JP6471420B2 - エポキシ樹脂組成物、硬化物、繊維強化複合材料、繊維強化樹脂成形品、半導体封止材料、半導体装置、プリプレグ、回路基板、ビルドアップフィルム、及びビルドアップ基板 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物、硬化物、繊維強化複合材料、繊維強化樹脂成形品、半導体封止材料、半導体装置、プリプレグ、回路基板、ビルドアップフィルム、及びビルドアップ基板 Download PDF

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Description

本発明は、得られる硬化物において優れた難燃性と、優れた曲げ強度、弾性率、曲げ歪を発現させることができるエポキシ樹脂組成物、上記性能を有する繊維強化複合材料、繊維強化樹脂成形品、硬化物、半導体封止材料、半導体装置、プリプレグ、回路基板、ビルドアップフィルム、及びビルドアップ基板に関する。
強化繊維で強化した強化繊維複合材料は、軽量でありながら機械強度に優れる特徴が注目され、自動車や航空機の筐体、或いは各種部材をはじめ、様々な構造体用途での利用が拡大している。
なお、強化繊維複合材料は、強化繊維にマトリックス樹脂(強化繊維の強度を補強する樹脂)を含浸させた構成からなり、マトリックス樹脂は、硬化物において、優れた難燃性と機械強度を発現することが要求されている。特に、強化繊維複合材料が航空機や車体などの構造部品に用いられる場合においては、火災延焼を最小限に抑える為に、マトリックス樹脂は、硬化物において優れた難燃性を発現することが要求される。また、パソコン、携帯電話等の電気・電子筐体においても、内部発熱による発火からの燃焼を抑制するため、同様の難燃性が要求されている。
上記要求を満たすものとして、臭素化エポキシ樹脂や、エポキシ樹脂にハロゲン系難燃剤を添加したものが挙げられる。しかし、これらは難燃効果に優れる反面、着火時の有毒ガスの発生リスクや焼却時のダイオキシン発生リスクがある。そこで、マトリックス樹脂の成分に非ハロゲン化合物を用いる動きが活発化している。この非ハロゲン系化合物としては、表面被覆赤リンやリン酸エステル化合物が挙げられる(下記、特許文献1〜3参照)。しかし、特許文献1〜3に記載されたマトリックス樹脂は、得られる硬化物において難燃性の機能を発現させることができる一方で、曲げ強度、弾性率、曲げ歪といった機械的強度が低下してしまうという問題があった。
特開2011−148938号公報 特開2012−144672号公報 特開2012−86578号公報
従って、本発明が解決しようとする課題は、得られる硬化物において優れた難燃性と、優れた曲げ強度、弾性率、曲げ歪を発現させることができるエポキシ樹脂組成物、上記機能を有する繊維強化複合材料、繊維強化樹脂成形品、硬化物、半導体封止材料、半導体装置、プリプレグ、回路基板、ビルドアップフィルム、及びビルドアップ基板を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、エポキシ樹脂(A)、アミン硬化剤(B)、及び特定の構造を有するリン原子含有オリゴマー(C)を必須成分として含有するエポキシ樹脂組成物が、得られる硬化物において優れた難燃性と、優れた曲げ強度、弾性率、曲げ歪を発現させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、エポキシ樹脂(A)、アミン硬化剤(B)、及び下記構造式(1)で表されるリン原子含有オリゴマー(C)を必須成分とするエポキシ樹脂組成物に関する。
Figure 0006471420
但し、構造式(1)中、Rは水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、アラルキル基を表し、nは繰り返し単位で1以上の整数を表し、Xは下記構造式(x1)又は(x2)で表される構造部位を表し、Yは水素原子、水酸基、又は下記構造式(x1)若しくは(x2)で表される構造部位を表す。
Figure 0006471420
但し、上記構造式(x1)又は(x2)中、R、R、R、Rは、それぞれ独立的に、水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、又はアラルキル基を表す。
本発明は、更に、上記エポキシ樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物に関する。
本発明は、更に、上記エポキシ樹脂組成物を強化繊維に含浸させた繊維強化複合材料に関する。
本発明は、更に、上記繊維強化複合材料を積層したのち熱硬化することにより得られる繊維強化樹脂成形品に関する。
本発明は、更に、繊維強化複合材料を積層したのちプレス成形法にて硬化した繊維強化樹脂成形品に関する。
本発明は、更に、上記エポキシ樹脂組成物と、無機充填材とを含有する半導体封止材料に関する。
本発明は、更に、上記半導体封止材料を加熱硬化させて得られる半導体装置に関する。
本発明は、更に、上記エポキシ樹脂組成物を有機溶剤に希釈したものを補強基材に含浸し、得られる含浸基材を半硬化させることにより得られるプリプレグに関する。
本発明は、更に、上記プリプレグを板状に賦形したものを銅箔と積層し、加熱加圧成型して得られる回路基板に関する。
本発明は、更に、上記エポキシ樹脂組成物を有機溶剤に希釈したものを基材フィルム上に塗布し、乾燥させることにより得られるビルドアップフィルムに関する。
本発明は、更に、上記ビルドアップフィルムを回路が形成された回路基板に塗布し、加熱硬化させて得られる回路基板に凹凸を形成し、次いで上記回路基板にめっき処理を行うことにより得られるビルドアップ基板に関する。
本発明によれば、得られる硬化物において優れた難燃性と、優れた曲げ強度、弾性率、曲げ歪を発現させることができるエポキシ樹脂組成物、上記性能を有する繊維強化複合材料、繊維強化樹脂成形品、硬化物、半導体封止材料、半導体装置、プリプレグ、回路基板、ビルドアップフィルム、及びビルドアップ基板を提供できる。
合成例1のリン原子含有オリゴマーのGPCチャートである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記の通り、エポキシ樹脂(A)、アミン硬化剤(B)、及びリン原子含有オリゴマー(C)を必須成分とするものである。以下で、エポキシ樹脂(A)、アミン硬化剤(B)、及びリン原子含有オリゴマー(C)について説明する。
A.エポキシ樹脂
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いるエポキシ樹脂(A)は、種々のエポキシ樹脂を用いることができる。そのようなエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂等のビフェニル型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;トリフェニルメタン型エポキシ樹脂;テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン−フェノール付加反応型エポキシ樹脂;フェノールアラルキル型エポキシ樹脂;ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ジグリシジルオキシナフタレン、1,1−ビス(2,7−ジグリシジルオキシ−1−ナフチル)アルカン等の分子構造中にナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂;リン原子含有エポキシ樹脂等が挙げられる。また、これらのエポキシ樹脂は単独で用いてもよく、2種以上を混合してもよい。
上記したエポキシ樹脂のなかでも、特に得られる硬化物の耐熱性の点から、ノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂が好ましく、また、強化繊維への含浸性と作業性の点からビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。
B.アミン硬化剤
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いるアミン硬化剤(B)とは、分子中にアミノ基を有する硬化剤を指す。かかる硬化剤としては、分子中に窒素原子を有していれば特に限定されないが、例えば、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、m−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミンのような活性水素を有する芳香族ポリアミン化合物、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、ビス(アミノメチル)ノルボルナン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ポリエチレンイミンのダイマー酸エステルのような活性水素を有する脂肪族アミン、これらの活性水素を有するアミンにエポキシ化合物、アクリロニトリル、フェノールとホルムアルデヒド、チオ尿素などの化合物を反応させて得られる変性アミン、ジメチルアニリン、ジメチルベンジルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールや1置換イミダゾールのような活性水素を持たない第三アミン、ジシアンジアミド、テトラメチルグアニジン、アジピン酸ヒドラジドやナフタレンジカルボン酸ヒドラジドのようなポリカルボン酸ヒドラジド、三フッ化ホウ素エチルアミン錯体のようなルイス酸錯体などを用いることができる。
