JP2016209913A - 溶接電源装置、および、溶接システム - Google Patents

溶接電源装置、および、溶接システム Download PDF

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敏光 土井
成瀬 仁
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Abstract

【課題】補助トランスの容量を小さくすることができる溶接電源装置を提供する。
【解決手段】サイリスタ位相制御を行う溶接電源装置の電源部11において、主トランス111と、主トランス111の第1の二次側巻線の出力を入力されるサイリスタ回路112と、補助トランス113と、主トランス111の第2の二次側巻線の出力電力を出力する第1の状態と、補助トランス113の二次側巻線の出力電力を出力する第2の状態とを切り替える切替回路114とを備えるようにした。切替回路114の出力電力が、電力伝送線51,52を介して、ワイヤ送給装置に供給される。大電力が必要なときには、切替回路114を第1の状態に切り替え、大電力が必要ないときには、切替回路114を第2の状態に切り替える。第2の状態のときに使用される補助トランス113は、大きな電力を出力する必要がないので、容量の小さなトランスを用いることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、溶接電源装置、および、溶接システムに関する。
消耗電極式の溶接システムは、溶接電源装置と、溶接個所の変更に伴って溶接作業者が持ち運びするワイヤ送給装置とを備えている。溶接電源装置として、サイリスタ位相制御型の溶接電源装置が、従来からよく使われている。例えば、特許文献1には、サイリスタ位相制御型の溶接電源装置が記載されている。
サイリスタ位相制御型の溶接電源装置には、サイリスタの上流側に三相トランスが接続されている。当該三相トランスの励磁電流による電力損失を抑制するために、三相トランスの一次側には電磁接触器が直列接続されており、溶接待機時には電磁接触器によって開路されて、三相トランスに励磁電流が流れないようになっている。この場合、溶接電源装置からワイヤ送給装置に電力が供給されない。しかし、溶接待機時でも、ワイヤ送給装置は、通信や内部制御のために電力を必要とする。溶接待機時にワイヤ送給装置に電力を供給するために、サイリスタに電力を供給するためのトランスとは別に補助トランスを設けて、ワイヤ送給装置に電力を供給する方法がある。例えば、特許文献2には、溶接待機時に、補助トランスが出力する電力をワイヤ送給装置に供給する溶接電源装置が記載されている。
特開2006−223031号公報 特許第4739621号公報
溶接待機時でも、インチングのために送給モータを駆動したり、ガスチェックのためにガス電磁弁を開閉したりする必要があるので、補助トランスは、これらに必要な電力を供給できるものである必要がある。例えば、送給モータの駆動には150[W]程度の電力が必要になるので、補助トランスは、他の回路に供給する分も含めて、200[W]程度の電力を供給できるものが必要になる。このようなトランスは、大きくて重く、高価である。
本発明は上記した事情のもとで考え出されたものであって、補助トランスの容量を小さくすることができる溶接電源装置を提供することをその目的としている。
上記課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明の第1の側面によって提供される溶接電源装置は、サイリスタ位相制御を行う溶接電源装置であって、入力される交流電圧を変圧する第1のトランスと、前記第1のトランスの第1の二次側巻線の出力を入力されるサイリスタ回路と、前記交流電圧を変圧する第2のトランスと、前記第1のトランスの第2の二次側巻線の出力電力を出力する第1の状態と、前記第2のトランスの二次側巻線の出力電力を出力する第2の状態とを切り替える切替手段とを備えており、前記切替手段の出力電力が、電力伝送線を介して、ワイヤ送給装置に供給されることを特徴とする。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記溶接電源装置は、前記切替手段の出力を整流する整流手段をさらに備え、前記整流手段が出力する直流電力を、ワイヤ送給装置に供給する。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1のトランスの入力側に設けられており、前記切替手段によって第1の状態に切り替えられている間は閉路し、前記切替手段によって第2の状態に切り替えられている間は開路するスイッチ手段を、前記溶接電源装置が、さらに備えている。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記切替手段によって第1の状態に切り替えられている間は前記交流電圧が前記第1のトランスに入力され、前記切替手段によって第2の状態に切り替えられている間は前記交流電圧が前記第2のトランスに入力されるように切り替えを行うスイッチ手段を、前記溶接電源装置が、さらに備えている。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記切替手段は、溶接時に第1の状態に切り替える。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記切替手段は、ワイヤインチング時に第1の状態に切り替える。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記切替手段は、ガスチェック時に第1の状態に切り替える。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記溶接電源装置は、前記ワイヤ送給装置との間で、前記電力伝送線を介して通信を行う。
