以下、本発明の実施の形態を、本発明に係る通信装置を溶接システムに用いた場合を例として、図面を参照して具体的に説明する。
図1〜3は、第1実施形態に係る溶接システムA1を説明するための図である。図1は、溶接システムA1の全体構成を示すものである。図2は、ガス配管を説明するための断面図である。図3は、通信部14(23)の内部構成を説明するための図である。
溶接システムA1は、溶接電源装置1、ワイヤ送給装置2、溶接トーチ3、パワーケーブル41,42、電源接続線51,52,52’、ガスボンベ6、および、ガス配管7を備えている。溶接システムA1は、実際には、ワイヤ電極が巻回されたワイヤリールなどを備えているが、図への記載や説明を省略している。
溶接電源装置1の溶接電力用の一方の出力端子aは、パワーケーブル41を介して、ワイヤ送給装置2に接続されている。ワイヤ送給装置2は、ワイヤ電極を溶接トーチ3に送り出して、ワイヤ電極の先端を溶接トーチ3の先端から突出させる。溶接トーチ3の先端に配置されているコンタクトチップにおいて、パワーケーブル41とワイヤ電極とは電気的に接続されている。溶接電源装置1の溶接電力用の他方の出力端子bは、パワーケーブル42を介して、被加工物Wに接続される。溶接電源装置1は、溶接トーチ3の先端から突出するワイヤ電極の先端と、被加工物Wとの間にアークを発生させ、アークに電力を供給する。溶接システムA1は、当該アークの熱で被加工物Wの溶接を行う。
溶接システムA1は、溶接時にシールドガスを用いる。ガスボンベ6のシールドガスは、溶接電源装置1およびワイヤ送給装置2を通るように設けられているガス配管7によって、溶接トーチ3の先端に供給される。ガス配管7は、ガスボンベ6と溶接電源装置1とを接続する配管、溶接電源装置1の内部に配置されている配管、溶接電源装置1とワイヤ送給装置2とを接続する配管、および、ワイヤ送給装置2の内部に配置され溶接トーチ3の先端に接続する配管を備えている。図2は、ガス配管7のうち、溶接電源装置1とワイヤ送給装置2とを接続する配管が、溶接電源装置1の内部に配置されている配管に接続された接続金具1a、および、ワイヤ送給装置2の内部に配置されている配管に接続された接続金具2aに接続されている部分の断面図である。例えばゴム製のガス配管7は、接続金具1a(2a)に嵌め込むようにして、接続されている。なお、ガス配管7の素材は限定されず、各区間によって異なっていてもよいが、溶接電源装置1とワイヤ送給装置2とを接続する部分は、ゴムなどの絶縁体としている。
ワイヤ電極を送り出すための送給モータ24(後述)などを駆動するための電力は、電源接続線51およびパワーケーブル41を介して、溶接電源装置1からワイヤ送給装置2に供給される。溶接電源装置1が備える、ワイヤ送給装置2の駆動電力用の電源(後述する送給装置用電源部12)の一方の出力端子は、電源接続線51を介して、ワイヤ送給装置2の電源(後述する電源部21)の一方の入力端子に接続されている。
電源接続線51は、溶接電源装置1とワイヤ送給装置2との間では、ガス配管7の内側に配置されている。図2に示すように、溶接電源装置1の内部で、電源接続線51は導電性の接続金具1aに接続しており、ワイヤ送給装置2の内部で、電源接続線51は導電性の接続金具2aに接続している。そして、ガス配管7の内側に配置された電源接続線51が、ガス配管7と接続金具1a(2a)との間に挟まれて固定され、接続金具1a(2a)と電気的に接続されている。つまり、接続金具1aが、溶接電源装置1の内部の電源接続線51と、ガス配管7の内側に配置された電源接続線51とを接続するコネクタとして機能し、接続金具2aが、ワイヤ送給装置2の内部の電源接続線51と、ガス配管7の内側に配置された電源接続線51とを接続するコネクタとして機能している。
また、送給装置用電源部12の他方の出力端子とパワーケーブル41とが、溶接電源装置1の内部で、電源接続線52によって接続されており、電源部21の他方の入力端子とパワーケーブル41とが、ワイヤ送給装置2の内部で、電源接続線52’によって接続されている。これにより、送給装置用電源部12の他方の出力端子と電源部21の他方の入力端子とが、電気的に接続されている。送給装置用電源部12から出力される電力は、電源接続線51およびパワーケーブル41によって、電源部21に供給される。また、溶接電源装置1とワイヤ送給装置2とは、電源接続線51とパワーケーブル41との間に信号を重畳させて通信を行う。
溶接電源装置1は、アーク溶接のための直流電力を溶接トーチ3に供給するものである。溶接電源装置1は、溶接用電源部11、送給装置用電源部12、制御部13、および、通信部14を備えている。
溶接用電源部11は、電力系統から入力される三相交流電力をアーク溶接に適した直流電力に変換して出力するものである。溶接用電源部11に入力される三相交流電力は、整流回路によって直流電力に変換され、インバータ回路によって交流電力に変換される。そして、トランスによって降圧(または昇圧)され、整流回路によって直流電力に変換されて出力される。なお、溶接用電源部11の構成は、上記したものに限定されない。
