JP6470074B2 - コネクタ - Google Patents

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本発明は、例えば自動車のエンジン制御に係る電子制御装置に適用され、該電子制御装置におけるプリント配線基板との電気接続に供するコネクタに関する。
従来のプリント配線基板用のコネクタとしては、以下の特許文献1に記載されているものが知られている。
概略を説明すれば、このコネクタ100は、図8に示すように、ほぼL字形状に曲折された複数の端子102の一端側がコネクタハウジング101の挿通孔101aに挿通配置される一方、前記曲折により下方へと延出する他端側が前記各挿通孔101aよりも低い高さ位置に配置されるプリント配線基板103の接続孔103aに挿通して半田付けされることで、該プリント配線基板103に電気接続されている。
特開平6−45037号公報
しかしながら、前記従来のコネクタ100では、プリント配線基板103がコネクタハウジング101の下方へと張り出した構成となっているため、コネクタ100の高さ方向寸法が大型化してしまうという問題があった。
本発明は、前記従来の技術的課題に鑑みて案出されたものであって、コネクタの高さ方向寸法の小型化を実現し得るコネクタを提供することを目的としている。
本発明は、端子の一端側が、コネクタハウジングに上下複数段状に配列された挿通孔にそれぞれ挿通保持され、前記端子の他端側が、下方へと曲折されることによって、前記各挿通孔のうち少なくとも最下段の挿通孔と同等、又は該最下段の挿通孔よりも上方となる高さ位置に配置されるプリント配線基板の複数の接続孔にそれぞれ接続されると共に、前記各端子のうち少なくとも最下段の端子を除く一部の端子の他端側が、端子整列板の整列部に挿通することによって、該端子整列板により整列保持されたコネクタであって、前記端子整列板により整列されない非整列端子は、前記挿通孔に挿通される一端側の端子部と、前記下方曲折を経て前記接続孔に接続される他端側の接続部と、前記端子部と前記接続部との間の中間部に、前記端子部から上方へとほぼクランク状に曲折され、前記プリント配線基板よりも上方となる高さ位置に配置される迂回部と、を備えることを特徴としている。
このように、非整列端子の中間部に迂回部を設けて、プリント配線基板の高さ位置をコネクタハウジングの最下段の挿通孔以上に設定したことにより、該プリント配線基板の下方への張り出しを抑制することが可能となる。
ここで、本発明の好ましい一の態様として、前記コネクタハウジングの両側には、前記各端子を保護する保護壁が設けられ、前記保護壁には、前記非整列端子の整列状態を視認可能な窓部が設けられていることが望ましい。
なお、前述のようにプリント配線基板の高さ位置をコネクタハウジングの最下段の挿通孔以上に設定する場合には、該最下段の端子については整列板によって整列することができず、該最下段の端子とプリント配線基板の接続孔との接続性が悪化してしまうおそれがある。
そこで、端子保護のために設けた保護壁に、非整列端子の整列状態を視認可能な窓部を設けたことによって、端子整列板を利用できない非整列端子の整列状態についても確認でき、該非整列端子のプリント配線基板との良好な接続に供される。
また、本発明の好ましい他の態様として、前記窓部の上辺の高さ位置は、前記非整列端子の前記迂回部の上面とほぼ面一となるように設定されていることが望ましい。
このように、窓部の上辺と非整列端子の迂回部の上面とがほぼ面一となるように構成したことで、該窓部の上辺を、非整列端子の迂回部の高さ位置の良否判断の指標とすることが可能となって、該非整列端子の整列状態を容易かつ適確に判断することができる。
さらに、本発明の好ましい他の態様として、記窓部の側辺の幅方向位置は、前記非整列端子の前記接続部の外側面とほぼ面一となるように設定されていることが望ましい。
このように、窓部の側辺と非整列端子の接続部の外側面とがほぼ面一となるように構成したことで、該窓部の側辺を、非整列端子の接続部の下方曲折位置の良否判断指標とすることが可能となって、該非整列端子の整列状態を容易かつ適確に判断することができる。
本発明によれば、プリント配線基板の下方への張り出しを抑制することが可能となり、コネクタの高さ方向寸法の小型化を図ることができる。
本発明に係るコネクタの分解断面図である。 図1に示すコネクタを前方から見た斜視図である。 図1に示すコネクタを後方から見た斜視図である。 図1に示すコネクタの側面図である。 図3のA−A線断面図である。 図5に示す端子単体の側面図であって、(a)は上側端子、(b)は下側端子の中段端子、(c)は下側端子の最下段端子を表した図である。 図5に示すコネクタの組立工程を示す図であって、(a)は端子挿入工程、(b)は端子曲折工程、(c)は端子整列工程、(d)は端子接続工程を表した図である。 従来のコネクタを示す縦断面図である。
