JP6470941B2 - チャンバ装置 - Google Patents

チャンバ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6470941B2
JP6470941B2 JP2014215998A JP2014215998A JP6470941B2 JP 6470941 B2 JP6470941 B2 JP 6470941B2 JP 2014215998 A JP2014215998 A JP 2014215998A JP 2014215998 A JP2014215998 A JP 2014215998A JP 6470941 B2 JP6470941 B2 JP 6470941B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chamber
duct
air
balance
work space
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014215998A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016050930A (ja
Inventor
英治 結城
英治 結城
本間 浩幸
浩幸 本間
美咲 佐藤
美咲 佐藤
潤一郎 藤村
潤一郎 藤村
中村 裕史
裕史 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamato Scientific Co Ltd
Original Assignee
Yamato Scientific Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamato Scientific Co Ltd filed Critical Yamato Scientific Co Ltd
Priority to JP2014215998A priority Critical patent/JP6470941B2/ja
Publication of JP2016050930A publication Critical patent/JP2016050930A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6470941B2 publication Critical patent/JP6470941B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、作業空間に例えば一定の制御空気を導いて安定した環境制御を行いながら、大気中に浮遊する粒子状物質のうちでも粒子の小さい2.5μm以下の微小粒子状物質PM(パーティクルマター、PM2.5)等の物質の精密な秤量を行うことができるチャンバ装置に関する。
我が国では、人の健康を保護する観点から、大気汚染に関する環境基準が定められている。粒子状物質については、空気動力学径が10μmよりも大きい粒子状物質を、100%カットしたものを浮遊粒子状物質(SPM)と定義して、環境基準に沿って常時監視を行っている。
粒子状物質の中でも、粒径の小さい微小粒子状物質(いわゆるPM2.5)による健康への影響が懸念されていて、世界保健機構(WHO)では、PM2.5に係る大気質ガイドラインが設定され、PM2.5に係る環境基準の設定やモニタリング体制の整備、対策の検討等が行われている。
PM2.5の測定法としては、米国では「ろ過捕集―重量測定法(以下、フィルタ法という)」が標準測定法として採用されている。我が国では、平成12年度(2000年度)に「大気中微小粒子状物質(PM2.5)測定方法暫定マニュアル」を作成し、その後、採取装置や自動測定機、測定分析手法等の技術の進展を踏まえ、平成19年度(2007年度)にこのマニュアルを改訂している。そして、平成23年には、環境省が新たにPM2.5の成分分析ガイドラインを策定している。
チャンバ装置は、環境制御を行いながら、大気中に浮遊する粒子状物質のうちでも粒子の小さい2.5μm以下の微小粒子物質等の精密な秤量を行うことができる。この種のチャンバ装置は、天秤を載せた天秤台を有するチャンバ本体を備えており、天秤台とチャンバ本体は一体構造になっている。
一方、特許文献1には、食品加工用テーブル装置が開示されている。この食品加工用テーブル装置は、本体と、この本体内に収納された冷却装置と、本体に取り付けられたまな板と、秤と、冷却装置からの冷気をまな板の上方から供給する冷気供給手段と、まな板の周囲から冷気を本体内に吸引する冷気吸込手段を備える。
特開平11−211341号公報
上述したチャンバ装置では、天秤台とチャンバ本体は一体構造であるので、チャンバ本体内において天秤を用いて微小粒子状物質の精密な秤量を行おうとしても、チャンバ本体側から伝わる振動が大きく影響して、精密な秤量を行うことができない。
また、特許文献1の食品加工用テーブル装置では、本体と冷却装置とまな板と、秤と、冷気供給手段と冷気吸込手段とが、一体化されている構造である。このため、秤を用いて材料の秤量をする際に、秤は、本体と冷却装置とまな板と、冷気供給手段と冷気吸込手段からのそれぞれの振動を受け易いので、精密な秤量を行うことができない。
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、天秤に振動を伝えないようにして、天秤による精密な秤量を行うことができるチャンバ装置を提供することにある。
上記課題を達成するため、請求項1に記載のチャンバ装置は、作業空間において物質の秤量を行うチャンバ装置であって、前記作業空間を有するチャンバ本体と、前記チャンバ本体内に配置されて、前記作業空間内で前記物質の秤量を行う天秤を載せる天秤台と、を備え、前記天秤台は、前記チャンバ本体から離間して配置されていることを特徴とする。
請求項1に記載のチャンバ装置では、作業空間内で物質の秤量を行う天秤を載せる天秤台は、チャンバ本体から離間して配置されているので、チャンバ本体側で生じた振動を天秤台上の天秤に振動を伝えないようにして、天秤による精密な秤量を行うことができる。
請求項2に記載のチャンバ装置は、制御空気を前記作業空間内に供給して前記作業空間内の環境を制御する環境制御装置を備え、前記環境制御装置は、前記チャンバ本体と前記天秤台とは別体になっており、前記環境制御装置が前記チャンバ本体に、フレキシブルパイプを介して接続されていることを特徴とする。
請求項2に記載のチャンバ装置では、環境制御装置は、チャンバ本体と天秤台とは別体になっており、環境制御装置がチャンバ本体に、フレキシブルパイプを介して接続されている環境制御装置が制御空気を発生する際に生じる振動は、フレキシブルパイプにより吸収される。このため、この振動はチャンバ本体と天秤台には伝わらず、天秤による精密な秤量を行うことができる。
請求項3に記載のチャンバ装置は、前記環境制御装置が発生する前記制御空気は、前記チャンバ本体の前記作業空間に配置されている通気性を有する筒状のダクトに供給されることを特徴とする。
請求項3に記載のチャンバ装置では、制御空気を、通気性を有する筒状のダクトから作業空間内に供給するので、制御空気を低風量でしかも低風速で安定して作業空間内に供給でき、天秤による精密な秤量を行うことができる。
請求項4に記載のチャンバ装置は、前記通気性を有する筒状のダクトは、前記作業空間の後部であってしかも上部に配置されていることを特徴とする。
請求項4に記載のチャンバ装置では、通気性を有する筒状のダクトは、天秤による秤量作業に邪魔にならない作業空間の後部でしかも上部から、制御空気を低風量でしかも低風速で安定して作業空間内に供給できる。
請求項5に記載のチャンバ装置は、前記通気性を有する筒状のダクトから前記作業空間に吹き出される前記制御空気の吹き出し圧力の最適値は、1立方メートル/分であることを特徴とする。
