JP6593620B2 - エポキシ樹脂組成物、硬化物、繊維強化複合材料、繊維強化樹脂成形品、及び繊維強化樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物、硬化物、繊維強化複合材料、繊維強化樹脂成形品、及び繊維強化樹脂成形品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、低粘度かつ速硬化性を有しながら、得られる硬化物において優れた耐熱性と機械強度を発現させることができるエポキシ樹脂組成物、その硬化物、これらを有する繊維強化複合材料、繊維強化樹脂成形品、及び繊維強化樹脂成形品の製造方法に関する。
強化繊維で強化した繊維強化樹脂成形品は、自動車や航空機の筐体、或いは各種部材をはじめ、様々な構造体用途での利用されている。
この繊維強化樹脂成形品は、液状の樹脂が含浸した強化繊維や、半硬化した樹脂が含浸した強化繊維を用いて製造される。液状の樹脂が含浸した強化繊維を用いて繊維強化樹脂成形品が製造される場合、ハンドレイアップ成形、レジントランスファー成形、真空バック成形、フィラメントワインディング成形などの成形方法が用いられ、繊維強化複合材料を用いて製造される場合、オートクレーブ成形、プレス成形などの成形方法が用いられる。
強化繊維に含浸させる樹脂としては、通常、常温での安定性と加熱等による硬化性を兼ね備えた樹脂であることが必要であるため、一般的に熱硬化性樹脂が用いられている。
なお、熱硬化性樹脂を用いる場合、熱硬化性樹脂には、強化繊維への含浸の観点、および高速生産の観点から、低粘度であることや、金型内で素早く硬化する速硬化性を有することが求められる。
さらに、熱硬化性樹脂には、繊維強化樹脂成形品がユーザーの使用環境にも耐えうるよう、硬化物において優れた耐熱性と機械強度を発現することも求められる。
特許文献1には、エポキシ樹脂組成物として、エポキシ樹脂と、アミン硬化剤と、スチレン化フェノールとを含むエポキシ樹脂組成物が記載されている。上記エポキシ樹脂組成物は、粘度が低く、優れた速硬化性を有するが、上記エポキシ樹脂組成物から得られる硬化物は優れた耐熱性と機械強度を有するものではなかった。
特表2013−506030号公報
従って、本発明が解決しようとする課題は、低粘度かつ速硬化性を有しながら、得られる硬化物において優れた耐熱性と機械強度を発現させることができるエポキシ樹脂組成物、その硬化物、これらを有する繊維強化複合材料、繊維強化樹脂成形品、及び繊維強化樹脂成形品の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、エポキシ樹脂(A)と、アミン硬化剤(B)と、フェノール性水酸基含有アミン化合物(C)と、フェノール化合物(D)とを含むエポキシ樹脂組成物が、低粘度かつ速硬化性を有しながら、得られる硬化物において優れた耐熱性と機械強度を発現させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、エポキシ樹脂(A)と、第1級アミンまたは第2級アミンを分子内に有するアミン硬化剤(B)と、フェノール性水酸基と第3級アミンを分子内に有するフェノール性水酸基含有アミン化合物(C)と、上記フェノール性水酸基含有アミン化合物(C)よりも活性水素当量が小さいフェノール化合物(D)とを含むエポキシ樹脂組成物に関する。
本発明は、更に、上記エポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物に関する。
本発明は、更に、上記エポキシ樹脂組成物を強化繊維に含浸させた繊維強化複合材料に関する。
本発明は、更に、上記繊維強化複合材料を積層したのち熱硬化することにより得られる繊維強化樹脂成形品に関する。
本発明は、更に、上記エポキシ樹脂組成物を上記強化繊維に含浸させたのち、上記エポキシ樹脂組成物を熱硬化することを特徴とする繊維強化樹脂成形品の製造方法に関する。
本発明によれば、低粘度かつ速硬化性を有しながら、得られる硬化物において優れた耐熱性と機械強度を発現させることができることができるエポキシ樹脂組成物、その硬化物、これらを有する繊維強化複合材料、繊維強化樹脂成形品、及び繊維強化樹脂成形品の製造方法を提供できる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記の通り、エポキシ樹脂(A)と、アミン硬化剤(B)と、フェノール性水酸基含有アミン化合物(C)と、フェノール化合物(D)を必須成分とするものである。以下で、これらについて説明する。
・エポキシ樹脂(A)
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いるエポキシ樹脂(A)は、種々のエポキシ樹脂を用いることができる。そのようなエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール付加反応型エポキシ樹脂、アルコール型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、分子構造中にナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂、リン原子含有エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は単独で用いてもよく、2種以上を混合してもよい。
ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等が挙げられる。ビフェニル型エポキシ樹脂としては、ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂等が挙げられる。アルコール型エポキシ樹脂としては、1,4−ブタンジオールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ノボラック型エポキシ樹脂は、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。分子構造中にナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂としては、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ジグリシジルオキシナフタレン、1,1−ビス(2,7−ジグリシジルオキシ−1−ナフチル)アルカン等が挙げられる。
上記したエポキシ樹脂のなかでも、特に得られる硬化物の耐熱性の点から、ノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂が好ましく、また、強化繊維への含浸性と作業性の点からビスフェノール型エポキシ樹脂が好ましい。
さらに、本発明のエポキシ樹脂組成物において強化繊維への含浸性が良好となるといった観点から、上記エポキシ樹脂(A)の粘度は、500mPa・S〜200000mPa・Sであることが好ましく、500mPa・S〜50000mPa・Sであることがより好ましい。