本発明の第2の側面によって提供される溶接システムは、本発明の第1の側面によって提供される溶接電源装置と、前記ワイヤ送給装置とを備えていることを特徴とする。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記溶接システムは、前記溶接電源装置および前記ワイヤ送給装置を通って、溶接トーチにシールドガスを供給するガス配管をさらに備え、前記電力伝送線は、前記ガス配管の内側に配置されている。
本発明によると、切替手段によって、第1のトランスの第2の二次側巻線の出力電力がワイヤ送給装置に供給される状態(第1の状態)と、第2のトランスの二次側巻線の出力電力がワイヤ送給装置に供給される状態(第2の状態)とが切り替えられる。したがって、ワイヤ送給装置が必要とする電力が大きい場合に第1の状態に切り替え、ワイヤ送給装置が必要とする電力が小さい場合に第2の状態に切り替えるようにすれば、第2のトランスは容量の小さいものを用いることができる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
第1実施形態に係る溶接システムの全体構成を説明するための図である。 ガス配管を説明するための断面図である。 溶接電源装置の電源部の内部構成を機能ブロックで示した図である。 溶接電源装置の電源部の回路図の一例である。 溶接電源装置の制御部が行う切替処理を説明するためのフローチャートである。 溶接電源装置の電源部の変形例を示す回路図である。 溶接電源装置の電源部の他の変形例を示す回路図である。 溶接電源装置の電源部の他の変形例を示す回路図である。 第1実施形態に係る溶接システムの変形例を示す回路図である。 第2および第3実施形態に係る溶接システムの全体構成を説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
図1〜5は、第1実施形態に係る溶接システムA1を説明するための図である。図1は、溶接システムA1の全体構成を示すものである。図2は、ガス配管を説明するための断面図である。図3は、溶接電源装置の電源部の内部構成を機能ブロックで示した図である。図4は、溶接電源装置の電源部の回路図の一例である。図5は、溶接電源装置の制御部が行う切替処理を説明するためのフローチャートである。
溶接システムA1は、溶接電源装置1、ワイヤ送給装置2、溶接トーチ3、パワーケーブル41,42、電力伝送線51,52,52’、ガスボンベ6、および、ガス配管7を備えている。溶接システムA1は、実際には、ワイヤ電極が巻回されたワイヤリールなどを備えているが、図への記載や説明を省略している。
溶接電源装置1の溶接電力用の一方の出力端子aは、パワーケーブル41を介して、ワイヤ送給装置2に接続されている。ワイヤ送給装置2は、ワイヤ電極を溶接トーチ3に送り出して、ワイヤ電極の先端を溶接トーチ3の先端から突出させる。溶接トーチ3の先端に配置されているコンタクトチップにおいて、パワーケーブル41とワイヤ電極とは電気的に接続されている。溶接電源装置1の溶接電力用の他方の出力端子bは、パワーケーブル42を介して、被加工物Wに接続される。溶接電源装置1は、溶接トーチ3の先端から突出するワイヤ電極の先端と、被加工物Wとの間にアークを発生させ、アークに電力を供給する。溶接システムA1は、当該アークの熱で被加工物Wの溶接を行う。
溶接システムA1は、溶接時にシールドガスを用いる。ガスボンベ6のシールドガスは、溶接電源装置1およびワイヤ送給装置2を通るように設けられているガス配管7によって、溶接トーチ3の先端に供給される。ガス配管7は、ガスボンベ6と溶接電源装置1とを接続する配管、溶接電源装置1の内部に配置されている配管、溶接電源装置1とワイヤ送給装置2とを接続する配管、および、ワイヤ送給装置2の内部に配置され溶接トーチ3の先端に接続する配管を備えている。図2は、ガス配管7のうち、溶接電源装置1とワイヤ送給装置2とを接続する配管が、溶接電源装置1の内部に配置されている配管に接続された接続金具1a、および、ワイヤ送給装置2の内部に配置されている配管に接続された接続金具2aに接続されている部分の断面図である。例えばゴム製のガス配管7は、接続金具1a(2a)に嵌め込むようにして、接続されている。なお、ガス配管7の素材は限定されず、各区間によって異なっていてもよいが、溶接電源装置1とワイヤ送給装置2とを接続する部分は、ゴムなどの絶縁体としている。
ワイヤ電極を送り出すための送給モータ24(後述)などを駆動するための電力は、電力伝送線51およびパワーケーブル41を介して、溶接電源装置1からワイヤ送給装置2に供給される。溶接電源装置1の電源(後述する電源部11)は、溶接用の電力を出力し、かつ、ワイヤ送給装置2の駆動用の電力も出力する。電源部11は、2つの出力端子からなる出力端子対を2対備えている。一方の出力端子対は、溶接電力用であり、出力端子aおよび出力端子bに接続している。他方の出力端子対は、ワイヤ送給装置2の駆動用である。当該出力端子対の一方の出力端子は、電力伝送線51を介して、ワイヤ送給装置2の電源(後述する電源部21)の一方の入力端子に接続されている。
電力伝送線51は、溶接電源装置1とワイヤ送給装置2との間では、ガス配管7の内側に配置されている。図2に示すように、溶接電源装置1の内部で、電力伝送線51は導電性の接続金具1aに接続しており、ワイヤ送給装置2の内部で、電力伝送線51は導電性の接続金具2aに接続している。そして、ガス配管7の内側に配置された電力伝送線51が、ガス配管7と接続金具1a(2a)との間に挟まれて固定され、接続金具1a(2a)と電気的に接続されている。つまり、接続金具1aが、溶接電源装置1の内部の電力伝送線51と、ガス配管7の内側に配置された電力伝送線51とを接続するコネクタとして機能し、接続金具2aが、ワイヤ送給装置2の内部の電力伝送線51と、ガス配管7の内側に配置された電力伝送線51とを接続するコネクタとして機能している。
また、ワイヤ送給装置2駆動用の出力端子対の他方の出力端子とパワーケーブル41とが、溶接電源装置1の内部で、電力伝送線52によって接続されており、電源部21の他方の入力端子とパワーケーブル41とが、ワイヤ送給装置2の内部で、電力伝送線52’によって接続されている。これにより、ワイヤ送給装置2駆動用の出力端子対の他方の出力端子と電源部21の他方の入力端子とが、電気的に接続されている。ワイヤ送給装置2駆動用として電源部11から出力される電力は、電力伝送線51およびパワーケーブル41によって、電源部21に供給される。また、溶接電源装置1とワイヤ送給装置2とは、電力伝送線51とパワーケーブル41との間に信号を重畳させて通信を行う。