この中でも、アミン硬化剤(B)としては、ジシアンジアミド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホンが特に好ましい。上記化合物をアミン硬化剤(B)として用いると、エポキシ樹脂(A)とアミン硬化剤(B)とリン原子含有オリゴマー(C)とを一液化した場合に優れた貯蔵安定性を示すようになる。さらに、上記化合物をアミン硬化剤(B)として用いたエポキシ樹脂組成物を繊維強化複合材料に使用した場合に、得られる繊維強化複合材料が、優れた耐湿耐熱性と弾性率の機能を発現させることができるようなる。
C.リン原子含有オリゴマー
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いるリン原子含有オリゴマー(C)は、下記構造式(1)で表される。
Figure 0006471420
但し、上記構造式(1)中、Rは水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、又はアラルキル基を表し、nは繰り返し単位で1以上の整数を表す。
また、構造式(1)において、Xは下記構造式(x1)又は(x2)で表される構造部位を表し、Yは水素原子、水酸基又は下記構造式(x1)若しくは(x2)で表される構造部位を表す。
Figure 0006471420
但し、上記構造式(x1)又は(x2)中、R、R、R、Rは、それぞれ独立的に、水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、又はアラルキル基を表す。
ここで、R〜Rが示す炭素原子数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。炭素原子数1〜4のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロキシ基、ブトキシ基、t−ブトキシ基等が挙げられる。アラルキル基としては、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、トリルメチル基、トリルエチル基、トリルプロピル基、キシリルメチル基、キシリルエチル基、キシリルプロピル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、ナフチルプロピル基等が挙げられる。
ここで、下記構造式(1)で表されるリン原子含有オリゴマー(C)について、構造部位Xは、構造式(x1)で表される構造であることが好ましい。構造部位Xが(x1)で表される構造であると、本発明のエポキシ樹脂組成物は、得られる硬化物において難燃性の機能が向上する。
さらに、構造部位Yは、水素原子又は上記構造式(x1)若しくは(x2)で表される構造部位を有することが好ましいが、その中でも得られる硬化物の難燃性の機能が向上するという観点から、構造部位Yは、構造式(x1)で表される構造を有することが特に好ましい。
なお、リン原子含有オリゴマー(C)は、下記構造式(2)で表される構造部位を繰り返し単位として有することが好ましい。より好ましくは、繰り返し単位として単位数が2以上の成分を、5%〜90%の範囲で含む場合である。上記のようにリン原子含有オリゴマー(C)が構成されると、リン原子含有オリゴマー(C)は、エポキシ樹脂(A)との相溶性に優れ、かつ上記リン原子含有オリゴマー(C)を含むエポキシ樹脂組成物から得られる硬化物は、優れた難燃性と弾性率を発現するようになる。
Figure 0006471420
但し、上記構造式(2)中、Rは水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、アラルキル基を表し、Xは下記構造式(x1)又は(x2)で表される構造部位を示している。
Figure 0006471420
但し、上記構造式(x1)又は(x2)中、R、R、R、Rは、それぞれ独立的に、水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、又はアラルキル基を表している。炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、アラルキル基が示す具体的な置換基については、上述の通りである。
ここで、上記構造式(2)の構造部位Xが指し示す構造式(x1)又は(x2)について、R〜Rが水素原子であるものとして、下記構造式(2−1)、(2−2)、(2−3)、(2−5)、(2−6)、(2−7)で表されるものが挙げられる。また、同様にR〜Rがメチル基であるものとして、下記構造式(2−4)、(2−8)で表されるものが挙げられる。
Figure 0006471420
なお、本発明では、上記構造式(2)中の構造部位Xは、上述のように構造式(x1)で表される構造を有するものであることが好ましい。よって、上記構造式(2)で表される構造部位は、上記構造式(x1)に対応する構造式(2−1)、(2−2)、(2−3)、及び(2−4)であること好ましい。
また、上記リン原子含有オリゴマー(C)は、構造式(1)においてnが2以上の成分の含有率が、GPC測定におけるピーク面積基準で5%〜90%の範囲にあることが好ましい。上記について、具体的に説明すると、リン原子含有オリゴマー(C)について、nが2以上以外の成分は、nが1の成分である。よって、上記構造式(1)で表されるリン原子含有オリゴマー(C)について、nが1の成分の含有率が95%〜10%、nが2の成分の含有率が5%〜90%の割合で含まれることが好ましい。上記のように構成されると、リン原子含有オリゴマー(C)は、エポキシ樹脂(A)との相溶性に優れたものとなり、上記リン原子含有オリゴマー(C)を含むエポキシ樹脂組成物は強化繊維への含浸性に優れ、かつ上記エポキシ樹脂組成物から得られる硬化物は優れた難燃性と弾性率の機能を発現できるようになる
更に、リン原子含有オリゴマー(C)は、nが1の成分の含有率が95%〜10%、nが2の成分の含有率が3%〜50%、かつ、nが3以上の成分の含有率が1%〜45%であることがより好ましい。上記のように構成されると、リン原子含有オリゴマー(C)は、エポキシ樹脂(A)との相溶性がさらに優れ、上記リン原子含有オリゴマー(C)を含むエポキシ樹脂組成物は、得られる硬化物において、さらに優れた難燃性を発現させることができるようになる。
更に、リン原子含有オリゴマー(C)は、nが1の成分の含有率が60%〜25%、nが2の成分の含有率が10%〜45%、かつ、nが3以上の成分の含有率が10%〜40%であることが特に好ましい。上記のように構成されると、リン原子含有オリゴマー(C)は、エポキシ樹脂(A)との相溶性に優れ、リン原子含有オリゴマー(C)を含むエポキシ樹脂組成物は、その硬化物において難燃性と、機械的強度(曲げ強度、弾性率、曲げ歪)とのバランスに優れた機能を発現させることができるようになる。
また、上記した通り、上記構造式(1)における構造部位XとYは、得られる硬化物における難燃性の機能が向上するという観点から、上記構造式(x1)を有することが好ましい。よって、リン原子含有オリゴマー(C)としては、上記構造式(1)において、構造部位XとYが構造式(x1)で表される構造を有し、かつ、nが2以上の成分の含有率が5%〜90%、nが1の成分の含有率が95%〜10%であることが好ましい。上記のように構成されると、リン原子含有オリゴマー(C)は、エポキシ樹脂(A)との相溶性に優れ、かつ上記リン原子含有オリゴマー(C)を含むエポキシ樹脂組成物は強化繊維への含浸性に優れたものとなり、上記エポキシ樹脂組成物から得られる硬化物はさらに優れた難燃性を発現させることができるようになる。
更に、リン原子含有オリゴマー(C)としては、上記構造式(1)において、構造部位XとYが構造式(x1)であって、かつ、nが1の成分の含有率が95%〜10%、nが2の成分の含有率が3%〜50%、nが3以上の成分の含有率が1%〜45%であることが好ましい。上記のように構成されると、リン原子含有オリゴマー(C)は、エポキシ樹脂(A)との相溶性がさらに優れ、かつ得られる硬化物はさらに優れた難燃性を発現させることができるようになる。
更に、リン原子含有オリゴマー(C)としては、構造部位XとYは構造式(x1)であって、かつ、nが1の成分の含有率が60%〜25%、nが2の成分の含有率が10%〜45%、かつ、nが3以上の成分の含有率が10%〜40%であることが特に好ましい。上記のように構成されると、リン原子含有オリゴマー(C)は、エポキシ樹脂(A)との優れた相溶性に加え、リン原子含有オリゴマー(C)を含むエポキシ樹脂組成物は、その硬化物において難燃性と機械的強度とのバランスにさらに優れた機能を発現させることができるようになる。
