JP6468262B2 - 走査型電子顕微鏡での観察による複相鋼中のフェライト相、マルテンサイト相、及びオーステナイト相の分離可視化方法、並びに組織観察用複相鋼片 - Google Patents

走査型電子顕微鏡での観察による複相鋼中のフェライト相、マルテンサイト相、及びオーステナイト相の分離可視化方法、並びに組織観察用複相鋼片 Download PDF

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Description

本発明は、走査型電子顕微鏡での観察による複相鋼中のフェライト相、マルテンサイト相、及びオーステナイト相の分離可視化方法、並びに組織観察用複相鋼片に関するものである。
複相鋼の機械的特性は組織と相関する。複相鋼中の各相の分率や分布を精密かつ正確に把握することは、組織と最終的な機械的特性との間の関係を正しく理解する上で重要である。複相鋼中の相を明瞭に識別することを志向する種々の技術がある。
最も一般的に用いられるのは、複相鋼片の表面に選択的化学エッチングを施して、その表面を光学顕微鏡(OM)で観察するものである。非特許文献1には、簡易な電解エッチング(電解研磨)や、ナイタール、ピクラール、レペラー、クレム等の化学エッチングや、異なる2つのエッチング液による二段階化学エッチングといった、複相鋼片をOM観察に供するための種々のエッチング方法が記載されている。
しかしながら、これらの技術は以下のように結論付けられる。
−従来の電解エッチング、ナイタールエッチング、及びピクラールエッチングでは、OM観察において第二相とマトリックスとのコントラストを得ることができない。
−レペラーエッチングとクレムエッチングでは、OM観察において第二相とマトリックスとを区別することはできるが、オーステナイト相とマルテンサイト相との分離は不可能である。
−二段階エッチング(例えば、ピクラール液+重硫酸ナトリウム、ナイタール液+重硫酸ナトリウム、V2A+クレム液)では、OM観察において第二相とマトリックスとの区別が可能であり、その上、OM画像中で色が異なることから、オーステナイト相とマルテンサイト相とを区別できる可能性がある。
このようにカラーエッチングとOM観察との組み合わせによって、複相鋼中のオーステナイト相とマルテンサイト相とを可視化できるものの、他方で、OM観察による全ての技術は、空間分解能に劣る(200nm以下)という制限がある。このため、相の同定の正確性はオペレーターの経験に依存するし、ナノサイズのオーステナイト相やマルテンサイト相を含有する近年の複雑な複相鋼のキャラクタリゼーションは、OM観察では不可能である。
高い空間分解能に対する要求は、電子後方散乱回折(EBSD)技術によってある程度満たされる。この技術は従来、複相鋼の相のキャラクタリゼーションに用いられており、各相を信頼性高く分離することができる。しかしながら、この技術には2つの大きな不利益がある。一つは、広域マッピングに時間を要するため効果的ではないことであり、もう一つは、空間分解能(20nm以下)が、ナノサイズの相を含有する近年の複雑な複相鋼のキャラクタリゼーションには不十分であることである。
これに対して、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察は、その高い空間分解能(最先端の機器で1nm以下)と、大きなバルク試料が使えることから、複相鋼の相のキャラクタリゼーションに最も見込みがあると思われる。複相鋼片をSEM観察に供するための試料調製技術としては、機械研磨、化学機械研磨、電解エッチング、化学エッチング等が知られている。
非特許文献1には、複相鋼片の表面に電解エッチング又はナイタールエッチングを施して、その表面を二次電子検出器(SE検出器)によってSEM観察する技術や、複相鋼片の表面にクレムエッチング+レペラーエッチングの二段階エッチング(カラーエッチング)を施し、その表面を後方散乱電子検出器(BSE検出器)によってSEM観察する技術が記載されている。
E. Leunis et al., Quantitative phase analysis of multi-phase steels - PHAST, Final Report, EUR 22387 EN, European Communities, 2006