溶接電源装置1は、アーク溶接のための直流電力を溶接トーチ3に供給するものである。溶接電源装置1は、電源部11、制御部13、および、通信部14を備えている。
電源部11は、電力系統から入力される三相交流電力を、アーク溶接に適した直流電力と、ワイヤ送給装置2駆動用の直流電力とに、変換して出力するものである。電源部11は、図3に示すように、主トランス111、サイリスタ回路112、補助トランス113、切替回路114、整流回路115、および、スイッチ回路116を備えている。
主トランス111は、電力系統から入力される三相交流電圧を降圧(または昇圧)するものであり、本実施形態では、相間リアクトル付二重星形結線の変圧器において、二次側にさらに単相交流を取り出すためのリアクトルを追加したものとしている(図4参照)。主トランス111は、一次側に、3個のリアクトルがΔ結線された一次側巻線111aを備えており、二次側に、3個のリアクトルがY結線(星形結線)された二次側巻線111b、111cを、それぞれの中性点を相間リアクトル111eを介して接続して、六相の出力としたものと、一つのリアクトルを備えた二次側巻線111dとを備えている。一次側巻線111aは、スイッチ回路116を介して、電力系統に接続されている。二次側巻線111b、111cは、サイリスタ回路112に接続されており、相間リアクトル111eに設けられたセンタータップは、パワーケーブル42に接続されている。また、二次側巻線111dは、切替回路114に接続されている。
なお、主トランス111の回路構成は、上述したものに限定されない。二次側のサイリスタ回路112への出力を六相にしているのは、サイリスタ回路112からの出力をできるだけ平滑化するためである。例えば、より平滑化するために、出力が12相になるようにしてもよい。また、より簡略化した回路とするために、二次側巻線111cおよび相間リアクトル111eを設けずに、出力が三相になるようにしてもよい(図6の主トランス111’およびサイリスタ回路112’参照)。また、本実施形態においては、一次側と二次側との位相のずれを利用して、ゼロクロスのタイミングを取得するために、一次側巻線111aと二次側巻線111b、111cとの結線方式をΔ−Y結線としているが、Δ−Δ結線や、Y−Δ結線、Y−Y結線などの他の結線方式としてもよい。つまり、一次側巻線111aを3個のリアクトルがY結線されたものとしてもよいし、二次側巻線111b、111cを3個のリアクトルがΔ結線されたものとしてもよい。主トランス111は、2次側の出力が、溶接用の電力を出力するものと、ワイヤ送給装置2の駆動用の電力を出力するものとの、2つがあるものであればよい。後述するように、二次側巻線111dは、ワイヤ送給装置2の溶接時などの駆動用電力(例えば200[W]程度)を供給するものなので、当該電力を出力できるものである必要がある。
サイリスタ回路112は、整流を行いつつ、位相制御により電圧の調整を行うものである。本実施形態では、サイリスタ回路112は、6個のサイリスタを備えている(図4参照)。各サイリスタは、アノード端子が主トランス111の六相の出力にそれぞれ接続されており、カソード端子が互いに接続されて、平滑リアクトルを介して、パワーケーブル41に接続されている。また、各サイリスタのゲート端子には、制御部13から、制御のためのトリガパルスが入力される。制御部13は、トリガパルスの位相を変化させることで、各サイリスタのターンオンのタイミングを変化させて、電源部11が出力する溶接電圧を調整する。なお、サイリスタ回路112の回路構成は、上述したものに限定されない。
補助トランス113は、電力系統から入力される単相交流電圧を降圧(または昇圧)するものである。本実施形態では、補助トランス113は、一次側に一次側巻線113aを備えており、二次側に2つの二次側巻線113b、113cを備えている(図4参照)。一次側巻線113aは、電力系統に接続されている。二次側巻線113bは、切替回路114に接続されている。二次側巻線113cの出力は、溶接電源装置1内部の各回路(制御部13など)を駆動するための電力として用いられている。なお、補助トランス113の回路構成は、上述したものに限定されない。例えば、二次側巻線113cを設けずに、補助トランス113とは別に設けられたトランスの出力を、内部駆動用の電力として用いるようにしてもよい。補助トランス113は、後述するように、ワイヤ送給装置2の待機時の駆動用電力(例えば50[W]程度)を供給するものなので、2次側の出力として当該電力を出力できるものであればよい。
切替回路114は、主トランス111からの出力と、補助トランス113からの出力とを切り替えて、整流回路115に出力するものである。本実施形態では、切替回路114は、2つの単極双投形スイッチを備えており、主トランス111の二次側巻線111dの出力が整流回路115に入力される第1の状態と、補助トランス113の二次側巻線113bの出力が整流回路115に入力される第2の状態とを切り替える(図4参照)。切替回路114は、制御部13からの指令信号に応じて、第1の状態と第2の状態とを切り替える。なお、切替回路114の回路構成は、上述したものに限定されない。例えば、2つの単極双投形スイッチを設ける代わりに、1個のダイオードと1個の単極単投形スイッチとを設けるようにしてもよい(図7の切替回路114’参照)。また、図7の切替回路114’において、ダイオードに代えて、単極単投形スイッチを設けるようにしてもよい。この場合は、2個の単極単投形スイッチが同時にオンしないように制御する必要ある。切替回路114は、第1の状態と第2の状態とを切り替えられるものであればよい。
整流回路115は、切替回路114より入力される交流電力を直流電力に変換するものであり、例えば単相ブリッジ型全波整流回路である。なお、整流回路115は、これに限定されず、半波整流回路などであってもよく、交流電力を直流電力に変換するものであればよい。整流回路115の出力は、電力伝送線51,52に接続されている。
