JP2001074199A - 繊維強化樹脂複合材製内圧容器及び結合具 - Google Patents

繊維強化樹脂複合材製内圧容器及び結合具

Info

Publication number
JP2001074199A
JP2001074199A JP25094399A JP25094399A JP2001074199A JP 2001074199 A JP2001074199 A JP 2001074199A JP 25094399 A JP25094399 A JP 25094399A JP 25094399 A JP25094399 A JP 25094399A JP 2001074199 A JP2001074199 A JP 2001074199A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
internal pressure
fiber
reinforced resin
container
composite material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP25094399A
Other languages
English (en)
Inventor
Sadao Arai
貞夫 荒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
VENTURE LABO KK
Original Assignee
VENTURE LABO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by VENTURE LABO KK filed Critical VENTURE LABO KK
Priority to JP25094399A priority Critical patent/JP2001074199A/ja
Publication of JP2001074199A publication Critical patent/JP2001074199A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C70/00Shaping composites, i.e. plastics material comprising reinforcements, fillers or preformed parts, e.g. inserts
    • B29C70/04Shaping composites, i.e. plastics material comprising reinforcements, fillers or preformed parts, e.g. inserts comprising reinforcements only, e.g. self-reinforcing plastics
    • B29C70/06Fibrous reinforcements only
    • B29C70/10Fibrous reinforcements only characterised by the structure of fibrous reinforcements, e.g. hollow fibres
    • B29C70/12Fibrous reinforcements only characterised by the structure of fibrous reinforcements, e.g. hollow fibres using fibres of short length, e.g. in the form of a mat
    • B29C70/14Fibrous reinforcements only characterised by the structure of fibrous reinforcements, e.g. hollow fibres using fibres of short length, e.g. in the form of a mat oriented
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C70/00Shaping composites, i.e. plastics material comprising reinforcements, fillers or preformed parts, e.g. inserts
    • B29C70/04Shaping composites, i.e. plastics material comprising reinforcements, fillers or preformed parts, e.g. inserts comprising reinforcements only, e.g. self-reinforcing plastics
    • B29C70/06Fibrous reinforcements only
    • B29C70/08Fibrous reinforcements only comprising combinations of different forms of fibrous reinforcements incorporated in matrix material, forming one or more layers, and with or without non-reinforced layers
