JP6468486B2 - 固定子、モータおよび圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、固定子、モータおよび圧縮機に関する。
従来からモータを搭載した圧縮機が知られている。このようなモータの固定子には、各相のコイルの一端を結線したコイル結線部が設けられる。コイル結線部は、絶縁を確保した状態で固定子に固定される。
コイル結線部の固定方法として、固定子のインシュレータに設けた収容空間に収容し接着剤を用いて固定する方法(特許文献1〜特許文献4、特許文献8)、結束手段を用いてインシュレータに固定する方法(特許文献5、特許文献6)、およびインシュレータに設けた金属クリップに挟んで固定する方法(特許文献7)が知られている。
これらの固定方法のうち、接着剤を用いて固定する方法は、コイル結線部を接着剤で覆うことができるため、絶縁性に優れている。しかしながら、硬化した接着剤が収容空間の内面から離脱して、収容空間から抜け出てしまう虞がある。特許文献2〜4では、収容空間の内部を、接着剤の抜け方向に対して入り組んだ構造とすることで、硬化した接着剤の抜け防止を実現している。
特開平5−308738号公報 特開2014−7799号公報 特開2014−7800号公報 特許第4551150号公報 特開平7−222403号公報 特許第4654680号公報 特開2008−125278号公報 特開平5−308738号公報
特許文献2〜4に記載のインシュレータは、軸方向上下に金型を組み合わせて樹脂材料を流し込んで一体成形される基本構成を有している。しかしながら、接着剤の抜け方向に対して入り組んだ構造を成形するために、樹脂成形時に軸方向に直交する横方向から組み込むスライド金型を必要とする。よって本来、軸方向上下の金型で済むところに、さらにスライド金型を必要とするため、製造コストが増加するという問題があった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、製造コストを増加させることなくコイル結線部の抜けを防止する固定子を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本願の例示的な第1発明の固定子は、軸方向に延びる中心軸を中心として回転する回転子を備えたモータの固定子であって、周方向に並ぶティース部を有する鉄心コアと、前記ティース部に巻き付けられる複数のコイルと、前記鉄心コアの軸方向一方側に位置する収容部と、を備え、前記コイルは、前記コイル同士を結線する結線部を有し、前記結線部の少なくとも一部は、前記収容部の内部に収容されて接着剤で固定され、前記収容部は、前記鉄心コアと対向する対向面を有する底部と、前記底部から前記鉄心コアの反対側に延びる周壁部と、を有し、前記対向面と前記鉄心コアとの間には、対向空間が設けられ、前記底部には、前記対向空間に開口する貫通孔が設けられ、前記接着剤が、前記収容部の内部から前記貫通孔を介し前記対向面まで及んでいる。
本発明に係る例示的な一実施形態によれば、製造コストを増加させることなくコイル結線部の抜けを防止する固定子を提供できる。
図1は、一実施形態の圧縮機の構成を示す概略図である。 図2は、一実施形態のモータの斜視図である。 図3は、一実施形態の固定子の分解図である。 図4は、一実施形態の収容部の断面模式図である。 図5は、一実施形態の収容部の平面模式図である。 図6は、一実施形態の収容部を成形するための金型構成を説明する模式図である。 図7は、変形例1における結線部の配置方法を示す収容部の断面模式図である。 図8は、変形例2における結線部の配置方法を示す収容部の断面模式図である。 図9は、変形例3における収容部の断面模式図である。 図10は、変形例4における収容部の断面模式図である。 図11は、変形例5における収容部の断面模式図である。 図12は、変形例6における収容部の断面模式図である。 図13は、変形例6において採用可能な接着剤の構成を示す収容部の断面模式図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る固定子、モータおよび圧縮機について説明する。なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせる場合がある。
また、図面においては、モータの中心軸Jと平行なZ軸を示す。Z軸方向は、上下方向とする。また、特に断りのない限り、以下の説明においては、上下方向(Z軸方向)に延びる中心軸Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸Jを中心とする周方向、すなわち、中心軸Jの軸周り(θ方向)を単に「周方向」と呼び、中心軸Jと平行な方向(即ち、上下方向又はZ軸方向)を、軸方向と呼ぶ。
なお、本明細書において、軸方向に延びる、とは、厳密に中心軸Jと平行な方向に延びる場合に加えて、軸方向に対して、45°未満の範囲で傾いた方向に延びる場合も含む。
また、本明細書において、径方向に延びる、とは、厳密に径方向、すなわち、上下方向(Z軸方向)に対して垂直な方向に延びる場合に加えて、径方向に対して、45°未満の範囲で傾いた方向に延びる場合も含む。
[圧縮機]
図1は、本実施形態の圧縮機200を示す概略図である。
本実施形態の圧縮機200は、図1に示すように、モータ100と、モータ100の下側に位置する圧縮機構部101と、ケース109と、アキュムレータ108と、を備える。
モータ100は、円筒状の固定子1と、固定子1の径方向内側に配置される回転子2と、を有する。回転子2は、圧縮機構部101に接続されるシャフト81を有している。シャフト81は、図示略のベアリングにより保持され、中心軸Jを中心として回転する。モータ100の構造については、後段においてより詳しく説明する。
圧縮機構部101は、偏心ロータ103と、偏心ロータ103を囲むシリンダ102と、を有する。偏心ロータ103は、モータ100のシャフト81と接続されてモータ100の駆動に伴い回転する。