スイッチ回路116は、電力系統と主トランス111の一次側巻線111aとの接続をオンオフするものであり、例えば3極3投形の電磁接触器である(図4参照)。なお、スイッチ回路116は、これに限定されず、電力系統と主トランス111の一次側巻線111aとの接続をオンオフするものであればよい。スイッチ回路116は、制御部13からの指令信号に応じて、オンとオフとを切り替える。
なお、切替回路114が第1の状態のときに、電力系統と主トランス111の一次側巻線111aとが接続されて、切替回路114が第2の状態のときに、電力系統と主トランス111の一次側巻線111aとが切り離されていればよいので、例えば、図8に示すスイッチ回路116’のように、3極3投形スイッチに代えて、1つの単極単投形スイッチと2つの単極双投形スイッチを設けるようにしてもよい。当該単極単投形スイッチは、電力系統の1つの相と主トランス111の一次側巻線111aの1つの相との接続をオンオフする。また、当該2つの単極双投形スイッチは、電力系統の他の2つの相からの入力を、主トランス111の一次側巻線111aの他の2つの相に入力する状態と、補助トランス113の一次側巻線113aに入力する状態とで切り替える。この場合、制御部13は、切替回路114を第1の状態に切り替えている間は、スイッチ回路116’を電力系統と主トランス111の一次側巻線111aとが接続される状態とし、切替回路114を第2の状態に切り替えている間は、スイッチ回路116’を電力系統と補助トランス113の一次側巻線113aとが接続される状態とすればよい。
図1に戻って、電源部11は、出力端子aが出力端子bより電位が高くなるようにして、パワーケーブル41の電位がパワーテーブル42の電位より高くなるように、電圧を印加する。また、電源部11は、電力伝送線51の電位が電力伝送線52の電位より低くなるように、電圧を印加する。電力伝送線52はパワーケーブル41に接続しているので、電力伝送線51の電位は、パワーケーブル41の電位より低くなる。つまり、電力伝送線51およびパワーケーブル42の電位をどちらもパワーケーブル41より低くすることで、電力伝送線51とパワーケーブル42との電位差があまり大きくならないようにしている。例えば、電源部11がパワーケーブル41,42に印加する無負荷電圧が90V、電力伝送線51,52に印加する電圧が48Vの場合、電力伝送線51とパワーケーブル42との電位差は42Vになる。仮に、電力伝送線51の電位を電力伝送線52の電位より高くした場合は、電力伝送線51とパワーケーブル42との電位差は138Vになる。なお、電力伝送線51とパワーケーブル42との電位差を気にしない場合は、電力伝送線51と電力伝送線52との間に印加する電圧を逆極性(電力伝送線51の電位が電力伝送線52の電位より高くなるように、電圧を印加する)にしてもよい。
制御部13は、溶接電源装置1の制御を行うものであり、例えばマイクロコンピュータなどによって実現されている。制御部13は、溶接電源装置1から出力される溶接電圧および溶接電流が設定電圧および設定電流になるように、電源部11のサイリスタ回路112を制御する。制御部13は、図示しない設定ボタンの操作に応じて溶接条件の変更を行ったり、図示しない起動ボタンの操作に応じて電源部11を起動させたりなどの制御を行う。また、制御部13は、図示しないセンサによって検出された溶接電圧や溶接電流の検出値を図示しない表示部に表示させたり、異常が発生した場合に図示しない報知部に報知させたりする。
また、制御部13は、通信部14から入力される信号に基づいても、溶接条件の変更や電源部11の起動を行い、検出された溶接電圧または溶接電流の検出値や、異常発生を示す信号、ワイヤ送給装置2に対するワイヤ送給指令やガス供給指令などのための信号を通信部14に出力する。
さらに、制御部13は、電源部11の切替回路114およびスイッチ回路116の切り替えのための切替処理を行う。切替処理の詳細については後述する。
通信部14は、電力伝送線51およびパワーケーブル41を介して、ワイヤ送給装置2との間で通信を行うためのものである。通信部14は、ワイヤ送給装置2から受信した信号を復調して、制御部13に出力する。ワイヤ送給装置2から受信する信号には、例えば、溶接条件を設定するための信号や、電源部11に溶接用の電力の供給を開始させる起動信号、インチングを指示する信号、ガスチェックを指示する信号などがある。また、通信部14は、制御部13から入力される信号を変調して、通信信号としてワイヤ送給装置2に送信する。ワイヤ送給装置2に送信する通信信号には、例えば、検出された溶接電圧または溶接電流の検出値や、異常発生を示す信号、ワイヤ送給指令やガス供給指令などのための信号などがある。なお、ワイヤ送給装置2との間で送受信される通信信号は、上記したものに限定されない。
通信部14は、直接スペクトル拡散(Direct Sequence Spread Spectrum:DSSS)通信方式を用いて通信を行う。直接スペクトル拡散通信方式では、送信側は、送信する信号に対して拡散符号による演算を行い、元の信号のスペクトルをより広い帯域に拡散して送信する。受信側は、受信した信号を共通する拡散符号を用いて逆拡散することで、元の信号に戻す。通信信号にノイズが重畳された場合でも、逆拡散によってノイズのスペクトルが拡散されるので、フィルタリングによって元の通信信号を抽出することができる。また、溶接システムA1毎に異なる拡散符号を用いていれば、別の溶接システムA1で送受信される通信信号を誤って受信したとしても、当該通信信号は異なる拡散符号で逆拡散されて、ノイズとして除去される。したがって、高い通信品質で通信を行うことができる。