請求項5に記載のチャンバ装置では、通気性を有する筒状のダクトから作業空間に吹き出される制御空気の吹き出し圧力を、1立方メートル/分とすることで、天秤は、作業空間において安定して精密な秤量を行うことができる。
請求項6に記載のチャンバ装置は、前記チャンバ本体の前面部には、作業者の手を挿入して前記作業空間内で作業を行うための挿肢口が設けられており、前記挿肢口は、左右方向と上下方向に移動可能な構成であることを特徴とする。
請求項6に記載のチャンバ装置では、挿肢口は、左右方向と上下方向に移動可能であるので、作業者の手の位置を、秤量作業に応じて自由に移動することができるので、天秤による精密な秤量作業が容易に行える。
請求項7に記載のチャンバ装置は、前記天秤台の甲板は、重量物で作られていることを特徴とする。
請求項7に記載のチャンバ装置では、天秤台の甲板が重量物であるので、甲板には振動を伝え難くすることができ、天秤を載せた状態で、天秤による秤量作業を安定して行える。
請求項8に記載のチャンバ装置は、前記チャンバ本体は、前記作業空間に供給された前記制御空気を、下方に吸い込んで前記環境制御装置に戻す下方吸込み部を有することを特徴とする。
請求項8に記載のチャンバ装置では、作業空間に供給された制御空気は、作業空間から下方に吸込んで、環境制御装置側に戻すことができる。
請求項9に記載のチャンバ装置は、前記ダクトの長さに応じて前記ダクトを支持する支持レールを有し、前記支持レールは、前記作業空間を形成している天井部分に設けられていることを特徴とする。
請求項9に記載のチャンバ装置では、支持レールは、ダクトの大きさのサイズに応じて支持でき、ダクトを作業空間の天井部分に配置できるので、ダクトが作業空間における作業の邪魔にならないようにすることができる。
請求項10に記載のチャンバ装置では、前記ダクトは、前記支持レールに移動可能に取り付けられた支持具に対して、着脱可能に吊り下げられていることを特徴とする。
請求項10に記載のチャンバ装置では、作業者は、使用したダクトを新しいダクトに交換する場合に、使用したダクトを支持具から取り外して、新しいダクトを取り付けて吊り下げることができ、ダクトの交換が簡単に行える。
請求項11に記載のチャンバ装置では、前記ダクトは、閉じた先端部と、開口部を有する基部と、を有し、前記基部は、前記フレキシブルダクトの給気接続口に対して着脱可能に接続されていることを特徴とする
請求項11に記載のチャンバ装置では、使用したダクトを新しいダクトに交換する場合に、使用したダクトの基部をフレキシブルダクトの給気接続口から取り外して、新しいダクトの基部をフレキシブルダクトの給気接続口に接続すればよいので、ダクトの交換が簡単に行える。
本発明によれば、天秤に振動を伝えないようにして、天秤による精密な秤量を行うことができるチャンバ装置を提供できる。
本発明の好ましい第1実施形態のチャンバ装置の構成を示す正面図である。 図1に示すチャンバ装置のチャンバ本体と天秤台を示す側面図である。 図1に示すチャンバ装置のチャンバ本体と天秤台を示す平面図である。 図1に示すチャンバ装置において、チャンバ本体の前面部の図示を簡略化し、天秤台の図示を省略して示す正面図である。 作業空間内における通気性を有する筒状のダクトの取付け例を示す図である。 チャンバ本体の下方吸込み部付近を示す平面図である。 図7(A)は、天秤台の正面図であり、図7(B)は、天秤台の平面図である。図7(C)は、天秤台の右側面図である。 チャンバ装置の使用例を示す図である。 チャンバ装置の具体的な使用例を示す斜視図である。 図10(A)は、一定の制御空気が作業空間内に供給される様子を示す正面図であり、図10(B)は、一定の制御空気が作業空間内に供給される様子を示す側面図である。 本発明の第2実施形態を示す斜視図である。 ダクトの基部が、着脱可能に取り付けられている構造例を示す斜視図である。 図12に示すダクトの基部の取り付け構造例を示す断面図である。 図11に示す支持具とダクトの支持部分の付近を示す図である。 図11に示す支持具とダクトの支持部分の付近を示す図である。 図11に示す支持具とダクトの支持部分の付近を示す図である。
以下、図面を用いて、本発明を実施するための形態(以下、実施形態と称する)を説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の好ましいチャンバ装置の構成を示す正面図である。図2は、図1に示すチャンバ装置のチャンバ本体と天秤台を示す側面図である。
図3は、図1に示すチャンバ装置のチャンバ本体と天秤台を示す平面図である。図4は、図1に示すチャンバ装置において、チャンバ本体の前面部の図示を簡略化し、天秤台の図示を省略して示す正面図である。
図1に示すチャンバ装置1は、秤量しようとする物質、例えば微小粒子物質PM2.5を精密に測定するために用いられる恒温恒湿チャンバ装置である。このチャンバ装置1は、環境制御型のチャンバ本体10と、天秤台11と、環境制御装置12を有している。チャンバ装置1は、低露点チャンバ装置とも呼ぶこともある。
まず、図1から図4を参照して、チャンバ本体10の構造例を説明する。
図1から図3に示すチャンバ本体10は、チャンバ本体10の内部が外部に対して閉じたクローズドチャンバであり、例えば陽極酸化塗装複合被膜により被覆されたアルミニウムにより作られているが、特に限定されない。
図1と図2に示すように、チャンバ本体10は、前面側から見ると縦長の長方形になっている。図1と図2に示すように、チャンバ本体10は、上ケース部19と、架台部25を有する。上ケース部19は、架台部25と一体化されて構造になっており、架台部25の上に配置されている。
図2に示すように、チャンバ本体10の上ケース部19は、傾斜した前面部20と、上面部21と、背面部22と、左右の側面部23,24を有している。図1から図3に示すように、架台部25は、縦方向の枠部材25A,25Bと横方向の枠部材25C,25D等を連結することにより作られており、架台部25の内部は、天秤台11を収納する収納空間Gになっている。
図1と図2に示すように、架台部25の縦方向の枠部材25A,25Bには、例えば上下2段の固定棚25Eが取り付けられている。固定棚25Eの下には、排水タンク25Gが配置されている。架台部25の下端部の四隅には、高さ調整具としてのアジャスタ26が取り付けられており、各アジャスタ26を回転させることで、床面FW上において架台部25を水平に保持することができる。
図2に示すように、前面部20は、水平線HLに対して角度θだけ傾いており、図1と図2に示すように前面開口30を有している。図2に示すように、この前面開口30は、縦方向の最大開口幅OPを有している。図1に示すように、前面開口30には、上下可動ガラス板31が配置されており、この上下可動ガラス板31は、左右の案内レール32,33に沿って斜め上下方向に移動可能である。
図1に示すように、上下可動ガラス板31には、窓枠34,35が配置されており、窓枠34,35の間には、窓ガラス36,37が配置されている。これらの窓ガラス36,37には、グローブポート38,39が設けられている。グローブポート38,39は、それぞれ作業者の手を挿入して作業空間SP内で作業を行うための挿肢口である。窓ガラス36には、2つの取手40が設けられている。作業者が2つの取手40を把持して上下可動ガラス板31を上下させる。
図1と図2に示すように、グローブポート38,39は、袖の長いゴム手袋41が取り付けられている。このため、作業者は、両手をグローブポート38,39のゴム手袋41に入れることにより、作業者の両手は、図2に示す上ケース部19内の作業空間SP内にゴム手袋41に覆われたままで入れて、作業を行うことができる。