以下、本発明に係るコネクタの実施形態を図面に基づいて説明する。なお、下記の実施形態では、当該コネクタを自動車のエンジン制御に係る電子制御装置のプリント配線基板に適用したものである。また、以下の説明においては、便宜上、図1中のX軸方向を前後方向(X軸正方向を前)と、Y軸方向を上下方向(Y軸正方向を上)として説明する。
すなわち、このコネクタ1は、図1〜図3に示すように、端子3の一端側がコネクタハウジング2に上下複数段状に配列された挿通孔23にそれぞれ挿通保持されると共に、前記端子3の他端側が下方へと曲折されることで、前記各挿通孔23のうち少なくとも最下段挿通孔23aと同等、又は該最下段挿通孔23aよりも上方となる高さ位置に配置されるプリント配線基板5の複数の接続孔51にそれぞれ接続されると共に、前記各端子3のうち前記最下段端子34を除いた一部の端子31,33の他端側が、端子整列板4の整列部(後述する整列孔41又は整列溝42)に挿通することによって、該端子整列板4により整列保持されている。
前記コネクタハウジング2は、合成樹脂材料により一体に形成されるもので、図1〜図4に示すように、ほぼ矩形板状に形成された基部20と、該基部20よりも前方へ突設され、図示外の雌端子側コネクタに被嵌可能な有底角筒状に形成された1対の第1接続部21及び第2接続部22と、前記基部20において第1、第2接続部21,22の底壁を構成する第1、第2端壁21a,22aに上下複数段(本実施形態では、上下各3段の計6段で構成)に貫通形成され、前記各端子3の一端側を挿通保持する複数の挿通孔23と、前記基部20の両側端部より後方へ突設され、コネクタ1の運搬時や組立時等における前記各端子3の保護に供する1対の保護壁24,24と、前記両端壁21a,22a間を接続する接続壁より後方へ突設され、前記プリント配線基板5との固定に供する固定部26と、を備える。
前記保護壁24,24には、図3〜図5に示すように、後端側の下端部にプリント配線基板5を受容する基板受容部25,25が切欠形成されていて、該各基板受容部25,25の上端がそれぞれプリント配線基板5の表面に当接するように係合する。そして、この保護壁24,24には、前記各端子3の下方曲折部(後述する第2曲折部C2)を視認可能な矩形状の窓部28,28が切欠形成されている。
前記固定部26は、図1、図3に示すように、前記接続壁より後方へと延設された扁平状の腕部26aと、該腕部26aの先端部下側面に突設され、プリント配線基板5の係合孔52に係合可能に形成された係合突部26bと、から構成され、前記係合突部26bが前記プリント配線基板5の係合孔52に圧入されることで、該プリント配線基板5に係合固定される。
前記各端子3は、上側3段の比較的長い上側端子31と、下側3段の比較的短い下側端子32と、から構成される。ここで、上側端子31については、特に図6(a)に示すように、前方へ向かってほぼ直線状に延出し、前記各挿通孔23を通じて外部へと臨む一端側の端子部31aと、下方へ向かって延出し、前記各接続孔51に接続される他端側の接続部31bと、該接続部31bと前記端子部31aとの間に曲折形成され、前記端子部31aの後端より45度ずつ段階的に曲折してなる斜行状の曲折部31cと、により構成される。
一方、前記下側端子32のうち、上側の2本に相当する中段端子33は、特に図6(b)に示すように、前方へ向かってほぼ直線状に延出し、前記各挿通孔23を通じて外部へと臨む一端側の端子部33aと、該端子部33aの後端よりほぼ直角に曲折する曲折部33cを介して下方へ向かって延出し、前記各接続孔51に接続される他端側の接続部33bと、により構成される。
また、前記下側端子32のうち、下側の1本に相当する最下段端子34は、特に図6(c)に示すように、前方へ向かってほぼ直線状に延出し、前記各挿通孔23を通じて外部に臨む一端側の端子部34aと、該端子部34aの後端よりほぼ直角に曲折することで下方へと向かって延出し、前記各接続孔51に接続される他端側の接続部34bと、前記端子部34aと前記接続部34bとの間の中間部にて前記端子部34aから上方へとほぼクランク状に曲折形成され、プリント配線基板5よりも上方となる高さ位置に配置される迂回部34cと、により構成され、前記端子部34aと前記迂回部34cとの間のクランク状の第1曲折部C1と、前記迂回部34cと前記接続部34bとの間の直角状の第2曲折部C2とからなる2段階の曲折構造をもって構成されている。