通信部14は、結合回路を備えている。当該結合回路は、通信部14の入出力端に接続されたコイルと、電力伝送線51,52に並列接続されたコイルとを磁気結合させた高周波トランスを備えており、通信部14が出力する通信信号を電力伝送線51,52に重畳し、また、電力伝送線51,52に重畳された通信信号を検出する。電力伝送線52は、溶接電源装置1の内部で、パワーケーブル41に接続しているので、通信信号は、電力伝送線51とパワーケーブル41との間に重畳される。通信部14は、制御部13より入力される信号に応じてキャリア信号をBPSK(Binary Phase Shift Keying)変調し、変調信号にスペクトル拡散を行い、アナログ信号に変換して送信する。なお、変調方法はBPSK変調に限られず、ASK変調やFSK変調を行うようにしてもよい。また、スペクトル拡散は直接拡散方式に限られず、周波数ホッピング方式を用いてもよい。なお、本実施形態では、スペクトル拡散を行っているが、これに限定されず、スペクトル拡散を行わないようにしてもよい。また、通信部14は、電力伝送線51,52に重畳された通信信号を検出し、デジタル信号に変換して、逆拡散およびフィルタリングを行い、復調を行って、制御部13に出力する。溶接電源装置1からワイヤ送給装置2に送信する信号と、ワイヤ送給装置2から溶接電源装置1に送信する信号とでは、時間をずらして送受信を行う。なお、異なる周波数帯域を利用するようにしてもよい。
ワイヤ送給装置2は、ワイヤ電極を溶接トーチ3に送り出すものである。また、ワイヤ送給装置2は、ガスボンベ6のシールドガスを溶接トーチ3の先端に供給する。ワイヤ送給装置2は、電源部21、制御部22、通信部23、送給モータ24、および、ガス電磁弁25を備えている。
電源部21は、制御部22、送給モータ24およびガス電磁弁25に電力を供給するものである。電源部21は、電力伝送線51,52’を介して溶接電源装置1から電力を供給され、制御部22、送給モータ24およびガス電磁弁25のそれぞれに適した電圧に変換を行って出力する。電源部21は、溶接電源装置1から供給される電力を蓄積するコンデンサ、コンデンサから電力伝送線51,52’に電流が逆流するのを防ぐためのダイオード、制御部22、送給モータ24およびガス電磁弁25に出力する電圧を調整するためのDC/DCコンバータを備えている。なお、電源部21の構成は、上記したものに限定されない。
制御部22は、ワイヤ送給装置2の制御を行うものであり、例えばマイクロコンピュータなどによって実現されている。制御部22は、溶接トーチ3に設けられている図示しないトーチスイッチより入力される起動のための操作信号に応じて、溶接電源装置1の電源部11に溶接用の電力の供給を開始させる起動信号を通信部23に出力する。また、図示しない操作部より入力される溶接条件を変更するための操作信号に応じて、図示しない記憶部に記憶されている溶接条件を変更する。また、操作部には、インチングを行うための操作ボタンと、ガスチェックを行うための操作ボタンとが設けられている。制御部22は、操作部より入力される、インチングを行うための操作信号に応じて、インチングを指示する信号を通信部23に出力する。また、制御部22は、操作部より入力される、ガスチェックを行うための操作信号に応じて、ガスチェックを指示する信号を通信部23に出力する。なお、操作部は、ワイヤ送給装置2の本体に設けられていてもよいし、本体と無線接続または有線接続されたリモコンに設けられていてもよい。
また、制御部22は、通信部23より入力される溶接電圧または溶接電流の検出値を、図示しない表示部に出力して表示させたり、通信部23より入力される異常発生を示す信号に基づいて、図示しない報知部に異常の報知(例えば、スピーカによる警告音や振動による報知)をさせたりする。また、制御部22は、通信部23からワイヤ送給指令を入力されている間、送給モータ24にワイヤ電極の送給を行わせて、溶接トーチ3にワイヤ電極を送り出す。また、通信部23からガス供給指令を入力されている間、ガス電磁弁25を開放して、ガスボンベ6のシールドガスを溶接トーチ3の先端から放出させる。
通信部23は、電力伝送線51およびパワーケーブル41を介して、溶接電源装置1との間で通信を行うためのものである。通信部23は、溶接電源装置1から受信した通信信号を復調して、制御部22に出力する。溶接電源装置1から受信する通信信号には、例えば、溶接電源装置1においてセンサで検出された溶接電圧または溶接電流の検出値や、異常発生を示す信号、ワイヤ送給指令やガス供給指令などのための信号などがある。また、通信部23は、制御部22から入力される信号を変調して、通信信号として溶接電源装置1に送信する。溶接電源装置1に送信する通信信号には、例えば、溶接条件を設定するための信号や、電源部11に溶接用の電力の供給を開始させる起動信号、インチングを指示する信号、ガスチェックを指示する信号などがある。なお、溶接電源装置1との間で送受信される通信信号は、上記したものに限定されない。通信部23も、通信部14と同様に、直接スペクトル拡散通信方式を用いて通信を行う。
通信部23は、結合回路を備えている。当該結合回路は、電力伝送線51,52’に並列接続されたコイルと通信部23の入出力端に接続されたコイルとを磁気結合させた高周波トランスを備えており、通信部23が出力する通信信号を電力伝送線51,52’に重畳し、また、電力伝送線51,52’に重畳された通信信号を検出する。電力伝送線52’は、ワイヤ送給装置2の内部で、パワーケーブル41に接続しているので、通信信号は、電力伝送線51とパワーケーブル41との間に重畳される。
送給モータ24は、溶接トーチ3にワイヤ電極の送給を行うものである。送給モータ24は、制御部22からのワイヤ送給指令に基づいて回転し、送給ローラを回転させて、ワイヤ電極を溶接トーチ3に送り出す。
ガス電磁弁25は、ガスボンベ6と溶接トーチ3とを接続するガス配管7に設けられており、制御部22からのガス供給指令に基づいて開閉される。制御部22からガス供給指令が入力されている間、ガス電磁弁25は開放され、溶接トーチ3へシールドガスの供給が行われる。一方、制御部22からガス供給指令が入力されていないときは、ガス電磁弁25は閉鎖され、溶接トーチ3へのシールドガスの供給が停止される。
次に、溶接電源装置1の制御部13が行う切替処理について説明する。
