JP3755989B2 - プリント基板用コネクタ - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント基板に半田付けして実装するコネクタに係り、更に詳しくはプリント基板に実装する際の高密度化された多数のコンタクトの端子浮きと、それに伴う端子ショートを防止する構造にしたコネクタに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、プリント基板用コネクタＤは、例えば、図１２に示すように、伝送・交換装置におけるパッケージボードｔｏバックパネルｔｏケーブル接続用に使用されるもので、パッケージ雌コネクタ９としてパッケージ基板８に実装されている。そして、伝送・交換装置の框体１の裏面側に固定されるバックパネル２に取り付けられたＢＰ（バックパネル）雄コネクタ３に、前記パッケージ基板８とともに表面側開口部から差し込まれて接続されるものである。
【０００３】
また、バックパネル２の框体外部側には、取付け用のブラケット６によって裏面ハウジング７が固定され、該裏面ハウジング７の貫通孔に前記ＢＰ雄コネクタ３から突出した雄コンタクト４が挿通されて当該ハウジング７内に突出し、この裏面ハウジング７に外部機器との電気的接続を図るケーブルコネクタ１０が差し込まれることによって、前記パッケージ基板８の電気回路と前記ケーブルコネクタ１０とが電気的に接続されるものである
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図１３に示すように、前記パッケージ基板８に半田付けして実装されるプリント基板用コネクタＤであるパッケージ雌コネクタ９のプリント基板への実装工程においては、図１４に示すように、貫通孔９ａにコンタクト先端部１１ａが挿入されて、多数のコンタクト１１が小ピッチにして高密度で、かつ、上段ではコンタクト脚１１ｃを長くして配列されているので、図１５に示すように、パッケージ基板８のスルーホールの縁部に、整列板２２から下に突出されたコンタクト後端部１１ｂが衝突し、正常に貫入されないことがある。
【０００５】
それにより、脚を長くされて強度的に弱なっている前記コンタクト脚部１１ｃが容易に変形され、近接している他のコンタクト脚部と接触し、電気的にショートしてしまうおそれがある。
【０００６】
そして、このようなコネクタ実装時における端子浮きがあっても、多数併設されたコンタクト１１の列が多段に配設されていて、内側におけるコンタクト同士の接触部状態を、肉眼では直ちに確認しにくいという問題がある。
【０００７】
このように、多数のコンタクトが配列されているプリント基板実装用コネクタＤでは、高密度なコンタクト配列であるが故にプリント基板のスルーホール縁部に引っかかることがあり、また、多数のコンタクトを整列させる関係でコンタクトの脚が長くされているため、該コンタクトが変形しやすく電気的にショートするおそれがあるという解決すべき課題がある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るプリント基板用コネクタの上記課題を解決するための要旨は、コンタクトが嵌合・固定される貫通孔が平行に複数併設されて列をなすとともにその列が複数段に設けられた絶縁ハウジングと、前記各貫通孔に先端部が嵌合・固定されるとともに後端部がプリント基板のスルーホールに固定されるコンタクトとからなるプリント基板用コネクタであって、前記コンタクトの外部に露出して前記スルーホールに至る途中で変形のおそれのある斜行部分の脚部の列間に、当該コンタクトの列間の間隔に合わせた板厚の平板体で形成されてコンタクト同士の接触を防止するスペーサが適宜に介在され、前記絶縁ハウジングには、ハウジング本体の長手方向の両端から前記コンタクトと平行に延ばして前記スペーサの連結板の形状に合わせた貫通孔を対象に配置して当該スペーサを支持するスペーサ支持部材が設けられていることである。
【００１０】
本発明に係るプリント基板用コネクタによれば、複数段に配列されたコンタクトの所要箇所の列間に、スペーサが適宜に介在するので、コンタクトの後端部がプリント基板のスルーホール内に貫入せずにスルーホールの縁部に引っかかった場合でも、そのコンタクトが変形したことで次段のコンタクトに接触することがなく、電気的なショートが防止され安全性が確保されるものである。