しかしながら、SEM観察のための従来の試料調製技術ではいずれも、複相鋼中のフェライト相、マルテンサイト相、及びオーステナイト相を分離してナノスケールで明瞭に識別することができなかった。
−上記の電解エッチング及びナイタールエッチングでは、SEM−SE観察において、第二相とマトリックスとを区別することはできるが、ナノサイズのオーステナイト相とマルテンサイト相を分離することはできない。
−上記のクレムエッチング+レペラーエッチングの二段階エッチングでも、SEM−BSE観察において、ナノサイズのオーステナイト相とマルテンサイト相を分離することはできない。
そこで本発明は、上記課題に鑑み、複相鋼中のフェライト相、マルテンサイト相、及びオーステナイト相を分離してナノスケールで明瞭に識別することが可能な、走査型電子顕微鏡での観察による複相鋼中のフェライト相、マルテンサイト相、及びオーステナイト相の分離可視化方法、並びに組織観察用複相鋼片を提供することを目的とする。
ピクラールエッチング液は、複相鋼の光学顕微鏡による組織観察用の腐食液として一般的に知られており、フェライト合金中のセメンタイトを現出するために用いられる。しかしながら、このエッチング液は、複相鋼片をSEM観察に供するための試料調製技術として用いられてはいなかった。
本発明者らが鋭意検討したところ、複相鋼片に特定の条件でピクラールエッチングを施すことによって、複相鋼片の表面をSEM観察に適した特有の表面状態にすることができること、そして、その表面を特定の条件下でSEM観察に供することによって、フェライト相、マルテンサイト相、及びオーステナイト相を分離してナノスケールで明瞭に可視化できることがわかった。
本発明は上記知見に基づいて完成されたものであり、その要旨構成は以下のとおりである。
(1)走査型電子顕微鏡での観察による複相鋼中のフェライト相、マルテンサイト相、及びオーステナイト相の分離可視化方法であって、
複相鋼片の表面をピクラールエッチング液で化学エッチングする第1工程と、
その後、前記複相鋼片の表面を、一次電子の加速エネルギーが1.75keV以下であり、後方散乱電子検出器を用いた条件下の走査型電子顕微鏡(SEM)観察に供する第2工程と、
を有し、
前記第1工程によって、前記複相鋼片の表面は、フェライト相、マルテンサイト相、及びオーステナイト相のうち、前記オーステナイト相上に選択的に炭素リッチ腐食生成物粒子が形成され、前記フェライト相は前記マルテンサイト相及び前記オーステナイト相よりも優先的にエッチングされた表面状態となり、
前記第2工程によって、前記表面状態によりコントラストが生じ、前記フェライト相を最も明るい領域として、前記マルテンサイト相を中間の明るさの領域として、及び前記オーステナイト相を最も暗い領域として、分離して可視化できることを特徴とする方法。
(2)前記一次電子の加速エネルギーが0.2〜1.5keVである、上記(1)に記載の方法。
(3)前記複相鋼片の表面を、一次電子の加速エネルギーが5keV以上であり、後方散乱電子検出器を用いた条件下のSEM観察に供する工程をさらに有し、該工程によって、前記マルテンサイト相を最も明るい領域として、前記フェライト相及び前記オーステナイト相から分離して可視化する、上記(1)又は(2)に記載の方法。
(4)前記複相鋼片の表面を、一次電子の加速エネルギーが15keV以下であり、二次電子検出器を用いた条件下のSEM観察に供する工程をさらに有し、該工程によって、前記フェライト相を最も暗い領域として、前記マルテンサイト相及び前記オーステナイト相から分離して可視化する、上記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の方法。
(5)前記オーステナイト相上における前記炭素リッチ腐食生成物粒子の被覆率が30%以上である、上記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の方法。
(6)前記フェライト相と、前記マルテンサイト相及び前記オーステナイト相との表面高さの差が20nm〜200nmである、上記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の方法。
(7)分離可視化された前記フェライト相、前記マルテンサイト相、及び前記オーステナイト相の定性的及び/又は定量的なキャラクタリゼーションを行う工程をさらに有する、上記(1)〜(6)のいずれか一項に記載の方法。