すなわち、本発明のエポキシ樹脂としては、粘度が500mPa・S〜200000mPa・Sであるノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂が特に好ましい。
・アミン硬化剤(B)
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いるアミン硬化剤(B)としては、第1級アミンまたは第2級アミンを分子中に有していれば、特に限定されない。
第1級アミンを分子中に有するアミン硬化剤としては、第1級アミンを分子中に有する脂肪族ポリアミン化合物や芳香族ポリアミン化合物等が挙げられる。脂肪族ポリアミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン、トリプロピレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ヘキサメチレンジアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、1,3,6−トリスアミノメチルヘキサン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ポリエーテルジアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ポリエチレンイミンのダイマー酸エステル、ジシアンジアミド、テトラメチルグアニジン、アジピン酸ヒドラジドなどの鎖状式ポリアミン化合物や、メンセンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン、ビス(アミノメチル)ノルボルナン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、N−アミノエチルピペラジン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、ビスアミノメチルシクロヘキサン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5.5)ウンデカン、ノルボルネンジアミンなどの脂環式ポリアミン化合物等の化合物が挙げられる。さらには、モノまたはポリエポキシ化合物をアミノ基に反応させて得られるエポキシ−アミン付加物、これらのアミノ基を有する化合物とフェノール類及びホルムアルデヒドを反応させて得られるマンニッヒ変性化物、ポリアミドアミン類(前記ポリアミンと長鎖カルボン酸との反応物、或いは、前記エポキシ付加物と長鎖カルボン酸との反応物)が挙げられる。これらは、単独でも2種以上の混合物としても使用することが出来る。
芳香族ポリアミン化合物としては、例えば、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、m−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、ジアミノジエチルジフェニルメタン等の芳香族ポリアミン化合物挙げられる。
第2級アミンを分子中に有するアミン硬化剤としては、第2級アミンを分子中に有する脂肪族ポリアミン化合物や芳香族ポリアミン化合物等が挙げられる。脂肪族ポリアミン化合物としては、例えば、1,2−プロパンジアミンや、1,3−ブタンジアミンなどの鎖状式ポリアミン化合物、N−メチルピペラジン、モルホリン、ピペリジン等の脂環式ポリアミン化合物、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、N−エチルトルイジン、ジフェニルアミン、ヒドロキシフェニルグリシン、N−メチルアミノフェノールサルフェート等の芳香族ポリアミン化合物が挙げられる。
上記したアミン硬化剤のなかでも、本発明のエポキシ樹脂組成物において速硬化性の機能が向上するといった観点から、分子中に第1級アミンまたは第2級アミンを有する鎖状式ポリアミン化合物、脂環式ポリアミン化合物が好ましく、さらに得られる硬化物において高い耐熱性を発現できるといった観点から、これらの中でも脂環式ポリアミンがより好ましい。
・フェノール性水酸基含有アミン化合物(C)
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いるフェノール性水酸基含有アミン化合物(C)は、フェノール性水酸基と第3級アミンを分子内に有するアミン化合物である。そのようなアミン化合物としては、例えば、下記構造式(1)で表される。
Figure 0006593620
但し、前記構造式(1)において、Rは、それぞれ独立して、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、又はアラルキル基を表し、mは1〜4の整数を示し、nは1〜5の整数を示す。
炭素原子数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。炭素原子数1〜4のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロキシ基、ブトキシ基、t−ブトキシ基等が挙げられる。アラルキル基としては、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、トリルメチル基、トリルエチル基、トリルプロピル基、キシリルメチル基、キシリルエチル基、キシリルプロピル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、ナフチルプロピル基等が挙げられる。
これらの中でも、本発明のエポキシ樹脂組成物において速硬化性の機能が向上するといった観点から、Rは炭素原子数1〜4のアルキル基であることが好ましく、これらの中でもRはメチル基であることがより好ましい。
さらに、フェノール性水酸基含有アミン化合物(C)としては、本発明のエポキシ樹脂組成物において速硬化性の機能が向上し、かつ得られる硬化物において高い耐熱性を発現できるといった観点から、上記構造式(1)において、mが1〜2の整数であり、nが1〜3の整数であることが特に好ましい。
すなわち、フェノール性水酸基含有アミン化合物(C)としては、Rがメチル基であり、mが1〜2の整数であり、nが1〜3の整数である化合物が特に好ましい。
そのようなフェノール性水酸基含有アミン化合物(C)としては、例えば、下記構造式(1−1)〜(1−6)で表される化合物などが挙げられる。
Figure 0006593620
上記フェノール性水酸基含有アミン化合物(C)としては、例えば、アンカミン「K−54」(エアープロダクツジャパン株式会社製)、「DMP−30」(日新EM株式会社製)などで入手することが可能である。
・フェノール化合物(D)
