JP2022043724A - 高圧タンク及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂層のうちライナのドーム部に対応する第1樹脂層と第2樹脂層との接着強度を高めることができる高圧タンク及びその製造方法を提供する。【解決手段】高圧タンク1は、円筒状の胴体部11と胴体部11の軸方向の両端に設けられた一対のドーム部12,13とを有するライナ10と、ライナ10の外周面を覆うように形成された樹脂層20とを備える。樹脂層20は、ドーム部12,13に対応するドーム部材21b,21cと胴体部11に対応する筒部材21aとからなる第1樹脂層21と、第1樹脂層21を覆うヘリカル層からなる第2樹脂層22とを有する。ドーム部材21b,21cは繊維を有しない樹脂によって形成され、筒部材21a及び第2樹脂層22は繊維強化樹脂によって形成される。【選択図】図1

Description

本発明は、高圧タンク及びその製造方法に関する。
燃料電池自動車に搭載される水素タンク等の高圧タンクとして、円筒状の胴体部と該胴体部の軸方向の両端に設けられた一対のドーム部とを有するライナ、及び、ライナの外周面を覆うとともにヘリカル層とフープ層からなる補強用樹脂層を備えるものが知られている。このような構造を有する高圧タンクは、先にライナを形成し、形成したライナを巻き芯として、繊維に樹脂が含浸された繊維強化樹脂を用いて該ライナの外周面にヘリカル層を形成し、形成したヘリカル層の外周面に更に繊維強化樹脂を用いてフープ層を形成することによって製造されている(例えば下記特許文献1参照)。
特開2019-044937号公報
最近では、ライナの軽量化や繊維使用量の低減を図るため、先に繊維強化樹脂を用いて樹脂層を形成し、形成した樹脂層の内部に更に樹脂材料を流し込んでライナを形成する製造方法が検討されている。このような方法を用いて樹脂層を形成する際に、ライナの胴体部に対応する筒部材とライナのドーム部に対応するドーム部材といった分割体を先に作製し、それらの分割体を接合して第1樹脂層を形成した後に、第1樹脂層を巻き芯として該第1樹脂層の外周面にヘリカル層からなる第2樹脂層を形成する。
しかし、このような製造方法を採用した場合、以下のような問題が生じる。すなわち、樹脂層のうちライナのドーム部に対応する部分は、繊維強化樹脂からなるドーム部材(すなわち、第1樹脂層)と繊維強化樹脂からなるヘリカル層(すなわち、第2樹脂層)といった2群構造となっており、繊維の巻き付け軌跡による凹凸が存在し、且つ硬化後のドーム部材の外周面に第2樹脂層が形成される。このため、樹脂層のうちライナのドーム部に対応する第1樹脂層と第2樹脂層との接着強度が不足する可能性がある。
本発明は、このような技術課題を解決するためになされたものであって、樹脂層のうちライナのドーム部に対応する第1樹脂層と第2樹脂層との接着強度を高めることができる高圧タンク及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る高圧タンクは、円筒状の胴体部と前記胴体部の軸方向の両端に設けられた一対のドーム部とを有するライナと、前記ライナの外周面を覆うように形成された樹脂層と、を備える高圧タンクであって、前記樹脂層は、前記ドーム部に対応するドーム部材と前記胴体部に対応する筒部材とからなる第1樹脂層と、前記第1樹脂層を覆うヘリカル層からなる第2樹脂層と、を有し、前記ドーム部材は、繊維を有しない樹脂によって形成され、前記筒部材及び前記第2樹脂層は、繊維強化樹脂によって形成されていることを特徴としている。
本発明に係る高圧タンクでは、ライナのドーム部に対応する第1樹脂層のドーム部材は繊維を有しない樹脂によって形成され、ライナのドーム部に対応する第2樹脂層は繊維強化樹脂によって形成されている。繊維を有しないドーム部材は、表面が滑らかな曲面であるため、この上に第2樹脂層を形成した場合、両者の接触面積が大きくなり、高い接着強度を得ることができる。その結果、樹脂層のうちライナのドーム部に対応する第1樹脂層と第2樹脂層との接着強度を高めることができる。
