JP7003696B2 - 高圧タンク - Google Patents

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Description

本発明は、高圧タンクの技術に関する。
特許文献1には、高圧タンクにおいて、樹脂性のライナーと、ライナー上に形成された補強層と、の間に離型剤層を配置して、ライナーと補強層との固着を防止することで、ライナーと補強層との固着によってライナーに局所的な応力集中が発生することを防止することが開示されている。そして、離型剤層は、少なくとも、応力集中が発生しやすいライナーのドーム部に配置されることが好ましく、また、ライナー全体を覆うように配置されていてもよい点が開示されている。
特開2015-017641号公報
ここで、ライナーは、複数のパーツを熱溶着により接合することで形成される場合がある。熱溶着された部分(以下、「溶着部」とも呼ぶ)は結晶度が高くなり、破断伸びが低下する場合があることがわかった。この溶着部においても、離型剤の塗布により形成された離型剤層によって、補強層とライナーとの固着をある程度抑制することは可能である。しかしながら、溶着部は他の部分に比べて固着の可能性が高いこと、および、溶着部は破断伸びが低いこと、から、ライナーが面方向に伸ばされた際に、溶着部に応力集中が発生して溶着部から破損が発生する可能性が高いことがわかった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、高圧タンクが提供される。この高圧タンクは;熱溶着された溶着部で複数の樹脂製のパーツが接合されたライナーと;前記ライナー上に形成された補強層と;前記ライナーと前記補強層との間に配置され、前記ライナーと前記補強層との間の固着を防止するための離型フィルムであって、前記ライナー上に配されている離型フィルムと;を備える。前記離型フィルムは;少なくともその表面がポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフェニレンサルファイド、およびシリコンのいずれかで形成されており;前記ライナーのうちの前記溶着部とその周縁部を含む溶着部領域上のみに配置されている。
この形態の高圧タンクでは、ライナーの溶着部領域と補強層との間に、少なくともその表面がポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフェニレンサルファイド、およびシリコンのいずれかで形成された離型フィルムが配置されているので、溶着部と補強層との固着を、離型剤を塗布した場合よりも効果的に防止することが可能となる。これにより、ライナーが面方向に伸ばされた際に、溶着部に応力集中が発生することを抑制して、溶着部から破損が発生することを抑制可能である。また、溶着部領域上にのみ離型フィルムが配置されているので、ライナーの全面に亘って離型フィルムが配置される場合に比べて、コストを低減することができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能である。例えば、高圧タンク、高圧タンクの製造方法などの種々の形態で実現することができる。
本発明の一実施形態としての高圧タンクの構造を示す説明図。 離型フィルムが配置されている領域を拡大して示す説明図。 離型フィルムがない場合の溶着部で発生する問題点について示す説明図。 高圧タンクの製造方法を示す工程図。 離型フィルムによる固着抑制効果について示す説明図。 せん断剥離強度試験の一例を示す説明図。 剥離部材の種類に応じた剥離強度の測定結果の一例を示すグラフ。
A.実施形態:
図1は、本発明の一実施形態としての高圧タンク10の構造を示す説明図である。図1において、上半分は断面図であり、下半分は正面図である。また、図1において、高圧タンク10の中心軸AXは二点鎖線で示されている。高圧タンク10は、例えば、車載用の燃料電池システムに用いる燃料ガスとしての水素を貯蔵するために利用される。
図示するように、高圧タンク10は、ライナー110と、口金120,130と、離型フィルム156,157と、補強層140と、を備える。ライナー110には、中心軸AXに沿った方向(以下、「長手方向」とも呼ぶ)の両端に、中心軸AXを中心として口金120,130が設けられている。ライナー110に口金120,130が設けられた構成を「口金付ライナー100」とも呼ぶ。