(8)フェライト相、マルテンサイト相、及びオーステナイト相を含む組織観察用複相鋼片であって、
前記複相鋼片の表面は、前記フェライト相、マルテンサイト相、及びオーステナイト相のうち、前記オーステナイト相上に選択的に炭素リッチ腐食生成物粒子が形成され、前記フェライト相は前記マルテンサイト相及び前記オーステナイト相よりも表面高さが低い表面状態であることを特徴とする組織観察用複相鋼片。
(9)前記オーステナイト相上における前記炭素リッチ腐食生成物粒子の被覆率が30%以上である、上記(8)に記載の組織観察用複相鋼片。
(10)前記フェライト相と、前記マルテンサイト相及び前記オーステナイト相との表面高さの差が20〜200nmである、上記(8)又は(9)の組織観察用複相鋼片。
なお、本明細書において、後方散乱電子検出器(BSE検出器)を用いたSEM観察を「SEM−BSE観察」といい、二次電子検出器(SE検出器)を用いたSEM観察を「SEM−SE観察」ということもある。
本発明に従う、走査型電子顕微鏡での観察による複相鋼中のフェライト相、マルテンサイト相、及びオーステナイト相の分離可視化方法、並びに組織観察用複相鋼片によれば、複相鋼中のフェライト相、マルテンサイト相、及びオーステナイト相を分離してナノスケールで明瞭に識別することが可能である。
本発明の一実施形態における組織観察用複相鋼片の模式断面図である。 (A)は、実施例1における複相鋼片の表面のSEM−BSE画像(一次電子の加速エネルギー:1keV)であり、(B)は、(A)で撮影されたのと同じ表面部位のEBSD相マップである。 (A)は、実施例1における複相鋼片の表面の別のSEM−BSE画像(一次電子の加速エネルギー:1keV)であり、(B)は、(A)の部分拡大画像であり、(C)は、(A)で撮影されたのと同じ表面部位のEBSD相マップである。 (A)は、実施例1における複相鋼片の表面のさらに別のSEM−BSE画像(一次電子の加速エネルギー:1keV)であり、(B)は、(A)中の矢印で示した部位におけるEDSスペクトルである。 実施例2における複相鋼片の表面のSEM−BSE画像であり、(A)は一次電子の加速エネルギーを1keVとして得た画像、(B)は一次電子の加速エネルギーを30keVとして得た画像である。 (A)は、実施例3において、エッチング時間を3〜90秒の範囲の種々の値として作製した複相鋼片の表面のSEM画像であり、上段は、一次電子の加速エネルギーを1keVとして得たSEM−BSE画像であり、下段は、一次電子の加速エネルギーを1keVとして得たSEM−SE画像である。(B)は、(A)の上段のうち、エッチング時間が3秒、30秒、及び90秒の画像の部分拡大画像である。 実施例4における複相鋼片の表面のSEM画像(一次電子の加速エネルギー:1keV)であり、(A)はT1検出器を用いて得たSEM−BSE画像、(B)は(A)の部分拡大画像、(C)はT2検出器を用いて得たSEM−SE画像、(D)はT3検出器を用いて得たSEM−SE画像である。 実施例5における複相鋼片の表面のSEM−BSE画像であり、一次電子の加速エネルギーを(A)0.5keV、(B)1keV、(C)1.5keV、(D)1.75keV、(E)2keV、(F)5keVとして得た画像である。 実施例7において、種々の条件でエッチングした複相鋼片の表面のSEM画像であり、エッチング条件は、1行目:レペラーエッチング60秒、2行目:レペラーエッチング30秒、3行目:ピクラールエッチング40秒、4行目:ナイタールエッチング30秒であり、1〜3列目はT1検出器を使用して得たSEM−BSE画像、4列目はT2検出器を使用して得たSEM−SE画像である。
本発明の一実施形態による、走査型電子顕微鏡(SEM)での観察による複相鋼中のフェライト相、マルテンサイト相、及びオーステナイト相の分離可視化方法は、複相鋼片の表面をピクラールエッチング液で化学エッチングする第1工程と、その後、前記複相鋼片の表面を、一次電子の加速エネルギーが1.75keV以下であり、後方散乱電子検出器を用いた条件下のSEM観察に供する第2工程と、を有する。さらに、分離可視化された前記フェライト相、前記マルテンサイト相、及び前記オーステナイト相の定性的及び/又は定量的なキャラクタリゼーションを行うこともできる。
(複相鋼片の前処理)