送給装置用電源部12は、ワイヤ送給装置2の送給モータ24などを駆動するための電力を出力するものである。送給装置用電源部12は、電力系統から入力される単相交流電力をワイヤ送給装置2での使用に適した直流電力に変換して出力する。送給装置用電源部12は、いわゆるスイッチングレギュレータである。送給装置用電源部12に入力される交流電力は、整流回路によって直流電力に変換され、DC/DCコンバータ回路によって降圧(または昇圧)されて出力される。送給装置用電源部12は、電圧が例えば48Vに制御された直流電力を、電源接続線51およびパワーケーブル41を介して、ワイヤ送給装置2に供給する。なお、送給装置用電源部12の構成は、上記したものに限定されない。例えば、溶接用電源部11と同様の構成であってもよいし、電力系統から入力される交流電力をトランスで降圧(または昇圧)してから、整流回路で直流電力に変換して出力するようにしてもよい。
溶接用電源部11は、出力端子aが出力端子bより電位が高くなるようにして、パワーケーブル41の電位がパワーテーブル42の電位より高くなるように、電圧を印加する。送給装置用電源部12は、電源接続線51の電位が電源接続線52の電位より低くなるように、電圧を印加する。電源接続線52はパワーケーブル41に接続しているので、電源接続線51の電位は、パワーケーブル41の電位より低くなる。したがって、電源接続線51とパワーケーブル42との電位差が大きくならないようにしている。例えば、溶接用電源部11が出力する無負荷電圧が90V、送給装置用電源部12が出力する電圧が48Vの場合、電源接続線51とパワーケーブル42との電位差は42Vになる。なお、電源接続線51とパワーケーブル42との電位差を気にしない場合は、送給装置用電源部12が印加する電圧を逆極性(電源接続線51の電位が電源接続線52の電位より高くなるように、電圧を印加する)にしてもよい。
制御部13は、溶接電源装置1の制御を行うものであり、例えばマイクロコンピュータなどによって実現されている。制御部13は、溶接電源装置1から出力される溶接電流が設定電流になるように、または、溶接トーチ3の先端と被加工物Wとの間に印加される溶接電圧が設定電圧になるように、溶接用電源部11のインバータ回路を制御する。また、送給装置用電源部12から出力される電圧が所定電圧になるように、送給装置用電源部12のDC/DCコンバータ回路を制御する。制御部13は、図示しない設定ボタンの操作に応じて溶接条件の変更を行ったり、図示しない起動ボタンの操作に応じて溶接用電源部11を起動させたりなどの制御を行う。また、制御部13は、図示しない電流センサによって検出された溶接電流の検出値を図示しない表示部に表示させたり、異常が発生した場合に図示しない報知部に報知させたりする。
また、制御部13は、通信部14から入力される信号に基づいても、溶接条件の変更や溶接用電源部11の起動、溶接電圧検出値の表示を行い、検出された溶接電流の検出値や、異常発生を示す信号、ワイヤ送給装置2に対するワイヤ送給指令やガス供給指令などのための信号を通信部14に出力する。
通信部14は、電源接続線51およびパワーケーブル41を介して、ワイヤ送給装置2との間で通信を行うためのものである。通信部14は、ワイヤ送給装置2から受信した信号を復調して、制御部13に出力する。ワイヤ送給装置2から受信する信号には、例えば、溶接条件を設定するための信号や、溶接用電源部11の起動を指示する起動信号、ワイヤ送給装置2において電圧センサで検出された溶接電圧の検出値などがある。また、通信部14は、制御部13から入力される信号を変調して、通信信号としてワイヤ送給装置2に送信する。ワイヤ送給装置2に送信する通信信号には、例えば、溶接電源装置1において電流センサで検出された溶接電流の検出値や、異常発生を示す信号、ワイヤ送給指令やガス供給指令などのための信号などがある。なお、ワイヤ送給装置2との間で送受信される通信信号は、上記したものに限定されない。
通信部14は、直接スペクトル拡散通信方式を用いて通信を行う。直接スペクトル拡散通信方式では、送信側は、送信する信号に対して拡散符号による演算を行い、元の信号のスペクトルをより広い帯域に拡散して送信する。受信側は、受信した信号を共通する拡散符号を用いて逆拡散することで、元の信号に戻す。通信信号にノイズが重畳された場合でも、逆拡散によってノイズのスペクトルが拡散されるので、フィルタリングによって元の通信信号を抽出することができる。また、溶接システムA1毎に異なる拡散符号を用いていれば、別の溶接システムA1で送受信される通信信号を誤って受信したとしても、当該通信信号は異なる拡散符号で逆拡散されて、ノイズとして除去される。したがって、高い通信品質で通信を行うことができる。