本発明に係る高圧タンクの製造方法は、円筒状の胴体部と前記胴体部の軸方向の両端に設けられた一対のドーム部とを有するライナと、前記ライナを覆う第1樹脂層と、前記第1樹脂層を覆う第2樹脂層と、を備える高圧タンクの製造方法であって、繊維を有しない樹脂を用いて前記ドーム部に対応するドーム部材を形成する工程と、繊維強化樹脂を用いて前記胴体部に対応する筒部材を形成する工程と、前記筒部材の両端部に前記ドーム部材を接合して前記第1樹脂層を形成する工程と、前記繊維強化樹脂を用いて前記第1樹脂層の外周面にヘリカル巻きで前記第2樹脂層を形成する工程と、を含むことを特徴としている。
本発明に係る高圧タンクの製造方法では、繊維を有しない樹脂を用いてドーム部に対応するドーム部材を形成する工程と、繊維強化樹脂を用いて胴体部に対応する筒部材を形成する工程と、筒部材の両端部にドーム部材を接合して第1樹脂層を形成する工程と、繊維強化樹脂を用いて第1樹脂層の外周面にヘリカル巻きで第2樹脂層を形成する工程と、を含む。形成された繊維を有しないドーム部材は、表面が滑らかな曲面であるため、この上に第2樹脂層を形成した場合、両者の接触面積が大きくなり、高い接着強度を得ることができる。その結果、樹脂層のうちライナのドーム部に対応する第1樹脂層と第2樹脂層との接着強度を高めることができる。
本発明によれば、樹脂層のうちライナのドーム部に対応する第1樹脂層と第2樹脂層との接着強度を高めることができる。
高圧タンクの構造を示す概略断面図である。 高圧タンクの製造方法を示すフローチャートである。 高圧タンクの製造方法を説明するための模式図である。 高圧タンクの製造方法を説明するための模式図である。 高圧タンクの製造方法を説明するための模式図である。 高圧タンクの製造方法を説明するための模式図である。
以下、図面を参照して高圧タンク及びその製造方法の実施形態について説明する。本実施形態において、高圧タンク1は、燃料電池車両に搭載されて内部に高圧の水素ガスが充填される例として説明するが、その他の用途についても適用されても良い。また、高圧タンク1に充填可能なガスとしては、高圧の水素ガスに限定されない。
[高圧タンクについて]
まず、図1に基づいて高圧タンクの構造を説明する。図1は高圧タンクの構造を示す概略断面図である。高圧タンク1は、両端がドーム状に丸みを帯びた略円筒形状の高圧ガス貯蔵容器であって、ガスバリア性を有するライナ10と、ライナ10の外周面を覆うように形成された樹脂層20とを備えている。樹脂層20は、ライナ10を覆う第1樹脂層21と、第1樹脂層21を覆う第2樹脂層22とを有する。
ライナ10は、高圧水素を貯留する貯留空間15を有する中空の容器であって、水素ガスに対するガスバリア性を有する樹脂材料によって形成されている。このライナ10は、円筒状の胴体部11と胴体部11の軸L方向の両端に設けられた一対のドーム部(ドーム部12、ドーム部13)とを有する。ドーム部12及びドーム部13は、それぞれ半球状を呈する。ドーム部12の頂部には円形状の開口部14が形成されており、開口部14には略円筒形状の口金30が装着されている。一方、ドーム部13には、開口部が形成されておらず、口金も設けられていない。
ライナ10を構成する樹脂は、良好なガスバリア性を有するものであれば良く、例えばポリアミド、ポリエチレン、及びエチレン-ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)、ポリエステル等の熱可塑性樹脂や、エポキシ等の熱硬化性樹脂が挙げられる。なお、ライナ10の貯留空間15には、燃料ガスとして水素ガスの他に、例えば、CNG(圧縮天然ガス)等の各圧縮ガス、LNG(液化天然ガス)、LPG(液化石油ガス)等の各種液化ガス、その他のガスが充填されても良い。
口金30は、ステンレスやアルミニウムなどの金属材料を所定形状に加工したものである。この口金30は、略円筒形状の口金本体部31と、ライナ10と第1樹脂層21のドーム部材21b(後述する)との間に嵌入された鍔部32とを有する。口金30には、貯留空間15に対して水素ガスを充填及び排出するためのバルブ(図示せず)が取り付けられている。