ピクラールエッチングに供する前の複相鋼片表面は、任意の技術によって調製され、例えば、微細機械研磨、化学機械研磨、又は電解研磨のような、金属組織学的な試料の調製に従来用いられる技術が挙げられる。一般に、より精度よく調製された複相鋼片からは、より精密で正確なデータが得られる。この観点から、複相鋼片の表面を微細機械研磨し、その後、化学機械研磨又は電解研磨して、機械研磨により生じた表面ダメージを除去することが好ましい。また、知られているように、オーステナイト相は機械研磨によってマルテンサイト相に変態する(歪み誘起変態)。そのため、前処理は化学機械研磨又は電解研磨で終わることが好ましい。
(第1工程:ピクラールエッチング)
前処理に引き続き、複相鋼片の表面をピクラールエッチング液で化学エッチングする。ピクラール液とは、ピクリン酸のアルコール溶液である。アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、及びブタノールを挙げることができる。一般的なピクラール液としては、100mLのメタノール又はエタノール中に5gのピクリン酸を添加した5%ピクラールが挙げられる。
ピクリン酸の濃度は1%以上10%以下が好ましい。濃度が1%未満の場合、エッチング速度が遅すぎて、必要なエッチング時間が非常に長くなり、結果として不均一なエッチングとなるからであり、濃度が10%超えの場合、エッチング液が非常に強く、試料表面に数秒接触させただけで表面が破壊されるからである。ピクリン酸の濃度は4%以上5%以下とすることがより好ましい。
エッチング時間は、ピクリン酸の濃度との関係で好適な範囲を実験的に決定することができる。ピクリン酸の濃度を低くする場合には、エッチング時間を長くし、ピクリン酸の濃度を高くする場合には、エッチング時間を短くする。5%ピクラールを用いる場合、エッチング時間は5〜80秒とすることが好ましく、10〜40秒とすることがより好ましく、30秒程度が最も好ましい。エッチング時間が5秒未満(例えば3秒)の場合、エッチング不足でコントラストが十分に取れず、エッチング時間が80秒超え(例えば90秒)の場合、オーバーエッチングとなり、やはりコントラストが十分に取れないからである。
上記の条件で複相鋼片に化学エッチングを施した結果、その表面は図1に示すようになることを本発明者らは見出した。まず、複相鋼片の表面において、フェライト相、マルテンサイト相、及びオーステナイト相のうち、前記オーステナイト相上に選択的に炭素リッチ腐食生成物粒子が形成される。マルテンサイト相及びフェライト相の上は、クリーンなままである。このようになるのは、オーステナイト相中の炭素濃度は、マルテンサイト相及びフェライト相中の炭素濃度よりもかなり高いからである。なお、炭素リッチ腐食生成物粒子の粒径は、10nm以下である。
次に、複相鋼片の表面において、フェライト相はマルテンサイト相及びオーステナイト相よりも優先的にエッチングされた(すなわち表面高さが低い)表面状態となる。これは、ピクラール液が選択的エッチング液であり、高濃度で炭素を含む相(オーステナイト相)は、炭素濃度が低い相(フェライト相)よりもエッチングの影響が少ない、すなわち非常にゆっくりエッチングされるからである。ここで、マルテンサイト相中の炭素濃度は、オーステナイト相中の炭素濃度よりは低いものの、フェライト相中の炭素濃度よりは高い。しかしながら、マルテンサイト相は、内部構造が非常に複雑で、かつ、非常に高密度の構造欠陥(転位、小角粒界等)を含むために、マルテンサイト相は前記ピクラール液にはほとんどエッチングされない。この結果、オーステナイト相とマルテンサイト相は、マトリックス(フェライト相)よりも高くなり、表面形状によるコントラストが生じる。
オーステナイト相の識別の精度を高める観点から、オーステナイト相上における炭素リッチ腐食生成物粒子の被覆率(被覆ファクター)は30%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましい。被覆率は、概ね60%以下になる。なお、この「被覆率」は、図3(A)又は図3(B)のように、視野中に1つのオーステナイト領域が含まれる程度の高倍率(50,000〜200,000倍)で試料表面をSEM−BSE観察し、このオーステナイト相中の、炭素リッチ腐食生成物粒子が存在する暗い領域(領域A)と、炭素リッチ腐食生成物粒子が存在しない明るい領域(領域B)とを二値解析によって特定し、(領域Aの面積)/(領域A+領域Bの面積)の値として算出することができる。