通信部14は、結合回路を備えている。当該結合回路は、通信部14の入出力端に接続されたコイルと、電源接続線51,52に並列接続されたコイルとを磁気結合させた高周波トランスを備えており、通信部14が出力する通信信号を電源接続線51,52に重畳し、また、電源接続線51,52に重畳された通信信号を検出する。電源接続線52は、溶接電源装置1の内部で、パワーケーブル41に接続しているので、通信信号は、電源接続線51とパワーケーブル41との間に重畳される。
図3に示すように、通信部14は、低帯域通信部81、低帯域用フィルタ82、高帯域通信部83、および、高帯域用フィルタ84を備えている。結合回路に接続する伝送路は分岐されており、一方は低帯域通信部81に接続し、他方は高帯域通信部83に接続している。低帯域通信部81に接続する伝送路には低帯域用フィルタ82が配置されており、高帯域通信部83に接続する伝送路には高帯域用フィルタ84が配置されている。
本実施形態においては、溶接電源装置1とワイヤ送給装置2との間で通信を行う際に、2種類の通信信号を用いる。一方は、大量のデータを間違いなく送信するための低帯域通信信号であり、他方は、少量のデータを高速に送信するための高帯域通信信号である。例えば、ワイヤ送給装置2において電圧センサで検出された溶接電圧の検出値を、溶接電源装置1の制御部13がフィードバック制御に用いる場合、当該検出値を高速で送信する必要がある。したがたって、溶接電圧の検出値は、データ量が小さく、簡易な誤り検出符号を用いたフォーマットで、高帯域通信信号として送信される。一方、その他の信号については、通信速度より通信信号の信頼性の方が優先される。したがって、これらの信号は、データ量が大きく、信頼性の高い誤り検出符号を用いたフォーマットで、低帯域通信信号として送信される。低帯域通信信号と高帯域通信信号とでは、利用する周波数帯域が異なる。低帯域通信信号は例えば4MHzを中心周波数とする周波数帯域を利用し、高帯域通信信号は例えば8MHzを中心周波数とする周波数帯域を利用している。なお、各通信信号が利用する周波数帯域は例示であって、これに限られない。また、上記とは逆に、大量のデータを間違いなく送信するための信号を高帯域通信信号とし、少量のデータを高速に送信するための信号を低帯域通信信号としてもよい。また、いずれのデータをどのようなフォーマットで送信するかは、適宜設計すればよい。
低帯域通信部81は、低帯域通信信号を生成して出力し、低帯域通信信号を受信するものである。また、高帯域通信部83は、高低帯域通信信号を生成して出力し、高帯域通信信号を受信するものである。制御部13は、ワイヤ送給装置2に送信する信号を通信部14に出力するときに、信号の種類に応じて、低帯域通信部81と高帯域通信部83とに振り分けて出力する。
低帯域通信部81および高帯域通信部83は、制御部13より入力される信号に応じてキャリア信号をBPSK(Binary Phase Shift Keying)変調し、変調信号にスペクトル拡散を行い、アナログ信号に変換して出力する。なお、変調方法はBPSK変調に限られず、ASK変調やFSK変調を行うようにしてもよい。また、スペクトル拡散は直接拡散方式に限られず、周波数ホッピング方式を用いてもよい。なお、本実施形態では、スペクトル拡散を行っているが、これに限定されず、スペクトル拡散を行わないようにしてもよい。また、低帯域通信部81および高帯域通信部83は、電源接続線51,52で送られてきた通信信号を受信し、デジタル信号に変換して、逆拡散およびフィルタリングを行い、復調を行って、制御部13に出力する。溶接電源装置1からワイヤ送給装置2に送信する信号と、ワイヤ送給装置2から溶接電源装置1に送信する信号とでは、時間をずらして送受信を行う。
低帯域用フィルタ82は、低帯域BPF82aおよび高帯域BEF82bを備えている。低帯域BPF82aは低帯域通信部81側に配置され、高帯域BEF82bは結合回路側に配置されている。低帯域BPF82aは、4MHzを中心周波数とする帯域通過型フィルタ(バンドパスフィルタ)である(図12(a)に示す通過特性および入力特性参照)。本実施形態では、スペクトル拡散を行っているので、通信信号の利用する周波数帯域が広がっている。低帯域BPF82aは、この通信信号を通過させることができるように設計されている。