【００１１】
そして、ハウジング本体の長手方向の両端から前記コンタクトと平行に延ばして前記スペーサの連結板の形状に合わせた貫通孔を対象に配置して当該スペーサを支持するスペーサ支持部材があることで、スペーサをコンタクト列間に差し込んだ後に安定して支持することができ、コンタクトの変形力に強く抵抗することができる。
【００１２】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係るプリント基板用コネクタについて図面を参照して説明する。なお、発明に理解容易のため従来例に対応する部分には従来例と同一の符号を付けて説明する。
【００１３】
本発明の第１実施例に係るプリント基板用コネクタＡは、図１乃至図３に示すように、コンタクト１１の先端部１１ａが嵌合・固定される貫通孔９ａが平行に複数（例えば、５０個程度）併設されて横方向に列をなすとともに、その列が縦方向に複数段、例えば、８段に設けられた絶縁ハウジング９がある。
【００１４】
前記絶縁ハウジング９の長手方向の両端部から、その長手方向に直交する方向にスペーサ支持部材としての側壁９ｂ，９ｃが延設されている。この側壁９ｂ，９ｃには、後述のスペーサ２３の形状に合わせた所定形状の貫通孔９ｄが対称にして設けられている。また、プリント基板であるパッケージ基板８への実装時の位置決めとなる突起９ｅが、前記絶縁ハウジング９の両端部の下部に突設されている。
【００１５】
絶縁ハウジング９の各貫通孔９ａにはコンタクト先端部１１ａが圧入により嵌合・固定されるとともに、貫通孔９ａの軸線に直交する方向（下方向）に屈曲されたコンタクト後端部１１ｂが合成樹脂製の整列板２２の各孔２２ａに挿通され、コンタクト１１が整列されて絶縁ハウジング９に装着されている。
【００１６】
コンタクト１１においては、先端部１１ａと後端部１１ｂとの間の脚部１１ｃが、下段の列ではほぼ直角に曲げられ、次第に上段の列になるに従って斜行部分がより長くなっている。
【００１７】
前記整列板２２は、図４乃至図５に示すように、前記コンタクト１１の配列に合わせて孔２２ａが多数設けられ、コンタクト後端部１１ｂの挿入ガイド用に、当該孔２２ａの上部が拡径若しくは拡開されている。
【００１８】
前記コンタクト１１の絶縁ハウジング９から外部に露出している部分、即ち、コンタクト１１の脚部１１ｃの列間に、コンタクト同士の接触を防止するスペーサ２３が介在されている。
【００１９】
このスペーサ２３は、図６乃至図９に示すように、所要のコンタクト列間に適宜に挿入されるように、平行に併設される複数の絶縁性の平板体２３ａであって、該複数の平板体２３ａの長手方向の一端部で、連結板２３ｂにより互いに連結され一体化されている。
【００２０】
前記平板体２３ａは、脚部１１ｃが変形のおそれのある所要のコンタクト列間に挿入する枚数分だけ設けられるものであり、例えば、図３に示すように、最下段の第１列から第３列のコンタクト列間には、脚部１１ｃが短く腰が強くて変形するおそれもないことから、スペーサを入れる必要がないものである。
【００２１】
また、各平板体２３ａの板厚は、コンタクト列間の間隔に合わせて設定される。この第１実施例では、コンタクト１１の第３列と第８列の間、及び第８列の外側に設けるようにしている。
【００２２】
更に、連結板２３ｂの外周面に、前記絶縁ハウジング９の側壁９ｃの貫通孔９ｄにスペーサ２３を挿入・嵌合した時に、ロック作用させるための小さな突起２３ｃが所要数で適宜配置にして設けられている。
【００２３】
このスペーサ２３は、絶縁ハウジング９にコンタクト１１を装着し、整列板２２をコンタクト後端部１１ｂに嵌合させて絶縁ハウジング９の側壁９ｂ，９ｃ間に取り付けた後に、側壁９ｃの貫通孔９ｄから差し込まれ、各平板体２３ａがコンタクト列間に介在され、平板体２３ａの先端部が側壁９ｂの貫通孔９ｄに差し込まれ、連結板２３ｂの突起２３ｃでロックされて、絶縁ハウジング９への取付けがなされるものである。
【００２４】
以上のようにして構成される第１実施例のプリント基板用コネクタＡは、パッケージ基板８等のプリント基板に実装される際に、多数のコンタクト１１のうちの一部のコンタクト後端部１１ｂがスルーホールの縁部に衝突した場合でも、コンタクトの脚部１１ｃの変形が前記スペーサ２３の介在によって防止され、電気的にショートするおそれがないものである。
【００２５】