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C70/00Shaping composites, i.e. plastics material comprising reinforcements, fillers or preformed parts, e.g. inserts
    • B29C70/04Shaping composites, i.e. plastics material comprising reinforcements, fillers or preformed parts, e.g. inserts comprising reinforcements only, e.g. self-reinforcing plastics
    • B29C70/06Fibrous reinforcements only
    • B29C70/10Fibrous reinforcements only characterised by the structure of fibrous reinforcements, e.g. hollow fibres
    • B29C70/16Fibrous reinforcements only characterised by the structure of fibrous reinforcements, e.g. hollow fibres using fibres of substantial or continuous length
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C70/00Shaping composites, i.e. plastics material comprising reinforcements, fillers or preformed parts, e.g. inserts
    • B29C70/04Shaping composites, i.e. plastics material comprising reinforcements, fillers or preformed parts, e.g. inserts comprising reinforcements only, e.g. self-reinforcing plastics
    • B29C70/28Shaping operations therefor
    • B29C70/30Shaping by lay-up, i.e. applying fibres, tape or broadsheet on a mould, former or core; Shaping by spray-up, i.e. spraying of fibres on a mould, former or core
    • B29C70/32Shaping by lay-up, i.e. applying fibres, tape or broadsheet on a mould, former or core; Shaping by spray-up, i.e. spraying of fibres on a mould, former or core on a rotating mould, former or core

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Composite Materials (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Filling Or Discharging Of Gas Storage Vessels (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】成形が容易で低いコストで製造可能な繊維強化
樹脂複合材製の内圧容器、及びそのための成形品の結合
手段の提供。 【構成】不連続繊維強化樹脂複合材により内圧容器を形
成する。不連続繊維は、繊維長が短く、樹脂により強化
繊維が結合された構造で常時応力を受けると樹脂の特性
としてクリープを伴うためガス容器などに不適とされて
いたが、歪0.5%以下の負荷条件であれば直線関係が保
たれると共に、長時間経過後でもクリープは一定範囲に
収束するため安全に使用できる。不連続繊維強化樹脂複
合材は射出成形できるため、内圧容器が低コストで製造
できる。内圧容器の半殻同士の結合は軸方向の結合力が
主であるから1対の爪のカシメにより結合する結合金具
で結合できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】LPGや酸素・窒素などのガスを
高圧で蓄蔵するガスボンベなどの内圧容器に関する。
【0002】
【従来の技術】ガスを圧縮して蓄蔵するいわゆる内圧容
器は、ガスを高圧で圧縮して蓄蔵するため、その内圧に
耐える強度が必要であり、また、ガスの種類によって容
器の破損やガス漏れなどに伴う危険があるため、ガスの