グローブポート38,39は、図1の矢印で示すように、左右方向に移動可能であり、上下方向にも移動可能である。また、図2には、上下可動ガラス板31を上下することで、グローブポート38,39が上下方向に移動する際の最上点UPと最下点LPを示している。また、上下可動ガラス板31と窓枠34,35は、図2に示すように、矢印RR方向に跳ね上げることができる、跳ね上げ式の扉になっている。
なお、上述した上ケース部19の前面部20におけるグローブポート38,39の左右方向と上下方向への手動式の移動構造は、例えば特開2013−230423号公報に記載されているものを採用できる。
図1に示すように、上ケース部19の上には、LED照明19Aと、LED照明スイッチ19Bと、配電盤19Cが配置されている。LED照明19Aは、上ケース部19の内部の作業空間SPを照明する。図1と図2に示すように、作業空間SP内には、温湿度センサSSが配置されている。
図5は、作業空間内SPにおける通気性を有する筒状のダクト43の取付け例を示している。
図1と図2に示すように、上ケース部19の作業空間SPの天井部分には、通気性を有する筒状のダクト43が、作業空間SP内の左右方向に沿って配置されている。通気性を有する筒状のダクト43は、ソックスダクトともいい、空気を通すことができる材料、例えば不織布により作られている。図5に示すように、通気性を有する筒状のダクト43の先端部43Mは閉じた袋形状になっている。通気性を有する筒状のダクト43の基部43Nは、開口部を有している。通気性を有する筒状のダクト43は、上ケース部19の上面部21の内面の天井部分には固定された支持レール43Rに対して、複数の支持具43Tにより支持されている。これにより、通気性を有する筒状のダクト43に空気が供給されて膨張している時であっても、空気が供給されておらずに縮んでいる場合でも、通気性を有する筒状のダクト43には負荷を掛けないようにして、通気性を有する筒状のダクト43を支持レール43Rにより保持できる。
図1に戻ると、左側の側面部23には、給気接続口44が配置されている。給気接続口44には、通気性を有する筒状のダクト43の開口された基部43Nが着脱可能に接続されている。
図2と図3に示すように、チャンバ本体10の架台部25の後部には、下方排気ボックス45が配置されている。この下方排気ボックス45は、作業空間SP内の空気を排気する部分であり、下方吸込み部46と排気接続口47を有している。下方吸込み部46は、排気接続口47に繋がっており、例えばステンレスダンパダクトである。
なお、図2に示すチャンバ本体10の上ケース部19を構成している上面部21と、左右の側面部23,24と、背面部22の内部には、発泡断熱材が充填あるいは成型断熱材が配設されていることにより、上ケース部19の断熱性能を上げている。
次に、チャンバ本体10の下方吸込み部46付近の構造例を説明する。
図6は、チャンバ本体10の下方吸込み部46付近を示す平面図である。図6では、図面の簡単化のために、チャンバ本体10の下方吸込み部46の左側半分を示しているが、下方吸込み部46は左右対称形状を有している。
図6に示すように、下方吸込み部46は、作業空間SPにおいて、天秤台11の作業面50の後方の位置に配置されている。図2に示すように、下方吸込み部46は、通気性を有する筒状のダクト43のほぼ下部の位置に配置されている。
下方吸込み部46は、左右の側面部23,24の内面23N,24Nと、背面部22の内面22Nに密着して配置され、しかもネジ50Aを用いて着脱可能に固定されている。下方吸込み部46は、多数の孔を有する例えばパンチングメタルであるが、特に限定されない。
次に、図1と図2に示す天秤台11について、図7を参照して説明する。
図7(A)は、天秤台11の正面図であり、図7(B)は、天秤台11の平面図である。図7(C)は、天秤台11の右側面図である。
図7に示すように、天秤台11は、甲板51と、左右の側面部52,53と、背面板54と、両開き扉55,56と、底部の四隅位置に配置された高さの調整具であるアジャスタ57を有している。左右の側面部52,53と、背面板54と、両開き扉55,56は、例えば冷間圧延鋼板により作られている。甲板51の上面は、長方形状の作業面50となっており、水平に保持されている作業面50の上には、後で説明する天秤120等(図8と図9を参照)を載せて、物質である例えば2.5μm以下の微小粒子状物質PM(パーティクルマター)の精密な秤量作業を行うことができるようになっている。
この甲板51は、金属板等に比べて重く寸法精度の高い材料、例えば人造研ぎ出しコンクリートにより作られた板状の部材である。しかも甲板51の裏面と、左右の側面部52,53と、背面板54の間には、制振材として例えばフィルト材58が貼り付けられている。これにより、甲板51が重量物であることと、フェルト材58が貼りけられているので、天秤台11の作業面50における制振性能を確保することができる。フェルト58を配置することで、甲板51の裏面は、左右の側面部52,53の上端部と、背面板54等の上端部との間で、制振性能を確保することができる。
図7(A)と図7(C)に示すように、左右の側面部52,53の底部の四隅位置には、アジャスタ57が取り付けられており、各アジャスタ57を回転させることで、床面FW上において天秤台11を水平に保持することができる。
図7に示す天秤台11は、図1と図2に示すように、チャンバ本体10の架台部25内の収納空間Gに配置されている。
この天秤台11は、図3に示すように、チャンバ本体10の架台部25内の収納空間Gにおいて、架台部25に対して、距離を離して(離間して)接触しないように配置されている。すなわち、チャンバ本体10と天秤台11は、別構造体になっており、しかも天秤台11のどの部分も、チャンバ本体10に対しては全く接触していない状態になっている。
天秤台11がチャンバ本体10の架台部25内の収納空間Gにおいて、架台部25に対して離間している構造例を、さらに詳しく説明する。
図6に示すように、天秤台11において最もサイズの大きい長方形状の甲板51の左右の側部51A,51Bは、左右の側面23,24の内面23N、24Nから、所定の間隔Dをおいて離してあり、甲板51の後部51Cは、下方吸込み部46の内面46Nから、所定の隙間Dをおいて離してある。この隙間Dは、例えば2.5mmあるいは3.0mmであるが、特に限定されない。甲板51の前部51Dも、チャンバ本体10の架台部25から所定の隙間だけ離してある。つまり、天秤台11の甲板51の四方の側部は、チャンバ本体10から離れていて、接触しないようになっている。
これにより、天秤台11は、チャンバ本体10側からは完全に離間されており、天秤台11にはチャンバ本体10側から振動が伝わらないようになっている。作業者がチャンバ本体10の扉を開閉する時や、作業者がグローブポート38,39に手と腕を入れて操作する際に生じる振動を、天秤台11と天秤台11上に配置された天秤等には伝えないように、振動について縁切りした状態にすることができる。
特に、作業者がグローブポート38,39に手と腕を入れて操作する際には、挿肢口であるグローブポート38,39に腕を載せることで、手と腕とゴム手袋41が天秤台11には直接触れることが無い。このため、天秤は精密な秤量が可能になる。つまり、チャンバ本体10が、作業者の腕を支えており振動が発生するが、この振動は、チャンバ本体10から天秤台11側には全く伝わらないようになっている。
次に、図1と図4に示す環境制御装置12について説明する。
図1と図4に示す環境制御装置12は、チャンバ本体10内に、恒温恒湿の空気を送るための恒温恒湿装置である。図1に示すように、環境制御装置12は、制御空気吐出口12Pと吸放熱空気吐出口12Rを有する。この環境制御装置12の上部の制御空気吐出口12Pと、チャンバ本体10の給気接続口44の間には、給気側のフレキシブルダクト60が着脱可能に接続されている。また、環境制御装置12の側部と、排気接続口47の間には、排気側のフレキシブルダクト61が着脱可能に接続されている。