こうして、コンタクト１１がプリント基板におけるスルーホールの縁部に衝突しても容易に変形しないで抵抗力を発揮することにより、実装上の不具合が直ちに検知されるようになる。よって、従来において一部のコンタクト１１が変形したまま実装されてしまうようなことが解消されるものである。
【００２６】
本発明に係る第２実施例のプリント基板用コネクタＢは、コンタクト１２とスペーサ１３とが上記第１実施例と相違するものであり、図１０（イ）、（ロ）に示すように、コンタクトの脚部１２ｃにおいて、図において斜め上に突出する係合用の突起１２ｄが設けられていて、該突起１２ｄと嵌合し係合する凹部１３ａが一列のコンタクト個数分だけ対応する位置に設けられてなる絶縁性平板体のスペーサ１３が設けられるものである。
【００２７】
スペーサ１３の長手方向の長さは、絶縁ハウジング９の側壁９ｂ，９ｃの内面間の長さに略等しく（若しくは若干短く）されている。なお、側壁９ｂ，９ｃには貫通孔は設けられていない。
【００２８】
このような構成により、コンタクト１１を各列毎に絶縁ハウジング９に装着した後に、スペーサ１３を前記突起１２ｄを介して固定し、次段の列の各コンタクト１１を絶縁ハウジング９の貫通孔９ａに装着することを繰り返すものである。その後、整列板２２を取り付けるものである。
【００２９】
この第２実施例のプリント基板用コネクタＢによれば、スペーサ１３が第３列のコンタクト１２と第８列のコンタクト１２との間の５枚で済み、第８列の変形は目視により確認するものである。
【００３０】
本発明に係る第３実施例のプリント基板用コネクタＣは、図１１に示すように、スペーサ１４，１５はそれぞれ絶縁ハウジング９の側壁９ｂ，９ｃの内面間の距離に対して若干長くされている。そして、例えば、第２列のコンタクト１２の上にスペーサ１４が水平状態にして側壁９ｂ，９ｃ間に圧入される。
【００３１】
その後、第３列のコンタクト１２を絶縁ハウジング９に装着してその脚部１２ｃの斜め上にスペーサ１５が側壁９ｂ，９ｃ間に圧入され、これを繰り返して図１１に示す状態に構成するものである。
【００３２】
この第３実施例に係るプリント基板用コネクタＣでは、コンタクト１２の脚部１２ｃに第２実施例のような突起が設けられておらず、各スペーサ１４，１５は側壁９ｂ，９ｃ間への圧入による摩擦力で保持される。また、最上段の第８列のコンタクト１２の変形は目視により確認するものである。
【００３３】
この第３実施例では、スペーサ１４，１５が側壁９ｂ，９ｃで保持されるので、コンタクト１２の脚部１２ｃに係合保持用の突起を設ける必要が無くなるものである。
【００３４】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るプリント基板用コネクタは、コンタクトが嵌合・固定される貫通孔が平行に複数併設されて列をなすとともにその列が複数段に設けられた絶縁ハウジングと、前記各貫通孔に先端部が嵌合・固定されるとともに後端部がプリント基板のスルーホールに固定されるコンタクトとからなるプリント基板用コネクタであって、前記コンタクトの外部に露出して前記スルーホールに至る途中で変形のおそれのある斜行部分の脚部の列間に、当該コンタクトの列間の間隔に合わせた板厚の平板体で形成されてコンタクト同士の接触を防止するスペーサが適宜に介在され、前記絶縁ハウジングには、ハウジング本体の長手方向の両端から前記コンタクトと平行に延ばして前記スペーサの連結板の形状に合わせた貫通孔を対象に配置して当該スペーサを支持するスペーサ支持部材が設けられているので、数百本もの多数のコンタクトのうちの一部がプリント基板のスルーホール縁部に衝突して変形し電気的にショートするおそれが解消されるという優れた効果を奏するものである。
【００３５】
また、スペーサは、所要のコンタクト列間に挿入されるべく、平行に併設される複数の平板体であって、該複数の平板体の長手方向の一端部で互いに連結され一体化されてなるので、コネクタの組立作業が容易となり作業能率が向上するという優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１実施例に係るプリント基板用コネクタの右側面図（イ）と左側面図（ロ）である。
【図２】同第１実施例に係るプリント基板用コネクタの正面図である。
【図３】同第１実施例に係るプリント基板用コネクタの、図２におけるａ−ａ線に沿った断面図である。