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いるフェノール化合物(D)は、フェノール性の水酸基を有する化合物であり、フェノール性水酸基含有アミン化合物(C)よりも活性水素当量が小さければ、特に限定されない。ここでいう活性水素当量数とは、活性水素1当量当りの分子量をいい、フェノール化合物(D)が有する活性水素当量数は、本発明のエポキシ樹脂組成物において速硬化性の機能が向上するといった観点から、50〜200であることが好ましく、50〜100であることがより好ましい。そのようなフェノール化合物(D)としては、例えばフェノール、あるいはビスフェノールA、ビスフェノールF、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、ブチルフェノール、オクチルフェノールなどのアルキルフェノール類、レゾルシン、カテコールなどの多価フェノール類、ハロゲン化フェノール、フェニルフェノール、アミノフェノール、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレンなどのナフトール類などが挙げられる。またこれらのフェノール類は、その使用にあたって1種類のみに限定されるものではなく、2種以上の併用も可能である。
・エポキシ樹脂組成物
上記のように、本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A)と、第1級アミンまたは第2級アミンを分子中に有するアミン硬化剤(B)と、フェノール性水酸基と第3級アミンを分子中に有するフェノール性水酸基含有アミン化合物(C)と、フェノール性水酸基含有アミン化合物(C)よりも活性水素当量が小さいフェノール化合物(D)を必須の成分として含むものである。上記について、より詳細に説明すると、本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A)と、
(1)アミン硬化剤(B)を含むことで、エポキシ樹脂によって形成される架橋ネットワーク上にアミン硬化剤(B)を導入し得られる硬化物の機械強度を向上させ、
(2)フェノール化合物(D)を含むことで、エポキシ樹脂組成物の粘度を低下させるとともに、アミン硬化剤(B)の硬化活性を向上させてエポキシ樹脂組成物の速硬化性を向上させ、
(3)フェノール化合物(D)に加えフェノール性水酸基含有アミン化合物(C)を含むことで、上記架橋ネットワークにフェノール性水酸基含有アミン化合物(C)とフェノール化合物(D)が導入され硬化物のガラス転移温度の低下(耐熱性の低下)を抑制するものである。
よって、エポキシ樹脂(A)と、アミン硬化剤(B)と、フェノール性水酸基含有アミン化合物(C)と、フェノール化合物(D)を含む本発明のエポキシ樹脂組成物は、低粘度かつ速硬化性を有しながら、得られる硬化物において優れた耐熱性と機械強度を発現させることができるものである。
さらに、本発明のエポキシ樹脂組成物は、120℃におけるゲルタイムが10秒〜70秒の範囲であることが好ましい。120℃におけるゲルタイムが10秒以上であると、本発明のエポキシ樹脂組成物は、強化繊維への含浸性に優れ、ゲルタイムが70秒以下であると速硬化性に優れる。なお、ゲルタイムとは、上記組成物が流動性を失い、粘性が急激に増加するまでの時間のことである。
さらに、本発明のエポキシ樹脂組成物は、得られる硬化物におけるガラス転移温度が100℃〜200℃の範囲であることが好ましい。ガラス転移温度が100℃以上であると、得られる硬化物はより優れた耐熱性を発現でき、200℃以下であると、得られる硬化物はより優れた機械強度を発現できる。
さらに、本発明のエポキシ樹脂組成物は、得られる硬化物において、さらに高い耐熱性を発現できるといった観点から、エポキシ樹脂(A)とアミン硬化剤(B)の合計質量を100質量部としたとき、フェノール性水酸基含有アミン化合物(C)を0.5質量部〜10質量部の割合で含むことが好ましく、0.5質量部〜5質量部の割合で含むことがより好ましい。
さらに、本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A)とアミン硬化剤(B)の合計質量を100質量部としたとき、フェノール化合物(D)を0.5質量部〜10質量部の割合で含むことが好ましく、0.5質量部〜5質量部の割合で含むことがより好ましい。エポキシ樹脂組成物に含まれるフェノール化合物(D)の量が、エポキシ樹脂(A)とアミン硬化剤(B)の合計質量を100質量部としたとき、を0.5質量部以上であると、エポキシ樹脂組成物は優れた速硬化性を有し、反対に10質量部以下であると、得られる硬化物は優れた耐熱性を示す。
さらに、本発明のエポキシ樹脂組成物を強化繊維に含浸させて繊維強化複合材料を製造する場合、本発明のエポキシ樹脂組成物は、100℃〜150℃における最低粘度が、0.1mPa・s〜1000mPa・sであることが好ましい。100℃〜150℃における最低粘度とは、エポキシ樹脂組成物を加熱した場合に100℃から150℃までの温度範囲内における粘度(昇温粘度)の最低値を意味する。昇温粘度は、例えば、レオメトリック社製DSR−200又は同等の性能を有する装置を用いて、周波数1Hz、パラレルプレート(25mmφ、ギャップ0.5mm)で測定することができる。
なお、エポキシ樹脂組成物の100℃〜150℃における最低粘度が0.1mPa・s以上であると、繊維強化樹脂材料を金型などの型に入れて繊維強化樹脂成形品を製造する場合に、繊維強化樹脂材料からエポキシ樹脂組成物が過剰に流動するのを抑制できる。また、100℃〜150℃における最低粘度が1000mPa・s以下であると、繊維強化樹脂成形品を製造する場合にエポキシ樹脂組成物が十分に流動し、繊維強化樹脂成形品からガスが抜け難くなったり、繊維強化樹脂成形品に未充填部分が残ったりするのを防止することができる。すなわち、本発明のエポキシ樹脂組成物について、100℃〜150℃における最低粘度が、0.1mPa・s〜1000mPa・sの範囲内にあることで、高品質な繊維強化樹脂成形品を得ることができる。
なお、上記粘度は、昇温粘度の場合と同様に、例えば、レオメトリック社製DSR−200又は同等の性能を有する装置を用いて、周波数1Hz、パラレルプレート(25mmφ、ギャップ0.5mm)で測定することができる。エポキシ樹脂組成物の100℃〜150℃における最低粘度は、エポキシ樹脂(A)、アミン硬化剤(B)、フェノール性水酸基含有アミン化合物(C)、およびフェノール化合物(D)などの種類や使用量により調節することができる。
さらに、本発明のエポキシ樹脂組成物は、硬化促進剤、アミン硬化剤以外のその他の硬化剤、エポキシ樹脂以外のその他の樹脂、難燃剤、充填材、添加剤、有機溶剤を本発明の効果を損なわない範囲で含有することができる。エポキシ樹脂組成物を製造する際の配合順序は、本発明の効果が達成できる方法であれば特に限定されない。すなわち、すべての成分を予め混合して用いてもよいし、適宜順番に混合して用いてもよい。 また、配合方法は、例えば、押出機、加熱ロール、ニーダー、ローラミキサー、バンバリーミキサー等の混練機を用いて混練製造することができる。以下で、本発明のエポキシ樹脂組成物に含有可能な各種部材についての一例を説明する。
・硬化促進剤