フェライト相とマルテンサイト相及びオーステナイト相とを精度よく分離・識別する観点から、フェライト相と、マルテンサイト相及びオーステナイト相との表面高さの差は20〜200nmであることが好ましく、100nm以下であることがより好ましい。なお、この「表面高さの差」は、試料の断面をSEM−BSE観察することによって、測定することができる。
(第2工程:SEM観察)
第1工程に引き続き、複相鋼片の表面をSEM−BSE観察に供する。第1工程の終了後、試料は極力速やかにSEMの真空チャンバー内に搬送して、大気による腐食を抑制することが好ましい。
本発明者らは、一次電子の加速エネルギーを1.75keV以下としたSEM−BSE観察を行うことによって、既述の表面状態によりコントラストが生じ、フェライト相を最も明るい領域として、マルテンサイト相を中間の明るさの領域として、及びオーステナイト相を最も暗い領域として、分離して可視化できることを見出した。すなわち、オーステナイト相上には選択的に炭素リッチ腐食生成物粒子が形成されていることから、SEM−BSE画像において、オーステナイト相は、マルテンサイト相及びフェライト相よりも暗い領域として分離・識別される。また、フェライト相はマルテンサイト相及びオーステナイト相よりも優先的にエッチングされて、表面高さが低いことから、この表面形状によるコントラストに起因して、これらの相よりも明るい領域として分離・識別される。その結果、SEM−BSE画像において、これら三相がナノスケールで明瞭に識別される。なお、SEM−SE観察では、三相全てを分離・識別することは不可能である。
三相の識別の精度を高める観点から、第2工程における一次電子の加速エネルギーは、0.2〜1.5keVとすることが好ましく、0.5〜1.0keVとすることがより好ましい。
(付加的なSEM観察)
第2工程のSEM観察に加えて、以下の2つの付加的なSEM観察を行ってもよい。第一に、複相鋼片の表面を、一次電子の加速エネルギーが5keV以上としたSEM−BSE観察に供することができる。このような高加速エネルギーの場合には、転位リッチな領域(すなわちマルテンサイト相)が、フェライト相やオーステナイト相のように転位の少ない領域よりも、非常に明るいコントラストを呈する。つまり、マルテンサイト相を最も明るい領域として、フェライト相及び前記オーステナイト相から分離して可視化することができる。このSEM−BSE観察においては、一次電子の加速エネルギーの上限は20keV程度である。
第二に、複相鋼片の表面を、一次電子の加速エネルギーが15keV以下としたSEM−SE観察に供することができる。このような低加速エネルギーのSEM−SE観察では、既述の表面形状によるコントラストを効果的に拾うことができるため、フェライト相を最も暗い領域として、マルテンサイト相及びオーステナイト相から分離して可視化することができる。フェライト相の識別の精度を高める観点から、一次電子の加速エネルギーは、1〜10keVとすることが好ましく、1〜5keVとすることがより好ましい。
(キャラクタリゼーション工程)
随意に、分離可視化された前記フェライト相、前記マルテンサイト相、及び前記オーステナイト相の定性的及び/又は定量的なキャラクタリゼーションを行うことができる。例えば、第2工程で得られたSEM−BSE画像や、付加的なSEM観察で得られたSEM−BSE画像及び/又はSEM−SE画像を、定量画像解析の入力データとして用いることができる。また、これらのSEM画像を二値画像や統計的データに変換して、各相のさらなるキャラクタリゼーションに用いてもよい。本実施形態の分離可視化方法によれば、大がかりなデータの後処理を必要とすることなく、各相の分率を求めるなどの定量的キャラクタリゼーションを好適に行うことができる。
(複相鋼)
本明細書において「複相鋼」とは、フェライト相、マルテンサイト相、及びオーステナイト相(「γ相」ともいう。)を含むナノスケールの微細な第二相を有する任意の炭素鋼であってよく、例えばTRIP鋼を挙げることができる。他の相としては、ベイナイト相、パーライト相、カーバイド相等が挙げられる。しかし、本発明の方法はステンレス鋼に適用することはできない。ステンレス鋼は、その表面に不動態層を有し、これが炭素リッチ腐食生成物粒子の形成を阻害するからである。
以下の各実施例では、以下の条件を採用した。
