JP6468174B2 - 高圧タンク - Google Patents

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Description

本発明は、高圧タンクに関する。
高圧の流体を貯蔵・密封するためのタンクとして、流体を貯蔵する空間を形成するライナと、ライナの開口部に取り付けられた口金と、ライナを覆うように設けられた補強層と、を備えるタンクが知られている(例えば、特許文献1参照)。上記タンクでは、流体の充填・放出の度に、ライナが膨張・収縮を繰り返す。このような膨張・収縮に伴うライナの変形量は、低温環境下において特に大きくなる。ライナが変形するとライナ内で応力が発生するが、特にライナの膨張時に発生する引っ張り応力に対して、十分な強度をライナにおいて確保することが望まれる。
特開2005−133847号公報 特開2013−176975号公報
しかしながら、例えば樹脂製のライナは、一般に、円筒状部材等を含む複数の部材を接合することにより形成されており、隣り合う部材間の接合部において、特に引っ張り強度が不十分になる可能性があった。そのため、タンクの使用環境として想定される種々の環境下において流体の充填・放出を繰り返しても、ライナおよびタンクの強度を確保できる技術が望まれていた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、流体を密閉するための内部空間を形成すると共に軸線方向に延びるライナと、該ライナの外表面を覆う補強層と、を備える高圧タンクが提供される。前記ライナは、複数のライナ部材によって構成されている。前記複数のライナ部材のうち、隣り合って配置される一対のライナ部材の各々は、隣接するライナ部材との接合面を含む部分に、前記ライナの軸線方向に垂直な径方向の厚みが他の部分よりも大きく形成された凸部を有する。前記補強層は;前記ライナの外表面上で巻回されている繊維と、該繊維に含浸された状態で硬化している樹脂と、を構成材料として有し;隣り合って配置される前記一対のライナ部材の向かい合う端部において前記接合面を介して互いに接するように配置された一対の前記凸部を間に挟んで、該一対の凸部の側面に接するように前記ライナの外表面上においてフープ巻きされた前記繊維を備える第1の補強層と、該第1の補強層および前記一対の凸部を覆う第2の補強層と、を備える。
この形態の高圧タンクによれば、隣り合って配置される一対のライナ部材の接合面同士が接するように配置された一対の凸部が、第1の補強層および第2の補強層により固定される。そのため、隣り合って配置される一対のライナ部材間の接合面における引っ張り強度を高め、高圧タンクの耐久性を向上させることができる。
本発明は、上記以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、高圧タンクの製造方法等の形態で実現することができる。
高圧タンクの概略構成を表わす説明図である。 第1ライナ部材との接合部を含む第2ライナ部材を表わす断面図である。 接続凸部を含む領域の断面を拡大して示す説明図である。
A.高圧タンクの全体構成:
図1は、本発明の実施形態としての高圧タンク10の概略構成を表わす説明図である。図1では、高圧タンク10の中心軸を軸線Oとして示しており、軸線Oの左半分に外観を示し、右半分に断面を示す。
高圧タンク10は、本実施形態では圧縮水素を貯蔵し、例えば燃料電池車に搭載される。高圧タンク10は、ライナ20と、補強層30と、一対の口金40と、を備える。ライナ20、補強層30、および口金40のそれぞれは、概ね、軸線Oを中心とする回転対称に形成されている。以下、軸線Oを通過して軸線Oに直交する方向を径方向と呼ぶ。
ライナ20は、流体を密封するための空間を口金40と共に形成する。ライナ20と口金40とによって形成された水素を充填するための空間を、以下「内部空間」と呼ぶ。ライナ20は、ナイロン系樹脂(ポリアミド系樹脂)やポリエチレン系樹脂等の合成樹脂によって形成することができ、本実施形態ではナイロンによって形成している。また、ライナ20は、軸線O方向に延びる形状を有し、円筒状に形成された部位(筒状部)と、軸線O方向の各々の端部近傍において端部に近づくほど縮径する部位(ドーム部)と、を備えている。