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いることのできる硬化促進剤としては、フェノール性水酸基を含有しない第3級アミン等が挙げられる。そのような、硬化促進剤としては、例えば、3−フェニル−1,1−ジメチル尿素、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素(DCMU)、3−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−1,1−ジメチル尿素、2,4−ビス(3,3−ジメチルウレイド)トルエンのような尿素誘導体やイミダゾール誘導体、リン系化合物、第3級アミン、有機酸金属塩、ルイス酸、アミン錯塩等が挙げられる。上記のような硬化促進剤を用いると、本発明のエポキシ樹脂組成物は、通常の硬化温度よりも低い温度で硬化するようになる。また、硬化促進剤としてトリフェニルフォスフィン、2−エチル4−メチルイミダゾールを用いた場合は、硬化性、耐熱性、電気特性、耐湿信頼性等に優れるようになるため、本発明のエポキシ樹脂組成物は、半導体封止材料用途に適した組成物となる。なお、硬化促進剤の使用量は、エポキシ樹脂組成物中0.01質量%〜1質量%となる範囲であることが好ましい。
・その他の硬化剤
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いることのできるアミン硬化剤(B)以外のその他の硬化剤としては、酸無水物系化合物等が挙げられる。具体的には、酸無水物系化合物としては、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。
・その他の樹脂
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いることのできるエポキシ樹脂(A)以外のその他の樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、これら以外の熱可塑性樹脂や、熱硬化性樹脂などが挙げられる。
ポリカーボネート樹脂としては、例えば、2価又は2官能型のフェノールとハロゲン化カルボニルとの重縮合物、或いは、2価又は2官能型のフェノールと炭酸ジエステルとをエステル交換法により重合させたものが挙げられる。
ここで、ポリカーボネート樹脂の原料である2価又は2官能型のフェノールとしては、例えば、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ハイドロキノン、レゾルシン、カテコール等が挙げられる。これら2価のフェノールの中でも、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン類が好ましく、さらに、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを主原料としたものが特に好ましい。
他方、 2価又は2官能型のフェノールと反応させるハロゲン化カルボニル又は炭酸ジエステルとしては、例えば、ホスゲン;二価フェノールのジハロホルメート、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカーボネート等のジアリールカーボネート;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジアミルカーボネート、ジオクチルカーボネート等の脂肪族カーボネート化合物などが挙げられる。
また、上記ポリカーボネート樹脂は、そのポリマー鎖の分子構造が直鎖構造であるもののほか、これに分岐構造を有していてもよい。斯かる分岐構造は、原料成分として、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、α,α’,α”−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、フロログルシン、トリメリット酸、イサチンビス(o−クレゾール)等を用いることにより導入することができる。
ポリフェニレンエーテル樹脂としては、例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−14−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジ−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−n−ブチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−イソプロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−ヒドロキシエチル−1,4−フェニレン)エーテル等が挙げられる。
この中でも、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルが好ましく、2−(ジアルキルアミノメチル)−6−メチルフェニレンエーテルユニットや2−(N−アルキル−N−フェニルアミノメチル)−6−メチルフェニレンエーテルユニット等を部分構造として含むポリフェニレンエーテルであってもよい。
上記ポリフェニレンエーテル樹脂は、その樹脂構造にカルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、シリル基、水酸基、無水ジカルボキル基等の反応性官能基を、グラフト反応や、共重合等何らかの方法で導入した変性ポリフェニレンエーテル樹脂も本発明の目的を損なわない範囲で使用できる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記のようなポリカーボネート樹脂やポリフェニレンエーテル樹脂を含有することで、得られる硬化物においてより優れた機械強度を発現できるようになる。
ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂以外の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂としては特に限定されないが、得られる硬化物の機械強度が向上する点から、熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。そのような熱可塑性樹脂としては、特に制限されないが、融点又はガラス転移温度が、150℃以上の結晶性又は非晶性の熱可塑性樹脂が好ましい。そのような熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、液晶ポリエステル樹脂等のポリエステルや、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブチレン樹脂等のポリオレフィンや、スチレン系樹脂の他や、ポリオキシメチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリメチレンメタクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、変性ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリケトン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルケトンケトン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、フェノール系樹脂、フェノキシ樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂などのフッ素系樹脂、更にポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、ポリイソプレン系、フッ素系等の熱可塑エラストマー等や、これらの共重合体、変性体、および2種類以上ブレンドした樹脂などが挙げられる。