ここで、上記構造式(1)におけるnが2以上の成分の含有率とは、下記の条件で測定されたGPCのチャートにおいて、36.0分未満のピーク面積の割合をいう。
<GPC測定条件>
GPC:測定条件は以下の通り。
測定装置 :東ソー株式会社製「HLC−8220 GPC」、
カラム:東ソー株式会社製ガードカラム「HXL−L」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G3000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G4000HXL」
検出器: RI(示差屈折径)
データ処理:東ソー株式会社製「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」
測定条件: カラム温度 40℃
展開溶媒 テトラヒドロフラン
流速 1.0ml/分
標準 : 上記「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
(使用ポリスチレン)
東ソー株式会社製「A−500」
東ソー株式会社製「A−1000」
東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「A−5000」
東ソー株式会社製「F−1」
東ソー株式会社製「F−2」
東ソー株式会社製「F−4」
東ソー株式会社製「F−10」
東ソー株式会社製「F−20」
東ソー株式会社製「F−40」
東ソー株式会社製「F−80」
東ソー株式会社製「F−128」
試料 : 樹脂固形分換算で1.0質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(50μl)。
また、上記したリン原子含有オリゴマー(C)は、該オリゴマー中のリン原子含有率が9質量%〜12質量%の範囲であることが難燃性の点から好ましい。かかるリン原子含有率は、「JIS規格K0102 46」に準拠して測定した値である。
・リン原子含有オリゴマー(C)の製造方法
このようなリン原子含有オリゴマー(C)については、下記製造方法によって製造することができる。以下でリン原子含有オリゴマー(C)の製造方法について説明する。
上記リン原子含有オリゴマー(C)は、下記構造式(c1−1)、又は(c1−2)で表される化合物(c1)と、下記構造式(c2−1)で表される化合物(c2)とを、モル比[化合物(c1)/化合物(c2)]が0.01/1.0〜0.99/1.0となる割合で配合したのち、酸触媒の存在下、80℃〜180℃で反応を行い、次いで、上記化合物(c2)の仕込み量に対して、モル基準で合計1.01〜3.0倍量となるように上記化合物(c1)を加え、120℃〜200℃にて反応を行う方法により製造できる。
Figure 0006471420
但し、式(c1−1)、(c1−2)中、R、R、R、Rは、それぞれ独立的に、水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、又はアラルキル基を表す。
Figure 0006471420
式中、Rは水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、又はアラルキル基を表す。
本発明では、かかる方法によりリン原子含有オリゴマー(C)を製造する場合、反応中間体の析出を良好に抑制でき、高分子量化し易くなるものである。
ここで、上記構造式(c1−1)、(c1−2)中の、R、R、R、Rは、それぞれ独立的に、水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、又はアラルキル基を表すが、本発明で用いる化合物(c1)は、R、R、R、Rの全てが水素原子であるものが得られる硬化物の難燃性が向上するという観点から好ましい。更に化合物(c1)は、得られる硬化物の難燃性に優れる点から構造式(c1−1)を有するものが好ましい。
他方、化合物(c2)について、上記構造式(c2−1)中のRは水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、アラルキル基を表すが、化合物(c1)との反応性及び得られる硬化物の難燃性に優れる点からRは水素原子であることが好ましい。
上記リン原子含有オリゴマー(C)の製造方法において使用し得る触媒としては、塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シュウ酸などの有機酸、三弗化ホウ素、無水塩化アルミニウム、塩化亜鉛などのルイス酸などが挙げられる。その使用量は硬化物の電気絶縁の低下を防ぐ観点から仕込み原料の総質量に対して、0.1質量%〜5.0質量%の範囲であることが好ましい。
該反応は上記化合物(c2)が液状であるため、これを有機溶媒として用い反応を行うことができるが、作業性等の向上という観点から他の有機溶媒を使用してもよい。ここで、用いる有機溶媒としては、アルコール系有機溶媒、炭化水素系有機溶媒などの非ケトン系有機溶媒が挙げられ、具体的には、上記アルコール系有機溶媒としてはプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられ、上記炭化水素系有機溶媒としてはトルエン、キシレン等が挙げられる。
反応終了後は、減圧下で乾燥することによって目的とする上記リン原子含有オリゴマー(C)を得ることができる。
・エポキシ樹脂組成物
上記のように、本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A)とアミン硬化剤(B)とリン原子含有オリゴマー(C)を必須の成分として含むものである。ここで、従来の非ハロゲン化合物を含む難燃性エポキシ樹脂組成物(例えば、特許文献1〜3に記載の非ハロゲン化合物として表面被覆赤リンやリン酸エステル化合物を含む難燃性エポキシ樹脂組成物)は、硬化するときに非ハロゲン化合物が架橋構造に組み込まれない。そのため、得られる硬化物は難燃性の機能を発現させることができる一方で、曲げ強度、弾性率、曲げ歪といった機械的強度が低下してしまう。しかし、本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A)とアミン硬化剤(B)とリン原子含有オリゴマー(C)を必須の成分として含むように構成したため、硬化するときに上記成分の全てが架橋構造に組み込まれる。従って、本発明のエポキシ樹脂組成物は、得られる硬化物において優れた難燃性の機能を発現させることができつつも、優れた曲げ強度、弾性率、曲げ歪の機能を発現させることができるものとなっている。
さらに、本発明のエポキシ樹脂組成物は、得られる硬化物の難燃特性が良好である点から、エポキシ樹脂(A)100質量部に対して、アミン硬化剤(B)を3質量部〜40質量部、リン原子含有オリゴマー(C)を15質量部〜100質量部の割合で含むことが好ましい。
さらに、本発明のエポキシ樹脂組成物を繊維強化複合材料用途に使用する場合、本発明のエポキシ樹脂組成物は、100℃〜150℃における最低粘度が、0.1Pa・s〜100Pa・sであることが好ましく、2Pa・s〜50Pa・sであることがさらに好ましい。100℃〜150℃における最低粘度とは、エポキシ樹脂組成物を加熱した場合に100℃から150℃までの温度範囲内における粘度(昇温粘度)の最低値を意味する。昇温粘度は、例えば、レオメトリック社製DSR−200又は同等の性能を有する装置を用いて、周波数1Hz、パラレルプレート(25mmφ、ギャップ0.5mm)で測定することができる。
なお、エポキシ樹脂組成物の100℃〜150℃における最低粘度が0.1Pa・s以上であると、本発明のエポキシ樹脂組成物が強化繊維に含浸された繊維強化樹脂材料を複数積層して繊維強化樹脂成形品を製造する場合に、型内でエポキシ樹脂組成物が繊維強化樹脂材料から過剰に流動することを抑えることができ、高品質な繊維強化樹脂成形品を得ることができる。また、100℃〜150℃における最低粘度を100Pa・s以下であると、繊維強化樹脂材料を成形する時の粘度が高すぎるために、上記組成物の流動が不十分になり、繊維強化樹脂成形品からガスが抜け難くなって欠陥になったり、繊維強化樹脂成形品に未充填部分が残ったりするのを防止することができる。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物は、30℃における粘度が10,000Pa・s〜500,000Pa・sであることが好ましい。繊維強化樹脂成形品は、エポキシ樹脂組成物が強化繊維に含浸された繊維強化樹脂材料を積層することによって製造されるが、30℃における粘度が10,000Pa・s以上であれば、常温における積層作業で繊維強化複合材料のベタツキが少なく、良好な作業性が得られる。また、30℃における粘度が500,000Pa・s以下であれば、上記組成物は十分な柔軟性を維持しているので、繊維強化複合材料から繊維強化樹脂成形品を製造する場合に、繊維強化複合材料は所定の形状に合わせて積層していくための必要な賦形性を維持できるようになる。