ライナー110は、ポリアミド樹脂等の水素ガスに対するガスバリア性を有する樹脂製の中空容器である。ライナー110は、長手方向の両端近傍が、曲面形状に形成されている。ライナー110は、複数の樹脂性のパーツ、本例では、長手方向の中央部の円筒形状の部分であるシリンダ部111、および、シリンダ部111の長手方向の両端に設けられ、上記の曲面形状に形成されている部分を含むドーム部112,113、の3つのパーツから構成されている。シリンダ部111とドーム部112,113とは、溶着部114,115で熱溶着によって接合されている。
補強層140は、口金付ライナー100の外表面上に形成されている。補強層140は、フィラメントワインディング法(以下、FW法とも呼ぶ)によって、予め熱硬化性樹脂が含浸された繊維(あるいは繊維束)を口金付ライナー100に巻き付けた後、熱硬化性樹脂を加熱により硬化させることによって形成された繊維強化樹脂層である。
離型フィルム156,157は、以下で説明するように、ライナー110の溶着部114,115を含む溶着部領域116,117と補強層140との間にのみ配置されている。離型フィルム156,157は、補強層140の熱硬化性樹脂を加熱によって硬化させる際に、補強層140の熱硬化性樹脂が溶着部114,115に固着することを防止するための部材である。
図2は、離型フィルム156が配置されている領域を拡大して示す説明図である。溶着部114には、シリンダ部111とドーム部112とを熱溶着する際に、互いに押圧しつつ加熱することで、図2に示すように、外面側および内面側に盛り上がった凸凹状態のバリが発生する。なお、外面側のバリ(外面側のバリは破線で示す)については、溶着後に切削される。溶着部114は、接合境界(溶着境界)110bからドーム部112側の幅Dw1[mm]の領域、および、接合境界110bからシリンダ部111側の幅Dw2[mm]の領域を有している。幅Dw1,Dw2は、熱溶着の際にドーム部112およびシリンダ部111に加えられる押圧力、加熱領域の幅および加熱温度に依存する。本例では、幅Dw1,Dw2は、4mm~6mmの範囲内にあるものとする。
離型フィルム156は、後述するように、熱硬化性樹脂の硬化により補強層140が形成される際に、溶着部114と補強層140の熱硬化性樹脂とが固着することを防止するために、溶着部114と溶着部114の周縁部と含む溶着部領域116上に配置されている。溶着部領域116は、接合境界110bからドーム部112側の幅Dwr1[mm](>Dw1)の領域、および、接合境界110bからシリンダ部111側の幅Dwr2[mm]の領域を有している。
なお、図示および説明を省略するが、溶着部115も溶着部114と同様であり、溶着部115と溶着部115の周縁部と含む溶着部領域117上にのみ配置されている離型フィルム157も離型フィルム156と同様である。
図3は、離型フィルム156がない場合の溶着部114で発生する問題点について示す説明図である。図3は、図をわかり易くするために補強層140を省略して示している。
溶着部114は、上述したように、シリンダ部111とドーム部112の互いに重ね合わされた端部領域が溶融されて圧着された部分である。これにより、溶着部114の外側の他の部分(以下、「非溶着部」とも呼ぶ)と比べて、結晶度が高くなっており、溶着部114の面方向での破断伸びEbwp[%]は、非溶着部の破断伸びEbn[%]に比べて1/3~1/5程度に小さくなっている。
このため、熱硬化により補強層140の熱硬化性樹脂と溶着部114とが固着した状態で、例えば、水素ガスの充填によるライナー110の膨張等によって、ライナー110が面方向に沿って伸ばされた場合、溶着部114の局所的な部位(例えば、図3に破線矢印で示した部位)に応力が集中し、その部位から破損が発生する可能性がある。この問題は、他の溶着部(本例では、溶着部115)においても同様である。
そこで、本実施形態では、溶着部114,115に補強層140が接触して固着しないように、溶着部領域116,117上に離型フィルム156,157を配置している(図1,図2参照)。