第1樹脂層21は、ライナ10の外周面を覆うとともに、ライナ10を補強して高圧タンク1の剛性や耐圧性等の機械的強度を向上させる機能を有する。この第1樹脂層21は、ライナ10の胴体部11に対応する筒部材21aと、ライナ10のドーム部12に対応するドーム部材21bと、ドーム部13に対応するドーム部材21cとを有する。そして、筒部材21a、ドーム部材21b、及びドーム部材21cは、例えば接着剤によって一体的に接合されている。
筒部材21aは、繊維強化樹脂によって形成されている。ここでの繊維強化樹脂は、繊維に樹脂が含浸されてなるものであり、例えば直径が数μm程度の単繊維を束ねて構成されたものに、未硬化の熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含浸させることにより形成されている。そして、単繊維としては、例えばガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、スチール繊維、PBO繊維、天然繊維、又は高強度ポリエチレン繊維などの繊維を挙げることができるが、軽量化や機械的強度等の観点から炭素繊維を用いることが好ましい。
繊維強化樹脂に用いられる熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、及びエポキシ樹脂等が挙げられるが、機械的強度等の観点からエポキシ樹脂を用いることが好ましい。一般的に、エポキシ樹脂とは、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンの共重合体等であるプレポリマーと、ポリアミン等である硬化剤と、を混合して熱硬化することで得られる樹脂である。エポキシ樹脂は、未硬化状態では流動性があり、熱硬化後は強靭な架橋構造を形成する。一方、繊維強化樹脂に用いられる熱可塑性樹脂としては、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルファイド、ポリアクリル酸エステル、ポリイミド、ポリアミド等が挙げられる。
筒部材21aは、例えば樹脂が含浸された繊維をフープ巻きにすることによって形成されている。フープ巻きとは、ライナ10の軸Lと繊維の巻き付け方向とがなす角度(いわゆる巻き角度)が略垂直になるように、繊維をライナ10の周方向に巻き付ける態様である。ここで、「略垂直」とは、90度と、繊維同士が重ならないように繊維の巻き付け位置をずらすことによって生じ得る90度前後の角度との両方を含むことを意味する。
一方、ドーム部材21b及びドーム部材21cは、繊維を有しない樹脂材料によってそれぞれ形成されている。ここでの樹脂材料としては、特に限定されるものではないが、例えば熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を用いることができる。熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂は、例えば上記繊維強化樹脂に用いられるものと同じである。
第2樹脂層22は、第1樹脂層21の外周面を覆うように繊維強化樹脂によって形成されている。第2樹脂層22に用いられる繊維強化樹脂は、第1樹脂層21の筒部材21aに用いられる繊維強化樹脂と同じであっても良く、異なっても良いが、コスト削減の観点から同じであるのが好ましい。
そして、第2樹脂層22は、例えば筒部材21a、ドーム部材21b及びドーム部材21cの全体を覆うように、樹脂が含浸された繊維をヘリカル巻きにすることによって形成されている。すなわち、第2樹脂層22はヘリカル層からなる。
なお、ヘリカル巻きとは、ライナ10の軸Lと繊維の巻き付け方向とがなす角度(いわゆる巻き角度)が0°より大きく90°未満になるように繊維を螺旋状に巻き付ける態様である。このヘリカル巻きは、巻き角度によって低角度ヘリカル巻きと高角度ヘリカル巻きに更に分けられる。