これらの中でも、熱可塑性樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂を用いることが好ましい。このような熱可塑性樹脂が、エポキシ樹脂組成物に用いられると、エポキシ樹脂組成物から得られる硬化物は、さらに優れた機械強度と耐熱性を発現させることができるようになる。なお、これらの樹脂は、2種以上併用して用いることもできる。
・難燃剤
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いることのできる難燃剤としては、特に限定されないが、難燃性を発揮させるために、実質的にハロゲン原子を含有しない非ハロゲン系難燃剤を含有してることが好ましい。
上記非ハロゲン系難燃剤としては、例えば、リン系難燃剤、窒素系難燃剤、シリコーン系難燃剤、無機系難燃剤、有機金属塩系難燃剤等が挙げられ、それらの使用に際しても何等制限されるものではなく、単独で使用しても、同一系の難燃剤を複数用いても良く、また、異なる系の難燃剤を組み合わせて用いることも可能である。
上記リン系難燃剤としては、無機系、有機系のいずれも使用することができる。無機系化合物としては、例えば、赤リン、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム等のリン酸アンモニウム類、リン酸アミド等の無機系含窒素リン化合物が挙げられる。
また、上記赤リンは、加水分解等の防止を目的として表面処理が施されていることが好ましく、表面処理方法としては、例えば、(i)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン、酸化ビスマス、水酸化ビスマス、硝酸ビスマス又はこれらの混合物等の無機化合物で被覆処理する方法、(ii)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン等の無機化合物、及びフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂の混合物で被覆処理する方法、(iii)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン等の無機化合物の被膜の上にフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂で二重に被覆処理する方法等が挙げられる。
上記有機リン系化合物としては、例えば、リン酸エステル化合物、ホスホン酸化合物、ホスフィン酸化合物、ホスフィンオキシド化合物、ホスホラン化合物、有機系含窒素リン化合物等の汎用有機リン系化合物の他、9,10−ジヒドロ−9−オキサー10−ホスファフェナントレン=10−オキシド、10−(2,5―ジヒドロオキシフェニル)―10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン=10−オキシド、10―(2,7−ジヒドロオキシナフチル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン=10−オキシド等の環状有機リン化合物が挙げられる。
また上記リン系難燃剤を使用する場合、該リン系難燃剤にハイドロタルサイト、水酸化マグネシウム、ホウ化合物、酸化ジルコニウム、黒色染料、炭酸カルシウム、ゼオライト、モリブデン酸亜鉛、活性炭等を併用してもよい。
上記窒素系難燃剤としては、例えば、トリアジン化合物、シアヌル酸化合物、イソシアヌル酸化合物、フェノチアジン等が挙げられ、トリアジン化合物、シアヌル酸化合物、イ
ソシアヌル酸化合物が好ましい。
上記トリアジン化合物としては、例えば、メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、メロン、メラム、サクシノグアナミン、エチレンジメラミン、ポリリン酸メラミン、トリグアナミン等の他、例えば、硫酸グアニルメラミン、硫酸メレム、硫酸メラムなどの硫酸アミノトリアジン化合物、上記アミノトリアジン変性フェノール樹脂、及び該アミノトリアジン変性フェノール樹脂を更に桐油、異性化アマニ油等で変性したもの等が挙げられる。
上記シアヌル酸化合物の具体例としては、例えば、シアヌル酸、シアヌル酸メラミン等を挙げることができる。
上記窒素系難燃剤の配合量としては、窒素系難燃剤の種類、エポキシ樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合したエポキシ樹脂組成物100質量部中、0.05質量部〜10質量部の範囲で配合することが好ましく、特に0.1質量部〜5質量部の範囲で配合することが好ましい。
また上記窒素系難燃剤を使用する際、金属水酸化物、モリブデン化合物等を併用してもよい。
上記シリコーン系難燃剤としては、ケイ素原子を含有する有機化合物であれば特に制限がなく使用でき、例えば、シリコーンオイル、シリコーンゴム、シリコーン樹脂等が挙げ
られる。
上記シリコーン系難燃剤の配合量としては、シリコーン系難燃剤の種類、エポキシ樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合したエポキシ樹脂組成物100質量部中、0.05質量部〜20質量部の範囲で配合することが好ましい。また上記シリコーン系難燃剤を使用する際、モリブデン化合物、アルミナ等を併用してもよい。
上記無機系難燃剤としては、例えば、金属水酸化物、金属酸化物、金属炭酸塩化合物、金属粉、ホウ素化合物、低融点ガラス等が挙げられる。
上記金属水酸化物の具体例としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ドロマイト、ハイドロタルサイト、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化ジルコニウム等を挙げることができる。