ケース109は、モータ100と圧縮機構部101とを収容する。ケース109には、吸入管104および吐出管105が接続される。ケース109の内部の潤滑油溜め107には、潤滑油が供給され、圧縮機構部101の動作を円滑にする。
アキュムレータ108には、冷媒(冷却ガス)と潤滑油とが分離された状態で貯留されている。アキュムレータ108において分離された冷媒は、吸入管104を介してケース109内部の圧縮機構部101に供給される。
圧縮機200は、モータ100の駆動に伴い圧縮機構部101の偏心ロータ103を回転させる。これにより、圧縮機200は、圧縮機構部101において、冷媒を吸入管104からシリンダ102内に吸入して圧縮する。圧縮された冷媒は、モータ100の周囲および内側を通過して、ケース109の上部に設けられた吐出管105から吐出される。
[モータ]
図2は、本実施形態のモータ100を示す斜視図である。
モータ100は、インナーロータ型のブラシレスモータである。上述したように、モータ100は、固定子1と、回転子(ロータ)2と、を備える。
[回転子]
回転子2は、軸方向(Z軸方向)に延びる中心軸Jを中心として回転する。回転子2は、シャフト81と、ロータコア82と、ロータマグネット83と、を有する。
シャフト81は、一方向(Z軸方向)に延びる中心軸Jを中心とする円柱形状を有する。シャフト81は、図示略のベアリングによって、軸周り(±θ方向)に回転可能に支持されている。
ロータコア82は、珪素鋼板を積層してなる積層体であり、シャフト81を軸周り(θ方向)に囲んで、シャフト81に固定されている。
ロータマグネット83は、ロータコア82の軸周りに沿った外側面に固定されている。
ロータコア82およびロータマグネット83は、シャフト81と一体となって回転する。
[固定子]
図3は、本実施形態の固定子1の分解図である。なお、図3において、コイル20(図2参照)を省略して示す。
固定子1は、鉄心コア10と、上側インシュレータ30と、下側インシュレータ50と、スロット用インシュレータ60と、絶縁紙65と、コイル20(図2参照)と、を備える。
図3に示すように、鉄心コア10は、中心軸Jと同心の円筒状のヨーク部12と、ヨーク部12から径方向内側に延びる複数のティース部11と、を有する。また、鉄心コア10は、軸方向両側に端面10a、10bを有する。
鉄心コア10には、複数のスロット13が設けられている。スロット13は、周方向に隣り合う2つのティース部11の側面と、ヨーク部12の内側面とにより囲まれた領域である。スロット13の内部には、スロット用インシュレータ60が格納される。
複数のティース部11は、周方向に並ぶ。それぞれのティース部11には、上側インシュレータ30、下側インシュレータ50およびスロット用インシュレータ60を介し、コイル20が巻き付けられる。
各ティース部11は、ヨーク部12から延びるティース基部11aと、ティース基部11aの先端に位置するティース先端部11bと、を有する。
上側インシュレータ30は、鉄心コア10の上側(軸方向一方側)に位置する。上側インシュレータ30は、鉄心コア10の上側(+Z側)の端面10aに配置される。上側インシュレータ30は、裏面に設けられた突起(図示略)が端面10aの孔部10cに嵌合する。上側インシュレータ30は、外壁部31と、複数の突出部32と、複数の収容部35と、複数の巻き付け部34と、を有する。
外壁部31は、中心軸Jと同心の円環形状を有している。外壁部31は、軸方向から見て、鉄心コア10のヨーク部12と重なって配置される。
複数の突出部32は、外壁部31の内周面から径方向内側に延びる。突出部32は、軸方向から見て、鉄心コア10のティース部11と重なって配置される。突出部32の先端には、それぞれ板状の先端壁部32aが設けられている。先端壁部32aは、周方向および軸方向に延びている。先端壁部32aは、軸方向から見て、ティース先端部11bと重なって配置される。
収容部35は、外壁部31の外周面30aに設けられている。本実施形態において、固定子1は、周方向に等間隔に配置された3つの収容部35を有している。収容部35については、後段において詳細に説明する。
巻き付け部34は、外壁部31の上縁に位置して上側に延びている。図2に示すように、巻き付け部34は、ピン形状を有しており、コイル20のコイル線22が巻き付けられる。
下側インシュレータ50は、鉄心コア10の下側(−Z側)の端面10bに配置される。下側インシュレータ50は、裏面に設けられた突起52bが端面10bに設けられた孔部(図示略)に嵌合する。下側インシュレータ50は、外壁部51と、複数の突出部52と、を有する。外壁部51および突出部52は、上側インシュレータ30の外壁部31および突出部32と同様の構成を有する。下側インシュレータ50は、上側インシュレータ30と比較して、収容部35と巻き付け部34とを有さない点が主に異なる。上側インシュレータ30および下側インシュレータ50は、一対のコア端面用インシュレータである。
スロット用インシュレータ60は、ティース部11の間に位置するスロット13に設けられている。ティース部11には、その側面がスロット用インシュレータ60を介し、かつその上下面が突出部32、52を介し、コイル20が巻き付けられている。隣り合うティース部11に巻き付けられたコイル20同士の間には、周方向に隣り合うコイル20同士を絶縁するための絶縁紙65がスロット13に挿入されている。
図2に示すように、本実施形態の固定子1は、9個のコイル20を有する。本実施形態において、9個のコイル20は、それぞれ3つのU相、V相、W相のコイルに分類され、3組の三相回路を構成する。各三相回路は、スター結線されている。また、三相回路同士は、並列接続されている。U相、V相、W相のコイル20のコイル線22の一方の端部は、共通に接続されて結線部(コイル結線部)21を構成する。結線部21は、三相回路の中性点となる。また、コイル20の他方の端部は、図示略の外部電源に接続するために外部に引き出される。
