JP6473184B2 - 硬貨処理装置 - Google Patents

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本発明は、硬貨処理装置に関する。
従来、硬貨を真偽および金種別で判別して、真正な硬貨を所定の収納部に収納する硬貨処理装置が種々提案されている。特許文献1に記載の硬貨入出金装置は、硬貨を搬送するための機構として、水平方向に延びる無端状の搬送ベルトと、当該搬送ベルトの下方に配置された孔ベース部とを有している。孔ベース部は、搬送ベルトと平行になるように水平方向に延びる板状の部材である。孔ベース部の上面は、横に寝かせた状態の硬貨に当接する搬送面となっている。
孔ベース部の搬送面には、硬貨を選別するために、搬送ベルトに沿って、不良な硬貨を排出するためのリジェクト孔と、硬貨を金種別に選別する複数の選別孔とが形成されている。リジェクト孔および複数の選別孔は、硬貨の搬送方向に並んで配置されている。各リジェクト孔および選別孔には、当該リジェクト孔および選別孔のそれぞれの開口面の一部を開閉するシャッタが設けられている。シャッタは、孔ベース部の搬送面と平行になるように水平方向に延びる板状の部材である。
上記のように構成された硬貨入出金装置では、硬貨は、孔ベース部の搬送面の上に横に寝かされて当該搬送面と搬送ベルトによって挟持された状態で、搬送ベルトの走行とともに搬送される。リジェクト孔または選別孔を開閉するシャッタが閉まった状態では、硬貨はシャッタの上を通過することが可能である。シャッタが開いた状態では、硬貨は開いているリジェクト孔または選別孔に落下することにより、当該硬貨の選別を行うことが可能である。
特開2008−234387号公報
上記の硬貨入出金装置では、硬貨搬送において、硬貨は搬送ベルトによって上方から孔ベース部の水平な搬送面に押し付けながら搬送されるが、このとき、搬送面には搬送ベルトからの押圧力だけでなく硬貨の自重も作用する。また、シャッタがリジェクト孔または選別孔を閉じた状態でも、硬貨がシャッタの上を通過するときには、シャッタにも搬送ベルトからの押圧力および硬貨の自重の両方が作用する。
すなわち、硬貨の搬送時において、搬送面を構成する孔ベース部だけでなく、シャッタにも、搬送ベルトからの押圧力および硬貨の自重が合成された下方向の大きな負荷がかかる。このような下方向の大きな負荷によって、孔ベース部やシャッタが下方向へずれたり変形したりするおそれがあり、硬貨の安定した走行に影響を与えるおそれがある。また、このような下方向の大きな負荷に耐えることができるように、孔ベース部やシャッタの剛性および耐久性を高めた設計、例えば、孔ベース部やシャッタの肉厚を厚くしたり、高強度の材料で製造したりすれば製造コストが増大したり、装置の小型化が難しくなったりするので、実用上好ましくない。
本願では上記したような問題を解決すべく、硬貨を搬送時に支持する部材やシャッタに大きな負荷がかかることなく硬貨の安定した搬送を実現することが可能な硬貨処理装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためのものとして、本発明の請求項1に係る硬貨処理装置は、投入された硬貨を立直状態で受け入れる硬貨受入れ部と、前記硬貨を識別する識別部と、前記硬貨受入れ部に投入された立直状態の前記硬貨の周面に下方から当接することが可能な下方当接面を有し、当該硬貨を所定の搬送経路に案内する案内部と、前記搬送経路に沿って延びて立直状態の前記硬貨の表面または裏面のいずれか一方に当接することが可能な立直当接面を有し、当該立直当接面には前記識別部に対して前記硬貨の搬送方向の下流側において前記硬貨が通過可能な大きさの少なくとも1個の硬貨通過孔が形成された、前記硬貨を立直状態になるように支持する支持部と、前記搬送経路に沿って延び、前記硬貨を前記立直当接面と協働して挟持することが可能な前記立直当接面に対向する位置に配置され、前記硬貨を前記搬送経路に沿って搬送するための推進力を前記硬貨に付与する無端状の搬送ベルトと、前記硬貨を前記搬送経路に沿って搬送するように前記搬送ベルトを回転させる回転駆動部と、前記硬貨通過孔の開口面の少なくとも一部を開閉可能なシャッタと、前記シャッタを開閉させるシャッタ駆動部と、前記識別部による前記硬貨の識別結果に基づいて前記シャッタ駆動部による前記シャッタの開閉動作を制御する制御部とを備え、前記硬貨通過孔の上下方向の開口幅は、当該硬貨通過孔に対応する前記硬貨の外径よりも小さく設定され、前記シャッタは、前記硬貨通過孔の下側を開閉可能な位置に配置されていることを特徴とする。
かかる構成によれば、硬貨受入れ部に投入されて立直状態で受け入れられた硬貨は、その周面が案内部の下方当接面に当接しながら所定の搬送経路に案内される。搬送経路では、硬貨の表面または裏面のいずれか一方の面が支持部の立直当接面に当接し、それとともに硬貨は立直当接面および搬送ベルトによって挟持された状態で、回転駆動部によって回転する搬送ベルトから推進力を受ける。これにより、硬貨は、立直状態を維持しながら搬送経路に沿って搬送方向の下流側へ搬送される。このとき、硬貨の自重は案内部の下方当接面で受けるので、支持部の立直当接面は硬貨の自重を受けることはなく、搬送ベルトからの押圧力だけを受ければよいので負担が小さくなる。また、シャッタが立直当接面に形成された硬貨通過孔を閉じている状態では、シャッタは、当該立直当接面と同様に、搬送ベルトからの押圧力だけを受ければよいので負担が小さくなっている。したがって、支持部の立直当接面やシャッタには硬貨の搬送時において大きな負荷がかからないので、硬貨を搬送時に支持する支持部やシャッタがずれたり変形したりするおそれがなくなり、硬貨の安定した走行が可能になる。