切替処理は、ワイヤ送給装置2の駆動用の電力を、主トランス111から出力する第1の状態と、補助トランス113から出力する第2の状態とを切り替える処理である。制御部13は、通常時(待機時)には、第2の状態を維持し、溶接時、インチング時およびガスチェック時に、第1の状態に切り替える。
溶接時には、送給モータ24およびガス電磁弁25を駆動させる必要がある。また、インチング時には、送給モータ24を駆動させる必要があり、ガスチェック時には、ガス電磁弁25を駆動させる必要がある。これらの場合、電源部21には、200[W]程度の電力が供給される必要がある。したがって、制御部13は、第1の状態に切り替えて、大電力を供給できる主トランス111に駆動用の電力を供給させる。具体的には、制御部13は、切替回路114に指令信号を出力して、主トランス111の二次側巻線111dの出力が整流回路115に入力される状態に切り替えさせ、スイッチ回路116に指令信号を出力して、電力系統と主トランス111の一次側巻線111aとを接続させる。これにより、電力系統より入力される三相交流電力が、主トランス111を介して、整流回路115に入力され、整流された直流電力が、ワイヤ送給装置2の電源部21に供給される。
一方、待機時には、送給モータ24およびガス電磁弁25を駆動させないので、電源部21には、制御部22を駆動するための50[W]程度の電力が供給されればよい。したがって、制御部13は、第2の状態に切り替えて、容量の小さい補助トランス113に駆動用の電力を供給させる。具体的には、制御部13は、切替回路114に指令信号を出力して、補助トランス113の二次側巻線113bの出力が整流回路115に入力される状態に切り替えさせ、スイッチ回路116に指令信号を出力して、電力系統と主トランス111の一次側巻線111aとの接続を切り離させる。これにより、電力系統より入力される交流電力が、補助トランス113を介して、整流回路115に入力され、整流された直流電力が、ワイヤ送給装置2の電源部21に供給される。また、電力系統と主トランス111とが切り離されるので、主トランス111に励磁電流が流れず、励磁電流による電力損失を抑制することができる。
制御部13は、通信部14より、起動信号、インチングを指示する信号、または、ガスチェックを指示する信号が入力された時に、第2の状態から第1の状態に切り替え、これらの信号が入力されなくなった時に、第1の状態から第2の状態に切り替える。
図5は、制御部13が行う切替処理を説明するためのフローチャートである。当該切替処理は、溶接電源装置1が起動された時に開始される。切替処理の開始時は、第2の状態、すなわち、電力系統と主トランス111の一次側巻線111aとの接続が切り離されて、ワイヤ送給装置2の駆動用の電力が補助トランス113から供給されている状態になっている。
まず、制御部13は、インチングを指示する信号が入力されたか否かを判別する(S1)。入力された場合(S1:YES)、制御部13は、切替回路114およびスイッチ回路116に指令信号を出力して、第1の状態への切り替えを行う(S4)。そして、制御部13は、通信部14に、ワイヤ送給指令を出力させる。これにより、ワイヤ送給装置2において送給モータ24が回転し、溶接トーチ3へワイヤ電極の送り出し(インチング)が行われる。次に、インチングを指示する信号の入力が完了したか否かを判別し(S5)、完了した場合(S5:YES)、ワイヤ送給指令の出力を停止させ、切替回路114およびスイッチ回路116に指令信号を出力して、第2の状態への切り替えを行って(S6)、ステップS1に戻る。インチングを指示する信号の入力が完了するまで(すなわち、インチングを指示する信号が入力されている間)は(S5:NO)、第1の状態が維持される。
インチングを指示する信号が入力されていない場合(S1:NO)、制御部13は、ガスチェックを指示する信号が入力されたか否かを判別する(S2)。入力された場合(S2:YES)、切替回路114およびスイッチ回路116に指令信号を出力して、第1の状態への切り替えを行う(S4)。そして、制御部13は、通信部14に、ガス供給指令を出力させる。これにより、ワイヤ送給装置2においてガス電磁弁25が開放され、溶接トーチ3へシールドガスの供給(ガスチェック)が行われる。次に、ガスチェックを指示する信号の入力が完了したか否かを判別し(S5)、完了した場合(S5:YES)、ガス供給指令の出力を停止させ、切替回路114およびスイッチ回路116に指令信号を出力して、第2の状態への切り替えを行って(S6)、ステップS1に戻る。ガスチェックを指示する信号の入力が完了するまで(すなわち、ガスチェックを指示する信号が入力されている間)は(S5:NO)、第1の状態が維持される。
ガスチェックを指示する信号が入力されていない場合(S2:NO)、制御部13は、起動信号が入力されたか否かを判別する(S3)。入力された場合(S3:YES)、切替回路114およびスイッチ回路116に指令信号を出力して、第1の状態への切り替えを行う(S4)。そして、制御部13は、サイリスタ回路112に制御のためのトリガパルスを入力して、溶接電力を出力させる。併せて、制御部13は、通信部14に、ワイヤ送給指令およびガス供給指令を出力させる。これにより、溶接が行われる。次に、起動信号の入力が完了したか否かを判別し(S5)、完了した場合(S5:YES)、トリガパルスの出力を停止し、ワイヤ送給指令およびガス供給指令の出力を停止させ、切替回路114およびスイッチ回路116に指令信号を出力して、第2の状態への切り替えを行って(S6)、ステップS1に戻る。起動信号の入力が完了するまで(すなわち、起動信号が入力されている間)は(S5:NO)、第1の状態が維持される。
本実施形態によると、制御部13は、溶接時、インチング時およびガスチェック時の、大電力が必要なときには、切替回路114を第1の状態に切り替え、それ以外の待機時の、大電力が必要ないときには、切替回路114を第2の状態に切り替える。第2の状態のときに使用される補助トランス113は、大きな電力を出力する必要がないので、容量の小さなトランスを用いることができる。容量の小さなトランスは、容量の大きなトランスと比べて、小さくて軽量で、低価格である。したがって、溶接電源装置1を、より小さく、軽量で、低価格なものにすることができる。