種類に応じて容器の強度や材質などについて安全上の一
定の規格を満たすよう保安基準が定められている。この
ような事情から内圧容器は、通常その素材として高い強
度が得られると共に成形加工技術も確立し、使用実績の
ある鋼製のものが用いられている。
【0003】これらの鋼製容器は、永年の実績があり高
い信頼性を有しているが、これらの強度条件を満たす容
器としては重量が重くなり、取扱い上の不便を来してい
る。例えば、現在、家庭用の燃料等として普及している
液化プロパンガス(LPG)用の内圧容器についてみて
も、蓄蔵されているガスの容量に比較して容器の占める
重量の割合が大きく、6kg容器について云えば容器の重
量は10kg前後となり、その販売・供給体制における輸
送コストはむしろ容器の重量が主としてコスト要因とな
っている。また、これらの容器を取扱う際も、人力で取
扱うことは大きな負担であり、特に家庭用といっても最
近利用の増加しつつある大型容器の取扱いは困難である
ため、配送の際の輸送車両からの積み降ろしにはリフタ
ーなどの機械力を必要とする。このような事情に加え、
最近では海洋スポーツの普及からマリーンダイビング用
空気ボンベが広く用いられるようになり、また、医療用
の酸素ボンベなども医療機関や家庭での介護用などに用
いられる機会が多くなってきているが、これらのガス容
器としてもその普及のためには取り扱いの容易さから軽
量化が望まれている。
【0004】このため、これらの内圧容器の材料として
鋼製に替えて軽合金や繊維強化樹脂複合材料が試みられ
ている。これらの容器の重量は、これらの素材を用いる
ことで著しく軽量化することができ、特に繊維強化樹脂
複合材料は耐食性の点でも優れている。このようなこと
から、欧米各国においては繊維強化樹脂複合材製内圧容
器はすでに実用化されており、広く普及をみているが、
日本においてはまだ実績がなく、高圧ガスの安全に関す
る保安基準でも繊維強化樹脂複合材料製の内圧容器に関
しては今後具体的な検討を待たなくてはならない面を残
している。しかしながら、これらの繊維強化樹脂複合材
の利点や国際的な趨勢を踏まえるとわが国においても、
実用化されることが予想され、これらの材料を用いた従
来の金属容器と変わらない強度と信頼性を有する内圧容
器の開発が望まれている。
【0005】繊維強化樹脂複合材をこれらの内圧容器に
用いる場合、内圧に耐える強度を発揮させるため成形さ
れたライナー外周に内圧による応力方向に沿うように周
方向および斜め方向に連続繊維を巻回(ワインディン
グ)して作成する。或いはライナーなしで、連続繊維を
織製して形成したプリプレグを成形したり、強化繊維シ
ートを金型中に配置して樹脂を含浸させて成形して、半
殻2ピースとしたものを結合して作成している。しかし
ながら、これらの方法による場合、連続繊維のワインデ
イング工程やプリプレグからの成形工程を採るため、製
造工程が複雑となって製造コストが嵩むことが避けられ
ない。
【0006】これに対して、樹脂成形品に一般的に用い
られている射出成形は、製品形状の金型内に樹脂を圧入
して固化することにより成形されるためきわめて生産効
率が良く、成形品の加工精度も高いが、樹脂のみでは十
分な強度が得られない。そこで強化繊維を所定の長さに
切断した不連続の単繊維を混合した樹脂を用いて、金型
によって射出成形する成形法が試みられているが、従来
不連続繊維を用いた繊維強化樹脂の強度特性について、
充分なものとは考えられておらず、本発明者らは、これ
らの比較的短い繊維長であっても理論的に連続繊維に劣
らない強度を有することから、構造材へのその応用を提
案している(「精密機器用プラスチック複合材料」機械
学会編、日刊工業(昭59)p.69〜79)が、繊維
長が短いことに対する強度的な不安などから実用面で広
く採用されるには至っていない。
【0007】また、このような成形品から内圧密閉容器
を形成するためには、圧力導入部などの取付け構造を設
けるため、一旦半殻2ピースとしてこれら半殻同士ある
いは鏡となる面を含む成形品と胴部を結合しなければな
らないが、結合個所の強度を確保するため、従来は接合
部に重ね合わせるための接合代を設け、これらを重ね合
わせた上から強化繊維を巻くいわゆるワインデイングの
工程が必要であり、このようにいわば接合部を補強した
構造とするため工程が複雑となってコストの高いものと
なることが避けられなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】成形が容易で低いコス
トで製造可能な繊維強化樹脂複合材製の内圧容器、及び
そのための成形品の結合手段の提供。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、不連続繊維強
化樹脂複合材により形成された内圧容器である。また、
その内圧に応じて強度を付与するため、不連続繊維が内
圧により定まる応力分布に応じて配向されてなるもので
ある。また、繊維強化複合材により形成した内圧容器の
半殻同士、もしくは鏡板と胴部とを効果的に結合して一
体化するため相対する1対の爪のカシメにより結合する
結合具であり、この結合具により半殻同士、又は鏡板と
胴部とが結合されてなる繊維強化樹脂複合材製内圧容器
である。
【0010】さらに、不連続繊維強化樹脂複合材製の半