また、支持部やシャッタの肉厚を厚くしたり、高強度の材料で製造したりする必要がないので、製造コストを抑え、硬貨処理装置の小型化が容易になる。
しかも、立直状態の硬貨は、立直当接面および搬送ベルトによって挟持された状態で立直状態を維持しながら搬送されるので、硬貨の搬送経路が水平方向に直線的に延びていない場合、例えば、硬貨の左右方向(厚さ方向)や上下方向へ搬送経路が曲がっていたり、上下方向に傾斜したりしている場合であっても、硬貨を立直状態を維持しながら搬送経路から離脱することなく当該搬送経路に沿って安定して搬送することが可能である。したがって、硬貨処理装置の搬送経路についての設計自由度が向上する。
また、上記の構成によれば、前記硬貨通過孔の上下方向の開口幅は、当該硬貨通過孔に対応する前記硬貨の外径よりも小さく設定され、前記シャッタは、前記硬貨通過孔の下側を開閉可能な位置に配置されている。そのため、シャッタが閉じている状態では、立直状態の硬貨が下方当接面に当接しながら搬送されるときにシャッタの前を通過するとき、当該硬貨の下側の部分がシャッタによって硬貨通過孔への移動が規制される。このとき、硬貨の上側の部分は、硬貨の外径よりも小さい硬貨通過孔の上縁の部分に当たっているので、硬貨は硬貨通過孔を通過できない。一方、シャッタが開いている状態では、立直状態の硬貨の下側の部分はシャッタによる移動規制が解除されているので、搬送ベルトからの押圧力を受けて硬貨通過孔の内部へ押し出されて当該硬貨通過孔を通過することが可能である。その結果、硬貨通過孔の上下方向の開口幅が硬貨の外径よりも小さい場合であっても、シャッタが当該硬貨通過孔の下側を開閉することによって、硬貨通過孔における硬貨の通過を確実に行うことが可能である。
本発明の請求項2に係る硬貨処理装置は、投入された硬貨を立直状態で受け入れる硬貨受入れ部と、前記硬貨を識別する識別部と、前記硬貨受入れ部に投入された立直状態の前記硬貨の周面に下方から当接することが可能な下方当接面を有し、当該硬貨を所定の搬送経路に案内する案内部と、前記搬送経路に沿って延びて立直状態の前記硬貨の表面または裏面のいずれか一方に当接することが可能な立直当接面を有し、当該立直当接面には前記識別部に対して前記硬貨の搬送方向の下流側において前記硬貨が通過可能な大きさの少なくとも1個の硬貨通過孔が形成された、前記硬貨を立直状態になるように支持する支持部と、前記搬送経路に沿って延び、前記硬貨を前記立直当接面と協働して挟持することが可能な前記立直当接面に対向する位置に配置され、前記硬貨を前記搬送経路に沿って搬送するための推進力を前記硬貨に付与する無端状の搬送ベルトと、前記硬貨を前記搬送経路に沿って搬送するように前記搬送ベルトを回転させる回転駆動部と、前記硬貨通過孔の開口面の少なくとも一部を開閉可能なシャッタと、前記シャッタを開閉させるシャッタ駆動部と、前記識別部による前記硬貨の識別結果に基づいて前記シャッタ駆動部による前記シャッタの開閉動作を制御する制御部と、前記搬送ベルトよりも上方に配置され、前記搬送経路に沿って走行しながら前記硬貨通過孔の前を横切る前記硬貨を前記硬貨通過孔に向けて押圧する無端状の選別ベルトとを備えていることを特徴とする。
かかる構成によれば、シャッタが開いている状態では、硬貨通過孔の前を横切る硬貨は、搬送ベルトおよびその上方に配置された選別ベルトの両方からの押圧力を受けることによって、硬貨通過孔の内部へ押し出される。このとき、硬貨の上側の部分が当たっている硬貨通過孔の上縁の部分が硬貨の回転中心となって、硬貨の下側の部分が硬貨通過孔の内部へ大きく回転移動して硬貨通過孔の内部へ押し出されることにより、硬貨通過孔における硬貨の通過をより確実に行うことが可能である。
また、上記の構成においても、請求項1に係る硬貨処理装置と同様に、硬貨受入れ部に投入されて立直状態で受け入れられた硬貨は、その周面が案内部の下方当接面に当接しながら所定の搬送経路に案内される。搬送経路では、硬貨の表面または裏面のいずれか一方の面が支持部の立直当接面に当接し、それとともに硬貨は立直当接面および搬送ベルトによって挟持された状態で、回転駆動部によって回転する搬送ベルトから推進力を受ける。これにより、硬貨は、立直状態を維持しながら搬送経路に沿って搬送方向の下流側へ搬送される。このとき、硬貨の自重は案内部の下方当接面で受けるので、支持部の立直当接面は硬貨の自重を受けることはなく、搬送ベルトからの押圧力だけを受ければよいので負担が小さくなる。また、シャッタが立直当接面に形成された硬貨通過孔を閉じている状態では、シャッタは、当該立直当接面と同様に、搬送ベルトからの押圧力だけを受ければよいので負担が小さくなっている。したがって、支持部の立直当接面やシャッタには硬貨の搬送時において大きな負荷がかからないので、硬貨を搬送時に支持する支持部やシャッタがずれたり変形したりするおそれがなくなり、硬貨の安定した走行が可能になる。また、支持部やシャッタの肉厚を厚くしたり、高強度の材料で製造したりする必要がないので、製造コストを抑え、硬貨処理装置の小型化が容易になる。しかも、立直状態の硬貨は、立直当接面および搬送ベルトによって挟持された状態で立直状態を維持しながら搬送されるので、硬貨の搬送経路が水平方向に直線的に延びていない場合、例えば、硬貨の左右方向(厚さ方向)や上下方向へ搬送経路が曲がっていたり、上下方向に傾斜したりしている場合であっても、硬貨を立直状態を維持しながら搬送経路から離脱することなく当該搬送経路に沿って安定して搬送することが可能である。したがって、硬貨処理装置の搬送経路についての設計自由度が向上する。
前記硬貨通過孔に対向する位置において前記選別ベルトを案内する案内ローラをさらに備え、当該案内ローラは、下方へ向かうにつれて細くなるテーパ状の外周面を有するのが好ましい。