このように、環境制御装置12とチャンバ本体10の間の接続は、例えば柔軟性に優れる蛇腹状のフレキシブルパイプによって構成される、給気側のフレキシブルダクト60と排気側のフレキシブルダクト61を用いることにより、環境制御装置12が動作時に発生する振動を、給気側のフレキシブルダクト60と排気側のフレキシブルダクト61により吸収させることができる。これにより、環境制御装置12が動作時に発生する振動を、チャンバ本体10側に伝えないようにすることができる。
図1に示す環境制御装置12が動作すると、例えば一定の空気(制御空気)を、給気側のフレキシブルダクト60を介して、チャンバ本体10の通気性を有する筒状のダクト43に供給することができる。通気性を有する筒状のダクト43から放出される一定に制御された空気(制御空気)は、例えば−60℃以下の露点空気を発生し、−30℃以下の露点空気として、チャンバ本体10の作業空間SP内に供給される。これにより作業空間SP内の作業環境が一定に制御される。
その後、制御空気は、作業空間SP内から、図6に示す下方吸込み部46と排気接続口47と排気側のフレキシブルダクト61を経て、環境制御装置12に戻されるようになっている。
次に、図8と図9は、上述した構成のチャンバ装置1の具体的な使用例を示している。
図8と図9に示すように、天秤台11の甲板51の作業面50の上には、捕集体保持具110と、天秤120等が載っている。
この天秤120は、秤量部103と、表示部113に分かれている。秤量部103だけでなく表示部113を、作業空間SPに設置しているのは、表示部113のサイド部に非接触式センサが設けられており、作業者が、この非接触センサに手をかざすことで、秤量部103の開閉扉104の開閉動作を自動的に行うことができるようにしているためである。なお、表示部113は、ほとんど電気を消費しないので、熱源や対流源にはなり得ない。
図8に示すように、例えば、制御部200は、表示部113から秤量値のデータを得るとともに、温湿度センサSSから作業空間SP内の温度と湿度のデータを得る。また、制御部200は、環境制御装置12の動作開始と停止の指令を行うこともできる。制御部200は、配電盤19Cに電源供給を行う。
次に、上述したチャンバ装置1の使用例を説明する。
図10(A)は、制御空気が作業空間内に供給される様子を示す正面図であり、図10(B)は、制御空気が作業空間内に供給される様子を示す側面図である。
近年、粉体は微粒子化され、ナノメートルサイズ化された粉体は、揮発性液体と同様に拡散し易くなっている。このような粉体のサンプルの秤量や分注作業では、マイクログラムオーダーの精密な秤量の要求が増えている。粉体のサンプルを秤量や小分けをする場合には、粉体が飛散したり拡散するのを防がなければならない。
また、微粉体や揮発性液体の一部には、吸湿性の高いものがある。吸湿性の高い微粉体や揮発性液体の秤量や小分け作業では、作業空間SP内を低露点の環境にする必要がある。しかも、サンプルを精密に秤量する場合に、天秤120が安定的に動作する必要がある。
そこで、天秤120を安定的に使用できるようにするためには、作業者がチャンバ本体10のグローブポート38,39に手と腕を入れて作業空間SP内で作業を行う場合に生じる振動や、環境発生装置12が発生する振動や、制御空気を作業空間SP内に供給する際の風の影響を除く必要がある。
チャンバ本体10の作業空間SP内は、微陽圧にする必要があるが、このような微陽圧にするための調整は、制御空気の給気量と排気量(リターン量)をおおよそ合わせることで可能である。
このため、作業空間SP内の圧力調整等は特に必要ではない。作業環境SP内での露点空気は−30℃以下が多く望まれるものであるので、これに対応するために、環境発生装置12が発生する制御空気は−60℃以下の露点空気であることが望ましい。
図1と図8に示すように、天秤台11は、図3に示すように、チャンバ本体10の架台部25内の収納空間Gにおいて、架台部25に対して、距離を離して接触しないように配置されている。すなわち、チャンバ本体10と天秤台11は、別構造体になっており、しかも天秤台11のどの部分も、チャンバ本体10に対しては全く接触していない状態になっている。
図1に示すように、環境制御装置12の上部とチャンバ本体10の給気接続口44の間には、給気側のフレキシブルダクト60が接続され、環境制御装置12の側部と排気接続口47の間には、排気側のフレキシブルダクト61が接続されている。
環境制御装置12が作動すると、例えば−60℃以下の露点空気を発生する。環境制御装置12が、低露点の制御空気を給気側のフレキシブルダクト60を介して、チャンバ本体10内の通気性を有する筒状のダクト43に供給する。
これにより、通気性を有する筒状のダクト43は、図10に例示するように、低露点の制御空気(露点空気)ARの吹き出し圧力が1立方メートル/分であるように、制御空気ARを矢印で示すように作業空間SP内で周囲に均一に吹き出すことで、作業空間SP内の環境制御を行うことができる。これにより、天秤120は、作業空間SPにおいて安定して精密な秤量を行うことができる。
制御空気として通気性を有する筒状のダクト43に供給して吹き出された低露点の制御空気ARは、図2に示す下方排気ボックス45の下方吸込み部46と排気接続口47と、排気側のフレキシブルダクト61を経て、図1に示す環境制御装置12に戻すことで、作業空間SP内は、例えばわずかに陽圧(微陽圧)の状態にすることができる。
ただし、この低露点の制御空気ARの吹き出し圧力の最適値は1立方メートル/分であるが、0.5〜2.0立方メートル/分の範囲で選択することができる。
このように作業空間SP内の環境が一定になるように環境制御を行っており、しかも振動が無いようにした状態で、例えば次に示すようなPM2.5の精密な秤量を行うことができる。
例えば、図9に示すように、天秤120の秤量部103は、第1フィルタ収納部111からフィルタFを1枚ずつ取り出した後にこのフィルタFを収容して、フィルタFによるPM2.5の採取前とフィルタFによるPM2.5の採取後の重量差を求めて、その重量差の値を、試料大気の吸引量で除することによって、PM2.5の質量濃度を算定する。
具体的には、図9に示すように、作業者は、例えば捕集体保持具110の第1フィルタ収納部111内から、矢印P1で示すように、1枚のフィルタFをピンセットで掴んで、フィルタFを縦方向にしたまま取出して、その後矢印P2で示すように、このフィルタFを水平状態にする。そして、天秤103の開閉扉104を開けて、この水平状態になっているフィルタFを、矢印P3で示すように、天秤103の秤量室103Aに入れる。
これにより、フィルタFによるPM2.5の採取前とフィルタFによるPM2.5の採取後の重量差を求めて、その重量差の値を、試料大気の吸引量で除することによって、PM2.5の質量濃度を算定する。
図9に示すように、PM2.5の質量濃度を算定後、フィルタFは、矢印P4で示すように、ピンセットで挟んで秤量室103Aから水平状態のまま取り出して、矢印P5で示すように、再びフィルタFを縦方向に向ける。そして、縦方向にしたフィルタFは、矢印P6で示すように、第2フィルタ収納部112内に戻すようになっている。
これにより、第1フィルタ収納部111内から取り出したフィルタFの表面Hと裏面Bが反転してしまわないように、第2フィルタ収納部112内に戻すことができるようになっている。従って、フィルタFの表面Hと裏面Bが反転されてしまうことを完全に防ぐことができる。フィルタFの表面H側を必ず上に向けて天秤103の秤量室103A内に設置できる。