本実施形態のコイル20は、コイル20同士を結線し3組の三相回路の中性点となる3つの結線部21を有する。
なお、コイル20の結線構成および並列に接続するコイル20の数は、適宜選択可能である。また、デルタ結線する場合であっても、同様の結線部21を構成できる。
結線部21は、3本のコイル線22を撚り合わせ、溶接又は半田付けにより接合されて結線される。なお、結線部21は、コイル線22の先端に至るまで、撚り合わせられていなくてもよい。このような場合においては、撚り合わされた部分から先端に至る部分までを結線部21とする。また、本実施形態では、コイル線22を撚り合わせて接合した例を示すが、必ずしもこの構造に限定されない。
結線部21の少なくとも一部は、上側インシュレータ30の収容部35の内部に収容されて接着剤40で固定される。
[収容部]
図2に示すように、収容部35は、上側インシュレータ30の外周面30aに設けられている。また、収容部35は、鉄心コア10の軸方向一方側(+Z側)に位置する。収容部35は、周方向に延びており、軸方向から見て鉄心コア10の外形より内側に位置する。このため、収容部35を設けることによるモータ100の大型化を抑制できる。
図2に示すように、3つの収容部35のうち1つを第1の収容部35Aとする。また、9つのコイル20のうち、第1の収容部35Aの径方向内側に配置される1つのコイルを第1のコイル20Aとする。即ち、第1の収容部35Aは、第1のコイル20Aの径方向外側に配置されている。また、第1のコイル20Aと隣り合う2つのコイル20のうち一方を第2のコイル20Bとする。第1のコイル20Aと第2のコイル20Bとの周方向の間には、巻き付け部34が設けられている。第1の収容部35Aに収容される結線部21のコイル線22は、第1のコイル20Aと第2のコイル20Bとの間の巻き付け部34に巻き付けられる。
コイル20のコイル線22は、巻き付け部34に巻き付けた先で、撚り合わせて結線される。コイル線22は、巻き付け部34に巻き付けることで固定されるため、コイル線22の緩みを抑制しつつ、かつ結線部21をティース部11から収容部35へ所望の経路を通って案内することができる。また、巻き付け部34を、収容部35の周方向一端側に配置することで、結線部21を収容部35の周方向一端側より挿入できる。
収容部35は、底部36と、第1の周壁部37aと、一対の第2の周壁部37bと、第3の周壁部としての外周面30aと、を有する。収容部35は、底部36と、第1の周壁部37aと、一対の第2の周壁部37bと、外周面30aと、により囲まれた収容空間Pを構成する。収容空間Pは、上側(+Z側)に開口する。収容空間Pには、結線部21が収容され、接着剤40で満たされている。
底部36は、上側インシュレータ30の裏面と面一であって、かつ、鉄心コア10の上側端面10aと平行に設けられている。本実施形態において、底部36は、鉄心コア10の上側端面10aと接触する。
第1の周壁部37aは、上側インシュレータ30の外周面30aに沿って延びる。即ち、第1の周壁部37aは、軸方向から見て、中心軸Jと同心に湾曲する円弧形状を有する。また、第1の周壁部37aは、底部36から上側(即ち、鉄心コア10の反対側)に延びる。
一対の第2の周壁部37bは、周方向に互いに離れて位置する。第2の周壁部37bは、上側インシュレータ30の外周面30aと第1の周壁部37aとの間に径方向に延びる。また、第2の周壁部37bは、底部36のから上側(即ち、鉄心コア10の反対側)に延びる。
図4に収容部35の断面模式図を示す。
図4に示すように、底部36は、下側(−Z側)に鉄心コア10と対向し接触する第1の面36aを有する。また、底部36は、上側(+Z側)に第2の面36bを有する。第2の面36bは、収容空間Pの底面として機能する。
図4に示すように、底部36には、軸方向に貫通する貫通孔38と、第1の面36aから軸方向の一方側(+Z側)に凹む凹部39と、が設けられている。貫通孔38は、凹部39に連通している。
凹部39は、鉄心コア10と対向する対向面39aを有する。対向面39aは、鉄心コア10の上側端面10aに対して平行な面である。対向面39aと鉄心コア10との間には、対向空間Sが設けられている。
貫通孔38は、上側(即ち、鉄心コア10と反対側)において、収容空間Pに開口する。貫通孔38の上側の開口を開口部38aとする。
また、貫通孔38は、下側(鉄心コア10側)において、対向空間Sに開口する。
図4に示すように、収容空間P(即ち、収容部35の内部)には、周方向に沿って結線部21が挿入される。また、収容空間Pには、結線部21を埋め込むように、接着剤40が充填される。これにより結線部21の先端側が接着剤40により隠れる。接着剤40は、収容空間Pから貫通孔38を介し対向空間Sにまで達する。接着剤40は、対向面39aにおよび硬化されている。接着剤40の対向面39aの下側に位置する部分がアンカーとして機能し、底部36と干渉して接着剤40軸方向上側に抜け出すことを阻止する。このため、本実施形態の収容部35によれば、接着剤40の離脱を防止できる。
また、接着剤40が、対向面39aに及ぶことで、結線部21の鉄心コア10側には、接着剤40が介在する。したがって、接着剤40によって、結線部21と鉄心コア10との絶縁が確保される。
また、本実施形態の収容部35は、底部36が前記鉄心コア10の軸方向の端面10aと接触しており、対向空間Sが、凹部39と端面10aとにより囲まれている。これにより、貫通孔38を介し対向空間Sに流入する接着剤40が、対向空間Sから漏れ出しにくい。したがって、接着剤40として、粘度が低く流動性に優れたものを用いることが可能となり、接着剤40の充填に要する待機時間を短縮し、製造工程におけるタクトタイムを短くすることができる。これにより、製造コストの圧縮を図ることができる。