ここで、前記各窓部28,28は、各上辺28a,28aの高さ位置が、前記各最下段端子34の迂回部34cの上面34dとほぼ面一となるように設定されている。すなわち、前記各窓部28,28の上辺28a,28aの高さ位置を指標として、外部から各窓部28,28を覗いて該各窓部28,28の上辺28a,28aと前記迂回部34cの上面34dとの一致を確認することで、前記迂回部34cの上下方向の位置ずれを目視、或いはカメラを介した画像処理により確認することが可能となっている。
さらに、前記各窓部28,28は、各側辺28b,28bの幅方向位置が、前記各最下段端子34の接続部34bの外側面34eとほぼ面一となるように設定されている。すなわち、前記各窓部28,28の側辺28b,28bの幅方向位置を指標として、外部から各窓部28,28を覗いて該各窓部28,28の側辺28b,28bと前記接続部34bの外側面34eとの一致を確認することで、前記接続部34bの前後方向の位置ずれを目視、或いはカメラを介した画像処理により確認可能となっている。
前記端子整列板4は、図1、図3及び図5に示すように、合成樹脂材料によりほぼ矩形板状に形成されてなるもので、前記各端子3の接続部31b,33bが挿通することにより該各端子3の整列に供する整列部としての複数の整列孔41及び整列溝42が、前記プリント配線基板5の各接続孔51に対応するかたちで設けられている。具体的には、上側4段に相当する、上側端子31と中段端子33の上側端子35については、上方から前記各整列孔41へと挿通することで、また、中段端子33の下側端子36については、側方から前記各整列溝42へと嵌入することで、それぞれ当該端子整列板4により整列保持されるようになっている。
以下、本実施形態に係るコネクタ1の組立工程について、特に図4、図7に基づいて説明する。
まず、最初に、図7(a)に示すように、前記コネクタハウジング2の各挿通孔23に、曲折加工を施す前のほぼ直線状の端子30を後方側より挿通する。なお、この際、前記最下段端子34については、予め前記第1曲折部C1について曲折加工を施し、該第1曲折部C1が形成されたものを、前記挿通孔23aへと挿通する。
続いて、図7(b)に示すように、前記コネクタハウジング2に挿通保持された各端子3の後端側について、前記各接続部31b,33b,34bを形成する曲折加工を施す。そして、図7(c)に示すように、前記上段端子31及び中段端子33の上側端子35については、前記各接続部31bを上方から端子整列板4の整列孔41に挿通し、中段端子33の下側端子36については、前記各接続部33bを側方から端子整列板4の整列溝42に嵌入することで、それぞれ端子整列板4により整列保持させる。
ここで、前記最下段端子34については、前記端子整列板4よりも低く、該端子整列板4によっては整列保持できないことから、前記各接続部34bにつき、前記プリント配線基板5の各接続孔51との位置ずれを生じているおそれがある。そして、かかる位置ずれを伴った状態で前記各接続部34bを前記プリント配線基板5の各接続孔51へと挿通しようとした場合、該各接続孔51に適切に接続できないおそれがある。
そこで、前記コネクタ1では、最下段端子34について第2曲折部C2の曲折加工を施した後、図4に示すように、外部からコネクタハウジング2の保護壁24,24の各窓部28,28を目視、又はカメラを介した画像処理をもって、各上辺28a,28aと迂回部34cの上面34dとの位置ずれ、又は各側辺28b,28bと接続部34bの外側面34eとの位置ずれを確認することにより、前記最下段端子34について前記各接続部34bの位置ずれを生じたままプリント配線基板5と接続してしまう不具合を未然に防ぐことができる。これにより、前記最下段端子34のプリント配線基板5との良好な接続が図れるうえ、コネクタ1の歩留まりの向上にも寄与することができる。
こうして、前記各曲折部31c,33c(最下段端子34にあっては第2曲折部C2)の加工後、図7(d)に示すように、コネクタハウジング2の固定部26をプリント配線基板5の固定孔52に係合固定すると共に(図1参照)、前記各端子3の接続部31b,33b,34bをそれぞれプリント配線基板5の各接続孔51に挿通して半田付けすることにより、コネクタ1の組立が完了する。
以上のようにして構成される本実施形態に係るコネクタ1によれば、前記最下段端子34の中間部に迂回部34cを設けることで、プリント配線基板5の高さ位置をコネクタハウジング2の最下段挿通孔23aと同等、又は該最下段挿通孔23aよりも高く設定したことにより、該プリント配線基板5の下方への張り出しを抑制することが可能となり、これによってコネクタ1の高さ方向寸法の小型化を図ることができる。