なお、図2に示した溶着部領域116の幅Dwr1,Dwr2は、溶着部114の幅Dw1,Dw2に依存する。従って、幅Dwr1,Dwr2の下限は、幅Dw1,Dw2の寸法誤差の最大値よりも大きい値に設定されることが好ましい。また、幅Dwr1,Dwr2の下限は、離型フィルムの寸法誤差や、離型フィルムの配置ずれ等を考慮したマージンを考慮して大きめに設定されることが好ましい。一方、幅Dwr1,Dwr2の上限は、ライナー110と補強層140との固着防止の観点のみを考えると、特に限定はない。ただし、非溶着部での破断伸びは、上述したように溶着部での破断伸びに比べると非常に大きく、仮に非溶着部でライナー110と補強層140とが固着したとしても、その固着による応力集中で破損する可能性は低い。そこで、離型フィルムのコストを考慮すると、なるべく小さいほうが好ましい。これらのことから、溶着部領域116の幅Dwr1,Dwr2は、溶着部114の幅Dw1,Dw2の寸法誤差による最大値と、溶着部114を覆うマージンを考慮して設定すればよい。例えば、幅Dw1,Dw2の寸法誤差による最大値が6mmであるとした場合、マージンを例えば2mmとすれば、溶着部領域116の幅Dwr1,Dwr2を8mmとすればよい。ただし、これに限定されるものではなく、マージンをどの程度とするかは、製造上の誤差等を考慮して適宜決定されればよい。なお、図示および説明は省略するが、溶着部115および溶着部領域117についても溶着部114および溶着部領域116と同様である。
離型フィルム156,157としては、後述するように、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフェニレンサルファイド、およびシリコンのいずれかの部材からなる離型フィルムが用いられる。また、離型フィルム156,157の厚さは、少なくとも、50μm~150μm程度の厚さを有していればよい。
図4は、高圧タンク10の製造方法を示す工程図である。最初に、口金付ライナー100を用意する(工程T12)。例えば、一方の口金120が取り付けられた一方の樹脂(例えば、ポリアミド)製のドーム部112、他方の口金130が取り付けられた他方の樹脂性のドーム部113、および、樹脂性のシリンダ部111の、3つのパーツを用意する。そして、それぞれを溶着部114,115(図1,図2参照)で熱溶着することで、ライナー110に口金120,130が取り付けられた口金付ライナー100を用意することができる。
次に、口金付ライナー100の溶着部114,115を含む溶着部領域116,117(図1,図2参照)上に、離型フィルム156,157を配置する(工程T14)。なお、離型フィルム156,157としては、後述する熱硬化性樹脂の加熱温度Th(例えば、120℃~160℃)の環境において、変質や液状柔軟化が発生し難い耐熱性を有し、また、補強層140の熱硬化性樹脂と溶着部領域116,117との間で十分な離形性(非固着性)を有するものが適用可能であり、後述するように、ポリイミド(PI)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、およびシリコンのいずれかの部材からなる離型フィルムが適用可能である。また、離型フィルム156,157の厚さは、少なくとも、50μm~150μm程度の厚さを有していればよい。
そして、未硬化の熱硬化性樹脂を含浸させた繊維あるいは繊維束(樹脂含浸繊維)をFW法によって口金付ライナー100に巻き付ける(工程T16)。本実施形態においては、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を採用する。また、巻き付ける繊維(繊維束)として炭素繊維(炭素繊維束)を採用する。ただし、これに限定されるものではなく、ガラス繊維、アラミド繊維等を採用してもよい。また、炭素繊維の巻き付けと、炭素繊維以外の他の繊維の巻き付けとを複合して行なうようにしてもよい。繊維の巻付態様としては、フープ巻き、低角度・高角度のヘリカル巻き等が採用される。
その後、未硬化の熱硬化性樹脂(本例では、エポキシ樹脂)を熱硬化させる(工程T18)。具体的には、エポキシ樹脂を含浸させた炭素繊維を巻き付けた口金付ライナー100を、加熱炉で、あらかじめ定めた加熱温度Th(例えば、120℃~160℃)に加熱して、未硬化の熱硬化性樹脂を熱硬化させ、補強層140を形成する。以上説明した工程で高圧タンク10を製造することができる。