また、接着剤40は、鉄心コア10の軸方向の端面10aに固着されている。接着剤40が鉄心コア10に固着することで、接着剤40が収容部35からより一層抜け出し難くすることができる。また、上側インシュレータ30と、鉄心コア10とを固定することになるため、鉄心コア10に対する上側インシュレータ30の、位置ズレ抑制効果をより一層高めることができる。
接着剤40は、比較的広い空間の収容空間Pから比較的狭い空間の貫通孔38を介して対向空間Sまで達するようにするため、前述のように粘度は低いものが望ましい。一方で、対向空間Sにおける凹部39と端面10aとの隙間からの漏洩を抑えるためには、反対に粘度が高いものが望ましい。また、モータ100が圧縮機200に使用される場合には、固定子1が冷媒に晒されることから、接着剤40に耐冷媒性も求められる。よって、接着剤40は、通常の求められる、接着力、硬化速度、作業性、コスト等以外に加え、前述の諸条件を考慮した粘度、耐冷媒性を踏まえて選定される。例えば、接着剤40としては、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、シリコン系接着剤のうちから1種又は2種以上の組み合わせである。また、接着剤40の粘度は、10[mPa・s]以上200[Pa・s]以下である。
次に、収容空間Pにおける結線部21の配置方法について説明する。
図4に示すように、収容空間Pにおいて、接着剤40の界面40aと結線部21との接触部分Aは、結線部21の先端21aと、貫通孔38の上側の開口部38aと、の周方向の間に位置する。即ち、結線部21の先端21aと、接触部分Aと、開口部38aとは、周方向にこの順で並んでいる。
接着剤40は、貫通孔38の開口部38aにおいて、接着剤40を離脱させようとする応力を支持する。即ち、接着剤40と周壁部37bと間で剥離が進んだ後には、接着剤40の離脱は、貫通孔38の開口部38aによって阻止される。この状態で、結線部21を上側(+Z側)に引っ張る力が生じた場合を想定する。結線部21と接着剤40の界面40aと接触部分Aが「てこの原理」における力点となる。また、結線部21の先端21aに近い側の第2の周壁部37bと底部36との隅部Bが支点となる。接触部分Aにおける力点と、支点との作用により、接着剤40を回転させようとするモーメントが加わる。貫通孔38の開口部38aに位置する接着剤40は、作用点となり、接着剤40を破断させようとする応力が生じる。開口部38a(作用点)と隅部B(支点)との距離が、接触部分A(力点)と隅部B(支点)との距離より大きいために、開口部38aにおける接着剤40に大きな応力が加わることを抑制できる。したがって、開口部38aにおいて、接着剤40が破断することがなく、接着剤40の離脱を抑制できる。
図4に示すように、収容部35の周方向一方側を第1周方向端部P1とする。また、収容部35の周方向他方側を第2周方向端部P2とする。このとき、貫通孔38の開口部38aは、収容部35の第1周方向端部P1側(即ち、収容部35の周方向一方側)に位置している。また、結線部21は、第1周方向端部P1側(即ち、収容部35の一方側)から第2周方向端部P2側(即ち、収容部35の周方向他方側)に向かって挿入される。結線部21の先端21aは、収容部35の第2周方向端部P2側(即ち、周方向他方側)に位置する。これにより、結線部21の先端21aは、収容空間Pの周方向において、貫通孔38の開口部38aと反対側に位置する。即ち、軸方向から見て、結線部21の先端21aが、貫通孔38の前記鉄心コアと反対側の開口部38aと重ならない。したがって、結線部21が貫通孔38の開口部38aを閉塞することがなく、未硬化の接着剤40を、貫通孔38を介し対向空間Sに十分に行き渡らせることができる。
図5に収容部35を軸方向上側からみた模式図(平面模式図)を示す。なお、図5において、2点鎖線(仮想線)で示す結線部21は、結線部21の仮想的な配置を示し、本実施形態の配置とは異なる。
図5に示すように、貫通孔38は、径方向に延びる長孔であり、長孔の短手方向の幅は、結線部21の線束の幅よりも小さい。したがって、結線部21の先端21aが、軸方向から見て貫通孔38の開口部38aに重なるように配置された場合(図5の仮想線)であっても、結線部21が貫通孔38を閉塞しない。これにより、未硬化の接着剤40を、貫通孔38を介し対向空間Sに十分に行き渡らせることができる。
また、貫通孔38の長孔の短手方向の幅は、結線部21の線束の幅よりも小さいため、結線部21の先端21aが、貫通孔38を通過することがなく、結線部21と鉄心コア10との短絡を防止できる。貫通孔38が結線部21の線束の幅よりも幅狭の長孔である場合に限らず、結線部21が通過できない形状であれば、このような効果を奏する。より具体的には、軸方向から見た貫通孔38の開口部38aの形状が、結線部21の先端21aの長さ方向への投影形状を、いかなる向きに配置しても内包しなければよい。
本実施形態において、貫通孔38は、径方向に延びる長孔である。結線部21は、収容部35の周方向一方側から周方向他方側に向かって挿入される。このため、貫通孔38の延びる方向(長手方向)と結線部21は、略直交することとなり、結線部21による貫通孔38の閉塞がより効果的に抑制される。
本実施形態の固定子1は、ケース109に組み込む際に、結線部21が外部に飛び出ないため組込作業が行いやすい。また、固定子1は、圧縮機200(図1参照)に搭載されるモータ100に好適に採用できる。圧縮機200の内部において、冷媒は、固定子1のスロット13や回転子2との間の空隙を通過する。このため、冷媒の通過に伴い、結線部21に上側を向く力が加わる場合がある。本実施形態の固定子1によれば、結線部21を固定する接着剤40が離脱することがない。仮に結線部21が離脱すると、絶縁が不十分となって周辺部位と短絡する、或いは結線部21が解けてしまってコイルの導通が不安定になる等、の不具合につながる虞がある。本実施形態の固定子1はそのような不具合の虞がないため、圧縮機200の動作を安定させることができる。