かかる構成によれば、無端状の選別ベルトは、回転しているときに、案内ローラの下方へ向かうにつれて細くなるテーパ状の外周面から下向きの押圧力を受ける。これにより、選別ベルトは、硬貨通過孔の前を横切る硬貨に対して下向きの押圧力を与えることが可能である。これにより、硬貨の下側の部分が硬貨通過孔の内部へより大きく回転移動するので、硬貨通過孔における硬貨の通過をより一層確実に行うことが可能である。
前記案内部の前記下方当接面は、前記硬貨の搬送方向の下流側に向かうにつれて上方に向かうように傾斜しているのが好ましい。
かかる構成によれば、案内部の下方当接面が硬貨の搬送方向の下流側に向かうにつれて上方に向かうように傾斜しているので、硬貨は搬送ベルトによって搬送方向の下流側に搬送されるにつれて上昇する。このとき、硬貨の自重の一部は搬送ベルトを引っ張る方向に作用するので、搬送ベルトのゆるみやたわみを低減することが可能である。これにより、立直当接面および搬送ベルトによって硬貨を挟持する力の低減を抑えることが可能になり、その結果、硬貨の立直当接面からの離脱を確実に防止できる。
さらに、この構成では、硬貨の搬送経路が搬送方向の下流側に向かうにつれて上方に向かうように傾斜しているので、搬送経路に沿って立直当接面に形成された硬貨通過孔の位置を高く配置することが可能になる。したがって、当該硬貨通過孔を通して落下する硬貨を返却するために、硬貨通過孔よりも下方の位置に硬貨返却部が形成された場合でも、当該硬貨返却部の位置も高く配置することが可能になる。その結果、硬貨返却部を硬貨受入れ部に近づけて配置することが可能になり、使用者にとって使いやすい硬貨処理装置を提供することが可能である。
以上説明したように、本発明の硬貨処理装置によれば、硬貨を搬送時に支持する支持部などの部材やシャッタに大きな負荷がかかることなく硬貨の安定した搬送を実現することができる。
本発明の実施形態に係る4金種の硬貨を選別して収納する硬貨処理装置の全体構成を示す断面図である。 図1の硬貨処理装置を前方側から見た図である。 図1の4金種を個別に収納するための4個の硬貨収納庫を示す斜視図である。 図1の本体ユニットの断面図である。 図4の本体ユニットにおいてリジェクト孔および第1〜3選別孔が見えるように、これらの孔よりも紙面前方側にある部材を取り除いた状態の図である。 図4のVI―VI線断面図であって、選別部のうち500円硬貨および50円硬貨を選別する部分の構成を示すであり、シャッタが閉まった状態を示す図である。 図6の第1選別孔および硬貨付近の拡大図である。 図7の第1選別孔付近の部分の平面配置を模式的に示した図である。 図7の第1選別孔付近の部分の拡大斜視図である。 図4〜5の本体ユニットの背面側を見た図である。 図1の硬貨処理装置のシステム構成を示すブロック図である。 図1の硬貨処理装置の入金動作の基本的な流れを示すフローチャートである。 図12の硬貨選別ステップの具体的な手順を示すフローチャートである。 図6の500円硬貨および50円硬貨を選別する部分においてシャッタが開いた状態を示す断面説明図である。 図14の第1選別孔および硬貨付近の拡大図である。
以下、図面を参照しながら本発明の硬貨処理装置の実施形態についてさらに詳細に説明する。
図1〜2に示される硬貨処理装置1は、硬貨Cの真偽判定とともに4種類の金種(すなわち、500円、50円、100円、10円)を判別して、金種別に収納する装置である。
硬貨処理装置1は、硬貨Cを判別する本体ユニット2と、硬貨Cの収納および返却を行う収納返却ユニット3とを備える。硬貨処理装置1の前面側(図1の矢印Aの方向を向く側)には、後述の硬貨受入れ部5および硬貨Cを返却する硬貨返却部3bが配置されている。
収納返却ユニット3は、図1〜3に示されるように、ケーシング3aの前面3a1には、上記の硬貨返却部3bおよび開閉可能な開閉板3cが設けられている。
硬貨返却部3bは、使用者が取り忘れた硬貨Cが残留しているか否かを検知する返却部残留センサ49(図1および図11参照)を有する。硬貨返却部3bは、本体ユニット2からリジェクトダクト31を通してリジェクト(排出)された不良な硬貨Cが送られる。また、硬貨返却部3bは、図示されない払出し機構を用いることによって、硬貨収納部23に収納された4金種の硬貨Cを払い出すことも可能である。
ケーシング3aの内部には、上記の4種類の金種の硬貨Cを個別に収納する硬貨収納部23が収納されている。すなわち、硬貨収納部23は、500円硬貨用収納庫23aと、50円硬貨用収納庫23bと、100円硬貨用収納庫23c、10円硬貨用収納庫23dとを有する。各収納庫23a〜23dは、それぞれに対応するダクト32〜35(すなわち、500円用ダクト32、50円用ダクト33、100円用ダクト34、10円用ダクト35)を通して、本体ユニット2から各金種の硬貨Cが送られる。
本体ユニット2は、図1〜2および図4〜5に示されるように、本体ケース4と、本体ケース4の前面4a1(矢印Aの方向を向く面)に設けられ、投入された硬貨Cを立直状態で受け入れる硬貨受入れ部5と、当該硬貨受入れ部5に受け入れられた立直状態の硬貨Cを立直状態を維持しながら所定の搬送経路Rに沿って所定の搬送方向Pへ搬送する搬送部6と、立直状態の硬貨Cの真偽および金種を判別する識別部7と、識別部7で識別された硬貨Cを偽の硬貨と真正な硬貨とに選別するとともに真正な硬貨Cを4金種に分けて選別する選別部8とを有する。識別部7および選別部8は、搬送経路Rに沿って上流側から順に並んで配置されている。
硬貨受入れ部5は、投入された硬貨Cを立直状態で受け入れることが可能な構成を有する。例えば、硬貨受入れ部5は、硬貨受入れ部5の投入口として縦型のスリットを有しており、立直状態で投入した硬貨Cを立直状態のまま受け入れることが可能である。または、硬貨受入れ部5は、横向きに投入された硬貨Cを立直状態に姿勢を変更しながら受け入れて搬送部6へ送り出す機構を有してもよい。