殻同士、又は鏡板と胴部とを溶着若しくは接着し、必要
によりフィラメントワインディング法やプリプレグ巻付
けにより補強してなる内圧容器であり、容器内にインナ
ーを設けてなり、また、使用時の損傷などを防止するた
め発泡成形材からなる緩衝体を設けてなるものである。
【0011】従来、上記のような不連続繊維を含有する
繊維強化樹脂複合材が高い負荷のかかる部材や強度的な
信頼性が求められる部品などに採用され難かったこと
は、上記のような繊維長が短いことに対する懸念が持た
れた点にあるが、さらに、本発明の対象とする耐圧容器
に用いる場合、上記したような内圧が常時負荷される条
件下にあるため、これらの短い強化繊維を構造的に結合
する樹脂材料の機械的性質が強く現れて、高い負荷が掛
けられた状態では時間の経過と共に変形するクリープを
伴うことが挙げられる。
【0012】このようなクリープ現象は、金属材料など
に見られるクリープとは性質を異にし、樹脂材料に固有
のものでいわば弾性変形域における材料の挙動と見るこ
とができるが、樹脂材料におけるクリープは負荷をかけ
た当初、比較的速やかに進行し、その後収束する傾向を
示すとはいえ、見かけの弾性率が1/2近くに低下し、
応力が増すとこの傾向がさらに著しくなるなどの挙動を
示すため、クリープの条件を一律に掌握することが困難
であった。一方、従来から耐圧容器に用いられてきた鋼
材等の金属材料においては、クリープの発生は必然的に
構造の破壊に至る過程であるから到底許容できないもの
であり、従来の鋼製部材などで培われてきた信頼性から
するとこのような性質が懸念されて、強度的な面よりも
むしろこのような性質からこれらの用途には適さないと
されてきたものであった。
【0013】そこで本発明者らは、これらの比較的繊維
長の短い不連続繊維強化複合材料において十分な強度・
耐久性を発揮できるのみでなく、これらのクリープに関
して繊維含有率や設計上強度条件を選べばこれらのクリ
ープの挙動を充分に把握でき、内圧容器の使用条件下の
安全性・信頼性を確保できることを突き止め、これらの
射出成形などの成形性の優れた不連続繊維強化樹脂複合
材製内圧容器を提案するに至ったものである。
【0014】以下、不連続繊維強化樹脂材料における強
度とクリープとの関係について説明する。不連続繊維強
化樹脂では、マトリックスの樹脂相のクリープ変形挙動
を反映して静的負荷を長時間受けるとクリープ変形を生
じる。これをポリアミド‐GF30%の不連続繊維強化樹
脂材料とPBT−GF30%の不連続繊維強化樹脂材料に
ついて、図1、2に応力―歪線図で時間変化と共に示
す。図から時間の経過と共に歪が増大することがわかる
が、応力及び歪の小さい領域では応力−歪曲線はほぼ直
線関係にあって、このため、通常の設計では、初期歪
0.5%以下の範囲で多く使用されている。さらに、図
に見るように長時間経過すると歪が収束する傾向にある
ことが判る。図で見ると、1時間経過後の歪に対して、
1,000時間及び10,000時間経過後の歪は順次小さく収束
しており、長時間経過後でも歪量は初期値の2倍未満と
見積もることができる。
【0015】すなわち、これらの関係から歪が0.5%
以下となるように負荷応力を設定しておけば応力−歪曲
線の比例関係が保たれると共に、クリープも一定範囲内
に小さく抑えられてその許容範囲を十分に確保すること
ができ、内圧容器においても使用することが可能であ
る。しかも、これらの繊維強化樹脂複合材料においては
応力を増減してもヒステレシスがないのでマトリックス
内部の機械的劣化が生じないのであって、このことは疲
労による劣化の懸念がないことを意味し、これらの設定
された負荷応力の範囲で設計すれば十分な信頼性が確保
され、安全性が保たれるのである。また、不連続繊維強
化複合材においては上記のクリープの影響が懸念される
場合、繊維含有率を高めて50%程度とすることにより
弾性率の低下を抑制し、クリープをさらに小さく、上記
の1/2から、2/3程度に保つことが可能となる。
【0016】以下、不連続繊維強化樹脂複合材のデータ
を参照してこれらの内圧容器の応力負荷条件との関係を
具体的に説明する。内圧容器においては、容器壁断面内
における応力は、壁の厚さが薄いものとして次のとおり
となる。 軸方向 σa=rP/2t 周方向 σr=rP/t ただし、 r:シリンダー内径 P:内圧 t:肉厚 容器の鏡板の部分は、球殻と見なすことができれば、応
力は一様となって、軸方向と同じとなる。典型的な内圧
容器として、LPG用容器の例を試算すると、その使用
圧力は、約0.4〜1.5MPa(夏場の場合:最大1
5気圧)、耐圧試験圧力はその1.5倍であるから、容
器の肉厚(成形品の肉厚:最大5mm)/内径(150
mmとして)比を30とすると、器壁内に生じる応力は
上記の式から、45MPaとなり、破壊強度は安全率
1.5を見込んで、67.5MPa以上が求められる。
【0017】
【表1】
【0018】これに対して、よく知られた主要な樹脂の
FRTP(30%含有)の性能を表-1に示す。これらの
繊維含有率を50%に上げれば引張弾性率は約1.5倍程度
向上することが知られており、この場合、例えばマトリ
ックス樹脂をポリエステル樹脂(PBT)としてグラス
ファイバー(GF)を50%含有する不連続繊維強化樹