なお、かかる構成とした場合、前記最下段端子34については端子整列板4によって整列することができず、該最下段端子34とプリント配線基板5の接続孔51との接続性が悪化してしまうところ、本実施形態では、端子3の保護のために設けられている前記保護壁24,24に前記最下段端子34の整列状態(位置ずれ)を視認可能な各窓部28,28を設けたことにより、前記端子整列板4を利用できない最下段端子34の位置ずれについても確認することができ、該最下段端子34とプリント配線基板5との良好な接続に供される。
そして、かかる最下段端子34の位置ずれを検知するに際しても、前記各窓部28,28の上辺28a,28aの高さ位置を、前記最下段端子34の迂回部34cの上面34dとほぼ面一となるように設定したことによって、該各窓部28,28の上辺28a,28aを、最下段端子34の迂回部34cの高さ位置の良否判断の指標とすることが可能となる結果、該最下段端子34の位置ずれを容易かつ適確に判断することができるメリットがある。
さらに、本実施形態では、前記各窓部28,28の側辺28b,28bの幅方向位置を、前記最下段端子34の接続部34bの外側面34eとほぼ面一となるように設定したことによって、該各窓部28,28の側辺28b,28bを、最下段端子34の接続部34bの前後位置の良否判断の指標とすることが可能となる結果、当該指標によっても、前記最下段端子34の位置ずれを容易かつ適確に判断することができる。
本発明は、前記実施形態において例示した構成に限定されるものではなく、例えばコネクタハウジング2の細部の形状や前記各端子3の具体的形状及び配列など、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で前記コネクタ1の構成や仕様等に応じて自由に変更することができる。
また、特に、本実施形態では、前記最下段端子34の位置ずれの確認手段として、前記各窓部28,28を通じて視認により検知する手段を例示したが、該手段に限定されるものではなく、例えば前記各窓部28,28の上辺28a,28aと最下段端子34の迂回部34cの上面34dとの間、又は前記各窓部28,28の側辺28b,28bと最下段端子34の接続部34bの外側面34eとの間に所定の隙間を設定しておき、該隙間に隙間ゲージのような所定の治具を挿入することによって前記最下段端子34の位置ずれを検知するようにしてもよい。
1…コネクタ
2…コネクタハウジング
23…挿通孔
23a…最下段挿通孔
24…保護壁
28…窓部
28a…上辺
28b…側辺
3…端子
34…最下段端子(非整列端子)
34a…端子部
34b…接続部
34c…迂回部
34d…上面
34e…外側面
4…端子整列板
41…整列孔(整列部)
42…整列溝(整列部)
5…プリント配線基板
51…接続孔

Claims (3)

  1. 端子の一端側が、コネクタハウジングに上下複数段状に配列された挿通孔にそれぞれ挿通保持され、
    前記端子の他端側が、下方へと曲折されることによって、前記各挿通孔のうち少なくとも最下段の挿通孔と同等、又は該最下段の挿通孔よりも上方となる高さ位置に配置されるプリント配線基板の複数の接続孔にそれぞれ接続されると共に、
    前記各端子のうち少なくとも最下段の端子を除く一部の端子の他端側が、端子整列板の整列部に挿通することによって、該端子整列板により整列保持されたコネクタであって、
    前記端子整列板により整列されない非整列端子は、
    前記挿通孔に挿通される一端側の端子部と、
    前記下方曲折を経て前記接続孔に接続される他端側の接続部と、
    前記端子部と前記接続部との間の中間部に、前記端子部から上方へとほぼクランク状に曲折され、前記プリント配線基板よりも上方となる高さ位置に配置される迂回部と、
    を備え
    前記コネクタハウジングの両側には、前記各端子を保護する保護壁が設けられ、
    前記保護壁には、前記非整列端子の整列状態を視認可能な窓部が設けられていることを特徴とするコネクタ。
  2. 前記窓部はほぼ矩形状に形成され、該窓部の上辺の高さ位置は、前記非整列端子の前記迂回部の上面とほぼ面一となるように設定されていることを特徴とする請求項に記載のコネクタ。
  3. 前記窓部はほぼ矩形状に形成され、該窓部の側辺の幅方向位置は、前記非整列端子の前記接続部の外側面とほぼ面一となるように設定されていることを特徴とする請求項に記載のコネクタ。
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