上記金属酸化物の具体例としては、例えば、モリブデン酸亜鉛、三酸化モリブデン、スズ酸亜鉛、酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化マンガン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化モリブデン、酸化コバルト、酸化ビスマス、酸化クロム、酸化ニッケル、酸化銅、酸化タングステン等を挙げることができる。
上記金属炭酸塩化合物の具体例としては、例えば、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウム、炭酸鉄、炭酸コバルト、炭酸チタン等を挙げることができる。
上記金属粉の具体例としては、例えば、アルミニウム、鉄、チタン、マンガン、亜鉛、モリブデン、コバルト、ビスマス、クロム、ニッケル、銅、タングステン、スズ等を挙げることができる。
上記ホウ素化合物の具体例としては、例えば、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸、ホウ砂等を挙げることができる。
上記低融点ガラスの具体例としては、例えば、シープリー(ボクスイ・ブラウン社)、水和ガラスSiO−MgO−HO、PbO−B系、ZnO−P−MgO系、P−B−PbO−MgO系、P−Sn−O−F系、PbO−V−TeO系、Al−HO系、ホウ珪酸鉛系等のガラス状化合物を挙げることができる。
上記無機系難燃剤の配合量としては、無機系難燃剤の種類、エポキシ樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合したエポキシ樹脂組成物100質量部中、0.05質量部〜20質量部の範囲で配合することが好ましく、特に0.5質量部〜15質量部の範囲で配合することが好ましい。
上記有機金属塩系難燃剤としては、例えば、フェロセン、アセチルアセトナート金属錯体、有機金属カルボニル化合物、有機コバルト塩化合物、有機スルホン酸金属塩、金属原子と芳香族化合物又は複素環化合物がイオン結合又は配位結合した化合物等が挙げられる。
上記有機金属塩系難燃剤の配合量としては、有機金属塩系難燃剤の種類、エポキシ樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合したエポキシ樹脂組成物100質量部中、0.005質量部〜10質量部の範囲で配合することが好ましい。
・充填材
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いることのできる充填材としては、例えば、酸化チタン、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラス繊維、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、チタン酸カリウム、硼酸アルミニウム、硼酸マグネシウム、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化珪素、水酸化アルミや、ケナフ繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、石英繊維等の繊維状補強剤や、非繊維状補強剤等が挙げられる。これらは一種単独で用いても、二種以上を併用してもよい。また、これらは、有機物や無機物等で被覆されていてもよい。
また、充填材としてガラス繊維を用いる場合、長繊維タイプのロービング、短繊維タイプのチョップドストランド、ミルドファイバー等から選択して用いることが出来る。ガラス繊維は使用する樹脂用に表面処理した物を用いるのが好ましい。
充填材は配合されることによって、燃焼時に生成する不燃層(又は炭化層)の強度を一層向上させることができる。燃焼時に一度生成した不燃層(又は炭化層)が破損しにくくなり、安定した断熱能力を発揮できるようになり、より大きな難燃効果が得られる。さらに、材料に高い剛性も付与することができる。
・添加剤
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いることのできる添加剤としては、例えば可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の安定剤、帯電防止剤、導電性付与剤、応力緩和剤、離型剤、結晶化促進剤、加水分解抑制剤、潤滑剤、衝撃付与剤、摺動性改良剤、相溶化剤、核剤、強化剤、補強剤、流動調整剤、染料、増感材、着色用顔料、ゴム質重合体、増粘剤、沈降防止剤、タレ防止剤、消泡剤、カップリング剤、防錆剤、抗菌・防カビ剤、防汚剤、導電性高分子等を挙げることができる。本発明のエポキシ樹脂組成物が添加剤を含有すると、得られる硬化物において剛性や寸法安定性等の特性が向上する。
・有機溶剤
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いることのできる有機溶剤としては、メチルエチルケトンアセトン、ジメチルホルムアミド、メチルイソブチルケトン、メトキシプロパノール、シクロヘキサノン、メチルセロソルブ、エチルジグリコールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート等の酢酸エステル類、セロソルブ、ブチルカルビトール等のカルビトール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどが挙げられる。なお、有機溶剤は、できる範囲においては使用しない方が好ましいが、上記のように必要に応じて使用することができる。
<エポキシ樹脂組成物の用途>
本発明のエポキシ樹脂組成物は、低粘度かつ速硬化性を有しながら、得られる硬化物において優れた耐熱性と機械強度を発現させることができるため、繊維強化樹脂成形品、繊維強化複合材料等に用いることができる。以下でこれらについて説明する。
1.繊維強化樹脂成形品
本発明の繊維強化樹脂成形品とは、強化繊維とエポキシ樹脂組成物の硬化物とを含む成形品である。本発明のエポキシ樹脂組成物から繊維強化成形品を得る方法としては、強化繊維にワニス化したエポキシ樹脂組成物を含浸させた中間材料を製造し、エポキシ樹脂組成物を熱硬化する(例えば、大型のオートクレーブで焼き固める)方法などが挙げられる。中間材料としては、1)金型に強化繊維を敷き、エポキシ樹脂組成物をワニス化したものを多重積層してゆくハンドレイアップ法やスプレーアップ法、2)オス型・メス型のいずれかを使用し、強化繊維からなる基材をワニス化したエポキシ樹脂組成物を含浸させながら積み重ね、圧力を作用させることのできるフレキシブルな型を上記で得られた強化繊維にかぶせ、気密シールしたものを真空(減圧)成型する真空バッグ法、3)あらかじめ強化繊維を含有するワニスをシート状にしたものを金型で圧縮成型するSMCプレス法、4)強化繊維を敷き詰めた合わせ型にワニス化したエポキシ樹脂組成物を注入するRTM法などによって製造することができる。
繊維強化樹脂成形品を製造するときの温度としては、通常80℃〜220℃の温度範囲で調整される。より好ましくは、50℃〜250℃の温度範囲であり、特に、50℃〜100℃で予備硬化させ、タックフリー状の硬化物にした後、更に、120℃〜200℃の温度条件で処理することが好ましい。かかる温度が50℃以上であれば、十分な速硬化性が得ることができる、反対に、かかる温度が250℃以下であれば、得られる繊維強化樹脂成形品において、熱歪みによる反りが発生するのを抑制することができる。
