向へ押し上げることができ、押し下げた可動ピン11を圧力室Bからの油圧により上側へ戻せるようになっている。これは、上金型によるクランプの際、圧力室Bからの油圧によって可動ピン11を上側に戻しておくことで、センサチップ3に衝撃荷重が加わることを防止するためである。
以上の図1のモールド成型装置によれば、インターポーザ1上に実装された多数のセンサチップ3をキャビティ空間22内に配置した後、ポート15aから圧力室Aに与えられた油圧により可動ピン(突起部)11が下方向へ移動することで、センサチップ3の上面のセンサ部エリアに可動ピン11が押し当てられる。このときの可動ピン11は、個別(1個毎)に動作するため、モールド上下金型の平行度、金型面内厚みのバラツキ、ダイアタッチ材2の厚みのバラツキ、センサチップ3の厚みのバラツキ、インターポーザ1の厚みのバラツキがたとえトータルで50〜100μm程度と大きい場合でも、それぞれの可動ピン11がフィルム23を介して全てのセンサチップ3へ与える押圧は一定となり、センサチップ3へ過度の負荷が掛からないようになる。
また、上記可動ピン11は熱可塑性樹脂フィルム23を介してセンサチップ3に押し当てられるが、このフィルム23は押圧によりそのフィルム厚の約40%程度(例えば50μmのフィルム厚の場合、20μm程度)潰れることによって、可動ピン11の先端面とセンサチップ3の上面との平行度のバラツキを吸収することができる。このフィルム23は、先端面サイズに対して先端が長い(即ちアスペクト比が高い)可動ピン11を除き、上金型にエア吸着させることにより上金型及び可動ピン11に貼り付けることができる。可動ピン11へのフィルム23の貼付けは、キャビティ空間22にモールド樹脂の注入の際、注入時に巻き込まれたボイドを潰すために3〜10MPaの保圧を掛けることで達成される。
上記圧力室Aに加える圧力は、保圧を加えるタイミングに連動させて昇圧することで、センサチップ3に加わる応力を低減させることができる。その際、圧力室Aに加える圧力は、上記保圧より1MPa程度高い圧力の差を保ちながら昇圧させることで、センサチップ3上の樹脂フラッシュが発生してセンサ動作が損なわれることを防止することができる。例えば、上記圧力室Aに加える圧力を8MPa、保圧(キャビティ空間に与えられる圧力)を7MPaとしたとき、可動ピン11がセンサチップ3に与える応力は次のようになる。
圧力室Aに加える圧カ−保圧=8−7=1MPa
即ち、可動ピン11はフィルム23を介してセンサチップ3を圧力1MPaで押し当てており、しかも全てのセンサチップ3に対して一定(均一)の圧力を与えることができ、片当たりによるセンサチップ3へのダメージ、樹脂フラッシュ等が防止される。
上述のようにして、インターポーザ1に実装された多数のセンサチップ3上に可動ピン11がフィルム23を介して押し当てられ、この状態でキャビティ空間22に樹脂(5)が充填されることで、図7に示したように、センサチップ3のセンサ部エリアを開口4にしてセンサチップ3の樹脂封止が行われ、最後に個片化することで、多数のセンサパッケージ6が製作される。
図2に、モールド成型装置において突起部を数個毎に油圧で上下動可能にした場合(複動型)の実施例の構成が示されており、図2に示されるように、この例では、2個のピン又は2n個のピンからなる可動ピン群11−2と、3個のピン又は3n個のピンからなる可動ピン群11−3を設け、これら可動ピン群11−2,11−3を圧力室Aの油圧により下方向へ移動させ、又は圧力室Bの油圧により上方向へ移動させるようになっている。
このような構成によれば、図1の可動ピン11を個別に制御する方法に比べて、金型構造が簡素になるため、金型費用の削減につながるという利点がある。また、センサパッケージの各構成部材の厚みのバラツキや金型のバラツキ(各構成要素のバラツキ)の吸収は、可動ピン11を個別に制御する方法に比べて少なくなるため、上記バラツキの総量に応じて同時に可動させるピンの数を決定することとなる。
図3には、サーボ機構により突起部を数個毎に上下動可能にした場合の構成例が示されており、図3に示されるように、この例では、2個のピン又は2n個のピンからなる可動ピン群11−2に連結されるプレート25aと、3個のピン又は3n個のピンからなる可動ピン群11−3に連結されるプレート25bを配置すると共に、これらプレート25a,25bを別個に駆動するサーボモータ等からなる駆動手段(油圧機構ではないもの)を設けている。このような構成によっても、各構成要素のバラツキの影響を低減することが可能となる。