低角度ヘリカル巻きは、すなわち巻き角度が小さい(例えば0°より大きく30°以下)場合のヘリカル巻きであり、繊維がライナ10の軸Lを一周する前にドーム部材21b,21cにおける繊維の巻付方向の折り返しが生じる巻き付け態様である。高角度ヘリカル巻きは、すなわち巻き角度が大きい(例えば30°より大きく90°未満)場合のヘリカル巻きであり、ドーム部材21b,21cにおける繊維の巻付方向の折り返しが生じるまでに、筒部材21aにおいて繊維がライナ10の軸Lを少なくとも一周する巻き付け態様である。
本実施形態に係る高圧タンク1では、ライナ10のドーム部12,13に対応する第1樹脂層21のドーム部材21b,21cは繊維を有しない樹脂、ドーム部12,13に対応する第2樹脂層22は繊維強化樹脂によってそれぞれ形成されている。繊維を有しないドーム部材21b,21cは、表面が滑らかな曲面であるため、この上に第2樹脂層22を形成した場合、両者の接触面積が大きくなり、高い接着強度を得ることができる。その結果、樹脂層20のうちライナ10のドーム部12,13に対応する第1樹脂層21と第2樹脂層22との接着強度を高めることができる。
加えて、ドーム部材21b,21cは繊維を有しない樹脂によって形成されるので、従来のようにドーム部材も繊維強化樹脂によって形成された場合と比べて、材料費及び加工費を大きく低減することができる。更に、このようにすれば、ライナ10の胴体部11に対応する第2樹脂層22を厚くする(言い換えれば、第2樹脂層22の巻き付け層数を増やす)ことができるので、筒部材21aが内圧で胴体部11の軸方向に生じる弾性伸び量を抑制し、ライナ10のシール機能を維持することができる。
[高圧タンクの製造方法について]
次に、高圧タンク1の製造方法の実施形態を説明する。図2は高圧タンクの製造方法を示すフローチャートである。高圧タンク1の製造方法は、ドーム部材形成工程S1と、筒部材形成工程S2と、第1樹脂層形成工程S3と、第2樹脂層形成工程S4と、ライナ形成工程S5と、を含む。なお、ドーム部材形成工程S1と筒部材形成工程S2とは、互いに独立した工程であるため、並行して行っても良く、いずれの工程を先に行っても良い。
ドーム部材形成工程S1では、例えば繊維を有しない樹脂を用いて、射出成形でドーム部材21bとドーム部材21cとをそれぞれ形成する。具体的には、例えば熱可塑性樹脂を高温にして溶融させた状態において、所定の射出圧で金型に押し込み、固化させることによりドーム部材21bとドーム部材21cとをそれぞれ形成する。なお、ドーム部材21bを形成する際に、開口部14も同時に形成される(図3参照)。
また、図3に示すように、ドーム部材21b及びドーム部材21cを形成する際に、軸L方向の両端の厚みが徐々に薄くなることが好ましい。このようにすれば、後にドーム部材21b及び21cを筒部材21aと嵌めて接合する際に、筒部材21aとの接合部分に段差が形成されにくくなる。
筒部材形成工程S2では、例えばフープ巻きを用いて、樹脂が含浸された繊維を円筒状の型の外周面に巻回して巻回体を作製し、作製した巻回体を固化させることで筒部材21aを形成する。図3に示すように、筒部材21aを形成する際に、軸L方向の両端の厚みが徐々に薄くなることが好ましい。このようにすれば、後に筒部材21aをドーム部材21b及び21cと嵌めて接合する際に、ドーム部材21b及び21cとの接合部分に段差が形成されにくくなる。その結果、筒部材21aとドーム部材21b及び21cとの接合部分の段差に起因して、第1樹脂層21と第2樹脂層22との間にボイドが形成されるのを抑制することができる。
なお、巻回体を固化させる(言い換えれば、繊維に含浸された樹脂を固化させる)方法としては、特に限定されるものではないが、含浸された樹脂が熱硬化性樹脂である場合、樹脂を予備硬化しても良い。予備硬化の条件(温度及び時間)は、含浸された樹脂の種類によって異なるが、樹脂の粘度が所定の型に巻回したときの粘度(予備硬化前の粘度)よりも高くなるように設定される。ここでは、予備硬化として、含浸された樹脂の流動性がなくなるまで行われる。一方、含浸された樹脂が熱可塑性樹脂である場合、樹脂が流動性を有した状態の繊維を冷却することによって、樹脂を固化させても良い。