次に収容部35の成形方法について説明する。収容部35を含む上側インシュレータ30は、樹脂材料からなり、射出成型により一体成形される。
図6は、上側インシュレータ30を成形するための金型構成を説明する図であり、収容部35に着目した断面模式図である。
図6に示すように、収容部35は、上金型71と下金型72とを軸方向に重ね合わせた際の隙間に樹脂を注入することで成形される。
上金型71には、周壁部37bを反転した凹部71aと、凹部71aの間に挟まれ底部36の第2の面36bを成形するための平坦面71bとを有する。
下金型72は、上側に突出する第1凸部72aと、第1凸部72aの上面からさらに上側に突出する第2凸部72bとを有する。第1凸部72aは、収容部35の凹部39を反転した形状を有する。また、第2凸部72bは、収容部35の貫通孔38を反転した形状を有する。
上金型71と下金型72とが重なった状態で、第2凸部72bの上面は上金型71の平坦面71bと接触する。これにより、第2凸部72bの形状に対応した貫通孔38と、第2凸部72bと繋がる第1凸部72aの形状に沿った凹部39と、を収容部35の底部36に設けることができる。
本実施形態の収容部35は、軸方向に移動する上金型71と下金型72とにより成形可能である。即ち、軸方向に直交する方向に移動するスライド金型を用いることなく成形可能である。それにより、スライド金型を用いる入り組んだ構造を成形する場合に比べて、金型コストを低減できるのみならず、射出成形に要するタクトタイムを短縮できる。これにより、収容部35を含む上側インシュレータ30を安価に製造することができる。
本実施形態の収容部35は、上側(+Z側、軸方向の一方側)を臨む全ての面が、上側から見て、互いに異なる位置に設けられている。同様に、下側(−Z側、軸方向の他方側)を臨むすべての面が、下側から見て互いに異なる位置に設けられている。
ここで、上側を臨む面とは、法線ベクトルが+Z方向のベクトル要素を有している面を意味する。また、下側を向く面とは、法線ベクトルが−Z方向のベクトル要素を有している面を意味する。したがって、斜め上側を向く面は、軸方向上側を臨む面であり、斜め下側を向く面は、軸方向下側を臨む面である。
図6に示すように、本実施形態の収容部35において、周壁部の上端面37cと、底部36の第2の面36bと、が軸方向上側を臨む面である。また、本実施形態の収容部35において、底部36の第1の面36aと、対向面39aと、が軸方向下側を臨む面である。
本実施形態によれば、上側を臨む面(上端面37cおよび第2の面36b)が、上側から見て互いに異なる位置に設けられている。同様に、下側を臨む面(第1の面36aおよび対向面39a)が、下側から見て互いに異なる位置に設けられている。貫通孔38、収容空間P、および対向空間Sは、それら上側および下側に臨む面以外に軸方向上下の何れからから見ても隠れる凹部や貫通孔がない。したがって、上側を臨む面を上金型71により成形し、下側を臨む面を下金型72により成形することができ、軸方向以外に動作するスライド金型を用いることなく収容部35を成形できる。このため、収容部35を安価に製造できる。
<変形例1>
次に、上述した固定子1に採用可能な、収容空間Pにおける結線部の配置方法について、変形例1として説明する。
図7は、変形例1の結線部121の配置方法を示す断面模式図である。なお、図7には、結線部121に繋がるコイル線122を巻き付ける巻き付け部34を模式的に図示した。
変形例1においては、収容部35にコイル20の結線部121が収容される。
結線部121は、コイル線122を巻き付け部34に巻き付けた後に撚り合わせて接合されている。結線部121は、屈曲点121bにおいて屈曲されている点において、上述した実施形態の結線部21と異なる。
結線部121は、屈曲点121bに対し先端121a側に位置する第1領域121cが、底部36に沿って配置されている。また、結線部121は、屈曲点121bに対し先端121aと反対側に位置する第2領域121dが、周壁部37bに沿って配置されている。
本変形例の配置方法によれば、結線部121が屈曲していることで、結線部121に、接着剤40から延び出る方向に引っ張る応力が生じた場合であっても、結線部121が接着剤40から抜けにくくなる。
また、変形例1において、接着剤40の界面40aと結線部121との接触部分Aは、収容空間Pの第1周方向端部P1に沿って配置されている。これにより、収容空間Pに収容される結線部121を長くでき結線部121を強固に固定できる。加えて、結線部121の長さにばらつきがある場合であっても、収容空間Pに収容される結線部121の長さを十分に確保できる。
また、変形例1において、第1周方向端部P1には接触部分Aが沿って配置されているため、接触部分Aを、第1周方向端部P1の近傍に位置する巻き付け部34に近づけることができる。接触部分Aと巻き付け部34との間に位置するコイル線122には、冷媒の通過に伴い、上側に向く力が加わる場合がある。この力は、接触部分Aにおいて、結線部121を上側に引っ張る力となる。接触部分Aを巻き付け部34に近づけて配置することで、接触部分Aに加わる上側に向く力の発生を抑制して、結線部121の離脱を防ぐことができる。
また、変形例1において、結線部121は、第1周方向端部P1側から第2周方向端部P2側に向かって挿入される。結線部121の先端121aは、収容部35の第2周方向端部P2側に位置する。また、貫通孔38の開口部38aが、接触部分Aと、結線部121の先端121aと、の周方向の間に位置する。即ち、結線部121の先端121aと、開口部38aと、接触部分Aとは、周方向にこの順で並んでいる。