【図４】同第１実施例に係るプリント基板用コネクタにおける整列板の平面図である。
【図５】同第１実施例に係るプリント基板用コネクタにおける整列板の一部を破断した側面図である。
【図６】同第１実施例に係るプリント基板用コネクタにおけるスペーサの平面図である。
【図７】同第１実施例に係るプリント基板用コネクタにおけるスペーサの側面図である。
【図８】同第１実施例に係るプリント基板用コネクタにおけるスペーサの正面図である。
【図９】同第１実施例に係るプリント基板用コネクタにおけるスペーサを斜めから見た平面図（イ）と、側面図（ロ）である。
【図１０】同本発明の第２実施例に係るプリント基板用コネクタの断面図である。
【図１１】同本発明の第３実施例に係るプリント基板用コネクタの断面図である。
【図１２】従来例に係るプリント基板用コネクタの実施例を示す説明図である。
【図１３】同従来例に係るプリント基板用コネクタの側面図である。
【図１４】同従来例に係るプリント基板用コネクタの正面図である。
【図１５】同図１４におけるｂ−ｂ線に沿った断面図である。
【符号の説明】
Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄ プリント基板用コネクタ、
１ 框体、２ 整列板、８ パケージ基板、
９ 絶縁ハウジング、９ａ 貫通孔、９ｂ，９ｃ 側壁、９ｄ 貫通孔、
９ｅ 突起、１１，１２ コンタクト、１１ａ，２ａ コンタクト先端部、
１１ｂ，１２ｂ コンタクト後端部、１１ｃ，１２ｃ 脚部、１２ｄ 突起、
１３，１４，１５ スペーサ、１３ａ 凹部、２２ 整列板、２３スペーサ、
２３ａ 平板体、２３ｂ 連結板、２３ｃ 突起。
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント基板に半田付けして実装するコネクタに係り、更に詳しくはプリント基板に実装する際の高密度化された多数のコンタクトの端子浮きと、それに伴う端子ショートを防止する構造にしたコネクタに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、プリント基板用コネクタＤは、例えば、図１２に示すように、伝送・交換装置におけるパッケージボードｔｏバックパネルｔｏケーブル接続用に使用されるもので、パッケージ雌コネクタ９としてパッケージ基板８に実装されている。そして、伝送・交換装置の框体１の裏面側に固定されるバックパネル２に取り付けられたＢＰ（バックパネル）雄コネクタ３に、前記パッケージ基板８とともに表面側開口部から差し込まれて接続されるものである。
【０００３】
また、バックパネル２の框体外部側には、取付け用のブラケット６によって裏面ハウジング７が固定され、該裏面ハウジング７の貫通孔に前記ＢＰ雄コネクタ３から突出した雄コンタクト４が挿通されて当該ハウジング７内に突出し、この裏面ハウジング７に外部機器との電気的接続を図るケーブルコネクタ１０が差し込まれることによって、前記パッケージ基板８の電気回路と前記ケーブルコネクタ１０とが電気的に接続されるものである
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図１３に示すように、前記パッケージ基板８に半田付けして実装されるプリント基板用コネクタＤであるパッケージ雌コネクタ９のプリント基板への実装工程においては、図１４に示すように、貫通孔９ａにコンタクト先端部１１ａが挿入されて、多数のコンタクト１１が小ピッチにして高密度で、かつ、上段ではコンタクト脚１１ｃを長くして配列されているので、図１５に示すように、パッケージ基板８のスルーホールの縁部に、整列板２２から下に突出されたコンタクト後端部１１ｂが衝突し、正常に貫入されないことがある。
【０００５】
それにより、脚を長くされて強度的に弱なっている前記コンタクト脚部１１ｃが容易に変形され、近接している他のコンタクト脚部と接触し、電気的にショートしてしまうおそれがある。
【０００６】
そして、このようなコネクタ実装時における端子浮きがあっても、多数併設されたコンタクト１１の列が多段に配設されていて、内側におけるコンタクト同士の接触部状態を、肉眼では直ちに確認しにくいという問題がある。
【０００７】