このようなライナ20は、第2ライナ部材22、第1ライナ部材21、および第3ライナ部材23を備え、この順序で軸線O方向に配置されている。第1ライナ部材21と第2ライナ部材22との間、および、第1ライナ部材21と第3ライナ部材23との間は、溶着により接合されている。各ライナ部材間の接合部の様子は、後に詳しく説明する。第1ライナ部材21は、既述した筒状部を構成する。第2ライナ部材22および第3ライナ部材23は、それぞれ、筒状部の一部とドーム部とを構成する。第2ライナ部材22および第3ライナ部材23の各々には、高圧タンク10の内部空間の開口部が形成されており、各々の開口部には口金40が取り付けられている。第2ライナ部材22および第3ライナ部材23と口金40とは、例えば、口金40をインサートとして各ライナ部材を射出成形することにより一体形成してもよく、あるいは、成形後の各ライナ部材に口金40を圧入することにより一体化してもよい。
補強層30は、ライナ20の外表面を覆うように形成されており、ライナ20を補強して高圧タンク10の強度を向上させる。補強層30は、ライナ20の外表面上で巻回されている繊維と、この繊維に含浸された状態で硬化している樹脂とを、構成材料として有する。具体的には、補強層30は、フィラメントワインディング法(FW法)によって形成されている。フィラメントワインディング法とは、熱硬化性樹脂が含浸された繊維をマンドレル(本実施例では、ライナ20)に巻き付けて、熱硬化性樹脂を熱硬化させる方法である。
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等を用いることができる。また、繊維としては、金属繊維、ガラス繊維、カーボン繊維、アルミナ繊維等の無機繊維、アラミド繊維等の合成有機繊維、又は、綿等の天然有機繊維の各種繊維を用いることができる。これらの繊維は、単独で用いてもよいし、2種類以上混合して用いてもよい。本実施形態では、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いており、繊維としてカーボン繊維を用いている。すなわち、補強層30は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)によって形成されている。樹脂の硬化は、例えば、加熱炉を用いた加熱や、高周波誘導加熱を誘起する誘導加熱コイルを用いた誘導加熱手法により行なうことができる。本実施形態では、補強層30は、第1の補強層31と第2の補強層32とを備える。補強層30の詳しい構成については、後述する。
口金40は、金属(例えばアルミニウム)によって形成される部材である。第2ライナ部材22に取り付けられた一方の口金40には、高圧タンク10への水素の供給および高圧タンク10からの水素の放出に係る配管が接続される。また、第3ライナ部材23に取り付けられた他方の口金40は、高圧タンク10の内部空間を密閉する。
B.溶着部に係る構成:
図2は、第1ライナ部材21との接合部を含む第2ライナ部材22の様子を表わす断面図である。なお、図2では、軸線Oを含む図1と同様の断面における、口金40、ライナ20、および補強層30の端面のみを示している。
図1および図2に示すように、第1ライナ部材21と第2ライナ部材22との間には接続凸部50が形成されており、第1ライナ部材21と第3ライナ部材23との間には接続凸部51が形成されている。第1ライナ部材21の一方の端部には、第2ライナ部材22との接合面である接合面52を含むと共に接続凸部50を構成する凸部41が形成されており、第1ライナ部材21の他方の端部には、第3ライナ部材23との接合面である接合面53を含むと共に接続凸部51を構成する凸部43が形成されている。第2ライナ部材22の一方の端部には、口金40が取り付けられており、第2ライナ部材22の他方の端部には、第1ライナ部材21との接合面である接合面52を含むと共に接続凸部50を構成する凸部42が形成されている。第3ライナ部材23の一方の端部には、口金40が取り付けられており、第3ライナ部材23の他方の端部には、第1ライナ部材21との接合面である接合面53を含むと共に接続凸部51を構成する凸部44が形成されている。これらの凸部41〜44は、各ライナ部材の全周にわたって形成される環状の凸部である。ライナ20の筒状部において、上記凸部41〜44では、他の部分よりも径方向外側に突出して、厚みが増すように形成されている。なお、図1および図2では、接合面52,53を線分状に表わしているが、これらの接合面52,53は、後述するように第1ライナ部材21および第2ライナ部材22の表面を溶融させて接合することにより形成されるため、明確な線分状とはならない場合もある。