図4(a)は、低帯域BPF82aの一例であるT型帯域通過型フィルタを示している。図4(a)に示すT型帯域通過型フィルタは、3つの直列共振回路を直列接続して、直列共振回路と直列共振回路との接続点にそれぞれ並列共振回路を並列接続した構成になっている。直列共振回路では、共振周波数のインピーダンスが低く、周波数が共振周波数から離れるに従ってインピーダンスが高くなる。並列共振回路では、共振周波数のインピーダンスが高く、周波数が共振周波数から離れるに従ってインピーダンスが低くなる。T型帯域通過型フィルタは、両端の直列共振回路の共振周波数を調整するように設計することで、所定の周波数帯域についてのインピーダンスを低くし、各並列共振回路の共振周波数を調整するように設計することで、当該周波数帯域についてのインピーダンスを高くして、当該周波数帯域の信号が反射されたり吸収されたりして減衰せず、通過しやすいようにしている。しかし、当該周波数帯域に近い周波数には、直列共振回路を通過し、並列共振回路も通過してしまう周波数も存在する。このような周波数の成分は、T型帯域通過型フィルタに吸収されてしまう。したがって、周波数帯域が近い2つの帯域通過型フィルタを伝送路に並列接続した場合、一方の帯域通過型フィルタが通過させる周波数帯域の通信信号の一部を、他方の帯域通過型フィルタが吸収して減衰させてしまう。本実施形態では、帯域通過型フィルタと伝送路との間に帯域阻止型フィルタ(バンドエリミネーションフィルタ)を配置することで、帯域通過型フィルタに吸収されてしまう周波数成分を、帯域阻止型フィルタによって通過させないようにしている。
なお、低帯域BPF82aは、上述したものに限られない。例えば、Π型帯域通過型フィルタやL型帯域通過型フィルタであってもよいし、ハイパスフィイルタとローパスフィルタとを合わせたものであってもよい。また、弾性表面波フィルタやアクティブフィルタであってもよい。低帯域BPF82aは、低帯域通信信号が利用する周波数帯域の成分を通過させるフィルタであればよい。
高帯域BEF82bは、8MHzを中心周波数とする帯域阻止型フィルタであり、後述する高帯域BPF84aが通過させる周波数帯域の信号の通過を阻止する。図4(b)は、高帯域BEF82bの一例である帯域阻止型フィルタを示している。なお、高帯域BEF82bは、これに限られない。高帯域BEF82bは、受信信号が利用する周波数帯域の成分を反射させるフィルタであればよい。
高帯域用フィルタ84は、高帯域BPF84aおよび低帯域BEF84bを備えている。高帯域BPF84aは高帯域通信部83側に配置され、低帯域BEF84bは結合回路側に配置されている。高帯域BPF84aは、低帯域BPF82aと同様の帯域通過型フィルタであり、8MHzを中心周波数とする(図12(b)に示す通過特性および入力特性参照)。本実施形態では、スペクトル拡散を行っているので、通信信号の利用する周波数帯域が広がっている。高帯域BPF84aは、この通信信号を通過させることができるように設計されている。
低帯域BEF84bは、高帯域BEF82bと同様の帯域阻止型フィルタであり、4MHzを中心周波数とする。低帯域BEF84bは、低帯域BPF82aが通過させる周波数帯域の信号の通過を阻止する。
図5は、帯域阻止型フィルタの入力特性を示す図であり、同図(a)は中心周波数を8MHzとする帯域阻止型フィルタのものであり、同図(b)は中心周波数を4MHzとする帯域阻止型フィルタのものである。各図において、細線cが帯域阻止型フィルタの入力特性を示している。各帯域阻止型フィルタの入力特性では、それぞれ、中心周波数を中心とした周波数帯域の成分が0dBに近くなっており、これらの周波数成分の大部分を反射している。つまり、これらの周波数成分に対してはインピーダンスが高くなっており、これらの周波数成分を通過させない。
図5(a)に示す太線dは中心周波数を4MHzとする帯域通過型フィルタの入力特性を示している。図5(a)によると、4MHzの帯域通過型フィルタに吸収されてしまう6MHzあたりの周波数成分が、8MHzの帯域阻止型フィルタによって反射されることが解る。また、図5(b)に示す太線dは中心周波数を8MHzとする帯域通過型フィルタの入力特性を示している。図5(b)によると、8MHzの帯域通過型フィルタに吸収されてしまう5.5MHzあたりの周波数成分が、4MHzの帯域阻止型フィルタによって反射されることが解る。
ワイヤ送給装置2は、ワイヤ電極を溶接トーチ3に送り出すものである。また、ワイヤ送給装置2は、ガスボンベ6のシールドガスを溶接トーチ3の先端に供給する。ワイヤ送給装置2は、電源部21、制御部22、通信部23、送給モータ24、および、ガス電磁弁25を備えている。
電源部21は、制御部22、送給モータ24およびガス電磁弁25に電力を供給するものである。電源部21は、電源接続線51,52’を介して溶接電源装置1から電力を供給され、制御部22、送給モータ24およびガス電磁弁25のそれぞれに適した電圧に変換を行って出力する。電源部21は、溶接電源装置1から供給される電力を蓄積するコンデンサ、コンデンサから電源接続線51,52’に電流が逆流するのを防ぐためのダイオード、制御部22、送給モータ24およびガス電磁弁25に出力する電圧を調整するためのDC/DCコンバータを備えている。なお、電源部21の構成は、上記したものに限定されない。