脂複合材では、引張弾性率が略15GPa前後となるか
ら、歪0.5%では略75MPa、更に上記のとおりク
リープを考慮して引張弾性率が1/2に低下したとして
も37.5MPa程度の負荷能力があると見て良い。従
って、常用圧力は上記式から、75〜37.5/30=
2.5〜1.25MPa となり、実用可能であること
が判る。破壊応力値は、上記の表−1の繊維含有率30
重量%でも同様にクリープを見込んでも150MPa程
度あるから、上記の破壊強度67.5MPaを十分に満
たすことができる。
【0019】また、上記の例は強化繊維としてグラスフ
ァイバーを用いたが、炭素繊維を用いる場合は更に高い
強度が見込まれる。これらの樹脂に対して炭素繊維含有
率30重量%で弾性率20GPaが得られており、同様
にして試算すると、常用圧力は、20×(1〜1/2)
GPa×5%/30=3.33〜1.66MPaとな
り、この繊維含有率を上げることによって更に弾性率も
向上するから、高圧容器用としても好適であることが解
かる。破壊応力については、これらのデータから200
MPa以上となるから何ら問題ない。
【0020】以上から明らかなように、不連続繊維によ
る繊維強化樹脂複合材は、内圧容器固有の内圧による応
力負荷を常時受けた状態においてもそのクリープ特性を
見込んで望み得る限りの長期間にわたって充分な強度を
確保できるのであり、上記の条件を考慮することによっ
て内圧容器への適用が可能なのである。更に強化繊維及
びマトリックス樹脂の種類や混合比率を適切に選択する
ことによって、より広範囲の常用圧力に耐える内圧容器
にも十分な強度的信頼性を持って実用可能である。そし
て、これら不連続繊維による強化樹脂複合材は、射出成
形により容易に成形可能であり、極めて安価にこれらの
内圧容器を製造することができる。
【0021】無論、これらの圧力容器の設計・実用化に
当たっては上記した内圧容器の構造要件や不連続繊維強
化複合材料の特性を考慮して、クリープ変形やガスの漏
洩などに関するデータを蓄積し、その耐久性を実証する
こと、又、これらの実績に基づいて所定の要件が保安基
準に取り入れられることが必要であることは、新規な素
材の適用上いうまでもない。(ちなみに、上記の図1、
2においてクリープ変形を測定された10,000時間
は、1年余に相当する。) 以上の説明は、不連続繊維強化複合材製内圧容器が強度
・耐久性などの条件を満たすことを明かにするものであ
るが、このような内圧容器を形成するために不連続強化
繊維を含有した樹脂を射出成形する場合、強化繊維の異
方性を所要応力の方向に合わせるように留意する必要が
ある。即ち、成形品の表層部では強化繊維の方向は樹脂
の流動方向に沿って配向される傾向があり、強度上これ
らの異方性が表れるが、射出成形条件によって抑制する
ことによって対処できる。本発明者は、先にこのような
不連続強化繊維を混合した樹脂を金型に圧入して射出成
形する際に、マトリックス樹脂中の強化繊維の配向を制
御してこれらの短繊維が均等にあるいは応力方向に沿っ
て配向することのできる成形品の製造方法を提案してい
るが、この方法によれば上記したような樹脂中の強化繊
維の配向を所定の方向に揃えて強度を向上するとともに
強度上の信頼性をも確保することができる。また、この
成形法より内圧容器の内圧の負荷により生ずる応力分布
に応じてこれらの強化繊維の配向を積極的に制御し、容
器壁の応力分布に沿って大きな強度を必要とする周方向
に不連続繊維を選択的に配向することによって、所定の
方向に大きな強度を有する高性能でかつ信頼性の高い内
圧容器の構造設計が可能となる。
【0022】内圧容器を形成するには、これらの射出成
形によって形成した強度部材としての半殻や鏡板のほ
か、容器の頂部側のガス導入部となる口金、ライナーな
どのガスの漏洩を防止するための構造を設け、これらを
結合して一体化した密閉容器とする必要がある。このた
め、射出成形した容器本体に直接めっきや樹脂コーティ
ングなどによって気密性を付与する場合は、口金を容器
に直接接着などにより取付けるが、ライナーを別体で形
成してこれら射出成形した容器本体を重ねて一体化する
場合、予めライナーに口金を設けることが有利である。
【0023】即ち、樹脂製ライナーを粉末による回転成
形により成形する際に口金をインサート成形して一体化
したり、ライナーをブロー成形して成形した後に口金を
組込み、或いはライナー鏡部を通常の熱可塑性樹脂の射
出成形により形成し、これに口金を組込んで溶着し、さ
らに必要により鏡部の間に胴部となる押し出し成形円筒
を挟んで溶着して一体化する。このようにして口金を取
りつけ、気密性を付与した繊維強化樹脂複合材製の容器
本体を構成する半殻2ピース同士を結合して一体化した
内圧容器を形成する。あるいは樹脂製のライナーに口金
を取りつけて後これらの繊維強化樹脂複合材製の容器本
体の半殻を重ねて、結合して一体化するのであるが、結
合個所が内圧による軸方向、周方向の応力に耐えるため
に、従来は、半殻の双方の結合部に肉厚を削いだ結合代
を形成して相互に重ね合わせて接着し、さらに接合部に
外周から軸方向、周方向及び斜め方向に連続繊維を巻回
して補強するなどの構造が採用されていた。
【0024】本発明は、これらの半殻同士を結合するに
は、容器本体が周方向の応力に対して充分な強度を有す