本実施形態では、各ライナ部材間は、赤外溶着によって接合されている。具体的には、例えば、第1ライナ部材21と第2ライナ部材22とを接合する際には、第1ライナ部材21および第2ライナ部材22の各々における、接合面52を形成するための軸線O方向に垂直な端面を、赤外線照射により溶融させた後、これらの端面を重ね合わせつつ、両ライナ部材に対して軸線O方向の押圧力を加えて両者を接合する。第1ライナ部材21と第3ライナ部材23との接合も同様である。
補強層30は、既述したように、第1の補強層31および第2の補強層32を備える。ライナ20の筒状部(軸線O方向に平行な部分)に接して第1の補強層31が設けられており、第1の補強層31のさらに外側に、第2の補強層32が設けられている。第1の補強層31は、ライナ20の筒状部に対して、樹脂含浸炭素繊維をフープ巻きすることによって形成される。フープ巻きとは、樹脂含浸炭素繊維を、ライナ20の外表面上において、軸線O方向にほぼ垂直な巻き角度で、軸線O方向に沿った方向に巻き付け位置を移動しつつ、巻き付けていく巻き付け方法である。なお、「巻き角度」とは、樹脂含浸炭素繊維の巻き付け方向(軸線O方向)に対する、樹脂含浸炭素繊維の繊維方向の角度を意味する。
第1の補強層31は、ライナ20の外表面のうち、第2ライナ部材22、第1ライナ部材21、および第3ライナ部材23、の各々における筒状部に対応する領域であって、接続凸部50,51を除く領域(図1では、A領域、B領域、およびC領域と示す)において形成される。例えば、第2ライナ部材22に対応するA領域に第1の補強層31を形成する際には、第2ライナ部材22のA領域における軸線O方向の両端の間を繰り返し往復しながら、樹脂含浸炭素繊維のフープ巻きを行なう。このようなフープ巻きの動作は、巻き付けられた樹脂含浸炭素繊維の層の厚みが、凸部42における軸線O方向に垂直な方向の高さに達するまで行なう。すなわち、第1の補強層31は、接続凸部50の高さと同じ厚みに形成されている。なお、「第1の補強層31の厚みが接続凸部50,51の高さと同じである」とは、樹脂含浸炭素繊維の太さに起因する誤差を許容するものである。
第1ライナ部材21のB領域(凸部41と凸部43の間の領域)、および、第3ライナ部材23のC領域においても、同様にして樹脂含浸炭素繊維のフープ巻きを行なうことにより、第1の補強層31となる層を形成する。これにより、例えば接続凸部50の近傍では、凸部41,42を間に挟んで、A領域およびB領域の各々において、凸部41,42の側面に接するように、樹脂含浸炭素繊維がフープ巻きされた層が形成される。
第2の補強層32は、第1の補強層31および接続凸部50,51上を覆うように形成されている。第2の補強層32は、第1の補強層31と同様に、樹脂含浸炭素繊維を巻き付けることによって形成されるが、巻き付けは、フープ巻きの他、ヘリカル巻きなど種々の巻き付け方を適宜組み合わせて行なうことが可能である。ヘリカル巻きには、ライナ20における軸線O方向に平行な外表面において樹脂含浸炭素繊維が少なくとも一周することができる程度の比較的大きい巻き角によるヘリカル巻き(「高角度ヘリカル巻き」とも呼ばれる)と、上記外表面において樹脂含浸炭素繊維が一周する前に巻き付け方向を折り返すこととなる程度の比較的小さい巻き角によるヘリカル巻き(「低角度ヘリカル巻き」あるいは「レーベル巻き」とも呼ばれる)と、がある。
フープ巻きは、主として、ライナ20の径方向に作用する内圧に対する強度(ライナの径方向の強度)を向上させるために用いられる。一方、ヘリカル巻きは、主として、ライナ20の軸線O方向に作用する内圧に対する強度(ライナの軸線方向の強度)を向上させるために用いられる。そのため、第2の補強層32を形成する際には、所望の強度特性が得られるように、各巻き付け方法による巻き付け量や、各巻き付け方法を採用する順序を適宜設定すればよい。高圧タンク10全体の強度確保の観点から、第2の補強層32は、少なくとも一部としてヘリカル巻きにより形成された部分を有することが望ましい。第2の補強層32と成る層を形成した後、樹脂含浸炭素繊維に含浸された樹脂を熱硬化させることにより、第1の補強層31および第2の補強層32を備え、接続凸部50,51を含むライナ20の表面を隙間無く覆う補強層30が完成される。