識別部7は、硬貨Cの真偽および金種を識別する硬貨識別センサ7aを有する。硬貨識別センサ7aは、例えば、光学センサ、赤外線センサ、または磁気センサなどのセンサの少なくとも1種またはこれらの組合せによって構成され、硬貨Cの外径や孔の有無、あるいは磁気的性質などによって硬貨Cを識別する。識別部7は、搬送経路Rに沿う位置に配置され、硬貨受入れ部5よりも搬送方向Pの下流側に配置される。
搬送部6は、当該硬貨受入れ部5に受け入れられた立直状態の硬貨Cを立直状態を維持しながら搬送経路Rに沿って搬送方向Pへ搬送するように構成されている。具体的には、搬送部6は、図4〜7に示されるように、硬貨Cを搬送経路Rに案内する案内部9と、硬貨Cを立直状態になるように支持する支持部10と、無端状の搬送ベルト11と、当該搬送ベルト11を回転走行させる回転駆動部12とを有する。
案内部9は、図6〜9に示されるように、硬貨受入れ部5に投入された立直状態の硬貨Cの周面101に下方から当接することが可能な下方当接面9aを有する。下方当接面9aは搬送経路Rに沿って延びる細長い平面である。下方当接面9aは、搬送経路Rの搬送方向Pへ向かうにつれて上方へ向かうように若干傾斜している。すなわち、下方当接面9aは、若干斜め上方を向いた面である。
下方当接面9aは、4金種の硬貨Cのうち最も厚い500円硬貨の厚さと同じか若干広い程度の幅を有する。また、案内部9は、硬貨Cが下方当接面9aから離脱することを防止するために当該下方当接面9aの縁に沿って上方に突出する離脱防止用のリブ9b(図7参照)を有する。案内部9は、下方当接面9aが立直状態の硬貨Cの周面101に下方から当接して当該硬貨Cを下方から支持しながら当該硬貨Cを所定の搬送経路Rに案内することが可能である。
支持部10は、硬貨Cを立直状態になるように支持するように構成されている。具体的には、支持部10は、立直した板状の部材を備えている。支持部10は、搬送経路Rに沿って延びて立直状態の硬貨Cの表面または裏面のいずれか一方の面(以下、主面102という)に当接することが可能な立直当接面10aを有する。
立直当接面10aには、図4〜5に示されるように、識別部7に対して硬貨Cの搬送方向Pの下流側において硬貨Cが通過可能な大きさの少なくとも1個の硬貨通過孔として、4個の貫通孔、すなわち、偽硬貨通過用のリジェクト孔13、500円または50円硬貨通過用の第1選別孔14、100円硬貨通過用の第2選別孔15、および10円硬貨通過用の第3選別孔16が形成されている。これらの孔13〜16は、搬送方向Pに沿って並んで配置されている。なお、硬貨通過孔は、少なくとも1個あればよく、例えば、リジェクト孔13を1個のみ有していてもよいし、5個以上の貫通孔を有していてもよい。
搬送ベルト11は、無端状(ループ状)のベルトである。搬送ベルト11は、搬送経路Rに沿って延びる一対の直線部分を有する。搬送ベルト11は、当該搬送ベルト11の一対の直線部分のうちの立直当接面10aに近い方の直線部分と立直当接面10aとの間に硬貨Cが挟持されるように配置される。すなわち、搬送ベルト11は、硬貨Cを立直当接面10aと協働して挟持することが可能な立直当接面10aに対向する位置に配置される。搬送ベルト11は、硬貨Cを当該搬送ベルト11と立直当接面10aとで挟持した状態で、硬貨Cを搬送経路Rに沿って搬送するための推進力を硬貨Cに付与する。
回転駆動部12は、硬貨Cを搬送経路Rに沿って搬送するように搬送ベルト11を回転させるように構成されている。具体的には、回転駆動部12は、図4に示されるように、搬送モータ12aと、当該搬送モータ12aの駆動によって回転する駆動プーリ12bと、従動プーリ12cと、複数のピンチローラ12dとを有する。駆動プーリ12bは、搬送経路Rの終端に配置され、従動プーリ12cは、始端に配置されている。各ピンチローラ12dは、立直当接面10aに形成されたリジェクト孔13、および第1〜第3選別孔14〜16のそれぞれの前に配置されている。無端状の搬送ベルト11は、駆動プーリ12bと従動プーリ12cとの間に掛け回されている。搬送ベルト11の一対の直線部分のうちの立直当接面10aに近い方の直線部分は、駆動プーリ12bの回転によって搬送方向Pへ引っ張られることにより、硬貨Cに搬送方向Pへ進行する推進力を与える。また、搬送ベルト11におけるこの近い方の直線部分は、図8に示されるように各ピンチローラ12dによって搬送方向Pへ案内されるとともに立直当接面10aに形成された硬貨通過孔(図8では第1選別孔14)から離れる方向への移動が規制され、硬貨Cを第1選別孔14へ向けて押圧することが可能である。
選別部8は、識別部7で識別された硬貨Cを偽の硬貨と真正な硬貨とに選別するとともに真正な硬貨Cを4金種に分けて選別するように構成されている。選別部8は、図4〜9に示されるように、上記の支持部10の立直当接面10aに形成された4個の硬貨通過孔13〜16(すなわち、偽の硬貨通過用のリジェクト孔13、500円または50円硬貨通過用の第1選別孔14、100円硬貨通過用の第2選別孔15、および10円硬貨通過用の第3選別孔16)と、当該硬貨通過孔13〜16のうちのリジェクト孔13および第1〜第2選別孔14〜15のそれぞれの開口面の少なくとも一部を開閉可能なシャッタ17と、シャッタ17を開閉させるシャッタ駆動部18と、切替フラップ36と、制御部19とを備える。
リジェクト孔13は、識別部7で偽の硬貨と判別された硬貨Cがシャッタ17の開状態で通過する孔である。リジェクト孔13を通過した偽の硬貨Cは、リジェクトダクト31(図1および図4参照)を通って、図1の硬貨返却部3bへ送られる。