結線部121を上側(+Z側)に引っ張る力が生じた場合を想定する。この場合、第1周方向端部P1の接着剤40に剥離の起点が生じやすくなる。剥離は、第1周方向端部P1から底部36と接着剤40との接着底面P3に進む。しかしながら、貫通孔38の開口部38aにおいては、接着剤40と収容部35との隙間が広がり難いため剥離が止まる。したがって、剥離は、結線部121の先端121aの近傍の接着剤40と収容部35との接着底面P4に達し難い。
本変形例の配置方法によれば、接着剤40と収容部35との剥離は、収容空間Pに収容された結線部121の全長に及ばない。硬化後の接着剤40の剛性が低い場合、剥離が結線部121の全長に及ぶと、剥離した接着剤40が変形して接着剤40から結線部121が離脱しやすくなる。これに対して、本変形例の配置方法によれば、結線部121の全長に対して少なくとも一部の接着剤40が収容部35と接着しているために、接着剤40から結線部121が離脱し難い。即ち、本変形例の配置方法によれば、結線部121の固定の確実性を高めることができる。
加えて、本変形例において、貫通孔38の開口部38aは、収容部35の第1周方向端部P1側に位置している。したがって、第1周方向端部P1側に位置する底部36と接着剤40との接着底面P3の周方向長さを短くすることができる。このため、第1周方向端部P1側を起点とした接着剤40の剥離の周方向長さを短くできる。
<変形例2>
次に、上述した固定子1に採用可能な、収容空間Pにおける結線部の配置方法について、変形例2として説明する。
図8は、変形例2の結線部221の配置方法を示す断面模式図である。
変形例2の配置方法は、変形例1の配置方法と類似しているが、結線部221を収容部35に挿入する方向が異なる。
変形例2においては、収容部35にコイル20の結線部221が収容される。
結線部221は、変形例1の結線部121と同様の構成を有するが、結線部221の収容空間Pへの挿入方向が異なる。
図8に示すように、結線部221は、第2周方向端部P2側から第1周方向端部P1側に向かって挿入される。結線部221の先端221aは、収容部35の第1周方向端部P1側に位置する。また、貫通孔38の開口部38aは、収容部35の第1周方向端部P1側に位置している。即ち、本変形例の配置方法によれば、結線部221の先端221aと貫通孔38の開口部38aとが、ともに第1周方向端部P1側に位置している。
結線部221に、強い力が加わり結線部221と接着剤40の界面40aと接触部分Aが上側(+Z側)に一定距離変位する場合を想定する。この場合、第2周方向端部P2の接着剤40に剥離の起点が生じて、第2周方向端部P2側の底部36と接着剤40との接着底面P4まで剥離が進む。接触部分Aとともに、接着剤40の一部が持ち上げられる。貫通孔38の開口部38aは、剥離の起点と反対側に位置しており、距離が遠い。硬化した接着剤40の剛性が低い場合は、接着剤40が変形するため、開口部38aに位置する接着剤40に応力が加わりにくい。したがって、開口部38aにおいて接着剤40が破断することを抑制できる。
<変形例3>
次に、上述した固定子1に採用可能な、変形例3の収容部135について説明する。
なお、以下に説明する変形例3および後段において説明する変形例4〜変形例6において示す収容部は、上側(+Z側、軸方向の一方側)を臨む全ての面が、上側から見て、互いに異なる位置に設けられている。また、下側(−Z側、軸方向の他方側)を臨むすべての面が、下側から見て互いに異なる位置に設けられている。さらに、貫通孔38、収容空間P、および対向空間Sは、それら上側および下側に臨む面以外に軸方向上下の何れからから見ても隠れる凹部や貫通孔がない。したがって、これらの収容部においても、スライド金型を用いることなく成形できる。
図9は、変形例3の収容部135を示す断面模式図である。
収容部135は、上述の収容部35と比較して、底部136の構成が主に異なる。
図9に示すように、変形例3の収容部135は、周壁部137bと、底部136と、を有する。
底部136は、下側(−Z側)に鉄心コア10と対向し接触する第1の面136aを有する。また、底部136は、上側(+Z側)に第2の面136bを有する。第1の面136aは、鉄心コア10の上側端面10aと接触する。
底部136には、軸方向に貫通する貫通孔138と、第1の面136aから軸方向の一方側(+Z側)に凹む凹部139と、が設けられている。凹部139は、周壁部137bの下方まで及び、収容部135の側面の開口部139bにおいて開口している。凹部139は、鉄心コア10と対向する対向面139aを有する。対向面139aと鉄心コア10との間には、対向空間Sが設けられている。
貫通孔138は、下側(鉄心コア10側)において、対向空間Sに開口する。
結線部21は、周方向に沿って収容部135の内部に挿入される。また、結線部21を埋め込むように、収容部135の内部には、接着剤40が充填される。接着剤40は、収容部135の内部から貫通孔138を介し対向空間Sにまで達する。接着剤40は、対向面139aに及び、この状態で硬化されている。接着剤40の対向面139aの下側に位置する部分は、接着剤40が軸方向上側に抜け出すことを阻止する。
本変形例の収容部135によれば、凹部139が収容部135の側面の開口部139bにおいて開口している。接着剤40は、貫通孔138を介し、凹部139内に流れ込む。このとき、開口部139bから、空気が抜けるために、接着剤40の対向空間Sへの流入が円滑となる。これにより、接着剤40の流入作業に要する時間を短縮することができる。また、空気が抜けることで、対向空間S内の接着剤に空隙が生じにくい。したがって、対向空間Sにおける接着剤40と鉄心コア10との固着が強固となる。これにより、接着剤40を収容部135からより一層抜け出にくくできる。また接着剤40の充填および硬化の状態を外部より目視することができるため、組立作業性がよい。
<変形例4>
次に、上述した固定子1に採用可能な、変形例4の収容部235について説明する。
図10は、変形例4の収容部235を示す断面模式図である。