このように、多数のコンタクトが配列されているプリント基板実装用コネクタＤでは、高密度なコンタクト配列であるが故にプリント基板のスルーホール縁部に引っかかることがあり、また、多数のコンタクトを整列させる関係でコンタクトの脚が長くされているため、該コンタクトが変形しやすく電気的にショートするおそれがあるという解決すべき課題がある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るプリント基板用コネクタの上記課題を解決するための要旨は、コンタクトが嵌合・固定される貫通孔が平行に複数併設されて列をなすとともにその列が複数段に設けられた絶縁ハウジングと、前記各貫通孔に先端部が嵌合・固定されるとともに後端部がプリント基板のスルーホールに固定されるコンタクトとからなるプリント基板用コネクタであって、前記コンタクトの外部に露出して前記スルーホールに至る途中で変形のおそれのある斜行部分の脚部の列間に、当該コンタクトの列間の間隔に合わせた板厚の平板体で形成されてコンタクト同士の接触を防止するスペーサが適宜に介在され、前記絶縁ハウジングには、ハウジング本体の長手方向の両端から前記コンタクトと平行に延ばして前記スペーサの連結板の形状に合わせた貫通孔を対象に配置して当該スペーサを支持するスペーサ支持部材が設けられていることである。
【００１０】
本発明に係るプリント基板用コネクタによれば、複数段に配列されたコンタクトの所要箇所の列間に、スペーサが適宜に介在するので、コンタクトの後端部がプリント基板のスルーホール内に貫入せずにスルーホールの縁部に引っかかった場合でも、そのコンタクトが変形したことで次段のコンタクトに接触することがなく、電気的なショートが防止され安全性が確保されるものである。
【００１１】
そして、ハウジング本体の長手方向の両端から前記コンタクトと平行に延ばして前記スペーサの連結板の形状に合わせた貫通孔を対象に配置して当該スペーサを支持するスペーサ支持部材があることで、スペーサをコンタクト列間に差し込んだ後に安定して支持することができ、コンタクトの変形力に強く抵抗することができる。
【００１２】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係るプリント基板用コネクタについて図面を参照して説明する。なお、発明に理解容易のため従来例に対応する部分には従来例と同一の符号を付けて説明する。
【００１３】
本発明の第１実施例に係るプリント基板用コネクタＡは、図１乃至図３に示すように、コンタクト１１の先端部１１ａが嵌合・固定される貫通孔９ａが平行に複数（例えば、５０個程度）併設されて横方向に列をなすとともに、その列が縦方向に複数段、例えば、８段に設けられた絶縁ハウジング９がある。
【００１４】
前記絶縁ハウジング９の長手方向の両端部から、その長手方向に直交する方向にスペーサ支持部材としての側壁９ｂ，９ｃが延設されている。この側壁９ｂ，９ｃには、後述のスペーサ２３の形状に合わせた所定形状の貫通孔９ｄが対称にして設けられている。また、プリント基板であるパッケージ基板８への実装時の位置決めとなる突起９ｅが、前記絶縁ハウジング９の両端部の下部に突設されている。
【００１５】
絶縁ハウジング９の各貫通孔９ａにはコンタクト先端部１１ａが圧入により嵌合・固定されるとともに、貫通孔９ａの軸線に直交する方向（下方向）に屈曲されたコンタクト後端部１１ｂが合成樹脂製の整列板２２の各孔２２ａに挿通され、コンタクト１１が整列されて絶縁ハウジング９に装着されている。
【００１６】
コンタクト１１においては、先端部１１ａと後端部１１ｂとの間の脚部１１ｃが、下段の列ではほぼ直角に曲げられ、次第に上段の列になるに従って斜行部分がより長くなっている。
【００１７】
前記整列板２２は、図４乃至図５に示すように、前記コンタクト１１の配列に合わせて孔２２ａが多数設けられ、コンタクト後端部１１ｂの挿入ガイド用に、当該孔２２ａの上部が拡径若しくは拡開されている。
【００１８】
前記コンタクト１１の絶縁ハウジング９から外部に露出している部分、即ち、コンタクト１１の脚部１１ｃの列間に、コンタクト同士の接触を防止するスペーサ２３が介在されている。
【００１９】
このスペーサ２３は、図６乃至図９に示すように、所要のコンタクト列間に適宜に挿入されるように、平行に併設される複数の絶縁性の平板体２３ａであって、該複数の平板体２３ａの長手方向の一端部で、連結板２３ｂにより互いに連結され一体化されている。