なお、上記粘度は、上記昇温粘度と同様に、例えば、レオメトリック社製DSR−200又は同等の性能を有する装置を用いて、周波数1Hz、パラレルプレート(25mmφ、ギャップ0.5mm)で測定することができる。エポキシ樹脂組成物の100℃〜150℃における最低粘度、及び30℃における粘度は、エポキシ樹脂(A)、アミン硬化剤(B)、及びリン原子含有オリゴマー(C)などの種類及び使用量により調節することができる。
なお、本発明のエポキシ樹脂組成物は、硬化促進剤(D)、硬化剤、エポキシ樹脂以外の樹脂、難燃剤/難燃助剤、充填材、添加剤、有機溶剤を本発明の効果を損なわない範囲で含有することができる。エポキシ樹脂組成物を製造する際の配合順序は、本発明の効果が達成できる方法であれば特に限定されない。すなわち、すべての成分を予め混合して用いてもよいし、適宜順番に混合して用いてもよい。 また、配合方法は、例えば、押出機、加熱ロール、ニーダー、ローラミキサー、バンバリーミキサー等の混練機を用いて混練製造することができる。以下で、本発明のエポキシ樹脂組成物に含有可能な各種部材について説明する。
・硬化促進剤(D)
上記のように、本発明のエポキシ樹脂組成物は、硬化促進剤(D)を含有していてもよい。エポキシ樹脂組成物が硬化促進剤(D)を含有すると、エポキシ樹脂組成物中に含まれるアミン硬化剤の硬化活性が向上する。そのような硬化促進剤としては、例えば、3−フェニル−1,1−ジメチル尿素、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素(DCMU)、3−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−1,1−ジメチル尿素、2,4−ビス(3,3−ジメチルウレイド)トルエンのような尿素誘導体やイミダゾール誘導体、上記リン原子含有オリゴマー(C)以外のリン系化合物、第3級アミン、有機酸金属塩、ルイス酸、アミン錯塩等が挙げられる。上記のような硬化促進剤を用いると、本発明のエポキシ樹脂組成物は、通常の硬化温度よりも低い温度で硬化するようになる。例えば、本発明のエポキシ樹脂組成物がアミン硬化剤としてジシアンジアミドを含有する場合、上記エポキシ樹脂組成物が硬化するには、通常170℃〜180℃程度の熱をかける必要があるのに対し、上記のような硬化促進剤を用いた場合には、80℃〜150℃程度の熱をかけるだけで硬化可能となる。なお、アミン硬化剤としてジシアンジアミドを用いた場合、硬化促進剤としては、1分子中にウレア結合を2個以上有する化合物を用いることが好ましい。そのような化合物としては、1,1’−4(メチル−m−フェニレン)ビス(3,3−ジメチルウレア)、又は4,4’−メチレンビス(フェニルジメチルウレア)が挙げられる。なお、これらの化合物を硬化促進剤として用いた場合、本発明のエポキシ樹脂組成物は、150℃〜160℃の熱を2〜10分程度かけるだけで硬化可能となることに加えて、その硬化物において難燃性が大幅に向上する。よって、本発明のエポキシ樹脂組成物は、特に電気・電子材料用途等に適した組成物となる。また、硬化促進剤としてトリフェニルフォスフィン、2−エチル4−メチルイミダゾールを用いた場合は、硬化性、耐熱性、電気特性、耐湿信頼性等に優れるようになるため、本発明のエポキシ樹脂組成物は、半導体封止材料用途に適した組成物となる。なお、硬化促進剤の使用量は、エポキシ樹脂組成物中0.01質量%〜1質量%となる範囲であることが好ましい。
・硬化剤
上記のように、本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記アミン硬化剤以外の硬化剤を含んでいてもよい。上記硬化剤としては、酸無水物系化合物等が挙げられる。具体的には、酸無水物系化合物としては、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。
・エポキシ樹脂以外の樹脂
上記のように、本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂以外の樹脂を含んでいてもよい。上記樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノール樹脂、上記以外の硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等などが挙げられる。上記のような樹脂を含有すると、本発明のエポキシ樹脂組成物は、硬化物における難燃性が優れたものとなる。
ポリカーボネート樹脂としては、例えば、2価又は2官能型のフェノールとハロゲン化カルボニルとの重縮合物、或いは、2価又は2官能型のフェノールと炭酸ジエステルとをエステル交換法により重合させたものが挙げられる。
ここで、ポリカーボネート樹脂の原料である2価又は2官能型のフェノールとしては、例えば、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ハイドロキノン、レゾルシン、カテコール等が挙げられる。これら2価のフェノールの中でも、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン類が好ましく、さらに、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを主原料としたものが特に好ましい。
他方、 2価又は2官能型のフェノールと反応させるハロゲン化カルボニル又は炭酸ジエステルとしては、例えば、ホスゲン;二価フェノールのジハロホルメート、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカーボネート等のジアリールカーボネート;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジアミルカーボネート、ジオクチルカーボネート等の脂肪族カーボネート化合物などが挙げられる。
また、上記ポリカーボネート樹脂は、そのポリマー鎖の分子構造が直鎖構造であるもののほか、これに分岐構造を有していてもよい。斯かる分岐構造は、原料成分として、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、α,α’,α”−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、フロログルシン、トリメリット酸、イサチンビス(o−クレゾール)等を用いることにより導入することができる。
上記ポリカーボネート樹脂は、その重量平均分子量(Mw)は、10,000〜200,000の範囲であることが耐熱性や難燃性に優れたものとなる点から好ましい。ここで重量平均分子量(Mw)は、上記したGPC測定条件にて測定することができる。
ポリフェニレンエーテル樹脂としては、例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−14−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジ−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−n−ブチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−イソプロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−ヒドロキシエチル−1,4−フェニレン)エーテル等が挙げられる。
この中でも、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルが好ましく、2−(ジアルキルアミノメチル)−6−メチルフェニレンエーテルユニットや2−(N−アルキル−N−フェニルアミノメチル)−6−メチルフェニレンエーテルユニット等を部分構造として含むポリフェニレンエーテルであってもよい。
上記ポリフェニレンエーテル樹脂は、その樹脂構造にカルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、シリル基、水酸基、無水ジカルボキル基等の反応性官能基を、グラフト反応や、共重合等何らかの方法で導入した変性ポリフェニレンエーテル樹脂も本発明の目的を損なわない範囲で使用できる。
フェノール樹脂としては、例えば、レゾール型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂等や、フェノールアラルキル樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、メラミンまたはベンゾグアナミンで変性されたトリアジン変性フェノールノボラック樹脂等が挙げられる。本発明のエポキシ樹脂組成物が、上記のようなフェノール樹脂を含有することにより、硬化物において、より優れた難燃性を発現するようになる。なお、上記フェノール樹脂の中でもノボラック型フェノール樹脂が成型品強度に優れる点から特に好ましい。