制御部22は、ワイヤ送給装置2の制御を行うものであり、例えばマイクロコンピュータなどによって実現されている。制御部22は、溶接トーチ3に設けられている図示しないトーチスイッチより入力される起動のための操作信号に応じて、溶接電源装置1の溶接用電源部11を起動するための起動信号を通信部23に出力する。また、図示しない操作部より入力される溶接条件を変更するための操作信号に応じて、図示しない記憶部に記憶されている溶接条件を変更する。制御部22は、あらかじめ設定された送信周期ごとに、記憶部に記憶されている溶接条件を読み出して、通信部23に出力する。また、制御部22は、通信部23より入力される溶接電流の検出値、または、図示しない電圧センサによって検出された溶接電圧の検出値を、図示しない表示部に出力して表示させたり、通信部23より入力される異常発生を示す信号に基づいて、図示しない報知部に異常の報知(例えば、スピーカによる警告音や振動による報知)をさせたりする。また、制御部22は、通信部23からワイヤ送給指令を入力されている間、送給モータ24にワイヤ電極の送給を行わせて、溶接トーチ3にワイヤ電極を送り出す。また、通信部23からガス供給指令を入力されている間、ガス電磁弁25を開放して、ガスボンベ6のシールドガスを溶接トーチ3の先端から放出させる。
通信部23は、電源接続線51およびパワーケーブル41を介して、溶接電源装置1との間で通信を行うためのものである。通信部23は、溶接電源装置1から受信した通信信号を復調して、制御部22に出力する。溶接電源装置1から受信する通信信号には、例えば、検出された溶接電流の検出値や、異常発生を示す信号、ワイヤ送給指令やガス供給指令などのための信号などがある。また、通信部23は、制御部22から入力される信号を変調して、通信信号として溶接電源装置1に送信する。溶接電源装置1に送信する通信信号には、例えば、溶接条件を設定するための信号や、溶接用電源部11の起動を指示する起動信号、検出された溶接電圧の検出値などがある。なお、溶接電源装置1との間で送受信される通信信号は、上記したものに限定されない。通信部23も、通信部14と同様に、直接スペクトル拡散通信方式を用いて通信を行う。
通信部23は、結合回路を備えている。当該結合回路は、電源接続線51,52’に並列接続されたコイルと通信部23の入出力端に接続されたコイルとを磁気結合させた高周波トランスを備えており、通信部23が出力する通信信号を電源接続線51,52’に重畳し、また、電源接続線51,52’に重畳された通信信号を検出する。電源接続線52’は、ワイヤ送給装置2の内部で、パワーケーブル41に接続しているので、通信信号は、電源接続線51とパワーケーブル41との間に重畳される。
通信部23の内部構成は、通信部14の内部構成と同様なので(図3参照)、詳細な説明を省略する。本実施形態では、ワイヤ送給装置2から溶接電源装置1に送信する溶接電圧の検出値のみが、高帯域通信信号として送受信される。つまり、ワイヤ送給装置2の制御部22は、電圧センサによって検出された溶接電圧の検出値を高帯域通信信号用のフォーマットで高帯域通信部83に出力し、その他のデータを低帯域通信信号用のフォーマットで低帯域通信部81に出力する。ワイヤ送給装置2の高帯域通信部83から出力された高帯域通信信号は、電源接続線51およびパワーケーブル41を介して溶接電源装置1に送信され、溶接電源装置1の高帯域通信部83が受信する。なお、どのデータを高帯域通信信号として送受信するかは、適宜設計すればよい。
送給モータ24は、溶接トーチ3にワイヤ電極の送給を行うものである。送給モータ24は、制御部22からのワイヤ送給指令に基づいて回転し、送給ローラを回転させて、ワイヤ電極を溶接トーチ3に送り出す。
ガス電磁弁25は、ガスボンベ6と溶接トーチ3とを接続するガス配管7に設けられており、制御部22からのガス供給指令に基づいて開閉される。制御部22からガス供給指令が入力されている間、ガス電磁弁25は開放され、溶接トーチ3へシールドガスの供給が行われる。一方、制御部22からガス供給指令が入力されていないときは、ガス電磁弁25は閉鎖され、溶接トーチ3へのシールドガスの供給が停止される。
次に、通信部14および23の作用および効果について説明する。
図6は、通信部14と通信部23との通信について説明するための図である。なお、通信部23の各フィルタを、通信部14の各フィルタと区別するために、それぞれ低帯域BPF82a’、高帯域BEF82b’、高帯域BPF84a’および低帯域BEF84b’としている。
図6(a)は、溶接電源装置1の通信部14からワイヤ送給装置2の通信部23に低帯域信号を送信する場合を示している。低帯域BPF82aは、低帯域通信部81で変調した信号(低帯域信号)から、4MHzを中心周波数とする所定の周波数帯域以外の信号を減衰させて、伝送路に出力する。低帯域BPF82a’は、伝送路から入力される通信信号のうち、低帯域信号を通過させて、受信信号として低帯域通信部81に出力する(図6(a)における実線矢印参照)。