第1選別孔14は、識別部7で500円硬貨または50円硬貨と判別された硬貨Cがシャッタ17の開状態で通過する孔である。第1選別孔14を通過した500円または50円の硬貨Cは、図6〜7に示される通路24を通って切替フラップ36へ向かう。切替フラップ36は、切替フラップソレノイド37(図11参照)によって、硬貨Cの経路を500円用ダクト32および50円用ダクト33のいずれかのダクトに切り替える。この切替フラップ36による硬貨Cの経路切替えを行うことによって、500円硬貨は500円用ダクト32(図1および図5〜6参照)を通って、図1および図3の500円硬貨用収納庫23aへ送られ、一方、50円硬貨は50円用ダクト33(図1および図10参照)を通って、図1および図3の50円硬貨用収納庫23bへ送られる。切替フラップ36の切替えの向きは、切替フラップセンサ48(図11参照)によって検知される。
第2選別孔15は、識別部7で100円硬貨と判別された硬貨Cがシャッタ17の開状態で通過する孔である。第2選別孔15を通過した100円の硬貨Cは、100円用ダクト34(図1および図5参照)を通って、図1および図3の100円硬貨用収納庫23cへ送られる。
搬送経路Rにおいて最も下流側に位置する第3選別孔16は、識別部7で10円硬貨と判別された硬貨Cが通過する孔である。第3選別孔16を通過した10円の硬貨Cは、10円用ダクト35(図1および図10参照)を通って、図1および図3の10円硬貨用収納庫23dへ送られる。
シャッタ17は、上記のように、リジェクト孔13および第1〜第2選別孔14〜15には設けられているが、搬送経路Rの最も下流側に位置する10円硬貨用の第3選別孔16には設けられていない。すなわち、第3選別孔16は常時開放されている。
シャッタ駆動部18は、図5および図11に示されるように、リジェクト孔13に設けられたシャッタ17を開閉するリジェクトソレノイド18aと、第1選別孔14に設けられたシャッタ17を開閉する第1選別ソレノイド18bと、第2選別孔15に設けられたシャッタ17を開閉する第2選別ソレノイド18cとを有する。
制御部19は、識別部7による硬貨Cの識別結果に基づいて、シャッタ駆動部18の上記のソレノイド18a〜18cによるシャッタ17の開閉動作を制御する。例えば、偽の硬貨の場合には、リジェクトソレノイド18aを作動してリジェクト孔13のシャッタ17を開放する。500円または50円硬貨の場合には、第1選別ソレノイド18bを作動して第1選別孔14のシャッタ17を開放する。100円硬貨の場合には、第2選別ソレノイド18cを作動して第2選別孔15のシャッタ17を開放する。10円硬貨の場合には、上記のソレノイド18a〜18cをいずれも作動させずに、リジェクト孔13および第1〜第2選別孔14〜15のシャッタ17を閉じたままにしておいて、10円硬貨を搬送経路Rの最も下流側の第3選別孔16までの移動を許容する。
選別部8は、図4および図6〜9に示されるように、硬貨Cを上記の硬貨通過孔13〜16へ向かう押圧力を向上させるために、さらに、無端状の選別ベルト21と、当該選別ベルト21を案内する案内ローラ22とをさらに有する。
無端状の選別ベルト21は、無端状の搬送ベルト11よりも上方に配置されている。選別ベルト21は、搬送経路Rに沿って走行しながら上記の硬貨通過孔13〜16の前を横切る硬貨Cを当該硬貨通過孔13〜16に向けて押圧する。 無端状の選別ベルト21は、搬送経路Rに延びるように、図4に示される駆動プーリ25および従動プーリ26に掛け回されている。駆動プーリ25は、上記の搬送ベルト11のための駆動プーリ12bと共通の回転軸によって支持され。駆動プーリ25とともに搬送モータ12aの駆動力によって回転する。案内ローラ22は、上記の硬貨通過孔13〜16のそれぞれに対向する位置に配置されている。具体的には、搬送ベルト11のためのピンチローラ12dと共通の回転軸によって支持されている。
選別ベルト21における搬送経路Rに沿って延びる一対の直線部分のうちの立直当接面10aに近い方の直線部分は、図8に示されるように各案内ローラ22によって搬送方向Pへ案内されるとともに立直当接面10aに形成された硬貨通過孔(図8では第1選別孔14)から離れる方向への移動が規制され、硬貨Cを第1選別孔14へ向けて押圧することが可能である。
案内ローラ22は、図7に示されるように下方へ向かうにつれて細くなるテーパ状(たとえば円錐状)の外周面22aを有している。そのため、案内ローラ22は、このテーパ状の外周面22aによって、選別ベルト21に対して斜め下方へ向かう押圧力を与えることが可能である。
本実施形態の硬貨処理装置1では、搬送中の硬貨Cは、図6〜7に示されるように、支持部10の立直当接面10aと2本のベルト、すなわち搬送ベルト11および選別ベルト21とに挟持された状態で搬送される。このとき、硬貨Cには、搬送ベルト11および選別ベルト21から支持部10へ向かう押圧力が作用し、硬貨Cは支持部10から反力を受けながら搬送される。一方、硬貨通過孔(図6〜7では第1選別孔14)においては、硬貨Cの上部は支持部10から、硬貨Cの下部は閉状態のシャッタ17からそれぞれ反力を受けている。
また、選別すべき硬貨Cが対応する硬貨選別孔(例えば第1選別孔14)に到達したときには、図14〜15に示されるように、シャッタ駆動部18(例えば第1選別ソレノイド18b)が駆動されてシャッタ17が下方に移動し、硬貨Cの下部においては反力を得る壁がなくなり、硬貨Cの下方は支持部10の第1選別孔14の上縁の部分10bを回転中心として左方向に回転しながら、支持部10から離脱して第1選別孔14を通過し、その後、硬貨Cの自重で硬貨Cは通路24を通して下方に落下することが可能である。