以上のように構成された本実施形態の高圧タンク10によれば、ライナ20を構成する各ライナ部材において、隣接するライナ部材との接合面を含む端部に径方向外側に突出する凸部41〜44を設けると共に、このようなライナ20の外表面を覆う補強層30を設けている。すなわち、隣接するライナ部材間の接合部に形成される接続凸部50,51を、補強層30(第1の補強層31および第2の補強層32)によって固定(拘束)している。そのため、隣接するライナ部材間を溶着した接合面52,53における引っ張り強度を高め、高圧タンク10の耐久性を向上させることができる。
高圧タンク10においては、水素の充填・放出の度にライナ20が膨張・収縮を繰り返し、このような高圧タンク10の変形に伴ってライナ20内で応力が発生する。ライナ20の膨張時には引っ張り応力が発生し、ライナ20において比較的強度が低下しやすいライナ部材間の接合部においても、このような引っ張り応力に対する十分な強度が求められる。特に、本実施形態のように、ライナ部材間を赤外溶着により接合する場合には、接合面を軸線O方向に垂直にする必要があるため、接合面の面積をより大きくすることにより強度を確保することが困難になる。本実施形態によれば、ライナ部材間の接合面を含む一対の凸部から成る接続凸部を補強層30によって固定して、接続凸部の変形を抑制しているため、ライナ部材間の接合部の強度を向上させることができる。
さらに、本実施形態によれば、ライナ20において、上記したライナ部材間の接合部以外の応力が集中しやすい箇所における耐久性も、高めることもできる。具体的には、図2においてD領域として示す領域のように、ライナ壁面が曲面となる部位であって、曲率が特に大きい部位(以下、R部とも呼ぶ)におけるライナ20の耐久性(特に低温条件下での耐久性)を高めることができる。その理由は、以下の通りである。
ライナ20においては、高圧タンク10から水素が放出されて内圧が低下したときに、ライナ20が収縮する。高圧タンク10では、補強層30よりもライナ20の方が熱膨張係数が大きいため、特に低温条件下において、補強層30に対してライナ20は大きく収縮する。ここで、本実施形態の高圧タンク10では、既述したように、ライナ部材間の接合部である接続凸部50,51は、補強層30によって強く固定されている。また、ライナ20と口金40との間の接続部も、インサート成形や圧入によりライナ20と口金40とが一体化されていることにより、強固に固定されている。そのため、ライナ20の収縮時には、補強層30との接合強度が比較的弱い図2のD領域において、ライナ20が補強層30の内壁から剥離して両者の間に空間が生じる。その後、高圧タンク10に水素が充填されてライナ20が膨張するときには、このD領域において応力が集中する。ライナ20の変形量(収縮した状態から膨張した状態への変化量)が大きいほど、膨張時にライナ20で生じる応力は大きくなる。
ここで、本実施形態のライナ20では、上記したように、接続凸部50,51と、口金40に接続する接続部とは、固定されている。そのため、ライナ20の膨張時にD領域に応力集中する場合であっても、その応力は、接続凸部(例えば図2では接続凸部50)と、口金40に接続する接続部と、の間の部分の変形量に対応する応力となる。そのため、本実施形態では、D領域のR部において、接続凸部と、口金40に接続する接続部と、の間の部分の最大変形量に対応する応力に対する強度を確保すればよい。
これに対して、補強層30によって固定するための接続凸部(凸部41〜44)を設けない場合には、ライナ20は、軸線O方向の両端である一対の口金40との接続部においてのみ固定されることになる。そのため、このような場合には、D領域のR部において、ライナ20全体の変形量に対応する応力がかかる場合があり得る。高圧タンクにおいては、想定される最も厳しい条件下において、最も大きく膨張・収縮した場合であっても、強度を確保できることが求められる。そのため、接続凸部を設けない場合には、ライナ20全体の変形量に対応する応力に対する強度を、D領域のR部において確保する必要が生じる。