上記以外の硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等としては、何等規定されるものではないが、一例を挙げると、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、シンジオタクテックポリスチレン系樹脂、ABS系樹脂、AS系樹脂、生分解性樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリアルキレンアリレート系樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シアネート樹脂、キシレン樹脂、トリアジン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ウレタン樹脂、オキセタン樹脂、ケトン樹脂、アルキド樹脂、フラン樹脂、スチリルピリジン樹脂、シリコン樹脂、合成ゴム等が挙げられる。なお、上記樹脂は、一種単独でも、二種以上の樹脂を組み合わせて用いてもよい。
・難燃剤./難燃助剤
上記のように、本発明のエポキシ樹脂組成物は、難燃性を発揮させるために、実質的にハロゲン原子を含有しない非ハロゲン系難燃剤を含んでいてもよい。
上記非ハロゲン系難燃剤としては、例えば、リン系難燃剤、窒素系難燃剤、シリコーン系難燃剤、無機系難燃剤、有機金属塩系難燃剤等が挙げられ、それらの使用に際しても何等制限されるものではなく、単独で使用しても、同一系の難燃剤を複数用いても良く、また、異なる系の難燃剤を組み合わせて用いることも可能である。
上記リン系難燃剤としては、無機系、有機系のいずれも使用することができる。無機系化合物としては、例えば、赤リン、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム等のリン酸アンモニウム類、リン酸アミド等の無機系含窒素リン化合物が挙げられる。
また、上記赤リンは、加水分解等の防止を目的として表面処理が施されていることが好ましく、表面処理方法としては、例えば、(i)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン、酸化ビスマス、水酸化ビスマス、硝酸ビスマス又はこれらの混合物等の無機化合物で被覆処理する方法、(ii)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン等の無機化合物、及びフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂の混合物で被覆処理する方法、(iii)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン等の無機化合物の被膜の上にフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂で二重に被覆処理する方法等が挙げられる。
上記有機リン系化合物としては、例えば、上記リン原子含有オリゴマー(C)以外のリン酸エステル化合物、ホスホン酸化合物、ホスフィン酸化合物、ホスフィンオキシド化合物、ホスホラン化合物、有機系含窒素リン化合物等の汎用有機リン系化合物の他、9,10−ジヒドロ−9−オキサー10−ホスファフェナントレン=10−オキシド、10−(2,5―ジヒドロオキシフェニル)―10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン=10−オキシド、10―(2,7−ジヒドロオキシナフチル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン=10−オキシド等の環状有機リン化合物が挙げられる。
また上記リン系難燃剤を使用する場合、該リン系難燃剤にハイドロタルサイト、水酸化マグネシウム、ホウ化合物、酸化ジルコニウム、黒色染料、炭酸カルシウム、ゼオライト、モリブデン酸亜鉛、活性炭等を併用してもよい。
上記窒素系難燃剤としては、例えば、トリアジン化合物、シアヌル酸化合物、イソシアヌル酸化合物、フェノチアジン等が挙げられ、トリアジン化合物、シアヌル酸化合物、イ
ソシアヌル酸化合物が好ましい。
上記トリアジン化合物としては、例えば、メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、メロン、メラム、サクシノグアナミン、エチレンジメラミン、ポリリン酸メラミン、トリグアナミン等の他、例えば、硫酸グアニルメラミン、硫酸メレム、硫酸メラムなどの硫酸アミノトリアジン化合物、上記アミノトリアジン変性フェノール樹脂、及び該アミノトリアジン変性フェノール樹脂を更に桐油、異性化アマニ油等で変性したもの等が挙げられる。
上記シアヌル酸化合物の具体例としては、例えば、シアヌル酸、シアヌル酸メラミン等を挙げることができる。
上記窒素系難燃剤の配合量としては、窒素系難燃剤の種類、エポキシ樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合したエポキシ樹脂組成物100質量部中、0.05質量部〜10質量部の範囲で配合することが好ましく、特に0.1質量部〜5質量部の範囲で配合することが好ましい。
また上記窒素系難燃剤を使用する際、金属水酸化物、モリブデン化合物等を併用してもよい。
上記シリコーン系難燃剤としては、ケイ素原子を含有する有機化合物であれば特に制限がなく使用でき、例えば、シリコーンオイル、シリコーンゴム、シリコーン樹脂等が挙げ
られる。
上記シリコーン系難燃剤の配合量としては、シリコーン系難燃剤の種類、エポキシ樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合したエポキシ樹脂組成物100質量部中、0.05質量部〜20質量部の範囲で配合することが好ましい。また上記シリコーン系難燃剤を使用する際、モリブデン化合物、アルミナ等を併用してもよい。
上記無機系難燃剤としては、例えば、金属水酸化物、金属酸化物、金属炭酸塩化合物、金属粉、ホウ素化合物、低融点ガラス等が挙げられる。
上記金属水酸化物の具体例としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ドロマイト、ハイドロタルサイト、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化ジルコニウム等を挙げることができる。
上記金属酸化物の具体例としては、例えば、モリブデン酸亜鉛、三酸化モリブデン、スズ酸亜鉛、酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化マンガン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化モリブデン、酸化コバルト、酸化ビスマス、酸化クロム、酸化ニッケル、酸化銅、酸化タングステン等を挙げることができる。
上記金属炭酸塩化合物の具体例としては、例えば、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウム、炭酸鉄、炭酸コバルト、炭酸チタン等を挙げることができる。
上記金属粉の具体例としては、例えば、アルミニウム、鉄、チタン、マンガン、亜鉛、モリブデン、コバルト、ビスマス、クロム、ニッケル、銅、タングステン、スズ等を挙げることができる。
上記ホウ素化合物の具体例としては、例えば、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸、ホウ砂等を挙げることができる。
上記低融点ガラスの具体例としては、例えば、シープリー(ボクスイ・ブラウン社)、水和ガラスSiO−MgO−HO、PbO−B系、ZnO−P−MgO系、P−B−PbO−MgO系、P−Sn−O−F系、PbO−V−TeO系、Al−HO系、ホウ珪酸鉛系等のガラス状化合物を挙げることができる。
上記無機系難燃剤の配合量としては、無機系難燃剤の種類、エポキシ樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合したエポキシ樹脂組成物100質量部中、0.05質量部〜20質量部の範囲で配合することが好ましく、特に0.5質量部〜15質量部の範囲で配合することが好ましい。
上記有機金属塩系難燃剤としては、例えば、フェロセン、アセチルアセトナート金属錯体、有機金属カルボニル化合物、有機コバルト塩化合物、有機スルホン酸金属塩、金属原子と芳香族化合物又は複素環化合物がイオン結合又は配位結合した化合物等が挙げられる。
上記有機金属塩系難燃剤の配合量としては、有機金属塩系難燃剤の種類、エポキシ樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合したエポキシ樹脂組成物100質量部中、0.005質量部〜10質量部の範囲で配合することが好ましい。
・充填材
上記のように、本発明のエポキシ樹脂組成物は、充填材を含んでいてもよい。本発明のエポキシ樹脂組成物が充填材を含むと、硬化物において、より優れた機械特性を発現させることができる。