本実施形態の硬貨処理装置1は、硬貨Cの通過を検知するためのセンサとして、図5および図11に示されるように、硬貨受入れ部5に配置された入金センサ41と、本体ユニット2内部の搬送経路Rに沿って上流側から順に並べて配置された複数のセンサ、すなわち、取込センサ42、基準センサ43、残留センサ44、第1ベンドセンサ45、第2ベンドセンサ46、および第3ベンドセンサ47とを有する。取込センサ42は、搬送経路Rの始端付近に配置されている。基準センサ43は、搬送経路Rの内部において識別部7の硬貨識別センサ7aが占める区間内に配置されている。残留センサ44は、硬貨識別センサ7aとリジェクト孔13との間に配置されている。第1ベンドセンサ45、第2ベンドセンサ46、および第3ベンドセンサ47は、第1選別孔14、第2選別孔15、第3選別孔16に対して搬送方向Pの上流側にそれぞれ配置されている。
図11に示されるように、制御部19は、硬貨処理装置1内部の種々のセンサ(すなわち、入金センサ41、取込センサ42、基準センサ43、残留センサ44、第1ベンドセンサ45、第2ベンドセンサ46、第3ベンドセンサ47、切替フラップセンサ48、返却部残留センサ49、および硬貨識別センサ7a)からの得た信号に基づいて、硬貨処理装置1内部の駆動要素(すなわち、回転駆動部12の搬送モータ12a、シャッタ駆動部18(具体的には、リジェクトソレノイド18a、第1選別ソレノイド18b、および第2選別ソレノイド18c)、および切替フラップソレノイド37)の駆動を制御する。
上記のように構成された硬貨処理装置1では、図12〜13に示されるフローチャートの手順にしたがって、硬貨Cの選別を含む入金動作が行われる。
まず、図12のフローチャートのステップS1において、硬貨受入れ部5の入金センサ41が硬貨Cを検知した場合、制御部19は、回転駆動部12の搬送モータ12aを駆動するように制御する。これにより硬貨受入れ部5に投入された硬貨Cは、搬送ベルト11によって搬送経路Rに沿って搬送される。
ついで、ステップS3において、識別部7は、硬貨Cの識別を行う。具体的には、硬貨識別センサ7aによって、硬貨Cの真偽の判別ならびに硬貨Cの金種(すなわち、500円、50円、100円、10の4金種)の判別を行う。
その後、ステップS4において、識別部7の搬送方向下流側に位置する選別部8(図4参照)によって硬貨Cの選別が行われる。
硬貨選別後、500ミリ秒間待機(ウエイト)した後、搬送モータ12aを停止させることにより、一連の入金動作が終了する。
上記のステップS4のる選別部8における硬貨Cの選別は、図13のフローチャートの手順にしたがって行われる。
まず、硬貨Cは、リジェクト孔13まで搬送される(ステップS21)。硬貨Cのリジェクト孔13への搬送は、残留センサ44(図5)によって検知される。
ついで、識別部7で偽の硬貨と判別された硬貨Cの場合は、リジェクト孔13のシャッタ17を開放するようにリジェクトソレノイド18a(図5)を作動させる(ステップS22〜S23)。偽の硬貨Cは、リジェクト孔13を通過した後、リジェクトダクト31を介して硬貨返却部3bへ送られる。
識別部7で真正な硬貨と判別された硬貨Cの場合は、リジェクト孔13のシャッタ17を閉鎖して、当該硬貨Cを第1選別孔14まで搬送する(ステップS24〜S25)。
識別部7で500円硬貨または50円硬貨と判別された硬貨Cの場合は、第1選別孔14のシャッタ17を開放するように第1選別ソレノイド18b(図5)を作動させる(ステップS26〜S27)。500円硬貨または50円硬貨は、第1選別孔14を通過した後、図14〜15に示される通路24を介して切替フラップ36の配置場所へ送られる。ここで、500円硬貨の場合は切替フラップ36を500円用ダクト32の開放側へ切り替え、50円硬貨の場合は切替フラップ36を50円用ダクト33の開放側へ切り替える(ステップS28〜S30)。これにより、500円硬貨は500円用ダクト32を介して500円硬貨用収納庫23aへ収納され、50円硬貨は50円用ダクト33を介して50円硬貨用収納庫23bへ収納される。
識別部7で500円硬貨および50円硬貨でないと判別された硬貨Cの場合は、第1選別孔14のシャッタ17を閉鎖して、当該硬貨Cを第2選別孔15まで搬送する(ステップS31〜S32)。
識別部7で100円硬貨と判別された硬貨Cの場合は、第2選別孔15のシャッタ17を開放するように第2選別ソレノイド18c(図5)を作動させる(ステップS33〜S34)。100円硬貨は、第2選別孔15を通過した後、100円用ダクト34を介して100円硬貨用収納庫23cへ収納される。
識別部7で100円硬貨でないと判別された硬貨C、すなわち4金種のうちの残り1つの金種である10円硬貨の場合は、第2選別孔15のシャッタ17を閉鎖して、当該硬貨Cを第3選別孔16まで搬送する(ステップS35〜S36)。第3選別孔16にはシャッタ17が設けられていないので、第3選別孔16に到達した10円硬貨は第3選別孔16を通過した後、10円用ダクト35を介して10円硬貨用収納庫23dへ収納される。
上記のように硬貨収納部23の4個の収納庫23a〜23dにそれぞれ金種別に収納された硬貨Cは、各収納庫23a〜23dを収納返却ユニット3の前面の開閉板3cを開けて硬貨処理装置1の外部へ取り出すことが可能である。
また、各収納庫23a〜23dに収納された硬貨をユーザなどに返却できるように、硬貨返却用の搬送部(コンベアベルトを備えた搬送機構など)をさらに備えていてもよい。その場合、制御部19へ所定の払出命令を送れば、当該硬貨返却用の搬送部を用いて上記の収納庫23a〜23dから金種別に所定の枚数の硬貨Cを硬貨返却部3bから払い出すことが可能である。
(本実施形態の特徴)