このように天秤120を用いて精密な秤量を行う場合に、図1に示す環境制御装置12が発生する振動が、チャンバ本体10に伝わらないようにして、環境制御された低露点の作業空間SP内で、精密な秤量等の作業を行うことができる。
しかも、天秤台11は、図3に示すように、チャンバ本体10の架台部25内の収納空間Gにおいて、架台部25に対して、隙間を設けて、すなわち離間して、接触しないように配置されている。すなわち、チャンバ本体10と天秤台11は、別構造体になっており、しかも天秤台11のどの部分も、チャンバ本体10に対しては全く接触していない状態になっている。つまり、天秤台11は、防振機能を有して、精密な天秤120を載せて精密な秤量を行うことができる作業台である。
これにより、天秤台11にはチャンバ本体10側から振動が伝わらない。作業者がチャンバ本体10の前面部の扉を開閉する時や、作業者がグローブポート38,39に手と腕を入れて操作する際に生じる振動を、天秤台11上に配置された天秤120等には伝えないように、振動について縁切りをすることができる。
特に、作業者がグローブポート38,39に手と腕を入れて操作する際には、挿肢口であるグローブポート38,39に腕を載せることで、天秤台11には直接触れることなく、精密な秤量が可能になる。つまり、チャンバ本体10が、作業者の腕を支えており振動が発生するが、この振動は、チャンバ本体10から天秤台11側には伝わらない。
図1に示すように、環境制御装置12とチャンバ本体10は、給気側のフレキシブルダクト60と給気接続口44と、排気側のフレキシブルダクト61と排気接続口47を介して接続されている。これにより、環境制御装置12が発生する振動を、給気側のフレキシブルダクト60と排気側のフレキシブルダクト61により吸収するので、チャンバ本体10に伝わるのを防げることができる。
チャンバ本体10、天秤台11、そして環境制御装置12が設置される床面FWには、防振マットを配置すれば、さらに防振効果が上がる。
(第2実施形態)
図11は、本発明の第2実施形態を示す斜視図である。
図11に示す本発明の第2実施形態では、通気性を有する筒状のダクト143が、作業空間SP内において、上部ケース部19に取り付けられている。
すでに説明したように、図5に示す第1実施形態の筒状のダクト43は、閉じた先端部43Mと、開口部を有する基部43Nを有している。このダクト43は、上部ケース部19の上面部21の内面の天井部分に固定されている支持レール43Rに対して、3つの支持具43Tにより、吊り下げるようにして支持されている。
これに対して、図11に示す通気性を有するダクト143は、閉じた先端部143Mと、基部143Nを有している。この基部143Nは、開口部143Pを有している。支持レール150は、2つの支持具160,161を用いて、ダクト143を水平状態で吊り下げるようにして支持している。支持レール150は、直線移動方向LLに沿って、上部ケース部19の上面部21の内面の天井部分に固定されている。
図11に示すように、ダクト143は、低露点の制御空気(露点空気)ARを吹き出すための通気性を有する筒状の吹出し部170と、支持部分171を有している。この吹出し部170は、ダクト143の直線移動方向LLに沿って、先端部143Mから基部143Nに至るまで、筒状に形成されている。
ダクト143の材質は、低露点の制御空気(露点空気)ARを吹き出すための通気性を有する、例えば不織布である。
図1に示すチャンバ本体10の幅(間口)は、客先の要望に応じて、適宜変更されるが、その場合には、ダクト143の長さは同じものを使うことができる。しかし、ダクト143の長さは、チャンバ本体10の幅に応じて選択して最適化しても良い。
具体的な寸法例を挙げれば、例えば、チャンバ本体10の間口が1500mmである場合に用いられるダクトの長さは、基本的には標準(チャンバ本体10の間口が1000mm)の場合に用いられるダクトの長さと同様とすることができる。
支持部分171は、吹出し部170から連続して形成されており、2つの支持具160,161により支持するための部分であって、先端部143Mから基部143Nに至るまで、筒状にならない形状である。
この支持部分171は、例えばダクト143に対して、直線移動方向LLに縫い目155を入れることで、吹出し部170とは区別するようにして形成されており、この支持部分171には、低露点の制御空気(露点空気)ARは通らない。
次に、図12と図13を参照して、ダクト143の基部143Nの取り付け構造例を説明する。
図12は、ダクト143の基部143Nが、着脱可能に取り付けられている構造例を示す斜視図であり、図13は、図12に示す基部143Nの取り付け構造例を示す断面図である。
図12と図13を参照すると、上ケース部19の左の側面部23には、例えば円形状の孔23Hが形成されている。この側面部23の孔23H内には、低露点の制御空気(露点空気)ARを供給する給気接続口44の端部が配置されている。
ダクト143の基部143Nは、給気接続口44に対して、給気接続口44の外周面に被せてあり、この基部143Nは、金属製あるいはプラスチック製の締結バンド180を用いて着脱可能に固定されている。これにより、作業者は、使用したダクト143を、締結バンド180を取り外して容易に取り除くことができ、使用したダクト143は、新しいダクト143と交換することができる。
図14は、図11に示す支持具160とダクト143の支持部分171の付近を示している。
図14に示すように、支持レール150は、支持具160の直線ガイド部165を有している。支持具160は、この直線ガイド部165により吊り下げられており、支持具160は、直線移動方向LLに移動して位置決め可能である。
この支持具160は、金属製あるいはプラスチック製であり、基部160Aと、連結部材160Bを有している。基部160Aは、支持レール150の直線ガイド部165にから直接吊り下げられている。連結部材160Bの一端部160Cは、基部160Aに対して固定されている。連結部材160Bの他端部160Dは、ダクト143の支持部分171に設けられた取付け孔部172にはめ込んで固定されている。
取付け孔部172は、ダクト143の支持部分171の長手方向のほぼ中間位置に配置されている。連結部材160Bは、取付け孔部172から取り外すことができるようになっている。これにより、ダクト143の中間部分143Rは、支持具160を用いて、支持レール150に対して交換可能に吊り下げられている。
図15は、図11に示す支持具160,161とダクト143の支持部分171の付近を示している。図16は、図11に示す支持具161とダクト143の支持部分171の付近を示している。
図15に示すように、支持レール150は、支持具160の直線ガイド部165を有している。支持具160は、この直線ガイド部165により吊り下げられており、支持具160は、直線移動方向LLに移動して位置決め可能である。
一方、図16に示すように、支持具161は、キャップ部材190と、連結部材191を有している。キャップ部材190は、支持レール150の第2レール部202の端部にはめ込まれて固定されており、金属あるいはプラスチック製の部材である。キャップ部材190は、取付け孔192を有している。連結部材191の一端部193は、取付け孔192に連結され、連結部材191の他端部194は、ダクト143の支持部分171に設けられた取付け孔部195にはめ込んで固定されている。
連結部材191は、取付け孔部195から取り外すことができるようになっている。これにより、ダクト143の先端部143Mは、支持具161を用いて、支持レール150の第2レール部202に対して交換可能に吊り下げられている。