−C:0.31質量%、Si:1.5質量%、Mn:2.5質量%、P:0.005質量%、S:0.001質量%、Al:0.014質量%、N:0.0019質量%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる成分組成の複相鋼片を用いた。
−その試料の表面を機械研磨で鏡面仕上げして、さらに電解研磨を施した。
−その後、試料の表面を5%ピクラールで化学エッチングした。エッチング時間は、各実施例に記載する。
−その後、試料の表面をdual beam Scios(FEI社製)で観察した。この顕微鏡は、信号電子を検出する種々の検出器を備えている。新規な3つの検出システムは、T1検出器、T2検出器、及びT3検出器からなる。検出される信号は種々のファクターに依存する。標準的なセッティングでは、T1検出器は後方散乱電子(BSE)を検出し、T2検出器とT3検出器は二次電子(SE)を検出する。この顕微鏡は、ポールピース(磁極片)の下方に位置してBSEを検出するCBS検出器と、SEを検出する従来のETD検出器も備えている。なお、試料は化学エッチングの後速やかに、10-4Paに減圧されたチャンバー内に搬送して、大気腐食による表面の劣化を防いだ。
(実施例1)
本実施例において、エッチング時間は40秒とした。図2(A)に、一次電子の加速エネルギーを1keVとして、T1検出器を用いて得たSEM−BSE画像を示す。また、図2(B)は、(A)で撮影されたのと同じ表面部位のEBSD相マップである。EBSD技術は、複相鋼中の相の同定のための一般的な技術であり、オーステナイト相をその特有の結晶格子(FCC)に基づいて分離することができる。図2(B)において、オーステナイト相は緑で示され、BCCの結晶格子を有する他の相(すなわち、フェライト相、マルテンサイト相)は赤で示される。図2(A)と(B)の比較から、SEM−BSE画像において、オーステナイト相が最も暗い領域として識別できることがわかる。このことから、特定条件のエッチングと特定条件でのSEM−BSE観察の組み合わせによって、オーステナイト相を他の相から分離して可視化できることがわかった。
さらに、このコントラストの原因を詳細に調べた。図3(A)は、前記試料の表面の別のSEM−BSE画像(一次電子の加速エネルギー:1keV)であり、(B)は、(A)の部分拡大画像であり、(C)は、(A)で撮影されたのと同じ表面部位のEBSD相マップである。図3(A)中の暗い領域は、オーステナイト相を示しており、このことは図3(C)のEBSD相マップとの対比から確認された。そして、図3(B)のように倍率を拡大すると、オーステナイト相は微細な暗い粒子で被覆されている。エッチング前にはコントラストが存在しないことから、この粒子はピクラールエッチングの結果形成されたものであることを示している。なお、図3(A)において、オーステナイト相上における粒子の被覆率を測定したところ、42%であった。
この粒子の生成起源を調べた。オーステナイト相の表面の化学組成の情報を得るべく、エネルギー分散X線分光法(EDS)を用いた。EDS技術の表面感度は一次電子のエネルギーに依存し、一次電子のエネルギーが下がるほど劇的に高くなる。図4(B)は、一次電子の加速エネルギーを1keVとして得たEDSスペクトルである。スペクトルは、図4(A)のSEM−BSE画像中の矢印で示した6つの部位から収集した。EDS分析の結果、オーステナイト相(暗い領域)では炭素リッチ物質に被覆されていることが明らかとなった。これがSEM−BSE画像でのコントラスト源になっている。
(実施例2)
本実施例において、エッチング時間は30秒とした。図5(A)に、一次電子の加速エネルギーを1keVとして得たSEM−BSE画像を示し、図5(B)に、一次電子の加速エネルギーを30keVとして得たSEM−BSE画像を示す。両画像は、試料表面の同じ部位を観察したものである。図5(A)中の緑の矢印がオーステナイト相を示し、紫の矢印がマルテンサイト相を示している。このように、フェライト相は最も明るい領域として、マルテンサイト相を中間の明るさの領域として、オーステナイト相は最も暗い領域として、分離して可視化できることがわかる。
マルテンサイト相の存在は、図5(B)により確認された。図5(B)のように一次電子が高加速エネルギーの場合には、転位リッチな領域(すなわちマルテンサイト相)が、フェライト相やオーステナイト相のように転位の少ない領域よりも、非常に明るいコントラストを呈する。つまり、マルテンサイト相を最も明るい領域として、フェライト相及び前記オーステナイト相から分離して可視化することができる。