充填材としては、例えば、酸化チタン、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラス繊維、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、チタン酸カリウム、硼酸アルミニウム、硼酸マグネシウム、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化珪素、水酸化アルミや、ケナフ繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、石英繊維等の繊維状補強剤や、非繊維状補強剤等が挙げられる。これらは一種単独で用いても、二種以上を併用してもよい。また、これらは、有機物や無機物等で被覆されていてもよい。
また、充填材としてガラス繊維を用いる場合、長繊維タイプのロービング、短繊維タイプのチョップドストランド、ミルドファイバー等から選択して用いることが出来る。ガラス繊維は使用する樹脂用に表面処理した物を用いるのが好ましい。
充填材は配合されることによって、燃焼時に生成する不燃層(又は炭化層)の強度を一層向上させることができる。燃焼時に一度生成した不燃層(又は炭化層)が破損しにくくなり、安定した断熱能力を発揮できるようになり、より大きな難燃効果が得られる。さらに、材料に高い剛性も付与することができる。
・添加剤
上記のように、本発明のエポキシ樹脂組成物は、剛性や寸法安定性等の他の特性を付与するため、添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の安定剤、硬化剤、硬化促進剤、帯電防止剤、導電性付与剤、応力緩和剤、離型剤、結晶化促進剤、加水分解抑制剤、潤滑剤、衝撃付与剤、摺動性改良剤、相溶化剤、核剤、強化剤、補強剤、流動調整剤、染料、増感材、着色用顔料、ゴム質重合体、増粘剤、沈降防止剤、タレ防止剤、消泡剤、カップリング剤、防錆剤、抗菌・防カビ剤、防汚剤、導電性高分子等を添加することも可能である。
・有機溶剤
上記のように、本発明のエポキシ樹脂組成物は、有機溶剤を含んでいてもよい。ここで使用し得る上記有機溶剤としては、メチルエチルケトンアセトン、ジメチルホルムアミド、メチルイソブチルケトン、メトキシプロパノール、シクロヘキサノン、メチルセロソルブ、エチルジグリコールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられ、その選択や適正な使用量は用途によって適宜選択し得る。
<エポキシ樹脂組成物の用途>
本発明のエポキシ樹脂組成物は、得られる硬化物が優れた難燃性と、優れた曲げ強度、弾性率、曲げ歪の機能を有することから、繊維強化複合材料、繊維強化樹脂成形品、半導体封止材料、半導体装置、プリプレグ、プリント回路基板、ビルドアップ基板、ビルドアップフィルム、導電ペースト、成形品、硬化物等に用いることができる。以下にこれらの製造方法について説明する。
1.繊維強化複合材料
本発明の繊維強化複合材料は、上記エポキシ樹脂組成物が強化繊維に含浸したシート状中間素材のことである。ここで、強化繊維は、有撚糸、解撚糸、又は無撚糸などいずれでも良いが、解撚糸や無撚糸が、繊維強化複合材料において優れた成形性を有することから、好ましい。さらに、強化繊維の形態は、繊維方向が一方向に引き揃えたものや、織物が使用できる。織物では、平織り、朱子織りなどから、使用する部位や用途に応じて自由に選択することができる。具体的には、機械強度や耐久性に優れることから、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維などが挙げられ、これらの2種以上を併用することもできる。これらの中でもとりわけ成形品の強度が良好なものとなる点から炭素繊維が好ましく、かかる、炭素繊維は、ポリアクリロニトリル系、ピッチ系、レーヨン系などの各種のものが使用できる。
本発明のエポキシ樹脂組成物から繊維強化複合材料を得る方法としては、エポキシ樹脂組成物を構成する各成分を均一に混合してワニスを調整し、次いでこれを強化繊維からなるシート状繊維を浸漬させながら含浸させた後、オーブンなどを用いて有機溶媒を蒸発させて繊維強化複合材料とするウェット法、あるいは、上記エポキシ樹脂組成物を、有機溶媒を用いずに加熱により低粘度化し、ロールや離型紙上にフィルムを作成し、次いで強化繊維からなるシート状繊維の両側あるいは片側からそのフィルムを重ね、加熱、加圧することにより含浸させるホットメルト法などが適宜使用できるが、繊維強化複合材料中に残留する有機溶媒が実質的に皆無であるホットメルト法が好ましく用いることができる。
ホットメルト法にて繊維強化複合材料を製造する場合、繊維強化複合材料の取り扱い性を適切な範囲とするために、含浸する工程において、上記エポキシ樹脂組成物が到達する温度は、50℃〜250℃の範囲であり、特に、50℃〜100℃で予備硬化させることが好ましい。かかる温度が高すぎると、上記エポキシ樹脂組成物中で硬化反応が部分的に進行してガラス転移温度が上昇してしまい、得られる繊維強化複合材料が適正なドレープ性を保持できないことがある。また、かかる最高温度が低すぎると、強化繊維への十分な含浸が困難となる場合がある。
本発明の繊維強化複合材料は、上記エポキシ樹脂組成物が必ずしも繊維束の内部まで含浸されている必要はなく、シート状繊維の表面付近に該エポキシ樹脂組成物が局在化している態様であっても良い。
本発明の繊維強化複合材料は、繊維強化複合材料全体積に対する強化繊維の体積含有率が40%〜85%であることが好ましい。強度の点から50%〜70%の範囲であることが特に好ましい。体積含有率が40%未満の場合、上記エポキシ樹脂組成物の含有量が多すぎて得られる硬化物の難燃性が不足したり、比弾性率と比強度に優れる繊維強化複合材料に要求される諸特性を満たすことができなかったりする場合がある。また、体積含有率が85%を超えると、強化繊維とマトリックス樹脂の接着性が低下し、プリプレグを積層した際にプリプレグ同士が接着せず、得られる炭素繊維強化複合材料において層間で剥離してしまう場合がある。
2.繊維強化樹脂成形品
本発明の繊維強化樹脂成形品は、上記エポキシ樹脂組成物が強化繊維に含浸したシート状部材が硬化したものである。本発明のエポキシ樹脂組成物から繊維強化成形品を得る方法としては、上記繊維強化複合材料を所定の寸法に裁断後、所定枚数を積層した積層物に熱と圧力を加えながら、上記エポキシ樹脂組成物を硬化させる方法を用いることができる。
熱と圧力を加えながら、上記エポキシ樹脂組成物を加熱硬化させる方法には、プレス成形法、オートクレーブ成形法、バッギング成形法、ラッピングテープ法、および内圧成形法などがある。
例えば、板状の繊維強化樹脂成形品を成形する方法としては、シート状の繊維強化複合材料を所定の寸法に裁断後、剛体ツール上に所定枚数、所定の繊維軸方向に積層し、可撓性フィルムでシールした後、剛体ツールと可撓性フィルムの間を真空ポンプにて吸引して脱気し、オートクレーブに設置後、加熱、加圧することで繊維強化樹脂成形品を得ることができる。
ここで、剛体ツールの材質としては、スチールやアルミニウム等の金属、繊維強化プラスチック(FRP)、木材および石膏など既存の各種のものが用いられる。可撓性のフィルムの材料には、ナイロン、フッ素樹脂およびシリコーン樹脂等が用いられる。
繊維強化樹脂成形品を成形する温度としては、通常80℃〜220℃の温度範囲で調整される。より好ましくは、50℃〜250℃の温度範囲であり、特に、50℃〜100℃で予備硬化させ、タックフリー状の硬化物にした後、更に、120℃〜200℃の温度条件で処理することが好ましい。かかる成形温度が低すぎると、十分な速硬化性が得られない場合があり、逆に高すぎると、熱歪みによる反りが発生しやすくなったりする場合がある。
また、繊維強化樹脂成形品を成形する圧力としては、プリプレグの厚みや体積含有率などにより異なるが、通常1〜10kgf/cmの圧力範囲で調整される。かかる成形圧力が低すぎると、繊維強化複合材料の内部まで十分に熱が伝わらず、局所的に未硬化となったり、反りが発生したりする場合がある。逆に高すぎると、樹脂が硬化する前に周囲に流れ出してしまい、繊維強化樹脂成形品に未含浸部分が発生したり、目的とする体積含有率が得られなかったりする場合がある。
本発明のエポキシ樹脂組成物から繊維強化成形品を得る他の方法としては、金型に繊維骨材を敷き、上記ワニスを多重積層してゆくハンドレイアップ法やスプレーアップ法、オス型・メス型のいずれかを使用し、強化繊維からなる基材にワニスを含浸させながら積み重ねて成形、圧力を成形物に作用させることのできるフレキシブルな型をかぶせ、気密シールしたものを真空(減圧)成型する真空バッグ法、あらかじめ強化繊維を含有するワニスをシート状にしたものを金型で圧縮成型するSMCプレス法、繊維を敷き詰めた合わせ型に上記ワニスを注入するRTM法などにより、強化繊維に上記ワニスを含浸させたプリプレグを製造し、これを大型のオートクレーブで焼き固める方法などが挙げられる。なお、上記で得られた繊維強化樹脂成形品は、強化繊維とエポキシ樹脂組成物の硬化物とを有する成形品であり、具体的には、繊維強化成形品中の強化繊維の量は、40%〜85%の範囲であることが好ましく、強度の点から50%〜70%の範囲であることが特に好ましい。