低帯域BPF82aを通過した低帯域信号は、低帯域BEF84bによって反射されるので(図6(a)における破線矢印a参照)、低帯域信号の一部が高帯域BPF84aに吸収されることを抑制することができる。また、伝送路を介して送られてきた低帯域信号は、低帯域BEF84b’によって反射されるので(図6(a)における破線矢印b参照)、低帯域信号の一部が高帯域BPF84a’に吸収されることを抑制することができる。したがって、溶接電源装置1からの低帯域信号の一部が、高帯域BPF84aまたは高帯域BPF84a’に吸収されて、一部の周波数成分が減衰した受信信号としてワイヤ送給装置2に受信されることを抑制することができる。
図6(b)は、溶接電源装置1の通信部14からワイヤ送給装置2の通信部23に高帯域信号を送信する場合を示している。高帯域BPF84aは、高帯域通信部83で変調した信号(高帯域信号)から、8MHzを中心周波数とする所定の周波数帯域以外の信号を減衰させて、伝送路に出力する。高帯域BPF84a’は、伝送路から入力される通信信号のうち、高帯域信号を通過させて、受信信号として高帯域通信部83に出力する(図6(b)における実線矢印参照)。
高帯域BPF84aを通過した高帯域信号は、高帯域BEF82bによって反射されるので(図6(b)における破線矢印a参照)、高帯域信号の一部が低帯域BPF82aに吸収されることを抑制することができる。また、伝送路を介して送られてきた高帯域信号は、高帯域BEF82b’によって反射されるので(図6(b)における破線矢印b参照)、高帯域信号の一部が低帯域BPF82a’に吸収されることを抑制することができる。したがって、溶接電源装置1からの高帯域信号の一部が、低帯域BPF82aまたは低帯域BPF82a’に吸収されて、一部の周波数成分が減衰した受信信号としてワイヤ送給装置2に受信されることを抑制することができる。ワイヤ送給装置2の通信部23から溶接電源装置1の通信部14に通信信号を送信する場合も同様である。
図7は、低帯域用フィルタ82と高帯域用フィルタ84とが伝送路に並列接続されたときの通過特性を示す図である。伝送路に、反射をなくすための、インピーダンスを合わせた負荷を接続し、一方のフィルタの入力側から全周波数について0dBの信号を入力して、伝送路に接続された負荷の入力端で信号の強度を検出した。なお、他方のフィルタの入力側は開放している。同図(a)は低帯域用フィルタ82の入力側から信号を入力した時の通過特性を示しており、同図(b)は高帯域用フィルタ84の入力側から信号を入力した時の通過特性を示している。
図7(a)に示すように、低帯域信号が利用する周波数帯域(図に示す網掛け部分)において、大きく減衰する周波数成分はなくなった。図13(a)に示す、3.8MHzあたりの減衰点がなくなり、改善されたことが確認できる。また、図7(b)に示すように、高帯域信号が利用する周波数帯域(図に示す網掛け部分)において、大きく減衰する周波数成分はなくなった。図13(b)に示す、6MHzあたりの減衰点がなくなり、改善されたことが確認できる。
以上のように、高帯域BEF82b(82b’)が低帯域BPF82a(82a’)に吸収されてしまう周波数成分を反射し、低帯域BEF84b(84b’)が高帯域BPF84a(84a’)に吸収されてしまう周波数成分を反射するので、低帯域通信信号が利用する周波数帯域と高帯域通信信号が利用する周波数帯域とが近い場合でも、通信信号の一部が減衰してしまうことを抑制することができる。これにより、通信信号の一部が減衰することによる通信障害を抑制することができる。また、通信電力を高くする必要がないので、通信による消費電力を抑制することができる。
なお、図1に示すように、溶接電源装置1とワイヤ送給装置2とが、電源接続線51とパワーケーブル41との間に信号を重畳させて通信を行うので、パワーケーブル41とパワーケーブル42との間に信号を重畳させる場合より、正確に通信を行うことができる。また、電源接続線51は、溶接電源装置1とワイヤ送給装置2との間では、ガス配管7の内側に配置されているので、電源接続線51がガス配管7とは別に配置される場合と比べて、ワイヤ送給装置2を移動させる際の邪魔にならない。また、電源接続線51は、ガス配管7に囲まれているので、外部からの衝撃を受けにくく、電源接続線51が断線することを抑制することができる。また、ガス配管7を接続するための接続金具1a、2aを、電源接続線51を接続するためのコネクタとして利用しているので、電源接続線51の接続が容易であり、ガス配管7に電源接続線51を通すための孔を設ける必要がない。