また、繊維強化樹脂成形品を製造する際の圧力としては、繊維強化複合材料の厚みや体積含有率などにより異なるが、通常98〜980kPaの圧力範囲で調整されることが好ましい。上記の圧力が98kPa以上であると、繊維強化複合材料の内部まで十分に熱が伝わり、未硬化となる箇所がほとんどなくなるので、得られる繊維強化樹脂成形品において反りが発生したりするのを抑制することができる。反対に、上記の圧力が980kPa以下であると、繊維強化樹脂成形品を製造する際に、硬化する前に樹脂が金型内に流れ出してしまうことを抑制できるので、得られる繊維強化樹脂成形品において、未含浸部分が発生したり、目的とする体積含有率が得られなかったりするのを抑制することができる。
なお、このようにして得られる繊維強化樹脂成形品は、繊維強化成形品中の強化繊維の体積含有率は、40%〜85%の範囲であることが好ましく、強度の点から50%〜70%の範囲であることが特に好ましい。
上記以外の方法を用いて、繊維強化樹脂成形品を得る方法としては、下記の繊維強化複合材料を積層した積層体に、熱と圧力を加えながら、エポキシ樹脂組成物を硬化させる方法が挙げられる。
熱と圧力を加えながら、上記エポキシ樹脂組成物を加熱硬化させる方法としては、プレス成形法、オートクレーブ成形法、バッギング成形法、ラッピングテープ法、および内圧成形法などが挙げられる。
繊維強化複合材料からプレス成形法にて、繊維強化樹脂成形品を製造する場合、シート状の繊維強化複合材料を所定の寸法に裁断後、剛体ツール上に所定枚数、所定の繊維軸方向に積層し、可撓性フィルムでシールした後、剛体ツールと可撓性フィルムの間を真空ポンプにて吸引して脱気し、オートクレーブに設置後、加熱、加圧することで繊維強化樹脂成形品を得ることができる。
ここで、剛体ツールの材質としては、スチールやアルミニウム等の金属、繊維強化プラスチック(FRP)、木材および石膏など既存の各種のものが用いられる。可撓性のフィルムの材料には、ナイロン、フッ素樹脂およびシリコーン樹脂等が用いられる。
2.繊維強化複合材料
繊維強化複合材料とは、半硬化のエポキシ樹脂組成物が強化繊維に含浸したシート状の中間素材(プリプレグ)のことである。ここで、強化繊維は、有撚糸、解撚糸、又は無撚糸などいずれでも良いが、解撚糸や無撚糸が、繊維強化複合材料において優れた成形性を有することから、好ましい。さらに、強化繊維の形態は、繊維方向が一方向に引き揃えたものや、織物が使用できる。織物では、平織り、朱子織りなどから、使用する部位や用途に応じて自由に選択することができる。具体的には、機械的強度や耐久性に優れることから、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維などが挙げられ、これらの2種以上を併用することもできる。これらの中でもとりわけ成形品の強度が良好なものとなる点から炭素繊維が好ましく、かかる、炭素繊維は、ポリアクリロニトリル系、ピッチ系、レーヨン系などの各種のものが使用できる。
本発明のエポキシ樹脂組成物から繊維強化複合材料を得る方法としては、エポキシ樹脂組成物を構成する各成分を均一に混合してワニスを調整し、次いでこれを強化繊維からなるシート状繊維を浸漬させながら含浸させた後、オーブンなどを用いて有機溶媒を蒸発させて繊維強化複合材料とするウェット法、あるいは、上記エポキシ樹脂組成物を、有機溶媒を用いずに加熱により低粘度化し、ロールや離型紙上にフィルムを作成し、次いで強化繊維からなるシート状繊維の両側あるいは片側からそのフィルムを重ね、加熱、加圧することにより含浸させるホットメルト法などが適宜使用できるが、繊維強化複合材料中に残留する有機溶媒が実質的に皆無であるホットメルト法が好ましく用いることができる。
ホットメルト法にて繊維強化複合材料を製造する場合、繊維強化複合材料の取り扱い性を適切な範囲とするために、含浸する工程において、エポキシ樹脂組成物が到達する温度は、50℃〜250℃の範囲であり、特に、50℃〜100℃で予備硬化させることが好ましい。かかる温度が250℃以下であると、エポキシ樹脂組成物中で硬化反応が部分的に進行してガラス転移温度が上昇してしまうのを抑制でき、得られる繊維強化複合材料において適正なドレープ性を保持できる。また、かかる最高温度が50℃以上であると、強化繊維への十分な含浸が可能となる。
本発明の繊維強化複合材料は、エポキシ樹脂組成物が必ずしも繊維束の内部まで含浸されている必要はなく、シート状繊維の表面付近に該エポキシ樹脂組成物が局在化している態様であっても良い。
本発明の繊維強化複合材料は、繊維強化複合材料の全体積に対する強化繊維の体積含有率が40%〜85%であることが好ましい。強度の点から50%〜70%の範囲であることが特に好ましい。体積含有率が40%以上であると、難燃性と比弾性率と比強度に優れる繊維強化複合材料を得ることができる。反対に、体積含有率が85%以下であると、強化繊維とエポキシ樹脂組成物との接着性が低下するのを抑制でき、繊維強化複合材料を積層した際に繊維強化複合材料同士の接着性が高い繊維強化樹脂成形品を製造することができる。
3.その他
上記で繊維強化樹脂成形品等を製造する方法について説明したが、硬化性樹脂組成物から上記で説明した以外の硬化物を製造することもできる。そのような硬化物としては、例えば、所定の形状(板状、棒状、球状、シート状、フィルム状、中空状、ガス微分散状、発泡体、繊維状、ペレット状等)を有する成形品を挙げることができる。そのような成形品を得る方法としては、射出成形、シート成形、ブロー成形、インジェクションブロー成形、インフレーション成形、プレス成形、押出成形、発泡成形、フィルム成形に加え、圧空成形、真空成形等の二次加工成形法を用いることができる。これらの方法は、それぞれの用途に応じて、好ましい方法を適宜選択するとよい。また、加熱温度条件についても、組み合わせる硬化剤の種類や用途等によって、適宜選択すればよい。
次に、本発明を実施例、比較例により具体的に説明するが、以下において「部」及び「%」は特に断わりのない限り質量基準である。
[実施例1〜2、比較例1]エポキシ樹脂組成物の製造
1.エポキシ樹脂組成物の製造
下記表1に示す配合に従い、エポキシ樹脂、アミン硬化剤、フェノール性水酸基含有アミン化合物、及びフェノール化合物を混合して、エポキシ樹脂組成物を得た。表1に示す略号については、下記に示す通りである。
エポキシ樹脂(A)
・A−1:ビスフェノールF型エポキシ樹脂
EPICLON 830−S (DIC株式会社製)
アミン硬化剤(B)
・B−1:1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン
1,3−BAC(三菱ガス化学株式会社製)
フェノール性水酸基含有アミン化合物(C)
・C−1:2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール
K−54(エボニック デグサ ジャパン株式会社製)
活性水素当量:265
フェノール化合物(D)
・D−1:p−tert−ブチルフェノール
PTBP(DIC株式会社製)
活性水素当量:150
・D−2:スチレン化フェノール
SP−23(三光株式会社製)
活性水素当量:312
<ゲルタイムの測定>
アミン硬化剤とフェノール性水酸基含有アミン化合物とフェノール化合物とを混合して予備混合物を得、その後、80℃に加温したエポキシ樹脂と上記で得られた予備混合物とをゲルタイムの測定直前に混合しエポキシ樹脂組成物を得た。得られたエポキシ樹脂組成物を120℃のホットプレートの上に1cm流し入れ、攪拌棒でかき混ぜながら、エポキシ樹脂組成物の流動性が無くなるまでの時間を測定した。その結果を表1に示す。
<動的粘弾性測定>
上記で得られたエポキシ樹脂組成物を、得られる硬化物の厚さが2mmになるようガラス板の間にシリコンチューブを挟んで作成した型に流し込み、常圧プレス中で120℃、2分間の硬化条件にて、エポキシ樹脂組成物を成形し、硬化物を得た。上記で得られた硬化物をダイヤモンドカッターで幅5mm、長さ50mmの大きさに切り出し、これを試験片1とした。粘弾性測定装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製「DMS6100」)を用いて、試験片1の動的粘弾性を測定し、tanδ最大値の温度をガラス転移温度(Tg)とした。なお、動的粘弾性測定の測定条件は、温度範囲:室温〜260℃、昇温速度:3℃/分、周波数:1Hz、歪振幅:10μmとした。その結果を表1に示す。
<曲げ強度、曲げ弾性率、曲げ歪の測定>
上記で得られたエポキシ樹脂組成物を、得られる硬化物の厚さが4mmになるようガラス板の間にシリコンチューブを挟んで作製した型に流し込み、常圧プレス中で120℃、2分間の硬化条件にて成形し、硬化物を得た。この硬化物を厚さ2mm、幅10mm、長さ80mmの大きさに切り出し、これを試験片2とした。精密万能試験機(島津製作所株式会社製「AUTOGRAPH AG−I」)を用いて、試験片2の曲げ強度、曲げ弾性率、曲げ歪をJIS K6911に従って測定した。その結果を表1に示す。
Figure 0006593620
表1より、エポキシ樹脂組成物が、エポキシ樹脂、アミン硬化剤、フェノール性水酸基含有アミン化合物、フェノール化合物を全て含むことにより、エポキシ樹脂組成物はゲルタイムが短くなり、得られる硬化物のガラス転移温度、曲げ弾性率、曲げ強度が増加し、曲げ歪が減少することが明らかになった。すなわち、エポキシ樹脂、アミン硬化剤、フェノール性水酸基含有アミン化合物、フェノール化合物を全て含むエポキシ樹脂組成物は、速硬化性を有しながら、得られる硬化物において優れた耐熱性と機械強度を発現させることができることが明らかになった。

Claims (12)

  1. エポキシ樹脂(A)と、
    第1級アミンまたは第2級アミンを分子中に有するアミン硬化剤(B)と、
    フェノール性水酸基と第3級アミンを分子中に有するフェノール性水酸基含有アミン化合物(C)と、
    前記フェノール性水酸基含有アミン化合物(C)よりも活性水素当量数が小さいフェノール化合物(D)と、
    を含むエポキシ樹脂組成物であって、
    前記エポキシ樹脂(A)が、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール付加反応型エポキシ樹脂、アルコール型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、分子構造中にナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂、及びリン原子含有エポキシ樹脂からなる群より選ばれる1種以上であり、
    前記アミン硬化剤(B)が、脂環式ポリアミン化合物であり、
    前記フェノール性水酸基含有アミン化合物(C)を、前記エポキシ樹脂(A)と前記アミン硬化剤(B)の合計質量を100質量部としたとき、0.5質量部〜5質量部の割合で含むものであり、
    前記フェノール化合物(D)を、前記エポキシ樹脂(A)と前記アミン硬化剤(B)の合計質量を100質量部としたとき、0.5〜5質量部の割合で含むものであることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. 前記フェノール性水酸基含有アミン化合物(C)が、下記構造式(1)で表される化合物である請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
    Figure 0006593620
    (但し、前記構造式(1)において、Rは、それぞれ独立して、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、又はアラルキル基を表し、mは1〜4の整数を表し、nは1〜5の整数を表す。)
  3. 前記フェノール化合物(D)の活性水素当量が、50〜200である請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 前記エポキシ樹脂(A)が、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、又はナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂である請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 前記エポキシ樹脂組成物の100℃〜150℃における最低粘度が、0.1mPa・s〜1000mPa・sである請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. 請求項1〜の何れか1つに記載のエポキシ樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物。
  7. ガラス転移温度が、100℃〜200℃である請求項に記載の硬化物。
  8. 請求項1〜の何れか1つに記載のエポキシ樹脂組成物を強化繊維に含浸させた繊維強化複合材料。
  9. 前記強化繊維の体積含有率が40%〜85%の範囲内である請求項に記載の繊維強化複合材料。
  10. 請求項1〜の何れか1つに記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物と強化繊維とを含む繊維強化樹脂成形品。
  11. 請求項1〜の何れか1つに記載のエポキシ樹脂組成物を前記強化繊維に含浸させたのち、前記エポキシ樹脂組成物を熱硬化することを特徴とする繊維強化樹脂成形品の製造方法。
  12. 請求項又はの何れか1つに記載の繊維強化複合材料を複数積層したのち熱硬化することを特徴とする繊維強化樹脂成形品の製造方法。
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