図5は、離型フィルムによる固着抑制効果について示す説明図である。図5は、7種類S1~S7の高圧タンクについての固着抑制効果について、離型部材の種類(離型部材:無,離型剤,離型フィルム)に応じた剥離性および耐熱性、高圧タンクにおけるライナーの溶着部での固着(溶着部固着)、および、高圧タンクの低温ガス充填時におけるライナー破損(低温時破損の可能性)について示している。種類S1は離型剤無の場合、種類S2はフッ素系の離型剤を用いた場合、種類S3はポリイミド(PI)の離型フィルムを用いた場合、種類S4はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の離型フィルムを用いた場合、種類S5はポリフェニレンサルファイド(PPS)の離型フィルムを用いた場合、種類S6はシリコンの離型フィルムを用いた場合、種類S7はポリエチレン(PE)の離型フィルムを用いた場合を示している。
種類S2の離型剤および種類S3~S6の離型フィルムは、上述の加熱温度Thよりも高い溶融温度(融点)の部材が用いられており、それぞれの耐熱性は良(○)である。種類S7の離型フィルムは、加熱温度Thではかなり軟化してしまう部材であるので、熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂)の加熱硬化時において離型フィルムが形状保持できず、耐熱性は不可(×)である。このため、種類S7の離型フィルムでは、剥離性、溶着部固着および低温時破損の可能性の確認はなされていない。
図6は、せん断剥離強度試験の例を示す説明図である。剥離性は、例えば、図6に示したせん断剥離強度試験によって測定される剥離強度が小さいほど高いと判断することができる。試験部材TP1,TP2として、縦(D):10mm、横(W):50mm、厚さ(H):2mmのライナー110と同じ部材(本例では、ポリアミド樹脂)の板状部材を用いる。試験部材TP1,TP2の間に、未硬化の熱硬化性樹脂(本例では、エポキシ樹脂)Trと、各種類S1~S7に対応する離型部材Tsと、を挟んで、加熱温度Th(本例では150℃)でホットプレスして、未硬化の熱硬化性樹脂Trを硬化させる。そして、試験部材TP1,TP2を互いに矢印方向に引っ張って、試験部材TP1,TP2の剥離強度を測定する。なお、熱硬化性樹脂Trは、プレス状態で、縦(D):10mm、横(W):10mm、厚さ(H):100μmとなるように、試験部材TP1に塗布される。また、離型部材Tsは、離型フィルムについては、縦(D):10mm、横(W):10mm、厚さ(H):100μmの部材が利用され、離型剤については、縦(D):10mm、横(W):10mm、厚さ(H):100μmとなるように試験部材TP2に塗布される。
図7は、剥離部材の種類に応じた剥離強度の測定結果の一例を示すグラフである。種類S1に対応する剥離剤無の場合、図7示すように、5MPa~9MPa(代表値6MPa)の剥離強度が計測された。このため、図5に示すように、試験部材での剥離性は低く(×)、ライナー110の溶着部114,115(図1参照)において固着が発生し、高圧タンクにおいて、低温充填時に破損が発生する可能性が懸念された。
また、種類S2に対応する剥離剤(フッ素系)の場合、図7に示すように、3MPa~6MPa(代表値4MPa)の剥離強度が計測された。このため、図5に示すように、剥離剤が用いられない場合に比べれば、剥離性は高くなる(○)。しかしながら、ライナー110の溶着部114,115(図1参照)での剥離剤の塗布状態や、溶着部114,115の表面状態(凹凸状態)によって、離型剤の効果が得られずに一部固着が発生する場合があり、高圧タンクにおいて、低温充填時に破損が発生する懸念が想定された。
種類S3~S6に対応する離型フィルムの場合、図7に示すように、いずれも固着せず、剥離強度は計測不可であった。このため、図5に示すように、剥離性は非常に高く(◎)、ライナー110の溶着部114,115(図1参照)において固着は発生しなかった。
以上のように、本実施形態の高圧タンク10では、ポリイミド(PI)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、およびシリコンのいずれかの部材からなる離型フィルムを、ライナー110の溶着部114,115とその周縁部を含む溶着部領域116,117上にのみ配置している。これにより、離型剤を用いた場合に比べて、補強層140の熱硬化性樹脂と溶着部114,115とが固着することを効果的に抑制することができ、溶着部114,115からライナー110に破損が発生することを効果的に抑制することが可能である。
B.他の実施形態:
(1)上記実施形態においては、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフェニレンサルファイド、およびシリコンのいずれかの部材からなる離型フィルムを例として説明したが、離型フィルムは、これに限定されるものではない。離型フィルムとしては、少なくともその表面がポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフェニレンサルファイド、およびシリコンのいずれかで形成されているものを用いてもよい。このような離型フィルムであっても、同様に、離型剤を用いた場合に比べて、補強層140の熱硬化性樹脂と溶着部114,115とが固着することを効果的に抑制することができ、溶着部114,115からライナー110に破損が発生することを効果的に抑制することが可能である。
また、上記説明では、実施形態においては、離型フィルムとして、少なくともその表面がポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフェニレンサルファイド、およびシリコンのいずれかで形成されているものとした。しかしながら、これに限定されるものではなく、補強層と溶着部との間の固着を防止するために、熱硬化性樹脂を熱硬化させるための加熱温度に対する耐熱性を有し、補強層の熱硬化性樹脂および溶着部に対して固着しない離型性(非固着性)を有する種々の部材を用いた離型フィルムを適用することも可能である。
(2)上記実施形態においては、樹脂製のドーム部112,113および樹脂製のシリンダ部の3つの樹脂製のパーツが2箇所の溶着部114,115で熱溶着により接合されたライナー110を例として説明したが、これに限定されるものではない。例えば、2つの樹脂性のドーム部が1箇所の溶着部で熱溶着により接合されたライナーとしてもよく、また、2つの樹脂性のドーム部と、2つのシリンダ部と、が3箇所の溶着部で熱溶着により接合されたライナーとしてもよく、熱溶着された溶着部で複数の樹脂性のパーツが接合された種々のライナーに適用可能である。
(3)上記実施形態においては、補強層として繊維強化樹脂層を例として説明したが、これに限定されるものではなく、種々の材料によって補強層を形成してもよい。例えば、補強層が熱硬化樹脂のみによって形成されているとしてもよい。この場合、口金付ライナー100の溶着部領域116,117上にのみ離型フィルム156,157を配置し、その後に、熱硬化樹脂の塗布および熱硬化により補強層としての熱硬化樹脂層を形成することとしてもよい。このようにしても、熱硬化性樹脂層(補強層)と、溶着部114,115とが固着することを抑制することができ、溶着部114,115からライナー110に破損が発生することを抑制することが可能である。
(4)上記実施形態においては、高圧タンクとして、水素を充填する高圧水素タンクを例として説明したが、酸素や液体窒素など、種々の物質を充填するための高圧タンクに適用することも可能である。
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、或いは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…高圧タンク
100…口金付ライナー
110…ライナー
110b…接合境界
111…シリンダ部
112…ドーム部
113…ドーム部
114…溶着部
115…溶着部
116…溶着部領域
117…溶着部領域
120…口金
130…口金
140…補強層
156…離型フィルム
157…離型フィルム
AX…中心軸
TP1…試験部材
TP2…試験部材
Tr…熱硬化性樹脂
Ts…離型部材
Th…加熱温度

Claims (1)

  1. 高圧タンクであって、
    熱溶着された溶着部で複数の樹脂製のパーツが接合されたライナーと、
    前記ライナー上に形成された補強層と、
    前記ライナーと前記補強層との間に配置され、前記ライナーと前記補強層との間の固着を防止するための離型フィルムであって、前記ライナー上に配されている離型フィルムと、
    を備え、
    前記離型フィルムは、
    少なくともその表面がポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフェニレンサルファイド、およびシリコンのいずれかで形成されており、
    前記ライナーのうちの前記溶着部とその周縁部を含む溶着部領域上のみに配置されている、
    高圧タンク。
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