上述したダクト143を使用する場合には、図13に示す給気接続口44から、通気性を有するダクト143の筒状の吹出し部170に、低露点の制御空気ARが供給されて膨張している時であっても、低露点の制御空気ARが供給されておらず縮んでいる時でも、ダクト143自体に負荷を与えないようにして、ダクト143は、支持レール150により自由状態でつり下げて支持できる。
ところで、図15と図16に示すように、支持レール150は、第1レール部201と第2レール部202により構成されている。この第1レール部201は、中空部材であり、第2レール部202は、第1レール部201内に収納することができる。図16に示すように、キャップ部材190は、第2レール部202の先端部に固定されている。
このような収納構造を採用することで、支持レール150の直線移動方向LLの長さは、ダクト143の先端部143Mから基部143Nまでの長さの大小に応じて、調整することができる。従って、必要とするダクト143の長さに合わせて、支持レール150の全長を調整することができるので、支持レール150は、ダクト143のサイズが異なっても、使用するダクト143の各サイズに対応して、容易にダクト143を吊るした状態で保持することができる。
図1に示す環境制御装置12が作動すると、例えば−60℃以下の露点空気を発生し、この低露点の制御空気は、給気側のフレキシブルダクト60の給気接続口44を介して、図13に示すように、チャンバ本体10内の作業空間SPにあるダクト143内に供給することができる。
これにより、ダクト143の吹出し部170は、図10に例示するのと同様にして、低露点の制御空気ARを矢印で示すように作業空間SP内で均一に吹き出すことで、作業空間SP内の環境制御を行うことができる。これにより、図8に示す天秤120は、作業空間SPにおいて安定して精密な秤量をすることができる。
ダクト143の吹出し部170から吹き出された低露点の制御空気ARは、図1に示す下方排気ボックス45の下方吸込み部46と排気接続口47と、排気側のフレキシブルダクト61を経て、環境制御装置12に戻ることで、作業空間SP内は、例えばわずかに陽圧(微陽圧)の状態にすることができる。この際の低露点の制御空気ARの吹き出し風量の最適値は、1立方メートル/分であるが、0.5〜3.0立方メートル/分の範囲で選択することができる。
ところで、ダクトの構造や支持レールの構造は、図5に示す第1実施形態や図11から図16に示す第2実施形態のものに限らない。例えば、ダクト43,143の形状や、支持レール43R、150の形状、支持具160,161の形状や数等は、任意に選択することができる。
本発明の実施形態のチャンバ装置1は、作業空間において物質の秤量を行うチャンバ装置であって、作業空間を有するチャンバ本体と、チャンバ本体内に配置されて、作業空間内で物質の秤量を行う天秤を載せる天秤台と、を備え、天秤台は、チャンバ本体から離間して配置されている。これにより、作業空間内で物質の秤量を行う天秤を載せる天秤台は、チャンバ本体から離間して配置されているので、チャンバ本体側で生じた振動を天秤台上の天秤に振動を伝えないようにして、天秤による精密な秤量を行うことができる。
チャンバ装置1は、制御空気を作業空間内に供給して作業空間内の環境を制御する環境制御装置12を備え、環境制御装置12は、チャンバ本体10と天秤台11とは別体になっており、環境制御装置12がチャンバ本体10に、フレキシブルダクト60,61を介して接続されている。これにより、環境制御装置は、チャンバ本体と天秤台とは別体になっており、環境制御装置がチャンバ本体に、フレキシブルダクトを介して接続されている環境制御装置が制御空気を発生する際に生じる振動は、フレキシブルダクトにより吸収される。このため、この振動はチャンバ本体と天秤台には伝わらず、天秤による精密な秤量を行うことができる。
環境制御装置が発生する制御空気は、チャンバ本体10の作業空間SPに配置されている通気性を有する筒状のダクトに供給される。これにより、制御空気を、通気性を有する筒状のダクトから作業空間内に供給するので、制御空気を低風量でしかも低風速で安定して作業空間内に供給でき、天秤による精密な秤量を行うことができる。
通気性を有する筒状のダクト43は、作業空間の後部であってしかも上部に配置されている。これにより、通気性を有する筒状のダクトは、天秤による秤量作業に邪魔にならない作業空間の後部でしかも上部から、制御空気を低風量でしかも低風速で安定して作業空間内に供給できる。
通気性を有する筒状のダクトから作業空間SPに吹き出される制御空気の吹き出し風量の最適値は、1立方メートル/分である。これにより、通気性を有する筒状のダクトから作業空間に吹き出される制御空気の吹き出し圧力を、1立方メートル/分とすることで、天秤は、作業空間において安定して精密な秤量を行うことができる。
チャンバ本体の前面部には、作業者の手を挿入して作業空間内で作業を行うための挿肢口が設けられており、挿肢口は、左右方向と上下方向に移動可能である。これにより、挿肢口は、左右方向と上下方向に移動可能であるので、作業者の手の位置を、秤量作業に応じて自由に移動することができるので、天秤による精密な秤量作業が容易に行える。
天秤台の甲板は、重量物で作られている。これにより、天秤台の甲板が重量物であるので、甲板には振動を伝え難くすることができ、天秤を載せた状態で、天秤による精密な秤量作業を安定して行える。
チャンバ本体10は、作業空間に供給された制御空気を、下方に吸い込んで環境制御装置に戻す下方吸込み部を備える。これにより、作業空間に供給された制御空気は、作業空間から下方に吸込んで、環境制御装置側に戻すことができる。
本発明の実施形態のチャンバ装置1は、ダクト143の長さに応じてダクト143を支持する支持レール150を有し、この支持レール150は、作業空間SPを形成している天井部分に設けられている。このため、支持レール150は、ダクト143の大きさのサイズに応じて確実に支持でき、ダクト143を作業空間SPの天井部分に配置できるので、ダクト143が作業空間SPにおける作業の邪魔にならないようにすることができる。
ダクト143は、支持レール150に移動可能に取り付けられた支持具160,161に対して、着脱可能に吊り下げられている。このため、作業者は、使用したダクト143を新しいダクト143に交換する場合に、使用したダクト143を支持具160,161から取り外して、新しいダクト143を取り付けて吊り下げることができ、ダクト143の交換が簡単に行える。
ダクト143は、閉じた先端部143Mと、開口部143Pを有する基部143Nと、を有し、基部143Nは、フレキシブルダクトの給気接続口44に対して着脱可能に接続されている。このため、使用したダクトを新しいダクトに交換する場合に、使用したダクトの基部をフレキシブルダクトの給気接続口から取り外して、新しいダクトの基部をフレキシブルダクトの給気接続口に接続すればよいので、ダクトの交換が簡単に行える。
以上、実施形態を挙げて本発明を説明したが、各実施形態は一例であり、特許請求の範囲に記載される発明の範囲は、発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更できるものである。
環境制御装置12が発生する制御空気としては、チャンバ本体10の作業空間SPの環境を制御するために供給される一定の制御空気としては、例えば21.5℃プラスマイナス1.5℃で、35%プラスマイナス5%の温湿度の空気で、天秤120は、作業空間SPにおいて安定して秤量を行うことができる。
1 チャンバ装置
10 チャンバ本体
11 天秤台
12 環境制御装置
39,39 挿肢口であるグローブポート
46 下方吸込み部
50 天秤台の作業面
51 天秤台の甲板
60 給気側のフレキシブルダクト
61 排気側のフレキシブルダクト
120 天秤
143 ダクト
150 支持レール
160,161 支持具
AR 制御空気(低露点の空気)
SP チャンバ本体の作業空間