また、本実施形態によると、制御部13は、切替回路114を第1の状態に切り替えるときには、スイッチ回路116に電力系統と主トランス111の一次側巻線111aとを接続させ、切替回路114を第2の状態に切り替えるときには、スイッチ回路116に電力系統と主トランス111の一次側巻線111aとの接続を切り離させる。したがって、第2の状態の間は、主トランス111に励磁電流が流れず、励磁電流による電力損失を抑制することができる。
また、本実施形態によると、電力伝送線51は、溶接電源装置1とワイヤ送給装置2との間では、ガス配管7の内側に配置されている。したがって、電力伝送線51がガス配管7とは別に配置される場合と比べて、ワイヤ送給装置2を移動させる際の邪魔にならない。また、電力伝送線51は、ガス配管7に囲まれているので、外部からの衝撃を受けにくく、電力伝送線51が断線することを抑制することができる。また、ガス配管7を接続するための接続金具1a、2aを、電力伝送線51を接続するためのコネクタとして利用しているので、電力伝送線51の接続が容易であり、ガス配管7に電力伝送線51を通すための孔を設ける必要がない。
なお、本実施形態においては、ワイヤ送給装置2の操作部でインチング(ガスチェック)を行うための操作ボタンが操作された場合、インチング(ガスチェック)を行うための操作信号が溶接電源装置1に送信されて、溶接電源装置1がワイヤ送給装置2にワイヤ送給指令(ガス供給指令)を送信する場合について説明したが、これに限られない。例えば、ワイヤ送給装置2が溶接電源装置1にインチング(ガスチェック)を行うための操作信号を送り、所定のタイミングで送給モータ24(ガス電磁弁25)を駆動するようにしてもよい。この場合、溶接電源装置1がワイヤ送給装置2にワイヤ送給指令(ガス供給指令)を送信する必要がなくなる。
本実施形態においては、電源部11が電源部21に直流電力を供給する場合について説明したが、交流電力を供給するようにしてもよい。この場合、電源部11は整流回路115を備えなくてもよい。一方、電源部21には、交流電力を直流電力に変換するための整流回路を設ける必要がある。
本実施形態においては、溶接システムA1が消耗電極式の溶接システムである場合について説明した。非消耗電極式の溶接システムの場合、ワイヤ電極を送給するためのワイヤ送給装置は必要ないが、溶加ワイヤを自動送給するためのワイヤ送給装置を用いる場合がある。この場合は、溶接システムA1と同様の構成になり、本発明を適用することができる。
本実施形態においては、コイルによる磁気結合を利用して、通信部14(23)が通信信号を電力伝送線51と52(52’)との間に重畳し、電力伝送線51と52(52’)との間に重畳された通信信号を検出する場合について説明したが、これに限られない。例えば、コンデンサによる電界結合を利用するようにしてもよい。また、電力伝送線51,52(52’)に並列に通信信号を入力するのではなく、電力伝送線51または52(52’)に直列に通信信号を入力するようにしてもよい。
本実施形態においては、電源部11が、電力伝送線51およびパワーケーブル41を介して、電源部21に電力を供給する場合について説明したが、これに限られない。パワーケーブル41に代えてパワーケーブル42を用いるようにしてもよい。図9は、電源部11が、電力伝送線51およびパワーケーブル42を介して、電源部21に電力を供給するようにした場合を示している。
図9(a)に示す溶接システムA1は、パワーケーブル42がワイヤ送給装置2の内部を通っており、電力伝送線52および52’が、パワーケーブル41ではなくパワーケーブル42に接続している点で、図1に示す溶接システムA1と異なる。なお、図9(a)においては、溶接電源装置1およびワイヤ送給装置2の内部構成の一部の記載を省略している(図9(b)も同様)。また、図9(b)に示すように、パワーケーブル42をワイヤ送給装置2の内部に通さない場合は、電力伝送線52’を被加工物Wに接続するようにしてもよい。
電源部11から電源部21への電力供給にパワーケーブル42を用いる場合(図9参照)、パワーケーブル41を用いる場合(図1参照)とは逆に、電力伝送線51の電位が電力伝送線52の電位より高くなるように、電源部11が電圧を印加する。これにより、電力伝送線51およびパワーケーブル41の電位をどちらもパワーケーブル42より高くして、電力伝送線51とパワーケーブル41との電位差があまり大きくならないようにしている。なお、電力伝送線51とパワーケーブル41との電位差を気にしない場合は、電力伝送線51と電力伝送線52との間に印加する電圧を逆極性にしてもよい。
上記第1実施形態においては、電力伝送線51が、溶接電源装置1とワイヤ送給装置2との間で、ガス配管7の内側に配置されている場合について説明したが、これに限られない。例えば、溶接時にシールドガスを用いない場合などには、ガス配管7が設けられていない。電力伝送線51がガス配管7の内側に配置されない場合について、第2実施形態として、以下に説明する。
図10(a)は、第2実施形態に係る溶接システムA2の全体構成を説明するための図である。同図において、第1実施形態に係る溶接システムA1(図1参照)と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。なお、図10(a)においては、溶接電源装置1およびワイヤ送給装置2の内部構成の一部の記載を省略している。
図10(a)に示す溶接システムA2は、ガスボンベ6およびガス配管7が設けられておらず、電力伝送線51が、溶接電源装置1とワイヤ送給装置2との間でむき出しになっている点で、第1実施形態に係る溶接システムA1と異なる。
本実施形態の場合、ガス配管7によって保護されないので、電力伝送線51の被覆を厚くするなどして、断線しにくいように補強する必要がある。本実施形態においても、電源部11は第1実施形態に係る溶接電源装置1のものと同様なので、補助トランス113として、容量の小さなトランスを用いることができる。したがって、溶接電源装置1を、より小さく、軽量で、低価格なものにするという効果を奏することができる。