【００２０】
前記平板体２３ａは、脚部１１ｃが変形のおそれのある所要のコンタクト列間に挿入する枚数分だけ設けられるものであり、例えば、図３に示すように、最下段の第１列から第３列のコンタクト列間には、脚部１１ｃが短く腰が強くて変形するおそれもないことから、スペーサを入れる必要がないものである。
【００２１】
また、各平板体２３ａの板厚は、コンタクト列間の間隔に合わせて設定される。この第１実施例では、コンタクト１１の第３列と第８列の間、及び第８列の外側に設けるようにしている。
【００２２】
更に、連結板２３ｂの外周面に、前記絶縁ハウジング９の側壁９ｃの貫通孔９ｄにスペーサ２３を挿入・嵌合した時に、ロック作用させるための小さな突起２３ｃが所要数で適宜配置にして設けられている。
【００２３】
このスペーサ２３は、絶縁ハウジング９にコンタクト１１を装着し、整列板２２をコンタクト後端部１１ｂに嵌合させて絶縁ハウジング９の側壁９ｂ，９ｃ間に取り付けた後に、側壁９ｃの貫通孔９ｄから差し込まれ、各平板体２３ａがコンタクト列間に介在され、平板体２３ａの先端部が側壁９ｂの貫通孔９ｄに差し込まれ、連結板２３ｂの突起２３ｃでロックされて、絶縁ハウジング９への取付けがなされるものである。
【００２４】
以上のようにして構成される第１実施例のプリント基板用コネクタＡは、パッケージ基板８等のプリント基板に実装される際に、多数のコンタクト１１のうちの一部のコンタクト後端部１１ｂがスルーホールの縁部に衝突した場合でも、コンタクトの脚部１１ｃの変形が前記スペーサ２３の介在によって防止され、電気的にショートするおそれがないものである。
【００２５】
こうして、コンタクト１１がプリント基板におけるスルーホールの縁部に衝突しても容易に変形しないで抵抗力を発揮することにより、実装上の不具合が直ちに検知されるようになる。よって、従来において一部のコンタクト１１が変形したまま実装されてしまうようなことが解消されるものである。
【００２６】
本発明に係る第２実施例のプリント基板用コネクタＢは、コンタクト１２とスペーサ１３とが上記第１実施例と相違するものであり、図１０（イ）、（ロ）に示すように、コンタクトの脚部１２ｃにおいて、図において斜め上に突出する係合用の突起１２ｄが設けられていて、該突起１２ｄと嵌合し係合する凹部１３ａが一列のコンタクト個数分だけ対応する位置に設けられてなる絶縁性平板体のスペーサ１３が設けられるものである。
【００２７】
スペーサ１３の長手方向の長さは、絶縁ハウジング９の側壁９ｂ，９ｃの内面間の長さに略等しく（若しくは若干短く）されている。なお、側壁９ｂ，９ｃには貫通孔は設けられていない。
【００２８】
このような構成により、コンタクト１１を各列毎に絶縁ハウジング９に装着した後に、スペーサ１３を前記突起１２ｄを介して固定し、次段の列の各コンタクト１１を絶縁ハウジング９の貫通孔９ａに装着することを繰り返すものである。その後、整列板２２を取り付けるものである。
【００２９】
この第２実施例のプリント基板用コネクタＢによれば、スペーサ１３が第３列のコンタクト１２と第８列のコンタクト１２との間の５枚で済み、第８列の変形は目視により確認するものである。
【００３０】
本発明に係る第３実施例のプリント基板用コネクタＣは、図１１に示すように、スペーサ１４，１５はそれぞれ絶縁ハウジング９の側壁９ｂ，９ｃの内面間の距離に対して若干長くされている。そして、例えば、第２列のコンタクト１２の上にスペーサ１４が水平状態にして側壁９ｂ，９ｃ間に圧入される。
【００３１】
その後、第３列のコンタクト１２を絶縁ハウジング９に装着してその脚部１２ｃの斜め上にスペーサ１５が側壁９ｂ，９ｃ間に圧入され、これを繰り返して図１１に示す状態に構成するものである。
【００３２】
この第３実施例に係るプリント基板用コネクタＣでは、コンタクト１２の脚部１２ｃに第２実施例のような突起が設けられておらず、各スペーサ１４，１５は側壁９ｂ，９ｃ間への圧入による摩擦力で保持される。また、最上段の第８列のコンタクト１２の変形は目視により確認するものである。
【００３３】
この第３実施例では、スペーサ１４，１５が側壁９ｂ，９ｃで保持されるので、コンタクト１２の脚部１２ｃに係合保持用の突起を設ける必要が無くなるものである。