収容部235は、上述の収容部35と比較して、底部236の構成が主に異なる。
図10に示すように、変形例4の収容部235は、周壁部237bと、底部236と、を有する。
底部236は、下側(−Z側)に鉄心コア10と対向し接触する第1の面236aを有する。また、底部236は、上側(+Z側)に第2の面236bを有する。第1の面236aは、鉄心コア10の上側端面10aと離間して配置されている。
底部236には、軸方向に貫通する貫通孔238を有する。貫通孔238は、下側(即ち、鉄心コア10側)に広がるテーパ面(対向面)238bを有する。テーパ面238bは、鉄心コア10の上側端面10aに対し傾斜した面である。テーパ面238bは、下側を臨む面である。テーパ面238bと鉄心コア10との軸方向の間には、対向空間Sが設けられている。即ち、貫通孔238は、下側(鉄心コア10側)において、対向空間Sに開口する。
結線部21は、周方向に沿って収容部235の内部に挿入される。また、結線部21を埋め込むように、収容部235の内部には、接着剤40が充填される。接着剤40は、収容部235の内部から貫通孔238を介し対向空間Sにまで達する。接着剤40は、テーパ面238bに及び、この状態で硬化されている。接着剤40は、テーパ面238bから第1の面236aに濡れ広がった状態で硬化されていてもよい。接着剤40は、前述のように第1の面236aに濡れ広がってもよいが、広がりすぎない程度、また滴下しない程度の粘度にするのがよい。接着剤40のテーパ面238bの下側に位置する部分は、アンカーとして機能し、接着剤40軸方向上側に抜け出すことを阻止する。
本実施形態の収容部235は、底部236と鉄心コア10との間に隙間が設けられているため、鉄心コアと結線部21との絶縁の確実性を高めることができる。加えて、底部236と鉄心コア10との間の対向空間Sが開放した空間となるため、接着剤40の充填および硬化の状態を確認しやすい。
<変形例5>
次に、上述した固定子1に採用可能な、変形例5の収容部335について説明する。
図11は、変形例5の収容部335を示す断面模式図である。
収容部335は、上述の収容部35と比較して、底部336の構成が主に異なる。
図11に示すように、変形例5の収容部335は、周壁部337bと、底部336と、を有する。
底部336は、下側(−Z側)に鉄心コア10と対向し接触する第1の面336aを有する。また、底部336は、上側(+Z側)に第2の面336bを有する。第1の面336aは、鉄心コア10の上側端面10aと接触する。
底部336には、軸方向に貫通する貫通孔338を有する。貫通孔338は、上側に広がる第1テーパ面338cと、下側に広がる第2テーパ面(対向面)338bと、を有する。第1テーパ面338cは、上側を臨む面である。第2テーパ面338bは、下側を臨む面である。第2テーパ面338bと鉄心コア10との軸方向の間には、対向空間Sが設けられている。即ち、貫通孔338は、下側(鉄心コア10側)において、対向空間Sに開口する。
結線部21は、周方向に沿って収容部335の内部に挿入される。また、結線部21を埋め込むように、収容部335の内部には、接着剤40が充填される。接着剤40は、収容部335の内部から貫通孔338を介し対向空間Sにまで達する。接着剤40は、第2テーパ面338bから上端面10aにまで及び、この状態で硬化されている。接着剤40の第2テーパ面338bの下側に位置する部分は、接着剤40が軸方向上側に抜け出すことを阻止する。
本変形例の収容部335によれば、貫通孔338の上側に第1テーパ面338cが設けられているため、貫通孔338に接着剤40が流れ込みやすくなる。
<変形例6>
次に、上述した固定子1に採用可能な、変形例6の収容部435について説明する。
図12は、変形例6の収容部435を示す断面模式図である。
収容部435は、上述の収容部35と比較して、底部436の構成が主に異なる。
図12に示すように、変形例6の収容部435は、周壁部437bと、底部436と、を有する。
底部436は、下側(−Z側)に鉄心コア10と対向し接触する第1の面436aを有する。また、底部436は、上側(+Z側)に第2の面436bを有する。第1の面436aは、鉄心コア10の上側端面10aと離間して配置されている。第1の面436aは、対向面として機能し、第1の面436aと鉄心コア10との軸方向の間には、対向空間Sが設けられている。
底部436には、軸方向に貫通する貫通孔438を有する。貫通孔438は、下側(鉄心コア10側)において、対向空間Sに開口する。
結線部21は、周方向に沿って収容部435の内部に挿入される。また、結線部21を埋め込むように、収容部435の内部には、接着剤40が充填される。接着剤40は、収容部435の内部から貫通孔438を通過する。接着剤40は、貫通孔438の下側開口において、第1の面436aに濡れ広がり硬化されている。接着剤40は、前述のように第1の面436aにより一層濡れ広がってもよいが、広がりすぎない程度、また滴下しない程度の粘度にするのがよい。接着剤40の第2の面436bに濡れ広がって硬化した部分は、接着剤40が軸方向上側に抜け出すことを阻止する。
なお、図13に示すように、接着剤40は、あえて第1の面436aと対向する鉄心コア10の上側端面10aに達するようにして硬化されていても良い。接着剤40は、上側端面10aに達しつつ、貫通孔438から途切れてしまわない程度の粘度が望ましい。
以上に、本発明の様々な実施形態を説明したが、各実施形態における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換およびその他の変更が可能である。
上述の実施形態において、固定子は、上側インシュレータ、下側インシュレータ、スロット用インシュレータを有するが、これらを有していなくても良い。この場合は、鉄心コアに絶縁コーティングをすることが好ましい。