なお、本実施形態においては、通信部14(23)が高帯域BEF82bおよび低帯域BEF84bを備える場合について説明したが、これに限られない。例えば、低帯域BEF84bのみを備えるようにしてもよい。この場合、送信する高帯域信号の一部が低帯域BPF82aに吸収されるが、送信する低帯域信号の一部が高帯域BPF84aに吸収されることを抑制することができる。また、受信した高帯域信号の一部が低帯域BPF82aに吸収されるが、受信した低帯域信号の一部が高帯域BPF84aに吸収されることを抑制することができる。逆に、高帯域BEF82bのみを備えるようにしてもよい。この場合、送信する低帯域信号の一部が高帯域BPF84aに吸収されるが、送信する高帯域信号の一部が低帯域BPF82aに吸収されることを抑制することができる。また、受信した低帯域信号の一部が高帯域BPF84aに吸収されるが、受信した高帯域信号の一部が低帯域BPF82aに吸収されることを抑制することができる。これらの場合でも、通信信号の一部の周波数成分が減衰して受信されることを抑制することができる。ただし、通信信号の減衰をより抑制するためには、高帯域BEF82bおよび低帯域BEF84bの両方を備えることが望ましい。
本実施形態においては、低帯域通信部81および高帯域通信部83が、どちらも双方向通信を行う場合について説明したが、これに限られない。一方が双方向通信を行い、他方が一方向通信(送信または受信のみ)を行うようにしてもよい。また、どちらも一方向通信をするようにしてもよい。例えば、溶接電源装置1の低帯域通信部81およびワイヤ送給装置2の低帯域通信部81が双方向通信を行い、溶接電源装置1の高帯域通信部83が受信のみ、ワイヤ送給装置2の高帯域通信部83が送信のみを行なうようにしてもよい。
本実施形態においては、コイルによる磁気結合を利用して、通信部14(23)が通信信号を電源接続線51と52(52’)との間に重畳し、電源接続線51と52(52’)との間に重畳された通信信号を検出する場合について説明したが、これに限られない。例えば、コンデンサによる電界結合を利用するようにしてもよい。また、電源接続線51,52(52’)に並列に通信信号を入力するのではなく、電源接続線51または52(52’)に直列に通信信号を入力するようにしてもよい。
本実施形態においては、送給装置用電源部12が電源部21に直流電力を供給する場合、について説明したが、交流電力を供給するようにしてもよい。この場合、送給装置用電源部12は、整流回路およびDC/DCコンバータ回路に代えてトランスを備えるようにし、電力系統から入力される交流電力をトランスで降圧して出力するようにすればよい。一方、電源部21には、交流電力を直流電力に変換するための整流回路を設ける必要がある。また、溶接電源装置1に送給装置用電源部12を設けずに、電力系統からの交流電力を直接、電源部21に供給するようにしてもよい。
本実施形態においては、溶接用電源部11および送給装置用電源部12が、電力系統から入力される交流電力を、それぞれ直流電力に変換して出力する場合について説明したが、これに限られない。溶接用電源部11と送給装置用電源部12とで、構成の一部を共有するようにしてもよい。例えば、送給装置用電源部12に整流回路を設けずに、溶接用電源部11の整流回路の出力をDC/DCコンバータ回路に入力するようにしてもよい。また、溶接用電源部11のトランスの二次側に巻線を追加して電力を取り出し、整流して出力するようにしてもよいし、送給装置用電源部12を設けずに、溶接用電源部11の出力の一部を、ワイヤ送給装置2に供給するようにしてもよい。
本実施形態においては、溶接電源装置1がアークに直流電力を供給する直流電源である場合について説明したが、これに限られない。例えばアルミなどの溶接を行うために、溶接電源装置1を、交流電力を供給する交流電源としてもよい。この場合、溶接用電源部11にさらにインバータ回路を追加し、整流回路から出力される直流電力を交流電力に変換して出力するようにすればよい。
本実施形態においては、溶接システムA1が消耗電極式の溶接システムである場合について説明した。非消耗電極式の溶接システムの場合、ワイヤ電極を送給するためのワイヤ送給装置は必要ないが、溶加ワイヤを自動送給するためのワイヤ送給装置を用いる場合がある。この場合は、溶接システムA1と同様の構成になり、本発明を適用することができる。
本実施形態においては、溶接電源装置1とワイヤ送給装置2とが、電源接続線51とパワーケーブル41との間に信号を重畳させて通信を行う場合について説明したが、これに限られない。パワーケーブル41に代えてパワーケーブル42を用いるようにしてもよい。
上記第1実施形態においては、電源接続線51が、溶接電源装置1とワイヤ送給装置2との間で、ガス配管7の内側に配置されている場合について説明したが、これに限られない。例えば、溶接時にシールドガスを用いない場合などには、ガス配管7が設けられていない。電源接続線51がガス配管7の内側に配置されない場合について、第2実施形態として、以下に説明する。