ることから、主として容器の軸方向の応力に対する結合
手段とすべきことに鑑み、これらに好適な結合手段を創
出した。即ち、1対の相対する爪を有するカシメ結合具
を用いることにより、これらの内圧容器半殻は容易にか
つ効果的に結合することができる。一般にカシメ結合具
は金属製であるが、その材質は軟鋼製で良く、その他繊
維強化材の容器結合部に形成した縁部をカシメ加工でき
る材質のもので所定の強度を保持できるものであれば、
軽合金や銅系合金など材質は問わない。
【0025】これらの金属金具の相対する一対の爪で容
器の結合部の両縁部を挟んで押圧することによりカシメ
加工すると、一対の爪は複合材料製の縁部に噛み込む。
次いでこの押圧力を開放すると、このような金属材料、
特に高強度材の特性として弾性変形分がスプリングバッ
クとして戻るが、一方複合材はマトリックス樹脂の性質
からこれらの噛み込み部では金具の爪に押圧されて弾性
変形しており、その弾性域が大きいため金具側のスプリ
ングバックによっても緩むことはない。このような結合
機構によることから、結合する容器は上記した不連続繊
維強化複合材製に限らず、また、射出成形品に限られる
ことなく、繊維強化複合材料製であれば広く適用するこ
とができる。
【0026】また、これらの半殻若しくは胴部の結合方
法として、それぞれ接着代を形成し、重ね合わせて溶着
若しくは接着し、必要によりその上からフィラメントワ
インディング法で連続繊維を巻回して補強する。或い
は、これら結合部の補強法として、テープ状の一方向プ
リプレグをローリングテーブルで巻回するなどして巻付
けてもよい。これらの巻き終わり端部は樹脂で接着して
おけばよいが、厚手のシュリンクフィルムで保護するこ
とにより、より効果的に保護することができる。また、
上記したように内圧容器はその構造上周方向に大きな応
力を受けるものであるから、射出成形により形成した内
圧容器の胴部に、これらの結合部の補強方法と同様にし
てこれらの連続繊維若しくはテープ状の一方向プリプレ
グを巻回することにより所定の強度を付与することがで
きる。これら結合部の補強手段は、上記のカシメ結合具
による結合部の周方向の補強にも好適であり、必要に応
じて適用することができる。
【0027】さらに、これらの繊維強化樹脂複合材料製
の内圧容器を使用するに当たっては、取り扱いの際に容
器を倒したり、他のものに当てたりして衝撃を受ける場
合が少なくない。鋼製容器の場合、通常容器の上下部に
袴状、或いは枠状の鋼製の保護部材を取り付けている
が、不連続繊維強化複合材料を用いる場合は比較的柔ら
かい材質であるため、打撃、特に固いものの角などに当
った場合などには器壁を破損する虞がある。これらの保
護部材に加えて容器全体あるいは露出個所に一定の強度
を有すると共に打撃などに対してチクソトロピックな変
形によりそのエネルギーを吸収するマグネシウム発泡体
などの発泡体からなる衝撃吸収部材を設けることが望ま
しい。マグネシウム発泡体は衝撃エネルギーを発泡体の
圧潰によって吸収できるため、より効果的に保護するこ
とができ、安全性を向上する。
【0028】
【実施例】以下、図3〜8により本発明の実施例を説明
する。図3及び7は、本発明の不連続繊維強化複合材製
内圧容器の形態例を示す。図において、1は不連続繊維
強化複合材からなる射出成形品であって、それぞれ半殻
を構成し、別途形成されたライナー2及び口金5を組込
んで、上下の半殻同士をカシメ金具10や結合代11を
溶着等により結合して一体化する。12は溶着部を巻回
する連続繊維若しくはテープ状の一方向プリプレグ等の
補強部である。
【0029】図4は、本発明にかかるカシメ結合具10
で、相対して対抗する1対のカシメ爪16を有してお
り、図においてはこれらの爪が曲げられた状態となって
いる。図5は、結合金具と容器側の縁部カシメ部との関
係を示す部分拡大図で、図において上部半殻ピース1の
胴部外周に形成された縁部15に対して、結合金具10
の爪16が図の上下方向からのカシメ加工により該縁部
15に食い込んで半殻ピース同士を結合している。ここ
で、容器内圧により爪部に加わる内圧容器縁部からの力
は、前記式の軸方向に働く力σa=rP/2tである
が、結合金具の爪部からその胴部における曲げ及び引張
力に対する強度は十分に大きいから、容器外周に適宜の
密度で配置すれば、充分に耐えることができる。例え
ば、LPG容器の場合、材質的には軟鋼製の結合金具で
充分で、容器の容量や圧力によりその厚さを変えればよ
い。
【0030】これらのカシメ結合具は、図4のように単
独の結合金具として形成して、容器のサイズに合わせて
適宜の密度でカシメて結合してもよいが、図6に示すよ
うに板材から打ち抜きにより適宜の数のカシメ部が連続
した金具としてもよい。使用する際には、これらを1ピ
ースづつ分離して用いてもよいが、数ピースづつ或いは
容器外周に合わせて連続した結合具として使用してもよ
い。
【0031】また、本発明の不連続繊維強化複合材製の
半殻2ピース同士もしくは鏡板と胴部とを結合する構造
として、図7に示すように接合部に結合代11を形成し
ておき、溶着若しくは接着すると共にその外周を長繊維
によるワインディング法やテープ状の一方向プリプレグ
を巻回して強化12しても良い。
【0032】図8は、繊維強化樹脂複合材により形成し