なお、ガス配管7が設けられていても、電力伝送線51をガス配管7の内側に配置しないようにしてもよい。
上記第1および第2実施形態においては、電源部11が、電力伝送線51およびパワーケーブル41(42)を介して、電源部21に電力を供給する場合について説明したが、これに限られない。電力伝送線52と52’とを直接接続して、すなわち、電源部11と電源部21とを2本の電力伝送線で接続して、当該2本の電力伝送線を介して、電力を供給するようにしてもよい。この場合を、第3実施形態として、以下に説明する。
図10(b)は、第3実施形態に係る溶接システムA3の全体構成を説明するための図である。同図において、第1実施形態に係る溶接システムA1(図1参照)と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。なお、図10(b)においては、溶接電源装置1およびワイヤ送給装置2の内部構成の一部の記載や、ガス配管7などの記載を省略している。
図10(b)に示す溶接システムA3は、電源部11と電源部21とを2本の電力伝送線51,52で接続して、当該2本の電力伝送線51,52を介して、電源部11から電源部21に電力を供給する点で、第1実施形態に係る溶接システムA1と異なる。本実施形態においても、電源部11は第1実施形態に係る溶接電源装置1のものと同様なので、補助トランス113として、容量の小さなトランスを用いることができる。したがって、溶接電源装置1を、より小さく、軽量で、低価格なものにするという効果を奏することができる。
なお、ガス配管7は、設けられていても、設けられていなくてもよい。また、ガス配管7の内側に、2本の電力伝送線51,52を配置するようにしてもよい。
上記第1ないし第3実施形態においては、溶接電源装置1とワイヤ送給装置2とが、電力伝送線51とパワーケーブル41(42)との間に信号を重畳させて通信を行う場合について説明したが、これに限られない。例えば、溶接電源装置1とワイヤ送給装置2とが、パワーケーブル41とパワーケーブル42との間に信号を重畳させて通信を行うようにしてもよい。また、溶接電源装置1とワイヤ送給装置2とが、有線通信ではなく、無線通信を行うようにしてもよい。
本発明に係る溶接装置および溶接システムは、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る溶接装置および溶接システムの具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
A1,A2,A3 溶接システム
1 溶接電源装置
11 電源部
111,111’ 主トランス(第1のトランス)
111a 一次側巻線
111b,111c 二次側巻線(第1の二次側巻線)
111d 二次側巻線(第2の二次側巻線)
111e 相間リアクトル
112,112’ サイリスタ回路
113 補助トランス(第2のトランス)
113a 一次側巻線
113b,113c 二次側巻線
114,114’ 切替回路
115 整流回路
116,116’ スイッチ回路
13 制御部
14 通信部
1a 接続金具
2 ワイヤ送給装置
21 電源部
22 制御部
23 通信部
24 送給モータ
25 ガス電磁弁
2a 接続金具
3 溶接トーチ
41,42 パワーケーブル
51,52,52’ 電力伝送線
6 ガスボンベ
7 ガス配管
W 被加工物

Claims (10)

  1. サイリスタ位相制御を行う溶接電源装置であって、
    入力される交流電圧を変圧する第1のトランスと、
    前記第1のトランスの第1の二次側巻線の出力を入力されるサイリスタ回路と、
    前記交流電圧を変圧する第2のトランスと、
    前記第1のトランスの第2の二次側巻線の出力電力を出力する第1の状態と、前記第2のトランスの二次側巻線の出力電力を出力する第2の状態とを切り替える切替手段と、
    を備えており、
    前記切替手段の出力電力が、電力伝送線を介して、ワイヤ送給装置に供給される、
    ことを特徴とする溶接電源装置。
  2. 前記切替手段の出力を整流する整流手段をさらに備え、
    前記整流手段が出力する直流電力を、ワイヤ送給装置に供給する、
    請求項1に記載の溶接電源装置。
  3. 前記第1のトランスの入力側に設けられており、前記切替手段によって第1の状態に切り替えられている間は閉路し、前記切替手段によって第2の状態に切り替えられている間は開路するスイッチ手段をさらに備えている、
    請求項1または2に記載の溶接電源装置。
  4. 前記切替手段によって第1の状態に切り替えられている間は前記交流電圧が前記第1のトランスに入力され、前記切替手段によって第2の状態に切り替えられている間は前記交流電圧が前記第2のトランスに入力されるように切り替えを行うスイッチ手段をさらに備えている、
    請求項1または2に記載の溶接電源装置。
  5. 前記切替手段は、溶接時に第1の状態に切り替える、
    請求項1ないし4のいずれかに記載の溶接電源装置。
  6. 前記切替手段は、ワイヤインチング時に第1の状態に切り替える、
    請求項1ないし5のいずれかに記載の溶接電源装置。
  7. 前記切替手段は、ガスチェック時に第1の状態に切り替える、
    請求項1ないし6のいずれかに記載の溶接電源装置。
  8. 前記ワイヤ送給装置との間で、前記電力伝送線を介して通信を行う、
    請求項1ないし7のいずれかに記載の溶接電源装置。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載の溶接電源装置と、
    前記ワイヤ送給装置と、
    を備えている、
    ことを特徴とする溶接システム。
  10. 前記溶接電源装置および前記ワイヤ送給装置を通って、溶接トーチにシールドガスを供給するガス配管をさらに備え、
    前記電力伝送線は、前記ガス配管の内側に配置されている、
    請求項9に記載の溶接システム。
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