上記のように構成された硬貨処理装置1では、図6〜9に示されるように、硬貨受入れ部5に投入されて立直状態で受け入れられた硬貨Cは、その周面101が案内部9の下方当接面9aに当接しながら所定の搬送経路Rに案内される。搬送経路Rでは、硬貨Cの主面102(すなわち、表面または裏面のいずれか一方の面)が支持部10の立直当接面10aに当接し、それとともに硬貨Cは立直当接面10aおよび搬送ベルト11によって挟持された状態で、回転駆動部12によって回転する搬送ベルト11から推進力を受ける。これにより、硬貨Cは、立直状態を維持しながら搬送経路Rに沿って搬送方向Pの下流側へ搬送される。このとき、硬貨Cの自重は案内部9の下方当接面9aで受けるので、支持部10の立直当接面10aは硬貨Cの自重を受けることはなく、搬送ベルト11からの押圧力だけを受ければよいので負担が小さくなる。また、シャッタ17が立直当接面10aに形成された上記の硬貨通過孔13〜15(すなわち、リジェクト孔13および第1〜第2選別孔14〜15)を閉じている状態では、シャッタ17は、当該立直当接面10aと同様に、搬送ベルト11からの押圧力だけを受ければよいので負担が小さくなっている。したがって、支持部10の立直当接面10aやシャッタ17には硬貨Cの搬送時において大きな負荷がかからないので、当該支持部10やシャッタ17がずれたり変形したりするおそれがなくなり、硬貨Cの安定した走行が可能になる。
また、支持部10やシャッタ17の肉厚を厚くしたり、高強度の材料で製造したりする必要がないので、製造コストを抑え、硬貨処理装置1の小型化が容易になる。
しかも、立直状態の硬貨Cは、立直当接面10aおよび搬送ベルト11によって挟持された状態で立直状態を維持しながら搬送されるので、硬貨Cの搬送経路Rが水平方向に直線的に延びていない場合、例えば、硬貨Cの左右方向(厚さ方向)や上下方向へ搬送経路Rが曲がっていたり、上下方向に傾斜したりしている場合であっても、硬貨Cを立直状態を維持しながら搬送経路Rから離脱することなく当該搬送経路Rに沿って安定して搬送することが可能である。したがって、硬貨処理装置1の搬送経路Rについての設計自由度が向上する。
また、本実施形態の硬貨処理装置1では、案内部9の下方当接面9aは、硬貨Cの搬送方向Pの下流側に向かうにつれて上方に向かうように傾斜している。そのため、硬貨Cは搬送ベルト11によって搬送方向Pの下流側に搬送されるにつれて上昇する。このとき、硬貨Cの自重の一部は搬送ベルト11を引っ張る方向に作用するので、搬送ベルト11のゆるみやたわみを低減することが可能である。これにより、立直当接面10aおよび搬送ベルト11によって硬貨Cを挟持する力の低減を抑えることが可能になり、その結果、硬貨Cの立直当接面10aからの離脱を確実に防止できる。さらに、このような搬送経路Pが上方へ傾斜した構成では、硬貨Cの搬送経路Rが搬送方向Pの下流側に向かうにつれて上方に向かうように傾斜しているので、搬送経路Rに沿って立直当接面10aに形成された硬貨通過孔13〜16の位置を高く配置することが可能になる。したがって、当該硬貨通過孔13〜16を通して落下する硬貨Cを返却するために、硬貨通過孔13〜16よりも下方の位置に硬貨返却部3bが形成された場合でも、当該硬貨返却部3bの位置も高く配置することが可能になる。その結果、硬貨返却部3bを硬貨受入れ部5に近づけて配置することが可能になり、使用者にとって使いやすい硬貨処理装置1を提供することが可能である。
また、本実施形態の硬貨処理装置1では、図9に示されるように、立直当接面10aに形成された硬貨通過孔である第1選別孔14の上下方向の開口幅Wは、当該硬貨通過孔に対応する硬貨C(例えば、第1選別孔14に対応する500円硬貨および50円硬貨のうちの小さい方の50円硬貨)の外径Dよりも小さく設定されている。シャッタ17は、立直当接面10aに形成された第1選別孔14の下側を部分的に開閉可能な位置に配置されている。この構成によれば、図6〜7に示されるように、シャッタ17が閉じている状態では、立直状態の硬貨Cが下方当接面9aに当接しながら搬送されるときにシャッタ17の前を通過するとき、当該硬貨Cの下側の部分がシャッタ17によって第1選別孔14への移動が規制される。このとき、硬貨Cの上側の部分は、硬貨Cの外径よりも小さい第1選別孔14の上縁の部分10bに当たっているので、硬貨Cは第1選別孔14を通過できない。一方、図14〜15に示されるようにシャッタ17が開いている状態では、立直状態の硬貨Cの下側の部分はシャッタ17による移動規制が解除されている。そのため、搬送ベルト11からの押圧力を受けて第1選別孔14の内部へ押し出されて当該第1選別孔14を通過することが可能である。その結果、第1選別孔14の上下方向の開口幅Wが硬貨Cの外径Dよりも小さい場合であっても、シャッタ17が当該第1選別孔14の下側を開閉することによって、第1選別孔14における硬貨Cの通過を確実に行うことが可能である。
なお、上記の実施形態では、シャッタ17が設けられる硬貨通過孔の一例として500円および50円硬貨通過用の第1選別孔14を例に挙げて説明したが、シャッタ17が設けられる他の硬貨通過孔、例えば、リジェクト孔13や第2選別孔15においても、上記と同様の作用効果が得られる。リジェクト孔13の上下方向の開口幅は、例えば、4金種のうちの最も小さい硬貨である50円硬貨の外径よりも小さくなるように設定すればよい。100円硬貨通過用の第2選別孔15の上下方向の開口幅は、100円硬貨の外径よりも小さくなるように設定すればよい。
さらに、本実施形態の硬貨処理装置1は、搬送ベルト11よりも上方に配置され、搬送経路Rに沿って走行しながら硬貨通過孔13〜16の前を横切る硬貨Cを硬貨通過孔13〜16に向けて押圧する無端状の選別ベルト21を備えている。そのため、例えば、図14〜15に示されるように、硬貨通過孔である第1選別孔14のシャッタ17が開いている状態では、第1選別孔14の前を横切る硬貨Cは、搬送ベルト11およびその上方に配置された選別ベルト21の両方からの押圧力を受けることによって、第1選別孔14の内部へ押し出される。このとき、硬貨Cの上側の部分が当たっている第1選別孔14の上縁の部分10bが硬貨Cの回転中心となって、硬貨Cの下側の部分が第1選別孔14の内部へ大きく回転移動して第1選別孔14の内部へ押し出されることにより、第1選別孔14における硬貨Cの通過をより確実に行うことが可能である。なお、他の硬貨通過孔、例えば、リジェクト孔13や第2〜第3選別孔15〜16においても、上記と同様の作用効果(すなわち、選別ベルト21による硬貨Cの押圧力の向上)が得られる。