図8は、第2実施形態に係る溶接システムA2の全体構成を説明するための図である。同図において、第1実施形態に係る溶接システムA1(図1参照)と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。
図8に示す溶接システムA2は、ガスボンベ6およびガス配管7が設けられておらず、電源接続線51が、溶接電源装置1とワイヤ送給装置2との間でむき出しになっている点で、第1実施形態に係る溶接システムA1と異なる。
本実施形態の場合、ガス配管7によって保護されないので、電源接続線51の被覆を厚くするなどして、断線しにくいように補強する必要がある。本実施形態においても、通信部14(23)の構成は第1実施形態と同様なので、低帯域通信信号が利用する周波数帯域と高帯域通信信号が利用する周波数帯域とが近い場合でも、通信信号の一部が減衰してしまうことを抑制することができる。なお、ガス配管7が設けられていても、電源接続線51をガス配管7の内側に配置しないようにしてもよい。
上記第1および第2実施形態においては、溶接電源装置1とワイヤ送給装置2とが、電源接続線51とパワーケーブル41との間に信号を重畳させて通信を行う場合について説明したが、これに限られない。例えば、溶接電源装置1とワイヤ送給装置2とが、パワーケーブル41とパワーケーブル42との間に信号を重畳させて通信を行うようにしてもよい。また、電源接続線52と52’とを直接接続して、すなわち、送給装置用電源部12と電源部21とを2本の電源接続線で接続して、当該2本の電源接続線の間に信号を重畳させて通信を行うようにしてもよい。また、専用の通信線を設けて、当該通信線で通信を行なうようにしてもよい。パワーケーブル41とパワーケーブル42との間に信号を重畳させて通信を行う場合を、第3実施形態として、以下に説明する。
図9は、第3実施形態に係る溶接システムA3の全体構成を説明するための図である。同図において、第1実施形態に係る溶接システムA1(図1参照)と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。なお、図9においては、溶接電源装置1およびワイヤ送給装置2の内部構成の一部の記載や、ガス配管7などの記載を省略している。
図9に示す溶接システムA3は、パワーケーブル41とパワーケーブル42との間に信号を重畳させて通信を行う点で、第1実施形態に係る溶接システムA1と異なる。本実施形態においても、通信部14(23)の構成は第1実施形態と同様なので、低帯域通信信号が利用する周波数帯域と高帯域通信信号が利用する周波数帯域とが近い場合でも、通信信号の一部が減衰してしまうことを抑制することができる。
上記第1ないし第3実施形態においては、溶接電源装置1とワイヤ送給装置2とが、有線通信を行う場合について説明したが、これに限られず、無線通信を行うようにしてもよい。溶接電源装置1とワイヤ送給装置2とが無線通信を行う場合を、第4実施形態として、以下に説明する。
図10は、第4実施形態に係る溶接システムA4を説明するための図である。図10において、第1実施形態に係る溶接システムA1(図1参照)と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。
図10に示す溶接電源装置1は、通信部14に代えて、無線通信を行う通信部14’を備えている点で、第1実施形態に係る溶接電源装置1と異なる。また、図10に示すワイヤ送給装置2は、通信部23に代えて、無線通信を行う通信部23’を備えている点で、第1実施形態に係るワイヤ送給装置2と異なる。本実施形態においても、通信部14’(23’)の内部構成は第1実施形態と同様なので、低帯域通信信号が利用する周波数帯域と高帯域通信信号が利用する周波数帯域とが近い場合でも、通信信号の一部が減衰してしまうことを抑制することができる。
上記第1ないし第4実施形態においては、溶接電源装置1とワイヤ送給装置2との間で通信を行う場合について説明したが、これに限られない。例えば、非消耗電極式の溶接装置の場合、ワイヤ送給装置2は用いられず、溶接電源装置1と溶接トーチ3に接続されたリモコンとの間で、通信を行う。この場合、リモコンに通信のための構成を設け、溶接電源装置1との間で通信を行うようにすればよい。
上記第1ないし第4実施形態においては、本発明に係る通信装置を溶接システムに用いた場合について説明したが、これに限られない。本発明に係る通信装置は、他のシステムにおいても用いることができる。また、本発明は、通信のみを行う通信装置においても適用することができる。
本発明に係る溶接電源装置、ワイヤ送給装置、および、溶接システムは、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る溶接電源装置、ワイヤ送給装置、および、溶接システムの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。