図4に、上金型の突起部と対向する下金型におけるチップ配置領域を上下可動する機構を設けた例が示されており、この例では、図1の構成の装置においてインターポーザ1の裏面側に、下金型20の一部として上下動するフローティング部(インサート平面板)27を設けている。フローティング部27は、上記可動ピン11の上下動作機構と同様に油圧又はサーボモータ等で動作させることができ、その駆動機構は図1の制御方法と同様となる。
上記フローティング部27は、その平面サイズをキャビティブロック18のキャビティ空間22の水平面より小さくし、キャビティブロック18の内側に入り込むようにすることで、フローティング部27の上下の可動領域を大きくすることができる。この実施例によれば、フローティング部27が上へ移動することで、インターポーザ1は大きく変形し、各構成要素の厚みのバラツキが吸収可能となる。
また、フローティング部27の可動領域は、インターポーザ1の機械的強度が大きく関係しており、例えばインターポーザ1がリードフレームの場合は約100μm程度の押し込みに対しても耐性がある。一方、フローティング部27の平面サイズがキャビティ空間22の水平面より大きい場合では、このインターポーザ1の変形量は抑えられるが、インターポーザ1の厚み方向の潰れ及びフィルム23の潰れ許容値分の調整が必要となる。
更に、このフローティング部27の押付け動作は、上記可動ピン11の動作と同様、保圧を加えるタイミングに連動させることで、センサチップ3に加わる応力を低減させることができる。
図5に、突起部先端面を凹状とした実施例が示されており、図5に示されるように、センサチップ3にはセンサ部3sが存在している。そこで、この例では、このセンサ部3sの領域をカバーするように、可動ピン11の先端面に凹部11hを設けており、この凹部11hは、センサ部3sの領域よりも大きい開口面積を有する形状とされる。
このような実施例によれば、可動ピン11をセンサチップ3の上面に押し当てる際に、センサ部3sへの押圧を回避することができ、ベンブレ等の脆いセンサ部を有する圧力センサ、エアフローセンサ等において、そのセンサ部3sにダメージを与えることなく、センサ部3sの開口を良好に形成することが可能になる。上記凹部11hのサイズは、センサチップ3の搭載位置ズレ、金型位置ズレ等を考慮し、センサ部3sの領域より片側約50μm程度大きいサイズとすることが好ましい。
1…インターポーザ(集合基板)、 2…ダイアタッチ材、
3…センサチップ、 3s…センサ部、
4…開口、 5…樹脂、
6…センサパッケージ、 11…可動ピン(突起部)、
11−2,11−3…可動ピン群、 11h…凹部、
12…可動ピンガイド、 14…油圧コア、
15a,15b…ポート、 18…キャビティブロック、
20…下金型、 22…キャビティ空間、
23…熱可塑性樹脂フィルム、25a,25b…プレート、
27…フローティング部、 A,B…圧力室。

Claims (3)

  1. 基板上に実装された複数のセンサチップに対応して複数の突起部を押し当て配置することにより、このセンサチップ上の一部を開口にしてモールド成型するモールド成型装置において、
    上記センサチップに押し当てる上記複数の突起部を個別又は数個毎に移動可能に支持すると共に、
    上記複数の突起部に流体圧を与える圧力室を設け、上記複数のセンサチップに押し当てられる上記突起部の押圧が一定となるようにしたことを特徴とするモールド成型装置。
  2. 基板上に実装された複数のセンサチップに対応して金型の複数の突起部を押し当て配置し、その後、金型のキャビティ空間に樹脂を流し込むことにより上記センサチップ上の一部を開口にしてモールド成型するモールド成型方法において、
    上記センサチップに押し当てる上記複数の突起部を個別又は数個毎に移動可能とし、
    上記複数の突起部に流体圧を与える圧力室を設け、上記複数のセンサチップに押し当てられる上記突起部の押圧が一定となるようにしたことを特徴とするモールド成型方法。
  3. 上記センサチップと上記突起部との間に、30〜85μmのフッ素樹脂系の熱可塑性樹脂フィルムを挟み込みモールド成型することを特徴とする請求項2記載のモールド成型方法。
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