また、上述の実施形態において、収容部は、上側インシュレータに設けられる例を示したが、これに限るものではない。収容部は、上側インシュレータと別部材としてもよい。また、収容部は、鉄心コアに設けられていても良い。
1…固定子、2…回転子、10…鉄心コア、10a、10b…端面、11…ティース部、20…コイル、21、121、221…結線部、21a、121a、221a…先端、30…上側インシュレータ、30a…外周面、34…巻き付け部、35、135、235、335、435…収容部、36、136、236、336、436…底部、37a、37b、137b、237b、337b、437b…周壁部、38、138、238、338、438…貫通孔、38a…開口部(開口)、39、139…凹部、39a、139a、238b、338b、436a…対向面、40…接着剤、40a…界面、50…下側インシュレータ、60…スロット用インシュレータ、65…絶縁紙、71…上金型、72…下金型、81…シャフト、100…モータ、101…圧縮機構部、108…アキュムレータ、109…ケース、200…圧縮機、A…接触部分、J…中心軸、P…収容空間、P1…第1周方向端部、P2…第2周方向端部、P3…接着底面、P4…接着底面、S…対向空間

Claims (20)

  1. 軸方向に延びる中心軸を中心として回転する回転子を備えたモータの固定子であって、
    周方向に並ぶティース部を有する鉄心コアと、
    前記ティース部に巻き付けられる複数のコイルと、
    前記鉄心コアの軸方向一方側に位置する収容部と、を備え、
    前記コイルは、前記コイル同士を結線する結線部を有し、
    前記結線部の少なくとも一部は、前記収容部の内部に収容されて接着剤で固定され、
    前記収容部は、前記鉄心コアと対向する対向面を有する底部と、前記底部から前記鉄心コアの反対側に延びる周壁部と、を有し、
    前記対向面と前記鉄心コアとの間には、対向空間が設けられ、
    前記底部には、前記対向空間に開口する貫通孔が設けられ、
    前記接着剤が、前記収容部の内部から前記貫通孔を介し前記対向面まで及んでいる、
    固定子。
  2. 前記対向面が、前記鉄心コアの軸方向端面に対し平行、又は傾斜した面である、
    請求項1に記載の固定子。
  3. 前記底部が、前記鉄心コアと対向する第1の面を有し、
    前記第1の面に軸方向一方側に凹む凹部が設けられ、前記凹部が前記対向面を有する、
    請求項1又は2に記載の固定子。
  4. 軸方向から見て、前記結線部の先端が、前記貫通孔の前記鉄心コアと反対側の開口と重ならない、
    請求項1〜3の何れか一項に記載の固定子。
  5. 前記収容部が周方向に延び、
    前記接着剤の界面と前記結線部との接触部分が、前記結線部の先端と、前記貫通孔の前記鉄心コアと反対側の開口と、の周方向の間に位置する、
    請求項1〜4の何れか一項に記載の固定子。
  6. 前記収容部が周方向に延び、
    周方向に沿って、前記貫通孔の前記鉄心コアと反対側の開口が、前記接着剤の界面と前記結線部との接触部分と、前記結線部の先端と、の周方向の間に位置する、
    請求項1〜4の何れか一項に記載の固定子。
  7. 前記結線部は、前記収容部の周方向一方側から周方向他方側に向かって挿入され、
    前記結線部の先端は、前記収容部の周方向他方側に位置し、
    前記貫通孔の前記鉄心コアと反対側の開口は、前記収容部の周方向一方側に位置する
    請求項5又は6に記載の固定子。
  8. 前記結線部は、前記収容部の周方向一方側から周方向他方側に向かって挿入され、
    前記結線部の先端は、前記収容部の周方向他方側に位置し、
    前記貫通孔の前記鉄心コアと反対側の開口は、前記収容部の周方向他方側に位置する
    請求項5又は6に記載の固定子。
  9. 前記底部が前記鉄心コアの軸方向端面と接触する、
    請求項1〜8の何れか一項に記載の固定子。
  10. 前記底部と前記鉄心コアとの間に隙間が設けられている、
    請求項1〜8の何れか一項に記載の固定子。
  11. 前記貫通孔は、前記結線部が通過できない形状を有する、
    請求項1〜10の何れか一項に記載の固定子。
  12. 前記貫通孔は、長孔を有し、
    前記長孔の幅は、前記結線部の線束の幅よりも小さい、
    請求項11に記載の固定子。
  13. 前記収容部が周方向に延び、
    前記結線部は、前記収容部の周方向一方側から周方向他方側に向かって挿入され、
    前記貫通孔は、径方向に延びる長孔である、
    請求項12に記載の固定子。
  14. 前記収容部は、軸方向の一方側を臨む全ての面が、軸方向の一方側から見て互いに異なる位置に設けられており、軸方向の他方側を臨むすべての面が、軸方向の他方側から見て互いに異なる位置に設けられている、
    請求項1〜13の何れか一項に記載の固定子。
  15. 前記接着剤が、前記鉄心コアの軸方向端面に固着されている、
    請求項1〜14の何れか一項に記載の固定子。
  16. 前記接着剤は、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、シリコン系接着剤のうち何れか1種又は2種以上の組み合わせである、
    請求項1〜15の何れか一項に記載の固定子。
  17. 前記接着剤は、粘度が10[mPa・s]以上200[Pa・s]以下である、
    請求項1〜16の何れか一項に記載の固定子。
  18. 前記鉄心コアの軸方向一方側に位置するインシュレータを備え、
    前記インシュレータは、前記収容部を有する、
    請求項1〜17の何れか一項に記載の固定子。
  19. 請求項1〜18の何れか一項に記載の固定子と、回転子と、を有するモータ。
  20. 請求項19に記載のモータを有する圧縮機。
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