(実施例3)
試料表面の品質と、その結果としてSEM画像中のコントラストは、エッチング時間に強く影響される。実施例3では、3〜90秒の範囲のエッチング時間で作製した複相鋼片の表面をSEM観察した。図6(A)の上段は、一次電子の加速エネルギーを1keVとして得たSEM−BSE画像であり、オーステナイト相が最も暗い領域として示されている。図6(A)の下段は、一次電子の加速エネルギーを1keVとして得たSEM−SE画像であり、表面形状によるコントラストを示している。明らかに、エッチング時間の増加とともに表面粗さは増加しており、90秒のエッチングでは表面は破壊されている。
図6(B)は、図6(A)の上段のうち、エッチング時間が3秒、30秒、及び90秒の画像の部分拡大画像であり、オーステナイト相とフェライトマトリックスとのコントラストを示している。このように、SEM−BSE画像中のコントラストの存在は、適切なエッチング時間により条件づけられる。エッチング時間が3秒の場合、コントラストが不十分であり、エッチング時間が90秒の場合、オーバーエッチングとなり、試料表面が破壊されている。5%ピクラールを用いる場合には、30秒のエッチング時間が最適である。
(実施例4)
本実施例において、エッチング時間は40秒とした。図7(A)に、一次電子の加速エネルギーを1keVとして得たSEM−BSE画像(T1検出器を使用)を示し、図7(B)に、その部分拡大画像を示した。このように、フェライト相は最も明るい領域として、マルテンサイト相を中間の明るさの領域として、オーステナイト相は最も暗い領域として、分離して可視化できた。
さらに、ピクラール液は選択的エッチング液であり、高濃度で炭素を含む相(オーステナイト相とマルテンサイト相)は、炭素濃度が低い相(フェライト相)よりも非常にゆっくりエッチングされる。この結果、オーステナイト相とマルテンサイト相は、マトリックス(フェライト相)よりも高くなり、表面形状によるコントラストが生じる。低加速エネルギーのSEM−SE観察では、この表面形状的コントラストを効果的に拾うことができる。図7(C)はT2検出器を用いて得たSEM−SE画像、(D)はT3検出器を用いて得たSEM−SE画像である。一次電子の加速エネルギーを1keVとした。このように、低加速エネルギーのSEM−SE観察では、フェライト相を最も暗い領域として、マルテンサイト相及びオーステナイト相から分離して可視化することができる。なお、本実施例の試料において、フェライト相と、マルテンサイト相及びオーステナイト相との表面高さの差は50nmであった。
(実施例5)
本実施例において、エッチング時間は40秒とした。図8(A)〜(F)に、一次電子の加速エネルギーを0.5〜5keVの範囲の種々の値とて得たSEM−BSE画像を示す。このように、SEM画像中のコントラストは加速エネルギーにも依存し、1.75keV以下の場合にコントラストを取ることができる。0.5keVと1keVが特に明瞭なコントラストを生じさせる。
(実施例6)
本発明により得られたSEM−BSE画像を用いて、大がかりなデータの後処理を必要とすることなく、各相の分率を求めるなどの定量的キャラクタリゼーションを好適に行うことができる。図7Aに示したSEM−BSE画像を二値画像に変換して、γ分率を求めたところ、26.3%であった。また、鋼中のγ分率を求める一般的な方法であるX線回折法を用いて、同じ試料のγ分率を測定したところ、27.1%であった。このように、このSEM−BSE画像から求めたγ分率は、X線回折法で求めた値と良い近似を示した。
(実施例7)
化学エッチングの際のエッチング液として、5%ピクラールに加えて、レペラーエッチング液とナイタールエッチング液も用いて、種々の試料を調製した。図9は、種々の条件でエッチングした複相鋼片の表面のSEM画像であり、エッチング条件は、1行目:レペラーエッチング60秒、2行目:レペラーエッチング30秒、3行目:ピクラールエッチング40秒、4行目:ナイタールエッチング30秒であり、1〜3列目はT1検出器を使用して得たSEM−BSE画像、4列目はT2検出器を使用して得たSEM−SE画像である。一次電子の加速エネルギーは1keVとした。