3.半導体封止材料
本発明のエポキシ樹脂組成物から半導体封止材料を得る方法としては、上記エポキシ樹脂組成物、及び硬化促進剤、及び無機充填剤等の配合剤とを必要に応じて押出機、ニ−ダ、ロ−ル等を用いて均一になるまで充分に溶融混合する方法が挙げられる。その際、無機充填剤としては、通常、溶融シリカが用いられるが、パワートランジスタ、パワーIC用高熱伝導半導体封止材として用いる場合は、溶融シリカよりも熱伝導率の高い結晶シリカ,アルミナ,窒化ケイ素などの高充填化剤、または溶融シリカ、結晶性シリカ、アルミナ、窒化ケイ素などを用いるとよい。その充填率はエポキシ樹脂組成物100質量部当たり、無機充填剤を30質量部〜95質量部の範囲で用いることが好ましく、中でも、得られる硬化物において、難燃性、耐湿性、耐ハンダクラック性が向上し、線膨張係数の低下を図るためには、70質量部以上がより好ましく、80質量部以上であることがさらに好ましい。
4.半導体装置
本発明のエポキシ樹脂組成物から半導体装置を得る半導体パッケージ成形としては、上記半導体封止材料を注型、或いはトランスファー成形機、射出成形機などを用いて成形し、さらに50℃〜200℃で、2〜10時間の間、加熱する方法が挙げられる。
5.プリプレグ
本発明のエポキシ樹脂組成物からプリプレグを得る方法としては、下記有機溶剤を配合してワニス化したエポキシ樹脂組成物を、補強基材(紙、ガラス布、ガラス不織布、アラミド紙、アラミド布、ガラスマット、ガラスロービング布など)に含浸したのち、用いた溶剤種に応じた加熱温度、好ましくは50℃〜170℃で加熱することによって、得る方法が挙げられる。この時用いる樹脂組成物と補強基材の質量割合としては、特に限定されないが、通常、プリプレグ中の樹脂分が20質量%〜60質量%となるように調製することが好ましい。
ここで用いる有機溶剤としては、メチルエチルケトン、アセトン、ジメチルホルムアミド、メチルイソブチルケトン、メトキシプロパノール、シクロヘキサノン、メチルセロソルブ、エチルジグリコールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられ、その選択や適正な使用量は用途によって適宜選択し得るが、例えば、下記のようにプリプレグからプリント回路基板をさらに製造する場合には、メチルエチルケトン、アセトン、ジメチルホルムアミド等の沸点が160℃以下の極性溶剤を用いることが好ましく、また、不揮発分が40質量%〜80質量%となる割合で用いることが好ましい。
6.プリント回路基板
本発明のエポキシ樹脂組成物からプリント回路基板を得る方法としては、上記プリプレグを、常法により積層し、適宜銅箔を重ねて、10.2kgf/cm〜102kgf/cmの加圧下に、170℃〜300℃で、10分〜3時間、加熱圧着させる方法が挙げられる。
7.ビルドアップ基板
本発明のエポキシ樹脂組成物からビルドアップ基板を得る方法は、以下の工程からなる。まず、ゴム、フィラーなどを適宜配合した上記エポキシ樹脂組成物を、回路を形成した回路基板にスプレーコーティング法、カーテンコーティング法等を用いて塗布した後、硬化させる工程(工程1)。その後、必要に応じて所定のスルーホール部等の穴あけを行った後、粗化剤により処理し、その表面を湯洗することによって凹凸を形成させ、銅などの金属をめっき処理する工程(工程2)。このような操作を所望に応じて順次繰り返し、樹脂絶縁層及び所定の回路パターンの導体層を交互にビルドアップして形成する工程(工程3)。なお、スルーホール部の穴あけは、最外層の樹脂絶縁層の形成後に行う。また、本発明のビルドアップ基板は、銅箔上で当該樹脂組成物を半硬化させた樹脂付き銅箔を、回路を形成した配線基板上に、170℃〜300℃で加熱圧着することで、粗化面を形成、メッキ処理の工程を省き、ビルドアップ基板を製造することも可能である。
8.ビルドアップフィルム
本発明のエポキシ樹脂組成物からビルドアップフィルムを得る方法としては、例えば、支持フィルム上にエポキシ樹脂組成物を塗布したのち、乾燥させて、支持フィルムの上に樹脂組成物層を形成する方法が挙げられる。本発明のエポキシ樹脂組成物をビルドアップフィルムに用いる場合、該フィルムは、真空ラミネート法におけるラミネートの温度条件(通常70℃〜140℃)で軟化し、回路基板のラミネートと同時に、回路基板に存在するビアホール或いはスルーホール内の樹脂充填が可能な流動性(樹脂流れ)を示すことが肝要であり、このような特性を発現するよう上記各成分を配合することが好ましい。
ここで、回路基板のスルーホールの直径は通常0.1〜0.5mm、深さは通常0.1〜1.2mmであり、通常この範囲で樹脂充填を可能とするのが好ましい。なお回路基板の両面をラミネートする場合はスルーホールの1/2程度充填されることが望ましい。
上記したビルドアップフィルムを製造する方法は、具体的には、下記有機溶剤を配合してワニス化したエポキシ樹脂組成物を調製した後、支持フィルムの表面に、上記組成物を塗布し、更に加熱、あるいは熱風吹きつけ等により有機溶剤を乾燥させてエポキシ樹脂組成物の層を形成させることにより製造することができる。
ここで用いる有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート等の酢酸エステル類、セロソルブ、ブチルカルビトール等のカルビトール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等を用いることが好ましく、また、不揮発分30質量%〜60質量%となる割合で使用することが好ましい。
形成される上記組成物の層の厚さは、通常、導体層の厚さ以上とする。回路基板が有する導体層の厚さは通常5〜70μmの範囲であるので、樹脂組成物層の厚さは10〜100μmの厚みを有するのが好ましい。なお、本発明における上記組成物の層は、後述する保護フィルムで保護されていてもよい。保護フィルムで保護することにより、樹脂組成物層表面へのゴミ等の付着やキズを防止することができる。
上記した支持フィルム及び保護フィルムは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、更には離型紙や銅箔、アルミニウム箔等の金属箔などを挙げることができる。なお、支持フィルム及び保護フィルムはマッド処理、コロナ処理の他、離型処理を施してあってもよい。支持フィルムの厚さは特に限定されないが、通常10〜150μmであり、好ましくは25〜50μmの範囲で用いられる。また保護フィルムの厚さは1〜40μmとするのが好ましい。
上記した支持フィルムは、回路基板にラミネートした後に、或いは加熱硬化することにより絶縁層を形成した後に、剥離される。ビルドアップフィルムを構成するエポキシ樹脂組成物層が加熱硬化した後に支持フィルムを剥離すれば、硬化工程でのゴミ等の付着を防ぐことができる。硬化後に剥離する場合、通常、支持フィルムには予め離型処理が施される。
上記のようにして得られたビルドアップフィルムを用いて多層プリント回路基板を製造することができる。例えば、上記組成物の層が保護フィルムで保護されている場合はこれらを剥離した後、上記組成物の層を回路基板に直接接するように回路基板の片面又は両面に、例えば真空ラミネート法によりラミネートする。ラミネートの方法はバッチ式であってもロールでの連続式であってもよい。また必要により、ラミネートを行う前にビルドアップフィルム及び回路基板を必要により加熱(プレヒート)しておいてもよい。ラミネートの条件は、圧着温度(ラミネート温度)を70℃〜140℃とすることが好ましく、圧着圧力を1〜11kgf/cmとすることが好ましく、空気圧を0.0272mmHg以下の減圧下でラミネートすることが好ましい。
9.導電ペースト
本発明のエポキシ樹脂組成物から導電ペーストを得る方法としては、例えば、微細導電性粒子を該エポキシ樹脂組成物中に分散させる方法が挙げられる。上記導電ペーストは、用いる微細導電性粒子の種類によって、回路接続用ペースト樹脂組成物や異方性導電接着剤とすることができる。
10.成形品
本発明のエポキシ樹脂組成物から成形品を得る方法としては、射出成形、シート成形、ブロー成形、インジェクションブロー成形、インフレーション成形、プレス成形、押出成形、発泡成形、フィルム成形等を用いて、公知の方法でエポキシ樹脂組成物を成形することが可能であるが、圧空成形、真空成形等の二次加工成形法も用いることができ、それぞれの用途に応じて、好ましい方法を用いることができる。上記の方法により製造される成形品としては、板状、棒状、球状、シート状、フィルム状、中空状、ガス微分散状、発泡体、繊維状、ペレット状等、用途に合わせて最適な形状のものを広く用いることができる。
次に、本発明を実施例、比較例により具体的に説明するが、以下において「部」及び「%」は特に断わりのない限り質量基準である。尚、GPC、180℃における溶融粘度、軟化点、リン原子含有率測定方法は以下の条件にて測定した。
1)軟化点測定法:JIS K7234
2)リン原子含有率測定法;JIS K0102−46に準拠