また、この筒部材形成工程S2において、CW(Centrifugal Winding)法を用いて、回転する円筒金型の内面に樹脂が含浸された繊維シートを貼り付けることにより筒部材21aを形成しても良い。その際に用いられる繊維シートは、例えば円筒金型の周方向に配向された繊維を有するものが好ましい。このようにすれば、周方向に繊維が配向された筒部材21aを得られる。
第1樹脂層形成工程S3では、図3に示すように、筒部材21aの両端部とドーム部材21b及び21cの端部とを接合して第1樹脂層21を形成する。具体的には、まず、開口部14を有するドーム部材21bに口金30を装着する。具体的には、ドーム部材21bの内側から口金30を開口部14に差し込み(図3中の矢印参照)、更に口金30の鍔部32がドーム部材21bの内側に当たるまで該口金30を装着する。
次に、ドーム部材21b及び21cの端部を外側にし、筒部材21aの両端部を内側にした状態でこれらの部材を嵌め合せて接合する。筒部材21aの端部、ドーム部材21bの端部、及びドーム部材21cの端部の各々は、円周状に形成されているため、ドーム部材21bの端部及びドーム部材21cの端部の各々は、筒部材21aの端部に対して全周に亘って接触する。
このとき、筒部材21aとドーム部材21b及び21cとの間に接着剤などを配置しても良い。このようにすれば、筒部材21aとドーム部材21b及び21cとが外れるのを抑制することができる。また、筒部材21aとドーム部材21b及び21cとの隙間が埋まるため、後のライナ形成工程S5において、ライナ10となる樹脂材料が筒部材21aとドーム部材21b及び21cとの隙間に流れ込むのを防止することができる。
なお、第1樹脂層形成工程S3では、ドーム部材21b及び21cの端部を内側にし、筒部材21aの両端部を外側にした状態でこれらの部材を嵌め合せて接合しても良い。
第2樹脂層形成工程S4では、例えばヘリカル巻きを用いて、第1樹脂層21の外周面、すなわち筒部材21aとドーム部材21b及び21cとを覆うように樹脂が含浸された繊維を巻回して巻回体を形成する(図4参照)。
続いて、巻回体を熱硬化炉に搬送し、熱硬化炉で例えば160℃で10分加熱することにより、繊維に含浸された樹脂を熱硬化させる。これによって、第2樹脂層22が形成される。
ライナ形成工程S5では、上述の工程で形成された第1樹脂層21及び第2樹脂層22について、第1樹脂層21の内部に樹脂材料Mを流し込んだ後に、流し込んだ樹脂材料Mが第1樹脂層21の内面全体に行き渡るようにこれらの樹脂層を回転させ、樹脂材料Mを固化させることによりライナ10を形成する。
具体的には、図5に示すように、口金30が装着された第1樹脂層21及び第2樹脂層22を水平状態で(すなわち、軸L方向が水平方向と一致するように)配置し、口金30の開口を介して第1樹脂層21の内部にノズル40を挿入する。続いて、ノズル40を介して第1樹脂層21の内部に液体の樹脂材料Mを流し込み、その後、ノズル40を口金30から引き出し、栓部材41で口金30の開口を塞ぐ。
樹脂材料Mは、上述したように、ガスバリア性が良好な樹脂であることが好ましい。このような樹脂としては、例えば、ポリアミド、ポリエチレン、及びエチレン-ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)、ポリエステル等の熱可塑性樹脂や、エポキシ等の熱硬化性樹脂が挙げられるが、ポリアミドであることが好ましい。
続いて、樹脂材料Mが筒部材21aの内面全体に行き渡るように第1樹脂層21及び第2樹脂層22を回転させる。具体的には、第1樹脂層21の内部空間を必要に応じて所定温度以上に加熱して、樹脂材料Mが低粘度(0~0.05Pa・s)で流動性を有した状態で、例えば第1樹脂層21及び第2樹脂層22を軸Lを中心として周方向に回転させることにより、樹脂材料Mを第1樹脂層21の筒部材21a内面全体と接触させて固化前の胴体部11を形成する。