このように、レペラーエッチングとナイタールエッチングを行った場合には、SEM画像中でオーステナイト相を明瞭に識別することはできなかった。これに対して、ピクラールエッチングを行った場合には、SEM−BSE画像において、オーステナイト相を明瞭に識別することができた。
本発明に従う、走査型電子顕微鏡での観察による複相鋼中のフェライト相、マルテンサイト相、及びオーステナイト相の分離可視化方法、並びに組織観察用複相鋼片によれば、複相鋼中のフェライト相、マルテンサイト相、及びオーステナイト相を分離してナノスケールで明瞭に識別することが可能である。

Claims (10)

  1. 走査型電子顕微鏡での観察による複相鋼中のフェライト相、マルテンサイト相、及びオーステナイト相の分離可視化方法であって、
    複相鋼片の表面をピクラールエッチング液で化学エッチングする第1工程と、
    その後、前記複相鋼片の表面を、一次電子の加速エネルギーが1.75keV以下であり、後方散乱電子検出器を用いた条件下の走査型電子顕微鏡(SEM)観察に供する第2工程と、
    を有し、
    前記第1工程によって、前記複相鋼片の表面は、フェライト相、マルテンサイト相、及びオーステナイト相のうち、前記オーステナイト相上に選択的に炭素リッチ腐食生成物粒子が形成され、前記フェライト相は前記マルテンサイト相及び前記オーステナイト相よりも優先的にエッチングされた表面状態となり、
    前記第2工程によって、前記表面状態によりコントラストが生じ、前記フェライト相を最も明るい領域として、前記マルテンサイト相を中間の明るさの領域として、及び前記オーステナイト相を最も暗い領域として、分離して可視化できることを特徴とする方法。
  2. 前記一次電子の加速エネルギーが0.2〜1.5keVである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記複相鋼片の表面を、一次電子の加速エネルギーが5keV以上であり、後方散乱電子検出器を用いた条件下のSEM観察に供する工程をさらに有し、該工程によって、前記マルテンサイト相を最も明るい領域として、前記フェライト相及び前記オーステナイト相から分離して可視化する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記複相鋼片の表面を、一次電子の加速エネルギーが15keV以下であり、二次電子検出器を用いた条件下のSEM観察に供する工程をさらに有し、該工程によって、前記フェライト相を最も暗い領域として、前記マルテンサイト相及び前記オーステナイト相から分離して可視化する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記オーステナイト相上における前記炭素リッチ腐食生成物粒子の被覆率が30%以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記フェライト相と、前記マルテンサイト相及び前記オーステナイト相との表面高さの差が20nm〜200nmである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 分離可視化された前記フェライト相、前記マルテンサイト相、及び前記オーステナイト相の定性的及び/又は定量的なキャラクタリゼーションを行う工程をさらに有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. フェライト相、マルテンサイト相、及びオーステナイト相を含む組織観察用複相鋼片であって、
    前記複相鋼片の表面は、前記フェライト相、マルテンサイト相、及びオーステナイト相のうち、前記オーステナイト相上に選択的に炭素リッチ腐食生成物粒子が形成され、前記フェライト相は前記マルテンサイト相及び前記オーステナイト相よりも表面高さが低い表面状態であることを特徴とする組織観察用複相鋼片。
  9. 前記オーステナイト相上における前記炭素リッチ腐食生成物粒子の被覆率が30%以上である、請求項8に記載の組織観察用複相鋼片。
  10. 前記フェライト相と、前記マルテンサイト相及び前記オーステナイト相との表面高さの差が20〜200nmである、請求項8又は9の組織観察用複相鋼片。
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