3)GPC:測定条件は以下の通り。
測定装置 :東ソー株式会社製「HLC−8220 GPC」、
カラム:東ソー株式会社製ガードカラム「HXL−L」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G3000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G4000HXL」
検出器: RI(示差屈折径)
データ処理:東ソー株式会社製「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」
測定条件: カラム温度 40℃
展開溶媒 テトラヒドロフラン
流速 1.0ml/分
標準 : 上記「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
(使用ポリスチレン)
東ソー株式会社製「A−500」
東ソー株式会社製「A−1000」
東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「A−5000」
東ソー株式会社製「F−1」
東ソー株式会社製「F−2」
東ソー株式会社製「F−4」
東ソー株式会社製「F−10」
東ソー株式会社製「F−20」
東ソー株式会社製「F−40」
東ソー株式会社製「F−80」
東ソー株式会社製「F−128」
試料 : 樹脂固形分換算で1.0質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィル
ターでろ過したもの(50μl)を使用した。
nが2以上の成分比率:GPCチャートにおいて36.0分未満のピーク面積を基にピ
ーク面積基準で算出した。
[合成例1]リン原子含有オリゴマー(C−1)の合成
温度計、冷却管、分留管、窒素ガス導入管、撹拌器を取り付けたフラスコに、2−ヒドロキシベンズアルデヒド1220g(10.0モル)と9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド(以下、「HCA」と略記する。)1512g(7.0モル)、シュウ酸22.3g(0.19モル)を仕込み、120℃まで昇温し1時間反応させた。次いで、HCA1728g(8.0モル)を添加し、180℃まで昇温して、3時間反応させた。次いで、水を加熱減圧下に除去し、下記構造式で表される構造単位を有するリン原子含有オリゴマー(C−1)4100gを得た。得られたリン原子含有オリゴマー(C−1)の軟化点は138℃(B&R法)、溶融粘度は66dPa・s(測定法:ICI粘度計法、測定温度:180℃)、水酸基当量は428g/eq、リン原子含有率は10.5%であり、n=2以上の成分比率は49.0面積%であった。得られたリン原子含有オリゴマーのGPCチャートを図1に示す。
Figure 0006471420
[実施例1〜2、比較例1]硬化物の製造
下記表1に示す配合に従い、エポキシ樹脂(A)、アミン硬化剤(B)、リン原子含有オリゴマー(C)をドライブレンドし、それを加熱した2本ロールにより混練することで、実施例1〜比較例1のエポキシ樹脂組成物を得た。次に、得られたエポキシ樹脂組成物を、厚さが2mmになるよう加工した型枠内に流し込み、常圧プレス中で1時間、150℃の条件にて成形した。次に、成形したエポキシ樹脂組成物に対して、アフターキュアを180℃の温度下で2時間行い、硬化物を得た。
・A−1 :フェノールノボラック型エポキシ樹脂
EPICLON N−770(DIC(株)製)
・B−1 :ジシアンジアミド
DICY7(三菱化学(株)製)
・C−1 :合成例1で得られたリン原子含有オリゴマー
・C’−1:リン酸エステル系難燃剤
PX−200(大八化学工業(株))
・D−1 :硬化促進剤
DCMU(保土ヶ谷工業(株)製)
3−(3,4-ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素
下記の条件で、上記硬化物の曲げ強度と、曲げ弾性率と、曲げ歪と、難燃性の測定を行った。
<曲げ強度、曲げ弾性率、曲げ歪の測定>
上記で得られた硬化物を厚さ2mm、幅10mm、長さ80mm の大きさに切り出し、これを試験片1とした。この試験片1をJIS K6911に従って、島津製作所株式会社製のAUTOGRAPH AG−Iを用いて測定し、曲げ強度、曲げ弾性率、曲げ歪を求めた。その結果を表1に示す。
<難燃性の測定>
上記で製造した硬化物を厚さ2mm、幅12mm、長さ110mmに切り出し、これを試験片2とした。この試験片2を用いてUL−94試験法に準拠し、試験片5本を用いて、燃焼試験を行った。その結果を表1に示す。
Figure 0006471420
実施例1、2、及び比較例2より、エポキシ樹脂(A)、アミン硬化剤(B)、リン原子含有オリゴマー(C)とを組み合わせてなるエポキシ樹脂組成物は、他の構成からなるエポキシ樹脂組成物と比較して、得られる硬化物の難燃性、曲げ強度、曲げ弾性率、曲げ歪が優れることが明らかになった。すなわち、本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A)、アミン硬化剤(B)、リン原子含有オリゴマー(C)とを一体不可分の構成成分とすることで、他の構成からなるエポキシ樹脂組成物と比較して、得られる硬化物の難燃性、曲げ強度、曲げ弾性率、曲げ歪が優れることが明らかになった。

Claims (10)

  1. エポキシ樹脂(A)、アミン硬化剤(B)、及び下記構造式(1)で表されるリン原子含有オリゴマー(C)を必須成分とするエポキシ樹脂組成物と、強化繊維とを含有する繊維強化複合材料であって、
    前記アミン硬化剤(B)が、ジシアンジアミド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホンからなる群より選ばれる1種以上を含有するものであり、
    前記アミン硬化剤(B)が、前記エポキシ樹脂(A)100質量部に対して、3質量部〜(5.2×100/75.6)質量部となる割合で含まれるものであることを特徴とする繊維強化複合材料。
    Figure 0006471420
    [但し、前記構造式(1)中、Rは水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、又はアラルキル基を表し、nは繰り返し単位で1以上の整数を表し、
    Xは下記構造式(x1)又は(x2)で表される構造部位を表し、
    Yは、水素原子、水酸基、又は下記構造式(x1)若しくは(x2)で表される構造部位を表す。]
    Figure 0006471420
    [但し、前記構造式(x1)又は(x2)中、R、R、R、Rは、それぞれ独立的に、水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、又はアラルキル基を表す。]
  2. 前記リン原子含有オリゴマー(C)が、前記構造式(1)においてnが2以上の成分を、GPC測定におけるピーク面積基準で5%〜90%の範囲で含むものである請求項1に記載の繊維強化複合材料。
  3. 前記リン原子含有オリゴマー(C)のリン原子含有率が、9質量%〜12質量%のものである請求項1に記載の繊維強化複合材料。
  4. 前記リン原子含有オリゴマー(C)が、下記構造式(c1−1)又は(c1−2)で表される化合物(c1)と、下記構造式(c2−1)で表される化合物(c2)とを反応させて得られるものである請求項1記載の繊維強化複合材料。
    Figure 0006471420
    [但し、前記構造式(c1−1)、(c1−2)中、R、R、R、Rは、それぞれ独立的に、水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、又はアラルキル基を表す。]
    Figure 0006471420
    [但し、前記構造式(c2−1)中、Rは水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、又はアラルキル基を表す。]
  5. 前記エポキシ樹脂(A)100質量部に対し、前記リン原子含有オリゴマー(C)が15質量部〜100質量部となる割合でそれぞれ含まれるものである請求項1記載の繊維強化複合材料。
  6. 前記強化繊維の体積含有率が40%〜85%の範囲内である請求項1記載の繊維強化複合材料。
  7. 前記エポキシ樹脂組成物の100〜150℃における最低粘度が、0.1Pa・s〜100Pa・sである請求項1記載の繊維強化複合材料。
  8. 前記エポキシ樹脂組成物の30℃における粘度が、10,000Pa・s〜500,000Pa・sである請求項1記載の繊維強化複合材料。
  9. 請求項1〜の何れか一つに記載の繊維強化複合材料を積層したのち熱硬化することにより得られる繊維強化樹脂成形品。
  10. 請求項1〜の何れか一つに記載の繊維強化複合材料を積層したのちプレス成形法にて硬化した繊維強化樹脂成形品。
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