【００３４】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るプリント基板用コネクタは、コンタクトが嵌合・固定される貫通孔が平行に複数併設されて列をなすとともにその列が複数段に設けられた絶縁ハウジングと、前記各貫通孔に先端部が嵌合・固定されるとともに後端部がプリント基板のスルーホールに固定されるコンタクトとからなるプリント基板用コネクタであって、前記コンタクトの外部に露出して前記スルーホールに至る途中で変形のおそれのある斜行部分の脚部の列間に、当該コンタクトの列間の間隔に合わせた板厚の平板体で形成されてコンタクト同士の接触を防止するスペーサが適宜に介在され、前記絶縁ハウジングには、ハウジング本体の長手方向の両端から前記コンタクトと平行に延ばして前記スペーサの連結板の形状に合わせた貫通孔を対象に配置して当該スペーサを支持するスペーサ支持部材が設けられているので、数百本もの多数のコンタクトのうちの一部がプリント基板のスルーホール縁部に衝突して変形し電気的にショートするおそれが解消されるという優れた効果を奏するものである。
【００３５】
また、スペーサは、所要のコンタクト列間に挿入されるべく、平行に併設される複数の平板体であって、該複数の平板体の長手方向の一端部で互いに連結され一体化されてなるので、コネクタの組立作業が容易となり作業能率が向上するという優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１実施例に係るプリント基板用コネクタの右側面図（イ）と左側面図（ロ）である。
【図２】同第１実施例に係るプリント基板用コネクタの正面図である。
【図３】同第１実施例に係るプリント基板用コネクタの、図２におけるａ−ａ線に沿った断面図である。
【図４】同第１実施例に係るプリント基板用コネクタにおける整列板の平面図である。
【図５】同第１実施例に係るプリント基板用コネクタにおける整列板の一部を破断した側面図である。
【図６】同第１実施例に係るプリント基板用コネクタにおけるスペーサの平面図である。
【図７】同第１実施例に係るプリント基板用コネクタにおけるスペーサの側面図である。
【図８】同第１実施例に係るプリント基板用コネクタにおけるスペーサの正面図である。
【図９】同第１実施例に係るプリント基板用コネクタにおけるスペーサを斜めから見た平面図（イ）と、側面図（ロ）である。
【図１０】同本発明の第２実施例に係るプリント基板用コネクタの断面図である。
【図１１】同本発明の第３実施例に係るプリント基板用コネクタの断面図である。
【図１２】従来例に係るプリント基板用コネクタの実施例を示す説明図である。
【図１３】同従来例に係るプリント基板用コネクタの側面図である。
【図１４】同従来例に係るプリント基板用コネクタの正面図である。
【図１５】同図１４におけるｂ−ｂ線に沿った断面図である。
【符号の説明】
Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄ プリント基板用コネクタ、
１ 框体、２ 整列板、８ パケージ基板、
９ 絶縁ハウジング、９ａ 貫通孔、９ｂ，９ｃ 側壁、９ｄ 貫通孔、
９ｅ 突起、１１，１２ コンタクト、１１ａ，２ａ コンタクト先端部、
１１ｂ，１２ｂ コンタクト後端部、１１ｃ，１２ｃ 脚部、１２ｄ 突起、
１３，１４，１５ スペーサ、１３ａ 凹部、２２ 整列板、２３スペーサ、
２３ａ 平板体、２３ｂ 連結板、２３ｃ 突起。
Claims (1)
- コンタクトが嵌合・固定される貫通孔が平行に複数併設されて列をなすとともにその列が複数段に設けられた絶縁ハウジングと、前記各貫通孔に先端部が嵌合・固定されるとともに後端部がプリント基板のスルーホールに固定されるコンタクトとからなるプリント基板用コネクタであって、
前記コンタクトの外部に露出して前記スルーホールに至る途中で変形のおそれのある斜行部分の脚部の列間に、当該コンタクトの列間の間隔に合わせた板厚の平板体で形成されてコンタクト同士の接触を防止するスペーサが適宜に介在され、
前記絶縁ハウジングには、ハウジング本体の長手方向の両端から前記コンタクトと平行に延ばして前記スペーサの連結板の形状に合わせた貫通孔を対象に配置して当該スペーサを支持するスペーサ支持部材が設けられていること、
を特徴とするプリント基板用コネクタ。
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