た内圧容器の外周に発泡成形体からなる緩衝体6を採用
したものである。このような衝撃吸収材としてマグネシ
ウムなどの発泡体は、それ自体がある程度の強度と金属
固有の変形挙動を有していて全体への打撃に対して容器
を保護すると共に、鋭い角部などが当たると微小な独立
したセルが圧潰して大きな変形エネルギーを吸収して内
圧容器を安全に保護することができる。実用上厚さ20
mm程度あれば十分な保護作用が発揮でき、しかもこれ
らの衝撃吸収材自体が軽量であるから、取り扱い上の不
便を来すことがなく、実用上極めて好適である。このよ
うな衝撃吸収材として、このほか同様にチクソトロピッ
クな変形特性を有する成形体が好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリアミド−GF30%(重量)の応力−歪線
図の時間変化。
【図2】PBT−GF30%(重量)の応力−歪線図の
時間変化。
【図3】本発明の不連続繊維強化樹脂製内圧容器(断面
図)カシメ結合具応用例。
【図4】カシメ爪結合具。
【図5】カシメ爪結合状態。
【図6】カシメ結合具を連結構造とした例。
【図7】本発明の不連続繊維強化樹脂製内圧容器(断面
図)接着結合例。
【図8】本発明の不連続繊維強化樹脂製内圧容器(断面
図)に衝撃吸収体を設けた例。
【符号の説明】
1 不連続繊維強化樹脂の射出成形により形成した内
圧容器半殻 2 ライナー 3 保護袴 4 保護枠 5 口金 6 緩衝体 10 カシメ結合金具 11 結合代 12 補強部 15 容器縁部 16 カシメ爪

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不連続繊維強化樹脂複合材により形成さ
    れた内圧容器。
  2. 【請求項2】 上記不連続繊維が内圧により定まる応力
    分布に応じて配向されてなる請求項1記載の内圧容器。
  3. 【請求項3】 繊維強化樹脂複合材により形成した内圧
    容器の半殻同士、もしくは鏡板と胴部とを相対する1対
    の爪のカシメにより結合する結合具。
  4. 【請求項4】 上記請求項3記載の結合金具により半殻
    同士、又は鏡板と胴部とが結合されてなる繊維強化樹脂
    複合材製内圧容器。
  5. 【請求項5】 不連続繊維強化樹脂複合材製の半殻同
    士、又は鏡板と胴部とを溶着若しくは接着し、必要によ
    りフィラメントワインディング法やプリプレグ巻付けに
    より補強してなる内圧容器。
  6. 【請求項6】 容器内部にライナーを設けてなる請求項
    4又は5記載の内圧容器。
  7. 【請求項7】 発泡成形材からなる緩衝体を設けてなる
    請求項1乃至5記載の繊維強化複合材製内圧容器。
JP25094399A 1999-09-03 1999-09-03 繊維強化樹脂複合材製内圧容器及び結合具 Pending JP2001074199A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25094399A JP2001074199A (ja) 1999-09-03 1999-09-03 繊維強化樹脂複合材製内圧容器及び結合具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25094399A JP2001074199A (ja) 1999-09-03 1999-09-03 繊維強化樹脂複合材製内圧容器及び結合具

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001074199A true JP2001074199A (ja) 2001-03-23

Family

ID=17215325

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25094399A Pending JP2001074199A (ja) 1999-09-03 1999-09-03 繊維強化樹脂複合材製内圧容器及び結合具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001074199A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017106524A (ja) * 2015-12-09 2017-06-15 トヨタ自動車株式会社 高圧タンク
CN108426165A (zh) * 2018-05-15 2018-08-21 北京天海工业有限公司 非金属内胆缠绕气瓶
JP2018189178A (ja) * 2017-05-09 2018-11-29 三菱ケミカル株式会社 圧力容器
WO2019009302A1 (ja) 2017-07-04 2019-01-10 内浜化成株式会社 複合材および複合材の製造方法
JP2019513954A (ja) * 2016-04-06 2019-05-30 ヘキサゴン テクノロジー アーエス 耐損傷性インジケータコーティング
JP2020153503A (ja) * 2019-03-22 2020-09-24 三菱ケミカル株式会社 圧力容器の検査方法