次に、口金30側を上にした状態で第1樹脂層21及び第2樹脂層22を回転させることにより、樹脂材料Mを第1樹脂層21のドーム部材21cの内面全体と接触させて固化前のドーム部13を形成する。その後、口金30側を下にした状態で第1樹脂層21及び第2樹脂層22を回転させることにより、樹脂材料Mを第1樹脂層21のドーム部材21bの内面全体と接触させて固化前のドーム部12を形成する(図6参照)。
次に、樹脂材料Mを固化させる。ここで、樹脂材料Mが熱硬化性樹脂である場合、例えば第1樹脂層21を加熱することにより、樹脂材料Mを硬化させてライナ10を形成する。一方、樹脂材料Mが熱可塑性樹脂である場合、第1樹脂層21の温度を下げることによって、樹脂材料Mを第1樹脂層21の内面全体と接触させた状態で固化させ、ライナ10を形成する。
本実施形態に係る高圧タンク1の製造方法では、繊維を有しない樹脂を用いてライナ10のドーム部12,13に対応するドーム部材21b,21cを形成するドーム部材形成工程S1と、繊維強化樹脂を用いて胴体部11に対応する筒部材21aを形成する筒部材形成工程S2と、筒部材21aの両端部にドーム部材21b,21cを接合して第1樹脂層21を形成する第1樹脂層形成工程S3と、繊維強化樹脂を用いて第1樹脂層21の外周面に第2樹脂層22を形成する第2樹脂層形成工程S4と、第1樹脂層21の内部に樹脂材料Mを流し込んでライナ10を形成するライナ形成工程S5と、を含む。このように形成された繊維を有しないドーム部材21b,21cは、表面が滑らかな曲面であるため、この上に第2樹脂層22を形成した場合、両者の接触面積が大きくなり、高い接着強度を得ることができる。その結果、樹脂層20のうちライナ10のドーム部12,13に対応する第1樹脂層21と第2樹脂層22との接着強度を高めることができる。
また、ドーム部材21b,21cは繊維を有しない樹脂によって形成されるので、従来のように繊維強化樹脂を用いてドーム部材を形成した場合と比べて、材料費及び加工費を大きく低減することができる。更に、このようにすれば、ライナ10の胴体部11に対応する第2樹脂層22を厚くする(言い換えれば、第2樹脂層22の巻き付け層数を増やす)ことができるので、筒部材21aが内圧で胴体部11の軸方向に生じる弾性伸び量を抑制し、ライナ10のシール機能を維持することができる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
1 高圧タンク
10 ライナ
11 胴体部
12,13 ドーム部
14 開口部
15 貯留空間
20 樹脂層
21 第1樹脂層
21a 筒部材
21b,21c ドーム部材
22 第2樹脂層
30 口金
31 口金本体部
32 鍔部

Claims (2)

  1. 円筒状の胴体部と前記胴体部の軸方向の両端に設けられた一対のドーム部とを有するライナと、前記ライナの外周面を覆うように形成された樹脂層と、を備える高圧タンクであって、
    前記樹脂層は、前記ドーム部に対応するドーム部材と前記胴体部に対応する筒部材とからなる第1樹脂層と、前記第1樹脂層を覆うヘリカル層からなる第2樹脂層と、を有し、
    前記ドーム部材は、繊維を有しない樹脂によって形成され、
    前記筒部材及び前記第2樹脂層は、繊維強化樹脂によって形成されていることを特徴とする高圧タンク。
  2. 円筒状の胴体部と前記胴体部の軸方向の両端に設けられた一対のドーム部とを有するライナと、前記ライナを覆う第1樹脂層と、前記第1樹脂層を覆う第2樹脂層と、を備える高圧タンクの製造方法であって、
    繊維を有しない樹脂を用いて前記ドーム部に対応するドーム部材を形成する工程と、
    繊維強化樹脂を用いて前記胴体部に対応する筒部材を形成する工程と、
    前記筒部材の両端部に前記ドーム部材を接合して前記第1樹脂層を形成する工程と、
    前記繊維強化樹脂を用いて前記第1樹脂層の外周面にヘリカル巻きで前記第2樹脂層を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする高圧タンクの製造方法。
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