Claims (11)

  1. 作業空間において物質の秤量を行うチャンバ装置であって、
    前記作業空間を有し、内部が外部に対して閉じたクローズドチャンバであるチャンバ本体と、
    前記チャンバ本体内に配置されて、前記作業空間内で前記物質の秤量を行う天秤を載せる天秤台と、を備え、
    前記チャンバ本体の前面部には、作業者の手を挿入して前記作業空間内で作業を行うための挿肢口が設けられており、前記挿肢口は、左右方向と上下方向に移動可能な構成であり、
    前記天秤台は、前記チャンバ本体から離間して配置されていることを特徴とするチャンバ装置。
  2. 前記チャンバ本体内に、前記作業空間内の空気を排気する下方排気ボックスが前記天秤台から離間して配置されていることを特徴とする請求項1に記載のチャンバ装置。
  3. 制御空気を前記作業空間内に供給して前記作業空間内の環境を制御する環境制御装置を備え、前記環境制御装置は、前記チャンバ本体と前記天秤台とは別体になっており、前記環境制御装置が前記チャンバ本体に、フレキシブルダクトを介して接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載のチャンバ装置。
  4. 前記環境制御装置が発生する前記制御空気は、前記チャンバ本体の前記作業空間に配置されている通気性を有する筒状のダクトに供給されることを特徴とする請求項3に記載のチャンバ装置。
  5. 前記通気性を有する筒状のダクトは、前記作業空間の後部であってしかも上部に配置されていることを特徴とする請求項4に記載のチャンバ装置。
  6. 前記通気性を有する筒状のダクトから前記作業空間に吹き出される前記制御空気の吹き出し圧力の最適値は、1立方メートル/分であることを特徴とする請求項4又は5に記載のチャンバ装置。
  7. 前記天秤台の甲板は、重量物で作られていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のチャンバ装置。
  8. 前記チャンバ本体は、前記作業空間に供給された前記制御空気を、下方に吸い込んで前記環境制御装置に戻す下方吸込み部を有することを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載のチャンバ装置。
  9. 前記ダクトの長さに応じて前記ダクトを支持する支持レールを有し、前記支持レールは、前記作業空間を形成している天井部分に設けられていることを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載のチャンバ装置。
  10. 前記ダクトは、前記支持レールに移動可能に取り付けられた支持具に対して、着脱可能に吊り下げられていることを特徴とする請求項9に記載のチャンバ装置。
  11. 前記ダクトは、閉じた先端部と、開口部を有する基部と、を有し、前記基部は、前記フレキシブルダクトの給気接続口に対して着脱可能に接続されていることを特徴とする請求項9又は10に記載のチャンバ装置。
JP2014215998A 2014-08-29 2014-10-23 チャンバ装置 Active JP6470941B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014215998A JP6470941B2 (ja) 2014-08-29 2014-10-23 チャンバ装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014175181 2014-08-29
JP2014175181 2014-08-29
JP2014215998A JP6470941B2 (ja) 2014-08-29 2014-10-23 チャンバ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016050930A JP2016050930A (ja) 2016-04-11
JP6470941B2 true JP6470941B2 (ja) 2019-02-13