さらに、本実施形態の硬貨処理装置1は、上記の硬貨通過孔13〜16に対向する位置において選別ベルト21を案内する案内ローラ22をさらに備えている。案内ローラ22は、図7および図15に示されるように、下方へ向かうにつれて細くなるテーパ状の外周面22aを有する。したがって、無端状の選別ベルト21は、回転しているときに、案内ローラ22の下方へ向かうにつれて細くなるテーパ状の外周面22aから下向きの押圧力を受ける。これにより、選別ベルト21は、硬貨通過孔である第1選別孔14の前を横切る硬貨Cに対して下向きの押圧力を与えることが可能である。これにより、図15に示されるように、硬貨Cの下側の部分が第1選別孔14の内部へより大きく回転移動するので、第1選別孔14における硬貨Cの通過をより一層確実に行うことが可能である。なお、他の硬貨通過孔、例えば、リジェクト孔13や第2〜第3選別孔15〜16においても、上記と同様の作用効果(すなわち、硬貨Cに対して下向きの押圧力を付与して当該硬貨を硬貨通過孔の内部へ大きく回転移動させる効果)が得られる。
1 硬貨処理装置
2 本体ユニット
3 収納返却ユニット
5 硬貨受入れ部
6 搬送部
7 識別部
8 選別部
9 案内部
9a 下方当接面
10 支持部
10a 立直当接面
11 搬送ベルト
12 回転駆動部
13 リジェクト孔(硬貨通過孔)
14 第1選別孔(硬貨通過孔)
15 第2選別孔(硬貨通過孔)
16 第3選別孔(硬貨通過孔)
17 シャッタ
18 シャッタ駆動部
19 制御部
21 選別ベルト
22 案内ローラ

Claims (4)

  1. 投入された硬貨を立直状態で受け入れる硬貨受入れ部と、
    前記硬貨を識別する識別部と、
    前記硬貨受入れ部に投入された立直状態の前記硬貨の周面に下方から当接することが可能な下方当接面を有し、当該硬貨を所定の搬送経路に案内する案内部と、
    前記搬送経路に沿って延びて立直状態の前記硬貨の表面または裏面のいずれか一方に当接することが可能な立直当接面を有し、当該立直当接面には前記識別部に対して前記硬貨の搬送方向の下流側において前記硬貨が通過可能な大きさの少なくとも1個の硬貨通過孔が形成された、前記硬貨を立直状態になるように支持する支持部と、
    前記搬送経路に沿って延び、前記硬貨を前記立直当接面と協働して挟持することが可能な前記立直当接面に対向する位置に配置され、前記硬貨を前記搬送経路に沿って搬送するための推進力を前記硬貨に付与する無端状の搬送ベルトと、
    前記硬貨を前記搬送経路に沿って搬送するように前記搬送ベルトを回転させる回転駆動部と、
    前記硬貨通過孔の開口面の少なくとも一部を開閉可能なシャッタと、
    前記シャッタを開閉させるシャッタ駆動部と、
    前記識別部による前記硬貨の識別結果に基づいて前記シャッタ駆動部による前記シャッタの開閉動作を制御する制御部と
    を備え
    前記硬貨通過孔の上下方向の開口幅は、当該硬貨通過孔に対応する前記硬貨の外径よりも小さく設定され、
    前記シャッタは、前記硬貨通過孔の下側を開閉可能な位置に配置されている
    ことを特徴とする硬貨処理装置。
  2. 投入された硬貨を立直状態で受け入れる硬貨受入れ部と、
    前記硬貨を識別する識別部と、
    前記硬貨受入れ部に投入された立直状態の前記硬貨の周面に下方から当接することが可能な下方当接面を有し、当該硬貨を所定の搬送経路に案内する案内部と、
    前記搬送経路に沿って延びて立直状態の前記硬貨の表面または裏面のいずれか一方に当接することが可能な立直当接面を有し、当該立直当接面には前記識別部に対して前記硬貨の搬送方向の下流側において前記硬貨が通過可能な大きさの少なくとも1個の硬貨通過孔が形成された、前記硬貨を立直状態になるように支持する支持部と、
    前記搬送経路に沿って延び、前記硬貨を前記立直当接面と協働して挟持することが可能な前記立直当接面に対向する位置に配置され、前記硬貨を前記搬送経路に沿って搬送するための推進力を前記硬貨に付与する無端状の搬送ベルトと、
    前記硬貨を前記搬送経路に沿って搬送するように前記搬送ベルトを回転させる回転駆動部と、
    前記硬貨通過孔の開口面の少なくとも一部を開閉可能なシャッタと、
    前記シャッタを開閉させるシャッタ駆動部と、
    前記識別部による前記硬貨の識別結果に基づいて前記シャッタ駆動部による前記シャッタの開閉動作を制御する制御部と、
    前記搬送ベルトよりも上方に配置され、前記搬送経路に沿って走行しながら前記硬貨通過孔の前を横切る前記硬貨を前記硬貨通過孔に向けて押圧する無端状の選別ベルト
    備えていることを特徴とする硬貨処理装置。
  3. 前記硬貨通過孔に対向する位置において前記選別ベルトを案内する案内ローラをさらに備え、
    当該案内ローラは、下方へ向かうにつれて細くなるテーパ状の外周面を有する、
    請求項に記載の硬貨処理装置。
  4. 前記案内部の前記下方当接面は、前記硬貨の搬送方向の下流側に向かうにつれて上方に向かうように傾斜している、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬貨処理装置。
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