ライナの強度を確保する方法としては、例えば、ライナの厚みを増加させる方法が考えられる。しかしながら、このような方法は、ライナ全体の重量が増し、ライナの大型化やコストの上昇を招くため、採用し難い場合がある。本実施形態によれば、上記のように、特定箇所に集中する最大応力を低減できるため、ライナ20をより薄くし、ライナ20の軽量化、小型化あるいはコストの削減を図ることができる。また、本実施形態によれば、同じ厚さのライナを設ける場合であっても、特定箇所に集中する応力が低減されるため、ライナ20および高圧タンク10全体の耐久性を向上させることができる。
図3は、接続凸部50を含む領域の断面を拡大して示す説明図である。図3では、凸部41,42から成る接続凸部50の軸線O方向の長さを、幅αとして示している。また、接続凸部50の、軸線O方向に垂直な方向の高さを、高さβとして示している。ここで、幅αは、ライナ部材同士を赤外溶着する際に形成される溶着部(母材であるライナ部材が溶融する部位)の軸線O方向の長さ(溶着代)の2倍以上とすることが望ましい。溶着部は、母材に比べて強度が低下するため、上記にように幅αを確保することにより、接続凸部50を補強層30で固定してライナ部材間の接続強度を確保する効果を高めることができる。また、高さβは、ライナ部材21,22における凸部41,42以外の部分の径方向の厚みの半分以上とすることが望ましい。上記にように高さβを確保することにより、接続凸部50を補強層30で固定してライナ部材間の接続強度を確保する効果を高めることができる。なお、接続凸部51においても同様である。
C.変形例:
・変形例1:
上記実施形態では、隣り合うライナ部材間を赤外溶着により接合しているが、異なる接合方法を採用してもよい。例えば、振動溶着や超音波溶着によりライナ部材間を接合してもよい。各ライナ部材における接合面が軸線O方向に略垂直であれば、本願発明を適用して、同様の効果を得ることができる。
・変形例2:
上記各実施例では、ライナ20は、3つのライナ部材21〜23によって構成したが、ライナの分割数は異なっていてもよい。ライナを2分割して1つの接続部を設けてもよいし、ライナを4分割以上にして3つ以上の接続部を設けてもよい。複数のライナ部材のうちの、隣り合って配置される一対のライナ部材間において、接続部における接合面が軸線O方向に垂直であれば、本願発明を適用して、同様の効果を得ることができる。
・変形例3:
上記実施形態では、高圧タンクは加圧水素の貯蔵に用いたが、水素以外の他の加圧流体の貯蔵に用いてもよい。
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…高圧タンク
20…ライナ
21…第1ライナ部材
22…第2ライナ部材
23…第3ライナ部材
30…補強層
31…第1の補強層
32…第2の補強層
40…口金
41〜44…凸部
50,51…接続凸部
52,53…接合面

Claims (1)

  1. 流体を密閉するための内部空間を形成すると共に軸線方向に延びるライナと、該ライナの外表面を覆う補強層と、を備える高圧タンクであって、
    前記ライナは、複数のライナ部材によって構成されており、
    前記複数のライナ部材のうち、隣り合って配置される一対のライナ部材の各々は、隣接するライナ部材との接合面を含む部分に、前記ライナの軸線方向に垂直な径方向の厚みが他の部分よりも大きく形成された凸部を有し、
    前記補強層は、
    前記ライナの外表面上で巻回されている繊維と、該繊維に含浸された状態で硬化している樹脂と、を構成材料として有し、
    隣り合って配置される前記一対のライナ部材の向かい合う端部において前記接合面を介して互いに接するように配置された一対の前記凸部を間に挟んで、該一対の凸部の側面に接するように前記ライナの外表面上においてフープ巻きされた前記繊維を備える第1の補強層と、該第1の補強層および前記一対の凸部を覆う第2の補強層と、を備える
    高圧タンク。
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