Family

ID=55658518

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014215998A Active JP6470941B2 (ja) 2014-08-29 2014-10-23 チャンバ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6470941B2 (ja)

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4895649U (ja) * 1972-01-22 1973-11-14
JPS53138864U (ja) * 1977-04-07 1978-11-02
JPH08226738A (ja) * 1995-02-21 1996-09-03 Nippon Light Metal Co Ltd 冷蔵倉庫の冷却装置
JPH10253436A (ja) * 1997-03-06 1998-09-25 Fuji Elelctrochem Co Ltd 帯電しやすい粉体を精密に秤量する方法
JP2000230748A (ja) * 1999-02-05 2000-08-22 Sanyo Electric Co Ltd 冷却装置
JP2009243780A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Panasonic Corp 塗装作業用送風ダクトおよび塗装作業用給気装置
JP5578726B2 (ja) * 2010-12-15 2014-08-27 大成建設株式会社 クリーンブース
JP2012220105A (ja) * 2011-04-08 2012-11-12 Hitachi Industrial Equipment Systems Co Ltd 安全キャビネット

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016050930A (ja) 2016-04-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN204255789U (zh) 一种恒温恒湿洁净称量环境控制设备
US20210025607A1 (en) Air extraction device for protecting people from pollutant emissions
JPH06148198A (ja) 分析機器の汚染防止装置
US10520398B2 (en) Micromanipulator for a cryomicrotome
US20130149948A1 (en) Machining Tools, Waste Removal Devices, and Related Methods
EP2041754B1 (en) Controlled environment cabinet and its use
CN107219235A (zh) 一种风能红外探伤仪及其操作系统
JP6088155B2 (ja) 手腕挿入開口可動式フード
JP6470941B2 (ja) チャンバ装置
CN104458484B (zh) 一种恒温恒湿洁净称量环境控制设备
CN109483006A (zh) 一种带有激光水平仪的切割装置
JP6542609B2 (ja) 機器封じ込め装置
JP2002273594A (ja) 熱切断加工装置における集塵装置
CN107449684A (zh) 一种人机互动颗粒物自动称重装置
CN205107922U (zh) 一种胃肠外科手术辅助架
CN212634539U (zh) 一种自行车车架生产用切割装置
JP2017006882A (ja) 機器封じ込め装置
JP2017000978A (ja) 機器封じ込め装置
CN206779077U (zh) 仪器仪表用通风除尘设备
US20050145081A1 (en) Device for sectioning samples
JP3166890U (ja) 解剖・手術台
JP5110443B2 (ja) 処置台上で発生する有害物の捕集・除去装置
JP6588349B2 (ja) 封じ込めシステム
CN218743816U (zh) 多功能通风防尘毒的实验室布局结构
CN104677569B (zh) 冷凝器氦气检漏机的氦气检漏机构

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170801

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180411

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180529

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180724

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190108

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190121

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6470941

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250