CN111734718A (zh) * 2020-07-30 2020-10-02 西南交通大学 一种连续纤维增强复合材料连接结构及其制备方法
WO2022248484A1 (en) * 2021-05-26 2022-12-01 Trelleborg Sealing Solutions Germany Gmbh High pressure composite pressure vessel method of manufacture and product
CN117255737A (zh) * 2021-05-26 2023-12-19 特瑞堡密封系统德国有限公司 制造高压复合材料压力容器的方法以及相关产品

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017106524A (ja) * 2015-12-09 2017-06-15 トヨタ自動車株式会社 高圧タンク
JP2019513954A (ja) * 2016-04-06 2019-05-30 ヘキサゴン テクノロジー アーエス 耐損傷性インジケータコーティング
JP7089477B2 (ja) 2016-04-06 2022-06-22 ヘキサゴン テクノロジー アーエス 耐損傷性インジケータコーティング
JP2018189178A (ja) * 2017-05-09 2018-11-29 三菱ケミカル株式会社 圧力容器
WO2019009302A1 (ja) 2017-07-04 2019-01-10 内浜化成株式会社 複合材および複合材の製造方法
CN108426165A (zh) * 2018-05-15 2018-08-21 北京天海工业有限公司 非金属内胆缠绕气瓶
JP2020153503A (ja) * 2019-03-22 2020-09-24 三菱ケミカル株式会社 圧力容器の検査方法
CN111734718A (zh) * 2020-07-30 2020-10-02 西南交通大学 一种连续纤维增强复合材料连接结构及其制备方法
WO2022248484A1 (en) * 2021-05-26 2022-12-01 Trelleborg Sealing Solutions Germany Gmbh High pressure composite pressure vessel method of manufacture and product
CN117255737A (zh) * 2021-05-26 2023-12-19 特瑞堡密封系统德国有限公司 制造高压复合材料压力容器的方法以及相关产品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5499739A (en) Thermoplastic liner for and method of overwrapping high pressure vessels
JP4602399B2 (ja) 複合材料高圧容器に用いられる高密閉度金属性ノズルボス
US9618157B2 (en) Concentric shells for compressed gas storage
JP2001074199A (ja) 繊維強化樹脂複合材製内圧容器及び結合具
US5518141A (en) Pressure vessel with system to prevent liner separation
AU611815B2 (en) Container for high pressure gases
EP3649393B1 (en) Improved pressure vessel
JP2720026B2 (ja) 断熱補強パネルの製造方法
US20100289390A1 (en) Reinforced device housing
JPH10332082A (ja) 耐圧容器
US20030151171A1 (en) Fiber reinforced thermoplastic pressure vessels
US7867589B2 (en) Hybrid cryogenic tank construction and method of manufacture therefor
WO2004051138A8 (ja) 圧力容器およびその製造方法
JPH0835598A (ja) 損傷軽減システムを備えた圧力容器
US20150267864A1 (en) Port/liner assembly for pressure vessel
US20210215294A1 (en) High pressure tank
JP2017048912A (ja) 高圧タンク
US20150316207A1 (en) Composite Pressure Vessel Integrated Mandrel
JP2005214271A (ja) 繊維補強圧力容器
JPH10332085A (ja) 耐圧容器
JPH10332084A (ja) 耐圧容器
EP1526325A2 (en) Aluminium cylinder with a plastic coating
Dahl et al. A new concept for a modular composite pressure vessel design
JPH10332083A (ja) 耐圧容器
JP5471267B2 (ja) 異種材複合体